JP2013131567A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】封止樹脂を効率よく充填でき、生産性に優れるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1Aは、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納する有底筒状のケース4Aとを具える。ケース4Aの側壁部41には、組合体10の外周を覆う封止樹脂100をケース4Aの底部側からケース4Aの開口側に向かって充填するための樹脂導入路4rが設けられている。樹脂導入路4rを経た封止樹脂は、ケース4Aの底部に強制的に導入され、底部から開口側に向かってケース4A内の気体を逃しつつ充填される。そのため、リアクトル1Aは、(1)粘度によらず封止樹脂の連続供給が可能であり、充填時間を短縮できる、(2)気泡の巻き込みを低減して、脱気工程を省略できる、(3)別途、導入用の筒体を除去する必要が無いことから、生産性に優れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、このリアクトルを具えるコンバータ、及びこのコンバータを具える電力変換装置に関するものである。特に、生産性に優れるリアクトルに関するものである。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルとして、一対のコイル素子を有するコイルと、コイルが配置される環状の磁性コアと、コイルの端面と磁性コアとの間に介在されて両者を絶縁するボビンと、これらコイル・磁性コア・ボビンを具える組合体を収納する箱状のケースと、ケース内に充填される封止樹脂とを具えるものを開示している。
特許文献1では、組合体を収納したケース内に封止樹脂を充填するにあたり、真空槽にケースを配置して封止樹脂をケース内に充填して気泡の混入を防止することを提案している。また、特許文献1では、コイル素子間にプラスチックなどの弾性変形材料からなる筒体を挿入し、当該筒体の開口部をケースの底部近傍に開口させて、底部側から封止樹脂を供給し、気泡の巻き込みを低減することを提案している。
特開2010-263076号公報
リアクトルの更なる生産性の向上が望まれている。
特許文献1に記載される手法では、気泡を効果的に低減できる。しかし、この手法では、真空槽にケースを収納する必要があり、作業性の改善が望まれる。また、この手法では、上述の弾性変形材料からなる筒体を封止樹脂の硬化前に抜き取る必要があり、工程数の増加を招く。
更に、リアクトルの小型化の要望から、コイルのターン間の間隔、ケースとコイルや磁性コアとの間隔やコイル素子間の間隔を更に小さくする傾向にある。そのため、封止樹脂を導入するためのノズルや上述の筒体を挿入可能な空間を確保できない場合がある。温度センサや電流センサなどの物理量センサをケース内に収納する場合には、上記空間を更に確保できない。また、コイル素子間にノズルを挿入する場合、ノズルが硬いと、コイル素子に接触したとき、コイル素子を損傷する恐れがあり、ノズルが柔らかいと挿入し難く、配置時の作業性に劣る。そこで、ケースの開口側から封止樹脂を充填することが考えられるが、封止樹脂の粘度によっては(特に粘度が高いものでは)、ケースの底部に達する前にケースの開口側で溜まることがある。ケースの開口側に封止樹脂が溜まった状態で引き続き封止樹脂の供給を行えば、封止樹脂がケースから溢れることから、ケースの底部に達するまで待つ必要がある。従って、ケースの開口側からの充填では、連続的な充填が難しく、充填時間の長大化を招く場合がある。上述の間隔が狭い場合には、封止樹脂が更に溜まり易く、充填時間が更に長くなり易い。封止樹脂の粘度を下げるために、例えば、充填時の樹脂温度を上げることが考えられるが、ポットライフが短い樹脂では、温度を十分に上げることが難しく、粘度が高い状態で供給せざるを得ない。
また、ケースの開口側から封止樹脂を充填すると、封止樹脂の大半が気中に排出されるため、粘度が高い樹脂では、ケースの底部に向かう途中で気泡を巻き込み易い。すると、ケースの底部側に残存した気泡を排出する必要がある上に、排出時間が長くなり易い。
このようにケースの開口側から封止樹脂を充填する場合は、生産性が低下し易い。
そこで、本発明の目的の一つは、封止樹脂を効率よく充填でき、生産性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、生産性に優れるリアクトルを具えるコンバータ、このコンバータを具える電力変換装置を提供することにある。
本発明は、リアクトルの構成部材自体に封止樹脂の導入路を具えることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、コイルと、上記コイルが配置される磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの間に介在される絶縁材と、上記コイルと上記磁性コアと上記絶縁材との組合体を収納する有底筒状のケースとを具える。そして、本発明リアクトルは、上記組合体の外周を覆う封止樹脂を上記ケースの底部側から当該ケースの開口側に向かって充填するための樹脂導入路が当該リアクトルの構成部材に一体に形成されている。
本発明リアクトルは、樹脂導入路が、磁性コアや絶縁材、ケースといった構成部材自体に設けられているため、別途、導入用の筒体の配置及び除去の必要が無い。また、樹脂導入路を具えることで本発明リアクトルは、封止樹脂を導入するためのノズルや上記筒体を配置可能な隙間がケース内に無い場合でも、封止樹脂をケースの底部側から開口側に向かって確実に充填できる。更に、本発明リアクトルは、樹脂導入路によって、ノズルを出た封止樹脂をケースの底部側に強制的に導入して、底部側から開口側に向かってケース内の気体を押し出しつつ(逃がしつつ)封止樹脂をケース内に充填することから、封止樹脂が高粘度であっても、ケースの開口側で封止樹脂が溜まるなどの不具合が生じない。そのため、本発明リアクトルは、封止樹脂をケース内に連続的に供給でき、封止樹脂の充填時間を短縮できる。また、本発明リアクトルは、気中ではなく、既にケース内に充填された樹脂内に封止樹脂を順次供給することから、気泡を巻き込み難く、或いは実質的に巻き込まず、気泡を効果的に低減できる。そのため、本発明リアクトルは、脱気工程(代表的には真空引き)の省略、或いは脱気時間の短縮を図ることができる。
これらのことから、本発明リアクトルは、封止樹脂を効率よく充填でき、生産性に優れる。また、本発明リアクトルは、封止樹脂の種類(粘度)や充填時の温度の自由度も高いといえる。更に、本発明リアクトルは、樹脂導入路内にも封止樹脂が充填されることで、封止樹脂とケース内の収納物との接触面積を増大できるため、封止樹脂によって、ケースと収納物とを強固に一体化することができる。
本発明リアクトルにおいて、上記樹脂導入路を具える構成部材は、磁性コア、絶縁材、及びケースの少なくとも一つが挙げられる。特に、上記樹脂導入路が上記ケースにおいて上記組合体の外周を囲む側壁部に設けられた形態では、収納物の周囲から効率よく封止樹脂を充填し易い上に、リアクトルのデッドスペースを利用して複数の樹脂導入路を具えたり、ある程度大きな樹脂導入路を具えたりすることができ、樹脂導入路を具えることによるリアクトルの大型化も招き難い。
本発明の一形態として、上記ケースが、上記組合体が載置される底部と、上記組合体の周囲を囲む側壁部とを具える形態が挙げられる。この側壁部は、上記底部とは独立した部材であり、上記底部に取り付けられる。特に、上記側壁部として樹脂で構成された形態が挙げられる。
ケースを構成する底部と側壁部とが別部材である上記形態は、組合体を底部に配置してから、底部と側壁部とを一体化して組合体をケースに収納した状態にすることができ、重量物の組合体の搬送に伴う負担を軽減できる。そのため、この形態は、底部と側壁部とが一体成形されたケースを用いた場合に比較して、組立作業性に優れ、生産性を更に向上できる。また、この形態において、樹脂導入路を側壁部に具えると、底部と側壁部とが別部材であることから、樹脂導入路を具える側壁部を容易に形成でき、この点からも生産性を向上できる。上記側壁部の構成材料が樹脂である場合には、側壁部を射出成形などにより容易に成形できることから、樹脂導入路を具える側壁部も容易に成形でき、生産性の向上に寄与することができる。
本発明の一形態として、上記コイルが一対のコイル素子を具えており、これらコイル素子の軸が平行するようにこれらコイル素子が横並びされ、上記絶縁材として、樹脂で成形され、上記コイル素子間に配置される仕切り部を具える形態が挙げられる。そして、上記樹脂導入路が上記仕切り部に設けられた形態が挙げられる。
上記形態は、コイル素子間に仕切り部が介在することで両コイル素子間の絶縁性を高められる。かつ、この仕切り部に樹脂導入路を具えることで、上記形態は、ケースの底部と両コイル素子とで囲まれた領域といった封止樹脂が充填され難い箇所でも、特にコイル素子間の間隔が狭い場合でも封止樹脂を確実に充填できる。
本発明の一形態として、上記コイルが一対のコイル素子を具えており、これらコイル素子の軸が平行にするようにこれらコイル素子が横並びされ、上記絶縁材として、上記コイルの外周を覆い、当該コイルの形状を保持する樹脂モールド部を具える形態が挙げられる。そして、上記樹脂導入路が上記コイル素子間に配置され、上記樹脂モールド部に設けられた形態が挙げられる。
