JP7345738B2 - リアクトル、及びリアクトルの冷却構造 - Google Patents

リアクトル、及びリアクトルの冷却構造 Download PDF

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Description

本発明は、リアクトル、及びリアクトルの冷却構造に関し、より詳しくは中空部を有するように導線が巻回されたコイル導体と磁性体材料を含有した磁心コアとを有するリアクトル、及び前記コイル導体から発する熱を放熱させて冷却するリアクトルの冷却構造に関する。
リアクトルはインダクタンスを利用した受動素子であり、近年、回路素子の一要素として様々な電子機器に搭載されている。
例えば、電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載されるインバータには、バッテリ電圧を昇圧又は降圧させるコンバータが組み込まれており、リアクトルはコンバータの基幹部品として使用されている。
そして、特許文献1には、図35に示すようなリアクトルとして用いられるコイル部品が提案されている。すなわち、特許文献1は、第1の樹脂からなる絶縁体101にてコイル導体102を端部103a、103bを除くようにして包囲して得られるコイル内包絶縁包囲物104を有し、該コイル内包絶縁包囲物104が、少なくとも磁性体粉末を含む粉末と第2の樹脂との混成物からなる磁心コア105の内部に埋設されている。
また、特許文献1には、磁心コア105の弾性率や線膨張係数との整合性を確保するために、シリカ紛やアルミナ粉等の非磁性フィラーを第1の樹脂に添加して絶縁体101を形成することが記載されている。
この特許文献1では、コイル導体102を絶縁体101で包囲することにより、良好な耐電圧特性と耐不要パルス電流性能を確保している。また、この絶縁体101を磁心コア105の内部に埋設させてコイル導体102の動きを固定し、これにより可聴周波数帯域で駆動しても可聴ノイズやうなり等の振動が生じないようにしている。
特開2006-4957号公報(請求項1、26~28、段落[0014]、[0042]、[0043]、図10等)
ところで、上述した車両に搭載されるリアクトルでは、通電時にコイル導体102が発熱することから、該コイル導体102で発生した熱を放熱させ、該コイル導体102を冷却させる必要がある。
しかしながら、特許文献1では、コイル導体102を絶縁体101で被覆してコイル内包絶縁包囲物104を形成し、該コイル内包絶縁包囲物104が磁心コア105の内部に埋設されていることから、コイル導体102で発生した熱が外部に放熱されずに内部に籠ってしまい、温度上昇を招くおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、放熱性が良好で小型・高性能のリアクトル、及び該リアクトルを効率良く冷却させることができるリアクトルの冷却構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るリアクトルは、中空部を有するように導線が巻回されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを有し、通電により前記磁心コアに磁路を形成するリアクトルであって、前記コイル導体は、第1の非磁性系樹脂材料を主成分とする非磁性体部で被覆されると共に、前記非磁性体部は、熱伝導を促進する高熱伝導性フィラーを含有し、かつ、前記非磁性体部は凸条部を有すると共に、該凸条部でコアギャップを形成し、前記非磁性体部の一部が、前記磁心コアの表面に露出していることを特徴としている。
このように非磁性体部の一部を磁心コアの表面に露出させることにより、コイル導体から発する熱が、磁心コアや非磁性体部の内部に籠るのを抑制することができる。そして、非磁性体部に含有される高熱伝導性フィラーにより熱伝導が促進されることから、コイル導体から発生した熱が内部に蓄積されることなく外部に放熱させることができ、良好な放熱性を確保することができる。
また、凸条部でコアギャップを形成しているので、後述するようにコアギャップでエネルギーを蓄積させることができ、したがって磁気飽和をし難くなるから大電流を流しても過電流を引き起こすのを抑制することができ、これにより、小型で高性能のリアクトルを得ることができる。
また、本発明のリアクトルでは、前記非磁性体部は、熱伝導率が1W/m・K以上であるのが好ましい。
これにより非磁性体部の熱伝導率が1W/m・K以上に高くなることから、コイル導体で発生した熱を磁心コアの表面に露出している非磁性体部から効率良く放熱させることができる。
また、本発明のリアクトルは、前記磁心コアよりも高い熱伝導率を有する高熱伝導部材が、前記磁心コアに付設され、前記高熱伝導部材は、少なくともいずれか一の主面が前記非磁性体部と接しているのが好ましい。
これにより非磁性体部が、高熱伝導性フィラーを含有していることに加えて高熱伝導部材と接していることから、コイル導体で発生した熱をより効果的に放熱させることが可能となる。
この場合、前記磁心コアが凹部を有すると共に、前記高熱伝導部材は、前記凹部に接合されているのが好ましい。
これにより高熱伝導部材を磁心コアに容易に付設することができる。
ところで、小型でより高性能のリアクトルを得るためには、大電流を流しても過電流を引き起こさないように磁気飽和をし難くするのが望ましく、そのためには磁心コア内の磁路にギャップ(以下、このギャップを「コアギャップ」という。)を形成して該コアギャップにエネルギーを蓄積できるようにするのが好ましい。
すなわち、本発明のリアクトルは、前記非磁性体部が、前記コイル導体を被覆すると共にコアギャップを形成しているのが好ましい。
