JP2012004511A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リアクトル1は、通電により磁束Mを発生する筒状のコイル2と、絶縁樹脂に磁性粉末を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなると共にコイル2を内部に埋設してなるコア3とを有する。コア3には、磁束Mの方向に所定の幅Wを有する非磁性のギャップ部41が設けられている。ギャップ部41は、非磁性体材料により構成されている。
【選択図】図1
Description
リアクトルとしては、例えば、図14、図15に示すごとく、通電により磁束Mを発生するコイル92と、絶縁樹脂931に磁性粉末932を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなると共にコイル92を内部に埋設してなるコア93とを備えたリアクトル91がある(特許文献1参照)。
よって、従来は、ギャップによる磁気飽和防止効果が十分に得られるように、有効ギャップ940aの大きさをある程度確保していた。そのため、余分なスペースである無効ギャップ940bを小さくすることができず、リアクトル91の小型化を阻害していた。
上記コアには、上記磁束の方向に所定の幅を有する非磁性のギャップ部が設けられていることを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
例えば、上記コアにおける上記磁性粉末の体積率(充填率)を高くすれば、上記磁性粉末が密に分散され、該磁性粉末間の距離が小さくなる。これにより、従来余分なスペースであった上記磁束の方向に直交する方向の無効ギャップを小さくすることができ、上記磁束の方向に直交する方向の小型化を図ることができる。
よって、上記ギャップ部を設けた効果を利用すれば、上記リアクトルの磁気特性を維持しながら小型化を図ることができる。
また、上記コアを構成する上記磁性粉末混合樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂に鉄粉等の磁性粉末を混合して分散させたものを用いることができる。
また、上記ギャップ部の幅は、上記リアクトルが所望の磁気特性となるように、具体的には上記コア全体の磁気抵抗が所望の磁気抵抗となるように、自由に設定することができる。
この場合には、上記磁性粉末間の距離を小さくすることができ、上記リアクトルの小型化を十分に図ることができる。
また、上記コアにおける上記磁性粉末の体積率が90体積%を超える場合には、上記磁性粉末の割合が高すぎて上記磁性粉末混合樹脂の流動性が低下し、上記コアの成形が困難になる等、製造上の問題が生じるおそれがある。
この場合には、非磁性の上記ギャップ部を容易に形成することができる。また、上記非磁性体材料として加工、成形等が容易な材料を用いることにより、所望の形状の上記ギャップ部を容易に得ることができる。
なお、上記非磁性体材料としては、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)等を用いることができる。
この場合には、非磁性の上記ギャップ部を容易に形成することができる。また、上記ギャップ部を空間によって形成するため、該ギャップ部を構成する材料や部品が必要ない。これにより、材料や部品の削減を図ることができる。
この場合には、上記磁束が上記コイルの表面に対して平行な方向に形成されることから、上記磁束の方向に所定の幅を有する上記ギャップ部を容易に設けることができる。また、上記ギャップ部が上記コイルの表面から上記コアを貫通するように形成されるため、上記ギャップ部を設けることが製造上容易となる。特に、上記ギャップ部をエアギャップとした場合には、上記コアの外表面に開口する形状となるため、エアギャップ(空間)よりなる上記ギャップ部を容易に形成することができる。
本発明の実施例にかかるリアクトルについて、図を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、図1、図2に示すごとく、通電により磁束Mを発生する筒状のコイル2と、絶縁樹脂31に磁性粉末32を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなると共にコイル2を内部に埋設してなるコア3とを有する。コア3には、磁束Mの方向に所定の幅Wを有する非磁性のギャップ部41が設けられている。
以下、これを詳説する。
リアクトル1は、通電により磁束Mを発生するコイル2と、コイル2への通電により発生した磁束Mの磁路を構成するコア3と、コア3に設けられた非磁性のギャップ部41とを有する。
図1、図2に示すごとく、コア3は、絶縁樹脂31としてのエポキシ樹脂に磁性粉末32としての鉄粉を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなる。コア3は、コイル2の周りを全体的に覆うように形成されている。