上記形態は、樹脂モールド部によってコイルの形状が維持されて、コイルが伸縮しないため、コイルを取り扱い易く、リアクトルの組立作業性に優れる。また、上記形態は、絶縁材がコイルに一体化されているため、絶縁材を別部材とした場合に比較して、部品点数が少なく、組立工程数を低減できる。更に、上記形態では、樹脂モールド部の成形にあたり、樹脂導入路をも射出成形などにより容易に成形できる。加えて、上記形態では、ケースの底部と両コイル素子とで囲まれた領域といった封止樹脂が充填され難い箇所でも、特にコイル素子間の間隔が狭い場合でも封止樹脂を確実に充填できる。これらの点から、上記形態は、生産性に優れる。
本発明の一形態として、上記樹脂導入路において上記ケースの底部側に配置される排出口を経た封止樹脂をケースの底部側で広げるための拡張ガイド部を具える形態が挙げられる。
上記形態は、排出口から出た封止樹脂が拡張ガイド部に沿って流動することで、ケース内に容易に広がることができるため、充填時間の短縮を図ることができる。また、上記形態は、ケース内の隅々まで封止樹脂を行き渡らせ易く、充填不良箇所などが生じ難い。
本発明の一形態として、上記樹脂導入路における封止樹脂の導入口に、上記封止樹脂を導入するためのノズルの先端が位置決めされる位置決め部が設けられた形態が挙げられる。
上記形態は、ノズルの位置決めを容易に行える上に、封止樹脂の充填時、ノズルが位置ずれし難く、封止樹脂を良好に連続供給することができる。
本発明の一形態として、上記ケース内に充填され、上記組合体を覆う上記封止樹脂を具え、上記樹脂導入路における封止樹脂の導入口が上記封止樹脂から露出された形態が挙げられる。
樹脂導入路の導入口を充填する封止樹脂の表面(液面)よりも高い位置に配置することで、上記形態を製造することができる。上記導入口の位置が封止樹脂の表面よりも高い位置であることで、封止樹脂を充填後、封止樹脂の導入に用いたノズルが当該封止樹脂中に埋設されておらず露出される。従って、上記形態は、封止樹脂の充填後、ノズルがケース内に充填された封止樹脂によって詰まるなどの不具合が生じない上に、容易に取り外すことができ、作業性に優れる。
本発明の一形態として、上記ケース内に、更に、上記封止樹脂を導入するための流路形成材を具える形態が挙げられる。
上記形態は、樹脂導入路と同様の機能を有する流路形成材を更に具えることで、封止樹脂の単位時間当たりの供給量を容易に増大できるため、生産性に優れる。また、上記形態では、流路形成材も封止樹脂によってケース内に封止するため、封止樹脂の充填後、当該流路形成材を抜き取る必要が無い。
本発明リアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータは、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものであり、上記リアクトルが本発明リアクトルである形態が挙げられる。この本発明コンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置は、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、上記コンバータが本発明コンバータである形態が挙げられる。
本発明コンバータや本発明電力変換装置は、生産性に優れる本発明リアクトルを具えることで、生産性に優れ、車載部品などに好適に利用することができる。
本発明リアクトルは、封止樹脂を充填し易く、生産性に優れる。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 (A)は、実施形態1のリアクトルに具えるケースの概略斜視図、(B)は、このケースのB-B断面図である。 実施形態1のリアクトルに具えるコイルと磁性コアとを具える組合体の概略を示す分解斜視図である。 (A)は、実施形態1のリアクトルに具えるケースにノズルを配置した状態を示す概略斜視図、(B)は、このケースのB-B断面図である。 実施形態2のリアクトルを示す概略斜視図である。 (A)は、実施形態2に具えるインシュレータの枠板部の概略斜視図、(B)は、この枠板部のB-B断面図である。 (A)は、実施形態3のリアクトルを示す概略斜視図、(B)は、このリアクトルに具えるコイル部品の概略斜視図である。 実施形態3のリアクトルに具えるケースにノズルを配置した状態を示す概略斜視図である。 (A)は、図8におけるA-A断面図、(B)は、図8におけるB-B断面図である。 実施形態4のリアクトルを示す概略斜視図である。 (A)は、実施形態4のリアクトルに具えるケースの概略斜視図、(B)は、このケースの分解斜視図である。 実施形態4のリアクトルに具えるケースにノズルを配置した状態を示す概略斜視図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明コンバータを具える本発明電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
以下、図面を参照して、実施形態のリアクトルを説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明では、リアクトルを設置したときに設置側を下側、その対向側を上側として説明する。
〔実施形態1〕
≪リアクトルの全体構成≫
図1〜図4を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納する有底筒状のケース4Aとを具える。コイル2と磁性コア3との間には、インシュレータ5が介在されている。このリアクトル1Aでは、ケース4A内に封止樹脂100が充填されて、ケース4A内の組合体10が封止されている。リアクトル1Aの特徴とするところは、ケース4Aにおいて組合体10の外周を囲む側壁部41に、封止樹脂100をケース4A内に導入する樹脂導入路4rが設けられていることにある。以下、各構成をより詳細に説明する。
[組合体]
コイル2と磁性コア3とインシュレータ5とを具える組合体10は、図3を参照して説明する。
(コイル)
コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結するコイル連結部2rとを具える。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)され、コイル2の他端側(図3では右側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部2rが形成されている。この構成により、両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一となっている。
その他、各コイル素子を別々の巻線により作製し、各コイル素子の巻線の一端部同士を溶接や半田付け、圧着などにより接合されたコイルとすることができる。
巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を具える被覆線を好適に利用できる。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。また、ここでは、各コイル素子2a,2bの端面形状は、長方形の角部を丸めた形状としているが、円形状など適宜変更することができる。
コイル2を形成する巻線2wの両端部は、コイル2の一端側(図3では左側)においてターン形成部分から適宜引き延ばされて、代表的にはケース4Aの外部に引き出され(図1)、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に端子金具(図示せず)が接続される。この端子金具を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
[磁性コア]
磁性コア3は、各コイル素子2a,2bに覆われる一対の内側コア部31と、コイル2が配置されず、コイル2から露出されている一対の外側コア部32とを有する。各内側コア部31はそれぞれ、各コイル素子2a,2bの内周形状に沿った外形を有する柱状体(ここでは、直方体の角部を丸めた形状)であり、各外側コア部32はそれぞれ柱状体(ここでは、一対の台形状面を有する柱状体)である。磁性コア3は、離間して配置される一対の内側コア部31を挟むように両外側コア部32が配置され、各内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
ここでは、内側コア部31は、磁性材料からなるコア片31mと、代表的には非磁性材料らなるギャップ材31gとを交互に積層して構成された積層体であり、外側コア部32は、磁性材料からなるコア片である。
各コア片は、鉄やその合金などに代表される軟磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体が挙げられ、公知のものが利用できる。上記成形体は、圧粉成形体、焼結体、軟磁性粉末と樹脂とを含む混合体を射出成形や注型成形などした成形硬化体(複合材料)が挙げられる。ここでは、各コア片は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性粉末の圧粉成形体としている。
