JP2004341272A - 角度選択透過性反射材、及びそれを用いた車両用積層ガラス,車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】最適な材料配置を行ない、建物の室内、炎天下停車時の車室内の温度低下を図ることが可能な角度選択透過性反射材及びそれを用いた車両用積層ガラス,車両を提供すること。
【解決手段】角度選択光線透過手段の構成中に再帰反射材を持つフィルタおよびまたはフィルムからなる角度選択透過性反射材とした。また、積層ガラスの中間膜として、角度選択透過性反射材を中間膜の一部もしくは全部に用いた車両用積層ガラスとした。また、角度選択透過性反射材、およびまたは前記車両用積層ガラスを、一部または全部のガラスに用いた車両とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再帰反射材を用いた角度選択透過性反射材、特に夏季炎天下駐車時における車室内の快適性を保つための断熱および人体への熱負荷低減を目的とした角度選択透過性反射材、およびそれを用いた車両用積層ガラス、車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や自動車等における、室内への光・熱の侵入経路としては、主にガラス、大面積の壁が挙げられる。その中でも車両の場合には、やはり面積の大きい、天井、フロントガラス(ウィンドシールド)、リアガラス、フロントサイドガラス、リアサイドガラス、サンルーフからの侵入が非常に大きい。
【0003】
図11は車両のフロントガラス近傍の概略図である。ガラス1を透過した入射光は、車室内の内装材2を暖め、また、天井3を暖めることになる。すなわち、ガラス部位から透過・侵入した光・熱によって、室内の内装材、特に車両では、インストルメントパネル、シート、ドアトリム、リアパーセル、ハンドル、センターコンソール等の内装材は暖まる。これらの暖まった内装材が室内空気を暖める。夏季炎天下駐車車両の場合、車室内は70℃以上にも上る高温にさらされ、然るに乗車直後に感じる不快は言うまでもない。更に、すぐに運転を開始できない不便や、さらには過大なエアコン負荷による燃料消費、COの排出量増加にもつながる。
【0004】
これらの現象を鑑み、近年、車内に流入する光、熱エネルギーを遮蔽し、車室内の温度上昇、冷房負荷を低減させることが目的の技術が各種車両に採用されている。車室内の熱負荷が低減されることで、人体への不快感の低減のほか、燃料の消費が抑えられるほか、空調機の小型化による軽量化で、燃費の改善、ひいては地球環境の保護への貢献もある。
【0005】
これらの熱への対策として、光学的な反射機能を車両に施した例として、窓ガラスでの反射を考慮した特許文献1に記載の「車両用複層ガラス」が挙げられる。
【0006】
この例では、窓ガラスに反射機能を持たせ、車室内への紫外線の侵入を防いでいる。これらのようにガラスに反射機能を付与する方法も考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特許第3315453号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フロントガラス、フロントサイドガラスには、法規上、可視光線透過率(Tv)が70%以上の確保が必要である。そのため、この基準を確保すると、反射機能も20〜30%程度の日射反射率(Re)しか得られず、また、これ以上の性能向上は望めない。このフロントガラス、フロントサイドガラスは言うまでも無く、光の侵入経路としては非常に大きい面積を持っており、この部位での対策がこれ以上できないことは、他の手段での対策が必要であることを意味している。
【0009】
前述のように、車室内への光の侵入経路としては、主に面積の大きい、フロントガラス(ウィンドシールド)、リアガラス、フロントサイドガラス、リアサイドガラス、サンルーフ等が挙げられる。これらの部位を透過し、侵入した光は、主にインストルメントパネル、シート、ドアトリム、リアパーセル、ハンドル、センターコンソール等の内装材に照射し、それらを暖める。
【0010】
なお、本発明の中に記載している日射反射率(Re)、日射透過率(Te)、可視光反射率(Rv)、可視光透過率(Tv)の値は、JIS R3106に準じて、測定されたものである。
【0011】
また、図15に示すように、一般に遮光用途に用いられるシェードでは、シェードを用いて遮光したとしても、ガラスへのエネルギーの吸収を促してしまいガラス温度の上昇を招くばかりか、そのガラスとシェード間の空気温度も上昇してしまうため、結果として、やはり車室内の温度は上昇してしまう。
