JP2021042966A - ノイズフィルタ、レーダシステム、およびノイズフィルタの製造方法 - Google Patents

ノイズフィルタ、レーダシステム、およびノイズフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自車両と物標との距離の算出に不要なレーダ波の反射波がレーダ装置に受信されることを抑制するノイズフィルタ、レーダシステム、およびノイズフィルタの製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、レーダ装置40から物標72に向けて送信されるレーダ波Lを透過し、物標72にて反射したレーダ波Lの反射波Rのうち所定方向から入射した反射波Rのみを透過してレーダ装置40に受信させるノイズフィルタ10であって、レーダ波Lおよび反射波Rを透過する透過帯22と、レーダ波Lおよび反射波Rを遮蔽する遮蔽帯24とが交互に配置されたルーバー層20を備えるノイズフィルタ10、レーダシステム1、およびノイズフィルタの製造方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、ノイズフィルタ、レーダシステム、およびノイズフィルタの製造方法に関する。
従来から、自車両と、自車両の進行方向前方に位置する先行車両、歩行者、または道路構造物等の物標との衝突被害を抑制するプリクラッシュセーフティ(PCS)制御が実現されている。PCS制御においては、自車両と物標との相対距離と、相対速度または相対加速度とに基づいて、自車両と物標との衝突までに要する衝突予測時間(TTC:Time to Collision)を算出し、衝突予測時間に基づいて、自車両の運転者に対して警報装置により接近を報知したり、自車両の制動装置を作動させたりしている。
特許文献1には、レーダ装置を用いて物標に対してレーダ波を送信し、物標に反射した反射波を受信することにより物標との距離等を検出し、物標の位置ベクトルを用いて自車両と衝突する可能性が高いか否かの判定を行う車両制御装置が開示されている。このような車両制御装置によれば、自車両と衝突する可能性が高いと判定された場合に、早期に適切な運転支援制御を行うことができる。
特開2014−139756
ところで、レーダ装置により先行車両の位置を検出する場合、先行車両は縦又は横方向に所定以上の幅を有するものであるため、レーダ波の反射点は縦又は横方向にばらつく可能性がある。加えて、レーダ装置の前方に自車両のエンブレムが存在する場合にも同様のばらつきが生じ得る。また、先行車両の背面部は凹凸を有するため、レーダ波が当該背面部で乱反射する場合もある。このため、レーダ装置は、先行車両に反射したレーダ波を様々な方向から受信する。また、自車両が走行している道路にガードレールが設置されている場合、レーダ波がガードレールに反射し、先行車両からの反射波とガードレールからの反射波とを同時に受信する虞がある。このように、レーダ装置は、様々な方向からのレーダ波の反射波を受信するため、自車両と先行車両との車間距離を正確に算出できないという問題があった。
そこで、車間距離の算出精度を高めるため、様々な方向から受信した反射波(レーダ信号)に対して、Multiple Signal Classification(MUSIC)法等の種々の演算方法を用いてレーダ信号を分離する処理を施すことが知られている。しかしながら、このような複雑な演算方法を用いることなく、レーダ装置が車間距離の算出に不要な反射波(ノイズ)を受信することを物理的に抑制するシステムの要望が高まっている。上記要望は、自車両と先行車両との車間距離のみならず、人、障害物等の物標と自車両との距離の算出にも通じる要請である。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、自車両と物標との距離の算出に不要なレーダ波の反射波がレーダ装置に受信されることを抑制するノイズフィルタ、レーダシステム、およびノイズフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係るノイズフィルタは、レーダ装置から物標に向けて送信されるレーダ波を透過し、前記物標にて反射した前記レーダ波の反射波のうち所定方向から入射した前記反射波のみを透過して前記レーダ装置に受信させるノイズフィルタであって、前記レーダ波および前記反射波を透過する透過帯と、前記レーダ波および前記反射波を遮蔽する遮蔽帯とが交互に配置されたルーバー層を備える。
(2)別の実施形態に係るノイズフィルタでは、好ましくは、前記遮蔽帯は、主に炭素材料で構成されていることを特徴とする。
(3)別の実施形態に係るノイズフィルタでは、好ましくは、前記透過帯は、主にシリコーンゴムで構成されていることを特徴とする。
(4)別の実施形態に係るノイズフィルタでは、好ましくは、前記遮蔽帯は、前記ルーバー層の厚さ方向に対して平行に形成されていることを特徴とする。
(5)別の実施形態に係るノイズフィルタでは、好ましくは、前記レーダ波は、ミリ波および赤外線の少なくとも一方であることを特徴とする。
(6)別の実施形態に係るノイズフィルタでは、好ましくは、前記ルーバー層の一方の面に接合され、前記レーダ装置から送信される前記レーダ波を前記ルーバー層へ透過する第1透過層と、前記ルーバー層の他方の面に接合され、前記物標にて反射した前記反射波を前記ルーバー層へ透過する第2透過層と、をさらに備えることを特徴とする。
