JP7148594B2 - 自動分析装置、自動分析方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態1に係る自動分析装置100の概略構成図である。自動分析装置100は、液体試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する装置である。以下自動分析装置100の構成について説明する。
ユーザは、電解質部23のナトリウムイオン選択電極111を用いて、ナトリウムイオン濃度と共存イオン濃度がそれぞれ既知である選択係数算出試料13のナトリウムイオン濃度を検出する。本ステップにおいては、選択係数算出試料13として、共存イオン濃度が互いに異なる2つの試料をあらかじめ準備しておき、それぞれのナトリウムイオン濃度を検出する。ここではナトリウムイオン濃度が140mM(mol/L)であり、α濃度がそれぞれ0mMと100mMであるものとする。また電解質部23によるナトリウムイオン濃度の検出結果はそれぞれ140mMと190mMであったものとする。
本ステップにおいては、ステップS405を実施する際に用いる電極とステップS406を実施する際に用いる電極それぞれについて、2種類の選択係数算出試料13を用いてナトリウムイオン濃度を検出する必要がある。すなわち原則として、4つの選択係数算出試料13が必要である。ただし本フローチャートにおいては、手順を簡易化するため、ステップS405とS406において同じ電極を用いるものとする。したがって同じナトリウムイオン選択電極111に対して2種類の選択係数算出試料13を用いて本ステップを1回実施すればよい。
濃度演算部125は、ステップS405においてナトリウムイオン濃度の検量線を校正する際に用いるナトリウムイオン選択電極111の選択係数K1を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ステップS401の結果によれば、K1=(190-140)/(100-0)=0.5となる。本ステップは、ステップS405において検量線を校正する際に、ナトリウムイオン選択電極111がどの程度の共存イオンをナトリウムイオン濃度の検出結果として取り込むのかについて、あらかじめ把握しておく意義がある。
濃度演算部125は、ステップS406において測定試料15内のナトリウムイオン濃度を検出する際に用いるナトリウムイオン選択電極111の選択係数K1’を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ここではステップS405とS406において同じ電極を用いるものとする。したがってK1=K1’である。本ステップは、ステップS406において測定試料15を測定する際に、ナトリウムイオン選択電極111がどの程度の共存イオンをナトリウムイオン濃度の検出結果として取り込むのかについて、あらかじめ把握しておく意義がある。
ユーザは、ステップS401と並行して、計測部24を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度と測定試料15に含まれる共存イオン濃度をそれぞれ測定する(S403)。濃度演算部126は、計測部24による計測結果を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度C1と測定試料15に含まれる共存イオン濃度C’1をそれぞれ算出する(S404)。濃度演算部126は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ここではC1=30mM、C’1=10mMであったとする。
ユーザは、校正液14を電解質部23に対して供給することにより、ナトリウムイオン選択電極111の検量線を校正する。一般にイオン選択電極は、経時変化などにより電極の感度が次第に変化するので、イオン濃度が既知である校正液を計測したとしても、得られる計測結果がその既知濃度とは異なる場合がある。そこでイオン選択電極の検量線を、校正液の計測結果によって補正することにより、正しい検出結果が得られるようにする。この作業を検量線の校正と呼ぶ。校正液14のイオン濃度は、校正液14の出荷元から提示される。ユーザはこの値を自動分析装置100に対して入力することにより検量線を補正する。このように試料の出荷元が提示するイオン濃度値を入力値と呼ぶ。
本ステップにおいてユーザは、校正液14のナトリウムイオン濃度の入力値を指定するが、ナトリウムイオン選択電極111が実際に出力する検出結果は、共存イオンを取り込んだものとなっている。例えば校正液14のナトリウムイオン濃度の入力値が140mMである場合、ナトリウムイオン選択電極111は、140+(K1×C1)=155mMを検出結果として出力する。本ステップにおいてはこの検出結果を入力値140mMによって補正するので、検量線はその分だけ低値側にシフトすることになる。したがってナトリウムイオン選択電極111の以後の検出結果は、実際のナトリウムイオン濃度よりも15mM少ないものとなる。
ユーザは、測定試料15を電解質部23に対して供給することにより、測定試料15に含まれるナトリウムイオン濃度を測定する。このときナトリウムイオン選択電極111は共存イオンを取り込んだ検出結果を出力する。例えば濃度演算部125がナトリウムイオン濃度を150mMとして出力した場合、測定試料15内の実際のナトリウムイオン濃度は、150-(K’1×C’1)=145mMであることになる。
ステップS405においてナトリウムイオン選択電極111の検量線を校正する際と、ステップS406においてナトリウムイオン濃度を測定する際との間において、ナトリウムイオン選択電極111を交換してもよいし、交換せずに同一のナトリウムイオン選択電極を用いてもよい。
補正部124は、共存イオンの影響を受けて低値側に校正された検量線と、共存イオンの影響を受けてナトリウムイオン濃度を余分に検出した結果を、下記式1に適用することにより、測定試料15のナトリウムイオン濃度を補正する。
