JP5477453B1 - 後熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レールの溶接部における残留応力を効果的に低減でき、かつ長さ方向の残留応力の増加を抑制することができる後熱処理装置を提供する。
【解決手段】溶接されたレールXの後熱処理装置10であって、レールXの溶接中心X2から長さ方向に20mm以上300mm以下離間して配置され、レールXの全周を加熱する誘導加熱コイル11a〜11dを備える。誘導加熱コイル11a〜11dの巻数が2巻以上又は溶接中心X2の一方側における誘導加熱コイル11a〜11dの配置箇所数が2箇所以上であることが好ましい。誘導加熱コイル11a〜11dがレールXの全周を覆う形状を有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接されたレールの後熱処理装置に関する。
騒音、振動等の発生の低減や、保守コストの低減などを図るため、レールの継目を溶接してロングレールにする技術が一般化している。ここで、まず、レールの各部分の名称について図4(A)及び(B)を用いて説明する。図4(A)は、溶接されたレールXの長さ方向に垂直な断面図であり、図4(B)は、その部分側面図である。レールXは、少なくとも2本の被溶接材としてのレールが端面間で溶接されたものであり、溶接部X1を有する。溶接部X1は、被溶接物である溶接前のレールの端面同士が当接した部分である溶接中心X2を含む。また、レールXは、上方に位置し、車輪との接触が生じる頭部X3、下方に位置し、枕木と接する足部X4、及び頭部X3と足部X4との間に垂直に設けられ、頭部X3と足部X4とを連結する柱部X5を備えている。なお、柱部X5の上端は、頭部X3における一対(両側)の下面の延長線の交点Aとし、柱部X5の下端は、足部X4における一対(両側)の上面の延長線の交点Bとする。
レールXの溶接部X1においては、重荷重である貨物車両を始めとした車両の繰り返しの通過等により、柱部X5中に又は柱部X5を起点として水平方向に疲労亀裂が発生する場合がある。この疲労亀裂は、溶接部X1における柱部X5に生じる鉛直方向(周方向)の強い引張残留応力が影響する。また、この引張残留応力は、溶接の際の溶接部X1とその周辺との温度勾配により生じるものである。
このような残留応力を低減し、レールの溶接部の耐久性を高める手段としては、溶接部中心から長さ方向に所定距離離れた部分をバーナーで500〜1000℃に局部加熱する方法が提案されている(特許文献1参照)。溶接部の周辺には、溶接部とは逆に圧縮残留応力が生じており、このように溶接部から所定距離離れた部分を加熱することで、偏在化していた残留応力が再分配され溶接部の引張残留応力が低減する。また、他の方法として、加熱されたレールの溶接部を高圧の気体又は含水気体によってパーライト変態が終了するまで冷却し、その後急速冷却する方法も提案されている(特許文献2参照)。この方法は、冷却過程を制御することで、残留応力を低減させるものである。
特開平08−337819号公報 特開昭59−093838号公報
これらの各方法によれば、相応の残留応力の低減が可能であるが、レールの耐久性の更なる向上のためには、残留応力をより低減させることができる手段が求められている。特に、柱部のみ等、局部的な加熱を行う場合は、溶接部における長さ方向の残留応力が生じる。長さ方向に残留応力が存在するレールは、例えば冬季に長さ方向の大きな引張応力が生じうる寒冷地で使用される場合、柱部の表面傷と長さ方向の残留応力とが相俟って、破断が生じるおそれがある。このような破断の発生を抑えるためには、溶接部の表面傷の検査等を特に十分に行う必要性があり、労務コストや機器コストの上昇に繋がる。このため、後熱処理においては、この長さ方向の残留応力の増加も最小限に抑えることが望まれている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、レールの溶接部における残留応力を効果的に低減でき、かつ長さ方向の残留応力の増加を抑制することができる後熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明者は、バーナーで加熱した場合は加熱速度が遅く、残留応力の低減には、より速い加熱速度での加熱が効果的であること、冷却制御よりも加熱制御の方が残留応力の低減には効果的であること、さらに全周加熱により長さ方向の残留応力の増加を抑制できることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、前記目的に沿う本発明に係る後熱処理装置は、溶接されたレールの後熱処理装置であって、
