JP7151888B2 - 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 - Google Patents
移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7151888B2 JP7151888B2 JP2021520822A JP2021520822A JP7151888B2 JP 7151888 B2 JP7151888 B2 JP 7151888B2 JP 2021520822 A JP2021520822 A JP 2021520822A JP 2021520822 A JP2021520822 A JP 2021520822A JP 7151888 B2 JP7151888 B2 JP 7151888B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- primary coil
- cooling ring
- main body
- shaft
- moving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/06—Surface hardening
- C21D1/09—Surface hardening by direct application of electrical or wave energy; by particle radiation
- C21D1/10—Surface hardening by direct application of electrical or wave energy; by particle radiation by electric induction
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/18—Hardening; Quenching with or without subsequent tempering
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/34—Methods of heating
- C21D1/42—Induction heating
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/62—Quenching devices
- C21D1/667—Quenching devices for spray quenching
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/0062—Heat-treating apparatus with a cooling or quenching zone
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/28—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for plain shafts
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05B—ELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
- H05B6/00—Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
- H05B6/02—Induction heating
- H05B6/10—Induction heating apparatus, other than furnaces, for specific applications
- H05B6/101—Induction heating apparatus, other than furnaces, for specific applications for local heating of metal pieces
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05B—ELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
- H05B6/00—Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
- H05B6/02—Induction heating
- H05B6/36—Coil arrangements
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05B—ELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
- H05B6/00—Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
- H05B6/02—Induction heating
- H05B6/36—Coil arrangements
- H05B6/40—Establishing desired heat distribution, e.g. to heat particular parts of workpieces
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
本発明は、移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法に関する。
本願は、2019年5月23日に、日本国に出願された特願2019-096624号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2019年5月23日に、日本国に出願された特願2019-096624号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、軸状体を誘導加熱により移動焼入れし、軸状体の疲労強度を高めることが行われている。ここで言う、移動焼入れとは、軸状体に対してコイル部材等を軸状体の軸線方向に移動させながら焼入れすることを意味する。
誘導加熱では、環状に形成された1次コイル部材内に軸状体を挿入し、1次コイル部材に高周波電流を流して誘導加熱により軸状体を加熱する。誘導加熱では、軸状体と1次コイル部材との距離が短いほど軸状体が高い温度で加熱される。このため、軸状体が、本体部と、本体部に設けられ本体部よりも径が小さい小径部と、を備える場合には、本体部に比べて小径部が加熱されにくいという課題がある。
誘導加熱では、環状に形成された1次コイル部材内に軸状体を挿入し、1次コイル部材に高周波電流を流して誘導加熱により軸状体を加熱する。誘導加熱では、軸状体と1次コイル部材との距離が短いほど軸状体が高い温度で加熱される。このため、軸状体が、本体部と、本体部に設けられ本体部よりも径が小さい小径部と、を備える場合には、本体部に比べて小径部が加熱されにくいという課題がある。
この課題に対して、1次コイル部材の内側に、1次コイル部材の内径よりも小さい外径を有する2次コイル部材を備える移動焼入れ装置が提案されている(例えば下記特許文献1~3参照)。2次コイル部材は、O字形又はC字形に形成されている。提案されている2次コイルを用いた装置では、軸状体と軸状体に近接するコイル部材との距離が、本体部と小径部であまり変わらないため、本体部と小径部とを同等に加熱することができる。
これらの移動焼入れ装置では、複数のコイル部材が同心円状に配置されているため、軸状体と軸状体に近接するコイル部材との距離は周方向に均一になる。巻き数を多くした電流効率の良いコイル部材を用いることができるため、少ない電流でむらなく効率的に軸状体を加熱することができる。
これらの移動焼入れ装置では、複数のコイル部材が同心円状に配置されているため、軸状体と軸状体に近接するコイル部材との距離は周方向に均一になる。巻き数を多くした電流効率の良いコイル部材を用いることができるため、少ない電流でむらなく効率的に軸状体を加熱することができる。