下記式1において、Ci:校正液14のi番目共存イオン濃度、Ki:校正時に用いる電極のi番目共存イオンに対する選択係数、C’i:測定試料15のi番目共存イオン濃度、K’i:測定試料15を測定するとき用いる電極のi番目共存イオンに対する選択係数、Σ:対象イオンに影響を与える共存イオンの総和、である。上記例において共存イオンαは1種類のみであるので、i=1である。複数の共存イオンの影響を考慮する場合、ステップS401~S404を各共存イオンに対して実施する。この場合は各共存イオンについて、ナトリウムイオン選択電極111の選択係数K2、K3、・・・、共存イオン濃度C2、C3、・・・をそれぞれ求めておき、式1に代入することになる。
ナトリウムイオン選択電極による測定値+
Σ[i=1→n](Ci×Ki)-
Σ[i=1→n](C’i×K’i) ・・・式1
補正後のナトリウムイオン濃度=
150+(C1×K1)-(C’1×K’1)=
150+0.5×30-0.5×10=
150+15-5=160
表示部122は、ステップS407の結果を画面表示する。表示部122に代えて、またはこれと併用して、(a)算出結果を記述したデータを出力する、(b)プリンタなどを介して印刷出力する、などの適当な出力形式を用いてもよい。以下の実施形態においても同様である。
従来の自動分析装置においては、共存イオンによる測定値の誤差は、測定誤差として扱われている。しかしこのような共存イオンによる測定値の誤差は、臨床上見過ごせない誤差を生じさせる可能性もある。これに対して本実施形態1に係る自動分析装置100は、測定試料15を計測する前にあらかじめイオン選択電極の選択係数を算出しておき、これを用いて、共存イオンによる測定値への影響を補正する。そのため、より実際の値に近い測定値を算出することができる。
試料(校正液)の出荷元が試料を出荷する際に、その試料に含まれるイオン濃度を、自動分析装置100に対して入力する値として提示する。出荷元においてこの入力値を決定する工程を値付けと呼ぶ。値付けを実施する際には、出荷元が有する自動分析装置を用いてイオン濃度を測定するので、測定値が共存イオンの影響を受ける場合がある。そこで実施形態2では、自動分析装置100を用いて、値付け時における共存イオンの影響を低減する手順を説明する。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様であるので、以下では値付け時において自動分析装置100が実施する処理手順について主に説明する。
ユーザはステップS401と同様に、ステップS505において用いるナトリウムイオン選択電極111を用いて、ナトリウムイオン濃度と共存イオン濃度がそれぞれ既知である選択係数算出試料13のナトリウムイオン濃度を検出する。ここではナトリウムイオン濃度が140mM(mol/L)であり、α濃度がそれぞれ0mMと100mMであるものとする。また電解質部23によるナトリウムイオン濃度の検出結果はそれぞれ140mMと170mMであったものとする。
校正液14の出荷元においても、出荷前の段階で本ステップと同様に校正液14を測定する。ここではナトリウムイオン濃度が140mM(mol/L)であり、α濃度がそれぞれ0mMと100mMであるものとする。またナトリウムイオン濃度の検出結果はそれぞれ140mMと160mMであったものとする。ユーザが使用する電極の選択係数K’1と、出荷元の値付け時における選択係数K1とがそれぞれ以後のステップを実施する時点で分かっていればよいので、ユーザが使用する電極と出荷元が使用する電極は同じでなくてよい。ユーザと出荷元との間における各選択係数の情報共有については後述する。
濃度演算部125は、ステップS505においてナトリウムイオン濃度の検量線を校正する際に用いるナトリウムイオン選択電極111の選択係数K’1を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ステップS501:その1の結果によれば、K’1=(170-140)/(100-0)=0.3となる。
濃度演算部125は、出荷元において値付けのため校正液14を測定したときにおける選択係数K1を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ステップS501:その2の結果によれば、K1=(160-140)/(100-0)=0.2となる。ステップS501:その2の結果は、例えば出荷元が校正液14を出荷する際に仕様書などと併せて書類に記載しておき、ユーザがこれを自動分析装置100に対して入力してもよいし、K1そのものを出荷元が指定しておきその値を自動分析装置100に対して入力してもよい。
ユーザは、ステップS501と並行して、計測部24を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度を測定する(S503)。濃度演算部126は、計測部24による計測結果を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度C’1を算出する(S504)。濃度演算部126は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ここではC’1=30mMであったとする。
校正液14の出荷元においても、出荷前の段階でS503と同様に校正液14を測定する。濃度演算部126は、その計測結果を受け取り、出荷元における共存イオン濃度C1を算出する。出荷元における計測結果は、S502と同様に出荷元とユーザとの間で共有し、ユーザがこれを自動分析装置100に対して入力すればよい。ここではC1=30mMであったとする。
ユーザはステップS405と同様に、校正液14を電解質部23に対して供給することにより、ナトリウムイオン選択電極111の検量線を校正する。例えば校正液14のナトリウムイオン濃度の入力値が100mMである場合、出荷元において値付けする際には、(K1×C1)=0.2×30=6mMを余分に取り込んだ計測結果を、入力値100mMとして提示したことになる。したがって校正液14に実際に含まれているナトリウムイオン濃度は、100-6=94mMであることになる。