また、前記コアギャップとしては種々の形態を採ることができる。
すなわち、本発明のリアクトルは、前記非磁性体部が、前記コイル導体を被覆して形成された中心空洞部を塞ぐ平面樹脂部を有し、該平面樹脂部で前記コアギャップを形成しているのが好ましく、前記非磁性体部が凸条部を有し、該凸条部で前記コアギャップを形成しているのも好ましい。
そして、本発明のリアクトルは、前記非磁性体部が、モールド成形された成形体であるのが好ましい。
このようにモールド成形することにより、煩雑な製造プロセスを要することなく、コアギャップを含む種々の形状の非磁性体部を容易に得ることができる。
また、本発明のリアクトルは、前記導線が平角線で形成されているのが好ましい。
これにより平角線は丸線に比べて占積率が大きいことから、より大きなインダクタンスを有するリアクトルを得ることができる。
また、本発明のリアクトルは、前記導線は平角線で形成されると共に、前記コイル導体はフラットワイズ巻きとされているのが好ましい。
このように平角線をフラットワイズ巻きとすることにより、リアクトルの垂直方向への熱伝導性が高くなることから、コイル導体で発生した熱をリアクトルの底面側に効果的に放熱させることが可能となり、冷却板上にリアクトルを設置した場合により良好な冷却効果を得ることができる。
また、本発明のリアクトルは、前記磁心コアが樹脂材料を含有しているのが好ましい。
さらに、本発明のリアクトルは、前記磁性体材料が、軟磁性金属材料及びフェライト材料のうちのいずれかであるのが好ましい。
また、本発明に係るリアクトルは、中空部を有するように導線が巻回されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを有し、通電により前記磁心コアに磁路を形成するリアクトルであって、前記コイル導体は、非磁性系樹脂材料を主成分とする非磁性体部で被覆されると共に、前記非磁性体部は、熱伝導を促進する高熱伝導性フィラーを含有し、前記非磁性体部の一部が、前記磁心コアの表面に露出しており、前記コイル導体で発生した熱は、前記非磁性体部の一部から外部に放熱されることを特徴としている。
また、本発明に係るリアクトルの冷却構造は、上述したリアクトルが、ケースに収容されると共に、前記リアクトルを構成する非磁性体部が前記ケースと接していることを特徴としている。
これにより非磁性体部がケースと接することから、ケースを介してリアクトルを効果的に冷却させることができる。
本発明のリアクトルの冷却構造は、前記リアクトルが、冷却板上に設けられているのが好ましい。
これによりリアクトルが冷却板に接することが可能になることから、冷却板によりリアクトルをより効果的に冷却することが可能となる。
また、本発明に係るリアクトルの冷却構造は、上述したリアクトルが、第2の非磁性系樹脂材料で形成された外装樹脂部で覆われると共に、前記リアクトルを構成する非磁性体部が前記外装樹脂部と接していることを特徴としている。
これにより非磁性体部が外装樹脂部と接していることから、外装樹脂部を介してリアクトルを冷却させることができると共に、デバイスの小型化を図ることができる。
この場合、前記リアクトルが、上述と同様、冷却板上に設けられると共に、前記外装樹脂部は、前記リアクトルが前記冷却板と接する部分を除く部分に形成されているのが好ましい。
これによりリアクトルが直接冷却板に接する部分が存在することから、リアクトルをより効果的に冷却することが可能となる。
さらに、本発明に係るリアクトルの冷却構造は、前記非磁性体部を構成する第1の非磁性系樹脂材料と前記第2の非磁性系樹脂材料とは同一であるのが好ましい。
本発明のリアクトルによれば、中空部を有するように導線が巻回されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを有し、通電により前記磁心コアに磁路を形成するリアクトルであって、前記コイル導体は、第1の非磁性系樹脂材料を主成分とする非磁性体部で被覆されると共に、前記非磁性体部は、熱伝導を促進する高熱伝導性フィラーを含有し、前記非磁性体部の一部が、前記磁心コアの表面に露出しているので、コイル導体から発生した熱が、磁心コアや非磁性体部の内部に籠るのを抑制することができる。そして、非磁性体部に含有される高熱伝導性フィラーにより熱伝導が促進されることから、コイル導体から発する熱が内部に蓄積されることなく外部に放熱させることができ、良好な放熱性を確保することができる。さらに、前記非磁性体部は凸条部を有すると共に、該凸条部でコアギャップを形成することにより、該コアギャップでエネルギーを蓄積させることができ、したがって磁気飽和をし難くなることから大電流を流しても過電流を引き起こすのを抑制することができ、これにより、小型で高性能のリアクトルを得ることができる。
また、本発明のリアクトルの冷却構造によれば、上述したリアクトルが、ケースに収容されると共に、前記リアクトルを構成する非磁性体部が前記ケースと接しているので、ケースを介してリアクトルを冷却させることができる。
また、本発明のリアクトルの冷却構造によれば、上述したリアクトルが、第2の非磁性系樹脂材料で形成された外装樹脂部で覆われると共に、前記リアクトルを構成する非磁性体部が前記外装樹脂部と接しているので、外装樹脂部を介してリアクトルを冷却させることができると共に、デバイスの小型化を図ることができる。
尚、本発明のリアクトルでは、非磁性体部でコイル導体を被覆する被覆処理が、モールド成形によりなされることから、以下の説明では、この成形体を「コイルモールド成形体」という。