【0012】
これらの課題を解決すべく、本発明は、最適な材料配置を行ない、建物の室内、炎天下停車時の車室内の温度低下、人体への温熱負荷低減、また、クールダウン時の空調器負荷を低減することを目的に成されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、このような課題を解決するべく、本発明者らは主に、建物、車両等の日射透過部、すなわち窓部への反射機能付与に着目し、これらの熱の侵入を防ぐ手法を鋭意検討した結果、室内の温度を大きく低下することができる以下の発明を考案するに至った。即ち本発明は、角度選択光線透過手段を有するフィルタおよびまたはフィルムからなる角度選択透過性反射材に再帰反射材を備えたルーバーを構成し、また、前記角度選択透過性反射材を備えた車両用ガラスを用いたことを特徴とする。
【0014】
これを用いることで、フィルム、ガラス自体の温度上昇を避け、また、日射エネルギー入射面の裏面側での温度上昇を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における角度選択透過性反射材を実現する実施の形態を、次の実施例及び比較例に基づいて説明する。
【0016】
(第1実施例)
以下本発明について詳細に述べる。
本発明はまず、フィルタおよびまたはフィルム、車両用ガラスの構成、つまりそのフィルム中のルーバーに再帰反射材を用いることにより、フィルム、ガラス自体の温度上昇を防ぎ、また、室内の温度の上昇を低減することを可能とした(請求項1に対応)。もちろん、本発明はフロントガラスに必要な70%以上の可視光透過率を持つ。
【0017】
その具体的な構成は、角度選択光線透過手段を持つフィルタ及びまたはフィルムを備えた角度選択透過性反射材として、透過光以外の光線を再帰反射するルーバーを持つ。図1は角度選択透過性反射材の構成を表す概略図である。図1に示すように、角度選択透過性反射材は、光線透過層と、再帰反射層から構成され、再帰反射層がルーバーとして機能する。
【0018】
このルーバーは、角度選択透過性反射材の平面に対し、所定の角度をもって積層されている。尚、所定の角度は、例えば車両のフロントガラスにこの角度選択透過性反射材を適用した場合、運転者の目線と平行となるように設定されるものとする。
【0019】
ここで言う角度選択光線透過手段とは、光線の入射角度により、透過率が大きく変化する構成で、一例として、ある角度では光線を80〜95%程度を通し、またある角度では、20%以下、ほぼ0%まで通さなくなる構成を言う。
【0020】
ここで言う再帰反射材とは、ガラスビーズや微細な立体プリズム構造(コーナーキューブ)を持つ反射材で、一般に道路標識、看板等の視認性向上に用いられるものである。
【0021】
本発明者は、再帰反射材の持つこれらの機能に着目し、熱対策に用いることを見出した。
【0022】
再帰反射材は、光の照射方向に係わらず、入射光を照射方向に反射する性質を有する。それを、フィルム、ガラスに用いることで、照射された太陽光は太陽の方向に反射され、照射側の裏面側へ光を照射しない。然るに再帰反射材は、エネルギーをも遮断し熱対策として有用に活用できるのである。
【0023】
また、ここで言うルーバーとは、光の進入角度により、透過、遮断を変化させるために並べた遮断層を言い、光がフィルム、ガラスを透過する際、透過角度、視野角の制限を行う。
【0024】
このルーバーが遮断層となるときに、その遮断層に再帰反射材を設けたときに、本発明の効果は大きく発現する(請求項3に対応)。
【0025】
また、ここで言う照射方向とは、日射がフィルム、ガラスに入射する側の面のことを言う。
【0026】
さらにまた、ここで言う光線透過層とは、一般に用いられる透明性の高い樹脂(日射透過率60%以上、可視光透過率70%以上)を用いることが出来る。さらに好適な例としては、高光線透過性樹脂(例:旭硝子製サイトップ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等)や、反射防止膜、反射防止フィルタ(例:旭硝子製ARCTOP、東レ製E−Filter等)等の日射透過率が、一般の透明樹脂材料よりも大きくなる加工を施された材料を用いることで、より室内温度を下げることが出来、さらには、ガラス面への映りこみ防止の機能をも併せ持たせることができる。
【0027】
本発明の構成、すなわち、ルーバーの遮断層の表面に反射層として再帰反射材を用いることで、フィルム、ガラスに入射された光は、光源方向へと反射されるため、対策を行なったフィルム、ガラス自体を暖めないばかりか、対策を行っていないその裏面側の内装材を暖めることなく、室外へと放出される。