前記レールの溶接中心から長さ方向に20mm以上300mm以下離間して配置され、前記レールの全周を加熱する誘導加熱コイルを備える。
誘導加熱コイルは、加熱速度が速く、容易に加熱制御を行うことができる。従って、本発明に係る後熱処理装置によれば、誘導加熱コイルによりレールの溶接中心から所定距離離間した領域を速い加熱速度で加熱でき、溶接されたレールの溶接部に存在する残留応力を効果的に低減することができる。また、本発明に係る後熱処理装置によれば、誘導加熱コイルがレールの全周を加熱するため、レールの長さ方向の残留応力の増加も抑制することができる。なお、全周を加熱するとは、誘導加熱コイルが全周を完全に取り囲んでいない、つまり断続した部分があってもよく、実質的に全周を加熱できればよい。
本発明に係る後熱処理装置において、前記誘導加熱コイルの巻数が2巻以上又は前記溶接中心の一方側における前記誘導加熱コイルの配置箇所数が2箇所以上であることが好ましい。ここで、誘導加熱コイルの配置箇所数は、レールの長さ方向における配置箇所数とする。すなわち、溶接中心から同一距離に配置された複数の誘導加熱コイルは1箇所に配置されているとする。このように2巻以上の誘導加熱コイルを又は2箇所以上に誘導加熱コイルを配置することで加熱速度をより高めることができ、残留応力をより低減することができる。
本発明に係る後熱処理装置において、前記誘導加熱コイルが前記レールの全周を覆う形状を有することが好ましい。このような形状の誘導加熱コイルを用いることで、一つのコイルで全周を加熱することができ、効率的な後熱処理を行うことができる。
本発明に係る後熱処理装置において、複数の前記誘導加熱コイルを備え、該複数の誘導加熱コイルが前記溶接中心を挟んだ両側に配置されることが好ましい。このように誘導加熱コイルを溶接中心を挟んだ両側に配置することで、2つの領域を同時に加熱することができるため、残留応力をより低減することができ、かつ後熱処理時間を短縮することができる。
本発明に係る後熱処理装置において、前記両側に配置される誘導加熱コイルに流れる電流が逆向きであることが好ましい。このように逆向きに電流を流すことで、コイル間の溶接中心に生じる交番磁束の密度が低減し、この部分の温度上昇が抑えられる結果、より残留応力を低減することが可能となる。
本発明に係る後熱処理装置において、前記誘導加熱コイルに流れる電流の周波数が1kHz以上20kHz以下であることが好ましい。このように比較的低周波の交流電流を用いることで、表皮効果により比較的内部にまで直接加熱することができ、残留応力をより効果的に低減させることができる。
本発明に係る後熱処理装置によれば、レールの溶接部における残留応力を効果的に低減でき、かつ長さ方向の残留応力の増加を抑制することができる。
(A)は本発明の第1の実施の形態に係る後熱処理装置の模式的断面図であり、(B)はその模式的側面図である。 (A)、(B)は、同後熱処理装置により残留応力が低減する機構を順に示す模式図である。 (A)は本発明の第2の実施の形態に係る後熱処理装置の模式的断面図であり、(B)はその模式的側面図である。 (A)は溶接されたレールの長さ方向に垂直な断面図であり、(B)はその部分側面図である。 実施例1における各レールの残留応力の測定結果を示したグラフである。 実施例2における各レールの残留応力の測定結果を示したグラフである。 実施例3における各レールの残留応力の測定結果を示したグラフである。 図7に示すグラフ中の記号の説明図である。 実施例4における各レールの残留応力の測定結果を示したグラフである。
続いて、添付した図面を参照しながら本発明を具体化した実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1(A)、(B)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る後熱処理装置10は、溶接されたレールXの後熱処理装置であり、4つの誘導加熱コイル11a〜11d及び高周波電源(図示しない)を備える。
(レール)
ここで、まず被後熱処理物であるレールXについて説明する。レールXは、一般的な形状を有し、前述した頭部X3、足部X4及び柱部X5を備える。レールXを形成するレール鋼としては、炭素含有量が0.6〜1.0質量%程度の亜共析鋼、共析炭素鋼、過共析炭素鋼等を用いることができる。過共析炭素鋼(例えば、炭素含有量0.85〜1.0質量%)は、耐摩耗性が高いが靭性が低下し、疲労亀裂が生じやすい傾向にある。従って、後熱処理装置10は、過共析炭素鋼から形成されたレールに用いた場合、残留応力の低減機能をより効果的に発揮することができる。