本発明のリアクトルに使用されるコイル導体の一例を示す斜視図である。 本発明に係るリアクトルの第1の実施の形態を模式的に示す斜視図である。 図2のA-A矢視断面図である。 図2のB-B矢視断面図である。 第1の実施の形態に係るコイルモールド成形体を模式的に示す斜視図である。 図5のC-C矢視断面図である。 図5のD-D矢視断面図である。 第1の実施の形態の変形例を模式的に示す断面図である。 上記変形例を底面側から視た斜視図である。 図9の要部分解斜視図である。 本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態におけるコイルモールド成形体を模式的に示す斜視図である。 図11のE-E矢視断面図である。 本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態を模式的に示す断面図である。 第2の実施の形態の第1の変形例におけるコイルモールド成形体を模式的に示す斜視図である。 図14のF-F矢視断面図である。 本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態の第1の変形例を模式的に示す斜視図である。 図17のG-G矢視断面図である。 第2の実施の形態の第2の変形例におけるコイルモールド成形体を模式的に示す斜視図である。 図18のH-H矢視断面図である。 本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態の第2の変形例を模式的に示す斜視図である。 図20のI-I矢視断面図である。 第2の実施の形態の第3の変形例を模式的に示す斜視図である。 上記第3の変形例を底面側から視た斜視図である。 本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態の第3の変形例を模式的に示す斜視図である。 上記第3の変形例を底面側から視た斜視図である。 本発明に係るリアクトルの冷却構造の実施の形態を模式的に示す斜視図である。 図26のJ-J矢視断面図である。 上記リアクトルの冷却構造の第1の変形例を模式的に示す斜視図である。 図28のK-K矢視断面図である。 上記リアクトルの冷却構造の第2の変形例を模式的に示す断面図である。 上記リアクトルの冷却構造の第3の変形例を模式的に示す断面図である。 上記第3の変形例の要部分解斜視図である。 上記リアクトルの冷却構造の第4の変形例を示す斜視図である。 図33のL-L矢視断面図である。 特許文献1に記載されたコイル部品の断面図である。
次に、本発明に係るリアクトル、及びリアクトルの冷却構造について、それぞれの実施の形態を図面を参照しながら詳説する。
<リアクトル>
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のリアクトルに使用されるコイル導体の一例を示す斜視図である。
このコイル導体1は、中空部2を有するように導線3が渦巻状に巻回された巻回部4を有すると共に、両端は鉛直状に立設され、端子部5a、5bを形成している。本第1の実施の形態では、導線3は扁平状の平角線で形成されている。導線3は、具体的には芯材がCu、Al或いはこれらの合金類等の金属材料で形成されると共に、該芯材がポリアミドイミド等のエナメル材料で被覆されている。そして、コイル導体1は、扁平状の平角線を断面の短辺側(厚み方向)を曲げて渦巻状に巻回させたフラットワイズ巻きとされている。
このように導線3を平角線で形成することにより、丸線に比べて占積率を大きくすることができることから、インダクタンスの大きなリアクトルを得ることができる。
しかも、コイル導体1をフラットワイズ巻きにしているので、リアクトルの垂直方向への熱伝導率が高くなることから、リアクトルの底面側に効果的に放熱させることが可能となり、リアクトルを冷却板上に設置した場合により良好な冷却効果を得ることができる。
すなわち、平角線を使用した導線の巻き方としては、従来より、平角線を断面の長辺側(幅方向)を曲げたエッジワイズ巻きと上述したフラットワイズ巻きとが知られており、巻き方は特に限定されるものではない。
しかしながら、エッジワイズ巻きは、平角線について断面の長辺側(幅方向)を曲げているため、リアクトルの水平方向への熱伝導性は良好であるが、垂直方向は伝熱界面が多いことから該垂直方向に対しては熱伝導性の低下を招くおそれがある。
これに対しフラットワイズ巻きは、平角線について断面の短辺側(厚み方向)を曲げているため、リアクトルの水平方向への熱伝導性は低いものの、垂直方向への熱伝導性が良好となる。したがって、後述するようにリアクトルを冷却板上に設置して冷却させる場合、コイル導体1としては、本実施の形態のような垂直方向への熱伝導性が良好なフラットワイズ巻きとするのがより好ましい。
図2は、本発明に係るリアクトルの第1の実施の形態を模式的に示す斜視図である。図3は、図2のA-A矢視断面図であり、図4は、図2のB-B矢視断面図である。
すなわち、コイル導体1は、図2~図4に示すように、モールド成形により非磁性体部6で被覆され、これによりコイルモールド成形体7を形成している。そして、本リアクトルは、このコイルモールド成形体7が、さらにモールド成形により磁性体材料を含有した磁心コア8に埋設されている。
磁心コア8は、上下一対の主面9a、9b、一対の端面部10a、10b、及び一対の側面部11a、11bを有する立体形状とされ、これによりリアクトルの外観を形成している。そして、非磁性体部6の一部が、磁心コア8の端面部10a、10b(表面)に露出している。