本ステップにおいて、ナトリウムイオン選択電極111は、(K’1×C’1)=0.3×30=9mMを余分に取り込んで計測することになる。したがって、94mMのナトリウムイオン濃度を103mMとして計測する。
以上によれば、本ステップにおいては、103mMとして計測されたナトリウムイオン濃度を入力値100mMによって補正するので、検量線はその分だけ低値側にシフトすることになる。したがってナトリウムイオン選択電極111の以後の検出結果は、実際のナトリウムイオン濃度よりも3mM少ないものとなる。
ユーザは、測定試料15を電解質部23に対して供給することにより、測定試料15に含まれるナトリウムイオン濃度を測定する。ここでは濃度演算部125がナトリウムイオン濃度を122mMとして算出したものとする。
補正部124は、出荷元とステップS505それぞれにおいて共存イオンの影響を受けて低値側に校正された検量線を、下記式2にしたがって補正することにより、測定試料15の正しいナトリウムイオン濃度を算出する(S507)。式2の各係数の意味は式1と同じである。ステップS508はステップS408と同様である。
正しいナトリウムイオン濃度=
ナトリウムイオン選択電極による測定値-
Σ[i=1→n](Ci×Ki)+
Σ[i=1→n](C’i×K’i) ・・・式2
正しいナトリウムイオン濃度=
122-(C1×K1)+(C’1×K’1)=
122-0.2×30+0.3×30=
122-6+9=125
本実施形態2に係る自動分析装置100は、校正液14の出荷元における値付け時の選択係数および共存イオン濃度を取得し、これを用いて測定結果を補正する。したがって、出荷元における校正液14の選択係数および共存イオン濃度と、自動分析装置100を用いて測定試料15を測定する際における選択係数および共存イオン濃度が、互いに異なっていたとしても、これらの差異に起因する測定誤差を補正することができる。
以上の実施形態においては、選択係数算出試料13を用いて選択係数を算出し、計測部24を用いて共存イオン濃度を計測し、これらの値を用いて測定結果を補正することを説明した。これらの値を別途入手できるのであれば、計測工程を省略し、入手した値を自動分析装置100に対して入力すれば足りる。そこで実施形態3では、その場合における自動分析装置100の動作手順を説明する。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様である。
ユーザは、あらかじめ入手したK1、C1、K’1、C’1の値を、自動分析装置100に対して入力する。自動分析装置100は、これらの値を用いてステップS602以降を実施する。ユーザはこれらの値を手入力してもよいし、記憶媒体その他データ送信手段を用いて値を供給してもよい。その他適当な手法を用いてもよい。
実施形態4では、表示部122が提供するGUI(Graphical User Interface)の例について説明する。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様である。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
14:校正液
15:測定試料
23:電解質部
24:計測部
100:自動分析装置
111:ナトリウムイオン選択電極
112:カリウムイオン選択電極
113:塩素イオン選択電極
116:比較電極
122:表示部
123:入力部
124:補正部
125:濃度演算部
126:濃度演算部
Claims (15)
- 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析装置であって、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出する第1イオン選択電極、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出部、
を備え、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
前記計測部は、イオン選択電極以外の手段を用いて、前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測し、
前記算出部は、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする自動分析装置。 - 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析装置であって、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出する第1イオン選択電極、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出部、
を備え、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
前記算出部は、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
前記自動分析装置はさらに、前記計測部を備え、
前記第1イオン選択電極と前記計測部は、前記試料として、第1試料と第2試料をそれぞれ計測し、
前記算出部は、前記第1試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第1試料選択係数として算出するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第2試料選択係数として算出し、
前記計測部は、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第1試料共存イオン濃度として計測するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第2試料共存イオン濃度として計測し、