ギャップ材31gは、コア片よりも透磁率が低い材料によって構成され、コア片間に配置されてインダクタンスを調整する。具体的な構成材料は、アルミナやガラスエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどの非磁性材料、フェノール樹脂などの非磁性材料に軟磁性粉末が分散した混合材料などが挙げられる。リアクトル1Aが所望のインダクタンスとなるようにコア片やギャップ材の個数を適宜選択するとよく、コア片の材質によってはギャップ材を具えていない形態とすることができる。コア片やギャップ材の形状も適宜選択することができる。エアギャップとすることもできる。
コア片同士やコア片31mとギャップ材31gとは、接着剤や接着テープ、熱収縮チューブといった絶縁性チューブなどを利用して一体化することができる。内側コア部31を一体物とすると、取り扱い易く、組立作業性に優れる。内側コア部31を絶縁性チューブによって一体化する形態では、当該絶縁性チューブをコイル素子2a,2bと内側コア部31間の絶縁材として利用することができる。
その他、この例に示す磁性コア3では、外側コア部32の設置側の面(図3では下面)が内側コア部31の設置側の面(同)よりも突出し、かつコイル2の設置側の面(同)と面一である。従って、リアクトル1Aは、両コイル素子2a,2b及び外側コア部32とで設置面が構成され、コイル2と磁性コア3とを具える組合体10をケース4A(図1)に収納したときの安定性に優れる。また、コア片を圧粉成形体で構成することで、外側コア部32において内側コア部31よりも突出した箇所は、磁束の通路や放熱経路に利用できる。
[インシュレータ]
この例に示すインシュレータ5は、内側コア部31の外周に配置される周壁部51と、各コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される一対の枠板部52Aとを具える。
周壁部51は、コイル素子2a,2bと内側コア部31との間を絶縁する部材であり、ここでは、内側コア部31の軸方向と直交方向(図3では上下方向)に分割された一対の断面]状の分割片から構成される。この構成により、周壁部51を内側コア部31の外周に容易に配置できる。周壁部51の形状は適宜選択することができる。ここでは、周壁部51は、内側コア部31に配置したとき、内側コア部31の外周面が全て覆われず一部が露出される形状であるが、分割片を組み合せたときに内側コア部31の全周を覆う筒状体となるように分割片を構成してもよい。
各枠板部52Aはそれぞれ、各内側コア部31がそれぞれ挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字形の板状材である。枠板部52Aの形状も適宜選択することができる。ここでは、枠板部52Aは、両開口部を連結する領域(枠板部52Aの中間部)に、コイル2側に向かって突設された矩形板状の仕切り部520を具える。仕切り部520は、枠板部52Aをコイル2に組み付けたとき、両コイル素子2a,2b間に介在され、両コイル素子2a,2b間の絶縁性を高める。また、一方(図3では右側)の枠板部52Aは、コイル連結部2rが載置され、コイル連結部2rと外側コア部32との間を絶縁するための台座525を具える。
インシュレータ5の形状は適宜選択することができる。上述のように周壁部51と枠板部52Aとが別個である形態の他、少なくとも一方の枠板部に周壁部を構成する筒片や]状片などが一体成形された形態とすることができる。この一体成形された形態では、コイル2の軸方向に分割可能な一対の分割片とすると、内側コア部31に配置し易い。また、各分割片に互いに係合する係合部を具えると、相互の位置決めを容易にできる。或いは、周壁部51を省略して枠板部52Aのみとし、内側コア部31の外周に別の絶縁被覆層を具える形態とすることができる。絶縁被覆層は、例えば、絶縁テープや絶縁紙を巻回して形成したり、上述の絶縁性チューブを配置したりして形成することができる。また、仕切り部520の形状や大きさ(突出長さや上下方向の高さ)も適宜選択することができる。
インシュレータ5の構成材料には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性材料が利用できる。インシュレータ5の形成には、射出成形などの成形方法が好適に利用できる。
[ケース]
ケース4Aの説明は、図2を参照して行う。ケース4Aは、平板状の底部40と、底部40から立設されて、上述の組合体10の外周を囲む枠状の側壁部41とが一体に成形され、底部40の対向側が開口した箱体である。ここでは直方体状の箱体としているが、組合体10を収納できれば、形状は適宜選択することができる。例えば、側壁部41の全体、或いは内周面を組合体10の外周に沿った形状とすると、小型化を図ることができる。
そして、リアクトル1Aでは、ケース4Aの四隅にそれぞれ、ケース4A内に収納された組合体10(図1)の外周を覆う封止樹脂100(図1)を充填する際に、封止樹脂の流路に利用する樹脂導入路4rを具える点を最大の特徴とする。
樹脂導入路4rは、ケース4Aの開口側に封止樹脂を供給するノズル200(図4)を配置して、封止樹脂をケース4A内に充填する場合に、ケース4Aの底部40側からケース4Aの開口側に向かって封止樹脂を充填できるように、底部40に封止樹脂を導くための経路である。このような樹脂導入路4rは、ケース4Aの開口側から底部40に向かって形成した溝や貫通孔を利用することができる。
樹脂導入路4rを貫通孔とすると、粘度が高い封止樹脂であってもケース4Aの底部40にまで確実に封止樹脂を導くことができる。粘度が低い封止樹脂では、溝としても底部40にまで十分に導入できる上に、溝は、形成が容易であり、ケースの生産性に優れる。使用する封止樹脂の粘度によって、溝か貫通孔かを選択するとよい。溝と貫通孔とを連続的に設けた混合形態とすることもできる。混合形態では、ケースの開口側を貫通孔とすると、ノズルを配置し易い上に、封止樹脂を底部40にまで導き易い。
上記溝や貫通孔の大きさ(断面積)は、適宜選択することができ、大きいほど、一度に多くの封止樹脂を導入でき、充填時間を短くし易く、小さいほど、小型なケースとすることができる。溝や貫通孔の断面形状も適宜選択することができる。例えば、溝では]状やV字状、貫通孔では矩形状などの多角形状とすることができるが、溝では円弧状(U字状)、貫通孔では円筒状とすると、導入時の抵抗が小さく、充填し易い。
上記溝や貫通孔の形成方向は、ケース4Aの開口側から底部40に向かう方向とする。特に、溝や貫通孔が、ケース4Aの高さ方向(図2では上下方向)に沿って直線状に設けられていると、流路が短い上に、導入時の抵抗も低減でき、充填時間を短くし易い。溝や貫通孔は、ケース4Aの高さ方向に交差するように斜めに設けたり、溝の場合には、その他、屈曲して或いは湾曲して設けたりすると、溝や貫通孔の排出口4oにおいて配置位置の自由度を高められる。
上記溝や貫通孔の一方の開口部:導入口4iは、ケース4Aの開口側に設け、他方の開口部:排出口4oは、ケース4Aの底部40側に設ける。導入口4iは、封止樹脂100に埋設させた形態とすることができるが、封止樹脂100から露出された形態とすると、ノズル200の取り外しを容易に行える。この形態は、導入する封止樹脂の表面(液面)よりも高い位置に導入口4iを設けるとよい。一方、排出口4oは、底部40の内面に近いほど、底部40側から封止樹脂を充填できて気泡を巻き込み難い。封止樹脂の粘度にもよるが、排出口4oの位置は、底部40の内面からケース4Aの高さ方向に、ケース4Aの高さH41の50%未満(0.5×H41未満)、更に30%以下(0.3×H41以下)、特に15%(0.15×H41以下)までに配置することが好ましい。
ケース4A内の空間における溝や貫通孔の形成位置は、適宜選択することができる。この例に示すようにケース4A自体に溝や貫通孔を設ける場合には、側壁部41の任意の位置に設けることができる。後述する実施形態2,3のようにケース以外のリアクトルの構成部材に溝や貫通孔を設けると、ケース4A内の空間における中央領域に当該溝や貫通孔を具える形態とすることができる。ケースの側壁部及びケース内の中央領域の双方に溝や貫通孔を具える形態とすることもできる。
ここでは、ケース4Aの側壁部41の各角部において、当該角を埋めるように、ケース4Aの開口側からケース4Aの底部40に向かって直方体状の厚肉部401が設けられ、各厚肉部401に断面円形状の貫通孔が設けられている。また、この貫通孔は、底部40の内面に直交するように直線状に設けられている。リアクトル1Aでは、この貫通孔を樹脂導入路4rとしている。ケース4Aの側壁部41における任意の位置に厚肉部401を設けることができるが、矩形状のケース4Aでは、ケース4Aの内周面と組合体10(図1)の外周面とでつくられるケース4A内の空間において、角部分がデッドスペースとなり易い。従って、この例に示すように矩形状のケース4Aの角部に、貫通孔を具える厚肉部401を設けると、デッドスペースを有効利用でき、リアクトルの小型化を図ることができる。
厚肉部401においてケース4Aの開口側に配置される端面は、ケース4Aの開口側端面に面一とし、底部40側に配置される端面は、底部40の内面からケース4Aの高さ方向に0.15×H41以下を満たす領域に配置している。従って、樹脂導入路4rは、ケース4Aの開口側端面から底部40側の近傍に亘って設けられている。厚肉部401の端面がケース4Aの開口側端面と面一であるため、ケース4Aの開口側端面に至るまで封止樹脂を充填した場合でも、樹脂導入路4rの導入口4iは、露出されたままであり、封止樹脂100に埋設されない。従って、リアクトル1Aでは、封止樹脂の充填前においてノズル200の配置、及び封止樹脂の充填後においてノズル200の取り外しを容易に行える。また、ノズル200を再利用できる。