レールXは、溶接前の各レールの端面同士が溶接されている。この端面同士が当接し、溶接された部分を溶接中心X2とする。この溶接方法としては特に限定されず、フラッシュバット溶接、ガス圧接、エンクローズアーク溶接、テルミット溶接等、公知の方法で行うことができる。フラッシュバット溶接は、対向して設置されたレール(被溶接材)に電極を介して電圧をかけ、端面間にアークを発生させてレールの端面を溶融させ、長さ方向にレールを加圧してレールを接合する溶接方法である。ガス圧接は、端面同士を当接させて加圧した状態で、端面近傍を側面からバーナーで加熱し、高温で圧接する方法である。エンクローズアーク溶接は、端面同士を10〜20mm程度の間隙を設けて対向配置し、この間隙を当て金で取り囲んでおき、溶接棒を用いて溶接する方法である。テルミット溶接は、端面同士を20〜30mm程度の間隙を設けて対向配置し、間隙部分を鋳型で囲み、鋳型の上部に配置したルツボ内でアルミニウムと酸化鉄との反応により溶鋼を生成し、この溶鋼を鋳型内に注入して端面を溶融させて溶接する方法である。
各溶接方法の中でも、フラッシュバット溶接は溶接部X1とその周辺部との間の温度勾配が大きくなり、その結果、レールの柱部における鉛直方向の残留応力の発生が顕著となる。そのため、後熱処理装置10は、フラッシュバット溶接により接合されたレールに用いた場合、残留応力の低減機能をより効果的に発揮することができる。
また、レールXの溶接部X1のHAZ(熱影響部)幅としては、特に限定されないが、例えば、5mm以上150mm以下のものに後熱処理装置10を好適に適用することができる。
(誘導加熱コイル)
誘導加熱コイル11a〜11dは、レールXの所定位置の全周を加熱するものである。誘導加熱コイル11は、通常金属線又は金属パイプから形成されている。具体的には、例えば、銅製のコイルを用いることができ、銅パイプ等、パイプ状のコイルを用いることもできる。パイプ状のコイルの場合、内部に冷却水を通しながら使用することで、コイル自身又は他の部分の温度上昇を抑えることができる。
誘導加熱コイル11a〜11dは、軸方向視の形状がレールXの断面外縁の略拡大相似形である1巻の構造を有する。誘導加熱コイル11a〜11dは、このようにレールXの全周を覆う形状となっている。
誘導加熱コイル11a〜11dのサイズとしては、特に制限されないが、軸方向視の大きさとしては、レールXの断面外縁に対して、例えば1.2倍以上2倍以下とすることができる。また、誘導加熱コイル11a〜11dを形成する金属線又は金属パイプの断面形状としては、円形、楕円形、略方形等、特に限定されないが、略方形が好ましい。この誘導加熱コイル11a〜11dは、レールXを覆うように配置されるため、断面略方形の金属線又は金属パイプを用いると、誘導加熱コイル11a〜11d内面からレールX表面までの距離を均一化することができる。この場合、レールX表面の磁束密度が均一化し、加熱がより均等に行われ効果的である。この金属線又は金属パイプの外径又は長辺の長さとしては、5mm以上40mm以下程度とすることができる。
各誘導加熱コイル11a〜11dは、2つ以上に分割可能に構成されていてもよい。このように誘導加熱コイル11a〜11dが分割可能である場合、溶接されたレールXに対する誘導加熱コイル11a〜11dの所定位置への配置やその取り外し等を容易に行うことができる。
(誘導加熱コイルの配置箇所)
後熱処理装置10においては、使用の際、4つの誘導加熱コイル11a〜11dが、レールXの溶接中心X2を挟んだ両側にそれぞれ2つずつ、この溶接中心X2から長さ方向に所定距離離間して配置される。また、各誘導加熱コイル11a〜11dは、レールXの全周を覆うように配置される。溶接中心X2に近い側に配設される誘導加熱コイル11b及び11cと溶接中心X2との距離をC1、溶接中心X2に遠い側に配設される誘導加熱コイル11a及び11dと溶接中心X2との距離をC2とする。ここで、溶接中心X2と各誘導加熱コイル11a〜11dとの距離C1又はC2とは、溶接中心X2と各誘導加熱コイル11a〜11dとの最短距離をいう。また、後熱処理装置10において、溶接中心X2の一方側における誘導加熱コイル11の配置箇所数は2箇所となる(距離C1の位置と、距離C2の位置)。
