JP6851257B2 - リアクトル - Google Patents

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本発明は、コアがケースに収容されたリアクトルに関する。
リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等をはじめ、種々の用途で使用されている。例えば、車載用の昇圧回路に用いられるリアクトルとして、コアの周囲に配置した樹脂製のボビンにコイルを巻回したものが多く用いられる。
この種のリアクトルは、コアとコアの一部に装着されたコイルとを有するリアクトル本体が、金属製のケースに収容され、ケース内に充填材が充填及び固化されて構成される。すなわち、リアクトル本体は、その四方をケースの金属壁によって囲われており、金属壁によって形成される収容空間の隙間に充填材が充填及び固化される。
特開2013−026420号公報
コイルの巻軸を水平にしてケースに収容する横置きタイプのリアクトルは、放熱性が良好である反面、金属からなるケースのシールド効果に起因して磁気特性が悪化するという問題があった。
これに対し、コイルの巻軸を鉛直にしてケースに収容する縦置きタイプのリアクトルは、磁気特性は横置きタイプと比べて改善されるが、磁気特性及び低損失化が十分でない場合がある。そこで、磁気特性及び低損失化をさらに向上させるために、金属からなるケースの底面や壁に開口部を設けることが考えられるが、これらの底面や壁を介することによるリアクトルの冷却効率が低下し、放熱性が悪化するという問題があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、磁気特性の向上と、低損失化と、放熱性の向上とを並立させることのできる縦置きタイプのリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、コア及びコイルを有するリアクトル本体と、前記リアクトル本体を収容する金属製のケースと、前記コアの周囲の少なくとも一部を覆う樹脂部材と、を備え、前記ケースは、第1の開口部が設けられた底板と、前記底板と一体に設けられ、前記リアクトル本体の周囲を囲う金属壁と、を有し、前記リアクトル本体は、前記コイルの巻軸方向を前記第1の開口部に向けて前記ケース内に収容され、いずれかの金属壁には、前記リアクトル本体の周囲が露出する第2の開口部が設けられ、前記樹脂部材は、前記第1の開口部を塞ぐ樹脂底及び前記第2の開口部を塞ぐ樹脂壁を含み構成され、前記金属壁の内周面を覆い、かつ、前記ケースと接合され、前記樹脂部材には、前記金属壁の内周面を露出させる開口部が設けられ、前記開口部から露出する前記内周面と前記コイルの側周面とが対向すること、を特徴とする。
本発明によれば、磁気特性の向上と、低損失化と、放熱性の向上とを並立させることのできる縦置きタイプのリアクトルを得ることができる。
第1の実施形態に係るリアクトルの全体斜視図である。 第1の実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。 第1の実施形態に係るリアクトルの各ユニットの構成を示す斜視図である。 コアの構成を示す斜視図である。 ケースの前方から見た上面側斜視図である。 ケースの後方から見た上面側斜視図である。 下ユニットの上面側斜視図である。 下ユニットの底面側斜視図である。 樹脂部材の構成を示す斜視図である。 下ユニットの断面図であり、図1のA−A断面を示す。 リアクトルの断面図であり、図1のB−B断面を示す。 上ユニットの底面側斜視図である。 金属壁の内周面を露出させる開口部を説明するための図であり、張出部の先端近傍の拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のリアクトルについて説明する。
[1.第1の実施形態]
[1−1.概略構成]
図1は、第1の実施形態に係るリアクトルの全体斜視図である。図2は、第1の実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。図3は、第1の実施形態に係るリアクトルの各ユニットの構成を示す斜視図である。
