JP6557533B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、コアを備えるリアクトルに関する。
リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車の駆動システム等をはじめ、種々の用途で使用されている。例えば、車載用の昇圧回路に用いられるリアクトルとして、環状コアの周囲に配置した樹脂製のボビンにコイルを巻回した後、これらを金属製のケースに収容し、ケース内に充填材を流し込んで固めたものが多く用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−124267号公報
従来の環状コアは、U字型コアやI字型コアなどの複数のコア部材が接続されて環状形状が形成されている。これらの複数のコア部材は、接着剤を用いて互いのコア部材が接続されている。しかし、接着剤は、経年劣化によりその接着強度が低下して、コア部材同士の接着が剥がれ、ケース内での固定が困難となる場合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、接着剤を用いなくてもコアを環状にした上でケース内に固定することのできるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、環状のコアと、前記コアを被覆する樹脂部材と、前記コアの少なくとも一部を巻回するコイルと、を有するリアクトル本体と、前記リアクトル本体を収容するケースと、前記ケース内で前記リアクトル本体を固定するための押圧部材と、を備え、前記コアは、周囲に前記コイルが巻回される一対の柱状の脚部と、前記脚部を繋ぐ一対の背面部と、を有し、前記樹脂部材は、前記背面部を被覆する一対の第1の樹脂体を有し、前記第1の樹脂体には、前記脚部の端部が収容される収容部が設けられ、前記押圧部材は、前記ケースの底面と前記背面部との間に介在する弾性体と、前記リアクトル本体を上から押さえつける固定具と、を有し、各前記収容部には、前記脚部の端部が収容され、前記リアクトル本体は、前記脚部の端面が前記ケースの底面と面し、前記脚部が前記ケースの底面と直交するように前記ケースに収容され、前記押圧部材は、前記弾性体が前記ケースの底面から反発力を受けて前記第1の樹脂体を押圧し、前記固定具が前記ケースに締結固定されて前記第1の樹脂体を押圧することにより、前記コアが環状に形成された状態で前記ケース内に固定されていること、を特徴とする。
本発明のリアクトルは、次の構成を有していても良い
(1)前記収容部の底部には開口が設けられ、当該開口から前記脚部の端面が露出していること。
(2)前記ケースは、放熱性を有し、前記収容部の開口から露出した前記脚部の端面が、前記ケースの底面に接していること。
(3)前記ケースの開口を塞ぐ蓋を備え、前記蓋は前記固定具であり、前記蓋は、放熱性を有し、その内側が前記収容部の開口から露出した前記脚部の端面と接するとともに、前記リアクトル本体を前記ケース底部に押さえつけること。
本発明のリアクトルは、環状のコアと、前記コアを被覆する樹脂部材と、前記コアの少なくとも一部を巻回するコイルと、を有するリアクトル本体と、前記リアクトル本体を収容するケースと、前記ケース内で前記リアクトル本体を固定するための押圧部材と、を備え、前記コアは、周囲に前記コイルが巻回される一対の柱状の脚部と、前記脚部を繋ぐ一対の背面部と、を有し、前記樹脂部材は、前記背面部を被覆する一対の第1の樹脂体を有し、前記第1の樹脂体には、前記脚部の端部が収容される収容部が設けられ、各前記収容部には、前記脚部の端部が収容され、前記リアクトル本体は、前記脚部の端面が前記ケースの内壁面と面し、前記脚部が前記ケースの対面する内壁面と直交するように前記ケースに収容され、前記押圧部材は、前記ケースの互いに向かい合う内壁面と前記脚部との間に介在する弾性体であり、前記弾性体は、前記ケースの内壁面から反発力を受けて前記第1の樹脂体を押圧し、互いに向かい合う前記第1の樹脂体で前記脚部の両端面を挟み込むことにより、前記コアが環状に形成された状態で前記ケース内に固定されていること、を特徴とする
(4)前記収容部の底部には開口が設けられ、当該開口から前記脚部の端面が露出していること。
(5)前記ケースは、放熱性を有し、前記第1の樹脂体には、前記背面部の一部が露出する開口部が設けられ、前記開口部から露出した前記背面部が、前記ケースの底面に接していること。
(6)前記ケースの開口を塞ぐ蓋を備え、前記蓋は、放熱性を有し、その内側が前記開口部から露出した前記背面部と接するとともに、前記リアクトル本体を前記ケース底部に押さえつけること。
(7)前記弾性体は、前記第1の樹脂体と一体に設けられた樹脂ばねであること。
(8)前記樹脂ばねは、アーチ形状を有すること。