磁心コア8に含有される磁性体粉末としては、軟磁性金属材料やフェライト材料を使用することができる。軟磁性金属材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、Fe-Si系合金、Fe-Si-Cr系合金、Fe-Al系合金、Fe-Ni系合金、Fe-Co系合金等の各種結晶質の合金粉末材料や、Feを主成分とした軟磁性特性に優れた非晶質材料、或いは非晶質相とナノ結晶相とが混在したナノ結晶金属材料を使用することができる。この軟磁性金属材料を使用する場合は、絶縁性を確保する観点から金属粉末の表面にリン酸塩やシリコーン樹脂等の絶縁性材料からなる塗布層を形成するのが好ましい。
また、フェライト材料としても、特に限定されるものではなく、Ni系、Cu-Zn系、Ni-Zn系、Mn-Zn系、Ni-Cu-Zn系等のFeを主成分とした各種フェライト材料を使用することができる。
尚、磁心コア8には、通常、結合剤としてエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の樹脂材料が、例えば体積比率で40vol%以下の割合で含有されている。
図5は、コイルモールド成形体7の斜視図である。図6は、図5のC-C矢視断面図であり、図7は、図5のD-D矢視断面図である。
すなわち、コイルモールド成形体7は、図1に示すコイル導体1の巻回部4が非磁性体部6で被覆されて中心空洞部12が形成されると共に、端子部5a、5bが非磁性体部6の一方の主面から立設されている。
非磁性体部6の厚みは特に限定されるものではなく、例えば0.1~3mm程度に調整される。
そして、非磁性体部6は、第1の非磁性体系材料を主成分として形成されると共に、熱伝導を促進する高熱伝導性フィラーを含有している。
第1の非磁性系樹脂材料は、その範疇に属するものであれば特に限定されるものではなく、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等を使用することができる。
また、高熱伝導性フィラーとしては、熱伝導を促進させる材料、すなわち磁心コア8よりも熱伝導率が高い材料であれば特に限定されるものではなく、例えばアルミナ等を使用することができる。
また、非磁性体部6中の高熱伝導性フィラーの含有量も、特に限定されるものではなく、例えば体積比率で50~80vol%に設定される。すなわち、非磁性体部6は、第1の非磁性系樹脂材料や高熱伝導性フィラーの種類及びその含有量を調整することにより、熱伝導率が好ましくは1W/m・K以上、より好ましくは5W/m・K以上とされ、これにより熱伝導を促進させ、良好な放熱性を確保することができる。
そして、本リアクトルは、射出成形法によりモールド成形され、一体形成されている。以下、このリアクトルの製造方法について詳述する。
まず、上述した図1に示すような導線3が渦巻状に巻回されたコイル導体1を作製する。次に、コイルモールド成形体作製用の上金型及び下金型を用意する。そして、コイル導体1を下金型の所定位置に配した後、上金型をセットして型締めする。次いで、第1の非磁性系樹脂材料と高熱伝導性フィラーとの混合物をキャビティに供給し、加熱して前記混合物を硬化させ、該混合物でコイル導体1を被覆する。すなわち、コイル導体1が前記混合物からなる非磁性体部6で被覆され、これによりコイルモールド成形体7が作製される。
次いで、コイルモールド成形体7をコア材料でモールド成形するためのコアモールド成形体作製用の上金型及び下金型を用意する。そして、成形後に非磁性体部6が磁心コア8の端面部10a、10bに露出するようにコイルモールド成形体7を下金型の所定位置に配した後、上金型をセットして型締めし、次いでコア材料をキャビティに供給し、加熱してコア材料を硬化させ、これによりモールド成形され、コイルモールド成形体7が磁心コア8に埋設された本実施の形態のリアクトルが作製される。
このように形成された本リアクトルは、コイル導体1に通電されると、磁束が非磁性体部6の中心空洞部12と外周部に位置する磁心コア8の部分を通過するように磁路を形成する。そして、本リアクトルは、中空部2を有するように導線3が巻回されたコイル導体1と、磁性体材料を含有した磁心コア8とを有し、コイル導体1は、第1の非磁性系樹脂材料を主成分とする非磁性体部6で被覆されると共に、前記非磁性体部6は、熱伝導性を促進する高熱伝導性フィラーを含有し、前記非磁性体部6の一部が磁心コア8の端面部10a、10bに露出しているので、通電時にコイル導体1から発生した熱が、磁心コア8や非磁性体部6の内部に籠るのを抑制することができる。そして、コイル導体1で発生する熱は 高熱伝導性フィラーを含有した非磁性体部6を介して効率良く外部に放熱させることができ、良好な放熱性を確保することができる。
図8は、上記第1の実施の形態の変形例を示す断面図であり、図9は、この変形例を底面側から視た斜視図である。
すなわち、この変形例は、磁心コア18よりも高い熱伝導率を有する一対の台形形状の高熱伝導部材19a、19bが非磁性体部6の底面に付設され、これにより該高熱伝導部材19a、19bが非磁性体部6と接するように構成されている。
図10は、この変形例の要部分解斜視図である。
すなわち、この変形例では、非磁性体部6の一部が磁心コア18の表面に露出するように、磁心コア18の底面には一対の凹部20a、20bが形成されている。この凹部20a、20bは、高熱伝導部材19a、19bが接合可能となるように台形形状に切り欠かれており、高熱伝導部材19a、19bは接着剤等で凹部20a、20bに貼着されている。
高熱伝導部材19a、19bは、磁心コア18よりも高い熱伝導率を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム、銅等の金属材料を主成分とした材料で形成されている。