リアクトルは、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、電圧の昇降圧等に使用される。本実施形態のリアクトルは、例えばハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等で使用される大容量のリアクトルである。リアクトルは、これら自動車に搭載される昇圧回路の主要部品である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るリアクトルは、コア1と、樹脂部材2と、ケース4と、コイル5と、充填成形部6とを備える。
コア1は、上コア1Aと下コア1Bとから構成され、樹脂部材2は、上コア1Aを被覆する上カバー2Aと、下コア1Bを被覆する下カバー2Bとを有する。下カバー2Bが、下コア1Bとケース4とを一体化して下ユニット10Bを構成し、上コア1Aと上カバー2Aとで上ユニット10Aを構成する。下ユニット10Bの中脚部にコイル5を嵌め込み、上ユニット10Aを下ユニット10Bに組み付け、ケース4内の隙間に充填材を充填及び固化して充填成形部6を構成することでリアクトルを構成する。
[1−2.詳細構成]
本実施形態のリアクトルの各部の詳細構成について、図1〜図3の他、図4〜図12を用いて説明する。なお、本明細書において、図1に示すz軸方向を「上」側、その逆方向を「下」側とする。各部材の構成を説明するのに、「下」は「底」や「裏」とも称する。「上」や「下」とは、リアクトルの各構成の位置関係をいうものであり、リアクトルが実機に搭載された際の位置関係や方向を指すものではない。
コア1は、磁性体を含み構成された環状コアである。コア1としては、フェライトコア、積層鋼板、圧粉磁心、又はメタルコンポジットコアを用いることができる。メタルコンポジットコアとは、磁性粉末と樹脂とを混合した磁性材料を金型で成形してなるコアであり、焼鈍処理されていないコアである。ここでは、コア1は圧粉磁心である。
図4に示すように、コア1は、上コア1Aと下コア1Bとが接合されて構成される。上コア1Aおよび下コア1Bは、E字形状を成すE字型コアであり、同じE字型コアを用いる。このE字型コアは、中央の中脚15と、中脚15の両側に中脚15と平行に設けられた外脚16、17と、各脚15〜17を繋ぐヨーク18とから構成される。
上コア1A及び下コア1Bは、中脚15が、コイル5が装着される中脚部150を構成し、外脚16、17が外脚部160、170を構成し、ヨーク18がヨーク部180を構成する。上コア1Aおよび下コア1Bの外脚16、17は、端面同士が当接して接着剤等により接合され、上コア1Aおよび下コア1Bの中脚15は端面同士が離れており、ギャップが存在する。
すなわち、コア1は、概略θ形状をなし、コイル5が装着される中脚部150と、中脚部150の両側に中脚部150と平行に延びる一対の外脚部160、170と、中脚部150および外脚部160、170を繋ぐヨーク部180とからなる。コイル5が通電するとコイル5の空芯部に磁束が発生し、発生した磁束は中脚部150からヨーク部180、外脚部160、170を介して中脚部150に戻って閉じた磁路を形成する。
下コア1Bは、ケース4に対して、ヨーク18を下にして、中脚15及び外脚16、17が後述するケース4の底板41と直交するように配置され、上コア1Aは、ヨーク18を上にし、脚15〜17を下コア1Bの脚15〜17に向けて配置されている。
ケース4は、コア1およびコイル5を有するリアクトル本体を収容する収容体である。ケース4は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金等、熱伝導性が高く軽量な金属で構成されており、放熱性を有する。ケース4は、少なくとも下カバー2Bと接する面が粗面化されている。換言すれば、ケース4は、ショットブラスト加工又はエッチング処理などにより内周面に微細な凹凸が施されている。
図2、図5及び図6に示すように、ケース4は、上面が開口した概略直方体形状であり、底板41と底板41と一体に設けられた対向する前壁42、後壁43、及び前壁42と後壁43とを繋ぐ側壁44を有する。各壁42〜44は、金属からなる金属壁であり、リアクトル本体の周囲を囲い、リアクトル本体の収容空間を形成する。
底板41および側壁44には、開口部47、48が設けられている。底板41は矩形状であり、中央に矩形状の開口部47が設けられており矩形状の枠をなす。側壁44は、矩形の一部が切り欠かれるようにして矩形状の開口部48が設けられて、底板41と一連のy方向に延びる辺44aと、当該辺44aの両端からz方向に延びて前壁42、後壁43と一連の辺44b、44cとからなるU字形状を成す。これらの辺44a〜44cが開口部48の縁をなす。後壁43と一体の辺44bは、前壁42に向かって突出し、前壁42と一体の辺44cは、後壁43に向かって突出している。前壁42及び後壁43は、互いに平行でy方向に肉厚な略矩形状の壁であり、リアクトル本体が露出する開口部は設けられていない。