しかしながら、上記従来技術のようにO字形又はC字形に形成された2次コイルを使用する場合、1次コイルが軸状体に対して相対的に移動している際中(つまり移動焼入れ中)に、1次コイルと軸状体(とくに小径部)との間の空隙に2次コイルを自由に配置したり取り出したりすることができない。それを実現するためには移動焼入れ装置に複雑な機構を導入する必要があるため、開発コスト等の増加を招くことになる。
そのため、従来から、比較的簡易な構成で、軸線に沿って径が変化する形状を有する軸状体の焼入れを可能とする移動焼入れ装置の開発が要求されていた。
そのため、従来から、比較的簡易な構成で、軸線に沿って径が変化する形状を有する軸状体の焼入れを可能とする移動焼入れ装置の開発が要求されていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、比較的簡易な構成で、軸線に沿って径が変化する形状を有する軸状体の焼入れを可能とする移動焼入れ装置と、その移動焼入れ装置によって実現可能な移動焼入れ方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために、以下の手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係る移動焼入れ装置は、本体部と、前記本体部の軸線方向の中間部に設けられ前記本体部よりも外径が小さい小径部と、を有する軸状体に、移動焼入れを行うための移動焼入れ装置であって、前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ円環形状を有する1次コイルと、前記1次コイルに高周波電流を供給する電流供給装置と、前記軸状体が前記1次コイルの半径方向内側を通過するように前記1次コイルを支持した状態で前記軸線方向における前記1次コイルの位置決めを可能とするように構成された一軸アクチュエータと、前記電流供給装置及び前記一軸アクチュエータを制御する制御装置と、を備える。前記1次コイルの周方向に直交する平面内において前記1次コイルの半径方向を横軸とし且つ前記半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦m個×横n個(m及びnはいずれも2以上の整数)のマトリクス状に分割された形で現れる。
(1)本発明の一態様に係る移動焼入れ装置は、本体部と、前記本体部の軸線方向の中間部に設けられ前記本体部よりも外径が小さい小径部と、を有する軸状体に、移動焼入れを行うための移動焼入れ装置であって、前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ円環形状を有する1次コイルと、前記1次コイルに高周波電流を供給する電流供給装置と、前記軸状体が前記1次コイルの半径方向内側を通過するように前記1次コイルを支持した状態で前記軸線方向における前記1次コイルの位置決めを可能とするように構成された一軸アクチュエータと、前記電流供給装置及び前記一軸アクチュエータを制御する制御装置と、を備える。前記1次コイルの周方向に直交する平面内において前記1次コイルの半径方向を横軸とし且つ前記半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦m個×横n個(m及びnはいずれも2以上の整数)のマトリクス状に分割された形で現れる。
(2)上記(1)に記載の移動焼入れ装置において、前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れてもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の移動焼入れ装置は、前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ複数のノズルが設けられた内周面を有する冷却環と、前記冷却環に冷却液を供給する冷却液供給装置と、をさらに備えていてもよい。
この場合、前記一軸アクチュエータは、前記軸状体が前記1次コイル及び前記冷却環の半径方向内側を通過するように且つ前記冷却環に対して前記1次コイルが前記軸線方向の一方側に配置されるように前記1次コイル及び前記冷却環を支持した状態で前記軸線方向における前記1次コイルの位置決めを可能とするように構成されていてもよい。
また、前記制御装置は、前記1次コイルに前記高周波電流が供給され且つ前記冷却環に前記冷却液が供給されながら、前記1次コイル及び前記冷却環が前記軸線方向の他方側から前記一方側へ向かって移動するように、前記一軸アクチュエータ、前記電流供給装置及び前記冷却液供給装置を同期制御してもよい。
この場合、前記一軸アクチュエータは、前記軸状体が前記1次コイル及び前記冷却環の半径方向内側を通過するように且つ前記冷却環に対して前記1次コイルが前記軸線方向の一方側に配置されるように前記1次コイル及び前記冷却環を支持した状態で前記軸線方向における前記1次コイルの位置決めを可能とするように構成されていてもよい。
また、前記制御装置は、前記1次コイルに前記高周波電流が供給され且つ前記冷却環に前記冷却液が供給されながら、前記1次コイル及び前記冷却環が前記軸線方向の他方側から前記一方側へ向かって移動するように、前記一軸アクチュエータ、前記電流供給装置及び前記冷却液供給装置を同期制御してもよい。
(4)本発明の一態様に係る移動焼入れ方法は、本体部と、前記本体部の軸線方向の中間部に設けられ前記本体部よりも外径が小さい小径部と、を有する軸状体に、移動焼入れを行うための移動焼入れ方法であって、前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ円環形状を有する1次コイルを準備する第1工程と、前記1次コイルに高周波電流を供給しながら、前記軸状体が前記1次コイルの半径方向内側を通過するように前記1次コイルを前記軸線方向に沿って移動させる第2工程と、を有する。前記1次コイルの周方向に直交する平面内において前記1次コイルの半径方向を横軸とし且つ前記半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦m個×横n個(m及びnはいずれも2以上の整数)のマトリクス状に分割された形で現れる。
(5)上記(4)に記載の移動焼入れ方法において、前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れてもよい。
(6)上記(4)または(5)に記載の移動焼入れ方法の前記第1工程では、前記1次コイルに加えて、前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ複数のノズルが設けられた内周面を有する冷却環を準備してもよい。この場合の前記第2工程では、前記冷却環に対して前記1次コイルを前記軸線方向の一方側に配置した状態で、前記1次コイルに前記高周波電流を供給し且つ前記冷却環に冷却液を供給しながら、前記軸状体が前記1次コイル及び前記冷却環の半径方向内側を通過するように前記1次コイル及び前記冷却環を前記軸線方向の他方側から前記一方側に向けて移動させてもよい。
本発明の上記各態様によれば、比較的簡易な構成で、軸線に沿って径が変化する形状を有する軸状体の焼入れを可能とする移動焼入れ装置と、その移動焼入れ装置によって実現可能な移動焼入れ方法を提供できる。
最初に、図1A及び図1Bを参照しながら、被加熱体である軸状体51について説明する。図1A及び図1Bに示すように、軸状体51は、本体部52と、本体部52の軸線C方向の中間部に設けられた小径部53と、を備えている。本体部52及び小径部53は、それぞれ円柱状に形成され、小径部53の軸線は、本体部52の軸線Cに一致する。
以下では、本体部52のうち、小径部53に対して軸線C方向の一方側D1に配置された部分を、第1本体部52Aと言う。小径部53に対して軸線C方向の他方側D2に配置された部分を、第2本体部52Bと言う。
第1本体部52A、小径部53、及び第2本体部52Bは、それぞれ円柱状に形成され、共通の軸線C上に配置されている。小径部53の外径は、第1本体部52A及び第2本体部52Bの外径よりもそれぞれ小さい。
以下では、本体部52のうち、小径部53に対して軸線C方向の一方側D1に配置された部分を、第1本体部52Aと言う。小径部53に対して軸線C方向の他方側D2に配置された部分を、第2本体部52Bと言う。
