JP7296047B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトルに関し、より詳しくは導線が巻回された筒状のコイル導体と磁性体材料を含有した磁心コアとを備え、これらがケースに収容されたリアクトルに関する。
リアクトルはインダクタンスを利用した受動素子であり、近年、回路素子の一要素として様々な電子機器に搭載されている。
例えば、電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載されるインバータには、バッテリ電圧を昇圧又は降圧させるコンバータが組み込まれており、リアクトルはコンバータの基幹部品として使用されている。この種のリアクトルについては、従来より、盛んに研究・開発が行われている。
例えば、特許文献1には、図31に示すように、筒状のコイル101と、 前記コイル101の内外に配置されて閉磁路を形成するコア102(内側コア102a及び外側コア102b)と、前記コイル101と磁心コア102を収納するケース103とを有し、 磁心コア102の少なくとも一部は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成され、前記コイル101の表面を覆って、その形状を保持する樹脂モールド部104と、 樹脂モールド部104を介してコイル101と一体に保持され、ケース103の少なくとも一部を構成する非磁性金属材料からなる放熱台部105とを備えたリアクトルが提案されている。
特許文献1では、ケース103に放熱台部105を固定させると共に、樹脂モールド部104を介してコイル101と放熱台部105とを一体化させることにより、コイル101で発生した熱を放熱台部105に伝搬させて放熱させ、これにより放熱性を確保しようとしている。
特開2013-93548号公報(請求項1、段落[0011]~[0013]、[0040]、図1等)
しかしながら、特許文献1では、大部分の磁束はコア102内を通過するが、一部の磁束はコア102から漏れて漏れ磁束となり、該漏れ磁束がコイル101やケース103と鎖交し、該コイル101やケース103で渦電流が発生する。
図32は、図31のa-a矢視断面図であり、図33は、図31のb-b矢視断面図である。
特許文献1では、通電時にコア102からの漏れ磁束が生じると、該漏れ磁束は、図32の矢印cに示すように、樹脂モールド部104やコイル101の端縁を通過することから、漏れ磁束は、端縁部dでコイル101と鎖交し、この鎖交が原因でコイル101の端縁近傍で渦電流が発生するおそれがある。
また、前記漏れ磁束は、図33の矢印eに示すように、コイル101の端縁部fから金属製のケース103に入射するおそれがある。この場合、漏れ磁束は、図中、gに示すように、ケース103に入射して該ケース03と鎖交し、上述と同様、ケース103に渦電流が発生するおそれがある。
そして、コイル101の端縁部やケース103で発生する渦電流は、渦電流損となって温度上昇を招いたり、磁気損失の増大などの磁気特性の劣化を招くおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、渦電流の発生を抑制し低磁気損失で大きな磁束密度を有し、インダクタンスの大きな小型で高性能のリアクトルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るリアクトルは、筒状に形成されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを備え、前記コイル導体及び前記磁心コアがケースに収容されたリアクトルであって、前記コイル導体は、導線が巻回されたコイル部と、該コイル部の表面を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部とを有し、前記第1の非磁性体部の表面であって前記コイル部の端縁上には、第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部が形成されると共に、前記第2の非磁性系樹脂材料で形成された第2の非磁性体部が、前記突起部を内包し、かつ前記ケースの少なくとも一面全域と接触していることを特徴としている。
このように第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部が、第1の非磁性体部の表面であって前記コイル部の端縁上に形成されているので、磁心コアはコイル部の近くには存在せず、磁心コアからの漏れ磁束は突起部を通過することから、コイル部を通過したりケースに入射する漏れ磁束を低減することができる。したがって、コイル部やケースと漏れ磁束とが鎖交するのを低減することができ、これによりコイル部の端縁部やケース近傍での渦電流の発生を抑制することができ、渦電流損を低減できることから、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。
しかも、第2の非磁性部が、突起部を内包し、かつ前記ケースの少なくとも一面全域(好ましくは底面部又は側面部の全域)と接触することにより、ケースの上記一面には磁心コアが存在しないことから、漏れ磁束をより効果的に低減することができ、ケースで発生する渦電流も小さくなり、渦電流損の発生を抑制することができる。そして、第2の非磁性体部がケースの少なくとも一面で直接接触しているので、コイル導体からケースへの熱伝導を促進することができ、放熱性が向上し、リアクトルの温度上昇を抑制することができる。
また、本発明のリアクトルは、前記突起部が、前記コイル部の巻線軸に対し中心方向及び遠心方向に形成されているのが好ましい。
この場合は、磁心コアからの漏れ磁束は、コイル部の巻線軸に対し中心方向及び遠心方向に形成された突起部を通過することから、コイル部やケースと漏れ磁束との鎖交を効果的に低減することができ、これにより渦電流が発生するのを抑制できる。
また、本発明のリアクトルは、前記突起部が、前記コイル部の巻線軸に対し平行方向に複数形成されているにも好ましい。
この場合は、磁心コアからの漏れ磁束は、コイル部の巻線軸に対し平行方向に形成された突起部を通過することから、上述と同様、コイル部やケースと漏れ磁束との鎖交を効果的に低減することができ、これにより渦電流が発生するのを抑制できる。
