JP7148594B2 - 自動分析装置、自動分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動分析装置に関する。
臨床検査においては、血清や尿などの試料中に含まれるナトリウムイオン、カリウムイオン、クロールイオンなどの対象イオン濃度を、イオン選択電極を用いて測定する。この試料中には、生体に由来する対象イオン以外の種々なイオンが混在する。また市販の校正液や精度管理試料(QC試料)は人工物であるので、実際の血清には存在しない成分を含むものや、臨床上の基準値とかけ離れた濃度組成を有するものがある。
イオン選択電極を用いて、生体試料内のイオン濃度を計測する際に、イオン選択電極は上記のような対象イオン以外のイオン(共存イオン)に対しても反応する場合がある。このときイオン選択電極は、対象イオンと共存イオンを併せた濃度を、対象イオンの検出結果として出力することになる。イオン選択電極が共存イオンに対して反応する程度は、選択係数として表される。
選択係数はイオン選択電極それぞれに個体差があり、また使用時間や使用回数によっても変化する。選択係数が異なると共存イオンに応答する程度も異なるので、測定値が変動する。これにより対象イオン濃度の測定誤差が生じる。理想的なイオン選択電極は、対象イオン以外のイオンには全く影響されない、つまり選択係数0のものである。しかし対象イオンに特異的な電極膜は見つかっておらず、理想の電極を作ることは現在の技術では困難である。ここで、イオン選択電極において、対象イオンのイオン濃度を測定する技術がある(特許文献1参照)。
特開平7-167818号公報
上記特許文献1記載の技術は、対象イオンを検出する電極と、共存イオンを検出する電極とをそれぞれ備え、各電極の検出結果を相互利用することにより、共存イオンの影響を補正することを図っている。しかし共存イオンの影響を補正するために電極を余分に設置すると、その分のスペースを余分に消費することにより、ランニングコストや装置コストが増える。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、対象イオンを検出するためのイオン選択電極以外のイオン選択電極を増設することなく、共存イオンによる影響を低減することができる、自動分析装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動分析装置は、イオン選択電極の選択係数を算出した結果と、試料の中に含まれる共存イオン濃度を計測した結果とを用いて、前記試料の中に含まれる対象イオン濃度を算出する。
本発明に係る自動分析装置によれば、対象イオン以外のためのイオン選択電極を増設することなく、共存イオンが対象イオンに対して与える影響を低減する自動分析装置を提供することができる。
実施形態1に係る自動分析装置100の概略構成図。 自動分析装置100の機能ブロック図。 補正部124の機能ブロック図。 自動分析装置100が試料内の対象イオン濃度を算出する手順を説明するフローチャート。 実施形態2において自動分析装置100が測定試料15のナトリウムイオン濃度を測定する手順を説明するフローチャート。 実施形態3に係る自動分析装置100が試料内の対象イオン濃度を算出する手順を説明するフローチャート。 電極情報一覧を示す画面例。 試料中の共存イオン濃度の経時変化を示す画面例。 電極の選択係数の経時変化を示す画面例。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る自動分析装置100の概略構成図である。自動分析装置100は、液体試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する装置である。以下自動分析装置100の構成について説明する。
試料容器101は、血液や尿などの生体サンプル(以下、試料と称する)を収容する。試料容器101に収容された試料に対して試料分注ノズル102を浸漬する。試料分注ノズル用シリンジ103の動作により、試料分注ノズル102は試料を設定量だけ吸引し、希釈槽104に対して吐出する。希釈液ボトル105には、試料の希釈に用いる希釈液が収容されている。希釈液は、希釈液用シリンジ106と希釈液用電磁弁107の動作によって希釈槽104に送られ、希釈槽104内の試料を希釈する。
希釈槽104内で希釈された試料は、シッパーシリンジ108、シッパーシリンジ用電磁弁109、およびピンチバルブ110の動作により、ナトリウムイオン選択電極111、カリウムイオン選択電極112、および塩素イオン選択電極113に吸引される。比較電極液ボトル114に収容された比較電極液は、比較電極液用電磁弁115、シッパーシリンジ108、およびシッパーシリンジ用電磁弁109の動作により、比較電極116に吸引される。比較電極116と、各イオン選択電極111,112,113との間の起電力が測定される。
試料濃度を求めるために用いられる内部標準液の測定において、内部標準液ボトル117に収容された内部標準液は、内部標準液用シリンジ118および内部標準液用電磁弁119の動作によって、試料や希釈液の排除された希釈槽104に送られる。希釈槽104内の内部標準液は、シッパーシリンジ108、シッパーシリンジ用電磁弁109、およびピンチバルブ110の動作により、ナトリウムイオン選択電極111、カリウムイオン選択電極112、および塩素イオン選択電極113に吸引され、比較電極116との間の起電力が測定される。以降において単に起電力と記載した場合は、比較電極116との間の起電力を示すものとする。
