JP2016213383A - 磁気部品及びこれを用いた電源回路 - Google Patents

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山川 岳彦
Takehiko Yamakawa
岳彦 山川
正拓 山岡
Masahiro Yamaoka
正拓 山岡
崎山 一幸
Kazuyuki Sakiyama
一幸 崎山
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Abstract

【課題】渦電流の増大を抑制し、好適に放熱する磁気部品を提供する。【解決手段】第1コーナー部141と、第1コーナー部141の隣に形成された第2コーナー部142と、を含む略環状の磁性コア131と、磁性コア131を挿通するように巻装された少なくとも1つの巻線102、103と、放熱板105と、を備える。放熱板105は、第1コーナー部141に対向する第1平板領域105aと、第2コーナー部142に対向する第2平板領域105aと、第1平板領域105aと第2平板領域105aとの間に設けられ、平板に複数の穴部が形成されたメッシュ領域105bと、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、DC−DCコンバータのような電力変換回路に用いられる、磁気部品及びこれを用いた電源回路に関するものである。
近年、石油や石炭などの化石燃料の消費を抑え、低炭素社会へ舵を切るため、電気エネルギーから機械エネルギーへのエネルギー変換効率が良い電気自動車などのシステムに用いられるパワーエレクトロニクスが注目されている。パワーエレクトロニクスの一例である電力変換回路を高効率で動作させるためには、高電圧での動作が必要となる。それに伴い、入力側と出力側との間で絶縁されたトランスが多く利用されている。
このようなトランスにおいて、放熱のために多数の放熱孔を備えたカバーを用いることや(特許文献1参照)、ハニカム中空状の放熱板を用いることが提案されている(特許文献2参照)。
特許第5191118号公報 実開平2−68418号公報
しかしながら、上記特許文献1,2では、更なる改善が必要とされていた。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、第1コーナー部と、前記第1コーナー部の隣に形成された第2コーナー部と、を含む略環状の磁性コアと、前記磁性コアを挿通するように巻装された少なくとも1つの巻線と、放熱板と、を備え、前記放熱板は、前記第1コーナー部に対向する第1平板領域と、前記第2コーナー部に対向する第2平板領域と、前記第1平板領域と前記第2平板領域との間に設けられ、平板に複数の穴部が形成されたメッシュ領域と、を含むものである。
本発明によれば、平板部により好適に放熱することができ、メッシュ部により渦電流の増大を抑制することができる。
本実施の形態に係るトランスの構造を示す斜視図である。 図9の比較例のトランスの放熱板における渦電流分布及び表面ロス分布を示す図である。 比較例のトランスにコアギャップが形成された場合の放熱板における渦電流分布及び表面ロス分布を示す図である。 トランスの放熱板のメッシュ部の異なる形状例を示す図である。 放熱板におけるメッシュ部のさらに異なる形状例を示す図である。 トランスのさらに別の構成例を示す斜視図である。 LLC共振型ハーフブリッジ回路の一例を示す回路図である。 LLC共振型フルブリッジ回路の一例を示す回路図である。 比較例のトランスの構造を示す斜視図である。 ハニカム構造の穴を一面に設けた放熱板を示す図である。
(本開示に係る一態様を発明するに至った経緯)
まず、本開示に係る一態様の着眼点について説明する。
図8は、LLC共振型フルブリッジ回路800の一例を示す回路図である。図9は、図8の回路に用いられる比較例のトランス803の構造を示す斜視図である。図8のLLC共振型フルブリッジ回路800は、様々なスイッチング電源、車載などの充電器、更にはパワーコンバータなど、高効率の電源に広く用いられている。
図8のLLC共振型フルブリッジ回路800は、外部の直流電源に接続される一対の接続端子811,812、4つのトランジスタ802、トランス803、整流回路804、及び平滑コンデンサ805を備える。LLC共振型フルブリッジ回路800は、さらに、共振インダクタンス807、共振キャパシタンス808、及び励磁インダクタンス809を備える。