第1本体部52A、小径部53、及び第2本体部52Bは、それぞれ円柱状に形成され、共通の軸線C上に配置されている。小径部53の外径は、第1本体部52A及び第2本体部52Bの外径よりもそれぞれ小さい。
上記のような軸状体51の焼入れ部位の金属組織をオーステナイト相に変態させるには、通常700℃を超えるAc1点以上の温度まで加熱する必要がある。軸状体51の加熱には、一般的に図1Aに示すような1次コイル100が用いられる。この1次コイル100は、円環形状を有するコイルであり、螺旋状に巻かれたコイルの素線によって形成されている。1次コイル100に高周波電流を流しながら、軸状体51が1次コイル100の半径方向内側を通過するように1次コイル100を軸線C方向に沿って移動させると、電磁誘導現象により軸状体51の表面に、順次、渦電流が生じる。その結果、ジュールの法則による発熱により軸状体51の表面が加熱される。
Ac1点以上の高温まで加熱できるほどの渦電流を軸状体51の表面に誘起させるためには、1次コイル100にも大電流を流す必要がある。例えば、一巻コイルに大電流を流すと、電力効率が低下し、コイルもオーバーヒートしやすくなる。そのため、一般的には、図1Aに示す1次コイル100のように、軸状体51の表面に沿うような形で螺旋状に複数回巻かれたコイルを使用することにより、コイル1本当たりの電流値を減じる対策を取っている。軸状体51の表面に沿うような形で螺旋状にコイルを巻く理由は、コイルと軸状体51との距離が離れると、コイルにより生じる磁束密度の変化が軸状体51に与える影響が小さくなるためである。
ここで、例えば、図1Aに示すように、1次コイル100が小径部53の上端部(軸線C方向の一方側D1の端部)に対応する位置に到達したとき、第1本体部52Aから小径部53に向かって径が変化し始める部位である角部54に対して、1次コイル100の上端部が近接することになる。このとき、表皮効果により、1次コイル100の上端部に近接する角部54に磁束が集中する。その一方で、小径部53を加熱するときには、1次コイル100と軸状体51との距離が最大となっているので、1次コイル100に流す高周波電流の振幅値を増大させる必要がある。その結果、1次コイル100が図1Aに示す位置に到達したときに、磁束が集中する角部54が目標温度を超える高温まで過加熱されることになる。
なお、このような角部54の過加熱現象は、第2本体部52Bから小径部53に向かって径が変化し始める部位である角部55でも同様に起こり得る。
なお、このような角部54の過加熱現象は、第2本体部52Bから小径部53に向かって径が変化し始める部位である角部55でも同様に起こり得る。
本願発明者らは、2次コイルを使って上記のような角部54、55で生じる過加熱現象を抑制する方法について検討した。その結果、過加熱現象を抑制するには、1次コイル100と軸状体51(小径部53)との間の空隙に2次コイルを自由に配置したり取り出したりできる非常に複雑な機械的機構を移動焼入れ装置に導入する必要があることが判明した。
そこで、本願発明者らは、比較的簡易な構成で、軸線に沿って径が変化する形状を有する軸状体の焼入れを可能とする手段について鋭意検討した。その結果、例えば、図1Bに示すような形で複数回巻かれたコイルを1次コイル110として使用することにより、2次コイルなどを使用せずとも、角部54、55で生じる過加熱現象を抑制できることを見出した。
図1Bに示すように、1次コイル110の周方向に直交する平面内において、1次コイル110の半径方向を横軸とし且つその半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、上記平面に現れる1次コイル110の断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れている。
このような断面形状を有する1次コイル110を使用すると、図1Bに示すように、1次コイル110が小径部53の上端部に対応する位置に到達したとき、1次コイル110の上端部を角部54から遠ざけることができる。その結果、角部54に磁束が集中することを抑制できるため、角部54で生じる過加熱現象を抑制できる。角部55で生じる過加熱現象についても同様に抑制できる。
このような断面形状を有する1次コイル110を使用すると、図1Bに示すように、1次コイル110が小径部53の上端部に対応する位置に到達したとき、1次コイル110の上端部を角部54から遠ざけることができる。その結果、角部54に磁束が集中することを抑制できるため、角部54で生じる過加熱現象を抑制できる。角部55で生じる過加熱現象についても同様に抑制できる。
その一方で、このような断面形状を有する1次コイル110を使用すると、軸状体51と1次コイル110との距離が増加するため、目標温度まで加熱するのに必要な渦電流を軸状体51の表面に誘起させることが困難になる懸念がある。しかしながら、本願発明者らによる解析の結果、目標温度まで加熱するのに必要十分な渦電流を軸状体51の表面に誘起できることが確認された(解析結果については後述する)。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
〔移動焼入れ装置〕
図2は、本実施形態に係る移動焼入れ装置1の一部を破断して模式的に示す側面図である。この図2に示すように、移動焼入れ装置1は、鉄道車両用の車軸等の軸状体51に、高周波電流を用いて移動焼入れを行うための装置である。
図2は、本実施形態に係る移動焼入れ装置1の一部を破断して模式的に示す側面図である。この図2に示すように、移動焼入れ装置1は、鉄道車両用の車軸等の軸状体51に、高周波電流を用いて移動焼入れを行うための装置である。
軸状体51は、本体部52と、本体部52の軸線C方向の中間部に設けられた小径部53と、を備えている。本体部52及び小径部53は、それぞれ円柱状に形成され、小径部53の軸線は、本体部52の軸線Cに一致する。
以下では、本体部52のうち、小径部53に対して軸線C方向の一方側D1に配置された部分を、第1本体部52Aと言う。小径部53に対して軸線C方向の他方側D2に配置された部分を、第2本体部52Bと言う。
以下では、本体部52のうち、小径部53に対して軸線C方向の一方側D1に配置された部分を、第1本体部52Aと言う。小径部53に対して軸線C方向の他方側D2に配置された部分を、第2本体部52Bと言う。
第1本体部52A、小径部53、及び第2本体部52Bは、それぞれ円柱状に形成され、共通の軸線C上に配置されている。小径部53の外径は、第1本体部52A及び第2本体部52Bそれぞれの外径よりも小さい。
軸状体51は、フェライト相である、炭素鋼、鉄(Fe)を95重量%以上含有する低合金鋼等の導電性を有する材料で形成されている。
軸状体51は、フェライト相である、炭素鋼、鉄(Fe)を95重量%以上含有する低合金鋼等の導電性を有する材料で形成されている。
移動焼入れ装置1は、支持部材6と、1次コイル11と、カーレントトランス12(電流供給装置)と、冷却環36と、ポンプ37(冷却液供給装置)、一軸アクチュエータ(39、40、42)と、制御装置46と、を備えている。
図2に示すように、支持部材6は、下方センター7と、上方センター8と、を備えている。下方センター7は、軸状体51の第2本体部52Bを、第2本体部52Bの下方から支持している。上方センター8は、軸状体51の第1本体部52Aを、第1本体部52Aの上方から支持している。下方センター7及び上方センター8は、軸線Cが上下方向に沿い、軸線C方向の一方側D1が上方、他方側D2が下方となるように、軸状体51を支持している。
1次コイル11は、本体部52の外径よりも大きい内径を有し且つ円環形状を有するコイルである。図2に示すように、1次コイル11の周方向に直交する平面内において、1次コイル11の半径方向を横軸とし且つその半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、上記平面に現れる1次コイル11の断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れている。すなわち、図2の軸線Cの紙面右側に、1次コイル11の断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れている。同様に、図2の軸線Cの紙面左側に、1次コイル11の断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れている。