このように本変形例では、磁心コア18よりも高い熱伝導率を有する高熱伝導部材19a、19bが磁心コア18に付設され、高熱伝導部材19a、19bの上面が非磁性体部6と接しているので、コイル導体1で発生した熱は高熱伝導部材19a、19bを介して外部に効果的に放熱させることができ、高熱伝導の非磁性体部6自体の放熱性と相俟ってより一層の放熱性向上を図ることができる。
尚、高熱伝導部材19a、19bは、上記変形例では台形形状に形成されているが、台形形状に限定されるものでなく、例えば長方形状であってもよい。また、本変形例は、高熱伝導部材19a、19bの上面が非磁性体部6と接触させているが、非磁性体部6との接触面は上面に限定されることはなく、少なくとも一の主面を非磁性体部6と接触させることにより、放熱性を向上させることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図11は、第2の実施の形態に係るコイルモールド成形体の斜視図であり、図12は、図11のE-E矢視断面図である。
すなわち、上記第1の実施の形態では、非磁性体部6が中心空洞部12を有するようにコイル導体1を被覆しているが、本第2の実施の形態では、非磁性体部21が、コイル導体1を被覆すると共に中心空洞部が塞がれて平面樹脂部22を形成し、この平面樹脂部22でコアギャップを形成している。
この種のリアクトルでは、コアギャップが形成されていない場合、コイル導体に電流を流すと磁束密度が飽和し易く、比較的低磁界で磁気飽和する。そして、リアクトルが磁気飽和すると過電流を引き起こすおそれがあることから、通電時の電流値が制限されることになる。したがって、小型で高性能のリアクトルを得るためには、磁気飽和する磁界の強さが大きくなるように工夫し、磁気飽和をし難くするのが望ましい。
そこで、従来より、コイル導体1に大電流を流しても磁気飽和し難くなるように、磁心コア内の磁路にギャップを設けたコアギャップを形成することが行われている。
すなわち、磁心コア内にコアギャップを形成することにより、当該コアギャップにはエネルギーを蓄積させることができることから、磁気飽和する磁界の強さが大きくなって磁気飽和し難くなり、大電流を流しても過電流に起因する異常発生を回避することが可能となる。
そして、従来では、磁心コアを複数のブロックに分割して作製し、これら複数のブロック間に例えば薄層のセラミック基板を介在させ、これによりコアギャップを形成していた。
これに対し本第2の実施の形態では、コイル導体1を第1の非磁性系樹脂材料と高熱伝導性フィラーとの混合物で被覆する際に、前記混合物でコアギャップとなる平面樹脂部22が形成されるように非磁性体部21を作製し、その後、コア材料で非磁性体部21を被覆し、これによりコアギャップを形成している。
したがって、本第2の実施の形態では、従来のように複数のブロックに分割してセラミック基板等をブロック間に介在させるという煩雑な製造プロセスを要することなくコアギャップを形成することができ、これにより生産性の向上を図っている。
すなわち、本第2の実施の形態では、コアギャップが形成されるような上金型及び下金型を使用してモールド成形を行い、第1の非磁性系樹脂材料と高熱伝導性フィラーとの混合物でコイル導体1を被覆すると同時に、前記混合物で中心空洞部(図5等参照)を塞いでコアギャップとなる平面樹脂部22を形成し、これにより図11及び図12に示すように、平面樹脂部22を含む非磁性体部21とコイル導体1とを一体形成し、コイルモールド成形体23を得ている。そして、その後、コア材料を使用してモールド成形し、これによりコアギャップを有するリアクトルを作製することができる。
図13は、本発明に係るリアクトルの第2の実施の形態を模式的に示す断面図であって、上記コイルモールド成形体23が磁心コア50に埋設されている。
すなわち、コイルモールド成形体23が平面樹脂部22を有することから、該コイルモールド成形体23が磁心コア50に埋設されるようにモールド成形することにより、平面樹脂部22で間隔t1のコアギャップが形成され、これにより磁心コア50が2分割されたリアクトルを得ている。
本第2の実施の形態においても、非磁性体部21が磁心コア50の端面部10a、10bに露出しており、放熱性を確保することができる。また、平面樹脂部22が間隔t1のコアギャップを形成していることから、コアギャップにエネルギーを蓄積することができ、したがって大電流を流しても磁気飽和がし難くなり、小型で高性能のリアクトルを得ることができる。
しかも、平面樹脂部22はモールド成形によりコイル導体1の被覆処理と同時に形成され、上述したように前記平面樹脂部22をコアギャップとしていることから、従来のような複数のブロックに分割してセラミック基板等をブロック間に介在させるという煩雑な製造プロセスが不要となり、生産性向上を図ることができる。
図14は、第2の実施の形態に係る第1の変形例のコイルモールド成形体の斜視図であり、図15は、図14のF-F矢視断面図である。
この第1の変形例は、非磁性体部24が、第1の実施の形態と同様、中心空洞部12を有する一方で、前記非磁性体部24の一方の主面25aには、一対の凸条部26、26bが互いに平行となるように形成され、かつ他方の主面25bには、前記凸状部26a、26bと対向状に一対の凸条部26c、26dが形成され、これら凸条部26a~26dを含む非磁性体部24がコイル導体1を被覆すようにモールド成形され、これによりコイルモールド成形体27が形成されている。
図16は、上記コイルモールド成形体27を備えた第1の変形例に係るリアクトルの斜視図であり、図17は、図16のG-G矢視断面図である。
すなわち、本リアクトルは、コイルモールド成形体27が磁心コア28に埋設されるようにモールド成形により一体形成されている。そして、磁心コア28の両主面には凸条部26a~26dが露出しており、該凸条部26a~26dによって間隔t2のコアギャップが形成され、該コアギャップにより磁心コア28が3分割されている。