更に、ここでは、封止樹脂を導入するためのノズル200が配置される導入口4iを、当該先端201(図4)の形状に適合した形状とし、この部分をノズル200の位置決め部として利用する。この構成により、封止樹脂の充填にあたり、ノズル200をケース4Aの樹脂導入路4rに容易に位置決めできる上に、充填時、ノズル200の位置がずれ難く、封止樹脂を安定して連続供給できる。位置決め部の形状は特に問わない。例えば、ノズル200の先端に突起又は穴を設けておき、導入口の近傍に突起が嵌め込まれる凹部、又は上記穴に嵌め込まれる凸部を具え、これら凹部や凸部を位置決め部に利用することができる。ここでは、導入口4iをテーパ状のノズル200の先端201に応じたテーパ面で構成し、樹脂導入路4rを構成する貫通孔の中心軸と、ノズル200の中心軸とが一致するように導入口4iを形成している。テーパ面といった単純な形状とすることで、位置決め部を容易に形成できる。
更に、ここでは、ケース4Aの底部40側に、樹脂導入路4rを経た封止樹脂をケース4Aの角部から当該角部に続く領域に広げるための拡張ガイド部402を具える。拡張ガイド部402は、ここでは、図2(A)に示すように角部をつくる二面を埋めるように形成された厚肉部分が三角形状に切り欠かれた箇所である。三角形状の面は、樹脂導入路4rの排出口4oを具える厚肉部401の底部40側の端面を構成する。この三角形状の面と底部40の内面との間に三角形状の空間が設けられ、この空間が拡張ガイド部402として機能する。排出口4oを出た封止樹脂は、この空間において角部(排出口4o近傍)を起点として扇状に効率よく広がることができる。拡張ガイド部402の形状や個数は、適宜選択することができる。この例では、四隅の全てに拡張ガイド部402を具える形態であるが、少なくとも一つの角部における拡張ガイド部402を省略することができる。
ケース4Aは、一般に熱伝導性に優れる金属材料によって構成すると、放熱性に優れる。具体的な金属材料は、アルミニウム(熱伝導率:237W/m・K)やその合金、マグネシウム(156W/m・K)やその合金などが挙げられる。アルミニウムやその合金は、軽量で熱伝導性及び耐食性に優れることから、マグネシウムやその合金は、更に軽量で高強度である上に、制振性にも優れることから、車載部品に好適である。金属製のケースは、例えば、ダイキャストといった鋳造法を利用することで、樹脂導入路4rを有するといった複雑な形状であっても、所望の形状に製造できる。鋳造材に適宜切削加工や放電加工などを施すことで、樹脂導入路4rを更に精度よく成形できる。
[封止樹脂]
ケース4A内には、代表的には、封止樹脂が充填される。封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。更に、窒化珪素、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを含有する樹脂とすると、絶縁性に優れる上に、放熱性も高められる。
≪リアクトルの製造方法≫
上記構成を具えるリアクトル1Aは、例えば、組合体の準備⇒組合体のケースへの収納⇒封止樹脂の充填という工程により製造することができる。
コイル2と磁性コア3とを具える組合体10は、例えば、以下のように作製する。図3に示すようにコア片31mやギャップ材31gを積層して内側コア部31を形成し、その外周にインシュレータ5の周壁部51を配置して、コイル素子2a,2bに挿入する。ここでは、コア片31mとギャップ材31gとの積層物の外周に接着テープ(図示せず)を巻回して一体化した内側コア部31を用いている。
次に、コイル2と内側コア部31との組物を挟むようにインシュレータ5の枠板部52A及び外側コア部32を配置する。このとき、内側コア部31の端面31eは、枠板部52の開口部から露出されて外側コア部32の内端面32eに接触する。この工程により、組合体10を得る。
得られた組合体10をケース4Aに収納する。ここでは、図4に示すように、組合体10の各外側コア部32の上に帯状のステーを配置して、このステーにボルトを締め付けることで、ステー・ボルトによって組合体10をケース4Aに固定している。そのため、組合体10は、封止樹脂の充填時などでケース4Aに対する位置がずれ難い。なお、組合体10は封止樹脂によってケース4Aに固定できるため、ステー及びボルトといった固定材を省略してもよい。この工程により、封止樹脂を有しないリアクトルが得られる。
図4に示すように、各樹脂導入路4rにそれぞれノズル200を配置する。ここでは、樹脂導入路4rの導入口4iを位置決め部として、ノズル200の先端201を容易に配置することができる。
ノズル200を介して、所望の封止樹脂をケース4A内に導入する。ノズル200を出た封止樹脂は、樹脂導入路4rを通ることで、ケース4Aの開口側から底部40にまで導かれ、排出口4oを出た封止樹脂は、拡張ガイド部402に沿って底部40の内面に広がる。このようにノズル200からの封止樹脂は、樹脂導入路4rを介して供給されることで、ケース4A内の組合体10をケース4Aの底部40側から順次埋設することができる。
封止樹脂を所望の位置まで充填したら、封止樹脂を適宜硬化する。封止樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、硬化温度に加熱するとよい。この工程により、封止樹脂100(図1)を有するリアクトル1Aが得られる。なお、封止樹脂の導入時の温度を適宜な温度にすることで、特に粘度の高い樹脂では、粘度を低下でき、充填性を向上することができる。
≪用途≫
上記構成を具えるリアクトル1Aは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
≪効果≫
リアクトル1Aは、樹脂導入路4rを具えることで、ケース4Aの底部40側から封止樹脂を充填することができる。従って、リアクトル1Aは、小型化のためや、種々のセンサを収納している場合などでケース4Aとケース4A内に収納された組合体10間の間隔が狭くても、封止樹脂を連続的に供給でき、充填時間を短縮できる。また、リアクトル1Aは、ケース4A内の気体を追い出すようにして底部40側から封止樹脂を充填していくため、気泡を巻き込み難く、封止樹脂の充填後、気泡の排出工程を省略、或いは排出時間の短縮を図ることができる。更に、リアクトル1Aは、樹脂導入路4rがケース4A自体に設けられているため、底部40に封止樹脂を導くための筒体を配置及び除去しなくてよい。これらの点から、リアクトル1Aは、封止樹脂を効率よく充填でき、充填工程の作業時間を短縮できる。従って、リアクトル1Aは、生産性に優れる。
また、リアクトル1Aは、樹脂導入路4rを具えることで、ケース4Aの底部40にまで封止樹脂を強制的に導けるため、高粘度の封止樹脂でも利用でき、封止樹脂の選択の自由度を高められる。更に、樹脂導入路4r内にも封止樹脂が充填されることで、ケース4Aと封止樹脂との接触面積を十分に広く確保できるため、リアクトル1Aは、ケース4A内の組合体10を強固に固定できる。
特に、この例に示すリアクトル1Aは、拡張ガイド部402を具えることで、封止樹脂をケース4Aの底部40で広げ易く、底部40に当たって跳ね返るといった不具合を低減できる。
特に、この例に示すリアクトル1Aでは、樹脂導入路4rの導入口4iがノズル200の先端201の形状に適合した形状であることで、ノズル200を容易に位置決めできる上に、配置状態を維持し易い。
特に、この例に示すリアクトル1Aでは、樹脂導入路4rの導入口4iが封止樹脂に埋設されない位置(ここではケース4Aの開口側端面と同じ高さの位置)に設けられていることで、封止樹脂を充填後、ノズル200を導入口4iから容易に取り外すことができる。また、このことから、リアクトル1Aでは、導入口4iが封止樹脂から露出された状態になる。
特に、この例に示すリアクトル1Aでは、樹脂導入路4rを側壁部41の角部に設けていることで、樹脂導入路4rの存在による大型化を抑制することができる。
〔実施形態2〕
≪リアクトルの全体構成≫
図5,図6を参照して、実施形態2のリアクトル1Bを説明する。リアクトル1Bの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様であり、コイル2と、磁性コア3と、コイル2と磁性コア3とインシュレータ5とを有する組合体10を収納する有底筒状のケース4Bとを具え、ケース4B内に封止樹脂100が充填される。リアクトル1Bの特徴とするところは、ケース4Bに樹脂導入路を具えておらず、インシュレータ5の枠板部52Bの仕切り部520に樹脂導入路52r(図6)を具える点にある。以下、実施形態1との相違点である枠板部52Bを詳細に説明し、実施形態1と共通する構成及び効果は説明を省略する。
[インシュレータの枠板部]
図6に示すように各枠板部52Bはそれぞれ、実施形態1のインシュレータ5の枠板部52Aと同様に、一対の内側コア部31(図3)が挿通される一対の貫通孔と、両孔を連結する領域(枠板部52Bの中間部)に立設された矩形板状の仕切り部520を具える。仕切り部520は、図6(B)に示すように枠板部52Bの上下方向のほぼ全域に亘って設けられ、コイル素子2a,2b(図5)間に介在されたとき、枠板部52Bの一端面は、コイル2において巻線2wの端部が引き出されている一面(図5では上面)の近傍に配置され、枠板部52Bの他端面は、コイル2の一面の対向面(図5では下面。ケース4Bに収納されたときにケース4Bの底部に配置される面)の近傍に配置される。