本発明のリアクトルは、環状のコアと、前記コアを被覆する樹脂部材と、前記コアの少なくとも一部を巻回するコイルと、を有するリアクトル本体と、前記リアクトル本体を収容するケースと、前記ケース内で前記リアクトル本体を固定するための押圧部材と、を備え、前記コアは、周囲に前記コイルが巻回される一対の円柱形状の脚部と、前記脚部を繋ぐ一対の背面部と、を有し、前記樹脂部材は、前記背面部を被覆する一対の第1の樹脂体と、前記脚部を被覆する第2の樹脂体とを有し、前記第1の樹脂体には、前記脚部の端部が収容される収容部が設けられ、各前記収容部には、前記脚部の端部が収容され、前記押圧部材は、前記第1の樹脂体を押圧し、前記コアが環状に形成された状態で前記ケース内に固定され、前記コイルは、前記第2の樹脂体に密着して設けられていること、を特徴とする。
(9)前記コイルは、アルファ巻きであること。
(10)前記第2の樹脂体の側面には、凸部が所定間隔毎に設けられていること。
(11)前記脚部と前記背面部との間には、前記樹脂部材の厚みでギャップが構成されていること。
本発明によれば、接着剤を用いなくても環状コアを形成した上でケース内に固定でき、製造コストを低減することのできるリアクトルを得ることができる。
第1の実施形態に係るリアクトルの斜視図である。 第1の実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。 図1のA−A断面図である。 第1の実施形態に係る背面部を被覆する樹脂体の斜視図である。 第2の実施形態に係るリアクトルの斜視図である。 第2の実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。 図4のB−B断面図である。 図4のC−C断面図である。 第2の実施形態に係る背面部を被覆する樹脂体の斜視図である。 第3の実施形態に係るリアクトルの斜視図である。 第3の実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。 図10のD−D断面斜視図である。 図10のE−E断面斜視図である。 第3の実施形態に係る背面部を被覆する樹脂体の斜視図である。 他の実施形態に係るリアクトルの斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のリアクトルについて説明する。
[1.第1の実施形態]
[1−1.全体構成]
図1は、本実施形態に係るリアクトルの斜視図であり、図2は、本実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。図3は、図1のA−A断面図であり、本実施形態に係るリアクトルの断面図である。
本実施形態のリアクトルは、例えばハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車の駆動システム等で使用される大容量のリアクトルである。リアクトルは、これら自動車に搭載される電気回路の主要部品である。この電気回路は、リアクトルの他、IGBT等の半導体スイッチング素子を有する。リアクトルは、半導体スイッチング素子のオンオフが高速に行われることにより、外部電源から供給される電気エネルギーを磁気エネルギーに変換し、当該エネルギーの蓄積及び放出を繰り返し、電流や電圧を抑制する。
本実施形態のリアクトルは、半導体スイッチング素子のスイッチング周波数が、例えば20kHz以上で用いることができる。但し、スイッチング周波数が20kHz未満である場合でも使用可能である。
本明細書では、各部材の位置関係や配置を説明するために、便宜上、図1に示すように、xy平面がリアクトルの底面に平行であり、z軸はx軸及びy軸に垂直であり、z軸方向はリアクトルの高さ方向を示す。図1のz軸正方向を「上」、z軸負方向を「下」或いは「底」と称する場合がある。また、「縦」という場合には、z軸方向を指し、「横」という場合には、xy平面と平行であることを指す。
図1及び図2に示すように、リアクトルは、リアクトル本体1と、リアクトル本体1を収容するケース4と、リアクトル本体1をケース4に固定する固定具3と、を備える。リアクトル本体1は、ケース4に、後述する円柱形状の脚部11が縦になるように収容されている。リアクトル本体1の底部はケース4の底部に支持されるとともに、リアクトル本体1の上部は、長板状の固定具3がケース4の開口を横断するように両端がケース4の開口縁にネジ止めされることで、固定具3によって押さえられ、ケース4内で固定される。固定具3は、本実施形態におけるリアクトル本体1の押圧部材の一つである。
[1−2.詳細構成]
(リアクトル本体)
リアクトル本体1は、環状コア10と、環状コア10の一部の外周に装着されたコイル5a、5bと、環状コア10の外周を覆い、環状コア10とコイル5a、5bとを絶縁する樹脂部材20とを有している。
環状コア10は、図2及び図3に示すように、複数のコア部材からなり、環状になるように構成されている。環状コア10は、これらコア部材として、一対の円柱形状の脚部11と、これらの脚部11に挟まれるブロック状の背面部12と、を有している。背面部12には、脚部11の側面に沿うように切欠かれた切欠き部12aが設けられている。
換言すれば、環状コア10は、一対の平行に並んだ脚部11の端部側面を切欠き部12aに嵌めて、脚部11で背面部12を挟み込んで環状形状を成すように構成されている。本実施形態では、環状コア10を構成するのに、接着剤を用いていない。なお、脚部11の端部側面と背面部12の切欠き部12aとの間は、所定のギャップが設けられる。すなわち、後述するように脚部11及び背面部12の周囲を樹脂体21、22で被覆されるため、これらの厚みの分だけ、ギャップが設けられる。