本第1の変形例においても、図16に示すように、非磁性体部24が磁心コア28の端面部29a、29bに露出しており、放熱性を確保することができる。そして、非磁性体部24がコイル導体1を被覆すると共に凸条部26a~26dを有しており、上述したようにこの凸条部26a~26dが間隔t2のコアギャップを形成している。したがって、上記第2の実施の形態と同様、コアギャップにエネルギーを蓄積することができ、小型で高性能のリアクトルを得ることができると共に、煩雑な製造プロセスを要することもなく作製することができ、生産性向上を図ることができる。
図18は、第2の実施の形態に係る第2の変形例のコイルモールド成形体の斜視図であり、図19は、図18のH-H矢視断面図である。
この第2の変形例では、非磁性体部24が、第1の変形例(図14)と同様、中心空洞部12を有する一方で、両側面部30a、30bには水平方向にそれぞれ凸条部31a、31bが形成されている。そして、この凸条部31a、31bを含む非磁性体部33がコイル導体1を被覆するようにモールド成形され、これによりコイルモールド成形体32が形成されている。
図20は、上記コイルモールド成形体32を備えた第2の変形例に係るリアクトルの斜視図であり、図21は、図20のI-I矢視断面図である。
本リアクトルは、コイルモールド成形体32が磁心コア34に埋設されるようにモールド成形により一体形成され、凸条部31a、31bによって間隔t3のコアギャップが形成されている。
本第2の変形例においても、図20に示すように、非磁性体部33が磁心コア34の端面部57a、57bに露出しており、放熱性を確保している。さらに、本第2の変形例は、非磁性体部33がコイル導体1を被覆すると共に凸条部31a、31bを有しており、図21に示すように、この凸条部31a、31bが間隔t3のコアギャップを形成している。したがって、上記第2の実施の形態と同様、コアギャップにエネルギーを蓄積することができ、小型で高性能のリアクトルを得ることができると共に、煩雑な製造プロセスを要することもなく作製することができ、生産性向上を図ることができる。
図22は、第2の実施の形態に係る第3の変形例のコイルモールド成形体の斜視図であり、図23は底面側から視た斜視図である。
この第3の変形例では、非磁性体部35が、第1及び第2の変形例(図14、図18)と同様、中心空洞部12を有する一方で、一方の主面58aには一方の端面部59aから他方の端面部59bに架けて一対の凸条部36a、36bが平行に形成されると共に、他方の主面58bには前記凸条部36a、36bと対向状に両端面部59a、59bにまで延びていない凸条部36c、36dが形成されている。そして、これら凸条部36a~36dを含む非磁性体部35がコイル導体1を被覆すようにモールド成形され、これによりコイルモールド成形体60が形成されている。
図24は、上記コイルモールド成形体60を備えた第3の変形例に係るリアクトルの斜視図であり、図25は、底面側から視た斜視図である。
コイルモールド成形体60は、非磁性体部35が磁心コア38の端面部39a、39bに露出すると共に、凸条部36a~36dが磁心コア38の表面に露出し、該凸条部36a~36dによって間隔t4のコアギャップを形成している。そして、この第3の変形例では、磁心コア38の底面には第1の実施の形態の変形例と同様の凹部が形成されており(図10参照)、該凹部に台形形状の高熱伝導部材37a、37bが貼着されている。
本第3の変形例においても、図24に示すように、非磁性体部35が磁心コア38の端面部39a、39bに露出しており、高熱伝導部材37a、37bの放熱作用と相俟って放熱性を確保している。そして、本第3の変形例は、非磁性体部35がコイル導体1を被覆すると共に凸条部36a~36dを有しており、この凸条部36a~36dが間隔t4のコアギャップを形成している。したがって、上記第2の実施の形態と同様、コアギャップにエネルギーを蓄積することができ、小型で高性能のリアクトルを得ることができると共に、煩雑な製造プロセスを要することもなく作製することができ、生産性向上を図ることができる。
<リアクトルの冷却構造>
次に、本発明のリアクトルの冷却構造を詳説する。
図26は、本発明に係るリアクトルの冷却構造の実施の形態を示す斜視図であり、図27は、図26のJ-J矢視断面図である。
このリアクトルの冷却構造は、上記第1の実施の形態で示したリアクトル40(図2~4参照)が、接着剤41を介してケース42に収容されている。ケース42は、具体的には、アルミニウム等の金属材料を主成分としする材料で形成されると共に、端面部43a、43b、側面部44a、44b、及び底面部45を有している。そして、非磁性体部6が接着剤41を介してケース42に接触していることから、コイル導体1から非磁性体部6に伝搬されてきた熱は、ケース42によって冷却されることになる。
尚、接着剤41は熱伝導率の高いものを好んで使用することができ、このように熱伝導率の高い接着剤41を使用することにより、リアクトルをより効果的に冷却させることができる。また、熱伝導率が高くない接着剤を使用することもでき、その場合は接着剤の塗布厚みを薄くするのが好ましい。さらに、リアクトル40をケース42に密着させて収容させることが可能な場合は、接着剤を省略することもできる。
図28は、上記リアクトルの冷却構造の第1の変形例を示す斜視図であり、図29は、図28のK-K矢視断面図である。
図26の実施の形態では、リアクトル40はケース42に収容されていたが、本第1の変形例では、ケース42に代えてリアクトル40が外装樹脂部46で覆われている。