(7)一実施形態に係るレーダシステムは、車両に搭載され、前記車両の外部に向けてレーダ波を送信し、物標にて反射した前記レーダ波の反射波を受信することにより、前記物標に関する情報を検出するレーダ装置と、前記レーダ装置と前記物標との間に配置される上述のいずれか1つのノイズフィルタと、を備え、前記車両に搭載されることを特徴とする。
(8)一実施形態に係るノイズフィルタの製造方法は、上述のいずれか1つのノイズフィルタの製造方法であって、前記レーダ波および前記反射波を透過する透過帯と前記レーダ波および前記反射波を遮蔽する遮蔽帯とが交互に積層されたブロック体を形成するブロック体形成ステップと、前記透過帯および前記遮蔽帯の積層方向に沿って、前記ブロック体を所定の厚さで切断したルーバー層を形成する切断ステップと、を有することを特徴とする。
(9)別の実施形態に係るノイズフィルタの製造方法では、好ましくは、前記切断ステップにより形成された前記ルーバー層において前記レーダ波およびその反射波の入射面に、それぞれ、前記レーダ装置から送信される前記レーダ波を前記ルーバー層へ透過する第1透過層と、前記物標にて反射した前記反射波を前記ルーバー層へ透過する第2透過層と、を接合する接合ステップを有することを特徴とする。
本発明によれば、自車両と物標との距離の算出に不要なレーダ波の反射波がレーダ装置に受信されることを抑制できる。
図1は、本実施形態に係るレーダシステムの斜視図を示す。 図2は、自車両と先行車両との車間距離を算出する手法等を説明するための図を示す。 図3は、図1に示すノイズフィルタにおけるA−A線断面図であって、図1に示すレーダシステムによる先行車両との車間距離を算出する手法等を説明するための図を示す。 図4は、図1に示すルーバー層におけるA−A線断面図を示す。 図5は、図1に示すレーダシステムの変形例1の斜視図を示す。 図6は、図5に示すノイズフィルタにおけるB−B線断面図であって、図5に示すレーダシステムによる先行車両との車間距離を算出する手法等を説明するための図を示す。 図7は、図1に示すレーダシステムの変形例2におけるノイズフィルタの分解斜視図を示す。 図8は、本実施形態に係るノイズフィルタの製造方法の主なステップを含むフローチャートを示す。 図9(9A)〜(9C)は、本実施形態に係るノイズフィルタの製造方法の主な工程を示す。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るレーダシステムの斜視図を示す。図2は、自車両と先行車両との車間距離を算出する手法等を説明するための図を示す。図3は、図1に示すノイズフィルタにおけるA−A線断面図であって、図1に示すレーダシステムによる先行車両との車間距離を算出する手法等を説明するための図を示す。
1.レーダシステム
(1)レーダシステムの構成の概略
この実施形態に係るレーダシステム1は、図2に示すように、衝突被害軽減制御及び誤発信抑制制御を含むPCS制御を行う車両(以下、「自車両」とも称する)70に搭載されるシステムである。衝突被害軽減制御は、自車両70と先行車両等の物標(以下、単に「先行車両」とも称する)72との衝突が回避できないと判断された場合に、ブレーキを作動させることで衝突による被害を軽減するための制御である。また、誤発進抑制制御は、自車両72が停車中に物標72が存在する場合において、アクセルペダルが一定以上踏み込まれた場合に、エンジンの出力を抑制して車両70の急発進を防止するための制御である。これらの制御は、車両70のイグニッションがオンにされた場合に起動され、ドライバによりこれらの制御を停止するための操作が行われない限り、制御が継続される。レーダシステム1は、これらの制御、若しくは、車両間を一定に保ちながら走行する制御に必要な自車両70と物標72との距離Dを算出するためのシステムであり、好ましくは、自車両70の前端部に設けられる。
レーダシステム1は、図1〜図3に示すように、車両70に搭載され、車両70の外部に向けてレーダ波Lを送信し、先行車両等の物標72にて反射したレーダ波Lの反射波Rを受信することにより車両70と物標72との距離を検出するレーダ装置40と、レーダ装置40と物標72との間に配置されるノイズフィルタ10と、を備える。本実施形態において、レーダシステム1は、レーダ装置40から送信されるレーダ波Lの直進方向と、ノイズフィルタ10の厚さ方向(X方向)と、が平行となるよう配置されることが好ましい(図1参照)。
なお、本実施形態では、ノイズフィルタ10に平行な面を、互いに直交するY軸およびZ軸を含むYZ平面とし、YZ平面に垂直な軸をX軸と定義する(図1参照)。また、図1に示すように、YZ平面のうち、ノイズフィルタ10の高さ方向に平行な軸をZ軸とし、当該Z軸に直交する軸をY軸と定義する。また、本実施形態では、ノイズフィルタ10に対し、物標72側を前方および正面側とし、レーダ装置40側を後方および背面側と定義する(図3参照)。
次に、レーダシステム1の各構成要素について、より詳しく説明する。
(2)レーダ装置