脚部11は、柱状のコアであれば良く、その延び方向に直交する断面形状は特に限定されない。本実施形態では円形状であるが、楕円形状であっても、角に丸みを帯びた多角形状であっても良い。脚部11は、複数の例えば円柱形状のコア部材から構成しても良い。また、脚部11は、円柱形状の軸を揃えて、各コア部材間に所定のギャップを介在させて並べて構成しても良い。
脚部11には、その周囲にコイル5a、5bが巻回されており、コイル5a、5bに電流が流れた場合には、脚部11に磁束が発生する。
背面部12は、ブロック状のコア部材である。ここでは、背面部12は、その全体形状は概略矩形状であり、その側部には、上記のように、内側にくぼむように切欠かれた切欠き部12aが設けられている。切欠き部12aは、脚部11の側面を沿う形状である。本実施形態の切欠き部12aの形状は、脚部11の外周面の形状に合わせた円弧状である。
背面部12には、コイル5a、5bは巻回されない。背面部12は、脚部11で発生した磁束が通過するコア部材であり、ヨーク部とも称される。
脚部11及び背面部12の素材は、圧粉磁心、フェライトコア、又は積層鋼板など特に限定されないが、本実施形態では圧粉磁心からなる。この圧粉磁心は、ビッカース(Vickers)硬度が50以上の磁性粉末を含んで構成することができる。ビッカース硬度は、物質の硬さを表す尺度の一つであり、試料に対する荷重とくぼみの表面積の比で定義される。ビッカース硬度が50以上の磁性粉末としては、純鉄、Fe−3.5%Si合金、センダスト、Fe−6.5%Si合金、アモルファス合金のいずれか、又はこれら2種以上の混合粉を用いることができる。脚部11は、磁気特性を向上させるため、背面部12より高密度とすると良い。また、脚部11は、背面部12より磁気特性の良い磁性粉末で構成すると良い。
樹脂部材20は、環状コア10の周囲を被覆する樹脂からなる部材であり、環状コア10に倣った形状を有する。樹脂部材20は、脚部11の周囲を被覆する樹脂体21と、背面部12の周囲を被覆する樹脂体22とから構成される。換言すれば、樹脂体21、22には、脚部11、背面部12が埋め込まれている。樹脂体21は、請求項記載の「第2の樹脂体」の一例であり、樹脂体22は、請求項記載の「第1の樹脂体」の一例である。樹脂体21、22の製造方法としては、例えば、脚部11、背面部12をインサート品として樹脂をモールドする成形法が挙げられる。
樹脂部材20を構成する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等を用いることができる。
樹脂体21は、円柱形状の脚部11の周囲を被覆するため、その形状は円筒形状である。樹脂体21の両端には開口部21bが設けられ、開口部21bからは、脚部11の円形の端面が露出している。樹脂体21の筒の中央部分を、その筒が延びる方向と直交する方向に切断したときの断面形状は、歯車のようになっている。すなわち、樹脂体21の側面には、凸部21aが所定間隔毎に円周に沿って設けられている。この凸部21aは、円周の外側に向かって突出した突起であり、樹脂体21の円筒の延び方向と同方向に設けられている。樹脂体21の周囲には、この凸部21aを介して円周方向にコイル5a、5bが巻回される。
図4は、樹脂体22の斜視図である。リアクトル本体1がケース4に縦置きで収容されるため、樹脂体22はケース4内の上部及び底部に配置される。これらの構成は基本的に同じである。なお、図4では、上側の樹脂体22を符号22Aとし、下側の樹脂体22を符号22Bで示している。
樹脂体22は、背面部12に倣った形状を有し、脚部11が接続される箇所には収容部22aが設けられている。図2〜図4に示すように、収容部22aは、脚部11の外形の沿った円柱形状を有するくぼみであり、リアクトル組立時に脚部11の位置決めとして用いられる。すなわち、一対の樹脂体22は、互いの収容部22aが対向するように配置され、脚部11の端部が収容部22aのくぼみ部分に嵌め込まれる。なお、本実施形態においては、収容部22aであるくぼみの深さは、背面部12の厚みと同程度である。
収容部22aの底部は、脚部11の端面に引っかかるようになっている。具体的には、収容部22aの底部は開口しており、その開口径は、収容部22aの脚部11端部が挿入される開口の径よりも小さい。換言すれば、収容部22aの底部の縁は、収容部22aの内側面よりも円中心に向かってせり出しており、脚部11が収容部22aに収容されたときには、脚部11の端面が収容部22aの底部縁に突き当たる。
樹脂体22には、弾性体として機能する樹脂ばね22bが設けられている。樹脂ばね22bは、ケース4の内壁面と接触し、リアクトル本体1を押圧する。図4に示すように、樹脂ばね22bは、樹脂体22の片面側に、背面部12を被覆する部分と一体成形により樹脂で形成されている。樹脂ばね22bは、アーチ形状を有し、樹脂体22内部の背面部12から離れるように外側に向かって湾曲して設けられている。
本実施形態では、樹脂ばね22bは、上側の樹脂体22の上部、及び下側の樹脂体22の底部に、それぞれ設けられている。図2中、下側の樹脂体22の樹脂ばね22bは、その頂点部分がケース4の底面に当たり、ケース4底面から反発力を受ける。また、樹脂体22には、背面部12の一部が露出する開口部22cが設けられている。