【0028】
図2,4は再帰反射層表面を拡大した概略図、図3は立体プリズムを表す概略図である。再帰反射層として、その反射層中の基材11表面にビーズ12として、ガラスビーズおよびまたは樹脂ビーズを用いること、更には樹脂による立体プリズム13を用いることは好適である(請求項4,5に対応)。
【0029】
この構成を得るには、反射層表面に再帰反射機能を有する、ガラスビーズ、立体プリズムを塗布する方法、このビーズ、プリズムをあらかじめシート状にした再帰反射シートを表面に設置する方法、フィルムを製造する際に表面にプリズム構造をプリントする方法等がある。
【0030】
ここで言うガラスビーズ、樹脂ビーズとは、硝子や樹脂の透明の球体で、概ね10μm〜1mm程度の大きさのそろったものを言う。
【0031】
図2のように、太陽光がガラスビーズ、樹脂ビーズの光学的性質により、その入射方向に関係なく入射方向に反射される。この原理は再帰反射性として知られ、ガラスビーズ入りの塗料が光反射塗料として道路標識、視認性向上のための衣料、靴等の安全用品等に広く用いられている。
【0032】
ガラスビーズが再帰反射層にプリントされたシートとして、市場入手可能なものの例としては、住友スリーエム製スコッチライトカプセルレンズ型反射シートや日本カーバイド工業製ニッカライトカプセルレンズ型高輝度シート、封入レンズ型再帰反射シート等が挙げられる。
【0033】
ここで言う立体プリズムとは、3面または4面または6面の3角形が、角度を持ちつつ向き合った平面を持つ構造を言う。面の大きさは概ね0.05〜0.5mm程度のものを用いる。
【0034】
これらのうち3面からなる立体プリズムは、図4のように立方体の一隅を切り取った形の互いに垂直な3つの反射面をもち、光は3面で1回ずつ正反射した後再び入射方向に出る。
【0035】
立体プリズムの三角形の面は、入射光の入射方向に関係なく入射方向に反射する機能を持っており、ガラスビーズ、樹脂ビーズよりも高い再帰反射性能が得られる。
【0036】
これを形成するのに樹脂を用いるのは好適である。樹脂で形成することで、加工性、経済性、市場入手性、リサイクル性等の点で金属、セラミクス等の材料より優位である。
【0037】
これらの形成に用いる樹脂は、主に熱可塑性樹脂で、スチレン、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、テトラメチレングリコールエーテルの熱可塑性ポリウレタン、ナイロン66などの脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン等のことで、これらを用いるのが、加工性、経済性、市場入手性、リサイクル性等の点から好適であるが、ここでは特に限定は行わない。
【0038】
これらの立体プリズムを内装材に形成するのには、内装材の表面に立体プリントにより形成させる方法、あらかじめプリントされたシートを積層させて用いる方法、積層体形成時に形成させる方法等を用いるのが好適である。
【0039】
これらの立体プリズムが再帰反射層のプリントされたシートとして、市場入手可能なものの例としては、住友スリーエム製スコッチライトダイヤモンドグレードや日本カーバイド工業製ニッカライトクリスタルグレード等が挙げられる。
【0040】
次に、これらのルーバーのピッチは、角度選択透過性反射材の厚さに対して、0.5倍以上5倍以下であることが好ましい(請求項6に対応)。
【0041】
図5は角度選択透過性反射膜の厚さ、ルーバー角、ピッチの関係を表す概略図である。ルーバーに再帰反射材を積層し、太陽からの日射光を反射するためには、上記のピッチに設定する必要がある。0.5倍以上とすることで、透過が必要な範囲を保持しつつ、反射性能を上げることができる。また、5倍以下とすることで、太陽光が直接裏面側へ侵入することを防ぎ、裏面側の温度上昇を低下する効果が大きく得られる。
【0042】
更には、角度選択透過性反射材の厚さは0.1mm以上5.0mm以下であることが好適である(請求項7に対応)。後述する実施例の表1において、この範囲内の膜厚で良好な性能が得られているのが分かる。
【0043】
ルーバーの傾きを示すルーバー角は、角度選択透過性反射材を設置する際の角度に依存し、入射光の方向、光線透過方向によって、任意に設定できる。一例としては、太陽光を遮断したい場合、設置したいフィルムの角度に合わせ、再帰反射層を設置した面が入射方向を向くように設定する。
【0044】