この溶接中心X2と誘導加熱コイル11a〜11dとの距離C1及びC2は、20mm以上300mm以下であり、30mm以上が好ましく、50mm以上がより好ましい。後熱処理前のレールXにおいては、鉛直方向(上下方向、周方向)の残留応力として、溶接中心X2を中心とする溶接部X1に引張残留応力が、溶接部X1の周辺に圧縮残留応力が存在している。そこで、このように所定の距離C1又はC2をとって誘導加熱コイル11a〜11dを配置することで、後熱処理(加熱)の際に、溶接部X1(溶接中心X2及びその近傍)の周辺を適切に加熱することができ、偏在化していた残留応力の再分配により溶接部に存在する引張残留応力を効果的に低減させることができる。
この鉛直方向の残留応力が低減する機構を図2(A)、(B)により説明する。溶接部X1の周辺である周辺部X6を加熱することで、この周辺部X6は温度上昇により少なくとも鉛直方向に膨張歪Et1を生じる(図2(A))。この膨張歪Et1により溶接部X1には鉛直方向に引張応力Sq1が生じる。一方、周辺部X6は、温度が上昇することで降伏点が低下するため、圧縮塑性変形が生じ、引張応力Sq1は温度上昇(加熱)の途中で減少に転じる。次いで、加熱後の冷却過程において、周辺部X6の温度低下に伴って、周辺部X6には鉛直方向に収縮歪Et2が生じる(図2(B))。この収縮歪Et2により溶接部X1には圧縮応力Sq2が生じ、溶接部X1の引張残留応力が減少する。なお、後熱処理装置10によれば、特にこのように柱部X5のみではなく、全周を加熱するため、加熱後の冷却時により強い圧縮応力Sq2を溶接部X1に与えることができる。
距離C1が20mm未満の場合は、後熱処理(加熱)の際、引張残留応力が存在している溶接部X1の温度上昇が大きくなり、溶接部X1の膨張及び収縮が大きくなる。この場合、周辺部X6の収縮歪Et2により溶接部X1に与える圧縮応力Sq2が小さくなるため、引張残留応力を効果的に低減させることができない。距離C2が300mmを超える場合は、残留応力が存在する部分(溶接部X1)を大きく外れて加熱することとなり、収縮歪Et2の影響が溶接部X1に働きにくく、圧縮応力Sqが小さくなるため、溶接部X1の引張残留応力を効果的に低減させることができない。
さらに、前述したようにレールXの溶接部X1においては、局部加熱による後熱処理を行うと長さ方向の残留応力が発生するが、後熱処理装置10によれば、誘導加熱コイル11a〜11dがレールXの全周を加熱するため、この長さ方向の残留応力の増加も抑制することができる。すなわち、柱部X5のみ等の局部加熱の場合は、加熱後の冷却の際、長さ方向の収縮が他の部分(頭部X3や足部X4)に拘束されるため、この結果長さ方向の残留応力が生じる。しかし、このように全周を加熱することで、頭部X3、足部X4及び柱部X5の温度上昇が均一化し、冷却の際の長さ方向の収縮も均一化されるため、長さ方向の残留応力の増加が抑制される。
(高周波電源)
高周波電源は、各誘導加熱コイル11a〜11dと電気的に接続され、各誘導加熱コイル11a〜11dに高周波電流を流すものである。この高周波電源としては、所定の周波数の高周波電流を発生させるものであれば特に限定されず、トランジスタ式、サイリスタ式、電子管式等の公知のものを用いることができる。
各誘導加熱コイル11a〜11dと高周波電源とは、各誘導加熱コイル11a〜11dに流れる電流の周波数や向き等を個々に制御可能に並列に接続されていてもよいし、4つの誘導加熱コイル11a〜11dが直列に接続されていてもよい。なお、溶接中心X2に対して同一側にある誘導加熱コイル11a、11b(誘導加熱コイル11c、11dも同様)には、同一方向に電流が流れるように接続されることが好ましい。このようにすることで、2つの誘導加熱コイル11a、11bが一体となって交番磁束を形成し、各誘導加熱コイル11a及び11bの間の領域も効果的に加熱することができる。また、溶接中心X2に対して反対側にある誘導加熱コイル11a及び11bと誘導加熱コイル11c及び11dとには、逆方向に交流電流を流れるように接続されることが好ましい。このようにすることで、誘導加熱コイル11a及び11bと、誘導加熱コイル11c及び11dとの間で逆向きの交番磁束が形成される。この場合、これらの2組の誘導加熱コイル11b及び11c間に位置する溶接部X1に生じる交番磁束の密度が低下するため、溶接部X1の温度上昇を抑えることができる。
(他の構成)
後熱処理装置10は、さらに誘導加熱コイル11a〜11dの固定及び位置移動手段、加熱される部分の温度測定手段(例えば、熱電対や放射温度計等)などを備えることができる。