コイル5a、5bは、絶縁被覆された導線であり、アルファ巻きで構成されている。アルファ巻きは、絶縁被覆された導線を内側から外側に積層するように巻く方式である。コイル5a、5bは、アルファ巻きであるため、エッジワイズ巻きが断面矩形状の4箇所で曲げが大きくなる箇所があるのに対して、コイル5a、5bの曲げが一定している。コイル5a、5bは、脚部11の周囲に設けられる。本実施形態では、コイル5a、5bは、平角線で構成されているが、丸線で構成されていても良い。コイル5a、5bは、導線の絶縁被膜の周りに設けた自己融着層を溶融させることで、自己融着させて構成しても良い。この自己融着により、コイルの線同士が密着するのでコイル5a、5b全体の熱分布を均等にでき、放熱効果を向上させることができる。
コイル5a、5bは、端部50a、50bがケース4外部に引き出されており、これら端部50a、50bが外部電源などの外部機器と電気的に接続される。ここでは、コイル5a、5bは、コイル5a、5bと同一の素材からなる連結線により連結されており、端部50a、50bのいずれかから流入した電流が他方の端部50a、50bから外部に流出する。コイル5a、5bに通電されると、コイル5a、5bの空芯部を貫く磁束が発生するようになっている。
(ケース)
ケース4は、上面に開口を備えたバスタブ形状を有しており、リアクトル本体1を収容する。ケース4は、底部とこの底部の縁から側壁が上方に向かって立設されており、側壁の縁が開口の縁である。この開口縁には、ネジ穴40aが設けられており、固定具3でリアクトル本体1を固定するために用いられる。
ケース4は、放熱性を有する。ケース4は、アルミニウム、樹脂、鉄、マグネシウム、亜鉛、又はこれらの少なくとも2種以上が含まれてなる。ケース4は、例えばアルミニウム合金等、熱伝導性が高く軽量な金属で形成されていても良い。
ケース4の底部には、図3に示すように、上方に向かって隆起した隆起部41が2つ設けられている。隆起部41の形状は、樹脂体22の収容部22aの開口の形状と同一の形状であり、リアクトル本体1がケース4に収容される際には、収容部22aの開口に隆起部41が嵌まり込み、脚部11の端面が隆起部41の上面に面接触する。すなわち、脚部11の端面がケース4の底面に接する。
ケース4には、リアクトル本体1を収容した後、充填材を充填及び固化させても良い。充填材には、リアクトル本体1の放熱性能の確保及びリアクトル本体1からケース4への振動伝搬の軽減のため、比較的柔らかく熱伝導性の高い樹脂が適している。
(固定具)
固定具3は、ケース4に収容されたリアクトル本体1を上側から押さえつけて固定する部材である。本実施形態では、固定具3は、長板状の金属ステイである。固定具3の両端には、ネジ71が挿入されるネジ孔31が設けられており、ネジ孔31を介してネジ71が締結されることで固定具3の一面がリアクトル本体1の樹脂体22の上面に接触し、リアクトル本体1がケース4の底面側に押しつけられて固定される。換言すれば、リアクトル本体1の、下側の樹脂体22に設けられた樹脂ばね22bの頂点部分から固定具3までの高さは、ケース4の底面から固定具3までの高さよりも若干高い。つまり、この高さの差は、樹脂ばね22bが押圧されることで調整される。
[1−3.作用]
上記の構成を有するリアクトルの作用について、説明する。本実施形態のリアクトル本体1では、背面部12を被覆する樹脂体22に、一対の円柱形状の脚部11を嵌め込む収容部22aが設けられている。一対の樹脂体22が互いの収容部22aが向かい合う状態で、円柱形状の脚部11の端部が収容部22aに嵌め込まれ、環状コア10は脚部11及び背面部12で環状形状を成す。収容部22aは、環状コア10の形状を形成する脚部11の位置決めとして機能する。
リアクトル本体1は、脚部11がケース4の底面と直交して縦になるようにケース4に収容される。具体的には、樹脂体22の底部に設けられた開口がケース4の底部に設けられた隆起部41が嵌まるように、リアクトル本体1が縦置きされる。これにより、リアクトル本体1のケース4内での位置決めがなされる。このとき、下側の樹脂体22に設けられた樹脂ばね22bは、ケース4の底面と接触している。この状態で、固定具3をケース4の開口を跨ぐように設置する。
このとき、固定具3は上側の樹脂体22上に配置された状態であり、ケース4のネジ穴41から固定具3のネジ穴31は浮いた状態である。言い換えると、リアクトル本体1の高さは、ケース4の底面からネジ締結された場合の固定具3までの高さよりも若干高い。
ここで、ネジ穴31、41及びネジ71によりネジ締結することで、リアクトル本体1がケース4底面に向けて押圧され、ケース4底面と接する樹脂ばね22bはアーチ形状がつぶれるように変形する。すなわち、リアクトル本体1は、樹脂ばね22bにより下側から上側に向けて反発力を受けるとともに、固定具3の締結により、下側に向かっても押圧力を受ける。このように、樹脂ばね22b及び固定具3が押圧部材として機能する。