ナトリウムイオン選択電極111、カリウムイオン選択電極112、塩素イオン選択電極113、および比較電極116は、制御部120に接続されている。制御部120は、自動分析装置100の全体動作を制御するものであり、各電極間に生じる起電力を測定するほか、各シリンジ103,106,108,118や各電磁弁107,109,110,115,119等の動作を制御する。制御部120には、記憶部121、表示部122、および入力部123が接続されている。ユーザは、表示部122に表示された設定画面等に基づいて、入力部123を介して、各種パラメータや測定対象試料の情報(試料種別情報など)を入力する。記憶部121は入力された情報を記憶する。記憶部121はその他に、試料の測定に用いる各種プログラム、測定結果などを記憶する。
図2は、自動分析装置100の機能ブロック図である。自動分析装置100は、試料内のイオン濃度を検出する機能部として、電解質部23と計測部24を備える。電解質部23はイオン選択電極を用いてイオン濃度を検出し、計測部24はそれ以外の手法を用いてイオン濃度を計測する。本実施形態1において計測部24は、呈色反応を用いてイオン濃度を計測するものとする。
電解質部23は、電位検出回路231、ナトリウムイオン選択電極111、カリウムイオン選択電極112、塩素イオン選択電極113、および比較電極116によって構成されている。電解質部23は、試料を通過させて各電極に対して供給する流路を有する。電位検出回路231は、各イオン選択電極と比較電極116との間の電位差を計測することにより、各イオン選択電極が出力する電圧を、イオン濃度の検出結果として取得する。濃度演算部(算出部)125については後述する。
計測部24は、反応容器241、測光部242、試料分注機構243、試薬分注機構244を備える。試料分注機構243は試料を反応容器241に対して分注し、試薬分注機構244は試薬16を反応容器241に対して分注する。計測部24は、反応容器241内の試料に対して、呈色反応に基づく計測を実施することにより、試料内のイオン濃度を計測する。濃度演算部(算出部)126については後述する。
選択係数算出試料13、校正液(第1試料)14、測定試料(第2試料)15は、それぞれ異なる役割を有する試料である。補正部124は、これらの試料に対する計測結果を用いて、対象イオン濃度を算出する。各試料の用途および各試料を用いて対象イオン濃度を算出する手順については後述する。
図3は、補正部124の機能ブロック図である。ここでは記載の便宜上、濃度演算部125と126は補正部124とは別の機能部として記載したが、濃度演算部125と126を補正部124と一体の機能部として構成することもできる。以下では図3の構成を前提として説明する。補正部124は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置とメモリによって構成することができる。
濃度演算部125は、電解質部23が出力する電圧を用いて、試料に含まれるイオン濃度やイオン選択電極の選択係数を算出し、補正部124のメモリにその値を格納する。濃度演算部126は、計測部24が出力する計測結果を用いて、試料に含まれるイオン濃度を算出し、補正部124のメモリにその値を格納する。ユーザは入力部123を用いて、後述する対象イオン濃度の入力値などを自動分析装置100に対して入力する。表示部122は、補正部124が算出した対象イオン濃度などを画面表示する。
図4は、自動分析装置100が試料内の対象イオン濃度を算出する手順を説明するフローチャートである。ここでは校正液14を用いてナトリウムイオンの検出特性線(以下、検量線)を校正し、測定試料15内に含まれるナトリウムイオン濃度を算出する例を説明する。以下の説明において、ナトリウムイオン選択電極111がナトリウムイオンとともに検出する共存イオンをαとする。
(図4:ステップS401)
ユーザは、電解質部23のナトリウムイオン選択電極111を用いて、ナトリウムイオン濃度と共存イオン濃度がそれぞれ既知である選択係数算出試料13のナトリウムイオン濃度を検出する。本ステップにおいては、選択係数算出試料13として、共存イオン濃度が互いに異なる2つの試料をあらかじめ準備しておき、それぞれのナトリウムイオン濃度を検出する。ここではナトリウムイオン濃度が140mM(mol/L)であり、α濃度がそれぞれ0mMと100mMであるものとする。また電解質部23によるナトリウムイオン濃度の検出結果はそれぞれ140mMと190mMであったものとする。
(図4:ステップS401:補足)
本ステップにおいては、ステップS405を実施する際に用いる電極とステップS406を実施する際に用いる電極それぞれについて、2種類の選択係数算出試料13を用いてナトリウムイオン濃度を検出する必要がある。すなわち原則として、4つの選択係数算出試料13が必要である。ただし本フローチャートにおいては、手順を簡易化するため、ステップS405とS406において同じ電極を用いるものとする。したがって同じナトリウムイオン選択電極111に対して2種類の選択係数算出試料13を用いて本ステップを1回実施すればよい。
(図4:ステップS402:その1)
濃度演算部125は、ステップS405においてナトリウムイオン濃度の検量線を校正する際に用いるナトリウムイオン選択電極111の選択係数K1を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ステップS401の結果によれば、K1=(190-140)/(100-0)=0.5となる。本ステップは、ステップS405において検量線を校正する際に、ナトリウムイオン選択電極111がどの程度の共存イオンをナトリウムイオン濃度の検出結果として取り込むのかについて、あらかじめ把握しておく意義がある。
(図4:ステップS402:その2)