レーダ装置40は、好ましくは、ミリ波帯の高周波信号を送信波とする公知のミリ波レーダであって、X方向に広がる所定の検知角αの領域を物標72を検知可能な検知範囲とし、当該検知範囲内の物標72と車両70との間の距離を検出する装置である(図2および図3参照)。より具体的には、レーダ装置40は、図3に示すように、所定周期でレーダ波(探査波)Lを送信する送信部42と、レーダ波Lの反射波Rを受信する受信部44とを備える。送信部42は、レーダ装置40のシンセイサイザ(不図示)等で生成されたレーダ波(ミリ波)Lを車両70の外部に向けて送信するアンテナである。受信部44は、反射波Rを受信する少なくとも1のアンテナである。レーダ装置40は、レーダ波Lの送信時刻および反射波Rの受信時刻により、車両70と物標72との間の距離Dを算出する。また、レーダ装置40は、反射波Rのドップラー効果により変化した周波数により、相対速度を算出しても良い。本実施形態において、レーダ装置40は、例えば、車両70の前方100m程度の距離を走行する先行車両72まで検出可能である。なお、「物標72と車両70との間の距離」は、本発明の「物標に関する情報」の一例である。
(3)ノイズフィルタ
ノイズフィルタ10は、図3に示すように、レーダ装置40から物標72に向けて送信されるレーダ波Lを透過し、物標72にて反射したレーダ波Lの反射波Rのうち所定方向(例えば、レーダ装置40の前面にほぼ垂直の方向)から入射した反射波Rのみを透過してレーダ装置40に受信させるフィルタであって、ルーバー層20を備える。また、ノイズフィルタ10は、好ましくは、ルーバー層20の一方の面に接合される第1透過層12と、ルーバー層20の他方の面に接合される第2透過層14と、を備える(図1および図3参照)。第1透過層12および第2透過層14は、接着剤を介在して、ルーバー層20と接合されていても良い。この場合、接着剤は、例えば、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、メラミン系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤等、硬化後に透明性を有するものであることが好ましい。
(3−1)ルーバー層
図4は、図1に示すルーバー層におけるA−A線断面図を示す。
ルーバー層20は、レーダ波Lおよび反射波Rを透過する透過帯22と、レーダ波Lおよび反射波Rを遮蔽する遮蔽帯24とが横方向(Y方向)において交互に配置された層である。ルーバー層20における透過帯22および遮蔽帯24は、いずれも高さ方向(Z方向)に帯状に延びている。遮蔽帯24は、ルーバー層20の厚さ方向(X方向)に対して平行に形成されていることが好ましい。すなわち、透過帯22と遮蔽帯24との接合面23は、ルーバー層20の平面に対して直交している。これは、本実施形態のようにレーダ波Lの直進方向とノイズフィルタ10の厚さ方向(X方向)とが平行となるよう配置した場合、レーダ装置40による自車両70と物標72との距離Dの算出精度を高めるためには、レーダ装置40から直進方向(X方向)に沿って送信されたレーダ波Lの送信時刻および当該直進方向に沿って受信した反射波Rの受信時刻を用いることが好ましいためである。透過帯22は、レーダ波Lおよび反射波Rを透過可能な材料で構成され、好ましくは、主にシリコーンゴムで構成されている。本明細書において、「主に」とは、50体積%以上、好ましくは80体積%以上、より好ましくは90体積%以上を示す。なお、透過帯22の材料としては、シリコーンゴムに限定されず、例えば、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明性の高い樹脂で構成されていても良い。
遮蔽帯24は、レーダ波Lおよび反射波Rを透過しない材料で構成され、好ましくは、主に炭素材料で構成され、より好ましくは、主にグラファイトで構成されている。本明細書において、「炭素」は、グラファイト、グラファイトより結晶性の低いカーボンブラック、ダイヤモンド、ダイヤモンドに近い構造を持つダイヤモンドライクカーボン等の炭素(元素記号:C)から成る如何なる構造のものも含むように広義に解釈される。この実施形態において、遮蔽帯24は、樹脂に、グラファイト繊維を配合分散した材料を硬化させたグラファイトシートで構成されている。このように遮蔽帯24を炭素材料で構成することにより、ノイズフィルタ10は、レーダ波Lおよび反射波Rが遮蔽帯24に入射すると、入射したレーダ波Lおよび反射波Rのエネルギーが熱に変換され、当該熱が遮蔽帯24に徐々に吸収されることにより、レーダ波Lおよび反射波Rの透過を抑制することができる。
透過帯22の幅W1および遮蔽帯24の幅W2は、透過帯22と遮蔽帯24との界面に対して垂直な方向における幅とする(図4参照)。透過帯22の幅W1は、0.1mm〜10mmが好ましく、1mmがより好ましい。また、遮蔽帯24の幅W2は、0.01mm〜1mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。ルーバー層20のX方向における厚さTは、0.05mm〜5mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。