固定及び位置移動手段としては、各誘導加熱コイル11a〜11dの固定及び位置移動が可能なものであれば特に限定されない。この固定及び位置移動手段としては、各誘導加熱コイル11a〜11dをレールの長さ方向に移動可能に構成されていることが好ましい。このようにすることで、レールのサイズや溶接方法等に応じて、適切な位置の加熱を行うことができる。なお、各誘導加熱コイル11a〜11dが2つ以上に分割可能に構成されている場合、分割される各部分毎にこの固定及び位置固定手段が設けられてもよい。
(後熱処理装置10の使用方法)
次に、後熱処理装置10の使用方法について説明する。前述したように、溶接されたレールXに対して、所定位置に後熱処理装置10の誘導加熱コイル11a〜11dを配置する。なお、この配置は、固定されているレールXに対して誘導加熱コイル11a〜11dを移動させてもよいし、固定されている後熱処理装置10に対してレールXを移動させてもよい。後者の場合、例えば工場溶接において、溶接装置の下流側に後熱処理装置10を配置することで、レールXが連続的に移動して所望する位置に配置させることができる。
誘導加熱コイル11a〜11dを配置した後、この誘導加熱コイル11a〜11dに交流電流を流すことで前述のように誘導加熱により溶接中心X2から所定距離離間した全周を加熱することができる。溶接中心X2を挟んだ両側に配置される誘導加熱コイル11a及び11bと誘導加熱コイル11c及び11dとには、それぞれ逆向きに交流電流を流すことが好ましい。このようにすることで、溶接中心X2付近の交番磁束密度が低減し、溶接中心X2の温度上昇が抑制されるため、鉛直方向の残留応力をより効果的に低減することができる。
この交流電流の周波数としては特に制限されないが、例えば1kHz以上50KHz以下とすることができ、1kHz以上20kHz以下が好ましく、18kHz以下がより好ましい。このように比較的低い周波数とすることで、表皮効果によりレールXの比較的内部までも加熱することができ、より効率的に残留応力の低減を行うことができる。この周波数が1kHz未満の場合は加熱速度が低下する傾向にあり、20kHzを超えると表面のみが加熱される傾向が強まる。
誘導加熱コイル11a〜11dによる加熱速度としては、2.0℃/秒以上が好ましく、2.5℃/秒以上が好ましく、2.8℃/秒以上がさらに好ましい。このように速い加熱速度で加熱を行うことで、溶接部の温度上昇を抑え、十分に残留応力の低減を行うことができる。なお、後熱処理装置10によれば、このように誘導加熱コイル11a〜11dにより加熱することで、加熱速度を速めることができる。前記加熱速度の上限としては、誘導加熱コイル11の能力等を勘案すると、例えば5.0℃/秒程度である。
前記誘導加熱コイル11a〜11dによる加熱は、常温から例えば400℃以上750℃以下の加熱温度まで行うことができる。ここで、加熱温度は、加熱した部分における最高温度とする。加熱温度が400℃未満の場合は、残留応力の低減効果が低下するおそれがある。逆に、加熱温度が750℃を超える場合は、加熱部分が軟化するおそれがあり好ましくない。このように、常温から加熱温度まで加熱した後は、加熱を止め、自然冷却により冷却させればよい。後熱処理装置10を用いると、加熱制御のみで、特別な冷却制御を行うことなく、十分に残留応力を低減させることができる。
以上説明したように、後熱処理装置10によれば、誘導加熱コイル11a〜11dによりレールXの溶接中心X2から所定距離離間した領域を速い加熱速度で加熱でき、溶接されたレールXの溶接部X1に存在する鉛直方向の残留応力を効果的に低減することができる。なお、バーナーでの加熱は、加熱速度が遅いことに加え、所望する領域のみを加熱することが困難となる。すなわち、溶接中心X2から所定距離離間した領域を加熱した場合も、溶接中心X2にも火炎が当たることで、溶接中心X2の温度上昇も大きくなる。一方、誘導加熱コイル11a〜11dは加熱領域の制御性に優れるため、このことからも後熱処理装置10によれば、所望する領域(溶接中心X2から所定距離離間した領域)を加熱する一方、溶接中心X2の温度上昇を抑えることができ、残留応力を効果的に低減することができる。また、後熱処理装置10によれば、誘導加熱コイル11a〜11dがレールXの全周を加熱するため、鉛直方向の残留応力をより低減できることに加え、レールXの長さ方向の残留応力の増加も抑制することができる。
