JP2017090616A - スクリーン機能付きブラインドガラスおよび映像表示システム - Google Patents

スクリーン機能付きブラインドガラスおよび映像表示システム Download PDF

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Yukihiro Touge
幸宏 垰
平松 徹也
Tetsuya Hiramatsu
徹也 平松
海田 由里子
Yuriko Kaida
由里子 海田
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Abstract

【課題】投影機より投影された映像を反射して表示する映像表示透明部材の使用時に、映像を表示させたい面とは反対側に映像が表示されるのを抑制し、投影された映像や情報が映像を表示させたい面とは反対側から観察されない映像表示透明部材、ならびにこれを用いた映像表示システムおよび映像表示方法を提供する。【解決手段】中空層を介して対向した1対の透明部材からなる透明スクリーンであって、前記中空層に機械的な調光機能を有し、前記一対の透明部材の一方が透明板であり、他方が反射型の映像表示透明部材からなる。【選択図】図1

Description

機械的な調光機能を備える透明スクリーンに関するおよび映像表示システム。
建築物等の窓、商品等のショーケース;美術品等の展示ケース;車輛等の窓、ガラス扉、室内の透明パーティション等に用いられる透明部材として、下記のものが提案されている。
観察者側から見て透明部材の向こう側に見える光景を視認でき、かつ観察者に対して商品等の説明、各種機器の状態、行き先案内、伝達事項等の情報を伝達する際、観察者に対して各種機器の操作画面等を表示する際、またはプライバシー保護、セキュリティ等のために観察者に対して透明部材の向こう側の光景を視認できなくする際には、投影機から投射された映像光を観察者に映像として視認可能に表示する映像表示透明部材(いわゆる透明スクリーン)。
映像表示透明部材には、投影機から投射された映像光を投影機と同じ側にいる観察者に映像として視認可能に表示する反射型の映像表示透明部材と;投影機から投射された映像光を投影機と反対側にいる観察者に映像として視認可能に表示する透過型の映像表示透明部材とがある。
反射型の映像表示透明部材としては、第1の透明基材と、第2の透明基材との間に、表面に規則的な凹凸構造(マイクロレンズアレイ)が形成された第1の透明層と、第1の透明層の凹凸構造側の面に沿うように形成された、入射した光の一部を透過する反射膜と、該反射膜の表面を覆うように設けられた第2の透明層とを有する映像表示透明部材が提案されている(特許文献1参照)。
また、プロジェクターからの映像を投影できる自動車ヘッドアップ用のディスプレイとして、2つの外層とその間に挿入された凹凸がつけられた中心層とで構成された層状部材が提案されている(特許文献2参照)。
反射型の映像表示透明部材においては、投影機から投射され、第2の透明基材の表面から入射した映像光が、反射膜において結像、散乱し、投影機と同じ側にいる観察者に映像として視認可能に表示される。この映像表示透明部材は、透明性が高く(ヘーズが低く)、光景の視認性が高く、なおかつ映像のスクリーンゲインも高い。
また、投影機と同じ側にいる観察者からも、投影機と反対側にいる観察者からも、観察者側から見て映像表示透明部材の向こう側の光景が視認できる。
しかし、反射型の映像表示透明部材においては、投影機と反対側にいる観察者からも投影された映像が視認可能なこともあり、投影機と同じ側にいて、映像を投影している観察者のプライバシーが損なわれることもあった。また、周囲の明るさが大きい場合にはコントラストが不足することがあった。
特表2010−539525号公報 特開2014−509963号公報
本発明は、上記のように映像を表示させたい面とは反対側にいる観察者によって、投影された映像や情報が観察されない映像表示透明部材、ならびにこれを用いた映像表示システムおよび映像表示方法を提供する。
[1]中空層を介して対向した1対の透明部材からなる透明スクリーンであって、前記中空層に機械的な調光機能を有し、前記1対の透明部材の一方が透明板であり、他方が下記反射型の映像表示透明部材からなり、下記第1の面および第2の面のいずれか一方が前記中空層に面している、透明スクリーンであり、反射型の映像表示透明部材が、第1の面およびこれとは反対側の第2の面を有する透明部材であり、第1の面側の光景を第2の面側の観察者に視認可能に透過し、第2の面側の光景を第1の面側の観察者に視認可能に透過し、かつ第1の面側から投射された映像光を第1の面側の観察者に映像として視認可能に表示する映像表示透明部材。