前壁42及び後壁43には、コイル5と対向する内壁部分に凹部45が設けられている。凹部45の形状は、y方向に奥まった形状を有し、コイル5の形状に倣った形状を有していても良い。本実施形態では、凹部45の底面、すなわち、xy平面は、コイル5の端面と平行であり、コイル5の端面と近接する。凹部45の数は特に限定されず、ここでは図5に示すように、前壁42には、一対の側壁44の間に少なくとも3箇所設けられている。この凹部45により、ケース4には、x方向に2以上の段差が形成される。凹部45には、底板41から壁42、43の上端までの間の高さに隆起した段部46が底板41の対角線上に設けられ、この段部46に、上コア1Aをケース4に固定するためのネジ穴46aが設けられている。前壁42には、切り欠き部42aがここでは2箇所設けられている。切り欠き部42aは、前壁42において、コイル5の端部51a、51bがリアクトル上方に引き出される近傍に設けられている。すなわち、切り欠き部42aは、前壁42の少なくとも上縁および内側を切り欠くようにして設けられており、z方向において一方は上縁から段部46まで、他方は上縁から凹部45の底部まで切り欠かれてなる。
図2及び図7〜図9に示すように、樹脂部材2は、コア1の周囲を被覆するとともに、ケース4と接合される。樹脂部材2は、金属壁である各壁42〜44の内周面を覆い、当該内周面と接合される。この樹脂部材2には、前壁42及び後壁43の内周面を露出させる開口部20が設けられている。
具体的には、樹脂部材2は、上コア1A周囲の少なくとも一部を被覆する上カバー2Aと、下コア1B周囲の少なくとも一部を被覆する下カバー2Bとを有する。上カバー2Aおよび下カバー2Bは、それぞれ樹脂で構成される。樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等を用いることができる。
下カバー2Bは、ケース4及び下コア1Bをインサート品とする樹脂モールド成形により構成されており、後述する各構成23、24、25、25a、26が同じ樹脂で一続きにしてなり、下コア1B及びケース4を固定する。
図2及び図7〜図9に示すように、下カバー2Bは、下コア1Bの周囲を被覆する被覆部23と、下コア1Bの外脚16、17の外側に立設した左右の壁24と、左右の壁24の両端部に設けられた張出部25と、開口部20と、突起26とを有する。
被覆部23は、開口部47を塞ぐ樹脂底23aを含んで構成され、下コア1Bの周囲を被覆する。樹脂底23aの底面と底板41の底面はそれぞれ面一になっている。被覆部23は樹脂底23aの縁が開口部47の縁と接合されている。また、被覆部23には、外脚16、17の端面を露出させる開口23b、及び外脚16、17の内側の面を露出させる開口23cが設けられている。外脚16、17の内側の面は、コイル5の外周面と対向する。開口23cは、外脚部160、170のコイル5の外周面と対向する面を露出させる、樹脂部材2に設けられる開口の一例である。さらに、被覆部23には、中脚15及びヨーク18の側面を露出させる開口23dが設けられている。
左右の壁24は、略四角形状の板状体であり、前壁42および後壁43の間に設けられている。左右の壁24は、側壁44の開口部48を塞いで側壁44の開口部48の縁と接合されている。左右の壁24は、側壁44の表面と面一になっている。
左右の壁24は、樹脂からなる樹脂壁であり、別部材として作製し、開口部48に嵌め込むようにしてしても良いが、ここでは、被覆部23を構成する樹脂で一続きに構成されている。
張出部25は、壁42〜44の内周に倣った形状を有し、壁42〜44の内周面を覆い、壁42〜44と密着して接合されている。張出部25は、左右の壁24の両端に設けられ、開口部48の縁すなわち辺44b、44cからケース4の内側に張り出しており、その外形が前壁42、後壁43の凹部45に倣った形状を有する。換言すれば、張出部25は、辺44b、44cに接するように張り出しているだけでなく、凹部45にまで張り出しており、前壁42、後壁43又は側壁44とx方向において重なり合う。ここでは、図10に示す丸で囲われた部分において重なり合う。