枠板部52Bにおける樹脂導入路52rの形成位置、形成個数は適宜選択することができる。例えば、枠板部52Bにおいてコイル素子2a,2bの端面を覆う箇所などに樹脂導入路52rを形成することができる。ここでは、コイル素子2a,2b間に配置される仕切り部520に樹脂導入路52rが設けられている。また、ここでは、樹脂導入路52rは、仕切り部520の全長に亘って設けられた直線状の貫通孔(ここでは断面円形状)から構成される。導入口52iは、実施形態1のケース4Aに設けられる樹脂導入路4rと同様に、ノズル200(図5)の先端(図示せず)の形状に沿ったテーパ形状とし、ノズル200を容易に位置決めできるようになっている。樹脂導入路52rは、組合体10がケース4Bに収納された状態では、実施形態1の樹脂導入路4rと同様に、ケース4Bの底部の内面に直交するように、ケース4Bの開口側から底部近傍に亘って配置される(排出口の位置:0.15×ケース4Bの高さ以下)。排出口の近傍を適宜傾斜面などとして、拡張ガイド部を設けることができる。
ここで、コイル素子2a,2b間とケース4Bの底部の内面とで囲まれる小さな隙間(後述の図9(B)に示す三角形状の隙間)は、封止樹脂が充填され難い箇所である。リアクトル1Bでは、コイル素子2a,2b間に配置される仕切り部520に樹脂導入路52rを具えることで、このような封止樹脂が充填され難い箇所にも容易に、かつ確実に封止樹脂を充填することができる。
枠板部52Bは、樹脂導入路52rを具えるといった複雑な形状であっても、上述の絶縁性の樹脂を射出成形などすることで、容易にかつ精度よく成形できる。
[ケース]
実施形態2のリアクトル1Bに具えるケース4Bは、矩形板状の底部と矩形枠状の側壁部41とが一体に成形された直方体状の箱体であり、厚肉部などが無く、実施形態1のケース4Aに比較して簡素な形状であり、生産性に優れる。
≪リアクトルの製造方法≫
上記構成を具えるリアクトル1Bは、実施形態1と同様に組合体の準備⇒組合体のケースへの収納⇒封止樹脂の充填という工程により製造できる。以下、概要のみを述べる。
実施形態1と同様にして、コイル2と磁性コア3とインシュレータ5とを具える組合体10を作製して、ケース4Bに収納することで、封止樹脂を有しないリアクトルが得られる。
一方、枠板部52Bの各樹脂導入路52rに、図5に示すようにノズル200を配置し、ノズル200を介して、所望の封止樹脂をケース4B内に導入する。ノズル200を出た封止樹脂は、樹脂導入路52rを経て、ケース4Bの開口側から底部にまで導かれ、ケース4B内の組合体10をケース4Bの底部側から順次埋設する。特に、この例では、ケース4Bの底部側において、コイル素子2a,2b間に設けられる三角形状の隙間に封止樹脂を確実に導入できる。樹脂導入路52rの導入口52iを封止樹脂に埋設させた形態とする場合には、当該導入口52iが埋設される前に配置したノズル200を導入口52iから離し、この離した状態で残りの封止樹脂を導入すると、充填後、ノズル200の取り外しを容易に行える。充填後、封止樹脂が硬化する前にノズル200を取り外すこともできる。所定の量の封止樹脂を充填後、封止樹脂を適宜硬化することで、封止樹脂100を有するリアクトル1Bが得られる。
≪効果≫
リアクトル1Bも、樹脂導入路52rを具えることで、ケース4Bの底部40側から封止樹脂を効率よく充填でき、生産性に優れる。特に、リアクトル1Bでは、コイル素子2a,2b間に配置される仕切り部520に樹脂導入路52rを具えることで、コイル素子2a,2b間の隙間といった封止樹脂が充填され難い箇所であっても、効率よく充填できる。また、リアクトル1Bでは、インシュレータ5の枠板部52Bに樹脂導入路52rを具えることで、ケース4Bを単純な形状とすることができ、ケース4Bを容易に製造できる。更に、枠板部52Bは、射出成形などを利用することで、樹脂導入路52rを具えるといった複雑な形状であっても、容易に製造できる。
なお、上述した樹脂導入路52rを具える枠板部52Bを用いた場合において、実施形態1で説明した樹脂導入路4rが設けられたケース4Aを具える形態とすることができる。つまり、ケース4Aとインシュレータ5との双方に樹脂導入路4r,52rを具える形態とすることができる。この形態は、封止樹脂の供給量を容易に多くできることから、充填時間を短縮できる。また、樹脂導入路52rの導入口52iを封止樹脂に埋設させる場合には、当該導入口52iが埋設される前に当該導入口52iに配置したノズル200を取り外し、その後は、ケース4Aの樹脂導入路4rを利用して封止樹脂を充填することで、連続的な充填を容易に行える。
〔実施形態3〕
≪リアクトルの全体構成≫
図7〜図9を参照して、実施形態3のリアクトル1Cを説明する。リアクトル1Cの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様であり、コイル2と、磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納し、側壁部41に上述の樹脂導入路4rが設けられた有底筒状のケース4Aとを具え、ケース4A内に封止樹脂100が充填される。リアクトル1Cの特徴とするところは、コイル2の外周が樹脂で覆われた成形品(以下、コイル部品20と呼ぶ)であり、この樹脂(樹脂モールド部21)がコイル2と磁性コア3とを絶縁する絶縁材となり、インシュレータ5を別途具えていない点、この樹脂モールド部21にも樹脂導入路20rを具える点にある。以下、実施形態1との相違点であるコイル部品20を詳細に説明し、実施形態1と共通する構成及び効果は説明を省略する。
[コイル部品]
コイル部品20は、コイル2と、磁性コア3を構成する内側コア部31と、これらを一体に保持する樹脂モールド部21とを具える。樹脂モールド部21は、コイル2の外周を覆うことで、その形状を保持すると共に、上述のように樹脂導入路20rを具えることで、封止樹脂をケース4Aの底部40側から開口側に導入するための部材としても機能する。
樹脂モールド部21の構成樹脂は、リアクトル1Cを使用した際に、コイル2や磁性コア3の最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性を有し、トランスファー成形や射出成形などが可能な絶縁性樹脂が好適に利用できる。例えば、エポキシなどの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの熱可塑性樹脂が挙げられる。上述の封止樹脂の項で列挙した少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを含有する樹脂を樹脂モールド部21に利用すると、絶縁性や放熱性に更に優れるリアクトルが得られる。ここでは、エポキシ樹脂を利用している。
コイル2における樹脂モールド部21の被覆領域は、適宜選択することができ、例えば、コイル2の一部が露出された形態とすることができる。ここでは、図7(B)に示すように巻線2wの端部を除いて、樹脂モールド部21は、コイル2の表面の実質的に全体を覆っている。そのため、リアクトル1Cは、樹脂モールド部21によって、コイル2と磁性コア3や、コイル素子2a,2b(図9(B))間の絶縁性を高められる。また、コイル部品20においてケース4Aの底部40(図9)との接触面は、樹脂モールド部21によって構成される。そのため、リアクトル1Cは、樹脂モールド部21によって、コイル2とケース4Aとの間の絶縁性も高められる。
樹脂モールド部21の厚さは、所望の絶縁特性を満たすように適宜選択することができ、例えば、0.1mm〜10mm程度が挙げられる。薄いほど放熱性を高められ(好ましくは0.1mm〜3mm)、厚いほど絶縁性やコイル部品20の強度を高められる。ここでは、樹脂モールド部21の全体に亘って実質的に均一な厚さとしている。
樹脂モールド部21に、コイル2をその自由長よりも圧縮した状態に保持する機能を持たせると、コイル2の軸方向の長さを短くでき、コイル部品20を小型にでき、ひいてはリアクトル1Cを小型にできる。
そして、樹脂モールド部21には、樹脂導入路20rが設けられている。樹脂導入路20rの形成位置、形成個数は適宜選択することができ、例えば、コイル素子2a,2bの端面を覆う箇所、コイル素子2a,2bの端面と外周面とをつなぐ角部を覆う箇所などに形成することができる。ここでは、コイル素子2a,2b間に、コイル素子2a,2bの軸方向に間隔をあけて二つの樹脂導入路20rを具える。各樹脂導入路20rは、図9に示すように、コイル素子2a,2bの軸方向及び並列方向の双方に直交するように直線状に設けられた貫通孔(ここでは断面円形状)から構成される。導入口20iは、ケース4Aに設けられる樹脂導入路4rと同様に、ノズル200の先端201の形状に沿ったテーパ形状とし、ノズル200を容易に位置決めできるようになっている。樹脂導入路20rは、組合体10がケース4Aに収納された状態では、ケース4Aの樹脂導入路4rと同様に、ケース4Aの底部40の内面に直交するように、ケース4Aの開口側から底部40近傍に亘って配置される(排出口20oの位置:0.15×ケース4Aの高さH41以下)。
[コイル部品の製造方法]