4つのトランジスタ802は、同一構成を有する。トランジスタ802は、例えば、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)又はIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)である。トランジスタ802は、例えば、GaN(窒化ガリウム)又はSiC(炭化珪素)などで形成される。
4つのトランジスタ802は、交互にON、OFF(例えば左上及び右下のトランジスタ802がオンのときは右上及び左下のトランジスタ802がオフ)される。このスイッチングにより、一対の接続端子811,812に接続された直流電源から入力される直流電圧801から交流電圧が得られる。この交流電圧がトランス803の1次側へ入力され、トランス803の2次側へトランス803の巻線比に応じた電圧が生成される。この生成された電圧は、整流回路804で整流され、平滑コンデンサ805で平滑されて、直流電圧806が出力される。
トランス803は、LLC共振型フルブリッジ回路800の1次側のトランジスタ802に接続される1次巻線901と、LLC共振型フルブリッジ回路800の2次側の整流回路804に接続される2次巻線902と、コア903と、放熱板904と、を含む。
1次巻線901は、導線が所定巻数巻回されて形成されている。2次巻線902は、1次巻線901と同心軸に1次巻線901の外側に、導線が所定巻数巻回されて形成されている。
コア903は、4つのコア部を含む。4つのコア部は、X方向に見たときにU字型で同一形状を有する。図9では、コア部911,912,913が明示されており、4つ目のコア部は、2次巻線902により隠れている。コア部911は、2つの磁脚921,922を有する。コア部911の2つの磁脚921,922の先端と、コア部912の2つの磁脚の先端とが互いに当接して、四角の筒状の第1コア部931が形成されている。同様に、コア部913の2つの磁脚の先端と、4つ目のコア部の2つの磁脚の先端とが互いに当接して、四角の筒状の第2コア部932が形成されている。
第1コア部931と第2コア部932とは、Y方向に隣接して配置されている。このとき、第1コア部931と第2コア部932との隣接している磁脚が、それぞれ1次巻線901の内側に挿通し、第1コア部931の筒の内部と第2コア部932の筒の内部とに1次巻線901と2次巻線902とが配置されるように、第1コア部931と第2コア部932とが構成されている。
コア903において発生する鉄損により熱が発生する。放熱板904は、この発生した熱をトランス803の下方に配置した水冷もしくは空冷などの冷却構造へ逃がすためのものである。放熱板904は、コア903に近接して配置されている。放熱板904は、例えばアルミニウムなどの非磁性体で形成されている。図9の放熱板904は、平板状に形成されているが、図10のようにハニカム構造の穴を一面に設けた放熱板1001を用いてもよい。
尚、図9では、1次巻線901及び2次巻線902とコア903との間における絶縁性、及び1次巻線901と2次巻線902との巻線同士の間における絶縁性を確保するための絶縁ボビンの図示が省略されている。しかし、実際には、トランス803は、絶縁ボビンを有しており、絶縁ボビンに導線を巻回して巻線を形成することにより各部材の位置決め及び絶縁性が確保されている。
図8のLLC共振型フルブリッジ回路800において、トランジスタ802のスイッチングロスを抑制するために、共振インダクタンス807と共振キャパシタンス808と励磁インダクタンス809との共振回路によるZVS(Zero Volt Switching)技術が用いられる。
共振インダクタンス807のインダクタンス値をLsとし、共振キャパシタンス808のキャパシタンス値をCsとし、励磁インダクタンス809のインダクタンス値をLpとすると、最小共振周波数fLは、下記式(1)で表され、最大共振周波数fHは、下記式(2)で表される。
fL=1/[2π×√{Cs×(Ls+Lp)}] (1)
fH=1/{2π×√(Cs×Ls)} (2)
負荷の大きさによって、共振周波数fRは、最小共振周波数fLと最大共振周波数fHとの間で変化する。
通常のスイッチング電源でのスイッチング周波数は数十kHz〜数MHzである。このようなスイッチング周波数では、共振インダクタンス807のインダクタンス値をLs及び励磁インダクタンス809のインダクタンス値Lpとしては、数μ〜数十μH程度が一般的である。励磁インダクタンス809において、このような低いインダクタンス値を実現するためには、トランス803のコア903にギャップを設けるか、コア903として数十程度の低い透磁率を有するコアを用いる必要がある。