[2][1]に記載の透明スクリーンと、前記透明スクリーンに映像光を投射可能な位置に設置された投影機とを備えた、映像表示システム。
本発明の透明スクリーン、ならびにこれを用いた映像表示システムおよび映像表示方法によれば、映像を表示させたい面とは反対側にいる観察者から観察される映像が抑制され、プライバシーの保護が図れる。また、周囲の明るさが大きい場合にコントラストが改善できる。
本発明の反射型の映像表示透明部材および機械的な調光機能を有する透明スクリーン、および映像表示システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の反射型の映像表示透明部材および機械的な調光機能を有する透明スクリーンの他の態様、および映像表示システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の反射型の映像表示透明部材の一例を示す概略構成図である。 本発明の反射型の映像表示透明部材の一例を示す概略構成図である。 本発明の反射型の映像表示透明部材の製造方法の一例を示す概略図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「第1の面」とは、映像表示透明部材の最表面であって、投影機から映像光が投射される側の表面を意味する。
「第2の面」とは、映像表示透明部材の最表面であって、第1の面とは反対側の表面を意味する。
「第1の面側(第2の面側)の光景」とは、映像表示透明部材の第2の面側(第1の面側)にいる観察者から見て、映像表示透明部材の向こう側に見える像(主要対象物(商品、美術品、人物等)およびその背景、ならびに風景等)を意味する。光景には、投影機から投射された映像光が映像表示透明部材において結像して表示される映像は含まれない。
「前方ヘーズ」とは、第1の面側から第2の面側に透過する透過光、または第2の面側から第1の面側に透過する透過光のうち、前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上それた透過光の百分率を意味する。すなわち、JIS K 7136:2000(ISO 14782:1999)に記載された方法によって測定される、通常のヘーズである。
「後方ヘーズ」とは、第1の面において反射する反射光のうち、散乱によって、正反射光から0.044rad(2.5°)以上それた反射光の百分率を意味する。
「凹凸構造」とは、複数の凸部、複数の凹部、または複数の凸部および凹部からなる凹凸形状を意味する。
「不規則な凹凸構造」とは、凸部または凹部が周期的に出現せず、かつ凸部または凹部の大きさが不揃いである凹凸構造を意味する。
算術平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づき測定される算術平均粗さである。粗さ曲線用の基準長さlr(カットオフ値λc)は0.8mmとした。
透過率は、入射した光に対し、前方方向へ透過、散乱される光の合計の光量の比を百分率とした値である。
反射率は、入射した光に対し、後方方向へ反射、散乱される光の合計の光量の比を百分率とした値である。
拡散反射率は、映像表示透明部材の第1の面側(または第2の面側)から入射角0?で入射した入射光に対する、第1の面側(または第2の面側)に反射した正反射光から0.044rad(2.5°)以上それた反射光の割合(百分率)を意味する。拡散反射率を測定する際には、測定対象の第1の面側(または第2の面側)とは反対側の第2の面側(または第1の面側)から映像表示透明部材に光が入射しないように反対側の面に暗幕を被せる。また、入射光の径と同程度のアパーチャーを測定対象に密着させてセットする。
透過率、反射率、拡散反射率および屈折率は、JIS Z8720(2012)に規定されるD65光源を用いて室温で測定したときの値である。
<本発明の第1の形態>
本発明の透明スクリーンの第1の形態は、中空層を介して配置された透明部材と反射型の映像表示透明部材と、中空層に機械的な調光機能を備えた透明スクリーンである。反射型の映像表示透明部材とは、第1の面およびこれとは反対側の第2の面を有する透明部材であり、第1の面側の光景を第2の面側の観察者に視認可能に透過し、第2の面側の光景を第1の面側の観察者に視認可能に透過し、かつ第1の面側から投射された映像光を第1の面側の観察者に映像として視認可能に表示する、反射型の映像表示透明部材である。
図1および図2は、本発明の透明スクリーンの第1の形態の一例を示す概略構成図である。
本発明の第1の形態について図1および図2を用いて説明するが、本願発明はこれに限定されるものではない。