本例のリアクトル1を製造するに当たっては、図3に示すごとく、コア成形用の成形型5内の所定の位置に、治具等を用いてコイル2を配置する。
次いで、図4に示すごとく、成形型5内のコイル2の外周側、具体的にはコイル2の外周面202と成形型5の内周面501との間に、最終的にギャップ部41となる円環板状の非磁性体板410を配置する。
次いで、同図に示すごとく、磁性粉末混合樹脂30を熱処理により硬化させ、コア3を成形する。その後、コア3から成形型5を取り外す。
以上により、図1のリアクトル1を得る。
本例のリアクトル1において、コア3には、磁束Mの方向に所定の幅Wを有する非磁性のギャップ部41が設けられている。すなわち、通電によってコイル2の周りに発生する磁束Mの磁路となるコア3には、絶縁樹脂31中に分散した磁性粉末32間に形成される微小なギャップ40(図2参照)に加えて、所定のまとまった大きな幅を有するギャップ部41が設けられている。そのため、ギャップ部41を設けた分だけコア3の磁気抵抗を大きくすることができ、磁気飽和防止効果を高めることができる。
例えば、コア3における磁性粉末32の体積率(充填率)を高くすれば(図15の状態から図2の状態へ)、磁性粉末32が密に分散され、磁性粉末32間の距離が小さくなる。これにより、従来余分なスペースであった磁束Mの方向に直交する方向の無効ギャップ40b(図2参照)を小さくすることができ、磁束Mの方向に直交する方向の小型化を図ることができる。
よって、ギャップ部41を設けた効果を利用すれば、リアクトル1の磁気特性を維持しながら小型化を図ることができる。
本例は、図9に示すごとく、ギャップ部41の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、ギャップ部41は、磁束Mの方向に所定の幅Wを有する空間であるエアギャップである。具体的には、ギャップ部41は、コイル2の外周面202からその外周面202に対して垂直な方向に形成され、コア3の外周面302に開口している。すなわち、コア3の外周面302からコイル2の外周面202まで内側に切り込まれたように凹溝状に形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例のリアクトル1を製造するに当たっては、図10に示すごとく、複数の型枠51を組み合わせて構成されたコア成形用の成形型5を準備する。成形型5には、ギャップ部41を形成するためのギャップ形成部52が設けられている。ギャップ形成部52は、成形型5の内周面501からコイル2の外周面202まで内側に突出するように円環板状に形成されている。
次いで、同図に示すごとく、成形型5内の所定の位置に、治具等を用いてコイル2を配置する。具体的には、成形型5のギャップ形成部52の内側にコイル2を配置する。
次いで、同図に示すごとく、磁性粉末混合樹脂30を熱処理により硬化させ、コア3を成形する。その後、コア3から成形型5を取り外す。そして、ギャップ形成部52があった部分にエアギャップ(空間)よりなるギャップ部41が形成される。
これにより、図9のリアクトル1を得る。
本例のリアクトル1において、ギャップ部41は、磁束Mの方向に所定の幅Wを有する空間であるエアギャップである。そのため、非磁性のギャップ部41を容易に形成することができる。また、ギャップ部41を空間によって形成するため、ギャップ部41を構成する材料や部品が必要ない。これにより、材料や部品の削減を図ることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
2 コイル
3 コア
41 ギャップ部
Claims (4)
- 通電により磁束を発生する筒状のコイルと、絶縁樹脂に磁性粉末を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなると共に上記コイルを内部に埋設してなるコアとを有するリアクトルであって、
上記コアには、上記磁束の方向に所定の幅を有する非磁性のギャップ部が設けられていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1に記載のリアクトルにおいて、上記ギャップ部は、非磁性体材料からなることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1に記載のリアクトルにおいて、上記ギャップ部は、上記磁束の方向に所定の幅を有する空間であるエアギャップであることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトルにおいて、上記ギャップ部は、上記コイルの表面から該表面に対して垂直な方向に形成され、かつ、上記コイルの表面から少なくとも上記コアの外表面まで形成されていることを特徴とするリアクトル。
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