内側コア部31を具えるコイル部品20は、例えば、特開2009-218293号公報に記載される製造方法(但し、中子を内側コア部31にする)を利用することで製造できる。具体的には、開閉可能な金型であって、この金型内に一体に具える支持棒、或いはこの金型に対して進退可能な複数の押圧棒を具えるものを用意する。内側コア部31は、実施形態1で説明したようにして、別途製造しておく。この金型内にコイル2及び内側コア部31を配置した後、上記支持棒や押圧棒によってコイル2を支持する又は圧縮する。また、ここでは、コイル素子2a,2b間に樹脂導入路20rを形成するための棒状の中子を配置する。この中子は、金型に一体に具えると、コイル素子2a,2b間に容易に配置することができる。支持棒などや中子を配置した状態で金型内に樹脂を注入して、樹脂モールド部21を成形する。射出成形や注型成形などを利用することで、コイル2と内側コア部31とを覆うと共に、樹脂導入路20rを具えるといった複雑な形状であっても、樹脂モールド部21を容易に成形できる。樹脂導入路20rを形成するための中子を除去した後、切削加工やレーザ加工などによる後加工を施して、樹脂導入路20rの精度を高めることができる。また、コイル素子2a,2b間の全域に樹脂が充填された成形品を形成した後、レーザ加工や切削加工などにより、コイル素子間2a,2b間や樹脂モールド部21の任意の位置に樹脂導入路20rを形成することもできる。上述のように中子を用いて成形によって樹脂導入路20rを形成すると、樹脂導入路20rの形成にあたり、コイル2を疵付ける恐れが無い。
≪リアクトルの製造≫
上記構成を具えるリアクトル1Cも実施形態1と同様に、組合体の準備⇒組合体のケースへの収納⇒封止樹脂の充填という工程により製造できる。以下、概要のみを述べる。
実施形態3のリアクトル1Cでは、コイル2及び内側コア部31を具えるコイル部品20を上述のように成形し、コイル部品20の樹脂モールド部21から露出された内側コア部31の端面31eに外側コア部32を組み付けて、コイル部品20と外側コア部32との組合体10を得る。
得られた組合体10をケース4Aに収納する。この工程により、封止樹脂を有しないリアクトルが得られる。
一方、図8,図9に示すように、ケース4Aの各樹脂導入路4r、コイル部品20の樹脂モールド部21の各樹脂導入路20rにそれぞれノズル200を配置し、ノズル200を介して、所望の封止樹脂をケース4A内に導入する。ノズル200を出た封止樹脂は、樹脂導入路4r,20rを経て、ケース4Aの開口側から底部40にまで導かれ、ケース4A内の組合体10をケース4Aの底部40側から順次埋設する。特に、ここでは、ケース4Aの底部40側において、コイル素子2a,2b間に設けられる三角形状の隙間(図9(B))に、排出口20oを経た封止樹脂を確実に導入できる。樹脂導入路20rの導入口20iを封止樹脂に埋設させた形態とする場合には、当該導入口20iが埋設される前に当該導入口20iに配置したノズル200を取り外すと、ノズル200が封止樹脂に埋設されず、容易に外すことができる。実施形態3のリアクトル1Cでは、樹脂モールド部21の樹脂導入路20rからノズル200を取り外した後には、ケース4Aの樹脂導入路4rを利用して封止樹脂を充填し続けることができる。所定の量の封止樹脂を充填後、封止樹脂を適宜硬化することで、封止樹脂100(図7(A))を有するリアクトル1Cが得られる。
≪効果≫
リアクトル1Cも、樹脂導入路4r,20rを具えることで、ケース4Aの底部40側から封止樹脂を効率よく充填でき、生産性に優れる。特に、リアクトル1Cでは、ケース4Aの樹脂導入路4rに加えて、コイル部品20の樹脂モールド部21にも樹脂導入路20rを具えることで、時間あたりの封止樹脂の供給量を増大できる上に、コイル素子2a,2b間の隙間といった封止樹脂が充填され難い箇所であっても、効率よく充填できる。また、ケース4Aと樹脂モールド部21との双方に樹脂導入路4r,20rを具えることで、上述のようにノズル200の取り外し時期を異ならせることができ、連続的な充填を行える。これらの点から、リアクトル1Cは、生産性に優れる。
かつ、コイル部品20は、リアクトル1Cを組み立てる際、コイル2が伸縮せず、取り扱い易い上に、コイル2と内側コア部31とを一つの部品として取り扱える。従って、リアクトル1Cでは、部品点数の削減、組立工程の低減、組立作業性の向上を図ることができる。これらの点からも、リアクトル1Cは、生産性に優れる。
なお、コイル部品として、内側コア部31が分離可能な形態、つまり、コイルと樹脂モールド部とにより構成された形態とすることができる。このコイル部品は、樹脂モールド部の構成樹脂により形成される中空孔を有するものとする。この中空孔に内側コア部が挿通配置される。このコイル部品は、内側コア部31に代わり、所定の形状の中子を上述の金型に配置することで製造できる。
また、樹脂モールド部21のみに樹脂導入路20rを具え、ケースに樹脂導入路を具えていない形態とすることができる。この場合、ケースとして、実施形態2で説明した単純な形状のケース4B(図5)を利用できる。
〔実施形態4〕
≪リアクトルの全体構成≫
図10〜図12を参照して、実施形態4のリアクトル1Dを説明する。リアクトル1Dの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様であり、コイル2と、磁性コア3と、コイル2と磁性コア3とインシュレータ5とを具える組合体10を収納し、樹脂導入路41rが設けられた有底筒状のケース4Dとを具え、ケース4D内に封止樹脂100が充填される。リアクトル1Dの特徴とするところは、ケース4Dを構成する底部40と側壁部41とが独立した部材である点にある。以下、実施形態1との相違点であるケース4Dを詳細に説明し、実施形態1と共通する構成及び効果は説明を省略する。
[ケース]
(底部)
底部40は、組合体10を載置する部材である。ここでは、底部40の外表面は、リアクトル1Dが冷却ベースといった設置対象に設置されたときに当該設置対象に接するように配置されて冷却面として利用され、内面には、少なくともコイル2が接合される接合層42(図11)を具える。ここでは、図11に示すように底部40は、矩形板から構成され、四隅に設置対象に固定するためのボルト(図示せず)が挿通されるボルト孔400hを具え、四隅を取付箇所としている。ボルト孔400hは、後述する側壁部41のボルト孔411hに連続するように設けられている。取付箇所の形成位置や個数は適宜選択することができ、取付箇所を省略することもできる。
底部40の材質は、実施形態1のケース4Aと同様に、アルミニウムやマグネシウム、その合金といった金属材料とすると放熱性に優れる。その他の金属材料(銅、銀、チタン、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼など)とすることもできる。この例では、底部40にコイル2を接合することから、アルミニウムなどの非磁性金属とすると、コイル2に磁気的影響を及ぼし難い。このような底部40は、ダイキャストといった鋳造材、鋳造材に圧延を施した圧延材、圧延材などにプレス加工(打ち抜きなど)や切削加工などを施すことで、所定の形状に製造することができる。
(側壁部)
側壁部41は、枠状体であり、一方の開口部を底部40により塞いでケース4Dを組み立てたとき、組合体10(図10)の周囲を囲むように配置され、他方の開口部が開放される。ここでは、側壁部41の外形は、概ね組合体10の外周面に沿った形状であり、底部40側の領域を底部40の外形に沿って矩形状としている。側壁部41の形状は、適宜選択することができ、底部40側の形状が底部40の外形と異なっていてもよい。例えば、底部40の取付箇所が側壁部の外形から突出していて、底部40のみが取付箇所を具える形態、側壁部41が底部の外形から突出する箇所を有しており、この突出箇所を取付箇所とし、側壁部41のみが取付箇所を具える形態とすることができる。
ここでは、側壁部41の開口側領域に、組合体10の各外側コア部32の台形状面をそれぞれ覆うように庇状部412を具える。これら庇状部412によりケース4Dに収納された組合体10は、図10に示すようにコイル2が露出され、磁性コア3は実質的にケース4Dの構成材料に覆われる。庇状部412を具えることで、(1)耐振動性の向上、(2)ケース4D(側壁部41)の剛性の向上、(3)磁性コア3(外側コア部32)の外部環境からの保護や機械的保護、(4)組合体10の脱落防止(当て止め)、(5)端子台としての利用(庇状部412に端子金具(図示せず)を固定する、或いは端子金具を一体に成形した庇状部とする)、といった種々の効果が得られる。一方或いは両方の庇状部412を省略すると、側壁部41をより単純な形状にできる。
側壁部41の構成材料を底部40と同様とする、つまり、金属材料とすると、放熱性や強度に優れるリアクトルとすることができる。或いは、底部40と側壁部41とは別部材であることから、それぞれを異種材料により構成することができる。特に、側壁部41を電気絶縁性及び耐熱性に優れる材料とすると、コイル2を近接配置した場合にも、コイル2とケース4Dとの間の絶縁性を高められる。例えば、側壁部41の構成材料を絶縁性樹脂とすると成形性にも優れ、樹脂導入路41rを具えるといった複雑な形状であっても、容易に成形することができる。具体的な樹脂は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、PBT樹脂、PPS樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、アクリル、ナイロン6、ナイロン66、LCP、ウレタン樹脂といった熱可塑性樹脂が挙げられる。更に、上述の封止樹脂の項で列挙した少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを含有する樹脂を側壁部41に利用すると、絶縁性や放熱性に優れる。