さらに、本発明のリアクトルは、前記複数の突起部が一体化され、曲面状に形成されているのも好ましい。
この場合は、磁心コアと突起部との界面が磁束の流れに沿ったものとなることから、漏れ磁束とコイル部との鎖交を低減しつつ、より大きなインダクタンスを有するリアクトルの実現が可能となる。
また、本発明のリアクトルは、前記コイル導体が、前記コイル部の巻線軸が水平面に対し平行となるように前記ケースに収容されているのが好ましく、また、前記コイル部の巻線軸が鉛直方向となるように前記ケースに収容されているのも好ましい。
このようにケース内のコイル導体の配置状態の如何に拘わらず、漏れ磁束のコイル部やケースへの入射を低減することができ、したがって漏れ磁束とコイル部及びケースとの間で生じる鎖交を低減することができ、渦電流損を効果的に抑制することができる。
また、本発明のリアクトルは、前記導線は平角線で形成されると共に、前記コイル導体はエッジワイズ巻き又はフラットワイズ巻きとされるのが好ましい。
このように導線を平角線で形成することにより丸線に比べて占積率を大きくすることができ、より小型で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きなリアクトルを得ることができる。
また、本発明のリアクトルは、前記突起部が、前記ケースと接触しているのが好ましい。
このように突起部をケースと接触させることにより、コイル導体で発生した熱は突起部を介してケースに伝搬されて放熱されることから、漏れ磁束とコイル部やケースとの鎖交を低減しつつ放熱性を確保することができる。
また、本発明のリアクトルは、前記コイル導体を形成する前記導線間に前記第1の非磁性樹脂材料が充填されているのが好ましい。
この場合は、導線で発生した熱を更に効率よく放熱させることができ、リアクトルの温度上昇をより効果的に抑制することができる。
また、本発明のリアクトルは、前記第1及び第2の非磁性系樹脂材料は、フィラー成分を含有し、熱伝導率が5W/mK以上であるのが好ましい。
このように熱伝導率が5W/mK以上の高熱伝導率を有する第1及び第2の非磁性系樹脂材料を使用することにより、より良好な放熱性を確保することができる。
さらに、本発明のリアクトルは、前記非磁性体部を形成する非磁性系樹脂材料と前記突起部を形成する非磁性系樹脂材料とは同一材料であるのが好ましい。
これにより非磁性体部と突起部とを一体的にモールド成形することが容易に可能となり、生産性の良好なリアクトルを得ることができる。
また、本発明のリアクトルは、前記磁心コアは樹脂材料を含有しているのが好ましい。
また、本発明のリアクトルは、前記磁性体材料が、軟磁性金属材料及びフェライト材料のうちのいずれかであるのが好ましい。
また、本発明に係るリアクトルは、筒状に形成されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを備え、前記コイル導体及び前記磁心コアがケースに収容されたリアクトルであって、前記コイル導体は、導線が巻回されたコイル部と、該コイル部の表面を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部とを有し、前記第1の非磁性体部の表面であって前記コイル部の端縁上には、第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部が、前記コイル部の巻線軸に対し中心方向及び遠心方向に形成されていることを特徴としている。
本発明のリアクトルによれば、筒状に形成されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを備え、前記コイル導体及び前記磁心コアがケースに収容されたリアクトルであって、前記コイル導体は、導線が巻回されたコイル部と、該コイル部の表面を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部とを有し、前記第1の非磁性体部の表面であって前記コイル部の端縁上には、第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部が形成されると共に、前記第2の非磁性系樹脂材料で形成された第2の非磁性体部が、前記突起部を内包し、かつ前記ケースの少なくとも一面全域と接触しているので、磁心コアはコイル部の近くには存在せず、磁心コアからの漏れ磁束は突起部を通過することから、コイル部を通過したりケースに入射する漏れ磁束を低減することができる。したがって、コイル部やケースと漏れ磁束との鎖交を低減することができ、これによりコイル部の端縁部やケース近傍での渦電流の発生を抑制することができ、渦電流損を低減できることから、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。しかも、第2の非磁性部が、突起部を内包し、かつ前記ケースの少なくとも一面全域(好ましくは底面部又は側面部の全域)と接触することにより、ケースの上記一面には磁心コアが存在しないことから、漏れ磁束をより効果的に低減することができ、ケースで発生する渦電流も小さくなり、渦電流損の発生を抑制することができる。そして、第2の非磁性体部がケースの少なくとも一面で直接接触しているので、コイル導体からケースへの熱伝導を促進することができ、放熱性が向上し、リアクトルの温度上昇を抑制することができる。