ルーバー層20は、透過角度域の入射角度から入射する反射波Rは透過させるが、非透過角度域の入射角度から入射する反射波Rは透過させないという特性を有する。この実施形態において、ルーバー層20は、透過帯22と遮蔽帯24との接合面23に平行な方向の反射波Roを中心として、接合面23に対してθaの傾きを有する反射波Raから接合面23に対してθbの傾きを有する反射波Rbまでの角度域の反射波Rを透過させるが、この範囲を外れた角度域からの反射波Rは透過させないという特性を有する(図4参照)。反射波Roの入射角度をθoとすると、ルーバー層20は、入射角度θoを中心に(θo−θa)から(θo+θb)の範囲の入射角度で入射した反射波Rのみをレーダ装置40へ透過させる。この実施形態においては、透過帯22と遮蔽帯24との接合面23がルーバー層20の厚さ方向に対して平行となるよう構成されているため、θo=0且つθa=θbとなる。なお、本実施形態において、入射角度とは、ルーバー層20の平面の法線方向(X方向)と入射する反射波R(Ro,Ra,Rb)とのなす角度を示す。また、θo,θa,およびθbは、ノイズフィルタ10の設計によって適宜設定することが可能であり、どのような角度にするかはノイズフィルタ10の使用目的に応じて適宜決定すればよい。
(3−2)第1透過層
第1透過層12は、ルーバー層20の背面側(レーダ装置40側)の面に接合され、レーダ装置40から送信されるレーダ波Lをルーバー層20へ透過する層である。また、第1透過層12は、第2透過層14およびルーバー層20を透過した反射波Rをレーダ装置40へ透過する層でもある。第1透過層12は、ルーバー層20を保護する役割を担う。第1透過層12の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、シクロオレフィンポリマー)、セルロース系樹脂等の透明性が高い樹脂が好ましく、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)がより好ましい。この実施形態においては、第1透過層12は、ポリカーボネートにより構成される。なお、第1透過層12のX方向における厚さは、薄すぎると十分な保護機能が得られず、厚いほどレーダ波Lの透過率が低下するため、0.01〜0.5mm程度が好ましく、0.1〜0.2mm程度がより好ましい。また、第1透過層12の材料は、少なくともレーダ波Lおよび反射波Rを透過可能な材料であれば、上述の樹脂材料に限定されない。
(3−3)第2透過層
第2透過層14は、ルーバー層20の正面側(先行車両72側)の面に接合され、物標72にて反射した反射波Rをルーバー層20へ透過する層である。また、第2透過層14は、レーダ装置40から送信され、第1透過層12およびルーバー層20を透過したレーダ波Lを車両70の前方へ透過する層でもある。第2透過層14は、第1保護層と同様に、ルーバー層20を保護する役割を担う。第2透過層14の材料およびX方向における厚さは、第1透過層12と同様であるため、詳細な説明を省略する。この実施形態においては、第2透過層14は、ポリカーボネートにより構成される。なお、第1透過層12および第2透過層14は、同一材料で形成されていても良いし、互いに異なる材料で形成されていても良い。
このように構成されたレーダシステム1において、レーダ装置40は所定の検知角αの範囲にレーダ波L1,L2,L3を送信するため、レーダ波L1,L2,L3の反射点は先行車両72の横方向(Y方向)にばらつき、レーダ波L1,L2,L3の反射波Rとして、それぞれ反射波R1,R2,R3が発生する(図3参照)。また、一般に、先行車両72の背面部は凹凸を有するため、例えば、図3に示すレーダ波L3の反射波R3のように、レーダ波Lが当該背面部で乱反射する虞がある。よって、レーダ装置40の直進方向(X方向)に沿ったレーダ波L1の反射波R1とともに、直進方向からずれたレーダ波L2,L3の反射波R2,R3をレーダ装置40が受信するため、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出精度が低下する虞がある。また、自車両70が走行している道路にガードレールが設置されている場合、レーダ波Lがガードレールに反射し、先行車両72からの反射波Rに加えて、ガードレールからの反射波Rを受信する虞がある。しかしながら、レーダシステム1においては、ノイズフィルタ10のルーバー層20により、例えば、レーダ装置40の直進方向からずれたレーダ波L2,L3の反射波R2,R3等、非透過角度域θz(θz<(θo−θa)、(θo+θb)<θz)(図4参照)の入射角度から入射する反射波Rを透過させないよう構成されるため、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出に不要なレーダ波L2,L3の反射波R2,R3がレーダ装置40に受信されることを抑制することができる。よって、レーダシステム1は、受信した反射波Rを分離するための複雑な演算方法を用いることなく、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出精度を高めることができる。
(レーダシステムの変形例1)
図5は、図1に示すレーダシステムの変形例1の斜視図を示す。図6は、図5に示すノイズフィルタにおけるB−B線断面図であって、図5に示すレーダシステムによる先行車両との車間距離を算出する手法等を説明するための図を示す。