上記のような断面形状を有する1次コイル11の一例を図3に示す。図3は、1次コイル11の斜視図である。図3に示す1次コイル11は、以下のような手順で作製することができる。
(1)図4Aに示すように、まず、符号111で示す部位を1次コイル11の第1引き出し端部としたとき、この第1引き出し端部111を始点としてコイル素線を円環状に巻くことにより、1次コイル11の半径方向外側であって且つ上側(軸線C方向の一方側D1)の部位である外側上段部110を形成する。外側上段部110は、図4Aにおいてグレーで示す部分である。
(2)続いて、図4Bに示すように、外側上段部110の先端部112(第1引き出し端部111の反対側の端部)から第1引き出し端部111の直下の位置に向かって下降するように、コイル素線を延ばすことにより、外側上段部110と後述の外側下段部130との間を接続する第1接続部120を形成する。第1接続部120は、図4Bにおいてグレーで示す部分である。
(2)続いて、図4Bに示すように、外側上段部110の先端部112(第1引き出し端部111の反対側の端部)から第1引き出し端部111の直下の位置に向かって下降するように、コイル素線を延ばすことにより、外側上段部110と後述の外側下段部130との間を接続する第1接続部120を形成する。第1接続部120は、図4Bにおいてグレーで示す部分である。
(3)続いて、図5Aに示すように、第1接続部120の先端部121を始点として、外側上段部110の先端部112の直下の位置までコイル素線を円環状に巻くことにより、1次コイル11の半径方向外側であって且つ下側(軸線C方向の他方側D2)の部位である外側下段部130を形成する。この外側下段部130は、外側上段部110と同じ内径及び外径を有するように形成される。図5Bは、外側下段部130を下方から見た図である。外側下段部130は、図5A及び図5Bにおいてグレーで示す部分である。
(4)続いて、図6Aに示すように、外側下段部130の先端部131から、第1接続部120の先端部121の半径方向内側に隣接する位置に向かってコイル素線を曲げ延ばすことにより、外側下段部130と後述の内側下段部150との間を接続する第2接続部140を形成する。第2接続部140は、図6Aにおいてグレーで示す部分である。
(5)続いて、図6Bに示すように、第2接続部140の先端部141を始点として、外側下段部130の先端部131の半径方向内側に隣接する位置までコイル素線を円環状に巻くことにより、1次コイル11の半径方向内側であって且つ下側の部位である内側下段部150を形成する。内側下段部150は、図6Bにおいてグレーで示す部分である。
(5)続いて、図6Bに示すように、第2接続部140の先端部141を始点として、外側下段部130の先端部131の半径方向内側に隣接する位置までコイル素線を円環状に巻くことにより、1次コイル11の半径方向内側であって且つ下側の部位である内側下段部150を形成する。内側下段部150は、図6Bにおいてグレーで示す部分である。
(6)続いて、図7A及び図7Bに示すように、内側下段部150の先端部151から、第1引き出し端部111の半径方向内側に隣接する位置に向かって上昇するように、コイル素線を延ばすことにより、内側下段部150と後述の内側上段部170との間を接続する第3接続部160を形成する。第3接続部160は、図7A及び図7Bにおいてグレーで示す部分である。
(7)最後に、図8に示すように、第3接続部160の先端部161を始点として、外側上段部110の先端部112の半径方向内側に隣接する位置までコイル素線を円環状に巻くことにより、1次コイル11の半径方向内側であって且つ上側の部位である内側上段部170を形成する。この内側上段部170は、内側下段部150と同じ内径及び外径を有するように形成される。内側上段部170の先端部が、1次コイル11の第2引き出し端部171となる。内側上段部170は、図8においてグレーで示す部分である。
(7)最後に、図8に示すように、第3接続部160の先端部161を始点として、外側上段部110の先端部112の半径方向内側に隣接する位置までコイル素線を円環状に巻くことにより、1次コイル11の半径方向内側であって且つ上側の部位である内側上段部170を形成する。この内側上段部170は、内側下段部150と同じ内径及び外径を有するように形成される。内側上段部170の先端部が、1次コイル11の第2引き出し端部171となる。内側上段部170は、図8においてグレーで示す部分である。
以上のような手順により、図3に示す1次コイル11を作製できる。本実施形態において、1次コイル11の外径とは、外側上段部110及び外側下段部130の外径を意味し、1次コイル11の内径とは、内側下段部150及び内側上段部170の内径を意味する。
以下、図2に戻って説明を続ける。
1次コイル11の各端部(第1引き出し端部111及び第2引き出し端部171)は、カーレントトランス12に対して電気的及び機械的に接続されている。カーレントトランス12は、制御装置46による制御の下、1次コイル11に高周波電流を供給する電流供給装置である。すなわち、1次コイル11の第1引き出し端部111と第2引き出し端部171との間に高周波電流が流れる。
1次コイル11の各端部(第1引き出し端部111及び第2引き出し端部171)は、カーレントトランス12に対して電気的及び機械的に接続されている。カーレントトランス12は、制御装置46による制御の下、1次コイル11に高周波電流を供給する電流供給装置である。すなわち、1次コイル11の第1引き出し端部111と第2引き出し端部171との間に高周波電流が流れる。
冷却環36は、本体部52の外径よりも大きい内径を有する円環状部材である。冷却環36内には内部空間36aが形成されている。冷却環36の内周面には、内部空間36aに連通する複数のノズル36bが周方向に互いに離間して形成されている。冷却環36の半径方向内側には、軸状体51が同軸に挿入される。冷却環36は、1次コイル11よりも軸線C方向の他方側D2に配置されている。
冷却環36には、送水管37aを介してポンプ37が連結されている。ポンプ37は、制御装置46による制御の下、水等の冷却液Lを、送水管37aを介して冷却環36の内部空間36a内に供給する冷却液供給装置である。冷却環36の内部空間36aに供給された冷却液Lは、複数のノズル36bを通して軸状体51の外周面に向かって噴出し、軸状体51を冷却する。
冷却環36には、送水管37aを介してポンプ37が連結されている。ポンプ37は、制御装置46による制御の下、水等の冷却液Lを、送水管37aを介して冷却環36の内部空間36a内に供給する冷却液供給装置である。冷却環36の内部空間36aに供給された冷却液Lは、複数のノズル36bを通して軸状体51の外周面に向かって噴出し、軸状体51を冷却する。
1次コイル11、カーレントトランス12、冷却環36、及びポンプ37は、支え板39に固定されている。支え板39には、ピニオン39aが形成されている。支え板39には、ピニオン39aを駆動するモータ40が取付けられている。
支え板39のピニオン39aは、ラック42に噛み合っている。モータ40を駆動すると、ピニオン39aが正回転又は逆回転するので、ラック42に対して支え板39が上方又は下方(つまり軸線C方向)に移動する。
なお、ラック42はボールねじでもよい。この場合、ピニオン39aはボールねじを挟むように複数配置してもよい。
支え板39のピニオン39aは、ラック42に噛み合っている。モータ40を駆動すると、ピニオン39aが正回転又は逆回転するので、ラック42に対して支え板39が上方又は下方(つまり軸線C方向)に移動する。
なお、ラック42はボールねじでもよい。この場合、ピニオン39aはボールねじを挟むように複数配置してもよい。
上記のピニオン39aを有する支え板39と、モータ40と、ラック42は、本発明の一軸アクチュエータの一例を構成する機械要素である。すなわち、これらの機械要素からなる一軸アクチュエータは、軸状体51が1次コイル11及び冷却環36の半径方向内側を通過するように且つ冷却環36に対して1次コイル11が軸線C方向の一方側D1に配置されるように1次コイル11及び冷却環36を支持した状態で、軸線C方向における1次コイル11の位置決めを可能とするように構成されている。