本発明に係るリアクトルの一実施の形態(第1の実施の形態)を模式的に示す平面断面図である。 図1のA-A矢視断面図である。 図1のB-B矢視断面図である。 図1のC-C矢視断面図である。 第1の実施の形態の第1の変形例を示す要部断面図である。 第1の実施の形態の第2の変形例を示す要部断面図である。 図6のD部拡大断面図である。 第1の実施の形態の第3の変形例を示す要部断面図である。 第1の実施の形態の第4の変形例を示す要部断面図である。 本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態を模式的に示す平面断面図である。 図10のE-E矢視断面図である。 第2の実施の形態の第1の変形例を示す要部断面図である。 第2の実施の形態の第2の変形例を示す要部断面図である。 図13のF部拡大断面図である。 第2の実施の形態の第3の変形例を示す要部断面図である。 第2の実施の形態の第4の変形例を示す要部断面図である。 本発明に係るリアクトルの第3の実施の形態を模式的に示す平面断面図である。 図17のG-G矢視断面図である。 第3の実施の形態の第1の変形例を示す要部断面図である。 第3の実施の形態の第2の変形例を示す要部断面図である。 図20のH部拡大断面図である。 第3の実施の形態の第3の変形例を示す要部断面図である。 第3の実施の形態の第4の変形例を示す要部断面図である。 本発明に係るリアクトルの第4の実施の形態を模式的に示す平面断面図である。 図24のI-I矢視断面図である。 本発明に係るリアクトルの第5の実施の形態を模式的に示す平面断面図である。 図26のJ-J矢視断面図である。 第5の実施の形態の変形例を示す要部断面図である。 本発明に係るリアクトルの第6の実施の形態を模式的に示す平面断面図である。 図29のK-K矢視断面図である。 特許文献1に記載されたリアクトルの要部断面図である。 図31のa-a矢視断面図である。 図31のb-b矢視断面図である。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係るリアクトルの一実施の形態(第1の実施の形態)を模式的に示す平面断面図であり、図2は図1のA-A矢視断面図、図3は図1のB-B矢視断面図、図4は図1のC-C矢視断面図である。尚、図1では、後述する突起部を省略して図示している。
本リアクトルは、図1に示すように、筒状のコイル導体1と、磁性体材料を含有した磁心コア2とを備え、これらコイル導体1及び磁心コア2がケース3に収容されている。尚、通常は、コイル導体1の上面には外部端子接続用の引出線が形成されているが、本実施の形態では、説明の都合上、引出線を省略している。
ケース3は、方形箱状に形成されており、底面部4と該底面部4に連接された4個の側面部、すなわち第1~第4の側面部5a~5dを有している。
また、コイル導体1は、筒状となるように導線6が巻回されたコイル部7と、該コイル部7の表面を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部8とを有している。本第1の実施の形態では、コイル導体1は、図2に示すように、コイル部7の巻線軸9が水平面(底面部4)と平行となるようにケース3に収容されている。
第1の非磁性体部8の表面であってコイル部7の端縁上には、図2及び図3に示すように、第2の非磁性体材料からからなる突起部10a、10bが形成されている。
本第1の実施の形態では、突起部10aは、コイル部7の巻線軸9に対し、図2の矢印Pで示す中心方向に形成され、突起部10bは、コイル部7の巻線軸9に対し、矢印Qで示す遠心方向に形成されている。
突起部10a、10bは突起状に形成されていればよく、突起部10a、10bの中心方向又は遠心方向の長さtは、特に限定されるものではないが、磁心コア2からの漏れ磁束がコイル部7と鎖交するのを効果的に抑制するためには、例えば1.5mm以上に形成するのが好ましい。
そして、第1の非磁性体部8は、図4に示すように、筒状のコイル部7を外装するように、前記第1の非磁性系樹脂材料でモールド成形されている。モールド成形の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、射出成形法やトランスファー成形法を使用することができる。また、第1の非磁性体部8の厚みは特に限定されるものではなく、例えば0.1~3mm程度に調整される。
第1の非磁性系樹脂材料及び第2の非磁性系樹脂材料は、同一の材料を使用してもよいし、異なる材料を使用することもできる。これら第1及び第2の非磁性系樹脂材料の材料種としては、その範疇に属するものであれば特に限定されるものではなく、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンスルフィド等を使用することができる。
また、第1及び第2の非磁性系樹脂材料中には高熱伝導率を有するアルミナ等のフィラー成分を所定量含有させるのも好ましい。すなわち、アルミナに代表される熱伝導率の高いフィラー成分を非磁性系樹脂材料中に含有させ、第1の非磁性体部8や突起部10a、10bの熱伝導率を例えば5W/mK以上の高熱伝導率とすることにより、コイル導体1で発生する熱をケース3に効率良く伝搬させることができ、良好な放熱性を確保することができる。
尚、導線6は、本第1の実施の形態では、断面が扁平状の被覆平角線で形成されている。導線6は、具体的には、芯材がCu、Al或いはこれらの合金類等の金属材料で形成されると共に、該芯材がポリアミドイミドなどのエナメル材料等、絶縁材料で被覆されている。コイル部7は、内周面の隅部及び外周面の角部がR(アール)状(曲面状)に形成されている。
磁心コア2に使用される磁性体粉末としては、軟磁性金属材料やフェライト材料を使用することができる。軟磁性金属材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、Fe-Si系合金、Fe-Si-Cr系合金、Fe-Al系合金、Fe-Ni系合金、Fe-Co系合金等の各種結晶質の合金粉末材料や、Feを主成分とした軟磁性特性に優れた非晶質材料、或いは非晶質相とナノ結晶相とが混在したナノ結晶金属材料を使用することができる。この軟磁性金属材料を使用する場合は、絶縁性を確保する観点から金属粉末の表面にリン酸塩やシリコーン樹脂等の絶縁性材料からなる塗布層を形成するのが好ましい。
また、フェライト材料についても、特に限定されるものではなく、Ni系、Cu-Zn系、Ni-Zn系、Mn-Zn系、Ni-Cu-Zn系等の各種フェライト材料を使用することができる。
尚、磁心コア2には、通常、結合剤としてエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の樹脂材料が、例えば体積比率で40vol%以下の割合で含有されている。