ここで、コア903の透磁率は、磁束をコア903内に閉じ込めるレベルを表す指数でもある。したがって、透磁率が例えば100以下と低いコア903を用いると、コア903から周辺に磁束が漏れてしまう。すると、その漏れ磁束が放熱板904と鎖交し、放熱板904に渦電流を発生させる。その結果、放熱板904での損失増加、及び放熱板904の高温化を招く。また、1次巻線901の自己インダクタンスL1及び2次巻線902の自己インダクタンスL2、更には共振インダクタンス807にも影響のあるトランス803のリーケージインダクタンスLeの低下も引き起こされる。
一方、図10に示されるハニカム構造の穴を一面に設けた放熱板1001では、渦電流の発生は低減されるが、図9に示される平板状の放熱板904に比べて放熱性が低い。このため、発生した熱が放熱板1001を通して、コア903の下面に設けられた冷却構造へ良好に伝達しない。
以上の考察により、本発明者らは、以下のように本開示にかかる各態様の発明を想到するに至った。
本開示にかかる一態様は、第1コーナー部と、前記第1コーナー部の隣に形成された第2コーナー部と、を含む略環状の磁性コアと、前記磁性コアを挿通するように巻装された少なくとも1つの巻線と、放熱板と、を備え、前記放熱板は、前記第1コーナー部に対向する第1平板領域と、前記第2コーナー部に対向する第2平板領域と、前記第1平板領域と前記第2平板領域との間に設けられ、平板に複数の穴部が形成されたメッシュ領域と、を含むものである。
この態様では、第1平板領域及び第2平板領域は、それぞれ、磁性コアの第1コーナー部及び第2コーナー部に対向する。したがって,この態様によれば、第1平板領域及び第2平板領域により好適に放熱される。また、この態様では、メッシュ領域は、第1平板領域と第2平板領域との間に設けられている。メッシュ領域では、平板に複数の穴部が形成されている。磁性コアの表面からの漏れ磁束の量は、第1コーナー部及び第2コーナー部より、第1コーナー部と第2コーナー部との間の方が多い。一方、メッシュ領域では、複数の穴部により渦電流が容易に流れない。このため、この態様によれば、磁性コアの表面からの漏れ磁束の量は、第1コーナー部及び第2コーナー部より、第1コーナー部と第2コーナー部との間の方が多いが、メッシュ領域の複数の穴部によって、渦電流の増大が抑制される。
上記態様において、前記磁性コアは、第1コア部と、前記第1コア部と協働して略環状の外形輪郭を規定する第2コア部と、を含み、前記メッシュ領域は、前記第1コア部と前記第2コア部との境界に対向してもよい。
この態様では、磁性コアは、第1コア部と、第1コア部と協働して略環状の外形輪郭を規定する第2コア部と、を含む。メッシュ領域は、第1コア部と第2コア部との境界に対向する。この境界では、漏れ磁束の量が第1コーナー部及び第2コーナー部より多い。しかし、メッシュ領域の複数の穴部によって、漏れ磁束に起因する渦電流の増大が抑制される。
上記態様において、前記複数の穴部は、前記放熱板上の熱の流れに沿う熱流方向に延びてもよい。
この態様では、放熱板上の熱の流れに沿う熱流方向に、複数の穴部は延びる。したがって、この態様によれば、複数の穴部が熱流方向と直交する方向に延びる場合に比べて、熱の流れが穴部により妨げられることが抑制される。
上記態様において、前記複数の穴部は、長方形穴、長角丸穴、及び楕円穴のうち少なくとも1つを含んでもよい。
上記態様において、前記複数の穴部は、千鳥配置パターンの下で形成されてもよい。
この態様によれば、複数の穴部は、千鳥配置パターンの下で形成されているため、渦電流が穴部により滑らかに流れなくなるため、渦電流の増大が抑制される。
上記態様において、前記メッシュ領域は、前記放熱板上の熱の流れに沿う熱流方向に延びる第1メッシュ領域と、前記第1メッシュ領域の隣で前記熱流方向に延びる第2メッシュ領域と、を含み、前記複数の穴部は、前記第1メッシュ領域内で前記熱流方向に整列する複数の第1穴部と、前記第2メッシュ領域内で前記熱流方向に整列する複数の第2穴部と、を含み、前記複数の第1穴部は、前記複数の第2穴部に対して、前記熱流方向にずれた位置に形成されていてもよい。
この態様では、メッシュ領域は、熱流方向に延びる第1メッシュ領域と、第1メッシュ領域の隣で熱流方向に延びる第2メッシュ領域と、を含む。複数の穴部は、第1メッシュ領域内で熱流方向に整列する複数の第1穴部と、第2メッシュ領域内で熱流方向に整列する複数の第2穴部と、を含む。複数の第1穴部は、複数の第2穴部に対して、熱流方向にずれた位置に形成される。したがって、この態様によれば、複数の第1穴部が、複数の第2穴部に対して、熱流方向に直交する方向にずれた位置に形成される場合に比べて、熱の流れが穴部により妨げられることが抑制される。