本実施形態では、張出部25は4箇所に設けられており、それぞれケース4の内側においてケース4の四隅を回り込むようにして張り出している。特に、下カバー2Bの対角位置の張出部25は、固定部21を囲うようにして張り出しており、ネジ挿入孔21a内のネジ91とケース4との絶縁を図る。さらに、前壁42側の張出部25には、張出部25aが設けられ、切り欠き部42aを成す面と密着して接合されている。すなわち、この張出部25aは、前壁42側の張出部25の上端に水平方向に張り出しており、切り欠き部42aに嵌まる。張出部25aは、リアクトルが組み上げられた時に、コイル5の端部51a、51bと前壁42との間に位置し、これらの絶縁を確保する。
開口部20は、ここでは張出部25間に対向して2箇所に設けられており、前壁42及び後壁43の内周面を露出させる。すなわち、開口部20は、コイル5の側周面と壁42、43の内周面とを対向させる。
図7、図9及び図11に示すように、突起26は、下カバー2Bの下コア1Bの中脚15の周囲の被覆部23に設けられている。換言すれば、下コア1Bのヨーク18の内側の面に突起26が設けられている。当該ヨーク18の内側の面と底板41の上面とは面一である。突起26は、その数は特に限定されないが、ここでは4箇所に設けられている。突起26は、例えば断面が円形状であり、下コア1Bの中脚15の延び方向(z方向)と平行に延び、先端が平坦である。突起26には、コイル5の端面と接触し、コイル5が載置される。なお、突起26は、z方向に延びるとともに、例えばy方向にも延びる突条であっても良い。
図12に示すように、上カバー2Aには、中脚15、外脚16、17の端面が露出する開口22a、外脚16、17の内側、外側の側面を露出する開口22b、22cが設けられている。上コア1Aの外脚16、17の内側の面は、コイル5の側周面と対向する。開口22bは、外脚部160、170のコイル5の側周面と対向する面を露出させる、樹脂部材2に設けられる開口の一例である。上コア1Aの外脚16、17の外側の面は、左右の壁24と対向する。また、上カバー2Aには、中脚15及びヨーク18の側面が露出する開口22dが設けられている。
上カバー2Aには、段部46に載置され、上コア1Aをケース4に固定するための固定部21が設けられており、この固定部21にネジ挿入孔21aが設けられている。ネジ挿入孔21aにネジ91が挿入されネジ締結されることで、上コア1Aがケース4に対して固定される。
コイル5は、絶縁被覆を有する導線である。本実施形態では、コイル5は、平角線のエッジワイズコイルである。但し、コイル5の線材や巻き方は平角線のエッジワイズコイルに限定されず、他の形態であっても良い。
図3に示すように、コイル5は、巻軸方向を開口部47に向けてケース4に配置され、コア1の中脚部150に装着される。コイル5の周面は、開口部20から露出する壁42、43の内周面と対向する。図1に示すように、コイル5の両端部51a、51bは、前壁42とコア1との間において、リアクトル上方に引き出されており、外部電源などの外部機器の配線と接続される。
充填成形部6は、ケース4が囲うリアクトル本体の収容空間の隙間に充填材が充填及び固化されてなる。充填材には、リアクトルの放熱性能の確保及びリアクトルからケース4への振動伝搬の軽減のため、比較的柔らかく熱伝導性の高い樹脂が適している。また、充填材は絶縁性を有することが好ましい。
[1−3.作用・効果]
(1)本実施形態のリアクトルは、コア1及びコイル5を有するリアクトル本体と、リアクトル本体を収容する金属製のケース4と、コア1の周囲の少なくとも一部を覆う樹脂部材2と、を備える。ケース4は、開口部47が設けられた底板41と、底板41と一体に設けられ、リアクトル本体の周囲を囲う金属壁である壁42〜44と、を有する。リアクトル本体は、コイル5の巻軸方向を開口部47に向けてケース4内に収容され、側壁44には、リアクトル本体の周囲が露出する開口部48を設けるようにした。そして、樹脂部材2は、開口部47を塞ぐ樹脂底23a及び開口部48を塞ぐ左右の壁24を含み構成され、壁42〜44の内周面を覆い、かつ、ケース4と接合されている。樹脂部材2には、壁42、43の内周面を露出させる開口部20が設けられ、開口部20から露出する壁42、43の内周面とコイル5の側周面とが対向するようにした。
これにより、磁気特性の向上と、低損失化と、放熱性の向上とを並立させることのできる縦置きタイプのリアクトルを得ることができる。すなわち、コイル5の巻軸方向が底板41に向けられる縦置きタイプであっても、底板41に開口部47を設けたことで、ケース4のシールド効果によるインダクタンス低下を抑制し、また、開口部48を設けたことで、開口部48においてコア1からの漏れ磁束によってケース4が発熱することを抑制し、損失の低減が可能となる。