このように本第1の実施の形態のリアクトルでは、コイル導体1は、導線6が巻回されたコイル部7と、該コイル部7の表面を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部8とを有し、第1の非磁性体部8及びコイル部7がケース3に収容されると共に、第1の非磁性体部8の表面であってコイル部7の端縁上には、巻線軸9に対し中心方向及び遠心方向に第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部10a、10bが形成されているので、磁心コア2はコイル部7の近くには存在せず、磁心コア2からの漏れ磁束は図2の矢印X方向及び矢印Y方向に示すように突起部10a、10b中を通過する。したがって、漏れ磁束がコイル部7を通過したりケース3に入射するのを低減することができることから、磁心コア2からの漏れ磁束がコイル部7やケース3と鎖交するのを抑制することができ、鎖交に起因した渦電流の発生を抑制することができる。そして、このように渦電流損を低減することができることから、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。
次に、第1の非磁性体部8及び突起部10a、10bを同一の非磁性系樹脂材料を使用した場合について、上記リアクトルの製造方法を詳述する。
まず、導線6として断面が扁平状の被覆平角線を用意し、内周面の隅部及び外周面の角部がR(アール)形状(曲面状)となるように導線6を筒状に巻回し、コイル導体1を作製する。
次に、磁性体粉末と樹脂材料とが所定比率に配合されたコア材料を用意する。次いで、第1の非磁性体部8及び突起部10a、10bが所定位置に形成されるような金型を用意する。そして、金型内にコイル導体1を配した後、該金型のキャビティに非磁性系樹脂材料を供給し、該キャビティに非磁性系樹脂材料を充填し、加圧・加熱して硬化させ、成形体を作製する。その後、金型から成形体を取り出し、端縁上に突起部10a、10bが形成されかつ第1の非磁性体部8で外装されたコイル導体1を作製する。
次に、底面部4及び第1~第4の側面部5a~5dを有するケース3を用意する。そして、コア材料をケース3に充填すると共に、コイル部7の巻線軸9が水平面と平行となるようにコイル導体1をケース3に配し、加圧・加熱させて硬化させ、これにより第1の実施の形態のリアクトルが作製される。
尚、上記実施の形態では、第1の非磁性系樹脂材料と第2の非磁性系樹脂材料について同一の材料を使用し、第1の非磁性体部8と突起部10a、10bとを一体的にモールド成形しているが、第1の非磁性体部8と突起部10a、10bとを別工程で作製してもよい。この場合は、まず、コイル部7の表面を第1の非磁性系樹脂材料でモールド成形してコイル部7を第1の非磁性体部8で外装する。次いで、第2の非磁性体樹脂材料を使用して突起部材を作製し、第1の非磁性体部8の表面であってコイル部7の端縁上に突起部材を接着剤等で接合し、これにより突起部10a、10bを形成することができる。この場合、例えば第1の非磁性系樹脂材料と第2の非磁性系樹脂材料とでフィラー成分の含有量を異ならせてもよい。
図5は、第1の実施の形態の第1の変形例を示す要部断面図である。
この第1の変形例では、突起部12a、12bがコイル部7の巻線軸9と平行方向に形成されている。それ以外は上記第1の実施の形態と同様である。
すなわち、本第1の変形例では、第1の非磁性体部8の表面であってコイル部7の端縁上には、巻線軸9に対し平行方向に第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部12a、12bが形成されている。したがって、上記第1の実施の形態と同様、磁心コア2からの漏れ磁束は、コイル部7と鎖交することなく矢印U方向及び矢印V方向に示すように突起部12a、12b中を通過することから、漏れ磁束がコイル部7を通過したりケース3に入射するのを低減することができ、鎖交に起因した渦電流の発生を抑制することができる。したがって、上記第1の実施の形態と同様、渦電流損を低減することができ、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。
尚、この第1の変形例のコイル導体1も上記実施の形態と同様、コイル部7が外装されるように非磁性系樹脂材料を使用してモールド成形し、これにより第1の非磁性体部8及び突起部12a、12bを作製し、或いはコイル部7が外装されるように上記モールド成形により第1の非磁性体部8を作製した後、突起部12a、12bを第1の非磁性体部8の端縁上に接合することにより、作製することができる。
図6は、第1の実施の形態の第2の変形例を示す要部断面図であり、図7は、図6のD部拡大断面図である。
この第2の変形例では、突起部14は、図6に示すように、第1の変形例(図5)において対向している突起部12aと突起部12bとが接合され、一体化されている。さらに、突起部14の外表面は、図7に示すように、磁束の向きに沿うように曲面状に形成されている。
本第2の変形例においても、第1の非磁性体部8の表面であってコイル部7の端縁上には、巻線軸9に対し平行方向に第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部14が形成されている。したがって、上記第1の変形例と同様、磁心コア2からの漏れ磁束は矢印W方向及び矢印Z方向に示すようにコイル部7と鎖交することなく突起部14中を通過することから、渦電流の発生を抑制することができる。しかも、本第2変形例では、磁心コア2と突起部14との界面が磁束の向きに沿っていることから、コイル部7に入射する磁束を低減しつつ、大きな磁束密度を得ることができ、インダクタンスの大きなリアクトルを得ることができる。
図8は、第1の実施の形態の第3の変形例を示す要部断面図である。
この第3の変形例では、上記第2の変形例に加え、前記突起部14の一部を覆うような形態で第2の非磁性系樹脂材料で第2の非磁性体部15を形成し、かつ該第2の非磁性体部15がケース3の底面部4と接触している。このように第2の非磁性系樹脂材料からなる第2の非磁性体部15が前記突起部14の一部を内包すると共にケース3の底面部4と接触することにより、上記第2の変形例(図6及び図7参照)で得られる効果に加え、コイル導体1で発生した熱を、第2の非磁性体部15を介してケース3に伝搬することができ、これにより放熱性を確保することができる。