本開示にかかる別の態様は、上記各態様のいずれかと、直流電源に接続される一対の接続端子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、整流回路とを備え、前記磁気部品は、前記少なくとも1つの巻線として1次巻線と2次巻線とを備えるトランスであり、前記一対の接続端子の間に、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが直列に接続され、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの接続点に前記トランスの1次巻線が接続され、前記トランスの2次巻線に前記整流回路が接続されるものである。
この態様では、一対の接続端子に直流電源が接続された状態で、第1のトランジスタと第2のトランジスタとが交互にオンオフされると、1次巻線と2次巻線との巻数比に応じた交流電圧が、トランスの2次巻線に生成され、この交流電圧が整流回路により整流されて、直流電圧が得られる。そして、磁性コアの第1コーナー部及び第2コーナー部に対向する第1平板領域及び第2平板領域によって、好適に放熱される。また、磁性コアの表面からの漏れ磁束の量は、第1コーナー部及び第2コーナー部より、第1コーナー部と第2コーナー部との間の方が多いが、メッシュ領域の複数の穴部によって、渦電流の増大が抑制される。
(実施の形態)
以下本発明に係る一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、同じ構成要素については同じ符号が用いられている。
図1は、本実施の形態に係るトランスの構造を示す斜視図である。図1に示されるトランス101は、図8に示されるLLC共振型フルブリッジ回路800において、トランス803に代えて用いられる。
図1に示されるトランス101では、コアギャップは設けられておらず、例えば百以下の低い透磁率を有するコアが用いられている。これによって、励磁インダクタンス809の低いインダクタンス値が実現されている。
図1において、トランス101は、LLC共振型フルブリッジ回路800の1次側のトランジスタ802に接続される1次巻線102と、LLC共振型フルブリッジ回路800の2次側の整流回路804に接続される2次巻線103と、コア体104と、放熱板105と、を備える。
1次巻線102は、導線が所定巻数巻回されて形成されている。2次巻線103は、1次巻線102と同心軸に1次巻線102の外側に、導線が所定巻数巻回されて形成されている。
コア体104は、4つのコア部を含む。図1では、4つのコア部のうちコア部111,112,113が明示されており、4つ目のコア部は2次巻線103により隠れている。4つのコア部は、X方向に見たときにU字型で同一形状を有する。
コア部111(第1コア部)は、2つの磁脚121,122を有する。コア部111の2つの磁脚121,122の先端と、コア部112(第2コア部)の2つの磁脚の先端とが互いに当接して、四角の筒状の磁性コア131が形成されている。
同様に、コア部113(第1コア部)の2つの磁脚の先端と、4つ目のコア部(第2コア部)の2つの磁脚の先端とが互いに当接して、四角の筒状の磁性コア132が形成されている。磁性コア131及び磁性コア132は、それぞれ、磁束が通る閉ループを有する環状に形成されている。
磁性コア131と磁性コア132とは、Y方向に隣接して配置されて、コア体104が構成されている。このとき、磁性コア131と磁性コア132との隣接している磁脚が、それぞれ1次巻線102の内側に挿通し、磁性コア131と磁性コア132との筒(環状)の内部に1次巻線102と2次巻線103とが配置されるように、磁性コア131と磁性コア132とが構成されている。
磁性コア131及び磁性コア132において発生する鉄損により熱が発生する。放熱板105は、この発生した熱をトランス101の下方に配置した水冷もしくは空冷などの冷却構造へ逃がすためのものである。放熱板105は、例えばアルミニウムなどの非磁性体で形成されている。
放熱板105は、X方向から見たときにU字型形状を有し、図1中、上方(Z方向)からコア体104を覆うように配置されている。放熱板105は、平板領域105aと、メッシュ領域105bとを有する。