また、後熱処理装置10は、誘導加熱コイル11a〜11dを溶接中心X2を挟んだ両側にそれぞれ配置しているため、2つの領域を同時に加熱することができる。このため、加熱速度が速まり、また残留応力の再分配が均等に行われるため残留応力をより低減することができ、かつ後熱処理時間を短縮することができる。さらに、溶接中心X2の一方側における誘導加熱コイル11a〜11dの配置箇所数を2箇所(2箇所以上でもよい。一方側の配置箇所数の上限としては例えば5箇所。)に配置しているため、加熱速度をより高めることができ、残留応力をより効果的に低減することができる。
<第2の実施の形態>
図3(A)、(B)に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る後熱処理装置20は、溶接されたレールXの後熱処理装置であり、12個の誘導加熱コイル21a〜21f及び高周波電源(図示しない)を備える。後熱処理装置20においては、誘導加熱コイル21a〜21fの個数、形状及びその配置する箇所以外は図1の後熱処理装置10と同様である。
12個の誘導加熱コイル21a〜21fは、レールXの溶接中心X2を挟んで対称に6個ずつ配置されている。具体的には、レールXの頭部X3の上面側に誘導加熱コイル21aが配置され、頭部X3の両側面側にそれぞれ誘導加熱コイル21b及び21cが配置され、足部X4の下面側に誘導加熱コイル21dが配置され、柱部X5の両側面側にそれぞれ誘導加熱コイル21e及び21fが配置される。各誘導加熱コイル21a〜21fは、全てレールXとわずかに離間して(非接触の状態で)配置される。また、各誘導加熱コイル21a〜21fの溶接中心X2からの距離C3は、いずれも20mm以上300mm以下の範囲で配置されている。なお、後熱処理装置20において、溶接中心X2の一方側における誘導加熱コイルの配置箇所数は1箇所となる(すべて距離C3の位置)。
各誘導加熱コイル21a〜21fは、それぞれレールXの頭部X3、足部X4又は柱部X5の表面に対して、軸方向が垂直となるように配置されている。このように配置することで、各誘導加熱コイル21a〜21fに交流電流を流すと、誘導加熱コイル21aにより頭部X3を上側から、誘導加熱コイル21b及び21cにより頭部X3を両側面側から、誘導加熱コイル21dにより足部X4を下側から、誘導加熱コイル21e及び21fにより柱部X5を両側面側から加熱することができる。
後熱処理装置20によれば、このように複数の誘導加熱コイル21a〜21fの配置により全体として、レールXの全周を加熱している。なお、各誘導加熱コイル21a〜21fは、頭部X3の下側面及び足部X4の上面側を直接的には覆っていないが、この部分も実質的に加熱される。このように複数の誘導加熱コイル21a〜21fにより各部分毎を加熱することで、各部分毎の温度制御が可能となる。
<他の実施の形態>
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。例えば、誘導加熱コイルがレールXの溶接中心の一方側にのみ配置される構成であってもよい。この場合、溶接中心の一方側のみを加熱してもよいし、溶接中心の両側を順に加熱してもよい。誘導加熱コイルの数も特に限定されず、1つでも複数でもよく、複数の場合、溶接中心に対して非対称に配置されるようなものであってもよい。また、図1の後熱処理装置10のように、誘導加熱コイルがレールの全周を覆う形状である場合、その軸方向視の形状としては、レールの断面外縁の略拡大相似形状以外に、例えば楕円形、略方形等とすることができる。
また、誘導加熱コイルの巻数は、2巻以上とすることができる。2巻以上の誘導加熱コイルを用いることで、2箇所以上に誘導加熱コイルを配置することと同様に加熱速度を高めることができる。なお、この巻数の上限としては特に制限されないが、例えば5巻とすることができる。また、2巻以上のコイルの場合、その形状は渦巻状であっても螺旋状であってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、測定は以下の方法で行った。
<残留応力>
残留応力は、歪ゲージを測定位置に接着し、この部分を板厚5mm、長さ15mm、幅15mmに切り出し、歪の変化量から残留応力を算出した。
[実施例1]
レールの長さ方向に垂直な断面形状の略拡大相似形状の2巻の一つの誘導加熱コイルを高周波電源と接続させて、全周加熱を行う後熱処理装置Aとした。なお、誘導加熱コイルは、断面略矩形(20mm×10mm)の略帯状の銅製パイプから形成されたものを用いた。比較例として、短辺50mm、長辺70mmの略方形状の1巻の一対の誘導加熱コイルを高周波電源と接続させて、スポット加熱を行う後熱処理装置Bとした。これらの後熱処理装置には、誘導加熱コイルを所定位置に移動及び固定させる手段を設けた。