前記算出部は、前記第1試料選択係数、前記第2試料選択係数、前記第1試料共存イオン濃度、および前記第2試料共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする自動分析装置。 - 前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果と、前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度としてあらかじめ指定された値とを用いて、前記第1イオン選択電極を校正し、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を取得し、
前記算出部は、前記第1試料選択係数、前記第2試料選択係数、前記第1試料共存イオン濃度、および前記第2試料共存イオン濃度を用いて、前記校正の結果を補正することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。 - 前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を前記第1イオン選択電極が計測した結果に対して、前記第1試料選択係数と前記第1試料共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を加算し、さらに前記第2試料選択係数と前記第2試料共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を減算することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の自動分析装置。 - 前記第1イオン選択電極を前記算出部が校正するときと、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を前記算出部が取得するときとの間において、前記第1イオン選択電極は交換されており、
または、
前記第1イオン選択電極を前記算出部が校正するときと、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を前記算出部が取得するときそれぞれにおいて、同一の前記第1イオン選択電極が用いられる
ことを特徴とする請求項3記載の自動分析装置。 - 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析装置であって、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出する第1イオン選択電極、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出部、
を備え、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
前記算出部は、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
前記自動分析装置はさらに、前記計測部を備え、
前記算出部は、第1試料が出荷される前段階の製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する第2イオン選択電極が検出した割合を、前記第2イオン選択電極の前記共存イオンに対する第1選択係数として取得し、
前記第1イオン選択電極と前記計測部は、第2試料をそれぞれ計測し、
前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する前記第1イオン選択電極が検出した割合を、第2選択係数として算出し、
前記算出部は、前記製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測した結果を、第1共存イオン濃度として取得し、
前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を前記計測部が計測した結果を、第2共存イオン濃度として取得し、
前記算出部は、前記第1選択係数、前記第2選択係数、前記第1共存イオン濃度、および前記第2共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする自動分析装置。 - 前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果と、前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度としてあらかじめ指定された値とを用いて、前記第1イオン選択電極を校正し、
前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を取得し、
前記算出部は、前記第1選択係数、前記第2選択係数、前記第1共存イオン濃度、および前記第2共存イオン濃度を用いて、前記校正の結果を補正することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする請求項6記載の自動分析装置。 - 前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を前記第1イオン選択電極が計測した結果から、前記第1選択係数と前記第1共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を減算し、さらに前記第2選択係数と前記第2共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を加算することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする請求項7記載の自動分析装置。 - 前記自動分析装置は、前記第1イオン選択電極による検出結果と前記計測部による計測結果を入力するインタフェースを備え、
前記算出部は、前記インタフェースを介して入力された前記第1イオン選択電極による検出結果と前記インタフェースを介して入力された前記計測部による計測結果を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする請求項4記載の自動分析装置。 - 前記自動分析装置は、