平板領域105aは、磁性コア131のコーナー141(第1コーナー部の一例)に対向する領域(第1平板領域の一例)と、磁性コア131のコーナー142(第2コーナー部の一例)に対向する領域(第2平板領域の一例)と、に設けられている。また、平板領域105aは、磁性コア132のコーナー143に対向する領域と、磁性コア131と磁性コア132との隣接部144に対向する領域と、に設けられている。なお、図1には表れていないが、放熱板105の奥側の側面(XZ面)にも、手前側の側面(XZ面)と同じ位置に、平板領域105aとメッシュ領域105bとが設けられている。
メッシュ領域105bには、平板に複数の正方形の穴106がマトリクス状に形成されている。メッシュ領域105bは、平板領域105aと平板領域105aとに挟まれた平坦な領域に設けられている。
尚、図1では、1次巻線102及び2次巻線103とコア体104との間における絶縁性、及び1次巻線102と2次巻線103との巻線同士の間における絶縁性を確保するための絶縁ボビンの図示が省略されている。しかし、実際には、トランス101は、絶縁ボビンを有しており、絶縁ボビンに導線を巻回して巻線を形成することにより各部材の位置決め及び絶縁性が確保されている。
以上のように構成されたトランス101の動作について説明する。4つのトランジスタ802のスイッチングにより生成された交流電圧が1次巻線102に入力されると、磁性コア131及び磁性コア132において、それぞれ環状に磁束が発生する。この磁束により、トランス101の1次巻線102と2次巻線103との巻数比に応じた電圧が2次巻線103に生成され、出力側に接続される負荷の大きさに応じた出力電流が発生する。
図2は、図9に示される比較例のトランス803の放熱板904における渦電流分布及び表面ロス分布を示す図である。図2では、濃淡の表示により渦電流密度(表面ロスの大小)が表されている。すなわち、濃い領域201は、渦電流が疎で表面ロスが小さい領域である。薄い領域202は、渦電流が密で表面ロスが大きい領域である。
図3は、図9に示される比較例のトランス803にコアギャップが形成された場合の放熱板904における渦電流分布及び表面ロス分布を示す図である。図3では、トランス803のコア部の磁脚同士が当接する部分に、例えば数十μm〜数mmのコアギャップを形成することにより、励磁インダクタンス809のインダクタンス値Lpとして低い値が実現されている。図3では、図2と同様に、濃い領域201は、渦電流が疎で表面ロスが小さく、薄い領域202は、渦電流が密で表面ロスが大きい。特に、コアギャップに近接した最も薄い領域301は、放熱板904全体のなかで、渦電流が最も密で表面ロスが最も大きい領域である。
図2、図3から分かるように、図1の放熱板105において、コーナー141,142,143等に対向する領域と、磁性コア131と磁性コア132との隣接部144に対向する領域とにおいては、発生する渦電流の密度が低い。すなわち、これらの領域ではコア104からの漏れ磁束が少ない。そこで、これらの領域では、放熱板105の平板領域105aが配置されている。このように平板領域105aを配置することによって、これらの領域における放熱性が向上されている。
一方、図1の放熱板105において、コーナー141,142,143等に対向する領域及びの隣接部144に対向する領域の間における平坦な領域、及び特に磁脚同士が当接した部分に対向する領域では、メッシュ領域105bが配置されている。メッシュ領域105bに形成された穴106により渦電流の流れる経路が断ち切られる。これによって、放熱板105に発生する渦電流の密度の増大が抑制されている。このように、図1のトランス101は、漏れ磁束の疎密に応じて平板領域105aとメッシュ領域105bとの混合放熱構造を有する放熱板105を備えている。
図4は、トランス101の放熱板105のメッシュ領域105bの異なる形状例を示す図である。図4では、放熱板105の側面(XZ面)のメッシュ領域105bの一部が拡大されて示されている。
図1では、メッシュ領域105bは、同一サイズの正方形の穴106が形成された構造とされていた。これに対して、図4のメッシュ領域105bでは、長辺と短辺とを有する長方形の穴401が形成された構造とされている。長方形の穴401では、Z方向が長辺方向とされ、X方向が短辺方向とされている。
図1の正方形の穴106の一辺が図4の長方形の穴401の短辺とされた場合、すなわち、図4の長方形の穴401が、図1の正方形の穴106を、X方向はそのままでZ方向(熱流方向)に延ばして形成された場合、図1に比べZ方向の熱伝導経路402の数はそのままで、X方向の渦電流の経路の数が減少する。このため、渦電流の密度が低減する。