この様にして得られた角度選択透過性反射材の化学的、機械的耐久性の向上のため、合せガラスの積層を容易にするために、上記角度選択透過性反射材は2枚のポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる中間膜間に挾まれることも可能である。そして、この可撓性積層体を上述の2枚のガラス板間に挾んで圧着して合せガラスを得ることもできるがここでは特に限定は行わない。
【0045】
これらの角度選択透過性反射材を車両用積層ガラスの中間膜の一部もしくは全部に用いること、その角度選択光線透過材、およびまたは車両用積層ガラスを一部または全部のガラスに用いることは、非常に好適である(請求項8に対応)。
【0046】
これらの部位は、先述のとおり、車両のなかでも直接、日射が照射される部位である。入熱源により近い部位で、本発明の対策を行なうのが、吸収によるロス、つまりは車室内を暖めることが少なく、より効果的に車室内の温度を低減することができる。
【0047】
これらのガラスの素材としては、一般に用いられるガラスを適用することができる。無論、透明な無色または着色ガラス、合せガラス等であってかまわない。その他、例えばクリアーガラス、グリーンガラス、ブロンズガラス、グレーガラス、ブルーガラス、UVカット断熱ガラス、熱線吸収ガラス、強化ガラス等も、上述の条件を満たす範囲の組み合わせで採用可能である。
【0048】
上述の範囲内でガラス自体に熱線吸収、熱線反射の機能を持つことももちろん可能であるし、その他の機能(抗菌、脱臭等)を持っていても構わない。
【0049】
これらのガラスを車両に用いることは、本発明の課題解決として非常に好適である(請求項9に対応)。
【0050】
これらの構成による車両は、図5〜8に示したような、セダン、コンパクトカー、ミニバン、ワゴン等の車型に好適な他、もちろん軽自動車、クーペ、SUV、1BOX、2BOX、バン、トラック等の様々な車型でも十分に高価を発揮する。
【0051】
【実施例】
次に、本発明の実施例および従来例としての比較例を説明する。
【0052】
【実施例1】
まず、図10に示すように、光線透過層として厚さ600μmのシリコン樹脂シートと厚さ150μmのプリズム型再帰反射シート(住友スリーエム製スコッチライトダイヤモンドグレード)を積層し、30cm角、厚さ30cmのブロックを作製し、ルーバー角60度となるように厚さ0.5mmにスライスし、角度選択透過性膜を得、厚さ50μmのPETフィルムに挟み、評価に用いた。
【0053】
【実施例2】
再帰反射層としてビーズ型再帰反射シート(日本カーバイド工業製ニッカライトカプセルレンズ型高輝度シート)に用いた以外は実施例1と同様にし、評価に用いた。
【0054】
【実施例3】
シリコン樹脂シート(光線透過層)の厚さを350μm、スライス厚さを2.0mmとした以外は実施例1と同様にし、評価に用いた。
【0055】
【実施例4】
シリコン樹脂シート(光線透過層)の厚さを350μm、スライス厚さを0.2mmとした以外は実施例1と同様にし、評価に用いた。
【0056】
【実施例5】
シリコン樹脂シート(光線透過層)の厚さを1100μm、スライス厚さを5.0mmとした以外は実施例1と同様にし、評価に用いた。
【0057】
【実施例6】
ルーバー角が30度となるようにスライスした以外は実施例1と同様にし、評価に用いた。
【0058】
【実施例7】
ルーバー角が45度となるようにスライスした以外は実施例1と同様にし、評価に用いた。
【0059】
【実施例8】
実施例1で得られた角度選択透過性反射膜をPVBフィルムに挟み、グリーンガラス同士の中間膜として用いて合せガラスを得、日産製スカイライン(V35)のフロントガラスに用い、評価に用いた。
【0060】
【比較例1】
一般のフィルムとして、厚さ0.6mmのPETフィルムを評価に用いた。
【0061】
【比較例2】
比較例1のフィルムをPVBに挟み、グリーンガラス同士の中間膜として用いて合せガラスを得、日産製スカイライン(V35)のフロントガラスに用い、評価に用いた。
【0062】
(評価方法)
得られたフィルム、車両の温熱性能について下記の測定、評価を行なった。なお、再帰反射材の光学性能を通常の光学機器で評価する方法はJIS Z 9117で規定されているが、この方法で得られる光学性能と、本発明の熱的性能に直接の相関がないため、以下の方法により本発明の効果を評価した。
【0063】
(測定および評価方法)
(フィルム、ガラスの光学特性)
可視光透過率(Tv)、ならびに日射透過率(Te)についてJIS R 3106に準拠し、分光光度計(日立製U−4000)を用いて測定した。
(フィルム、ガラスの温熱特性)
図11に示すように、人工太陽灯により、再帰反射面に日射が当たるように設置し、フィルム温度、裏面側空気温度を熱電対を用いて測定した。