濃度演算部125は、ステップS406において測定試料15内のナトリウムイオン濃度を検出する際に用いるナトリウムイオン選択電極111の選択係数K1’を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ここではステップS405とS406において同じ電極を用いるものとする。したがってK1=K1’である。本ステップは、ステップS406において測定試料15を測定する際に、ナトリウムイオン選択電極111がどの程度の共存イオンをナトリウムイオン濃度の検出結果として取り込むのかについて、あらかじめ把握しておく意義がある。
(図4:ステップS403~S404)
ユーザは、ステップS401と並行して、計測部24を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度と測定試料15に含まれる共存イオン濃度をそれぞれ測定する(S403)。濃度演算部126は、計測部24による計測結果を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度C1と測定試料15に含まれる共存イオン濃度C’1をそれぞれ算出する(S404)。濃度演算部126は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ここではC1=30mM、C’1=10mMであったとする。
(図4:ステップS405)
ユーザは、校正液14を電解質部23に対して供給することにより、ナトリウムイオン選択電極111の検量線を校正する。一般にイオン選択電極は、経時変化などにより電極の感度が次第に変化するので、イオン濃度が既知である校正液を計測したとしても、得られる計測結果がその既知濃度とは異なる場合がある。そこでイオン選択電極の検量線を、校正液の計測結果によって補正することにより、正しい検出結果が得られるようにする。この作業を検量線の校正と呼ぶ。校正液14のイオン濃度は、校正液14の出荷元から提示される。ユーザはこの値を自動分析装置100に対して入力することにより検量線を補正する。このように試料の出荷元が提示するイオン濃度値を入力値と呼ぶ。
(図4:ステップS405:補足)
本ステップにおいてユーザは、校正液14のナトリウムイオン濃度の入力値を指定するが、ナトリウムイオン選択電極111が実際に出力する検出結果は、共存イオンを取り込んだものとなっている。例えば校正液14のナトリウムイオン濃度の入力値が140mMである場合、ナトリウムイオン選択電極111は、140+(K1×C1)=155mMを検出結果として出力する。本ステップにおいてはこの検出結果を入力値140mMによって補正するので、検量線はその分だけ低値側にシフトすることになる。したがってナトリウムイオン選択電極111の以後の検出結果は、実際のナトリウムイオン濃度よりも15mM少ないものとなる。
(図4:ステップS406)
ユーザは、測定試料15を電解質部23に対して供給することにより、測定試料15に含まれるナトリウムイオン濃度を測定する。このときナトリウムイオン選択電極111は共存イオンを取り込んだ検出結果を出力する。例えば濃度演算部125がナトリウムイオン濃度を150mMとして出力した場合、測定試料15内の実際のナトリウムイオン濃度は、150-(K’1×C’1)=145mMであることになる。
(図4:ステップS406:補足)
ステップS405においてナトリウムイオン選択電極111の検量線を校正する際と、ステップS406においてナトリウムイオン濃度を測定する際との間において、ナトリウムイオン選択電極111を交換してもよいし、交換せずに同一のナトリウムイオン選択電極を用いてもよい。
(図4:ステップS407)
補正部124は、共存イオンの影響を受けて低値側に校正された検量線と、共存イオンの影響を受けてナトリウムイオン濃度を余分に検出した結果を、下記式1に適用することにより、測定試料15のナトリウムイオン濃度を補正する。
(図4:ステップS407:計算式)
下記式1において、Ci:校正液14のi番目共存イオン濃度、Ki:校正時に用いる電極のi番目共存イオンに対する選択係数、C’i:測定試料15のi番目共存イオン濃度、K’i:測定試料15を測定するとき用いる電極のi番目共存イオンに対する選択係数、Σ:対象イオンに影響を与える共存イオンの総和、である。上記例において共存イオンαは1種類のみであるので、i=1である。複数の共存イオンの影響を考慮する場合、ステップS401~S404を各共存イオンに対して実施する。この場合は各共存イオンについて、ナトリウムイオン選択電極111の選択係数K2、K3、・・・、共存イオン濃度C2、C3、・・・をそれぞれ求めておき、式1に代入することになる。
補正後のナトリウムイオン濃度=
ナトリウムイオン選択電極による測定値+
Σ[i=1→n](Ci×Ki)-
Σ[i=1→n](C’i×K’i) ・・・式1
(図4:ステップS407:計算例)
補正後のナトリウムイオン濃度=
150+(C1×K1)-(C’1×K’1)=
150+0.5×30-0.5×10=
150+15-5=160
(図4:ステップS408)
表示部122は、ステップS407の結果を画面表示する。表示部122に代えて、またはこれと併用して、(a)算出結果を記述したデータを出力する、(b)プリンタなどを介して印刷出力する、などの適当な出力形式を用いてもよい。以下の実施形態においても同様である。
<実施形態1:まとめ>
従来の自動分析装置においては、共存イオンによる測定値の誤差は、測定誤差として扱われている。しかしこのような共存イオンによる測定値の誤差は、臨床上見過ごせない誤差を生じさせる可能性もある。これに対して本実施形態1に係る自動分析装置100は、測定試料15を計測する前にあらかじめイオン選択電極の選択係数を算出しておき、これを用いて、共存イオンによる測定値への影響を補正する。そのため、より実際の値に近い測定値を算出することができる。