より詳細には、樹脂ばね22bの反発力により、下側の樹脂体22における収容部22aの底部縁が上側の固定具3に向かって脚部11の端面の周縁を押圧する。一方、固定具3の押圧により、リアクトル本体1は下側のケース4底面に向かって押圧力を受ける。これにより、脚部11の両端部が、背面部12が埋め込まれた樹脂体22により、上下方向から挟まれるように押圧されるため、ケース4内で環状コア10の形状を保つことができる。言い換えると、収容部22aは、上下の押圧部材の押圧力を環状コア10の固定強度を高めるための部材としても機能する。
以上のように、リアクトル本体1は上下方向に力を受けるため、リアクトル本体1の高さがケース4の底面から固定具3までの高さと一致する。
本実施形態において、ケース4内に充填材を充填することも可能である。充填材を充填する場合には、コイル5a、5bが巻回された内部にも充填材が進入する。すなわち、円柱形状の脚部11を被覆する樹脂体21の周囲には、凸部21aが設けられており、樹脂体21の周囲は凸凹しており、樹脂体21周りに巻回されたコイル5a、5bとの間に隙間が生じる。充填材はこの隙間に進入するので、コイル5a、5bの内部の熱を、放熱性を有する充填材を介してリアクトル外部に放熱することができる。
[1−4.効果]
(1)本実施形態のリアクトルは、環状コア10と、環状コア10を被覆する樹脂部材20と、環状コア10の少なくとも一部を巻回するコイル5a、5bと、を有するリアクトル本体1と、リアクトル本体1を収容するケース4と、ケース4内でリアクトル本体1を固定するための押圧部材と、を備え、環状コア10は、周囲にコイル5a、5bが巻回される一対の柱状の脚部11と、脚部11を繋ぐ一対の背面部12と、を有し、樹脂部材20は、背面部12を被覆する一対の樹脂体22を有し、樹脂体22には、脚部11の端部が収容される収容部22aが設けられ、各収容部22aには、脚部11の端部が収容され、押圧部材は、収容部22aを押圧し、環状コア10が環状に形成された状態でケース4内に固定されているようにした。
これにより、接着剤を用いなくてもコア10を環状にした上でケース4内にコア10を固定することができる。その上、次のような効果も得られる。すなわち、接着剤は、リアクトルの製品コストの中で占める割合が高く、接着剤を用いる場合には高コストになっていたが、本実施形態によれば、高価な接着剤を用いる必要がないので、製品コストを低減することができる。また、接着剤の剥がれや接着力低下を心配する必要もなくなる。
(2)特に、本実施形態では、リアクトル本体1は、脚部11の端面がケース4の底面と面し、脚部11がケース4底面と直交するようにケース4に収容され、押圧部材は、ケース4の底面と背面部12との間に介在する弾性体である樹脂ばね22bと、ケース4の開口を跨ぐ固定具3と、を有し、樹脂ばね22bは、ケース4の底面から反発力を受けて収容部22aを押圧し、固定具3は、ケース4に締結固定されて収容部22aを押圧するようにした。
これにより、ケース4内では、脚部11端部が一対の樹脂体22の収容部22aに収容されて、脚部11が縦になるようにリアクトル本体1が収容される。この状態で、ケース底側の収容部22aには、ケース4底面側の樹脂ばね22bから上側の反発力が働き、ケース4上側の収容部22aには、固定具3から下側の押圧力が働くので、脚部11の端部が収容部22aに収容されて環状形状を成す環状コア10の固定強度を高めることができる。
(3)具体的には、樹脂ばね22bの形状をアーチ形状としたので、簡易な構成で弾性力を得ることができる。
本実施形態のリアクトルは、半導体スイッチング素子のスイッチング周波数が20kHz以上の場合に特に効果を発揮する利点もある。すなわち、本実施形態の環状コア10の固定構造は、接着剤による固定強度より劣る場合も考え得るが、周波数20kHz以上となると人の可聴域を超えるため、仮に磁気吸引力でコア部材が振動しても、人の耳には騒音として聞こえないので、接着剤で強固に固定する必要がない。
(4)収容部22aの底部には開口が設けられ、当該開口から脚部11の端面が露出するようにした。これにより、脚部11の端面が外部に露出するので、脚部11の熱を外部に放熱することができる。
(5)弾性体として樹脂ばね22bを、一体成形により樹脂体22と一体に設けるようにした。これにより、弾性体を別途作製及び取り付けるなどの必要が無くなるので、製造工数を減らすことができる。
(6)脚部11は、円柱形状とし、コイル5a、5bは、第2の樹脂体21に密着して設けるようにした。これにより、リアクトルを小型化することができる。特に、コイル5a、5bは、アルファ巻きとした。これにより、脚部11の形状をコイル5a、5bを構成する巻軸に使用することができるとともに、断面形状が概略矩形のエッジワイズ巻きのように、コイルが大型化することなく、コイル5a、5bと脚部11とをより近くに配置することができる。従って、リアクトルを小型化することができる。また、コイル5a、5b側面の寸法公差を抑えることもできる。その結果、コイル5a、5bとケース4間の距離を近づけることが可能になり、放熱性向上と小型化を図ることができる。
