JPH07167818A - イオン濃度測定装置 - Google Patents

イオン濃度測定装置

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JPH07167818A
JPH07167818A JP5316602A JP31660293A JPH07167818A JP H07167818 A JPH07167818 A JP H07167818A JP 5316602 A JP5316602 A JP 5316602A JP 31660293 A JP31660293 A JP 31660293A JP H07167818 A JPH07167818 A JP H07167818A
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ion
ion concentration
sensor
selection coefficient
concentration
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JP5316602A
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Isao Amamiya
功 雨宮
Tomoko Sato
倫子 佐藤
Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、複雑な計算を必要とせずに妨害イ
オンによる影響を容易に除去でき、正確,かつ迅速に対
象イオンのイオン濃度を測定することにある。 【構成】 複数の電位検出型イオンセンサを用いたイオ
ン濃度測定装置において、濃度の異なる複数の校正液に
おける各既知イオン濃度を記憶する校正液イオン濃度記
憶手段(15,21 )と、各イオンセンサ8,9,10ごとに妨害
イオンの選択係数を記憶する選択係数記憶手段(15,22
)と、複数の校正液の各センサ出力電位を測定し、こ
の各出力電位と記憶手段の各既知イオン濃度および選択
係数とを所定の式に代入し、各センサの検量線式を作成
する検量線式作成手段(21,22,23)と、ここで作成され
た各センサの検量線の式と試料液における各センサの出
力電位とから当該試料液中の各イオン濃度を求めるイオ
ン濃度演算手段23とを設けたイオン濃度測定装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物の栽培溶液,血液
その他各種の溶液のイオン濃度を測定するイオン濃度測
定装置に係わり、特に複数のイオンセンサを用いたとき
の対象イオン以外のイオン濃度からの影響を除去するイ
オンセンサ測定装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】通常,試料液の対象イオン濃度を測定す
る場合、イオン選択性電極やイオン感応性電界効果型ト
ランジスタなどの電位検出型イオンセンサが用いられ、
下記するネルンストの式に基づいて試料液の対象イオン
濃度を測定することが行われている。
【0003】 E=E0 +αlog (C) ……(2) ここで、Eは試料液のイオンセンサ出力電位、Cは試料
液の対象イオン濃度、αはイオンセンサの感度定数、E
0 は定数である。そのうち、α,E0 は異なる既知イオ
ン濃度を有する2種類の校正液を用いて予め計算してお
く。そして、試料液から検出されるイオンセンサの出力
電位Eから対象イオン濃度Cを求めている。
【0004】しかし、実際のイオンセンサは対象イオン
以外のイオン(妨害イオン)から少なからず妨害を受け
ることが多い。これは、イオンセンサが対象イオンのみ
に感度を有するのではなく、妨害イオンにも僅かではあ
るが感度を有するためである。このため、イオンセンサ
の出力は、対象イオンと妨害イオンとの両方によるもの
を合わせたものとなるので、仮に試料液の対象イオン濃
度が一定の場合でも、他の妨害イオンの濃度が変化すれ
ば、イオンセンサの出力電位が変化する。
【0005】従って、ネルンストの(2)式を用いて対
象イオン濃度を算出する場合、対象イオンの真の濃度は
一定であるにも拘らず、計算されたイオン濃度は妨害イ
オンの影響を受けて変化し、結果として誤差が生じてし
まう問題がある。例えばマグネシウムイオンセンサはカ
ルシウムイオンなどの妨害を受け、逆にカルシウムイオ
ンはマグネシウムイオンの妨害を受ける。
【0006】因みに、カルシウムイオン濃度を一定と
し、マグネシウムイオン濃度を徐々に増加させたときの
マグネシウムイオン濃度によるセンサ出力電位を測定し
たとき、殆んどカルシウムイオン濃度に依存する出力電
位が現れ、マグネシウムイオン濃度がある値以上になっ
たとき初めてマグネシウムイオン濃度の増加に対応して
出力電位が増加する傾向を示す。従って、試料液に共存
可能な妨害イオン濃度の上限を制限し、限定された条件
の下でしか正確にイオン濃度を測定することができな
い。
【0007】そこで、かかる問題を解決するために、ネ
ルンストの(2)式を改良したニコルスキー・アイゼン
マンの(3)式が考え出されている。 E=E0 +αlog [Ci+ΣKij(Cj )zi/zj ] ……(3) ただし、Ciは対象イオンiの濃度、Kijは妨害イオン
jに対する対象イオンiの選択係数、Cj は妨害イオン
jの濃度、Zi,Zjはそれぞれ対象イオン,妨害イオ
ンのイオン価数であり、Σは対象イオンiに対して妨害
を与えるイオンの総和を意味する。
【0008】そして、このニコルスキー・アイゼンマン
の(3)式を用いたイオン濃度測定方法は既に公知のも
のとなっている(特願平1−244356号)。この公
報の測定方法は、同一価数の3つのイオンを測定するイ
オンセンサが用いられ、それらの対象イオンが相互に妨
害イオンとなる場合には、(4)式〜(6)式からなる
各イオンセンサの検量線式(補正式)が用いられてい
る。
【0009】 E1 =E0 1 +α1 log [C1 +K12C2 +K13C3 ] ……(4) E2 =E0 2 +α2 log [C2 +K21C1 +K23C3 ] ……(5) E3 =E0 3 +α3 log [C3 +K31C1 +K32C2 ] ……(6) すなわち、この測定方法は、各標準液における各センサ
と比較センサとの出力電位差と、試料液における各セン
サと比較センサとの出力電位差とを前記各式に代入し、
未知の定数E0 1 ,E0 2 ,E0 3 ,α1 ,α2 ,α3
,K12,K13,K21,K23,K31,K32を演算し、こ
れらの得られた定数を用い、かつ、試料液における各セ
ンサと比較センサとの電位差を上記(4)式〜(6)式
に代入し、対象イオン濃度C1,C2,C3 を求めている。
【0010】このとき、前記3つの式に含まれる合計1
2個の定数(E0 i ,αi ,Kij、ただし,i,j=1
〜3の整数でi≠j)を求めるためには、各イオンを含
み、かつ、既知濃度イオンの校正液を少くとも4種類用
意する必要がある。これら、4種類の校正液で3種類の
イオンセンサの電位をそれぞれ測定し、(4)式〜
(6)式に代入し、連立方程式を解かなければならな
い。従って、(4)式〜(6)式に基づいて合計12個
の関係式が得なければならない。しかし、これらの関係
式は対数項を含む12元連立方程式となるので、解を求
めるのが非常に困難である。ゆえに、このニコルスキー
・アイゼンマンの(3)式を用いて検量線式を作成する
方法は実際には使用されておらず、専ら単純なネルンス
トの(2)式を用い、限られた条件の下にイオンセンサ
を使用するのが一般的である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のような
ネルンストの(2)式を用いた電位検出型イオンセンサ
のものは、試料液中の妨害イオンの濃度変化によって対
象イオンの濃度を正確に測定できないという問題があ
り、またイオンセンサの使用条件が限定されるといった
問題がある。
【0012】さらに、ニコルスキー・アイゼンマンの
(3)式を用いたものは、妨害イオンに対する選択係数
その他の定数を求め、それら定数、試料液の電位差等か
ら対象イオン濃度を測定するものであるが、前述したよ
うに非常に複雑な計算過程をとらざるを得ず、容易にイ
オン濃度を算出できない問題がある。しかも、この測定
方法によって取り扱われている対象イオンは、ナトリウ
ムイオン,カリウムイオンおよび水素イオンであるが、
マグネシウムイオンの関係について記載されていない。
これらナトリウムイオン,カリウムイオンおよび水素イ
オン相互の間では妨害イオンの影響が少なく、それに対
して前述したようにマグネシウムイオンとカルシウムイ
オン相互の間では妨害イオンとしての影響が非常に大き
い。このことは、妨害イオンに対する選択係数その他の
定数を1回の演算処理だけで求めた程度ではマグネシウ
ムイオン濃度やカルシウムイオン濃度を高精度に測定で
きない問題がある。
【0013】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、比較的簡単な演算を行って妨害イオンによる影響を
除去し、正確、かつ、迅速に対象イオン濃度を測定する
イオン濃度測定装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項に対応する発明は、n個(n≧2)の電位検
出型イオンセンサを用いたイオン濃度測定装置におい
て、濃度の異なる複数の校正液の各既知イオン濃度を記
憶する校正液イオン濃度記憶手段と、予め各イオンセン
サごとに最大(n−1)の妨害イオンの選択係数を記憶
する選択係数記憶手段と、前記複数の校正液における各
センサの出力電位を測定し、この測定された出力電位と
前記記憶手段に記憶されている各既知イオン濃度および
選択係数とを下記する(1)式に代入し、各センサの検
量線の式を作成する検量線式作成手段と、この検量線式
作成手段で作成される各センサの検量線式と試料液の各
センサ出力電位とから当該試料液中の各イオン濃度を求
めるイオン濃度演算手段とを設けたイオン濃度測定装置
である。
【0015】 Ei =E0 i +αi log [Ci +ΣKij(CjZi/Zj ] ……(7) ただし、Ei :対象イオンをiとするイオンセンサの出
力電位、Ci :対象イオンiのイオン濃度、Cj :妨害
イオンjのイオン濃度、E0 i ,αi :定数、Kij:妨
害イオンjに対する対象イオンiの選択係数、Zi,Z
j:それぞれ対象イオン,妨害イオンのイオン価数、
Σ:対象イオンiに対して妨害を与えるイオンの総和を
意味する。
【0016】なお、前記選択係数記憶手段としては、予
めセンサの溶液浸漬経過期間に対して変化する選択係数
を記憶し、前記検量線式作成手段で検量線式を作成する
ときにセンサの溶液浸漬経過期間に対応する選択係数か
センサによる測定回数に対応する選択係数を用いるよう
にする。
【0017】また、イオン濃度演算手段としては、演算
によって求められるイオン濃度を記憶するイオン濃度記
憶手段と、各センサによるイオン濃度を、前記イオン濃
度記憶手段から他の妨害イオンとなるイオン濃度を取り
出して所定の順序で演算し、得られた最新のイオン濃度
を前記イオン濃度記憶手段に記憶するとともに、前記各
センサによるイオン濃度を少くとも2回以上繰り返し行
って最新のイオン濃度に更新するイオン濃度演算更新手
段とをもつイオン濃度測定装置である。
【0018】
【作用】従って、請求項に対応する発明は、以上のよう
な手段を講じたことにより、校正液イオン濃度記憶手段
および選択係数記憶手段にて濃度の異なる複数の校正液
の各既知イオン濃度および妨害イオンの選択係数を記憶
する。
【0019】この状態において検量線式作成手段では、
前記複数の校正液における各センサの出力電位を測定し
た後、これら各センサ出力電位と前記記憶手段に記憶さ
れている各既知イオン濃度,選択係数とを前記(7)式
に代入し、各センサの検量線式を作成する。
【0020】このとき、選択係数記憶手段から選択係数
を読み出して前記(7)式に代入することになるが、こ
の選択係数はセンサの材質その他の要因によって溶液浸
漬期間に応じて劣化し、選択係数が大きくなる。そこ
で、センサの溶液浸漬経過期間に対応する選択係数を用
いて検量線式を作成する。
【0021】以上のようにして各センサの検量線式を作
成したならば、イオン濃度演算手段では、作成された検
量線式と試料液の各センサ出力電位とから当該試料液中
の各イオン濃度を求める。
【0022】しかし、イオン濃度演算手段による1回の
演算処理によって得られる各イオン濃度には未だ妨害イ
オンの影響を大きく受けているので、前回得られた各イ
オン濃度をイオン濃度記憶手段から読み出して再度演算
を繰り返せば、試料液における真の各イオン濃度を測定
することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1はイオン濃度測定装置の一実施例を示
すブロック図である。この測定装置は、所望とする溶液
を流通する溶液流路1が設けられ、この溶液流路1の一
端部側が例えば3つに分岐され、その1つの分岐流路に
は弁体2を介して第1の校正液を有する第1の校正液部
3が接続され、他のもう1つの分岐流路には弁体4を介
して第1の校正液の濃度とは異なる濃度をもつ第2の校
正液を有する第2の校正液部5が接続され、さらに他の
もう1つの分岐流路には弁体6を介して試料液を有する
試料液部7が接続されている。
【0024】前記溶液流路1の他端部側には3つのイオ
ン選択性電極であるカリウムセンサ8、カルシウムセン
サ9、マグネシウムセンサ10が順次配置され、さらに
比較電極11および溶液の交換を行うためのポンプ12
が配置され、そのうちセンサ8〜10および比較電極1
1の感応部は溶液流路1内に設定されている。各センサ
等8〜11の配置順序は特に問わないものとする。
【0025】各センサ8〜10および比較電極11の出
力端には電位検出回路13が接続され、各センサ8,
9,10と比較電極11との間に発生する電位を測定す
る。14は検量線の式および対象イオン濃度を求める演
算処理装置であって、これには入力装置15および出力
装置16が接続されている。入力装置15は校正液の既
知なイオン濃度やイオンセンサの選択係数その他演算上
必要なデータを入力し、また出力装置16は測定された
各イオン濃度その他必要なデータを表示したり、プリン
トアウトする機能をもっている。
【0026】図2は演算処理装置14の具体的な構成例
を示す図である。すなわち、この演算処理装置14は、
入力装置15から入力される校正液の既知イオン濃度を
記憶する校正液濃度メモリ部21と、同じく入力装置1
5から入力される各イオンセンサの妨害イオンに対する
選択係数を記憶する選択係数メモリ部22と、電位検出
回路13の検出電位および各メモリ部21,22の既知
イオン濃度,選択係数を用いて検量線の式および対象イ
オン濃度を演算する中央演算回路23と、この中央演算
回路23によって得られるイオン濃度を一時的に保存す
るイオン濃度メモリ部24とによって構成されている。
【0027】次に、以上のように構成されたイオン濃度
測定装置の動作について説明する。先ず、最初にユーザ
が入力装置15から第1および第2の校正液の既知イオ
ン濃度CK(L),CCa(L) ,CMg(L) ,CK(H),C
Ca(H) ,CMg(H) の他、各イオンセンサの妨害イオンに
対する選択係数Kk,Ca,KK,Mg,KCa,K,KCa,Mg ,K
Mg,K,KMg,Ca を入力し、それぞれ対応する校正液濃度
メモリ部21および選択係数メモリ部22に記憶する。
校正液のイオン濃度は周知のごとく容易に測定可能であ
る。また、各イオンセンサにおける妨害イオンに対する
選択係数Kk,Ca,KK,Mg,KCa,K,KCa,Mg ,KMg,K
Mg,Ca は、測定開始前に混合溶液法或いは単独溶液法
を用いてそれぞれ求めた値である。なお、(L)は第1
の校正液に属し、(H)は第2の校正液に属することを
意味する。
【0028】しかる後、弁体2を開けてポンプ12を作
動させることにより第1の校正液を溶液流路1に取り込
み、各センサ8〜10の出力と比較電極11の出力とか
ら各イオン濃度に対する出力電位EK(L),ECa(L) ,E
Mg(L) を測定する。この出力電位を測定した後、弁体2
を閉じ、その代わりに弁体4を開けて同様にポンプ12
にを作動させることにより第2の校正液を溶液流路1に
取り込み、各センサ8〜10の出力と比較電極11の出
力とから各イオン濃度に対する出力電位EK(H),E
Ca(H) ) ,EMg(H) を測定する。
【0029】以上のようにして第1,第2の校正液から
測定された6つの電位K(L),ECa(L) ,EMg(L) ,E
K(H),ECa(H) ) ,EMg(H) と既にメモリ部21,22
に記憶されている各既知イオン濃度CK(L),CCa(L)
Mg(L) ,CK(H),CCa(H) ,CMg(H) および各既知選
択係数Kk,Ca,KK,Mg,KCa,K,KCa,Mg ,KMg,K,K
Mg,Ca とを下記する(8)式〜(10)式に代入し、 EK =E0 K +αK log [CK +KK,Ca (CCa1/2 +KK,Mg(CMg1/2 ] ……(8) ECa=E0 Ca+αCalog [CCa+KCaK (CK2 +KCa,MgMg] ……(9) EMg=E0 Mg+αMglog [CMg+KMg,K (CK2 +KMg ,CaCa] ……(10) E0 K ,αK ,E0 Ca,αCa,E0 Mg,αMgを求めるこ
とにより、各イオンセンサの検量線の式を作成する。図
3は例えばマグネシウムに関する検量線の式の一例を示
している。
【0030】ところで、3個のマグネシウムセンサ10
に関し、これらマグネシウムセンサ10の感度に対する
カルシウム選択係数の経時変化を調べたところ、図4に
示すような結果が得られた。これはセンサ10の材質そ
の他の要因によって劣化し、センサ10の溶液への浸漬
日数に対してカルシウム選択係数が徐々に増加すること
が分かる。この図から明らかなように、浸漬日数が20
前後の場合にはマグネシウムセンサ10の出力電位に1
5%〜18%程度の影響を与えているが、例えば120
日経過したときには20%以上の影響を与えていること
が分かる。
【0031】そこで、選択係数メモリ部22への既知選
択係数の保存に関しては、予め浸漬日数に応じた各イオ
ンセンサにおける妨害イオンに対する選択係数を記憶す
るとともに、経過日数を計時する計時手段を設け、中央
演算回路23が前記計時手段の計時による経過日数に応
じた既知選択係数を用いて各イオンセンサの検量線の式
を作成する。
【0032】また、センサ8〜10は劣化の要因として
測定回数がある。測定回数による劣化は電極構造,材
質,作成方法,校正液等により異なるので、データは示
さないが上記の項目がそろえば大体予測できる。よっ
て、経過日数に応じた既知選択係数を用いたと同様に測
定回数に応じた既知選択係数を用いて各イオンセンサの
検量線の式を作成することができる。場合によっては、
センサの経過日数と測定回数に応じた既知選択係数を演
算することができる。
【0033】以上のようにして検量線の式を作成した
後、弁体6を開き、ポンプ12を作動させることによ
り、試料液部7の試料液を溶液流路1に取り込み、各イ
オンセンサ8〜9の出力電位EK ,ECa,EMgを測定す
る。
【0034】次に、これら出力電位EK ,ECa,EMg
用いて各対象イオンの濃度を求める例について説明す
る。先ず、カリウムイオン8と比較電極11との出力電
位EK を測定すると、出力電位EK を前記検量線の
(8)式に代入すれば、カリウムイオン濃度CK を求め
ることができる。このとき、イオン濃度メモリ部24に
はカルシウムイオン濃度CCaおよびマグルシウムイオン
濃度CMgが記憶されていないので、これらの初期値
Ca,CMgはゼロとして計算する。ここで、算出された
カリウムイオン濃度CK はイオン濃度メモリ部24に記
憶される。
【0035】次に、カルシウムイオンセンサ9と比較電
極11との出力電位ECaを測定すると、出力電位ECa
前記検量線の(9)式に代入すれば、カルシウムイオン
濃度CCaを求めることができる。このとき、イオン濃度
メモリ部24にはカリウムイオン濃度CK が記憶されて
いるが、マグネシウムイオン濃度CMgが記憶されていな
いので、カリウムイオン濃度CK は記憶された値を使
い、マグネシウムイオン濃度CMgは初期値であるゼロを
用いて計算する。そして、得られたカルシウムイオン濃
度CCaはイオン濃度メモリ部24に記憶される。
【0036】同様に、マグネシウムイオンセンサ10と
比較電極11との出力電位ECaを用いてマグネシウムイ
オン濃度CMgを計算し、イオン濃度メモリ部24に記憶
する。
【0037】しかし、この1回の演算だけの場合には例
えばマグネシウムイオン濃度CMgの中には妨害イオンで
ある例えばカルシウムイオンによる影響割合が多く入っ
ている。同様に、カルシウムイオン濃度Caの場合にもマ
グネシウムイオンの影響割合が多く入っている。
【0038】そこで、以上のようにして各イオンセンサ
8,9,10に関するイオン濃度を求めたならば、引き
続き、常に直前のイオン濃度をイオン濃度メモリ部24
から読み出して順番に演算を繰り返し実行し、得られた
イオン濃度を再度イオン濃度メモリ部24に記憶してい
く。これは妨害イオンによる影響度を少しずつ除去し、
真値に近いイオン濃度を得るためである。このとき、前
回記憶されたイオン濃度と今回新たに求めたイオン濃度
とを比較し、その差が前回求めたイオン濃度の例えば5
%以下になったとき、演算を終了し、最終的にイオン濃
度としてイオン濃度メモリ部24に記憶する一方、出力
装置16から出力する。
【0039】図5は本装置を用いて測定したマグネシウ
ムイオン濃度の結果例を示す図である。この結果例は、
全ての試料液には、10-3mol/lのカリウムイオン
およびカルシウムイオンが共存されていた。また、各選
択係数は別の実験で混合溶液法より求めた数値であるK
k,Ca=0,KK,Mg=0,KCa,K=0.0003,K
Ca,Mg =0.0001,KMg,K=0.0013,K
Mg,Ca =0.1を代入し、演算を行った。このとき、選
択係数が0.0001未満の場合にはそれを0とみなし
て代入することにした。
【0040】その結果、図5の結果から分かるように、
本発明装置で得られたマグネシウムイオン濃度は妨害イ
オンの補正を行わずにネルンストの式を用いて求めた場
合に比べて非常に誤差が小さく、しかも従来のように選
択係数を校正時毎に求めるために複雑な計算を必要とせ
ずに迅速,正確にイオン濃度を求めることができる。そ
の他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
雑な計算を必要とせずに妨害イオンによる影響を容易に
除去でき、正確,かつ迅速に対象イオンのイオン濃度を
測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるイオン濃度測定装置の一実施例
を示すブロック図。
【図2】図1に示す演算処理装置の一具体例を示すブロ
ック図。
【図3】検量線の式を求めるための説明図。
【図4】センサの感度と妨害イオンの選択係数との経時
変化の様子を表す図。
【図5】妨害イオンによる影響の補正の有無によるマグ
ネシウムイオン濃度の結果例を示す図。
【符号の説明】
3…第1の校正液部、5…第2の校正液部、7…試料液
部、8…カリウムイオンセンサ、9…カルシウムイオン
センサ、10…マグネシウムイオンセンサ、11…比較
電極、13…電位検出回路、14…演算処理装置、15
…入力装置、21…校正液濃度メモリ部、22…選択係
数メモリ部、23…中央演算回路、24…イオン濃度メ
モリ部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n個(n≧2)の電位検出型イオンセン
    サを用いたイオン濃度測定装置において、 濃度の異なる複数の校正液の各既知イオン濃度を記憶す
    る校正液イオン濃度記憶手段と、 予め各イオンセンサごとに最大(n−1)の妨害イオン
    の選択係数を記憶する選択係数記憶手段と、 前記複数の校正液における各センサの出力電位を測定
    し、この測定された出力電位と前記記憶手段に記憶され
    ている各既知イオン濃度および選択係数とを下記する
    (1)式に代入し、各センサの検量線の式を作成する検
    量線式作成手段と、 この検量線式作成手段で作成される各センサの検量線式
    と試料液の各センサ出力電位とから当該試料液中の各イ
    オン濃度を求めるイオン濃度演算手段と、 を備えたことを特徴とするイオン濃度測定装置。 Ei =E0 i +αi log [Ci +ΣKij(CjZi/Zj ] ……(1) ただし、Ei :対象イオンをiとするイオンセンサの出
    力電位、Ci :対象イオンiのイオン濃度、Cj :妨害
    イオンjのイオン濃度、E0 i ,αi :定数、Kij:妨
    害イオンjに対する対象イオンiの選択係数、Zi,Z
    j:それぞれ対象イオン,妨害イオンのイオン価数、
    Σ:対象イオンiに対して妨害を与えるイオンの総和を
    意味する。
  2. 【請求項2】 選択係数記憶手段は、予めセンサの溶液
    浸漬経過期間に対して変化する選択係数を記憶し、前記
    検量線式作成手段で検量線式を作成するときにセンサの
    溶液浸漬経過期間に対応する選択係数を用いることを特
    徴とする請求項1記載のイオン濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 選択係数記憶手段は、予めセンサを使用
    して測定した回数に対して変化する選択係数を記憶し、
    前記検量線作成手段によって検量線式を作成するときに
    センサによる測定回数に対応する選択係数を用いること
    を特徴とする請求項1記載のイオン濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 イオン濃度演算手段は、演算によって求
    められるイオン濃度を記憶するイオン濃度記憶手段と、
    各センサによるイオン濃度を、前記イオン濃度記憶手段
    から他の妨害イオンとなるイオン濃度を取り出して所定
    の順序で演算し、得られた最新のイオン濃度を前記イオ
    ン濃度記憶手段に記憶するとともに、前記各センサによ
    るイオン濃度を少くとも2回以上繰り返し行って最新の
    イオン濃度に更新するイオン濃度演算更新手段とを有す
    る請求項1記載のイオン濃度測定装置。
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