一方、ケース4に開口部47、48を設けたことで、コイル5の熱を逃がす放熱経路が減るとともに、樹脂部材2が金属壁の内周面を覆うため、放熱性が低下する。これに対し、金属壁の内周面を覆う樹脂部材2に、壁42、43の内周面を露出させる開口部20を設け、壁42、43の内周面とコイル5の周面とを対向させるようにしたので、放熱性を向上させることができる。
(2)コア1は、コイル5が装着される中脚部150と、中脚部150と平行に設けられ、コイル5の周囲に配置された外脚部160、170と、中脚部150と外脚部160、170とを繋ぐヨーク部180とを有する環状コアであり、樹脂部材2には、外脚部160、170のコイル5の側周面と対向する面を露出させる開口を設けるようにした。
具体的には、コア1は、中脚部150を構成する中脚15、及び外脚部160、170を構成する外脚16、17をそれぞれ有する上コア1A及び下コア1Bを有し、外脚16、17同士が接合されてなる環状コアであり、樹脂部材2は、上コア1Aの周囲の少なくとも一部を覆う上カバー2Aと、下コア1Bの周囲の少なくとも一部を覆う下カバー2Bと、を有し、前記開口は、下カバー2Bに設けられ、外脚16、17のコイル5の側周面と対向する面を露出させる開口23cとした。
これにより、コイル5の熱を、コア1を介してケース4に放熱することができる。例えば、コイル5の熱は、充填成形部6、コア1、及び樹脂部材2(下カバー2B)を介してケース4に伝達されることで放熱することができる。
上カバー2Aには、外脚16、17のコイル5の側周面と対向する内側の面を露出させる開口22bを設けるようにした。これにより、コイル5の熱を、コア1を介してケース4に放熱することができる。例えば、コイル5の熱は、充填成形部6、コア1、及び樹脂部材2(上カバー2A)を介してケース4に伝達されることで放熱することができる。
上カバー2Aには、外脚16、17の外側の面を露出させる開口22cを設けるようにした。これにより、コイル5の熱を、コア1を介してケース4に放熱することができる。例えば、コイル5の熱は、充填成形部6、コア1、及び樹脂部材2(上カバー2A、下カバー2B)を介してケース4に伝達されることで放熱することができる。また、コイル5の熱は、充填成形部6及び開口22bを介してコア1に伝達し、その後、開口22c及び充填成形部6を介してケース4に放熱することができる。このように、樹脂部材2を介さずにケース4に放熱する放熱経路を形成できるので、放熱性を更に向上させることができる。
(3)下コア1Bがケース4に対して、中脚15及び外脚16が底板41と直交するように配置され、下コア1B及びケース4が下コア2Bにより固定され、下カバー2Bの中脚15の周囲には、コイル5の端面と接触し、コイル5が載置される突起26を設けるようにした。
これにより、コイル5の底板41に対する位置決めが可能となり、放熱性を向上させることができる。すなわち、従来のリアクトルは、コア、コアを被覆するボビン、ボビンの周囲に巻回されたコイルによってリアクトル本体が組み立てられた後に、当該本体をケースに収容していたため、これらの部材の公差が積み重なり、コイルと冷却面となるケース底面との位置関係にバラツキが生じていた。その結果、コイルの熱の放熱性が悪化する場合があった。
これに対し、本実施形態によれば、下コア1Bとケース4とが下カバー2Bにより固定されているので、これらの部材が下ユニット10Bとして一体化されており、下ユニット10Bとコイル5との間、具体的には、コイル5の端面と、被覆部23の下コア1Bの中脚15の周囲であって、ヨーク18の内側を被覆する部分との間の寸法を管理すれば良くなる。そして、当該寸法は突起26を設けたことで管理することができる。その結果、コイル5の位置決めのバラツキが抑制でき、放熱性を向上させることができる。
また、コイル5を冷却するためには、理想的には、底板41と、下コア1Bのヨーク18の内側を被覆する被覆部23とにコイル5の端面が接触していることが望ましい。しかし、コイル5と金属製のケース4とは絶縁を確保する必要がある。また、被覆部23のヨーク18の内側を被覆する部分とコイル5の端面との間で微小な空気層ができることにより熱抵抗が増大する虞がある。そこで、突起26を設けることで、底板41との間で絶縁を確保するとともに、被覆部23のヨーク18の内側を被覆する部分とコイル5の端面との間に充填材を流し込み易くし、充填成形部6を介した放熱性を向上させることができる。