そして、側壁部41は、実施形態1のケース4Aと同様に、ケース4Aの四隅にそれぞれ厚肉部401(ここでは円柱状)が設けられ、この厚肉部401に設けられた円筒状の貫通孔からなる樹脂導入路41rを具える。各樹脂導入路41rは、ケース4Aに具える樹脂導入路4rと同様に、ケース4Dの底部40の内面に直交するように、ケース4Dの開口側から底部40近傍に亘って直線状に配置される(排出口41o(図11(B))の位置:0.15×ケース4Dの高さ以下)。導入口41iは、ケース4Aに設けられる樹脂導入路4rと同様に、ノズル200(図12)の先端(図示せず)の形状に沿ったテーパ形状とし、ノズル200を容易に位置決めできるようになっている。また、ケース4Dも、側壁部41の角部に三角形状の拡張ガイド部402を具え、この拡張ガイド部402をつくる面に排出口41oが設けられている。
ここでは、底部40をアルミニウム合金、側壁部41をPPS樹脂により構成している。従って、リアクトル1Dは、底部40の熱伝導率が側壁部41よりも十分に高く、放熱性に優れる。また、ここでは、コイル2と側壁部41とを近接させており、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔が0mm〜1.0mm程度と非常に狭く、小型化及び放熱性の向上を図ることができる。
(連結方法)
底部40と側壁部41とを一体に接続するには、種々の固定材を利用できる。固定材は、例えば、接着剤や、ボルトといった締結部材が挙げられる。ここでは、底部40及び側壁部41にボルト孔(図示せず)を設け、固定材にボルト(図示せず)を利用し、このボルトをねじ込むことで、両者を一体化している。
(接合層)
接合層42の構成材料は、代表的には、接着剤といった樹脂が挙げられる。特に、絶縁性に優れるものであると、コイル2と底部40との絶縁性を高められる。絶縁性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。更に、上述したアルミナなどのセラミックスからなるフィラーを含有する樹脂を接合層42に利用すると、放熱性及び電気絶縁性を高められる。フィラーの材質や含有量を調整して、熱伝導率が2W/m・K超、更に3W/m・K以上、10W/m・K以上、20W/m・K以上、30W/m・K以上の材料により接合層42を形成すると放熱性を更に高められる。
接合層42は、単層構造、多層構造のいずれも利用できる。単層構造では、シート状接着剤を利用すると、接合層42を非常に簡単に形成できる。多層構造は、各層の構成材質が同種の形態、異種の形態のいずれも利用でき、例えば、電気絶縁性に優れる層や放熱性に優れる層と、密着性に優れる層とを具える多層構造とすることができる。絶縁性に優れる絶縁シート(構成材料:例えば、アミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂など)を介在させた形態とすることもできる。
接合層42の(合計)厚さは、例えば、熱伝導性に優れる材質である場合、1mm以上と厚くしても放熱性に優れ、厚いことで絶縁性や密着性なども高められる。一方、接合層42の厚さを薄くすると放熱性を高められる上に、コイル2と底部40との間の間隔を小さくできるため、小型化を図ることができる。この場合、厚さは1mm以下、更に0.5mm以下が挙げられる。なお、上述の接合層42の厚さとは、接合層42の形成時の厚さであり、組合体10が接合層42に載置された状態では、上記形成時の厚さよりも薄くなり、例えば、0.1mm程度になる場合がある。上述の絶縁シートを具える場合、絶縁シートの厚さが0.5mm以下、更に0.15mm以下、特に0.1mm以下であると、小型化を図ることができる。
接合層42は、底部40に接着剤などを塗布したり、スクリーン印刷などを利用したり、所望の形状に切断したシート状接着剤を配置したりすることで形成できる。ケース4Dは、側壁部41を取り外した状態で接合層42の形成が可能であり、作業性に優れる。
ここでは、接合層42は、アルミナからなるフィラーを含有するエポキシ系接着剤からなるシート状接着剤から構成される(硬化前の厚さ:0.4mm、組合体10の載置後の厚さ:0.1mm)。
接合層42は、コイル2の設置側の面が接触可能な面積を有していれば、形状は特に問わない。ここでは、接合層42は、図11に示すように組合体10の設置面(コイル2及び外側コア部32の双方の設置側の面により形成される面)に沿った形状としている。底部40と側壁部41との一体化にも接着剤(シート状のものを含む)を利用する場合、底部40の全面に接着剤を塗布して、当該接着剤層の一部を接合層42、他の一部を一体化のために利用すると、接着剤の配置工程及び硬化工程を低減でき、生産性に優れる。
その他、金属材料から構成された底部40の表面において、少なくとも接合層42の形成領域に適宜、粗面化処理(アルマイト処理などの陽極酸化処理、公知の手法による分子接合化合物の植え付け、レーザ加工、ショットブラストなどの機械加工など)を施すと、底部40と接合層42との接触面積を増大して、密着性を高められる。底部40において粗面化処理が施された範囲が広いほど、表面積が増大し、放熱性も高められる。
≪リアクトルの製造≫
上記構成を具えるリアクトル1Dは、例えば、組合体・側壁部・底部の準備⇒組合体の載置⇒底部と側壁部との一体化⇒封止樹脂の充填という工程により製造することができる。
[組合体,側壁部,底部の準備]
コイル2と磁性コア3とインシュレータ5とを具える組合体10の作製は、実施形態1と同様にすることができる。射出成形などにより、樹脂導入路41rを具える側壁部41を用意する。素材となる金属板(ここではアルミニウム合金板)を所定の形状に打ち抜いて底部40を形成し、更に接合層42を設ける。
[組合体の載置]
接合層42の上に、組み立てた組合体10を載置した後、接合層42の材質に応じた温度に維持して適宜硬化し、組合体10を底部40に固定する。なお、接合層42によって、コイル2と外側コア部32との位置が固定されることで、ひいては一対の外側コア部32に挟まれた内側コア部31(図3)も位置が固定される。従って、内側コア部31と外側コア部32とを接着剤で接合したり、コア片31m(図3)やギャップ材31g(図3)を接着剤や接着テープなどで接合して一体化していない場合でも、接合層42により、内側コア部31及び外側コア部32を具える磁性コア3を環状に一体化できる。
[底部と側壁部との一体化]
上記組合体10の外周面を囲むように、側壁部41を組合体10の上方から被せ、底部40の上に配置する。ここでは、側壁部41の庇状部412を当たり止めに利用して、底部40に対して適切な位置に側壁部41を配置することができる。そして、上述のようにボルトや接着剤などの固定材によって、底部40と側壁部41とを一体に接続して、ケース4Dを組み立てる。この工程により、図10に示すように箱状のケース4Dが組み立てられると共に、ケース4D内に組合体10が収納された状態とすることができ、封止樹脂を有しないリアクトルが得られる。
[封止樹脂の充填]
一方、ケース4Dの各樹脂導入路41r(図11)にそれぞれ、図12に示すように、ノズル200を配置し、実施形態1と同様に、ノズル200を介して、所望の封止樹脂をケース4D内に導入する。ノズル200を出た封止樹脂は、樹脂導入路41rを経て、ケース4Dの開口側から底部40にまで導かれて、ケース4D内の組合体10をケース4Dの底部40側から順次埋設する。所定の量の封止樹脂を充填後、封止樹脂を適宜硬化することで、封止樹脂100(図10)を有するリアクトル1Dが得られる。
≪効果≫
リアクトル1Dも、樹脂導入路41rを具えることで、ケース4Dの底部40側から封止樹脂を効率よく充填でき、生産性に優れる。特に、リアクトル1Dでは、底部40と側壁部41とが独立した別部材であることで、リアクトル1Dの組み立てにあたり、重量物の組合体10の搬送に伴う負担を軽減したり、側壁部41を外した状態で接合層42の形成や組合体10の配置が行えたりすることからも、生産性に優れる。また、接合層42により組合体10が固定されていることで、封止樹脂の充填時に組合体10の位置がずれず、封止樹脂を連続的に供給できる。更に、側壁部41が樹脂製であることで、樹脂導入路41rを具えるといった複雑な形状であっても容易に製造できることからも、生産性に優れる。加えて、樹脂導入路41rの導入口41iが封止樹脂100に埋設されない位置(ここでは、庇状部412と同じ位置)に設けられることで、封止樹脂の充填後、ノズル200を容易に取り外すことができ、この点からも、リアクトル1Dは生産性に優れる。
その他、実施形態4のリアクトル1Dは、以下の効果を奏する。
(1) 側壁部41が樹脂製であることで封止樹脂との馴染みがよく、密着性に優れる。
(2) 冷却ベースといった設置対象に接する底部40が金属材料によって構成され、この底部40にコイル2が接合層42によって接合されている点、磁性コア3も接合層42を介して底部40に接触して、磁性コア3の熱も設置対象に伝えられる点、巻線2wに被覆平角線を利用して、エッジワイズコイルとすることで、コイル2と接合層42との接触面積が十分に広い点から、コイル2や磁性コア3の熱を設置対象に効率よく伝えられ、放熱性に優れる。
(3) 側壁部41が絶縁性樹脂により構成されているため、軽量である上に、コイル2と側壁部41とを近接配置でき、小型である。