また、図1の正方形の穴106の一辺が図4の長方形の穴401の長辺とされた場合、すなわち、図4の長方形の穴401が、図1の正方形の穴106を、Z方向(熱流方向)はそのままでX方向に短縮して形成された場合、図1に比べ渦電流の経路の数はそのままで、Z方向の熱伝導経路402の数が増加する。このため、放熱板105の放熱性が向上する。
図5は、放熱板105におけるメッシュ領域105bのさらに異なる形状例を示す図である。図5では、図4と同様に、放熱板105の側面(XZ面)のメッシュ領域105bの一部が拡大されて示されている。
図5のメッシュ領域105bは、Z方向(熱流方向)に延びる第1メッシュ領域501と、第1メッシュ領域501の隣でZ方向に延びる第2メッシュ領域502とを含む。また、図5のメッシュ領域105bには、第1メッシュ領域501内でZ方向に整列する複数の長方形の穴511と、第2メッシュ領域502内でZ方向に整列する複数の長方形の穴512と、が形成されている。
複数の長方形の穴511は、複数の長方形の穴512に対して、Z方向にずらした位置に形成されている。これによって、図5のメッシュ領域105bでは、穴が千鳥配置パターンに形成されている。図5のように形成されたメッシュ領域105bによれば、Z方向の熱伝導経路は図4と同じであるが、渦電流の流れるX方向の経路は、図4に比べて更に迂回され、渦電流の密度の低減が可能となる。
(変形例)
上記実施の形態では、放熱板105は、X方向から見たときにU字型形状を有するものとしたが、これに限られない。放熱板105は、漏れ磁束の疎密に応じた位置に平板領域105aとメッシュ領域105bとが配置されていればよい。例えば、コア104の1面だけを覆う平板状の放熱板105でもよく、コア104の全周を覆うように配置された放熱板105でもよい。
上記実施の形態では、図1に示されるように、トランス101は、1次巻線102が内側に配置され、2次巻線103が外側に配置された構成としたが、これに限るものではない。例えば、1次巻線102と2次巻線103とを入れ替えて、1次巻線102が外側に配置され、2次巻線103が内側に配置された構成でもよい。
図6は、トランスのさらに別の構成例を示す斜視図である。図6では、トランス601において、1次巻線602がZ方向において上側に配置され、2次巻線602がZ方向において1次巻線602の下側に配置されている。
図6の放熱板105では、図6中、手前側の側面(XZ面)において、1次巻線602と2次巻線603との境界に対向する領域に、平板領域105aが設けられている。
図6に示される水平巻構造のトランス601でも、漏れ磁束の疎密に応じた位置に平板領域105aとメッシュ領域105bとが配置された放熱板105を備えることにより、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
上記実施の形態では、トランス101を図8に示されるLLC共振型フルブリッジ回路800に用いる例が説明されたが、これに限られない。
図7は、LLC共振型ハーフブリッジ回路700の一例を示す回路図である。図7に示されるように、図1のトランス101をLLC共振型ハーフブリッジ回路700に用いてもよい。また、LLC共振型に代えて、PWM制御により出力電圧が制御される位相シフトフルブリッジ回路にトランス101を用いてもよい。
上記実施の形態では、トランス101にはコアギャップが形成されていないが、コアギャップが形成されているトランスでもよい。すなわち、コア部111の2つの磁脚121,122の先端と、コア部112の2つの磁脚の先端との間に、ギャップが設けられていてもよい。なお、コアギャップが設けられていても、磁性コア131及び磁性コア132は、それぞれ、磁束が通る閉ループを有すると考えることができる。あるいは、コアギャップを形成せずに、低透磁率のコアを用いたトランスでもよい。
上記実施の形態では、トランス101が用いられているが、これに限られない。例えばリアクトル又はチョークなどの磁気部品でもよい。漏れ磁束の多い領域と少ない領域とを有する磁気部品に放熱板105を設けることにより、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