本発明の透明スクリーン1は、透明板4と、映像表示透明部材3とが中空層2を介して配置され、該中空層に機械的な調光機能を有する。図1は機械的な調光機能の光の遮断作用を最も小さくした状態であり、図2は機械的な調光機能の光の遮断作用を最も大きくした状態である。図2のように機械的な調光機能の作用を最も大きくすると映像表示透明部材3に投影機から投射された映像光が、映像を表示させたい面とは反対側への表示が抑制され、その結果映像を投影している観察者のプライバシーを保護しやすくなる。図1および図2において、透明板4と透明スクリーン3は、中空層の周縁部にスペーサー5を有するが、スペーサー5はなくてもよい。
スぺーサー5を有する場合は、透明板と映像表示透明部材3の周縁部の全周または一部に配置されていてよい。また、スペーサー5の外周部をシール剤でシールし、中空層2を封止してもよい。
機械的な調光機能としてはブラインドが好ましく、ブラインドスラット、ロールブラインド、およびバーチカルブラインドがより好ましい。ロールブラインドであると、映像を表示する部分のみブラインドを下げて使うことができ、ロールブラインドを下げない部分は窓として機能させることができる。
透明スクリーン1に用いられるブラインドは、中空層中の幅方向にわたり1つだけ設置されてもよく、複数個に分割されて設置されていてもよい。また中空層中の一部に設置されていてもよい。
中空層中に複数個設置すると、必要に応じてブラインドの開閉箇所を分けられるので、窓としての機能を損なわないので好ましい。
ブラインドの操作は自動で行われても、手動で行われてもよい。
(中空層)
本発明の第1の形態において中空層2の厚さ、すなわち透明板4と映像表示透明部材3との間の距離は、4mm〜20mmが好ましい。前記下限値以上であると、遮熱や防音性能が向上するため好ましく、前記上限値以下であると、 省スペースで配置できるため好ましい。また中空層に封入される気体は複層ガラスに用いられる公知の気体が使えるが、空気が好ましい。
(透明板)
本発明の第1の形態における透明板4の材料としては、ガラス、透明樹脂等が挙げられる。また透明板4は、映像表示透明部材3で使われる透明基材と同じ材質であることが好ましい。また、透明板4の材料は前記材料のなかでガラスが好ましい。
透明板4に用いられるガラスとしては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス等が挙げられる。
透明板4に用いられる透明樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート等が挙げられ、耐候性および透明性の観点から、ポリカーボネート、ポリエステル、シクロオレフィンポリマーが好ましい。
また透明板4としては、複屈折がないものが好ましい。
透明板の厚さは、基材としての耐久性が保たれる厚さであればよい。透明板の厚さは、たとえば、0.01mm以上であってよく、0.05mm以上であってよく、0.1mm以上であってよい。また、透明板の厚さは、たとえば、10mm以下であってよく、5mm以下であってよく、0.5mm以下であってよく、0.3mm以下であってよく、0.15mm以下であってよい。
また、透明板4の片面に、低放射膜があってもよい。低放射膜としては金属膜、半導体膜、誘電体単層膜、誘電体多層膜などが挙げられる。金属膜および半導体膜に用いられる金属としてはアルミニウム、銀、ニッケル、ITOなどが挙げられるが、変色が起こりにくいため銀が好ましい。そのような透明板4としては、誘電体多層膜が形成されたLow−Eガラスが好ましい。低放射膜は、中空層側に配置されることが好ましい。
(反射型の映像表示透明部材)
反射型の映像表示透明部材とは、第1の面およびこれとは反対側の第2の面を有する透明部材であり、第1の面側の光景を第2の面側の観察者に視認可能に透過し、第2の面側の光景を第1の面側の観察者に視認可能に透過し、かつ第1の面側から投射された映像光を第1の面側の観察者に映像として視認可能に表示する反射型の映像表示透明部材である。
図3は、図1および図2における映像表示透明部材3を拡大したものである。
映像表示透明部材3は、第1の透明基材10と、第2の透明基材20との間に、映像表示部30が配置され、第1の面A、および第2の面B有するものである。映像表示部30は、第1の面または第2の面の側の光景を反対側に視認可能に透過し、かつ映像投射機からの映像を視認可能に表示できるものを使用することができる。
映像表示部30は、第1の透明層32および第2の透明層34との間に不規則な凹凸構造を有する反射膜33を有し、第1の透明層32および第2の透明層34(以下、まとめて透明層とも記す)の表面にそれぞれ第1の透明フィルム31と、第2の透明フィルム35が透明層の表面を覆うように設けられた光散乱シートからなる。反射膜33は第1の透明層32および第2の透明層34と密着している。したがって、第1の透明層32と反射膜33とが接する面と、反射膜33が第2の透明層34と接する面は、ほぼ同様の構造となっている。