変形例1に係るレーダシステム1aは、レーダ装置40と、ノイズフィルタ10aと、を備えるシステムである。ノイズフィルタ10aは、第1透過層12と、第2透過層14と、ルーバー層20aと、を備える。また、レーダシステム1aにおいて、レーダ装置40は、Z方向に広がる所定の検知角βの領域を、物標72を検知可能な検知範囲とし、当該検知範囲内の物標72の位置等を検出する装置であることが好ましい(図6参照)。なお、レーダシステム1aにおいて、ルーバー層20a以外の構成は、レーダシステム1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ルーバー層20aは、図5に示すように、透過帯22と遮蔽帯24とがZ方向において交互に配置された層である。また、ルーバー層20aにおける透過帯22および遮蔽帯24は、いずれもY方向に帯状に延びている。遮蔽帯24は、ルーバー層20の厚さ方向(X方向)に対して平行に形成されていることが好ましい。すなわち、ルーバー層20aは、ルーバー層20を、その厚さ方向(X方向)を軸として90°回転させたものである。また、ノイズフィルタ10aは、ノイズフィルタ10を、その厚さ方向(X方向)を軸として90°回転させたものであるともいえる。
このように構成されたレーダシステム1aにおいて、レーダ装置40は所定の検知角βの範囲にレーダ波L4,L5,L6を送信するため、レーダ波L4,L5,L6の反射点は先行車両72の上下方向(Z方向)にばらつき、レーダ波L4,L5,L6の反射波Rとして、それぞれ反射波R4,R5,R6が発生する(図6参照)。また、一般に、先行車両72の背面部は凹凸を有するため、例えば、図6に示すレーダ波L6の反射波R6のように、レーダ波Lが当該背面部で乱反射する虞がある。よって、レーダ装置40の直進方向(X方向)に沿ったレーダ波L4の反射波R4とともに、直進方向からずれたレーダ波L5,L6の反射波R5,R6をレーダ装置40が受信するため、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出精度が低下する虞がある。しかしながら、レーダシステム1aにおいては、ノイズフィルタ10aのルーバー層20aにより、レーダ装置40の直進方向からずれたレーダ波L5,L6の反射波R5,R6等、非透過角度域θz(θz<(θo−θa)、(θo+θb)<θz)(図4参照)の入射角度から入射する反射波Rを透過させないよう構成されるため、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出に不要なレーダ波L5,L6の反射波R5,R6がレーダ装置40に受信されることを抑制することができる。よって、レーダシステム1aは、レーダシステム1と同様に、受信した反射波Rを分離するための複雑な演算方法を用いることなく、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出精度を高めることができる。
(レーダシステムの変形例2)
図7は、図1に示すレーダシステムの変形例2におけるノイズフィルタの分解斜視図を示す。
変形例2に係るレーダシステム1bは、レーダ装置40と、ノイズフィルタ10bと、を備えるシステムである。ノイズフィルタ10bは、第1透過層12と、第2透過層14と、2つのルーバー層20,20aと、を備える。また、レーダシステム1bにおいて、レーダ装置40は、Y方向に広がる所定の検知角αおよびZ方向に広がる所定の検知角βの領域を、物標72を検知可能な検知範囲とし、当該検知範囲内の物標72の位置等を検出する装置であることが好ましい(図3および図6参照)。なお、レーダシステム1bにおいて、ノイズフィルタ10b以外の構成は、レーダシステム1およびレーダシステム1aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
ノイズフィルタ10bは、図7に示すように、ノイズフィルタ10の第1透過層12とルーバー層20との間に、ノイズフィルタ10aのルーバー層20a(図5参照)が配置されたフィルタである。より具体的には、ノイズフィルタ10bは、ルーバー層20aとルーバー層20とが接合されており、レーダ装置40側から見て遮蔽帯24がYZ平面に格子状に形成されるよう構成されている。また、ノイズフィルタ10bは、ルーバー層20aのうちルーバー層20との接合面と反対側の面(レーダ波Lの入射面)に第1透過層12が接合され、ルーバー層20のうちルーバー層20aとの接合面と反対側の面(反射波Rの入射面)に第2透過層14が接合されることが好ましい。第1透過層12とルーバー層20aとの接合、ルーバー層20aとルーバー層20との接合、およびルーバー層20と第2透過層14との接合は、ノイズフィルタ10と同様に、接着剤を介在していても良い。なお、ノイズフィルタ10bは、レーダ装置40側から、第1透過層12、ルーバー層20a、ルーバー層20、第2透過層14の順に接合されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、第1透過層12、ルーバー層20、ルーバー層20a、第2透過層14の順に接合されていても良い。