尚、この第3の変形例は、第2の非磁性体部15、突起部14、及びコイル導体1を一体的にモールド成形することにより容易に作製することができる。
図9は、第1の実施の形態の第4の変形例を示す要部断面図である。
この第4の変形例では、導線6と導線6との間隙に第1の非磁性系樹脂材料が充填され、これにより第1の非磁性体部15が形成されている。すなわち、この第4の変形例は、コイル導体17が、導線6間に間隙が形成されるように導線6が筒状に巻回されたコイル部16と、前記間隙に充填されかつコイル部16を外装した第1の非磁性系樹脂材料からなる第1の非磁性体部15とで形成されている。
この第4の変形例では、上記第2の変形例(図6及び図7参照)で得られる効果に加え、第1の非磁性体部15、特に前記間隙に充填された第1の非磁性系樹脂材料の放熱作用により、温度上昇をより効果的に抑制することが可能となる。
本第4の変形例は、導線6間に間隙が生じるように導線6を筒状に巻回する以外は、上記第2の変形例と同様にして製造することができる。
尚、本第4の変形例では、絶縁材料である第1の非磁性系樹脂材料が導線6間に充填されていることから、芯材の表面を被覆する絶縁材料を省略することが可能となる。
このように本第1の実施の形態では、第1の非磁性体部8の表面であってコイル部7の端縁上に突起部が形成されているのであれば、突起部がコイル部7の巻線軸9に対し中心方向、遠心方向、又は平行方向のいずれにおいても、上述した作用効果を奏することができ、所期の課題を解決することができる。また、第3及び第4の変形例のような形態とすることにより、上記効果に加えて良好な放熱性を確保することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図10は、本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態を模式的に示す平面断面図であり、図11は、図10のE-E矢視断面図である。
この第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様、図10に示すように、筒状のコイル導体18と、磁性体材料を含有した磁心コア2とを備え、これらコイル導体18及び磁心コア2が底面部4と第1~第4の側面部5a~5dを有する箱状のケース3に収容されている。また、コイル導体18は、図11に示すように、導線19が巻回されたコイル部20と、該コイル部20を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部21とを有している。
本第2の実施の形態では、導線19は、扁平状の被覆平角線で形成されているが、コイル部20は、被覆平角線の巻き方向が断面の長辺側を曲げたエッジワイズ巻きとされている。また、コイル導体18は、コイル部20の巻線軸22が底面部4に対し鉛直方向となるようにケース3に収容されている。
そして、本第2の実施の形態においても、第1の非磁性体部21の表面であってコイル部20の端縁上には、第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部23a、23bが形成されている。すなわち、突起部23aは、コイル部20の巻線軸22に対し、矢印Pで示す中心方向に形成され、突起部23bは、コイル部20の巻線軸22に対し、矢印Qで示す遠心方向に形成されている。
このように本第2の実施の形態のリアクトルにおいても、第1の実施の形態と同様、第1の非磁性体部21の表面であってコイル部20の端縁上には、巻線軸22に対し中心方向及び遠心方向に第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部23a、23bが形成されているので、磁心コア2はコイル部20の近くには存在せず、磁心コア2からの漏れ磁束は図11の矢印X方向及び矢印Y方向に示すように突起部23a、23b中を通過する。したがって、漏れ磁束がコイル部20を通過したりケース3に入射するのを低減することができることから、磁心コア2からの漏れ磁束がコイル部20やケース3と鎖交するのを抑制することができ、鎖交に起因した渦電流の発生を抑制することができる。そしてこれにより渦電流損を低減することができ、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。
図12は第2の実施の形態の第1の変形例を示す要部断面図である。
この第1の変形例では、突起部24a、24bがコイル部20の巻線軸22と平行方向に形成されている。
すなわち、本第1の変形例においても、第1の非磁性体部21の表面であってコイル部20の端縁上には、巻線軸22に対し平行方向に第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部24a、24bが形成されている。したがって、磁心コア2からの漏れ磁束はコイル部20と鎖交することなく矢印U方向及び矢印V方向に示すように突起部24a、24b中を通過することから、漏れ磁束がコイル部20を通過したりケース3に入射するのを低減することができ、鎖交に起因した渦電流の発生を抑制することができる。そしてこれにより、上記実施の形態と同様、渦電流損を低減することができ、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。
図13は第2の実施の形態の第2の変形例を示す要部断面図であり、図14は図13のF部拡大断面図である。
この第2の変形例では、突起部25は、図13に示すように、上記第1の変形例(図12参照)において対向している前記突起部24aと突起部24bとが接合され、一体化されている。そして、突起部25の外表面は、図14に示すように、磁束の向きに沿うように曲面状に形成されている。
本第2の変形例においても、磁心コア2からの漏れ磁束は図13の矢印W方向及び矢印Z方向に示すようにコイル部20と鎖交することなく突起部25中を通過することから、渦電流の発生を抑制することができる。しかも、磁心コア2と突起部25との界面が磁束の向きに沿っていることから、コイル部20に入射する磁束を低減しつつ、大きな磁束密度を得ることができ、大きなインダクタンスを有するリアクトルを得ることができる。