具体的には、リアクトル40の一方の主面9a、端面部10a、10b及び側面部11a、11b(図2参照)が第2の非磁性系樹脂材料からなる外装樹脂部46で被覆されている。
この第1の変形例では、非磁性体部6が外装樹脂部46に接していることから、コイル導体1から非磁性体部6に伝搬されてきた熱が、非磁性体部6と外装樹脂部46との接触面に伝熱され、外装樹脂部46で冷却されることになる。しかも、リアクトル40を外装樹脂部46で被覆しているので、ケース42に収容した場合と比べ薄層化できることから、小型・軽量化が可能である。
第2の非磁性系樹脂材料としては、その範疇に属するものであれば特に限定されるものではなく、例えば第1の非磁性系樹脂材料と同種のエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等を使用することができ、また、高熱伝導性フィラーを含有させるのも好ましい。
図30は、上記リアクトルの冷却構造の第2の変形例を示す断面図である。
この第2の変形例は、高熱伝導部材19a、19bが付設されたリアクトル47(図8参照)が、上記第1の変形例と同様、外装樹脂部46で被覆している。この第2の変形例では、非磁性体部6及び高熱伝導部材19a、19bが外装樹脂部46と接触していることから、コイル導体1から非磁性体部6に伝搬されてきた熱が、非磁性体部6と外装樹脂部46との接触面及び高熱伝導部材19a、19bに伝搬され、高熱伝導部材19a、19bを介して外部に放熱されると共に外装樹脂部46で冷却され、かつ小型・軽量化が可能なリアクトルの冷却構造を実現することができる。
図31は、上記リアクトルの冷却構造の第3の変形例を示す断面図である。
本第3の変形例は、上記第2の変形例に加え、外装樹脂部48で被覆されたリアクトル47が、冷却板49上に設けられ、磁心コア18の底面の一部が冷却板49に接している。
図32は、この第3の変形例の要部分解斜視図である。
この第3の変形例では、磁心コア18には図10と同様の凹部が設けられている。
そして、平板状の冷却板49の所定位置に高熱伝導部材19a、19bを貼着した後、これを磁心コア18の凹部に貼着し、その後、これにモールド成形を施し、外装樹脂部48を形成している。
本第3の変形例では、非磁性体部6及び高熱伝導部材19a、19bが外装樹脂部48と接触すると共に、磁心コア18の一部及び高熱伝導部材19a、19bが冷却板49と接触していることから、非磁性体部6と外装樹脂部48との接触面及び高熱伝導部材19a、19bに伝搬され、外装樹脂部48で冷却される上に熱伝導部材19a、19bによってコイル導体1から発生する熱が冷却板49に伝搬されて冷却される。しかも、磁心コア18が冷却板49に接していることから、非磁性体部6から磁心コア18に拡散した熱を冷却板49で冷却することができ、小型・軽量化が可能でより良好なリアクトルの冷却構造を実現することができる。
図33は、上記リアクトルの冷却構造の第4の変形例を示す斜視図であり、図34は、図33のL-L矢視断面図である。
この第4の変形例では、第2の変形例で示した外装樹脂部46で被覆されたリアクトル47が筐体51に収容され、該筐体51が多数の給水口52を有する冷却板53上にビス等の締結具54を介して固定されている。
この第4の変形例では、矢印W方向から給水口52を介して冷却板53に水が供給され、該冷却板53は水冷されて低温状態とされる。そして、高熱伝導部材19a、19bが水冷された低温状態の冷却板53に接することから、コイル導体1で発生した熱は、非磁性体部6及び高熱伝導部材19a、19bを介して冷却板53に伝搬され、リアクトル47が水冷されて効率良く冷却される。しかも第3の変形例と同様、磁心コア18も冷却板53に接していることから、非磁性体部6から磁心コア18に拡散した熱は、冷却板53によって水冷することができ、リアクトル47をより効果的に冷却することができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態及び各種変形例では、リアクトルの冷却構造について、第1の実施の形態のリアクトルを適用した場合について詳述したが、コアギャップを有する第2の実施の形態に係るリアクトルにも同様に適用できるのはいうまでもない。また、リアクトルの冷却構造について、第2~第4の変形例ではリアクトルを外装樹脂部で被覆した場合について説明したが、リアクトルをケースに収容した場合も同様に適用できるのはいうまでもない。
また、上記実施の形態では、モールド成形を射出成形により行ったが、成形加工法については特に限定されるものではなく、トランスファー成形やシートプレス成形等でモールド成形を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、第1の非磁性系樹脂材料を主成分とし、高熱伝導性フィラーを含有した混合物を使用してモールド成形し、非磁性体部を形成しているが、特性に影響を与えない範囲で第1の非磁性系樹脂材料及び高熱伝導性フィラー以外の成分を含んでいてもよい。
また、上記実施の形態では、コイル導体は導線を渦巻状に巻回しているが、螺旋状に巻回してもよい。
また、上記各実施の形態では導線を被覆平角線で形成しているが、コ字状の箔状導体や丸線を使用してもよい。箔状導体を使用する場合は、箔状導体が互いに重なり合うように巻回した後、重なり合っている箔状導体の角部同士を圧着して一体化したり、或いはビアを介して各箔状導体を積層し、これにより箔状導体同士を電気的に接続して一体化することにより、筒状のコイル導体を作製することができる。また、これら被覆平角線や箔状導体の他、断面形状が円状の丸線を使用しても本発明の課題解決に影響を与えるものではない。