後熱処理装置Aを用いた全周のIH加熱(後熱)、並びに比較例として後熱処理装置Bを用いたスポットのIH加熱及びガス加熱(後熱)により、フラッシュバット溶接により溶接したロングレールに対し、以下の条件で後熱処理を行った(溶接中心から一方側のみを加熱)。なお、レールは過共析炭素鋼から形成されるレールを用いた(以下の実施例において同様)。また、加熱後は、自然冷却させた。
・溶接部のHAZ幅:15mm
・溶接のままの長さ方向残留応力:200MPa
・スポット加熱の場合のコイル配置位置:長辺(70mm)を高さ方向、短辺(50mm)を長さ方向とし、柱部の中央高さと長辺の中間位置とが一致するよう柱部を挟んで対向して配置。
・全周加熱の場合のコイル配置位置:長さ方向に幅50mmかつ全周
・溶接中心から加熱位置までの距離:10mm〜400mmの間で変化させた。
・加熱温度:常温から700℃まで加熱
・加熱速度:2.5℃/s
・コイル配置箇所数:溶接中心の一方側に1箇所
・誘導加熱装置出力(スポット加熱の場合は1対あたり、全周加熱の場合は1コイルあたり):100kW
・誘導加熱装置周波数:30kHz
・ガス加熱使用ガス:プロパン−エア混合ガス
後熱処理後の溶接部における柱部中央の長さ方向の残留応力を測定した。溶接のまま(後熱処理を行わない)の残留応力に対する後熱処理後の残留応力の比を図5に示す。図5に示されるように、誘導加熱コイルによって全周加熱した場合は、ガス加熱又は誘導加熱コイルによるスポット加熱の場合と異なり、溶接部の柱部中央における長さ方向の残留応力が低減することがわかる。
[実施例2]
後熱処理装置Aを用いたIH加熱(後熱)、並びに比較例としてガス加熱(後熱)により、フラッシュバット溶接により溶接したHAZ幅15mmのロングレールと、テルミット溶接により溶接したHAZ幅100mmのロングレールに対し、以下の条件で後熱処理を行った(溶接中心から一方側のみを加熱)。加熱速度と溶接中心から加熱位置までの距離とを変化させて後熱処理を行った。また、加熱後は、自然冷却させた。
・溶接部のHAZ幅:15mmと100mmとの2種類
・溶接のままの高さ方向残留応力:250MPa(HAZ幅100mm)、500MPA(HAZ幅15mm)
・コイル配置位置:長さ方向に幅50mmかつ全周
・溶接中心から加熱位置までの距離:10mm〜400mmの間で変化させた。
・加熱温度:常温から700℃まで加熱
・加熱速度:2.5℃/s、3.0℃/s
・コイル配置箇所数:溶接中心の一方側に1箇所
・誘導加熱装置出力(1コイルあたり):加熱速度2.5℃/sの場合100kW、加熱速度3.0℃/sの場合100kW超
・誘導加熱装置周波数:30kHz
・ガス加熱使用ガス:プロパン−エア混合ガス
後熱処理後の溶接部における柱部の高さ方向(上下方向)の残留応力を測定した。溶接のまま(後熱処理を行わない)の残留応力に対する後熱処理後の残留応力の比を図6に示す。
図6に示されるように、溶接中心から加熱位置までの距離が増加すると、溶接部の残留応力は低下する。但し、ある程度距離が離れると効果は落ちていく傾向がある。なお、ガス加熱は火炎が溶接部にもかかり、温度差がつきにくく、残留応力が下がりにくい結果となった。
また、加熱速度が遅いと加熱部分の温度が溶接部に伝わり、溶接部に加熱部分と同様に膨張及び収縮歪が生じやすくなり、冷却の際、溶接部に加わる圧縮応力が低下する。この結果、残留応力の低減効果が減じる。なお、誘導加熱装置(IH)は、出力を上げることにより加熱速度を3.0℃/s以上とすることが可能である。加熱速度を上げると、溶接部への熱伝達が下がり、加熱部と溶接部との温度差が大きくなるため、残留応力を効果的に低減することができる。一方、ガス加熱の加熱速度は、燃焼ガスとして酸素を用いた混合ガスの場合でも2.5℃/s程度が限界である。
このように、ガス後熱の場合、最も好ましい結果でも75%程度の残留応力が残るのに対し、IH後熱の場合、40%程度以下にまで残留応力を低減できることが示された。一方、特許文献2に記載の溶接部の冷却制御(溶接部を900℃に加熱後、圧縮空気で570℃まで加速冷却し、その後水冷)では、残留応力の低減は75%程度であった。
[実施例3]
後熱処理装置Aにおいて誘導加熱コイルを1つから2〜6つに換え、また、比較例として後熱処理装置Bにおいて誘導加熱コイルを一対から二〜六対に換えた各後熱処理装置を用意した。これらの各後熱処理装置を用い、フラッシュバット溶接により溶接したロングレールに対し、溶接中心に対して片方側のみの加熱、又は溶接中心に対して両側の加熱による後熱処理を行った。なお、両側の加熱の際、スポット加熱は片側ずつの場合と両側同時の場合とを行い、全周加熱は、電流を溶接中心を挟んで順方向の場合と逆方向の場合とを行った。加熱条件は、以下の通りである。また、加熱後は自然冷却させた。