制御装置46は、図示はしないが、演算回路と、メモリと、を備えている。メモリには、演算回路を駆動するための制御プログラム等が記憶されている。制御装置46は、カーレントトランス12、ポンプ37、及びモータ40(一軸アクチュエータの機械要素)に接続されており、これらの動作を制御プログラムに従って同期制御する。
〔移動焼入れ方法〕
次に、上記のように構成された移動焼入れ装置1を用いて実現される移動焼入れ方法について、図9~図13を参照しながら説明する。本実施形態に係る移動焼入れ方法は、基本的なプロセスとして、準備プロセス(第1工程)と焼入れプロセス(第2工程)とを有している。
準備プロセスでは、被加熱体である軸状体51と上記構成を備える移動焼入れ装置1を準備する。そして、軸状体51の軸線Cが水平面に対して垂直になるように、上方センター8によって第1本体部52Aの上方側(軸線C方向の一方側D1)の端面を支持すると共に、下方センター7によって第2本体部52Bの下方側(軸線C方向の他方側D2)の端面を支持する(図2参照)。この場合、軸線C方向の一方側D1(上方側)が1次コイル11及び冷却環36の進行方向となる。
次に、上記のように構成された移動焼入れ装置1を用いて実現される移動焼入れ方法について、図9~図13を参照しながら説明する。本実施形態に係る移動焼入れ方法は、基本的なプロセスとして、準備プロセス(第1工程)と焼入れプロセス(第2工程)とを有している。
準備プロセスでは、被加熱体である軸状体51と上記構成を備える移動焼入れ装置1を準備する。そして、軸状体51の軸線Cが水平面に対して垂直になるように、上方センター8によって第1本体部52Aの上方側(軸線C方向の一方側D1)の端面を支持すると共に、下方センター7によって第2本体部52Bの下方側(軸線C方向の他方側D2)の端面を支持する(図2参照)。この場合、軸線C方向の一方側D1(上方側)が1次コイル11及び冷却環36の進行方向となる。
焼入れプロセスでは、まず、移動焼入れ装置1の制御装置46が、初期設定処理として、軸線C方向に予め設定されている初期位置(移動開始位置)に1次コイル11を移動させて待機させるための処理を行う。
具体的には、図9に示すように、制御装置46は、初期設定処理として、第2本体部52Bの下端部に対応する位置に設定された移動開始位置で1次コイル11が待機するように、前記一軸アクチュエータのモータ40を制御する。この1次コイル11の移動開始位置は、第2本体部52Bの下端部に対応する位置に設定されていても良い。または、1次コイル11の移動開始位置は、第2本体部52Bの下端部からさらに軸線C方向の他方側D2(下方側)へ、1次コイル11の半径方向に直交する方向のコイル幅よりも短い距離で、離れた位置に設定されていてもよい。言い換えれば、1次コイル11の移動(上昇)によって軸状体51の全体を誘導加熱できる位置に移動開始位置が設定されていればよい。
具体的には、図9に示すように、制御装置46は、初期設定処理として、第2本体部52Bの下端部に対応する位置に設定された移動開始位置で1次コイル11が待機するように、前記一軸アクチュエータのモータ40を制御する。この1次コイル11の移動開始位置は、第2本体部52Bの下端部に対応する位置に設定されていても良い。または、1次コイル11の移動開始位置は、第2本体部52Bの下端部からさらに軸線C方向の他方側D2(下方側)へ、1次コイル11の半径方向に直交する方向のコイル幅よりも短い距離で、離れた位置に設定されていてもよい。言い換えれば、1次コイル11の移動(上昇)によって軸状体51の全体を誘導加熱できる位置に移動開始位置が設定されていればよい。
上述したように、支え板39と、モータ40と、ラック42を備える一軸アクチュエータは、軸状体51が1次コイル11及び冷却環36の半径方向内側を同軸に通過するように且つ冷却環36に対して1次コイル11が軸線C方向の一方側D1(上方側)に配置されるように1次コイル11及び冷却環36を支持した状態で、軸線C方向における1次コイル11の位置決めを可能とするように構成されている。そのため、これらの機械要素からなる一軸アクチュエータを制御することにより、冷却環36に対して1次コイル11が上方側(進行方向側)に配置された状態で、1次コイル11を移動開始位置に移動させて待機させることができる。
続いて、制御装置46は、上記のような初期設定処理の終了後、図10に示すように、1次コイル11が移動開始位置から軸線C方向の一方側D1(進行方向側)に向かって移動(上昇)するように一軸アクチュエータのモータ40を制御する。このとき、冷却環36に対して1次コイル11が上方側(進行方向側)に配置された状態を維持したまま、1次コイル11とともに冷却環36も上昇する。制御装置46は、1次コイル11及び冷却環36が進行方向に移動している際中に、1次コイル11に高周波電流が供給され且つ冷却環36に冷却液Lが供給されるように、カーレントトランス12、ポンプ37及び一軸アクチュエータのモータ40を同期制御する。
このようにカーレントトランス12、ポンプ37及び一軸アクチュエータのモータ40を同期制御する。これにより、冷却環36に対して1次コイル11を進行方向側に配置した状態で、1次コイル11に高周波電流を供給し且つ冷却環36に冷却液Lを供給しながら、軸状体51(第2本体部52B)が1次コイル11及び冷却環36の半径方向内側を通過するように1次コイル11及び冷却環36を進行方向に向けて上昇させることができる。
1次コイル11が高周波電流の供給を受けながら軸線C方向に沿って上昇することにより、第2本体部52Bが軸線C方向に沿って連続的に誘導加熱され、第2本体部52Bの表面の金属組織がオーステナイト相に変態する。このとき、冷却環36も1次コイル11に続く形で上昇しているため、第2本体部52Bが誘導加熱された直後に、冷却環36からの冷却液Lの噴射によって第2本体部52Bは軸線C方向に沿って連続的に冷却される。その結果、第2本体部52Bの表面の金属組織がオーステナイト相から硬質のマルテンサイト相に変態する。このようにして、1次コイル11及び冷却環36の上昇に伴い、第2本体部52Bの焼入れがシームレスに行われる。
1次コイル11が第2本体部52Bを通過した後、次は、軸状体51の小径部53が1次コイル11の半径方向内側を通過する形で1次コイル11は進行方向側に向かって上昇を続ける。これにより、第2本体部52Bに続いて小径部53が軸線C方向に沿って連続的に誘導加熱され、小径部53の表面の金属組織がオーステナイト相に変態する。なお、小径部53を加熱するときには、1次コイル11と軸状体51との距離が最大となっているので、制御装置46は、1次コイル11に流れる高周波電流の振幅値を増大させるようにカーレントトランス12を制御する。
1次コイル11が小径部53を通過している際中、冷却環36も1次コイル11に続く形で上昇している。そのため、小径部53が誘導加熱された直後に、冷却環36からの冷却液Lの噴射によって小径部53は軸線C方向に沿って連続的に冷却される。その結果、小径部53の表面の金属組織がオーステナイト相から硬質のマルテンサイト相に変態する。このようにして、1次コイル11及び冷却環36の上昇に伴い、第2本体部52Bに続いて小径部53の焼入れがシームレスに行われる。
図11は、1次コイル11が小径部53の下端部に対応する位置に到達した状態を示している。符号55は、第2本体部52Bから小径部53に向かって径が変化し始める部位である角部を示している。図11に示すように、1次コイル11が小径部53の下端部に対応する位置に到達したとき、1次コイル11の下端部を軸状体51の角部55から遠ざけることができる。その結果、角部55に磁束が集中することを抑制できるため、角部55で生じる過加熱現象を抑制できる。
図12は、1次コイル11が小径部53の上端部に対応する位置に到達した状態を示している。符号54は、第1本体部52Aから小径部53に向かって径が変化し始める部位である角部を示している。図12に示すように、1次コイル11が小径部53の上端部に対応する位置に到達したとき、1次コイル11の上端部を軸状体51の角部54から遠ざけることができる。その結果、角部54に磁束が集中することを抑制できるため、角部54で生じる過加熱現象も抑制できる。