このように構成されたレーダシステム1bにおいても、レーダシステム1およびレーダシステム1aと同様に、ノイズフィルタ10bの2つのルーバー層20,20aにより、レーダ装置40の直進方向から横方向(Y方向)および/または上下方向(Z方向)にずれたレーダ波Lの反射波Rを透過させないよう構成されるため、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出に不要なレーダ波Lの反射波Rがレーダ装置40に受信されることを抑制することができる。よって、レーダシステム1bは、レーダシステム1およびレーダシステム1aと同様に、受信した反射波Rを分離するための複雑な演算方法を用いることなく、自車両70と先行車両72との車間距離Dの算出精度を高めることができる。
2.ノイズフィルタの製造方法
次に、本発明に係るノイズフィルタの製造方法について説明する。
図8は、本実施形態に係るノイズフィルタの製造方法の主なステップを含むフローチャートを示す。図9(9A)〜(9C)は、本実施形態に係るノイズフィルタの製造方法の主な工程を示す。
この実施形態に係るノイズフィルタの製造方法は、先に説明したノイズフィルタ10(図1参照)を製造する方法である。この実施形態に係るノイズフィルタ10の製造方法は、ブロック体形成ステップ(S110)、切断ステップ(S120)、および接合ステップ(S130)を含む。以下、各工程について説明する。
2.1 ブロック体形成ステップ(S110)
ブロック体形成ステップは、レーダ波Lおよび反射波Rを透過する透過帯22とレーダ波Lおよび反射波Rを遮蔽する遮蔽帯24とが交互に積層されたブロック体200を形成するステップである(図9(9A)参照)。より具体的には、ブロック体形成ステップは、透過帯22の構成材料からなる厚さがW1の第1シート220と、遮蔽帯24の構成材料からなる厚さがW2の第2シート240と、を交互に複数枚積層し、加熱および加圧してこれら複数枚のシートが一体化してなるブロック体200を形成するステップである。なお、ブロック体形成ステップにおいて、第1シート220および第2シート240は、その積層方向に特に制約はないが、この実施形態においては、図9(9A)に示すように、Y方向に沿って積層されるものとする。
2.2 切断ステップ(S120)
切断ステップは、透過帯22および遮蔽帯24の積層方向に沿って、ブロック体200を所定の厚さで切断したルーバー層20を形成するステップである(図9(9B)参照)。より具体的には、切断ステップは、第1シート220及び第2シート240の積層方向(Y方向)に沿う切断面で、ブロック体200をスライスするステップである。この切断ステップにより、ルーバー層20が形成される。なお、切断ステップによりブロック体200を切断する所定の厚さ(スライス幅)は、上述の厚さT(図4参照)と同一となることが好ましい。
2.3 接合ステップ(S130)
接合ステップは、切断ステップ(S120)により形成されたルーバー層20においてレーダ波Lおよびその反射波Rの入射面に、それぞれ、レーダ装置40から送信されるレーダ波Lをルーバー層20へ透過する第1透過層12と、物標72にて反射した反射波Rをルーバー層20へ透過する第2透過層14と、を接合するステップである(図9(9C)参照)。より具体的には、接合ステップは、ルーバー層20におけるレーダ波Lおよび反射波Rの入射面に、それぞれ、接着剤を塗布し、第1透過層12および第2透過層14を接合するステップである。なお、接合ステップ(S130)はオプションであり、行わなくとも良い。また、接合ステップは、ルーバー層20に接着剤を塗布することに限定されず、第1透過層12および第2透過層14にそれぞれ接着剤を塗布しても良い。また、接合ステップは、接着剤を介在せずに、ルーバー層20と、第1透過層12および第2透過層14と、をそれぞれ接合しても良い。
上述の製造方法により、複雑な製造工程を必要とせず、簡易な構成で、自車両70と物標72との距離Dの算出に不要なレーダ波Lの反射波Rがレーダ装置40に受信されることを抑制するノイズフィルタ10を製造することができる。
(ノイズフィルタの製造方法の変形例1)
変形例1に係るノイズフィルタの製造方法は、先に説明したレーダシステム1bが備えるノイズフィルタ10b(図7参照)を製造する方法である。変形例1に係るノイズフィルタ10bの製造方法は、上述のノイズフィルタ10の製造方法と同様に、ブロック体形成ステップ(S110)、切断ステップ(S120)、および接合ステップ(S130)を含む。なお、ブロック体形成ステップおよび切断ステップは、上述のノイズフィルタ10の製造方法における各ステップと同様であるため、詳細な説明を省略する。
変形例1の接合ステップは、まず、切断ステップ(S120)により形成されたルーバー層20を2つ用意し、一方のルーバー層20を、その厚さ方向(X方向)を軸として90°回転させることにより、ルーバー層20aを形成し、当該ルーバー層20aと他方のルーバー層20とを接合する。そして、接合ステップは、ルーバー層20aのうちルーバー層20との接合面と反対側の面(レーダ波Lの入射面)に第1透過層12を接合し、ルーバー層20のうちルーバー層20aとの接合面と反対側の面(反射波Rの入射面)に第2透過層14を接合する。なお、接合ステップは、ルーバー層20,20aにそれぞれ接着剤を塗布しても良いし、第1透過層12および第2透過層14にそれぞれ接着剤を塗布しても良い。また、接合ステップは、接着剤を介在せずに、ルーバー層20,20aと、第1透過層12および第2透過層14と、をそれぞれ接合しても良い。