〔変形例1〕
上記実施形態4では、インシュレータ5を具える形態を説明したが、実施形態4のケース4Dに収納する組合体10として、実施形態3のコイル部品20を具える形態とすることができる。この場合、コイル部品20において、コイル2の設置側の面を樹脂モールド部21から露出させて接合層42にコイル2が直接接触する形態とすることができる。この形態は、放熱性に優れる。或いは、樹脂モールド部21が接合層42に接触する形態とすることができる。この形態は、樹脂モールド部21によってコイル2とケース4Dの底部40との絶縁を確保できることから、接合層42を薄くすることができ、この点から放熱性を高められる。
〔変形例2〕
実施形態1〜4に対して、更に、封止樹脂を導入するための流路形成材を具えた形態とすることができる。上述の樹脂導入路に加えて、別途、流路形成材を設けることで、単位時間当たりの封止樹脂の供給量を容易に増大することができ、充填時間の短縮を図ることができる。また、流路形成材は、封止樹脂を充填後、抜き取らず封止樹脂に埋設させたままとすると、抜き取り工程を省略できる。これらの点から、この形態は、リアクトルの生産性を更に向上することができる。
流路形成材の構成材料は、上述のインシュレータの構成材料と同様な絶縁性材料(特に樹脂)とすると、コイル2の近傍に配置された場合でも、コイル2との間の絶縁性を高められる。流路形成材は、適宜な形状の管や樋材によって構成することができる。例えば、流路形成材は、上述の樹脂導入路と同様に直線状の流路とすることができるが、組合体10やケースとは独立した部材であることから、適宜な形状の管や樋材を利用することで、例えば、波形などの曲線形状や段差形状などの複雑な形状の流路を容易に形成できる。流路形成材の導入口も、樹脂導入路と同様にノズルの位置決め部を有すると、ノズルを容易に配置でき、作業性に優れる。流路形成材は、ケース内の任意の空間に配置可能である。例えば、実施形態1,4では、コイル素子2a,2b間、実施形態2,3では、ケースの四隅などが挙げられる。流路形成材の配置位置、大きさや個数は、ケース内の空間に応じて、適宜選択することができる。
〔実施形態5〕
実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図13に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを具える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを具える。なお、図13では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを具える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図14に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを具え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルを具える。生産性に優れるリアクトル1Aなどを具えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110も生産性に優れる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を具える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150の中には、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルなどと同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、外側コア部において磁気的影響が少ない箇所(代表的にはコイルからより遠い箇所)に貫通孔や溝を設けて、この貫通孔などを樹脂導入路に利用することができる。特に、実施形態1で説明したように外側コア部を内側コア部よりもケースの底部側に突出した形状とし、突出した部分に排出口を設けると共に、排出口近傍を適宜な傾斜面などとして、拡張ガイド部を具える形態とすることができる。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)、空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1A,1B,1C,1D リアクトル 10 組合体
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r コイル連結部 2w 巻線
20 コイル部品 20r 樹脂導入路 20i 導入口 20o 排出口
21 樹脂モールド部
3 磁性コア 31 内側コア部 31e 端面 31m コア片 31g ギャップ材
32 外側コア部 32e 内端面
4A,4B,4D ケース 40 底部 41 側壁部 42 接合層
4r,41r 樹脂導入路 4i,41i 導入口 4o,41o 排出口 401 厚肉部
402 拡張ガイド部 400h,411h ボルト孔 412 庇状部
5 インシュレータ 51 周壁部 52A,52B 枠板部 52r 樹脂導入路
52i 導入口 520 仕切り部 525 台座
100 封止樹脂 200 ノズル 201 ノズルの先端
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪

Claims (12)

  1. コイルと、前記コイルが配置される磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される絶縁材と、前記コイルと前記磁性コアとの組合体を収納する有底筒状のケースとを具えるリアクトルであって、
    前記組合体の外周を覆う封止樹脂を前記ケースの底部側から当該ケースの開口側に向かって充填するための樹脂導入路が当該リアクトルの構成部材に一体に形成されていることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記樹脂導入路は、前記ケースにおいて前記組合体の外周を囲む側壁部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記ケースは、
    前記組合体が載置される底部と、
    前記底部とは独立した部材であり、前記底部に取り付けられて、前記組合体の周囲を囲む側壁部とを具えることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記側壁部は、樹脂で構成されていることを特徴とする請求項3に記載のリアクトル。
  5. 前記コイルは、一対のコイル素子を具えており、これらコイル素子の軸が平行するようにこれらコイル素子が横並びされ、
    前記絶縁材として、樹脂で成形され、前記コイル素子間に配置される仕切り部を具え、
    前記樹脂導入路は、前記仕切り部に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記コイルは、一対のコイル素子を具えており、これらコイル素子の軸が平行するようにこれらコイル素子が横並びされ、
    前記絶縁材として、前記コイルの外周を覆い、当該コイルの形状を保持する樹脂モールド部を具え、
    前記樹脂導入路は、前記コイル素子間に配置され、前記樹脂モールド部に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記樹脂導入路において前記ケースの底部側に配置される排出口を経た封止樹脂をケースの底部側で広げるための拡張ガイド部を具えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  8. 前記樹脂導入路における封止樹脂の導入口には、前記封止樹脂を導入するためのノズルの先端が位置決めされる位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  9. 前記ケース内に充填され、前記組合体を覆う前記封止樹脂を具え、
    前記樹脂導入路における封止樹脂の導入口は、前記封止樹脂から露出されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のリアクトル。
  10. 前記ケース内に、更に、前記封止樹脂を導入するための流路形成材を具えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のリアクトル。
  11. スイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、前記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するコンバータであって、
    前記リアクトルは、請求項1〜10のいずれか1項に記載のリアクトルであることを特徴とするコンバータ。
  12. 入力電圧を変換するコンバータと、前記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、
    前記コンバータは、請求項11に記載のコンバータであることを特徴とする電力変換装置。
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