1次コイル11が小径部53を通過した後、次は、軸状体51の第1本体部52Aが1次コイル11の半径方向内側を通過する形で1次コイル11は進行方向に向かって上昇を続ける。これにより、小径部53に続いて第1本体部52Aが軸線C方向に沿って連続的に誘導加熱され、第1本体部52Aの表面の金属組織がオーステナイト相に変態する。なお、第1本体部52Aを加熱するときには、1次コイル11と軸状体51との距離が最小に戻っているので、制御装置46は、1次コイル11に流れる高周波電流の振幅値を元の値に戻すようにカーレントトランス12を制御する。
1次コイル11が第1本体部52Aを通過している際中、冷却環36も1次コイル11に続く形で上昇している。そのため、第1本体部52Aが誘導加熱された直後に、冷却環36からの冷却液Lの噴射によって第1本体部52Aは軸線C方向に沿って連続的に冷却される。その結果、第1本体部52Aの表面の金属組織がオーステナイト相から硬質のマルテンサイト相に変態する。このようにして、1次コイル11及び冷却環36の上昇に伴い、小径部53に続いて第1本体部52Aの焼入れがシームレスに行われる。
そして、制御装置46は、図13に示すように、最終的に、第1本体部52Aから軸線C方向の一方側D1へ離れた位置に設定された移動停止位置まで1次コイル11が上昇し且つその移動停止位置で1次コイル11が停止するように、一軸アクチュエータのモータ40を制御する。なお、制御装置46は、1次コイル11が第1本体部52Aの上端を超えたときに高周波電流の供給を止める一方で、1次コイル11が移動停止位置で停止するまで、引き続き冷却環36に冷却液Lが供給されるように、カーレントトランス12及びポンプ37を一軸アクチュエータと共に同期制御する。
以上のようなプロセスにより、1次コイル11が移動停止位置に到達したとき、軸状体51の全体の焼入れが完了する。
以上のようなプロセスにより、1次コイル11が移動停止位置に到達したとき、軸状体51の全体の焼入れが完了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、特定の断面形状を有する1次コイル11を使用することにより、2次コイルなどを使用せずとも、軸状体51の角部54及び角部55で生じる過加熱現象を抑制できる。すなわち、本実施形態によれば、比較的簡易な構成で、軸線に沿って外径が変化する形状を有する軸状体51の焼入れを可能とする移動焼入れ装置1と、その移動焼入れ装置1によって実現可能な移動焼入れ方法とを提供できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態のみに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、軸状体51は、軸線Cが上下方向(鉛直方向)に沿うように配置されなくてもよく、軸線Cが上下方向に対して傾くように配置されてもよい。この場合、1次コイル11及び冷却環36は、上下方向に対して傾いて移動する。
軸状体51は、鉄道車両用の車軸であるとしたが、ボールネジ等の他の軸状体であってもよい。
例えば、上記実施形態において、軸状体51は、軸線Cが上下方向(鉛直方向)に沿うように配置されなくてもよく、軸線Cが上下方向に対して傾くように配置されてもよい。この場合、1次コイル11及び冷却環36は、上下方向に対して傾いて移動する。
軸状体51は、鉄道車両用の車軸であるとしたが、ボールネジ等の他の軸状体であってもよい。
〔解析結果〕
図14は、一般的な断面形状を有する1次コイル100(図1A参照)を使って軸状体51を誘導加熱した場合の軸状体51の表面温度分布をシミュレーションにより解析した結果を示す。なお、図14では、軸状体51の縦断面図のうちの軸線Cよりも右半分の解析結果のみを図示している。
このシミュレーションにおいて、本体部52(第1本体部52A、第2本体部52B)の外径を198mmに設定し、小径部53の外径(最小径)を181mmに設定した。また、軸状体51の材質を炭素鋼に設定した。1次コイル100に流す高周波電流の周波数を1kHzとした。なお、小径部53を加熱する際の周波数と、本体部52を加熱する際の周波数とは同じである。
図14は、一般的な断面形状を有する1次コイル100(図1A参照)を使って軸状体51を誘導加熱した場合の軸状体51の表面温度分布をシミュレーションにより解析した結果を示す。なお、図14では、軸状体51の縦断面図のうちの軸線Cよりも右半分の解析結果のみを図示している。
このシミュレーションにおいて、本体部52(第1本体部52A、第2本体部52B)の外径を198mmに設定し、小径部53の外径(最小径)を181mmに設定した。また、軸状体51の材質を炭素鋼に設定した。1次コイル100に流す高周波電流の周波数を1kHzとした。なお、小径部53を加熱する際の周波数と、本体部52を加熱する際の周波数とは同じである。
そして、高周波電流を1次コイル100に供給させながら、1次コイル100を軸状体51の軸線C方向の他方側D2(下方側)から一方側D1(上方側)に向けて移動させることにより、軸状体51を軸線C方向に沿って連続的に誘導加熱した。図14は、移動焼入れにより軸状体51に対して一定の深さの焼入れをするために必要な加熱をする際の、軸状体51の表面温度分布の最高値の解析結果を示している。
図15は、本実施形態の1次コイル11を使って(つまり、上記実施形態の移動焼入れ装置1を使って)軸状体51を誘導加熱した場合の軸状体51の表面温度分布をシミュレーションにより解析した結果を示す。図15では、軸状体51の縦断面図のうちの軸線Cよりも右半分の解析結果のみを図示している。
このシミュレーションにおいても、本体部52(第1本体部52A、第2本体部52B)の外径を198mmに設定し、小径部53の外径(最小径)を181mmに設定した。また、軸状体51の材質を炭素鋼に設定した。1次コイル11に流す高周波電流の周波数を1kHzとした。
このシミュレーションにおいても、本体部52(第1本体部52A、第2本体部52B)の外径を198mmに設定し、小径部53の外径(最小径)を181mmに設定した。また、軸状体51の材質を炭素鋼に設定した。1次コイル11に流す高周波電流の周波数を1kHzとした。
そして、高周波電流を1次コイル11に供給させながら、1次コイル11を軸状体51の軸線C方向の他方側D2(下方側)から一方側D1(上方側)に向けて移動させることにより、軸状体51を軸線C方向に沿って連続的に誘導加熱した。図15は、移動焼入れにより軸状体51に対して一定の深さの焼入れをするために必要な加熱をする際の、軸状体51の表面温度分布の解析結果を示している。
図14に示されるように、一般的な断面形状を有する1次コイル100を使って軸状体51を誘導加熱した場合(比較例の場合)、小径部53では表面から約3.5mmの深さの領域まで800℃以上に加熱され、表面温度分布の最高値が1225℃となることが判明した。
一方、図15に示されるように、本実施形態の1次コイル11を使って(つまり、上記実施形態の移動焼入れ装置1及び移動焼入れ方法を使って)軸状体51を誘導加熱した場合(本発明例の場合)、小径部53では表面から約4.8mmの深さの領域まで800℃以上に加熱され、表面温度分布の最高値が1215℃となることが判明した。
以上のような解析結果から、比較例と比較して、本発明例によれば、軸状態51の全体にわたって表面からより深い領域で800℃以上の高温で加熱でき、比較的簡易な構成で軸状体51を必要十分に加熱及び焼入れできることが確認された。また、比較例と比較して、本発明例によれば、軸状体51の表面温度の最高値を下げて過加熱現象を抑制できることが確認された。
〔1次コイルの変形例〕
上記実施形態では、1次コイル11の周方向に直交する平面内において、1次コイル11の半径方向を横軸とし且つその半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、上記平面に現れる1次コイル11の断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れる場合を例示した。本発明の1次コイルの断面形状はこれのみに限定されず、上記平面に現れる1次コイルの断面像が、縦m個×横n個(m及びnはいずれも2以上の整数)のマトリクス状に分割された形で現れるものであればよい。