校正液14の共存イオン濃度と測定試料15の共存イオン濃度が異なっていた場合、測定試料15の測定値がアッセイ値と乖離する。測定試料15の測定値が精度管理幅を外れるとその日の検体測定データの信頼性が得られなくなる。これに対して本実施形態1に係る自動分析装置100は、校正液14と測定試料15それぞれの共存イオンを計測部24が測定することにより、共存イオンによるアッセイ値との乖離を補正することができる。したがって検体測定データの信頼性を確保することができる。
<実施形態2>
試料(校正液)の出荷元が試料を出荷する際に、その試料に含まれるイオン濃度を、自動分析装置100に対して入力する値として提示する。出荷元においてこの入力値を決定する工程を値付けと呼ぶ。値付けを実施する際には、出荷元が有する自動分析装置を用いてイオン濃度を測定するので、測定値が共存イオンの影響を受ける場合がある。そこで実施形態2では、自動分析装置100を用いて、値付け時における共存イオンの影響を低減する手順を説明する。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様であるので、以下では値付け時において自動分析装置100が実施する処理手順について主に説明する。
図5は、本実施形態2において自動分析装置100が測定試料15のナトリウムイオン濃度を測定する手順を説明するフローチャートである。自動分析装置100は図5に示す手順により、出荷元が指定した入力値に含まれる共存イオンの影響を低減する。以下図5の各ステップについて説明する。
(図5:ステップS501:その1)
ユーザはステップS401と同様に、ステップS505において用いるナトリウムイオン選択電極111を用いて、ナトリウムイオン濃度と共存イオン濃度がそれぞれ既知である選択係数算出試料13のナトリウムイオン濃度を検出する。ここではナトリウムイオン濃度が140mM(mol/L)であり、α濃度がそれぞれ0mMと100mMであるものとする。また電解質部23によるナトリウムイオン濃度の検出結果はそれぞれ140mMと170mMであったものとする。
(図5:ステップS501:その2)
校正液14の出荷元においても、出荷前の段階で本ステップと同様に校正液14を測定する。ここではナトリウムイオン濃度が140mM(mol/L)であり、α濃度がそれぞれ0mMと100mMであるものとする。またナトリウムイオン濃度の検出結果はそれぞれ140mMと160mMであったものとする。ユーザが使用する電極の選択係数K’1と、出荷元の値付け時における選択係数K1とがそれぞれ以後のステップを実施する時点で分かっていればよいので、ユーザが使用する電極と出荷元が使用する電極は同じでなくてよい。ユーザと出荷元との間における各選択係数の情報共有については後述する。
(図5:ステップS502:その1)
濃度演算部125は、ステップS505においてナトリウムイオン濃度の検量線を校正する際に用いるナトリウムイオン選択電極111の選択係数K’1を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ステップS501:その1の結果によれば、K’1=(170-140)/(100-0)=0.3となる。
(図5:ステップS502:その2)
濃度演算部125は、出荷元において値付けのため校正液14を測定したときにおける選択係数K1を算出する。濃度演算部125は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ステップS501:その2の結果によれば、K1=(160-140)/(100-0)=0.2となる。ステップS501:その2の結果は、例えば出荷元が校正液14を出荷する際に仕様書などと併せて書類に記載しておき、ユーザがこれを自動分析装置100に対して入力してもよいし、K1そのものを出荷元が指定しておきその値を自動分析装置100に対して入力してもよい。
(図5:ステップS503~S504:その1)
ユーザは、ステップS501と並行して、計測部24を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度を測定する(S503)。濃度演算部126は、計測部24による計測結果を用いて、校正液14に含まれる共存イオン濃度C’1を算出する(S504)。濃度演算部126は、その算出結果を補正部124のメモリに格納する。ここではC’1=30mMであったとする。
(図5:ステップS503~S504:その2)
校正液14の出荷元においても、出荷前の段階でS503と同様に校正液14を測定する。濃度演算部126は、その計測結果を受け取り、出荷元における共存イオン濃度C1を算出する。出荷元における計測結果は、S502と同様に出荷元とユーザとの間で共有し、ユーザがこれを自動分析装置100に対して入力すればよい。ここではC1=30mMであったとする。
(図5:ステップS505:その1)
ユーザはステップS405と同様に、校正液14を電解質部23に対して供給することにより、ナトリウムイオン選択電極111の検量線を校正する。例えば校正液14のナトリウムイオン濃度の入力値が100mMである場合、出荷元において値付けする際には、(K1×C1)=0.2×30=6mMを余分に取り込んだ計測結果を、入力値100mMとして提示したことになる。したがって校正液14に実際に含まれているナトリウムイオン濃度は、100-6=94mMであることになる。
(図5:ステップS505:その2)
本ステップにおいて、ナトリウムイオン選択電極111は、(K’1×C’1)=0.3×30=9mMを余分に取り込んで計測することになる。したがって、94mMのナトリウムイオン濃度を103mMとして計測する。
(図5:ステップS505:その3)