突起26は、下カバー2Bを構成する下コア1Bを被覆する被覆部23の樹脂と一続きでなるようにした。これにより、コイル5とケース4の底板41との間の寸法バラツキを抑制することができる。その結果、安定した放熱性能を有するリアクトルを得ることができる。また、突起26を別途作製し、接着剤等により被覆部23に取り付けるといった製造の工数及びコストを削減することができる。
(4)左右の壁24には、開口部48の縁からケース4の内側に張り出して側壁44の内周と接する張出部25を設けるようにした。
これにより、左右の壁24に外側に向く荷重がかかっても、張出部25が側壁44に引っかかるので、左右の壁24の外側への倒れ及び左右の壁24のケース4からの剥がれを防止することができる。すなわち、充填材の固化の際やコイル5への通電時など、充填材又は充填成形部6が熱膨張することにより、ケース4及び左右の壁24には外側に荷重が加わる。ここで、前壁42および後壁43は、金属からなるため強度が強いが、左右の壁24は樹脂からなるため強度が弱い。そのため、充填成形部6の熱膨張による荷重は、左右の壁24へ集中しやすく、左右の壁24が側壁44から剥がれる虞がある。
これに対し、本実施形態では、左右の壁24の両端部に壁42〜44の内側の形状に倣って張り出した張出部25を設けたので、左右の壁24に外側の荷重がかかっても、張出部25が側壁44、具体的には辺44b、44cに引っかかるので、左右の壁24が剥がれて外側へ倒れるのを防止することができる。その結果、例えば、充填材を固化する際に充填材の漏れを防止することができる。
開口部48が設けられていない前壁42の上縁には、切り欠き部42aを設け、コイル5は、その端部51a、51bが、切り欠き部42aとコア1との間において、上方に引き出され、左右の壁24には、張出部25からさらに張り出して切り欠き部42aに嵌まる、樹脂から成る張出部25aを設けるようにした。
これにより、コイル5の端部51a、51bが前壁42と近接する箇所からリアクトル外部に引き出される場合でも、絶縁を図ることができる。すなわち、金属からなる前壁42は強度が比較的高いものの、絶縁性が低い一方、樹脂からなる左右の壁24は強度的に金属より劣るものの絶縁性が高い。コイル5の端部51a、51bと近接する箇所に切り欠き部42aを設けて、当該切り欠き部42aに張出部25aを設けたことで、充填成形部6の膨張に耐えられる強度向上と、絶縁性向上とを両立することができる。
開口部48が設けられていない前壁42、後壁43の内側には凹部45が設けられ、張出部25は、凹部45にまで張り出すようにした。これにより、側壁44の辺44b、44cだけでなく凹部45にも張出部25が引っかかるので、左右の壁24の外側への荷重に対して更に頑強にすることができる。つまり、側壁44すなわち開口部48の縁と凹部45とにより、図10に示すように、ケース4にx方向に2以上の段差が形成され、この2以上の段差に張出部25が引っかかるので、左右の壁24の外側への荷重に対して更に頑強になる。また、接触面積が増えるのでケース4との接合力を高めることができ、より一層左右の壁24が外側に倒れにくくすることができる。
なお、図7に示すように、開口部20を設けるべく、張出部25の先端250は、ケース4の内周面に対して垂直になっており、樹脂バリが発生していない。すなわち、ケース4の内周の曲面部分に金型を当てて張出部25の先端を形成する場合、曲面部分に金型が上手く当たらないことにより樹脂バリが発生してしまうが、図13に示すように、ケース4の前壁42、後壁43の内周面に平面部分を設けるようにしたので、金型Kを当該平面部分に垂直に当てることが可能となり、樹脂バリを防止できる。この平面部分は、壁42、43を凹ませるようにして設けているので、スペースができる。そのため、金型内にケース4及び下コア1Bを配置する際に、これらの隙間に金型Kを入り込ませることができる。
[2.他の実施形態]
本発明は、第1及び第2の実施形態に限定されるものではなく、下記に示す他の実施形態も包含する。また、本発明は、第1の実施形態及び下記の他の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせた形態も包含する。さらに、これらの実施形態を発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、その変形も本発明に含まれる。
(1)第1の実施形態では、上コア1A、下コア1BをE字型コアとしたが、U字型コア、I字型コアなど他の形状のコアを用いても良い。また、コア1は、環状コアであれば良く、第1の実施形態では、外脚部160、170は中脚部150と平行に一対設けられたが、何れか一方だけでも良い。