放熱性が良好で小型・高性能のリアクトル、及び効率良く冷却させることができるリアクトルの冷却構造を実現する。
1 コイル導体
2 中空部
6、21、24、33 非磁性体部
8、18、28、34、38、50 磁心コア
12 中心空洞部
19a、19b、37a、37b 高熱伝導部材
20a、20b 凹部
22 平面樹脂部
26a~26d、31a、31b、36a~36d 凸条部
40、47 リアクトル
42 ケース
46、48 外装樹脂部
49、53 冷却板

Claims (19)

  1. 中空部を有するように導線が巻回されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを有し、通電により前記磁心コアに磁路を形成するリアクトルであって、
    前記コイル導体は、第1の非磁性系樹脂材料を主成分とする非磁性体部で被覆されると共に、前記非磁性体部は、熱伝導を促進する高熱伝導性フィラーを含有し、
    かつ、前記非磁性体部は凸条部を有すると共に、該凸条部でコアギャップを形成し、
    前記非磁性体部の一部が、前記磁心コアの表面に露出していることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記非磁性体部は、熱伝導率が1W/m・K以上であることを特徴とする請求項1記載のリアクトル。
  3. 前記磁心コアよりも高い熱伝導率を有する高熱伝導部材が、前記磁心コアに付設され、
    前記高熱伝導部材は、少なくともいずれか一の主面が前記非磁性体部と接していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のリアクトル。
  4. 前記磁心コアは凹部を有すると共に、前記高熱伝導部材は、前記凹部に接合されていることを特徴とする請求項3記載のリアクトル。
  5. 前記非磁性体部は、モールド成形された成形体であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のリアクトル。
  6. 前記導線は平角線で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のリアクトル。
  7. 前記導線は平角線で形成されると共に、前記コイル導体はフラットワイズ巻きとされていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のリアクトル。
  8. 前記磁心コアは樹脂材料を含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のリアクトル。
  9. 前記磁性体材料は、軟磁性金属材料及びフェライト材料のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のリアクトル。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のリアクトルが、ケースに収容されると共に、前記リアクトルを構成する非磁性体部が前記ケースと接していることを特徴とするリアクトルの冷却構造。
  11. 前記リアクトルが冷却板上に設けられていることを特徴とする請求項10記載のリアクトルの冷却構造。
  12. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のリアクトルが、第2の非磁性系樹脂材料で形成された外装樹脂部で覆われると共に、前記リアクトルを構成する非磁性体部が前記外装樹脂部と接していることを特徴とするリアクトルの冷却構造。
  13. 前記リアクトルが冷却板上に設けられると共に、前記外装樹脂部は、前記リアクトルが前記冷却板と接する部分を除く部分に形成されていることを特徴とする請求項12記載のリアクトルの冷却構造。
  14. 前記非磁性体部を構成する第1の非磁性系樹脂材料と前記第2の非磁性系樹脂材料とは同一であることを特徴とする請求項12又は請求項13記載のリアクトルの冷却構造。
  15. 通電により発熱するリアクトルを冷却するためのリアクトルの冷却構造であって、
    前記リアクトルは、中空部を有するように導線が巻回されたコイル導体と、磁性体材料を含有した磁心コアとを有すると共に、前記コイル導体は、第1の非磁性系樹脂材料を主成分としかつ熱伝導を促進する高熱伝導性フィラーを含有した非磁性体部で被覆され、前記非磁性体部の一部が、前記磁心コアの表面に露出されており、
    前記リアクトルが、第2の非磁性系樹脂材料で形成された外装樹脂部で覆われると共に、前記非磁性体部が前記外装樹脂部と接していることを特徴とするリアクトルの冷却構造。
  16. 前記リアクトルは、前記非磁性体部が、前記コイル導体を被覆すると共にコアギャップを形成していることを特徴とする請求項15記載のリアクトルの冷却構造。
  17. 前記リアクトルは、前記非磁性体部が、前記コイル導体を被覆して形成された中心空洞部を塞ぐ平面樹脂部を有し、該平面樹脂部で前記コアギャップを形成していることを特徴とする請求項16記載のリアクトルの冷却構造。
  18. 前記リアクトルが冷却板上に設けられると共に、前記外装樹脂部は、前記リアクトルが前記冷却板と接する部分を除く部分に形成されていることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれかに記載のリアクトルの冷却構造。
  19. 前記第1の非磁性系樹脂材料と前記第2の非磁性系樹脂材料とは同一であることを特徴とする請求項15乃至請求項18のいずれかに記載のリアクトルの冷却構造。
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