・溶接部のHAZ幅:15mm
・溶接のままの残留応力:500MPA
・スポット加熱の場合のコイル配置位置:長辺(70mm)を高さ方向、短辺(50mm)を長さ方向とし、柱部の中央高さと長辺の中間位置とが一致するよう柱部を挟んで対向して配置。
・全周加熱の場合のコイル配置位置:長さ方向に幅50mmかつ全周
・溶接中心から加熱位置までの距離:50mm
・加熱温度:常温から700℃まで加熱
・加熱速度:(加熱方法により変化)
・コイル配置箇所数:溶接中心の一方側に1〜3箇所、溶接中心の両側に各1〜3箇所
・誘導加熱装置出力(スポット加熱の場合は1対あたり、全周加熱の場合は1コイルあたり):加熱速度2.5℃/sの場合100kW、加熱速度3.0℃/sの場合100kW超
・誘導加熱装置周波数:30kHz
後熱処理後の溶接部における柱部の高さ方向の残留応力を測定した。溶接のまま(後熱処理を行わない)の残留応力に対する後熱処理後の残留応力の比を図7(図7のグラフ中の記号については、図8を参照)に示す。
図7に示されるように、コイル数(コイル配置箇所数)を増やすことで残留応力が低下する傾向にある。これは、加熱速度が上昇するためである。また、溶接中心の両側を別々に順次加熱する場合も、同時に加熱する場合も、片側のみを加熱する場合と比べて高い効果を示すが、同時に加熱するほうがよりすぐれた結果となっている。これは、同時に加熱するほうが、溶接部の温度上昇が抑えられるためといえる。また、全周加熱はスポット加熱と比べて効果が高いことが示されている。さらに、全周加熱の場合、電流を逆方向に流すことで、さらに残留応力を低減できることが示されている。これは、逆方向に電流を流すことで、形成される交番磁束が逆向きになり、溶接部の磁束密度が低下する結果、溶接部の加熱が抑制されるためであるといえる。
[実施例4]
後熱処理装置Aを用い、周波数を変化させて以下の条件にて後熱処理を行った。また、加熱後は自然冷却させた。
・溶接部のHAZ幅:15mm
・溶接のままの高さ方向残留応力:500MPA
・コイル配置位置:長さ方向に幅50mmかつ全周
・溶接中心から加熱位置までの距離:50mm
・加熱温度:常温から700℃まで加熱
・加熱速度:2.5℃/s
・コイル配置箇所数:溶接中心の一方側に1箇所
・誘導加熱装置出力(1コイルあたり):100kW
・誘導加熱装置周波数:0.5〜40kHzの範囲で変化させた。
後熱処理後の溶接部における柱部の高さ方向(上下方向)の残留応力を測定した。溶接のまま(後熱処理を行わない)の残留応力に対する後熱処理後の残留応力の比を図9に示す。
図9に示されるように、周波数を増加させる(例えば20kHz超)と、レールに生じる誘導電流の表層への偏在が顕著となるため、温度が上がりにくくなり、残留応力の低減が小さいことがわかる。
10:後熱処理装置、11a〜11d:誘導加熱コイル、20:後熱処理装置、21a〜21f:誘導加熱コイル、X:レール、X1:溶接部、X2:溶接中心、X3:頭部、X4:足部、X5:柱部、X6:周辺部

Claims (6)

  1. 溶接されたレールの後熱処理装置であって、
    前記レールの溶接中心から長さ方向に20mm以上300mm以下離間して配置され、前記レールの全周を加熱する誘導加熱コイルを備えることを特徴とする後熱処理装置。
  2. 請求項1記載の後熱処理装置において、前記誘導加熱コイルの巻数が2巻以上又は前記溶接中心の一方側における前記誘導加熱コイルの配置箇所数が2箇所以上であることを特徴とする後熱処理装置。
  3. 請求項1又は2記載の後熱処理装置において、前記誘導加熱コイルが前記レールの全周を覆う形状を有することを特徴とする後熱処理装置。
  4. 請求項3記載の後熱処理装置において、複数の前記誘導加熱コイルを備え、該複数の誘導加熱コイルが前記溶接中心を挟んだ両側に配置されることを特徴とする後熱処理装置。
  5. 請求項4記載の後熱処理装置において、前記両側に配置される誘導加熱コイルに流れる電流が逆向きであることを特徴とする後熱処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の後熱処理装置において、前記誘導加熱コイルに流れる電流の周波数が1kHz以上20kHz以下であることを特徴とする後熱処理装置。


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