以上によれば、本ステップにおいては、103mMとして計測されたナトリウムイオン濃度を入力値100mMによって補正するので、検量線はその分だけ低値側にシフトすることになる。したがってナトリウムイオン選択電極111の以後の検出結果は、実際のナトリウムイオン濃度よりも3mM少ないものとなる。
(図5:ステップS506)
ユーザは、測定試料15を電解質部23に対して供給することにより、測定試料15に含まれるナトリウムイオン濃度を測定する。ここでは濃度演算部125がナトリウムイオン濃度を122mMとして算出したものとする。
(図5:ステップS507~S508)
補正部124は、出荷元とステップS505それぞれにおいて共存イオンの影響を受けて低値側に校正された検量線を、下記式2にしたがって補正することにより、測定試料15の正しいナトリウムイオン濃度を算出する(S507)。式2の各係数の意味は式1と同じである。ステップS508はステップS408と同様である。
(図5:ステップS507:計算式)
正しいナトリウムイオン濃度=
ナトリウムイオン選択電極による測定値-
Σ[i=1→n](Ci×Ki)+
Σ[i=1→n](C’i×K’i) ・・・式2
(図5:ステップS507:計算例)
正しいナトリウムイオン濃度=
122-(C1×K1)+(C’1×K’1)=
122-0.2×30+0.3×30=
122-6+9=125
<実施形態2:まとめ>
本実施形態2に係る自動分析装置100は、校正液14の出荷元における値付け時の選択係数および共存イオン濃度を取得し、これを用いて測定結果を補正する。したがって、出荷元における校正液14の選択係数および共存イオン濃度と、自動分析装置100を用いて測定試料15を測定する際における選択係数および共存イオン濃度が、互いに異なっていたとしても、これらの差異に起因する測定誤差を補正することができる。
<実施形態3>
以上の実施形態においては、選択係数算出試料13を用いて選択係数を算出し、計測部24を用いて共存イオン濃度を計測し、これらの値を用いて測定結果を補正することを説明した。これらの値を別途入手できるのであれば、計測工程を省略し、入手した値を自動分析装置100に対して入力すれば足りる。そこで実施形態3では、その場合における自動分析装置100の動作手順を説明する。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様である。
図6は、本実施形態3に係る自動分析装置100が試料内の対象イオン濃度を算出する手順を説明するフローチャートである。ステップS602~S605はステップS405~S408と同様であるので、ステップS601について説明する。
(図6:ステップS601)
ユーザは、あらかじめ入手したK1、C1、K’1、C’1の値を、自動分析装置100に対して入力する。自動分析装置100は、これらの値を用いてステップS602以降を実施する。ユーザはこれらの値を手入力してもよいし、記憶媒体その他データ送信手段を用いて値を供給してもよい。その他適当な手法を用いてもよい。
実施形態1においては、測定試料15を測定する前に、選択係数と校正液14および測定試料15の共存イオン濃度を測定しておく必要がある。これに対して本実施形態3においては、例えば上記各値を試料の製造元から提供された場合や、選択係数と共存イオン濃度が前回測定時から変動していないと考えられる場合などにおいて、測定作業を簡略化することができる。実施形態2で説明した手順についても同様に、あらかじめ各値が分かっている場合は、ステップS501~S504を省略してステップS601により置き換えることができる。
<実施形態4>
実施形態4では、表示部122が提供するGUI(Graphical User Interface)の例について説明する。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様である。
図7は、電極情報一覧を示す画面例である。本画面は、(a)対象イオンの電極を選択するためのタブ、(b)共存イオン/ベース液/共存イオン液/選択係数などの電極情報一覧、を有する。ユーザがタブを選択することにより、対象イオンの電極が切り替わる。
共存イオン欄は、選択したタブの電極に対する共存イオンの名称を表示する。ベース液欄は、濃度演算部125が演算したベース液中の対象イオン濃度を表示する。括弧内は濃度演算部126が演算した共存イオン濃度を表示する。共存イオン液欄は、濃度演算部125が演算した共存イオン液中の対象イオン濃度を表示する。括弧内は濃度演算部126が演算した共存イオン濃度が表示される。ベース液と共存イオン液は、ステップS401における2種類の選択係数算出試料13に相当する。選択係数欄は、共存イオン欄とベース液欄の情報から算出された選択係数を表示する。この画面に表示する数値は、他の濃度測定装置が得たものや、製造元から提供されている濃度を入力部123から入力したものであってもよい。
図7の画面により、ユーザは直近に測定または入力した電極情報を一覧できる。例えば選択係数を見ると、電極の劣化状態を知ることができる。この機能により、測定値の誤差要因を早めに発見することができる。
図8は、試料中の共存イオン濃度の経時変化を示す画面例である。ユーザがタブを選択することにより試料が切り替わり、濃度演算部126が演算した各試料中の共存イオン濃度が時系列で表示される。縦軸は、濃度演算部126が演算した共存イオン濃度または入力部123から入力した値である。横軸は、日、月などの時間もしくは測定数である。あらかじめ共存イオン濃度について許容範囲を設けておき、測定値が許容範囲を外れると、CPUは試料交換すべき旨のアラームを、例えば表示部122上に表示する。その他適当な方法(例:報知音など)によってアラームを発してもよい。その他のアラームについても同様である。