透明基材の材料は、前記透明板の材料と同様のものを使うことができる。
第1の透明基材10と映像表示部30とは接着剤を介して接着してもよく、また透明フィルム31が熱融着性を有する場合は、透明フィルム31と第1の透明基材10とを接着することができる。第2の透明基材20と映像表示部30との接着においても同様である。
(反射膜)
反射膜33は、反射膜33に入射した光の一部を透過し、他の一部を反射するものであればよい。反射膜33としては、金属膜、半導体膜、誘電体単層膜、誘電体多層膜、これらの組み合わせ等が挙げられる。
金属膜、半導体膜を構成する金属としては、Al、Ag、Ni、Cr、W、Si等が考えられ、特にAlやAg、または、それらが主成分である合金が好ましい。
誘電体膜を構成する誘電体としては、金属酸化物、金属窒化物等が挙げられる。
反射膜33としては、金属薄膜、または、酸化物膜、金属薄膜、酸化物膜の順に積層された膜構成のものが好ましい。
反射膜33が有する不規則な凹凸構造の算術平均粗さRaは、0.01〜20μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。算術平均粗さRaが該範囲内であれば、投射された映像の視野角が広く、正反射光を直接見ずに視認でき、凹凸構造による粒状感が抑えられる。算術平均粗さRaが10μm以下であれば、映像表示透明部材3の向こう側の光景を見るときに凹凸構造が邪魔にならずより好ましい。
反射膜33の厚さは、1〜100nmが好ましく、4〜25nmがより好ましい。
反射膜33の反射率は、充分なスクリーンのゲインが得られる範囲としては、5%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。
反射膜33は、第1の透明層32または第2の透明層34に形成された不規則な凹凸構造の表面に、前記の膜材料を均一に成形することで、不規則な凹凸構造とすることができる。
反射膜33と透明層との間に反射膜33の凹凸構造に沿うように形成された誘電体膜を有していても良い。
(透明層)
第1の透明層32および第2の透明層34は、透明樹脂層であることが好ましい。各透明層の材料は、同じものであってもよく、異なるものであってもよく、同じものが好ましい。
透明樹脂層を構成する透明樹脂としては、光硬化性樹脂(アクリル樹脂、エポキシ樹脂等)の硬化物、熱硬化性樹脂の硬化物、熱可塑性樹脂が好ましい。透明樹脂層を構成する透明樹脂のイエローインデックスは、映像表示透明部材における窓としての機能が損なわれないように透明感を維持する点から、10以下が好ましく、5以下がより好ましい。
透明層の厚さ(凹凸構造を除く)は、ロールツーロールプロセスにて形成しやすい厚さであればよく、たとえば、0.5〜50μmが好ましい。前記厚さは、透明層に凹凸構造が形成されている場合は凹凸構造を除いた厚さを意味する。
透明層の透過率は、50〜100%が好ましく、75〜100%がより好ましく、90〜100%がさらに好ましい。
透明層は片面が、反射膜33に対応した不規則な凹凸構造であることが好ましい。
透明層の表面に形成された不規則な凹凸構造の算術平均粗さRaは、0.01〜20μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。算術平均粗さRaが該範囲内であれば、投射された映像の視野角が広く、正反射光を直接見ずに視認でき、凹凸構造による粒状感が抑えられる。算術平均粗さRaが10μm以下であれば、映像表示透明部材3の向こう側の光景を見るときに凹凸構造が邪魔にならずより好ましい。
(透明フィルム)
第1の透明フィルム31および第2の透明フィルム35(以下、まとめて透明フィルムとも記す。)は、透明樹脂フィルムであってもよく、薄いガラスフィルムであってもよい。各透明フィルムの材料は、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
透明樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
透明フィルムの厚さは、ロールツーロールプロセスを適用できる厚さが好ましく、たとえば、0.01〜0.5mmが好ましく、0.05〜0.3mmがより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
(映像表示部の製造方法)
映像表示部30の製造方法の一例について図5を参照しながら説明する。
図5(a)に示すように、第1の透明フィルム31の表面に、光硬化性樹脂36を塗布し、不規則な凹凸構造が表面に形成されたモールド61を、凹凸構造が光硬化性樹脂36に接するように、光硬化性樹脂36の上に重ねる。