上記実施形態では、1次コイル11の周方向に直交する平面内において、1次コイル11の半径方向を横軸とし且つその半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、上記平面に現れる1次コイル11の断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れる場合を例示した。本発明の1次コイルの断面形状はこれのみに限定されず、上記平面に現れる1次コイルの断面像が、縦m個×横n個(m及びnはいずれも2以上の整数)のマトリクス状に分割された形で現れるものであればよい。
例えば、図16Aに示すように、上記平面に現れる1次コイルの断面像が、縦3個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れるものであってもよい。または、図16Bに示すように、上記平面に現れる1次コイルの断面像が、縦2個×横3個のマトリクス状に分割された形で現れるものであってもよい。あるいは、図16Cに示すように、上記平面に現れる1次コイルの断面像が、縦3個×横3個のマトリクス状に分割された形で現れるものであってもよい。
本発明によれば、比較的簡易な構成で、軸線に沿って径が変化する形状を有する軸状体の焼入れを可能とする移動焼入れ装置と、その移動焼入れ装置によって実現可能な移動焼入れ方法を提供できる。よって、産業上の利用可能性は大である。
1 移動焼入れ装置
11 1次コイル
12 カーレントトランス(電流供給装置)
36 冷却環
37 ポンプ(冷却液供給装置)
39 支え板(一軸アクチュエータの機械要素)
40 モータ(一軸アクチュエータの機械要素)
42 ラック(一軸アクチュエータの機械要素)
46 制御装置
51 軸状体
52 本体部
53 小径部
11 1次コイル
12 カーレントトランス(電流供給装置)
36 冷却環
37 ポンプ(冷却液供給装置)
39 支え板(一軸アクチュエータの機械要素)
40 モータ(一軸アクチュエータの機械要素)
42 ラック(一軸アクチュエータの機械要素)
46 制御装置
51 軸状体
52 本体部
53 小径部
Claims (6)
- 本体部と、前記本体部の軸線方向の中間部に設けられ前記本体部よりも外径が小さい小径部と、を有する軸状体に、移動焼入れを行うための移動焼入れ装置であって、
前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ円環形状を有する1次コイルと、
前記1次コイルに高周波電流を供給する電流供給装置と、
前記軸状体が前記1次コイルの半径方向内側を通過するように前記1次コイルを支持した状態で前記軸線方向における前記1次コイルの位置決めを可能とするように構成された一軸アクチュエータと、
前記電流供給装置及び前記一軸アクチュエータを制御する制御装置と、
を備え、
前記1次コイルの周方向に直交する平面内において前記1次コイルの半径方向を横軸とし且つ前記半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦m個×横n個(m及びnはいずれも2以上の整数)のマトリクス状に分割された形で現れる
ことを特徴とする移動焼入れ装置。 - 前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れることを特徴とする請求項1に記載の移動焼入れ装置。
- 前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ複数のノズルが設けられた内周面を有する冷却環と、
前記冷却環に冷却液を供給する冷却液供給装置と、
をさらに備え、
前記一軸アクチュエータは、前記軸状体が前記1次コイル及び前記冷却環の半径方向内側を通過するように且つ前記冷却環に対して前記1次コイルが前記軸線方向の一方側に配置されるように前記1次コイル及び前記冷却環を支持した状態で、前記軸線方向における前記1次コイルの位置決めを可能とするように構成されており、
前記制御装置は、前記1次コイルに前記高周波電流が供給され且つ前記冷却環に前記冷却液が供給されながら、前記1次コイル及び前記冷却環が前記軸線方向の他方側から前記一方側へ向かって移動するように、前記一軸アクチュエータ、前記電流供給装置及び前記冷却液供給装置を同期制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動焼入れ装置。 - 本体部と、前記本体部の軸線方向の中間部に設けられ前記本体部よりも外径が小さい小径部と、を有する軸状体に、移動焼入れを行うための移動焼入れ方法であって、
前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ円環形状を有する1次コイルを準備する第1工程と、
前記1次コイルに高周波電流を供給しながら、前記軸状体が前記1次コイルの半径方向内側を通過するように前記1次コイルを前記軸線方向に沿って移動させる第2工程と、
を有し、
前記1次コイルの周方向に直交する平面内において前記1次コイルの半径方向を横軸とし且つ前記半径方向に直交する方向を縦軸としたとき、前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦m個×横n個(m及びnはいずれも2以上の整数)のマトリクス状に分割された形で現れる
ことを特徴とする移動焼入れ方法。 - 前記平面に現れる前記1次コイルの断面像が、縦2個×横2個のマトリクス状に分割された形で現れることを特徴とする請求項4に記載の移動焼入れ方法。
- 前記第1工程では、前記1次コイルに加えて、前記本体部の外径よりも大きい内径を有し且つ複数のノズルが設けられた内周面を有する冷却環を準備し、
前記第2工程では、前記冷却環に対して前記1次コイルを前記軸線方向の一方側に配置した状態で、前記1次コイルに前記高周波電流を供給し且つ前記冷却環に冷却液を供給しながら、前記軸状体が前記1次コイル及び前記冷却環の半径方向内側を通過するように前記1次コイル及び前記冷却環を前記軸線方向の他方側から前記一方側に向けて移動させる
ことを特徴とする請求項4または5に記載の移動焼入れ方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019096624 | 2019-05-23 | ||
JP2019096624 | 2019-05-23 | ||
PCT/JP2020/019979 WO2020235602A1 (ja) | 2019-05-23 | 2020-05-20 | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2020235602A1 JPWO2020235602A1 (ja) | 2020-11-26 |
JP7151888B2 true JP7151888B2 (ja) | 2022-10-12 |
Family
ID=73458506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021520822A Active JP7151888B2 (ja) | 2019-05-23 | 2020-05-20 | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP3974548A4 (ja) |
JP (1) | JP7151888B2 (ja) |
CN (1) | CN113874530B (ja) |
TW (1) | TWI743797B (ja) |
WO (1) | WO2020235602A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021006062A1 (ja) * | 2019-07-09 | 2021-01-14 | 日本製鉄株式会社 | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 |