上記実施の形態では、図1に示されるように、メッシュ領域105bには、正方形の穴106が形成されているが、穴106の形状はこれに限られない。穴106の形状を六角形又は円としても、渦電流を低減することは可能である。また、長方形とされているメッシュ領域105bの穴401(図4)及びメッシュ領域105bの穴501(図5)の形状も、長方形の角が丸みを帯びた長角丸形状又は楕円形状などのZ方向に延びた形状としても、長方形の場合と同様の効果が得られる。
図7及び図8の回路において、共振インダクタンス807は、2次巻線103と結合しない1次巻線102側のリーケージインダクタンスLeで実現してもよいし、外付けのインダクタンスで実現してもよい。共振インダクタンス807をリーケージインダクタンスで実現した場合には、外付けのインダクタンスが不要になるため、回路の小型化を図ることができる。
上記実施の形態では、トランス101の下部に水冷もしくは空冷などの冷却構造を配置した例が説明されたが、冷却構造は、これに限られない。放熱板105の平板領域105aに放熱フィンを形成した冷却構造であっても良い。
上記実施の形態では、磁性コア131,132は、それぞれ2つのコア部で形成されているが、これに限られず、3つ以上のコア部で形成されてもよい。
上記実施の形態において、コーナー141,142,143等は、直角の角部ではなくて、丸みを帯びた角部であってもよい。
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
本発明にかかる磁気部品及びこれを用いた電源回路は、民生機器から車載充電器などの様々な電源回路に応用可能である。
101,601 トランス
102,602 1次巻線
103,603 2次巻線
104 コア
105 放熱板
105a 平板領域
105b メッシュ領域
802 トランジスタ
804 整流回路
811,812 一対の接続端子

Claims (7)

  1. 第1コーナー部と、前記第1コーナー部の隣に形成された第2コーナー部と、を含む略環状の磁性コアと、
    前記磁性コアを挿通するように巻装された少なくとも1つの巻線と、
    放熱板と、を備え、
    前記放熱板は、
    前記第1コーナー部に対向する第1平板領域と、
    前記第2コーナー部に対向する第2平板領域と、
    前記第1平板領域と前記第2平板領域との間に設けられ、平板に複数の穴部が形成されたメッシュ領域と、を含む、
    磁気部品。
  2. 前記磁性コアは、第1コア部と、前記第1コア部と協働して略環状の外形輪郭を規定する第2コア部と、を含み、
    前記メッシュ領域は、前記第1コア部と前記第2コア部との境界に対向する、
    請求項1記載の磁気部品。
  3. 前記複数の穴部は、前記放熱板上の熱の流れに沿う熱流方向に延びる、
    請求項1または2記載の磁気部品。
  4. 前記複数の穴部は、長方形穴、長角丸穴、及び楕円穴のうち少なくとも1つを含む、
    請求項3記載の磁気部品。
  5. 前記複数の穴部は、千鳥配置パターンの下で形成される、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気部品。
  6. 前記メッシュ領域は、前記放熱板上の熱の流れに沿う熱流方向に延びる第1メッシュ領域と、前記第1メッシュ領域の隣で前記熱流方向に延びる第2メッシュ領域と、を含み、
    前記複数の穴部は、前記第1メッシュ領域内で前記熱流方向に整列する複数の第1穴部と、前記第2メッシュ領域内で前記熱流方向に整列する複数の第2穴部と、を含み、
    前記複数の第1穴部は、前記複数の第2穴部に対して、前記熱流方向にずれた位置に形成される、
    請求項5記載の磁気部品。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気部品と、
    直流電源に接続される一対の接続端子と、
    第1のトランジスタと、
    第2のトランジスタと、
    整流回路と
    を備え、
    前記磁気部品は、前記少なくとも1つの巻線として1次巻線と2次巻線とを備えるトランスであり、
    前記一対の接続端子の間に、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが直列に接続され、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの接続点に前記トランスの前記1次巻線が接続され、
    前記トランスの前記2次巻線に前記整流回路が接続される、
    電源回路。
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