第1の透明フィルム31の側から光(紫外線等)を照射し、光硬化性樹脂36を硬化させて、モールド61の不規則な凹凸構造が表面に転写された第1の透明層32を形成した後、図5(b)に示すように、モールド61を剥離する。
図5(c)に示すように、第1の透明層32の表面に金属を物理蒸着し、金属薄膜からなる反射膜33を形成する。
図5(d)に示すように、反射膜33の表面に光硬化性樹脂37を塗布し、光硬化性樹脂37の上に第2の透明フィルム35を重ねる。
第1の透明フィルム31の側または第2の透明フィルム35の側から光(紫外線等)を照射し、光硬化性樹脂37を硬化させて、第2の透明層34を形成することによって、映像表示部30を得る。なお、第1の透明層32および第2の透明層34のどちらが中空層側に配置されていてもよい。
モールド61としては、不規則な凹凸構造が表面に形成された樹脂フィルム、金属板等が挙げられる。不規則な凹凸構造が表面に形成された樹脂フィルムとしては、微粒子を含む樹脂フィルム、サンドブラスト処理された樹脂フィルム等が挙げられる。
光硬化性樹脂の塗布方法としては、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、スピンコート法、インクジェット法、スプレーコート法等が挙げられる。
物理蒸着方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が挙げられる。
(反射型の映像表示透明部材の光学特性)
映像表示透明部材3の透過率は、観察者側から見て映像表示透明部材3の向こう側に見える光景の視認性がよい点から、1%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。
映像表示透明部材3の透過率は、投影像のコントラストを適切に保つ点から、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、75%以下がさらに好ましい。
映像表示透明部材3の第1の面Aにおける正反射光の反射率は、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。そのようにすることで、周辺の物体、光源の映り込みを防止することができ好ましい。
映像表示透明部材3の第1の面A側への拡散反射率は、5%以上が好ましく、15%以上がさらに好ましく、30%以上が特に好ましい。反射率が上記範囲である場合は、特に、正反射光から0.044rad(2.5°)以上それた反射光において、このあたりの反射率が得られると人間の視感度的に変化が分かりにくくなるため、充分なスクリーンのゲインを得られるからである。
映像表示透明部材3の前方ヘーズは、観察者側から見て映像表示透明部材3の向こう側に見える光景の視認性がよい点から、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
映像表示透明部材3の後方ヘーズは、スクリーンゲイン確保の点から、正反射率を上げる平坦なミラーや平坦なハーフミラーの様な構造を映像表示透明部材3が含まない場合、5%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。
映像表示透明部材3の後方ヘーズは、観察者側から見て映像表示透明部材3の向こう側に見える光景の視認性の点から、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。
前方ヘーズに対する後方ヘーズの比率(後方ヘーズ/前方ヘーズ)は、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましい。後方ヘーズ/前方ヘーズが1以上であれば、映像表示透明部材3を見る観察者の視線が届く範囲に100ルクス以上の環境があっても、観察者側から見て映像表示透明部材3の向こう側に見える光景の視認性がよく、投射された映像と映像表示透明部材3の向こう側の光景とを見ることができる。このような映像表示透明部材3は、周囲に外光が存在する環境下で利用されることに適している。
映像表示透明部材3における隣り合う各層間の屈折率差は、各層界面における反射率が0.5%以内に抑えられる点から、0.2以内が好ましく、各層界面での反射率が0.1%程度となる点から、0.1以内がより好ましい。
<他の実施形態>
なお、本発明の透明スクリーンの第1の形態は、図1の透明スクリーンに限定されない。以下、図1の透明スクリーンと同じ構成のものについては同じ符号を付し、説明を省略する。
透明スクリーン1における反射型の映像表示透明部材3は、図4に示すように、第1の透明基材10を省略した映像表示透明部材3aであってもよい。映像表示透明部材3aである透明スクリーン1の具体例としては、たとえば、第2の透明基材20が既存の複層ガラスのガラス板等である例、すなわち光散乱シートからなる映像表示部30を、接着層22を介して既存の複層ガラス等に貼り付けた例が挙げられる。