WO2024004027A1 (ja) * | 2022-06-28 | 2024-01-04 | 日本製鉄株式会社 | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 |
WO2024004142A1 (ja) * | 2022-06-30 | 2024-01-04 | 日本製鉄株式会社 | 移動焼入れ装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN202116607U (zh) | 2011-05-18 | 2012-01-18 | 柳州中驰成达机械锻造有限公司 | 阶梯轴类淬火感应圈 |
JP2015108188A (ja) | 2013-10-25 | 2015-06-11 | 高周波熱錬株式会社 | 誘導加熱装置及び方法並びに熱処理装置及び方法 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5221215B2 (ja) | 1971-09-17 | 1977-06-09 | ||
JP2000087134A (ja) * | 1998-09-08 | 2000-03-28 | High Frequency Heattreat Co Ltd | 段付き軸体の誘導加熱コイルおよび焼入装置 |
JP3300290B2 (ja) * | 1998-09-22 | 2002-07-08 | 富士電子工業株式会社 | 高周波焼入コイル体 |
CN1282753C (zh) * | 2003-09-26 | 2006-11-01 | 上海纳铁福传动轴有限公司 | 阶梯轴感应加热淬火装置及方法 |
JP4731224B2 (ja) | 2005-07-06 | 2011-07-20 | 株式会社ディスコ | ウエーハの分割装置 |
JP2007162104A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-06-28 | Denki Kogyo Co Ltd | 高周波誘導加熱コイル |
CN102181615B (zh) * | 2011-05-18 | 2013-06-12 | 柳州中驰成达机械锻造有限公司 | 汽车半轴淬火工艺方法及淬火感应圈 |
JP6101608B2 (ja) * | 2013-09-17 | 2017-03-22 | 高周波熱錬株式会社 | 誘導加熱コイル及び誘導加熱装置並びに加熱方法 |
JP6427391B2 (ja) * | 2014-11-11 | 2018-11-21 | 高周波熱錬株式会社 | 焼入れ装置及び焼入れ方法 |
CN108866279B (zh) * | 2018-08-20 | 2024-03-08 | 邢台隆科机械有限公司 | 一种高频淬火装置 |
JP2019096624A (ja) | 2019-03-08 | 2019-06-20 | 国立大学法人九州大学 | 電極材料 |
-
2020
- 2020-05-20 JP JP2021520822A patent/JP7151888B2/ja active Active
- 2020-05-20 EP EP20810744.1A patent/EP3974548A4/en active Pending
- 2020-05-20 TW TW109116754A patent/TWI743797B/zh active
- 2020-05-20 CN CN202080037355.1A patent/CN113874530B/zh active Active
- 2020-05-20 WO PCT/JP2020/019979 patent/WO2020235602A1/ja unknown
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN202116607U (zh) | 2011-05-18 | 2012-01-18 | 柳州中驰成达机械锻造有限公司 | 阶梯轴类淬火感应圈 |
JP2015108188A (ja) | 2013-10-25 | 2015-06-11 | 高周波熱錬株式会社 | 誘導加熱装置及び方法並びに熱処理装置及び方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP3974548A4 (en) | 2022-06-01 |
EP3974548A1 (en) | 2022-03-30 |
CN113874530A (zh) | 2021-12-31 |
TW202100758A (zh) | 2021-01-01 |
WO2020235602A1 (ja) | 2020-11-26 |
CN113874530B (zh) | 2023-07-04 |
JPWO2020235602A1 (ja) | 2020-11-26 |
TWI743797B (zh) | 2021-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7151888B2 (ja) | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 | |
JP6958725B2 (ja) | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 | |
JP7311811B2 (ja) | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 | |
MX2012011957A (es) | Tratamiento termico por induccion de una pieza de trabajo anular. | |
CN101919306A (zh) | 导电工件在具有通量补偿器的螺线管线圈中的受控电感应加热 | |
JP7168086B2 (ja) | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 | |
JP5477453B1 (ja) | 後熱処理装置 | |
JP5553440B2 (ja) | 熱処理方法及び熱処理装置 | |
JP6767144B2 (ja) | 熱処理装置および熱処理方法 | |
JP4559779B2 (ja) | クランクシャフトの誘導焼入方法 | |
JP7226539B2 (ja) | 2次コイルモジュール、移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 | |
WO2024004027A1 (ja) | 移動焼入れ装置及び移動焼入れ方法 | |
JP2008169431A (ja) | 鋼球の熱処理装置および鋼球の熱処理方法 | |
JP2019185882A (ja) | 誘導加熱装置および誘導加熱方法 | |
JP4963947B2 (ja) | 薄板製部材の熱処理方法および装置 | |
WO2024004142A1 (ja) | 移動焼入れ装置 | |
WO2024057405A1 (ja) | 移動焼入れ方法及び移動焼入れ装置 | |
JP5527154B2 (ja) | 軸状部材の高周波焼入装置 | |
JP2020117768A (ja) | モータコアの焼鈍装置及びモータコアの焼鈍方法 | |
JP2008150640A (ja) | 軸状部材加熱用の高周波誘導加熱コイル及びこの高周波誘導加熱コイルを用いた高周波誘導加熱装置 | |
WO2019194035A1 (ja) | 誘導加熱装置および誘導加熱方法 | |
JP4219875B2 (ja) | 誘導加熱方法 | |
JP4933482B2 (ja) | 軸状部材加熱用の高周波誘導加熱装置 | |
JP2019185881A (ja) | 誘導加熱装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220830 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220912 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7151888 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |