JP7146179B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
並列に配置される一対の巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側及び外側に配置される磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとの相互の位置を規定する保持部材と、
前記コイル、前記磁性コア、及び前記保持部材を含む組合体を収納するケースと、
前記ケース内に充填される封止樹脂部とを備え、
前記ケースは、
前記組合体が載置される底板部と、
前記組合体の周囲を囲む角筒状の側壁部と、
前記底板部と対向する開口部とを備え、
前記側壁部は、一対の対向する長辺部と、一対の対向する短辺部とを備え、
前記組合体は、前記巻回部の各々の軸方向が前記ケースの深さ方向に沿うように前記ケースに収納され、
前記磁性コアは、前記巻回部の外側であって前記開口部側に配置される外側コア部を備え、
前記保持部材は、
前記外側コア部の外周面の少なくとも一部を覆う外壁部と、
前記外壁部から一方の前記短辺部に向かって突出する張出し部とを備え、
前記ケースを平面視したとき、少なくとも一方の前記長辺部と前記張出し部との間に隙間を備える。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
並列に配置される一対の巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側及び外側に配置される磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとの相互の位置を規定する保持部材と、
前記コイル、前記磁性コア、及び前記保持部材を含む組合体を収納するケースと、
前記ケース内に充填される封止樹脂部とを備え、
前記ケースは、
前記組合体が載置される底板部と、
前記組合体の周囲を囲む角筒状の側壁部と、
前記底板部と対向する開口部とを備え、
前記側壁部は、一対の対向する長辺部と、一対の対向する短辺部とを備え、
前記組合体は、前記巻回部の各々の軸方向が前記ケースの深さ方向に沿うように前記ケースに収納され、
前記磁性コアは、前記巻回部の外側であって前記開口部側に配置される外側コア部を備え、
前記保持部材は、
前記外側コア部の外周面の少なくとも一部を覆う外壁部と、
前記外壁部から一方の前記短辺部に向かって突出する張出し部とを備え、
前記ケースを平面視したとき、少なくとも一方の前記長辺部と前記張出し部との間に隙間を備える。
前記張出し部における突出方向の先端は、前記短辺部の内面に接することが挙げられる。
前記張出し部は、
前記底板部側に位置する第一面と、
前記開口部側に位置する第二面と、
前記第一面と前記第二面とを貫通する孔とを備え、
前記封止樹脂部は、
前記孔の内部に充填される第一樹脂部と、
前記第一樹脂部と連続して、前記第一面及び前記第二面に接して設けられる第二樹脂部とを備えることが挙げられる。
前記短辺部は、前記張出し部を支持する取付け座を有し、
前記張出し部と前記取付け座とが締結されていることが挙げられる。
本開示の実施形態に係るリアクトルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。図面における各部の寸法比も実際と異なる場合がある。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<概要>
図1から図4を参照して、実施形態1に係るリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、図1Bに示すように、コイル2と、磁性コア3と、保持部材41、42と、ケース5と、封止樹脂部6とを備える。コイル2は、図1Bに示すように、並列に配置される一対の巻回部21、22を有する。磁性コア3は、巻回部21、22の内側に配置される内側コア部31、32と、巻回部21、22の外側に配置される外側コア部33とを有する。保持部材41、42は、コイル2と磁性コア3との相互の位置関係を規定する。ケース5は、コイル2、磁性コア3、及び保持部材41、42を含む組合体10を収納する。封止樹脂部6は、ケース5内に充填される。リアクトル1Aの特徴の1つは、組合体10の配置形態が後述する直立型である点にある。リアクトル1Aの別の特徴の1つは、ケース5の開口部55側に配置される保持部材41が張出し部45を備える点にある。張出し部45は、図1Aに示すように、ケース5を平面視したとき、側壁部52における少なくとも一方の長辺部541、542との間に隙間46を構成する。
コイル2は、図1Bに示すように、一対の巻回部21、22を有する。巻回部21、22は、巻線を螺旋状に巻回してなる。両巻回部21,22は、互いの軸方向が平行するように並列に配置されている。両巻回部21、22の軸方向は、高さ方向に一致する。コイル2は、両巻回部21、22が1本の連続する巻線で形成されていてもよいし、各巻回部21、22が別々の巻線を巻回して形成されていてもよい。両巻回部21、22が1本の連続する巻線で構成される場合、例えば、一方の巻回部21を形成した後、他端側で巻線を屈曲させて折り返し、他方の巻回部22を形成することが挙げられる。各巻回部21、22が別々の巻線で構成される場合、各巻回部21、22を別々の巻線で形成した後、各巻回部21、22の他端側で巻線の端部同士を接続することが挙げられる。この接続には、溶接や圧着、半田付け、ロウ付けなどの接合方法が利用できる。巻回部21、22の一端側の巻線の端部は、ケース5の開口部55側から外部に引き出される。引き出された先端には、図示しない端子金具が取り付けられる。端子金具には、図示しない電源などの外部装置が接続される。なお、図1などは、巻回部21、22のみを示し、巻線の端部などは省略している。
磁性コア3は、図1Bに示すように、内側コア部31、32と、一対の外側コア部33、33とを有する。内側コア部31、32は、主として、各巻回部21、22の内側に配置される箇所を構成する。内側コア部31、32の軸方向の端部は、巻回部21、22の端面から突出される。外側コア部33、33は、両巻回部21、22の外側に配置される。外側コア部33、33は、両内側コア部31、32の各端部同士を接続するように設けられる。この例では、図3に示すように、両内側コア部31、32を両端から挟むように外側コア部33、33がそれぞれ配置される。磁性コア3は、両内側コア部31、32の各端面と外側コア部33、33の各内端面33e(図3)とが接続されることによって、環状に構成される。磁性コア3には、コイル2を励磁した際に磁束が流れ、閉磁路が形成される。
内側コア部31、32の形状は、巻回部21、22の内周形状に概ね対応した形状である。巻回部21、22の内周面と内側コア部31、32の外周面との間には隙間が存在する。この隙間には、後述するモールド樹脂部8を構成する樹脂が充填される。この例では、内側コア部31、32の形状が四角柱状、より具体的には矩形柱状であり、内側コア部31、32を軸方向から見た端面形状が矩形状である。内側コア部31、32の角部は、巻回部21、22の角部に沿うように丸められている。両内側コア部31、32の形状、大きさは同じである。内側コア部31、32において巻回部21、22の端面から突出する両端部は、後述する保持部材41、42の貫通孔43に挿入される(図3も参照)。
外側コア部33、33の形状は、両内側コア部31、32の各端部同士をつなぐ形状であれば、特に限定されない。この例では、外側コア部33、33は、両内側コア部31、32の各端面に対向する内端面33eを有する直方体状である。両外側コア部33の形状、大きさは同じである。外側コア部33、33はそれぞれ、1つの柱状のコア片で構成されている。
内側コア部31、32及び外側コア部33、33は、軟磁性材料を含む成形体で構成されている。軟磁性材料としては、鉄や鉄合金などの金属、フェライトなどの非金属が挙げられる。鉄合金は、例えば、Fe-Si合金、Fe-Ni合金などが挙げられる。軟磁性材料を含む成形体としては、圧粉成形体や複合材料の成形体などが挙げられる。
この例のリアクトル1Aは、二つの保持部材41、42を備える。保持部材41、42は、図1B及び図3に示すように、両巻回部21、22の各端面に対向するように配置される箇所である後述の枠板を備える。また、保持部材41、42は、外側コア部33の外周面の少なくとも一部を覆う箇所である後述の外壁部40を備える。一方の保持部材41は、ケース5の開口部55側に配置されて、上述の上側の外側コア部33を覆う。他方の保持部材42は、ケース5の底板部51側に配置されて、上述の下側の外側コア部33を覆う。保持部材41、42はいずれも、コイル2の巻回部21、22と、磁性コア3の内側コア部31、32及び外側コア部33、33との間の電気的絶縁を確保する。また、保持部材41、42は、コイル2と磁性コア3との相互の位置を規定して、位置決め状態を保持する。
保持部材41、42のうち、ケース5の開口部55側に位置する一方の保持部材41は、図1A及び図1Bに示すように、外壁部40から対向する一方の短辺部531に向かって突出する張出し部45を備える。張出し部45は、短辺部531に対向する外壁部40の外周面の一部から突出するように設けられている。張出し部45は、外壁部40に一体に成形された一体物である。この例の張出し部45は、実施形態2で説明する貫通孔453などを備えない中実体で構成される。張出し部45は、図1Aに示すように、長辺部541、542との間の少なくとも一方、より具体的には、長辺部541、542の短辺部531側の端部との間に所定の隙間46を形成する。張出し部45の位置及び数は、特に限定されない。張出し部45の位置は、保持部材41の幅方向の中央であってもよいし、中央からずれていてもよい。張出し部45の数は少なくとも1つあればよく、複数あってもよい。この例では、張出し部45が、保持部材41の幅方向の中央に1つ設けられている。
隙間46は、図1Aに示すように、リアクトル1Aを平面視したとき、少なくとも一方の長辺部541、542と張出し部45との間に形成されている。この例では、両長辺部541、542と張出し部45との間にそれぞれ隙間46が設けられる。つまり、隙間46は、一方の短辺部531側において、張出し部45の両側に設けられている。換言すれば、隙間46は、一方の短辺部531に対向する保持部材41の面と、短辺部531の内面と、長辺部541、542の各内面とで囲まれる領域のうち、張出し部45を除く領域に設けられている。
保持部材41、42の構成材料は、電気絶縁材料が挙げられる。電気絶縁材料としては、代表的には樹脂が挙げられる。具体的な樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、PPS樹脂、PA樹脂、LCP、PI樹脂、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。保持部材41、42の構成材料は、上記樹脂に加えて、フィラーを含有してもよい。フィラーを含有することで、保持部材41、42の放熱性を向上させることができる。フィラーは、上述した複合材料に用いるフィラーと同様のものを利用できる。この例では、保持部材41、42の構成材料はPPS樹脂である。
本例の組合体10は、図1Bに示すように、モールド樹脂部8を備える。モールド樹脂部8は、外側コア部33、33の外周面の少なくとも一部を覆うと共に、巻回部21、22の内周面と内側コア部31、32の外周面との間に介在される。このモールド樹脂部8により、内側コア部31、32と外側コア部33とが一体に保持され、コイル2の巻回部21、22と磁性コア3の内側コア部31、32及び外側コア部33とが一体化されている。そのため、コイル2と磁性コア3とを一体物として取り扱うことができる。また、モールド樹脂部8によって各外側コア部33、33と各保持部材41、42とが一体化されている。つまり、この例では、モールド樹脂部8によって、コイル2、磁性コア3、及び保持部材41、42が一体化されている。そのため、組合体10は一体物として取り扱うことができる。なお、巻回部21、22の外周面は、モールド樹脂部8によって覆われておらず、モールド樹脂部8から露出している。
モールド樹脂部8を構成する樹脂は、上述した保持部材41、42を構成する樹脂と同様のものを利用できる。モールド樹脂部8の構成材料は、上記樹脂に加えて、上述したフィラーを含有してもよい。この例では、モールド樹脂部8がPPS樹脂で構成されている。
ケース5は、図1に示すように組合体10を収納することで、組合体10の機械的保護及び外部環境からの保護を図ることができる。外部環境からの保護は、防食性の向上などを目的とする。本例のケース5は、金属で構成されている。金属は樹脂よりも熱伝導率が高い。そのため、金属製のケース5は、組合体10の熱をケース5を介して外部に放出し易い。よって、金属製のケース5は、組合体10の放熱性の向上に寄与する。
ケース5は非磁性の金属で構成されている。非磁性金属としては、例えばアルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、オーステナイト系ステンレス鋼などが挙げられる。これらの金属の熱伝導率は比較的高い。そのため、ケース5を放熱経路に利用でき、ケース5を介して、組合体10の熱が外部に効率よく放出される。よって、組合体10の放熱性が向上する。ケース5を構成する材料としては、金属以外にも樹脂などを用いることができる。
ケース5に対する組合体10の配置形態は直立型である。この場合、組合体10は、図1Bに示すように、巻回部21、22の各々の軸方向が底板部51の内底面と直交するようにケース5に収納される。また、本例の組合体10は、両巻回部21、22の並列方向が長辺部541、542に沿うようにケース5に収納されている。本例の場合、保持部材41が一方の短辺部531側に張出し部45を有するため、ケース5に対して組合体10が他方の短辺部532側に片寄って配置される。組合体10の配置形態が直立型の場合、上述した平置き型に比較して、底板部51に対する組合体10の設置面積を小さくできる。平置き型では、両巻回部の並列方向及び軸方向が底板部と平行するように組合体がケースに収納される。一般的に、両巻回部21、22の並列方向及び両巻回部21、22の軸方向の双方に直交する方向に沿った組合体10の長さは、両巻回部21、22の軸方向に沿った組合体10の長さよりも短い。つまり、直立型の場合、平置き型に比べて、組合体10の設置面積が小さくなる。よって、組合体10の配置形態が直立型の場合、底板部51の面積を小さくでき、リアクトル1Aの設置面積の省スペース化が可能である。
封止樹脂部6は、ケース5内に充填されて、組合体10の少なくとも一部を封止する。封止樹脂部6によって、組合体10の機械的保護及び外部環境からの保護を図ることができる。外部環境からの保護は、防食性の向上などを目的とする。
封止樹脂部6の樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、PPS樹脂などが挙げられる。この例の封止樹脂部6は、シリコーン樹脂、より具体的には、シリコーンゲルによって構成されている。封止樹脂部6の熱伝導率は高いほど好ましい。この理由は、コイル2の熱をケース5に伝達させ易いからである。そのため、封止樹脂部6を構成する材料は、上記樹脂に加えて、例えば上述したようなフィラーを含有してもよい。封止樹脂部6の熱伝導率を高めるために、上記材料の成分が調整されていてもよい。封止樹脂部6の熱伝導率は、例えば1W/m・K以上、更に1.5W/m・K以上が好ましい。
図4を主に参照して、上述したリアクトル1Aの製造方法の一例を説明する。リアクトル1Aは、以下の第1から第3の工程を備える製造方法により製造できる。
第1の工程は、組合体10とケース5とを用意する。
第2の工程は、組合体10をケース5に収納する。
第3の工程は、ケース5内に封止樹脂部6を形成する。
第1の工程では、組合体10とケース5とを用意する。組合体10は、図3に示すように、コイル2と、磁性コア3と、保持部材41、42とを組み付けて作製する。また、この例では、図4Bに示すように、モールド樹脂部8を形成し、モールド樹脂部8によってコイル2、磁性コア3、及び保持部材41、42を一体化しておく。具体的には、保持部材41、42によってコイル2及び磁性コア3が所定位置に保持された状態において、外側コア部33の外周面を覆うようにモールド樹脂部8を形成する。このとき、モールド樹脂部8を構成する樹脂の一部は、上述したように、外側コア部33と凹部44との間の隙間と、内側コア部31、32と貫通孔43との間の隙間とを通って、巻回部21、22と内側コア部31、32との間に充填される。そのため、モールド樹脂部8が巻回部21、22と内側コア部31、32との間に介在するように形成される。
第2の工程では、ケース5の開口部55から組合体10をケース5に収納する。組合体10の配置形態が直立型となるように、組合体10をケース5に収納する。具体的には、図4Bに示すように、両巻回部21、22の各々の軸方向が底板部51と直交し、かつ、両巻回部21、22の並列方向が長辺部541、542(図4A)に沿うように、組合体10をケース5に収納する。本例の場合、保持部材41の張出し部45によって、組合体10をケース5に対して位置決めすることができる。
第3の工程では、ケース5内に樹脂を充填して、図1Bに示す封止樹脂部6を形成する。具体的には、図4A、図4Bに示すように、ケース5内に組合体10を収納した状態で封止樹脂部6となる樹脂を充填する。この例では、樹脂を注入するノズル65を使用する。この例では、封止樹脂部6となる樹脂がシリコーン樹脂、より具体的にはシリコーンゲルである。
実施形態1のリアクトル1Aは以下の効果を奏する。
組合体10の配置形態が直立型であるため、ケース5の底板部51に対する組合体10の設置面積が小さくなる。よって、リアクトル1Aは、小型化が可能である。また、組合体10の配置形態が直立型であれば、巻回部21、22と側壁部52との対向面積が大きくなり易く、かつ、巻回部21、22と側壁部52との間隔が小さくなり易い。そのため、リアクトル1Aは、コイル2の熱をケース5に放出し易く、組合体10の放熱性を向上できる。
封止樹脂部6を形成する際、隙間46にノズル65を挿入して樹脂を注入することができる。ケース5の側壁部52に樹脂導入路を設ける必要がないため、ケース5に対して特別な加工が必要ない。よって、ケース5の加工の手間や製造コストが低減される。
リアクトル1Aは、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品に利用できる。リアクトル1Aは、例えば、種々のコンバータや電力変換装置の構成部品などに利用できる。コンバータの一例としては、車両に搭載される車載用コンバータ、代表的にはDC-DCコンバータや、空調機のコンバータなどが挙げられる。上記車両は、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などが挙げられる。
図5を参照して、実施形態2に係るリアクトル1Bを説明する。リアクトル1Bの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様である。実施形態2のリアクトル1Bは、張出し部45に貫通孔453を備え、この貫通孔453内に封止樹脂部6の一部が充填される点が実施形態1のリアクトル1Aと相違する。以下の説明は、上述した実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
張出し部45は、図5Bに示すように、ケース5の底板部51(図1B)側に位置する第一面451と、ケース5の開口部55側に位置する第二面452とを備える。そして、張出し部45は、図5A及び図5Bに示すように、第一面451と第二面452とを貫通する貫通孔453を備える。この例では、貫通孔453は、張出し部45において、幅方向の中央に1つ設けられている。貫通孔453は、張出し部45に複数設けられていてもよい。
封止樹脂部6は、張出し部45に設けられる貫通孔453に充填される第一樹脂部61と、第一面451及び第二面452に接して設けられる第二樹脂部62とを備える。第一樹脂部61と第二樹脂部62とは、連続して設けられる一体物である。
図6及び図7を参照して、実施形態3に係るリアクトル1Cを説明する。実施形態3のリアクトル1Cは、短辺部531が保持部材41の張出し部45を支持する取付け座56を有し、張出し部45と取付け座56とが締結されている点が実施形態1のリアクトル1Aと相違する。以下の説明は、上述した実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
取付け座56は、図6Bに示すように、短辺部531からケース5内に突出して、張出し部45における底板部51側を支持する。取付け座56は、図6Aに示すように、リアクトル1Cを平面視したとき、張出し部45と重なるように設けられている。この例では、取付け座56は、底板部51から短辺部531の内面に沿って延びるように形成されている。取付け座56は、ケース5の開口部55側の上面にネジ穴57を有する。
張出し部45は、図6A及び図6Bに示すように、ケース5の底板部51側に位置する第一面と、ケース5の開口部55側に位置する第二面とを貫通する貫通孔49を備える。この例の貫通孔49は、張出し部45に金属製のカラー490が埋め込まれることで構成されている。貫通孔49は、リアクトル1Cを平面視したとき、取付け座56のネジ穴57と重なる位置に設けられている。
図8を参照して、実施形態4に係るリアクトル1Dを説明する。リアクトル1Dの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様である。実施形態4のリアクトル1Dは、保持部材41の外壁部40に突起部47、48を備える点が実施形態1のリアクトル1Aと相違する。以下の説明は、上述した実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
突起部47、48は、図8A及び図8Bに示すように、保持部材41の外壁部40からケース5の内周面に向かって設けられる。第一の突起部47は、ケース5の長辺部541、542に対向する面に設けられる。第二の突起部48は、ケース5の他方の短辺部532に対向する面に設けられる。つまり、第二の突起部48は、外壁部40における張出し部45と対向する面に設けられる。
10 組合体
2 コイル
21、22 巻回部
3 磁性コア
31、32 内側コア部
33 外側コア部、33e 内端面
41、42 保持部材
40 外壁部
43 貫通孔、44 凹部
45 張出し部
451 第一面、452 第二面、453 貫通孔
46 隙間
47、48 突起部
49 貫通孔
490 カラー
5 ケース
51 底板部
52 側壁部
531、532 短辺部
541、542 長辺部
55 開口部
56 取付け座
57 ネジ穴
59 ボルト
6 封止樹脂部
61 第一樹脂部、62 第二樹脂部
65 ノズル
8 モールド樹脂部
Claims (4)
- 並列に配置される一対の巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側及び外側に配置される磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとの相互の位置を規定する保持部材と、
前記コイル、前記磁性コア、及び前記保持部材を含む組合体を収納するケースと、
前記ケース内に充填される封止樹脂部とを備え、
前記ケースは、
前記組合体が載置される底板部と、
前記組合体の周囲を囲む角筒状の側壁部と、
前記底板部と対向する開口部とを備え、
前記側壁部は、一対の対向する長辺部と、一対の対向する短辺部とを備え、
前記組合体は、前記巻回部の各々の軸方向が前記ケースの深さ方向に沿うように前記ケースに収納され、
前記磁性コアは、前記巻回部の外側であって前記開口部側に配置される外側コア部を備え、
前記保持部材は、
前記外側コア部の外周面の少なくとも一部を覆う外壁部と、
前記外壁部から一方の前記短辺部に向かって突出する張出し部とを備え、
前記ケースを平面視したとき、少なくとも一方の前記長辺部と前記張出し部との間に隙間を備える、
リアクトル。 - 前記張出し部における突出方向の先端は、前記短辺部の内面に接する請求項1に記載のリアクトル。
- 前記張出し部は、
前記底板部側に位置する第一面と、
前記開口部側に位置する第二面と、
前記第一面と前記第二面とを貫通する孔とを備え、
前記封止樹脂部は、
前記孔の内部に充填される第一樹脂部と、
前記第一樹脂部と連続して、前記第一面及び前記第二面に接して設けられる第二樹脂部とを備える請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。 - 前記短辺部は、前記張出し部を支持する取付け座を有し、
前記張出し部と前記取付け座とが締結されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
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