(2)第1及び第2の実施形態では、樹脂モールド成形法により下カバー2Bが下コア1Bとケース4とを一体化するようにしたが、別途樹脂モールド成形法により下コア1Bが埋設された下カバー2Bを作製しておき、その作製品をケース4に嵌め込んで下ユニット10Bを構成しても良い。
1 コア
1A 上コア
1B 下コア
10A 上ユニット
10B 下ユニット
15 中脚
16、17 外脚
18 ヨーク
2 樹脂部材
20 開口部
21 固定部
21a ネジ挿入孔
22a〜22d 開口
2A 上カバー
2B 下カバー
23 被覆部
23a 樹脂底
23b〜23d 開口
24 左右の壁
25 張出部
25a 張出部
26 突起
4 ケース
41 底板
42 前壁
42a 切り欠き部
43 後壁
44 側壁
45 凹部
46 段部
46a ネジ穴
47、48 開口部
5 コイル
51a、51b コイルの端部
6 充填成形部
91 ネジ
150 中脚部
160、170 外脚部
180 ヨーク部

Claims (9)

  1. コア及びコイルを有するリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体を収容する金属製のケースと、
    前記コアの周囲の少なくとも一部を覆う樹脂部材と、
    を備え、
    前記ケースは、第1の開口部が設けられた底板と、前記底板と一体に設けられ、前記リアクトル本体の周囲を囲う金属壁と、を有し、
    前記リアクトル本体は、前記コイルの巻軸方向を前記第1の開口部に向けて前記ケース内に収容され、
    いずれかの金属壁には、前記リアクトル本体の周囲が露出する第2の開口部が設けられ、
    前記樹脂部材は、前記第1の開口部を塞ぐ樹脂底及び前記第2の開口部を塞ぐ樹脂壁を含み構成され、前記金属壁の内周面を覆い、かつ、前記ケースと接合され、
    前記樹脂部材には、前記金属壁の内周面を露出させる開口部が設けられ、
    前記開口部から露出する前記内周面と前記コイルの側周面とが対向すること、
    を特徴とするリアクトル。
  2. 前記コアは、前記コイルが装着される中脚部と、前記中脚部と平行に設けられ、前記コイルの周囲に配置された外脚部と、前記中脚部と前記外脚部とを繋ぐヨーク部とを有する環状コアであり、
    前記樹脂部材には、前記外脚部の前記コイルの側周面と対向する面を露出させる第1の開口が設けられていること、
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記コアは、前記中脚部を構成する中脚、及び前記外脚部を構成する外脚をそれぞれ有する上コア及び下コアを有し、前記外脚同士が接合されてなる環状コアであり、
    前記樹脂部材は、前記上コアの周囲の少なくとも一部を覆う第1の樹脂体と、前記下コアの周囲の少なくとも一部を覆う第2の樹脂体と、を有すること、
    を特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記第1の開口は、前記第2の樹脂体に設けられ、前記外脚の前記コイルの側周面と対向する面を露出させること、
    を特徴とする請求項3に記載のリアクトル。
  5. 前記第1の樹脂体には、前記外脚の前記コイルの側周面と対向する内側の面を露出させる第2の開口が設けられていること、
    を特徴とする請求項3又は4に記載のリアクトル。
  6. 前記第1の樹脂体には、前記外脚の外側の面を露出させる第3の開口が設けられていること、
    を特徴とする請求項3〜5の何れかに記載のリアクトル。
  7. 前記下コアが前記ケースに対して、前記中脚及び外脚が前記底板と直交するように配置され、前記下コア及び前記ケースが前記第2の樹脂体により固定され、
    前記第2の樹脂体の前記中脚の周囲には、前記コイルの端面と接触し、前記コイルが載置される突起が設けられていること、
    を特徴とする請求項3〜6の何れかに記載のリアクトル。
  8. 前記突起は、前記第2の樹脂体を構成する前記下コアを被覆する樹脂と一続きでなること、
    を特徴とする請求項7に記載のリアクトル。
  9. 前記上コア及び下コアは、E字型コアであること、
    を特徴とする請求項3〜8の何れかに記載のリアクトル。
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