図15は、第2の実施の形態の第3の変形例を示す要部断面図である。
この第3の変形例では、上記第2の変形例(図13参照)に示した突起部25がケース3の第1及び第2の側面部5a、5bと接触し、かつ第1の非磁性体部21も前記第1及び第2の側面部5a、5bと接触している。
したがって、この第3の変形例では、上記第2の変形例(図13参照)で得られる効果に加え、コイル部20で発生した熱が、第1の非磁性体部21及び突起部25を介してケース3に伝搬され、これにより放熱性を確保することができる。
図16は、第2の実施の形態の第4の変形例を示す要部断面図である。
この第4の変形例では、導線19と導線19との間隙に第1の非磁性系樹脂材料が充填され、これにより第1の非磁性体部27が形成されている。すなわち、この第4の変形例は、コイル導体19が、導線19間に間隙が形成されるように導線19が筒状に巻回されたコイル部28と、前記間隙に充填されかつコイル部28を外装する第1の非磁性系樹脂材料からなる第1の非磁性体部27とで形成されている。
これにより上記第2の変形例(図13参照)で得られる効果に加え、第1の非磁性系樹脂材料の放熱効果により、温度上昇を効果的に抑制することが可能である。
(第3の実施の形態)
図17は、本発明に係るリアクトルの第3の実施の形態を模式的に示す平面図であり、図18は、図17のG-G矢視断面図である。
この第3の実施の形態は、第1及び第2の実施の形態と同様、図17に示すように、筒状のコイル導体30と、磁性体材料を含有した磁心コア2とを備え、これらコイル導体30及び磁心コア2が底面部4と第1~第4の側面部5a~5dを有する箱状のケース3に収容されている。また、コイル導体30も、図18に示すように、導線31が巻回されたコイル部32と、該コイル部32を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部33とを有している。
本第3の実施の形態では、導線31は、扁平状の被覆平角線で形成されているが、コイル部32が、被覆平角線の巻き方向が断面の短辺側を曲げたフラットワイズ巻きとされており、コイル導体30は、コイル部32の巻線軸34が底面部4に対し鉛直方向となるようにケース3に収容されている。
そして、本第3の実施の形態においても、第1の非磁性体部33の表面であってコイル部32の端縁上には、第2の非磁性体材料からからなる突起部35a、35bが形成されている。すなわち、突起部35aは、コイル部32の巻線軸34に対し、矢印Pで示す中心方向に形成され、突起部35bは、コイル部32の巻線軸34に対し、矢印Qで示す遠心方向に形成されている。
このように本第3の実施の形態のリアクトルにおいても、第1及び第2の実施の形態と同様、第1の非磁性体部33の表面であってコイル部32の端縁上には、巻線軸34に対し中心方向及び遠心方向に第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部35a、35が形成されているので、磁心コア2からの漏れ磁束はコイル部32と鎖交することなく図18の矢印X方向及び矢印Y方向に示すように突起部35a、35b中を通過する。したがって漏れ磁束がコイル部32を通過したりケース3に入射するのを低減することができ、鎖交に起因した渦電流の発生を抑制することができる。すなわち、渦電流損を低減することができ、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。
図19は第3の実施の形態の第1の変形例を示す要部断面図である。
この第1の変形例では、突起部36a、36bがコイル部32の巻線軸34と平行方向に形成されている。
すなわち、本第1の変形例においても、第1の非磁性体部33の表面であってコイル部32の端縁上には、巻線軸34に対し平行方向に第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部36a、36bが形成されている。したがって、磁心コア2からの漏れ磁束はコイル部32と鎖交することなく図19の矢印X方向及び矢印Y方向に示すように突起部36a、36b中を通過することから、漏れ磁束がコイル部32を通過したりケース3に入射するのを低減することができ、鎖交に起因した渦電流の発生を抑制することができる。したがって、上記第1の実施の形態と同様、渦電流損を低減することができ、低磁気損失で大きな磁束密度を有するインダクタンスの大きな高性能のリアクトルを得ることができる。
図20は第3の実施の形態の第2の変形例を示す要部断面図であり、図21は図20のH部拡大断面図である。
この第2の変形例では、図20に示すように、突起部37は、上記第1の変形例(図19参照)において対向している突起部36aと突起部36bとが接合され、一体化されている。そして、突起部37の外表面は、図21に示すように、磁束の向きに沿うように曲面状に形成されている。
すなわち、本第2の変形例では、図6及び図7や図13及び図14で示した変形例と同様、磁心コア2からの漏れ磁束はコイル部32と鎖交することなく図20の矢印W方向及び矢印Z方向に示すように突起部37中を通過し、かつ磁心コア2と突起部37との界面が磁束の向きに沿っていることから、コイル部32に入射する磁束を低減しつつ、大きな磁束密度を得ることができ、大きなインダクタンスを有するリアクトルを得ることができる。
図22は、第3の実施の形態の第3の変形例を示す要部断面図である。
この第3の変形例では、一方の突起部37がケース3の底面部4と接触している。したがって、この第3の変形例では、上記第2の変形例(図20参照)で得られる効果に加え、コイル部32で発生した熱が、前記一方の突起部37を介してケース3に伝搬され、これにより放熱性を確保することができる。
図23は、第3の実施の形態の第4の変形例を示す要部断面図である。
この第4の変形例では、導線31と導線31との間に間隙に第1の非磁性系樹脂材料が充填され、これにより第1の非磁性体部39が形成されている。すなわち、この第4の変形例は、コイル導体41が、導線31間に間隙が形成されるように導線31が筒状に巻回されたコイル部40と、前記間隙に充填されかつコイル部40を外装する第1の非磁性系樹脂材料からなる第1の非磁性体部39とで形成されている。