図8の画面により、ユーザは試料中の共存イオン濃度の経時変化をモニタする。これにより組成が変性した試料を測定前に取り除くことができる。また測定値が許容範囲を外れたときアラームを出力することにより、その試料を取り除くようにユーザに対して促すことができる。
図9は、電極の選択係数の経時変化を示す画面例である。ユーザがタブを選択すると、濃度演算部125が演算した各電極の共存イオンに対する選択係数が時系列で表示される。縦軸は、濃度演算部125が演算した選択係数または入力部123から入力した値である。横軸は、日、月などの時間もしくは測定数である。電解質部23が測定する度にグラフが更新される。あらかじめ選択係数の閾値を設けておき、選択係数が閾値を上回ると、CPUは電極を交換すべき旨のアラームを、例えば表示部122上に表示する。
図9の画面により、ユーザは各電極の共存イオンに対する選択係数の経時変化をモニタする。これにより寿命を過ぎた電極を測定前に取り除くことができる。また測定値が許容範囲を外れたときアラームを出力することにより、その電極を取り除くようにユーザに対して促すことができる。
<本発明の変形例について>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
13:選択係数算出試料
14:校正液
15:測定試料
23:電解質部
24:計測部
100:自動分析装置
111:ナトリウムイオン選択電極
112:カリウムイオン選択電極
113:塩素イオン選択電極
116:比較電極
122:表示部
123:入力部
124:補正部
125:濃度演算部
126:濃度演算部

Claims (15)

  1. 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析装置であって、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出する第1イオン選択電極、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出部、
    を備え、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
    前記計測部は、イオン選択電極以外の手段を用いて、前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測し、
    前記算出部は、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  2. 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析装置であって、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出する第1イオン選択電極、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出部、
    を備え、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
    前記算出部は、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
    前記自動分析装置はさらに、前記計測部を備え、
    前記第1イオン選択電極と前記計測部は、前記試料として、第1試料と第2試料をそれぞれ計測し、
    前記算出部は、前記第1試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第1試料選択係数として算出するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第2試料選択係数として算出し、
    前記計測部は、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第1試料共存イオン濃度として計測するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第2試料共存イオン濃度として計測し、
    前記算出部は、前記第1試料選択係数、前記第2試料選択係数、前記第1試料共存イオン濃度、および前記第2試料共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  3. 前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果と、前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度としてあらかじめ指定された値とを用いて、前記第1イオン選択電極を校正し、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を取得し、
    前記算出部は、前記第1試料選択係数、前記第2試料選択係数、前記第1試料共存イオン濃度、および前記第2試料共存イオン濃度を用いて、前記校正の結果を補正することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
  4. 前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を前記第1イオン選択電極が計測した結果に対して、前記第1試料選択係数と前記第1試料共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を加算し、さらに前記第2試料選択係数と前記第2試料共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を減算することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項3記載の自動分析装置。