また、図1の透明スクリーン1において、第2の透明基材20を省略したものであってもよい。
反射型の映像表示透明部材3においては、反射膜33の凹凸構造が他の構造であっても良い。例えば、ホログラム、コレステリック液晶を用いて表面の配向を凹凸や界面活性剤等で不均一にしたもの、ルーバー構造やメッシュ等の散乱体、反射体をパターニングしたもの、微粒子や微細空孔等を用いたもの、蛍光体を用いたもの、不規則な凹凸構造を有するハーフミラー等の構造が挙げられる。
特にハーフミラーを用いたものが、透明性を向上しやすい構造となるため好ましい。
また、映像表示透明部材3は、反射膜33を備える構造に限らない。例えば、基材10、光拡散反射層40、基材20とをこの順に有するものであってもよい。光拡散反射層40には、光反射粒子を含む。光反射粒子は、光を反射する材料、たとえばAl、Ag、Auなどの金属、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物、SiN、TaNなどの金属窒化物、ダイヤモンドなどの鉱物などにより形成されていてもよい。さらに光反射粒子が光拡散反射層40の表面に埋め込んだり焼結したりすることで形成されたものでもよい。さらにこの場合、基材10がなく、光拡散反射層40が映像表示透明部材の最外層であってもよい。
(反射型の映像表示透明部材を備えた映像表示システム)
図1および図2は、本発明の映像表示システムの例を示す概略構成図である。
映像表示システムは、中空層を介して対向した反射型の映像表示透明部材3および透明板4を有し、前記中空層に機械的な調光機能を備えた透明スクリーン1と、前記映像表示透明部材3の第1の面A側に設置された投影機200とを備える。
(作用機序)
本発明の第1の形態における反射型の透明スクリーン1、ならびにこれを用いた映像表示システムにあっては、透明スクリーン1が、中空層に機械的な調光機能を有するので、投影機から投影した投映像が映像を表示させたい面とは反対側の面への表示を防いでプライバシーの保護ができたり、コントラストの改善ができる。またシールされた中空層を有するので、断熱性、防音性も良好となる。
本発明の透明スクリーンは、建物の窓ガラス、ショールーム、車輛のサイドの窓ガラス等の窓ガラスに用いられる透明部材として有用である。また、商品等のショーケース;美術品等の展示ケース;ガラス扉;室内の透明パーティション等に用いられる透明部材として有用である。具体的には、観察者側から見て透明部材の向こう側に見える光景を視認でき、かつ観察者に対して商品等の説明、各種機器の状態、行き先案内、伝達事項等の情報を伝達する際、観察者に、投影機から投射された映像光を観察者に映像として視認可能に表示し、観察者と反対側の面には映像の表示が抑制され、プライバシーの保護がされた透明部材として有用である。
1 反射型の透明スクリーン
2 中空層
3 反射型の映像表示透明部材
4 透明板
5 スペーサー
10 第1の透明基材
12 接着層
20 第2の透明基材
30 映像表示部
31 第1の透明フィルム
32 第1の透明層
33 反射膜
34 第2の透明層
35 第2の透明フィルム
36 光硬化性樹脂
37 光硬化性樹脂
61 モールド
200 投影機
A 第1の面
B 第2の面
L 映像光
L1 反射映像
L2 観察者に対して背面への透過光
X 観察者

Claims (4)

  1. 中空層を介して対向した1対の透明部材からなる透明スクリーンであって、前記中空層に機械的な調光機能を有し、前記1対の透明部材の一方が透明板であり、他方が下記反射型の映像表示透明部材からなり、下記第1の面および第2の面のいずれか一方が前記中空層に面している、透明スクリーン。
    反射型の映像表示透明部材:
    第1の面およびこれとは反対側の第2の面を有する透明部材であり、第1の面側の光景を第2の面側の観察者に視認可能に透過し、第2の面側の光景を第1の面側の観察者に視認可能に透過し、かつ第1の面側から投射された映像光を第1の面側の観察者に映像として視認可能に表示する映像表示透明部材。
  2. 前記機械的な調光機能が、ブラインドスラット、ロールブラインド、およびバーチカルブラインドからなる1つである、請求項1に記載の透明スクリーン。
  3. 前記透明板の主面の少なくとも一方に低放射膜を有する請求項1または2に記載の透明スクリーン。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明スクリーンと、前記透明スクリーンに映像光を投射可能な位置に設置された投影機とを備えた、映像表示システム。
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