これにより上記第2の変形例(図20参照)で得られる効果に加え、第1の非磁性系樹脂材料の放熱効果により、温度上昇を効果的に抑制することが可能である。
そして、このように本発明は、第1乃至第3の実施の形態に示したように、第1の非磁性体部の表面であってコイル部の端縁上に突起部を形成することにより、コイル導体をコイル部の巻線軸が水平面と平行方向となるように配したり鉛直方向となるように配した場合であっても、導線の巻き方向に依存することもなく、漏れ磁束がコイル部やケースに入射するのを低減することができ、渦電流が発生するのを抑制でき、渦電流損に起因する磁気損失を抑制でき、所望の磁束密度を有するインダクタンスの大きなリアクトルを得ることができる。更に加えて突起部をケースに接触させたり、導線間の間隙に非磁性体材料を介在させることにより、良好な放熱性を確保することが可能となる。
(第4の実施の形態)
図24は、本発明に係るリアクトルの第4の実施の形態を模式的に示す平面断面図であり、図25は図24のI-I矢視断面図である。
この第4の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の第2の変形例(図6参照)において、図25に示すように、突起部14の一部を覆うような形態で第2の非磁性体部42が形成され、かつ第2の非磁性体部42がケース3の一面全域と接触している。
すなわち、本第4の実施の形態では、巻線軸9よりも底面部4側に位置する突起部14を覆いかつ該底面部4の全域と接触するような形態で第2の非磁性体部42が形成されている。そして、これによりケース3の近傍には磁束の通過に影響を与えるような磁心コア50が存在しないことから、漏れ磁束自体が低減され、ケース3に発生する渦電流を小さくすることができ、これにより渦電流損に起因した磁気損失を抑制することができ、磁束密度が大きく、大きなインダクタンスを有するリアクトルを得ることができる。
しかも、第2の非磁性体部42はケース3の底面部4全域と接触していることから、コイル部7からの熱伝達を促進することができ、良好な放熱性を得ることができ、リアクトルの温度上昇を抑制することができる。
(第5の実施の形態)
図26は、本発明に係るリアクトルの第5の実施の形態を模式的に示す平面断面図であり、図27は図26のJ-J矢視断面図である。
この第5の実施の形態は、図26に示すように、上述した第2の実施の形態の第2の変形例(図13参照)において、第2の非磁性体部43a、43bが突起部25を覆うような形態で形成され、かつ少なくともケース3の一面全域と接触している。
すなわち、本第5の実施の形態では、図27に示すように、第2の非磁性体部43a、43bが、突起部25を覆いかつ第1及び第2の側面部5a、5b全域、及び第3及び第4の側面部5c、5d更には底面部4の一部に接するような形態で形成され、第2の非磁性体部43a、43b間に磁心コア44が存在している。そして、これによりケース3の近傍には磁束の通過に影響を与えるような磁心コア44が存在せず、したがって漏れ磁束自体が低減されることから、ケース3に発生する渦電流を小さくすることができ、渦電流損に起因した磁気損失を抑制することができ、磁束密度が大きく、大きなインダクタンスを有するリアクトルを得ることができる。
しかも、第2の非磁性体部43a、43bはケース3の第1及び第2の側面部5a、5b全域更には第3及び第4の側面部5c、5dと接触していることから、コイル部20からの熱伝達を効果的に促進することができ、良好な放熱性を得ることができ、リアクトルの温度上昇を抑制することができる。
図28は、第5の実施の形態の変形例を示す要部断面図である。
上記第5の実施の形態では、第2の非磁性体部43a、43bが、第3及び第4の側面部5c、5dの一部にも接しているが、この変形例では、第2の非磁性体部51a、51bと磁心コア52との境界がテーパ状に形成され、前記第2の非磁性体部51a、51bは第1及び第2の側面部5a、5bの全域と接触している。この変形例においても、上記第5の実施の形態と同様、大きなインダクタンスを有するリアクトルを得ることができ、また、第2の非磁性体部51a、51bは、第3及び第4の側面部5c、5dと接触していないものの第1及び第2の側面部5a、5b全域と接触していることから、コイル部20からの熱伝達を十分に促進することができ、良好な放熱性を確保することが可能である。
(第6の実施の形態)
図29は、本発明に係るリアクトルの第6の実施の形態を模式的に示す平面断面図であり、図30は図29のK-K矢視断面図である。
この第6の実施の形態は、上述した第3の実施の形態の第2の変形例(図20参照)において、第2の非磁性体部45a、45bが突起部37を覆うような形態で形成され、かつケース3の一面全域と接触している。
すなわち、本第6の実施の形態では、第2の非磁性体部45a、45bが、突起部37を覆いかつ第1及び第2の側面部5a、5b全域、及び第3及び第4の側面部5c、5d更には底面部4の一部に接するような形態で形成され、第2の非磁性体部45a、45b間に磁心コア46が存在している。そして、これによりケース3の近傍には磁束の通過に影響を与えるような磁心コア46が存在せず、したがって漏れ磁束自体が低減され、ケース3に発生する渦電流を小さくすることができることから、渦電流損に起因した磁気損失を抑制することができ、磁束密度が大きく、大きなインダクタンスを有するリアクトルを得ることができる。
しかも、第2の非磁性体部45a、45bはケース3の第1及び第2の側面部5a、5b全域及び底面部4の一部と接触していることから、コイル部32からの熱伝達を効果的に促進することができ、良好な放熱性を得ることができ、リアクトルの温度上昇を抑制することができる。
この第6の実施の形態についても、上述した図28のような変形例が可能であるのはいうまでもない。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では種々の変形例を例示したが、これら各実施の形態は相互に単一の一般的発明概念を形成するように連関した技術的関係を有するものであり、本発明の要旨を逸脱するものではない。