(車両温熱特性)
図12はクルマに当たる日射が車室内をどのくらい暖めるかを評価する装置41の概略図を示す。人工太陽灯による日照量は真夏の炎天下を模し、1000W/mとした。ドライバー席頭部付近(ヘッドレストから前方へ15cm付近、図13参照)の位置の温度をヴァイサラ社製温湿度計(HMP233LD)、およびK型熱電対を用いて測定した。なお、車両の外気温は35℃とし、人工太陽灯照射開始2時間後の温度を結果として用いた。
【0064】
また、参考値として、上記と同様の測定機器を用いて、夏季炎天下に比較例1の車両とその他の例を対にして並べ、温度を測定した。
【0065】
次に、効果を説明する。
(1)前述の評価方法で得られた結果を表1に示す。
Figure 2004341272
人工太陽灯の評価結果では、温熱特性として車室内温度が比較例1と比較して、10℃以上温度が低下したものは◎、低下幅が10℃未満、5℃以上であったものは○、5℃未満の低下代、または悪化したものは×で示した。
【0066】
このように、本発明の実施例においては、従来例に比較して車室内温度が大きく低下した。これらは、車内の断熱効果に優れるため乗員の居住性を快適にするばかりか、車両の冷房負荷を低減することができるので、燃費の低減、COの削減にも大いに貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】再帰反射材を用いた角度選択透過性反射材での反射を示した模式図である。
【図2】再帰反射材での反射機構を示した側断面模式図である。
【図3】立体プリズムの概形を示した模式図である。
【図4】立体プリズム式再帰反射材を示した側断面模式図である。
【図5】角度選択透過性反射材の模式図である。
【図6】スカイライン(V35)の概略図である。
【図7】マーチ(K12)の概略図である。
【図8】セレナ(C24)の概略図である。
【図9】プリメーラワゴン(WP11)の概略図である。
【図10】角度選択透過性反射材の模式図である。
【図11】フィルム、ガラスの評価装置の模式図である。
【図12】車両評価装置の模式図である。
【図13】車両評価時のセンサー設置位置を示した模式図である。
【図14】一般的な内装材での光吸収を示した模式図である。
【図15】従来のガラスでの日射吸収、再出の模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス
2 内装材
3 天井材
4 再帰反射材
11 基材
12 ガラスビーズ
13 立体プリズム
41 人工太陽灯

Claims (9)

  1. 光線の入射角に応じて透過率が異なる角度選択光線透過手段を備えたフィルタおよびまたはフィルムからなる角度選択透過性反射材において、
    前記角度選択光線透過手段は、その構成中に再帰反射材を持つことを特徴とする角度選択透過性反射材。
  2. 光線の入射角に応じて透過率が異なる角度選択光線透過手段を備えたフィルタおよびまたはフィルムからなる角度選択透過性反射材において、
    前記角度選択光線透過手段は、再帰反射材からなるルーバーを備えたことを特徴とする角度選択透過性反射材。
  3. 請求項2に記載の角度選択光線透過性反射材において、
    前記ルーバーの受光面に再帰反射材を備えたことを特徴とする角度選択透過性反射材。
  4. 請求項1ないし3項に記載の角度選択透過性反射材において、
    前記再帰反射材の反射層中にガラスビーズ、およびまたは樹脂ビーズを備えたことを特徴とする角度選択透過性反射材。
  5. 請求項1ないし3項に記載の角度選択透過性反射材において、
    前記再帰反射材の反射層中に、樹脂による立体プリズムを備えたことを特徴とする角度選択透過性反射材。
  6. 請求項2ないし5項に記載の角度選択透過性反射材において、
    前記ルーバーのピッチが、角度選択透過性反射膜の厚さに対して、0.5倍以上5倍以下であることを特徴とする角度選択光線透過性反射材。
  7. 請求項1ないし6項に記載の角度選択透過性反射材において、
    前記角度透過性反射材の厚さが0.2mm以上5.0mm以下であることを特徴とする角度選択透過性反射材。
  8. 積層ガラスの中間膜として、請求項1ないし7項に記載の角度選択透過性反射材を中間膜の一部もしくは全部に用いたことを特徴とする車両用積層ガラス。
  9. 請求項1ないし7項に記載の角度選択透過性反射材、およびまたは請求項8に記載の車両用積層ガラスを、一部または全部のガラスに用いた車両。
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