(7)樹脂部材20は、脚部11を被覆する樹脂体21を有し、樹脂体21の側面には、凸部21aが所定間隔毎に設けるようにした。これにより、樹脂体21の周囲に凹凸が形成されているので、凸部21a間の隙間に充填材を進入させることができ、放熱性を向上させることができる。すなわち、樹脂体21の周囲にコイル5a、5bを密着して巻回すると、リアクトルを小型化できる反面、コイル5a、5bへの通電により発生した熱が放熱しにくくなる。また、樹脂体21の周囲に密着させてコイル5a、5bを巻回しても、振動等により一部にクリアランスが生じると、当該クリアランス部分に熱が籠もる。これに対し、樹脂体21の側面に凸部21aを所定間隔毎に設けたことで、ケース4に充填材を注入する場合には、樹脂体21の周囲に放熱性能を有する充填材が進入する隙間ができるので、放熱性を向上させることができる。これにより、リアクトルの小型化と放熱性向上とを両立することができる。
(8)ケース4は、放熱性を有し、収容部22aの開口から露出した脚部11の端面が、ケース4の底面に接するようにした。これにより、リアクトル本体1の熱を、放熱性を有するケース4に逃がすことができるので、コイル5a、5bや脚部11周辺に熱が籠もったとしても放熱することができる。
(9)脚部11と背面部12との間には、樹脂部材20の厚みでギャップが構成されるようにした。これにより、磁束が発生する円柱形状の脚部11において、鉄損により生じた発熱を効率良く外部を逃がすことができる。例えば、本実施形態のコアを用いたリアクトルをアルミニウムなどの放熱性を有する素材からなるケースに収容する場合に、露出した円形又は楕円形状の端面をケースに接触させて収容することが可能になり、放熱性を向上させることができる。
[2.第2の実施形態]
[2−1.構成]
第2の実施形態について、図5〜図9を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図5は、第2の実施形態のリアクトルの斜視図である。図6は、第2の実施形態のリアクトルの分解斜視図である。図7は、図4のB−B断面図である。図8は、図4のC−C断面図である。第1の実施形態では、リアクトル本体1は脚部11が縦になるようケース4に収容されていたのに対し、第2の実施形態では、図5〜図8に示すように、リアクトル本体1は脚部11が横になるようにケース4に収容されている。すなわち、脚部11両端面がケース4の対面する一対の内壁と面するように、リアクトル本体1が横置きされている。
第2の実施形態では、環状コア10の背面部13の形状が異なる。すなわち、背面部13は、ブロック状である点は共通するが、その全体形状は概略六角形状である。本実施形態では、図6および図8に示すように、環状コア10は、一対の平行な脚部11の両端を、一対の背面部13が挟むようにして環状形状が構成されており、脚部11の両端面が樹脂部材20を介して背面部13に面している。
樹脂部材20は、脚部11の周囲を被覆する樹脂体23と、背面部13の周囲を被覆する樹脂体24とを有している。樹脂体23は、請求項記載の「第2の樹脂体」の一例であり、樹脂体24は、請求項記載の「第1の樹脂体」の一例である。
樹脂体23は、脚部11の周囲を被覆する樹脂からなる部材であり、その周囲にコイル5a、5bが装着される。樹脂体23は、第1の実施形態の樹脂体21と同様に円筒形状であり、その両端部には開口部23bが設けられ、開口部23bから脚部11の円形の平面が露出している。図6及び図7に示すように、樹脂体23の断面形状は、歯車のようになっている。すなわち、樹脂体23の側面には、凸部23aが所定間隔毎に円周に沿って設けられている。この凸部23aは、樹脂体23の円筒の延び方向と同方向に延びる突起である。
図9は、第2の実施形態に係る背面部13を被覆する樹脂体24の斜視図である。図9に示すように、樹脂体24には、脚部11の端部が収容される収容部24aと、背面部13の上面及び下面が露出する開口部24bとが設けられている。収容部24aは、背面部13の平面を被覆する樹脂体24の表面に形成されたくぼみである。換言すれば、収容部24aの底部は、開口しておらず、背面部13を被覆している。収容部24aは、脚部11の外形と同一の形状を有し、脚部11の端部が嵌め込まれる。開口部24bからは背面部13の上面、下面が露出している。本実施形態においては、開口部24bから露出する背面部13の下面がケース4の底面に面接触している。
図9に示すように、樹脂体24の背面側には、弾性体として樹脂ばね24cが設けられている。樹脂ばね24cは、アーチ形状を有し、その両端が樹脂体24の背面部13を被覆する箇所と接続されており、それ以外の中央部分は、背面部13を被覆する部分から浮いている。樹脂ばね24cは、リアクトル本体1がケース4に収容されたときに、ケース4の内壁面と背面部13との間に介在する。樹脂ばね24cは、脚部11を収容部24aに収容した場合に、脚部11の延長線上に位置するように樹脂体24に設けられている。