また、上記各実施の形態では導線6、19、31を被覆平角線で形成しているが、丸線やコ字状の箔状導体を使用してもよい。箔状導体を使用する場合は、箔状導体が互いに重なり合うように巻回した後、重なり合っている箔状導体の角部同士を圧着して一体化したり、或いはビアを介して各箔状導体を積層し、これにより箔状導体同士を電気的に接続して一体化することにより、筒状のコイル導体を作製することができる。
また、コイル部は、筒状であれば円筒状、角筒状、楕円筒状等でもよく、またケース3についても方形箱状でなくても円形箱状であってもよい。
渦電流損を抑制でき放熱性が良好でより一層の小型化が可能なリアクトルを実現することができる。
1、17、18、30、41 コイル導体
2、44、46 50、52 磁心コア
3 ケース
4 底面部
5a~5d 第1~第4の側面部(側面部)
6、19、31 導線
7、16、20、28、32、40 コイル部
8、15、21、27、33、39 第1の非磁性体部
9、22、34 巻線軸
10a、10b、12a、12b、14、23a、23b、24a、24b、25、35a、35b、37 突起部
15、38、42、43a、43b、45a、45b、51a、51b 第2の非磁性体部

Claims (19)

  1. 筒状に形成されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを備え、前記コイル導体及び前記磁心コアがケースに収容されたリアクトルであって、
    前記コイル導体は、導線が巻回されたコイル部と、該コイル部の表面を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部とを有し、
    前記第1の非磁性体部の表面であって前記コイル部の端縁上には、第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部が形成されると共に、
    前記第2の非磁性系樹脂材料で形成された第2の非磁性体部が、前記突起部を内包し、かつ前記ケースの少なくとも一面全域と接触していることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記突起部は、前記コイル部の巻線軸に対し中心方向及び遠心方向に形成されていることを特徴とする請求項1記載のリアクトル。
  3. 前記突起部は、前記コイル部の巻線軸に対し平行方向に複数形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のリアクトル。
  4. 前記複数の突起部は一体化され、曲面状に形成されていることを特徴とする請求項3記載のリアクトル。
  5. 前記コイル導体は、前記コイル部の巻線軸が水平面に対し平行となるように前記ケースに収容されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のリアクトル。
  6. 前記コイル導体は、前記コイル部の巻線軸が鉛直方向となるように前記ケースに収容されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のリアクトル。
  7. 前記導線は平角線で形成されると共に、前記コイル導体はエッジワイズ巻きとされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のリアクトル。
  8. 前記導線は平角線で形成されると共に、前記コイル導体はフラットワイズ巻きとされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のリアクトル。
  9. 前記突起部が、前記ケースと接触していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のリアクトル。
  10. 前記一面は、前記ケースの底面部であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のリアクトル。
  11. 前記一面は、前記ケースの側面部であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のリアクトル。
  12. 前記コイル導体を形成する前記導線間には前記第1の非磁性樹脂材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のリアクトル。
  13. 前記第1及び第2の非磁性系樹脂材料は、フィラー成分を含有し、熱伝導率が5W/mK以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のリアクトル。
  14. 前記第1の非磁性系樹脂材料と前記第2の非磁性系樹脂材料とは同一材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のリアクトル。
  15. 前記磁心コアは樹脂材料を含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のリアクトル。
  16. 前記磁性体材料は、軟磁性金属材料及びフェライト材料のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のリアクトル。
  17. 筒状に形成されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを備え、前記コイル導体及び前記磁心コアがケースに収容されたリアクトルであって、
    前記コイル導体は、導線が巻回されたコイル部と、該コイル部の表面を被覆する第1の非磁性系樹脂材料で形成された第1の非磁性体部とを有し、
    前記第1の非磁性体部の表面であって前記コイル部の端縁上には、第2の非磁性系樹脂材料からなる突起部が、前記コイル部の巻線軸に対し中心方向及び遠心方向に形成されていることを特徴とするリアクトル
  18. 前記突起部は、前記コイル部の巻線軸に対し平行方向に複数形成されていることを特徴とする請求項17記載のリアクトル
  19. 前記複数の突起部は一体化され、曲面状に形成されていることを特徴とする請求項18記載のリアクトル
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