  5. 前記第1イオン選択電極を前記算出部が校正するときと、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を前記算出部が取得するときとの間において、前記第1イオン選択電極は交換されており、
    または、
    前記第1イオン選択電極を前記算出部が校正するときと、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を前記算出部が取得するときそれぞれにおいて、同一の前記第1イオン選択電極が用いられる
    ことを特徴とする請求項3記載の自動分析装置。
  6. 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析装置であって、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出する第1イオン選択電極、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出部、
    を備え、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
    前記算出部は、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
    前記自動分析装置はさらに、前記計測部を備え、
    前記算出部は、第1試料が出荷される前段階の製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する第2イオン選択電極が検出した割合を、前記第2イオン選択電極の前記共存イオンに対する第1選択係数として取得し、
    前記第1イオン選択電極と前記計測部は、第2試料をそれぞれ計測し、
    前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する前記第1イオン選択電極が検出した割合を、第2選択係数として算出し、
    前記算出部は、前記製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測した結果を、第1共存イオン濃度として取得し、
    前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を前記計測部が計測した結果を、第2共存イオン濃度として取得し、
    前記算出部は、前記第1選択係数、前記第2選択係数、前記第1共存イオン濃度、および前記第2共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  7. 前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果と、前記第1試料に含まれる前記対象イオンの濃度としてあらかじめ指定された値とを用いて、前記第1イオン選択電極を校正し、
    前記算出部は、前記第1イオン選択電極が前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出した結果を取得し、
    前記算出部は、前記第1選択係数、前記第2選択係数、前記第1共存イオン濃度、および前記第2共存イオン濃度を用いて、前記校正の結果を補正することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項6記載の自動分析装置。
  8. 前記算出部は、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を前記第1イオン選択電極が計測した結果から、前記第1選択係数と前記第1共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を減算し、さらに前記第2選択係数と前記第2共存イオン濃度を乗算することにより得られる値を加算することにより、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項7記載の自動分析装置。
  9. 前記自動分析装置は、前記第1イオン選択電極による検出結果と前記計測部による計測結果を入力するインタフェースを備え、
    前記算出部は、前記インタフェースを介して入力された前記第1イオン選択電極による検出結果と前記インタフェースを介して入力された前記計測部による計測結果を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項4記載の自動分析装置。
  10. 前記自動分析装置は、
    前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度の経時変化を記憶する記憶部、
    前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度の経時変化を出力する出力部、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1または6記載の自動分析装置。
  11. 前記自動分析装置は、
    前記第1イオン選択電極の前記選択係数の経時変化を記憶する記憶部、
    前記第1イオン選択電極の前記選択係数の経時変化を出力する出力部、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1または6記載の自動分析装置。
  12. 前記自動分析装置は、
    前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度、または前記第1イオン選択電極の前記選択係数が、あらかじめ設定した許容範囲を外れたとき、その旨のアラームを出力する報知部を備える