ケース4は、対向する一対の内壁面において、ケース4の内側にせり出した押圧部42が設けられている。押圧部42は、ケース4の内壁において上下方向に延びるように設けられており、本実施形態では、樹脂ばね24cの数と同じだけ設けられている。押圧部42は、その樹脂ばね24cを接する表面が例えば切削加工されて平滑化されている。すなわち、当該表面は、ざらつきや凸凹のない平面である。このようにしているのは、樹脂ばね24cに余分な弾性変位量となり、これに伴う樹脂ばね24cの劣化促進を防止するためである。例えば、押圧部43表面の一部が出っ張っていると、樹脂ばね24cは、変形による変位量が、所望の量より余計に弾性変形することになり、これに伴い樹脂ばねの24cの劣化が促進する虞があるが、これを防止する。また、押圧部42をケース4の内側にせり出させているのは、その表面を切削加工しやすくするためである。
対向する一対の内壁面で向かい合う押圧部42間の距離は、リアクトル本体1の大きさより若干短くされている。換言すれば、一方の樹脂体24の樹脂ばね24cと、他方の樹脂体24の樹脂ばね24cとの間の距離は、互いに対向する押圧部42間より若干長く、図7に示すように、リアクトル本体1をケース4に収容した際には、樹脂ばね24cが弾性変形し、樹脂ばね24cを介して両側の樹脂体24によって脚部11の両端がリアクトル本体1内側に向かって押圧されるようになっている。
[2−2.作用・効果]
本実施形態のリアクトルでは、リアクトル本体1は、脚部11の端面がケース4の内壁面と面し、脚部11がケース4の対面する内壁面と直交するようにケース4に収容され、押圧部材は、ケース4の互いに向かい合う内壁面と脚部11との間に介在する樹脂ばね24cであり、樹脂ばね24cは、アーチ形状を有し、その頂点部分がケース4の内壁面から反発力を受けて収容部22aを押圧し、互いに向かい合う収容部22aで脚部11の両端面を挟み込むようにした。
これにより、ケース4内で、リアクトル本体1がケース4の対面する内壁間で突っ張る。その突っ張りの反作用で環状コア10の固定強度を向上させることができる。また、第1の実施形態と比較すると、押圧部材は樹脂ばね24cのみで良く、別途固定具3を設ける必要がない。言い換えると、既に使用するケース4を用いるので別途の部材を設ける必要がなく、低コスト化かつ構造の簡易化を図ることができる。
[3.第3の実施形態]
[3−1.構成]
第3の実施形態について、図10〜図14を用いて説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態と基本構成は同じである。よって、第2の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態及び第2の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図10は、第3の実施形態のリアクトルの斜視図である。図11は、第3の実施形態のリアクトルの分解斜視図である。図12は、図10のD−D断面斜視図である。図13は、図10のE−E断面斜視図である。図14は、第3の実施形態に係る背面部を被覆する樹脂体の斜視図である。
第3の実施形態のリアクトル本体1の基本構成は、第1の実施形態のリアクトル本体1と同様である。但し、本実施形態では、リアクトル本体1をケース4に横置きする点で異なる。すなわち、図10〜図13に示すように、リアクトル本体1は、円柱形状の脚部11の端面がケース4の内壁面に面し、円柱形状の脚部11がz軸方向と直交するようにxy平面上に水平に配置される。なお、樹脂体22は、第1の実施形態と同様、請求項記載の「第1の樹脂体」の一例である。
第3の実施形態では、背面部12を被覆する樹脂体22には、樹脂ばね22dが脚部11の延び方向と同一直線上に位置するように設けられている。樹脂ばね22dは、収容部22aの底部の開口にアーチ状に設けられ、樹脂体22の外側すなわちリアクトル本体1の外側に向かって湾曲している。
本実施形態では、この樹脂ばね22dは、そのアーチの中央部分が切欠かれて構成されている。すなわち、樹脂ばね22dは、図14に示すように、収容部22a底部の開口縁から開口中心に向かって延びる一対の突起で構成されており、その先端部分は離間している。言い換えると、脚部11の端面の中心部分には障壁がなく、その中心部分は露出している。
樹脂体22には、その上部及び底部に、背面部12の上面及び下面を露出する開口部22cが設けられている。図12に示すように、底部の開口部22cから露出する背面部12の下面が、ケース4の底面と面接触している。
ケース4には、その開口を塞ぐ蓋43が設けられている。ケース4及び蓋43にはネジ締結するためのネジ穴44、45が設けられており、ネジ72が挿入されて締結される。蓋43は、ケース4と同じか同等の放熱性を有する材質で構成されており、蓋43の内側の中程が出っ張った出っ張り部43aを有し、この出っ張り部43aが、樹脂体23の開口部22cから露出した背面部13の上面と面接触する。蓋43がネジ72で締結されることにより、蓋43の出っ張り部43aが背面部13の露出した上面を押圧する。
[3−2.作用・効果]
(1)収容部22aの底部は開口し、樹脂ばね22dは、収容部22aの底部の開口にアーチ状に設けられ、その中央部分が切欠かれ、この開口から脚部11の端面が露出するようにした。これにより、収容部22aの開口に樹脂ばね22cを設けたことにより、脚部11の延長線上に樹脂ばね22cが配置されることになり、より効率的に、樹脂ばね22cのケース4内壁面から受ける反発力によって、環状コア10の固定強度を向上させることができる。また、収容部22aに開口が設けられるとともに、樹脂ばね22cの中央部分が切欠かれ、脚部11の端面が露出しているので、そのため、コイル5a、5bが発熱しても、この露出部分を介して、コイル5a、5b内部の放熱効率を向上させることができる。