前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度の経時変化を記憶する記憶部、
前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度の経時変化を出力する出力部、
を備える
ことを特徴とする請求項1または6記載の自動分析装置。 - 前記自動分析装置は、
前記第1イオン選択電極の前記選択係数の経時変化を記憶する記憶部、
前記第1イオン選択電極の前記選択係数の経時変化を出力する出力部、
を備える
ことを特徴とする請求項1または6記載の自動分析装置。 - 前記自動分析装置は、
前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度、または前記第1イオン選択電極の前記選択係数が、あらかじめ設定した許容範囲を外れたとき、その旨のアラームを出力する報知部を備える
ことを特徴とする請求項1または6記載の自動分析装置。 - 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析方法であって、
第1イオン選択電極を用いて前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出するステップ、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出ステップ、
を有し、
前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
前記計測部は、イオン選択電極以外の手段を用いて、前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測し、
前記算出ステップにおいては、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする自動分析方法。 - 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析方法であって、
第1イオン選択電極を用いて前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出するステップ、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出ステップ、
を有し、
前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
前記算出ステップにおいては、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
前記第1イオン選択電極と前記計測部は、前記試料として、第1試料と第2試料をそれぞれ計測し、
前記算出ステップにおいては、前記第1試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第1試料選択係数として算出するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第2試料選択係数として算出し、
前記計測部は、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第1試料共存イオン濃度として計測するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第2試料共存イオン濃度として計測し、
前記算出ステップにおいては、前記第1試料選択係数、前記第2試料選択係数、前記第1試料共存イオン濃度、および前記第2試料共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする自動分析方法。 - 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析方法であって、
第1イオン選択電極を用いて前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出するステップ、
前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出ステップ、
を有し、
前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
前記算出ステップにおいては、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
前記算出ステップにおいては、第1試料が出荷される前段階の製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する第2イオン選択電極が検出した割合を、前記第2イオン選択電極の前記共存イオンに対する第1選択係数として取得し、
前記第1イオン選択電極と前記計測部は、第2試料をそれぞれ計測し、
前記算出ステップにおいては、前記第2試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する前記第1イオン選択電極が検出した割合を、第2選択係数として算出し、
前記算出ステップにおいては、前記製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測した結果を、第1共存イオン濃度として取得し、
前記算出ステップにおいては、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を前記計測部が計測した結果を、第2共存イオン濃度として取得し、
前記算出ステップにおいては、前記第1選択係数、前記第2選択係数、前記第1共存イオン濃度、および前記第2共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
ことを特徴とする自動分析方法。
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