    ことを特徴とする請求項1または6記載の自動分析装置。
  13. 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析方法であって、
    第1イオン選択電極を用いて前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出するステップ、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出ステップ、
    を有し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
    前記計測部は、イオン選択電極以外の手段を用いて、前記試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測し、
    前記算出ステップにおいては、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする自動分析方法。
  14. 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析方法であって、
    第1イオン選択電極を用いて前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出するステップ、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出ステップ、
    を有し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
    前記算出ステップにおいては、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
    前記第1イオン選択電極と前記計測部は、前記試料として、第1試料と第2試料をそれぞれ計測し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第1試料選択係数として算出するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンに対する前記選択係数を第2試料選択係数として算出し、
    前記計測部は、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第1試料共存イオン濃度として計測するとともに、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を第2試料共存イオン濃度として計測し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1試料選択係数、前記第2試料選択係数、前記第1試料共存イオン濃度、および前記第2試料共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする自動分析方法。
  15. 試料に含まれる対象イオンの濃度を計測する自動分析方法であって、
    第1イオン選択電極を用いて前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を検出するステップ、
    前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する算出ステップ、
    を有し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果と、前記試料に含まれる共存イオンの濃度を計測する計測部による計測結果を取得し、
    前記算出ステップにおいては、前記試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記第1イオン選択電極が検出した割合を、前記第1イオン選択電極の前記共存イオンに対する選択係数として算出し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1イオン選択電極による検出結果、前記選択係数、および前記計測部が計測した前記共存イオンの濃度を用いて、前記試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出し、
    前記算出ステップにおいては、第1試料が出荷される前段階の製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する第2イオン選択電極が検出した割合を、前記第2イオン選択電極の前記共存イオンに対する第1選択係数として取得し、
    前記第1イオン選択電極と前記計測部は、第2試料をそれぞれ計測し、
    前記算出ステップにおいては、前記第2試料に含まれる前記共存イオンのうち、前記対象イオンの濃度を検出する前記第1イオン選択電極が検出した割合を、第2選択係数として算出し、
    前記算出ステップにおいては、前記製造工程において、前記第1試料に含まれる前記共存イオンの濃度を計測した結果を、第1共存イオン濃度として取得し、
    前記算出ステップにおいては、前記第2試料に含まれる前記共存イオンの濃度を前記計測部が計測した結果を、第2共存イオン濃度として取得し、
    前記算出ステップにおいては、前記第1選択係数、前記第2選択係数、前記第1共存イオン濃度、および前記第2共存イオン濃度を用いて、前記第2試料に含まれる前記対象イオンの濃度を算出する
    ことを特徴とする自動分析方法。
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