(各実施形態の作用・効果)
以上説明したように、ノイズフィルタ10,10a,10bは、レーダ装置40から物標72に向けて送信されるレーダ波Lを透過し、物標72にて反射したレーダ波Lの反射波Rのうち所定方向から入射した反射波Rのみを透過してレーダ装置40に受信させるフィルタであって、レーダ波Lおよび反射波Rを透過する透過帯22と、レーダ波Lおよび反射波Rを遮蔽する遮蔽帯24とが交互に配置されたルーバー層20,20aを備える。
ノイズフィルタ10,10a,10bをこのように構成することによって、自車両70と物標72との距離Dの算出に不要なレーダ波Lの反射波Rがレーダ装置40に受信されることを抑制することができる。
また、ノイズフィルタ10,10a,10bを構成する遮蔽帯24は、主に炭素材料で構成されているため、レーダ波Lおよび反射波Rが遮蔽帯24に入射すると、レーダ波Lおよび反射波Rのエネルギーが熱に変換され、当該熱が遮蔽帯24に徐々に吸収される。よって、遮蔽帯24に入射したレーダ波Lおよび反射波Rをより確実に遮蔽することができる。
また、ノイズフィルタ10,10a,10bを構成する透過帯22は、主にシリコーンゴムで構成されているため、透過帯22に入射したレーダ波Lおよび反射波Rをより確実に物標72またはレーダ装置40へ透過することができる。
また、ノイズフィルタ10,10a,10bを構成する遮蔽帯24は、ルーバー層20,20aの厚さ方向(X方向)に対して平行に形成されているため、レーダ装置40から送信されるレーダ波Lの直進方向(X方向)以外の方向から入射する反射波Rがレーダ装置40に受信されることを抑制することができる。よって、ノイズフィルタ10,10a,10bは、その厚さ方向がレーダ波Lの直進方向と平行になるよう配置された場合に、当該直進方向以外の方向から入射する反射波Rを遮蔽するため、レーダ装置40から直進方向に沿って送信されたレーダ波Lの送信時刻および当該直進方向に沿って受信した反射波Rの受信時刻を用いて、自車両70と物標72との距離Dを算出することができ、距離Dの算出精度を高めることができる。
また、ノイズフィルタ10,10a,10bは、ルーバー層20,20aの一方の面に接合され、レーダ装置40から送信されるレーダ波Lをルーバー層20へ透過する第1透過層12と、ルーバー層20,20aの他方の面に接合され、物標72にて反射した反射波Rをルーバー層20,20aへ透過する第2透過層14と、をさらに備えるため、ルーバー層20,20aの損傷を抑制することができる。
また、レーダシステム1,1a,1bは、車両70に搭載され、車両70の外部に向けてレーダ波Lを送信し、物標72にて反射したレーダ波Lの反射波Rを受信することにより、物標72に関する情報を検出するレーダ装置40と、レーダ装置40と物標72との間に配置されるノイズフィルタ10,10a,10bと、を備える。レーダシステム1,1a,1bをこのように構成することによって、自車両70と物標72との距離Dの算出に不要なレーダ波Lの反射波Rがレーダ装置40に受信されることを抑制することができる。よって、レーダシステム1,1a,1bは、受信した反射波Rを分離するための複雑な演算方法を用いることなく、自車両70と物標72との距離Dの算出精度を高めることができる。
また、ノイズフィルタ10,10a,10bの製造方法は、レーダ波Lおよび反射波Rを透過する透過帯22とレーダ波Lおよび反射波Rを遮蔽する遮蔽帯24とが交互に積層されたブロック体200を形成するブロック体形成ステップ(S110)と、透過帯22および遮蔽帯24の積層方向に沿って、ブロック体200を所定の厚さTで切断したルーバー層20,20aを形成する切断ステップ(S120)と、を有する。このような製造方法により、複雑な製造工程を必要とせず、簡易な構成で、自車両70と物標72との距離Dの算出に不要なレーダ波Lの反射波Rがレーダ装置40に受信されることを抑制するノイズフィルタ10,10a,10bを製造することができる。
また、ノイズフィルタ10,10a,10bの製造方法は、切断ステップ(S120)により形成されたルーバー層20,20aにおいてレーダ波Lおよびその反射波Rの入射面に、それぞれ、レーダ装置40から送信されるレーダ波Lをルーバー層20,20aへ透過する第1透過層12と、物標72にて反射した反射波Rをルーバー層20,20aへ透過する第2透過層14と、を接合する接合ステップを有する。よって、第1透過層12および第2透過層14を備えることによりルーバー層20,20aを保護することが可能なノイズフィルタ10,10a,10bを製造することができる。
(その他の実施形態)
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
先述の実施形態では、ルーバー層20,20aは、遮蔽帯24がルーバー層20,20aの厚さ方向(X方向)に対して平行に形成されていたが、本発明はこれに限定されず、遮蔽帯24が厚さ方向に対して所定の角度で傾斜して形成されていても良い。
また、先述の実施形態では、レーダ装置40は、レーダ波Lとしてミリ波を使用するミリ波レーダを例示していたが、本発明はこれに限定されず、レーダ波Lとして赤外線を使用するレーダ装置であっても良い。また、レーダシステム1,1a,1bは、ミリ波を使用するレーダ装置40および赤外線を使用するレーダ装置40を備えていても良い。一般に、PCS制御を行う車両等において、自車両70と物標72との距離Dを算出するためには、ミリ波および赤外線の少なくとも一方が用いられることが多い。よって、本発明のレーダシステム1,1a,1bによれば、ミリ波および赤外線の少なくとも一方を用いて自車両70と物標72との距離Dの算出を行う場合であっても、当該算出に不要なミリ波および赤外線がレーダ装置40に受信されることを抑制することができる。また、レーダ装置40は、ミリ波および赤外線以外のその他の電磁波を使用するレーダ装置であっても良い。
また、ノイズフィルタ10,10a,10bは、第1透過層12および第2透過層14を備えていたが、本発明はこれに限定されず、第1透過層12および第2透過層14のうち一方のみを備えていても良いし、第1透過層12および第2透過層14の何れも備えていなくても良い。
また、ノイズフィルタ10,10aは、ルーバー層20,20aにおいて、レーダ波Lの入射面に第1透過層12を、反射波Rの入射面に第2透過層14が、それぞれ接合されていたが、本発明はこれに限定されない。ノイズフィルタ10,10aは、例えば、ルーバー層20,20aにおいて、レーダ波Lの入射面に第2透過層14が、反射波Rの入射面に第1透過層12が、それぞれ接合されていても良い。
本発明に係るノイズフィルタは、自車両周辺の物標を検出するためのレーダを搭載した車両等に適用され、特にPCS等の障害物回避装置を搭載した車両等に有用である。
1,1a,1b・・・レーダシステム、10,10a,10b・・・ノイズフィルタ、12・・・第1透過層、14・・・第2透過層、20,20a・・・ルーバー層、22・・・透過帯、24・・・遮蔽帯、40・・・レーダ装置、70・・・車両(自車両)、72・・・物標(先行車両)、200・・・ブロック体、L(L1,L2,L3,L4,L5,L6)・・・レーダ波、R(R1,R2,R3,R4,R5,R6,Ra,Rb,Ro)・・・反射波。

Claims (9)

  1. レーダ装置から物標に向けて送信されるレーダ波を透過し、前記物標にて反射した前記レーダ波の反射波のうち所定方向から入射した前記反射波のみを透過して前記レーダ装置に受信させるノイズフィルタであって、
    前記レーダ波および前記反射波を透過する透過帯と、前記レーダ波および前記反射波を遮蔽する遮蔽帯とが交互に配置されたルーバー層を備えるノイズフィルタ。
  2. 前記遮蔽帯は、主に炭素材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  3. 前記透過帯は、主にシリコーンゴムで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のノイズフィルタ。
  4. 前記遮蔽帯は、前記ルーバー層の厚さ方向に対して平行に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
  5. 前記レーダ波は、ミリ波および赤外線の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
  6. 前記ルーバー層の一方の面に接合され、前記レーダ装置から送信される前記レーダ波を前記ルーバー層へ透過する第1透過層と、
    前記ルーバー層の他方の面に接合され、前記物標にて反射した前記反射波を前記ルーバー層へ透過する第2透過層と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
  7. 車両に搭載され、前記車両の外部に向けてレーダ波を送信し、物標にて反射した前記レーダ波の反射波を受信することにより、前記物標に関する情報を検出するレーダ装置と、
    前記レーダ装置と前記物標との間に配置される請求項1から6のいずれか1項に記載のノイズフィルタと、
    を備えることを特徴とする前記車両に搭載されるレーダシステム。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載のノイズフィルタの製造方法であって、
    前記レーダ波および前記反射波を透過する透過帯と前記レーダ波および前記反射波を遮蔽する遮蔽帯とが交互に積層されたブロック体を形成するブロック体形成ステップと、
    前記透過帯および前記遮蔽帯の積層方向に沿って、前記ブロック体を所定の厚さで切断したルーバー層を形成する切断ステップと、
    を有することを特徴とするノイズフィルタの製造方法。
  9. 前記切断ステップにより形成された前記ルーバー層において前記レーダ波およびその反射波の入射面に、それぞれ、前記レーダ装置から送信される前記レーダ波を前記ルーバー層へ透過する第1透過層と、前記物標にて反射した前記反射波を前記ルーバー層へ透過する第2透過層と、を接合する接合ステップを有することを特徴とする請求項8に記載のノイズフィルタの製造方法。

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