(2)ケース4は、放熱性を有し、樹脂体22には、背面部12の一部が露出する開口部22cが設けられ、開口部22cから露出した背面部12が、ケース4の底面に接するようにした。これにより、リアクトル本体1の熱を、放熱性を有するケース4に逃がすことができるので、コイル5a、5bや脚部11周辺に熱が籠もったとしても放熱することができる。
(3)ケース4の開口を塞ぐ蓋43を備え、蓋43は、放熱性を有し、その内側の出っ張り部43aが開口部22cから露出した背面部12と接するとともに、リアクトル本体1ケース4の底部に押さえつけるようにした。これにより、リアクトル本体1のケース4への固定をより確実にするとともに、リアクトル本体1の熱を外部に放熱することができる。
[4.他の実施形態]
本発明は、第1乃至第3の実施形態に限定されるものではなく、下記に示す他の実施形態も包含する。また、本発明は、第1乃至第3の実施形態及び下記の他の実施形態の少なくともいずれか2つを組み合わせた形態も包含する。
(1)第1乃至第3の実施形態では、押圧部材としての弾性体を樹脂体22、24の樹脂ばね22b、24cとしたが、弾性体を別途作製し、樹脂体22、24又はケース4に取り付けるようにしても良い。また、ケース4側に、ケース4内面を削り出すようにして弾性体を設けても良い。さらに、樹脂ばね22b、24cを金属などからなるスプリングバネや、ゴムとしても良い。なお、これらのように弾性体を別途作製する場合、当該弾性体は、樹脂体22、24を押圧する。
(2)第1乃至第3の実施形態では、樹脂ばね22b、24cを設けているが、その場所や数は特に限定されない。騒音抑制対策として環状コア10の固定関係をより強固にするために、樹脂ばね22b、24cの数を増やしても良いし、放熱性を重視して、脚部11又は背面部12、13の一部をケース4の内面に接する箇所又は面積を多くしても良い。例えば、第1の実施形態においては、上側の樹脂体22の上部に樹脂ばね22bを設けて、固定具3や別途設ける蓋により押さえつけるようにしても良いし、図3では脚部11の上面が固定具3に接していないが、放熱性を有する固定具3に接するようにしても良い。
(3)第3の実施形態では、ケース4の蓋43を設けたが、第1の実施形態及び第2の実施形態でも同様に蓋43を設けても良い。
(4)第1乃至第3の実施形態では、環状コア10は一つの閉ループを構成するようにしたが、θ形状のようにしても良い。例えば、脚部11の3本平行して並べ、その両端側から背面部12又は背面部13で挟み込むようにしてθ形状にしたコアも環状コア10に含まれる。この場合、背面部は背面部13のように板状としても良いし、背面部12のように脚部11の形状を模した切欠き部12aと、背面部12の中央部分に中央の脚部11が接続される孔を設けるようにしても良い。
(5)第1乃至第3の実施形態では、コイル5a、5bはアルファ巻きとしたが、エッジワイズ巻きとしても良い。
(6)第1の実施形態では、リアクトル本体1はケース4に取り付けるようにしたが、取り付けられる対象はケース4に限らず、図15に示すように、冷却面などの取付面81に取り付けられるようにしても良い。この場合、取付面81には固定具3を固定するための2本の取付柱82が設けられており、取付柱82間にリアクトル本体1を配置する。そして、当該取付柱82の上部に固定具3をネジ71で締結固定する。これにより、取付面81からの樹脂ばね22bの反発力と、固定具3による押圧力とにより、環状コア10の形状を固定することができる。
(7)第1の実施形態では、固定具3により下側に向かって上側の樹脂体22を介して環状コア10の形状を固定したが、固定具3に代えてケース4の開口を塞ぐ蓋としても良い。この場合でも、上側の樹脂体22を押圧し、環状コア10の形状を固定できる。さらに、当該蓋で上側の樹脂体22に設けられた樹脂ばね22bを押圧し、その反発力によって上側の樹脂体22を押圧し、リアクトル本体1をケース4の底部に押さえつけ、環状コア10の固定強度を向上させることができる。さらには、当該蓋に放熱性を持たせても良い。すなわち、蓋の裏面に凸部を設け、当該凸部を、樹脂体21の開口部21b及び上側の樹脂体22の収容部22aに設けられた開口から露出した脚部11の端面と接触させることで放熱効果を高めることができる。
(8)第1の実施形態では固定具3としてケース4の開口を跨ぐ金属ステイを用いたが、これに限定されず、ケース4の開口を跨がないようにしても良い。例えば、固定具3より短い金属ステイを樹脂体22とケース4の縁とを橋渡しするように金属ステイを取り付けてリアクトル本体1を押圧するようにしても良い。この短い金属ステイによる取付箇所は1箇所に限定されず、2箇所以上であっても良い。また、樹脂体22に一体成形等によりフランジを設け、当該フランジがケース4の縁にかかるようにしてネジ締結等によりリアクトル本体1を押圧するようにしても良い。
(9)第3の実施形態では、収容部22aの開口に樹脂ばね22dを設けたが、この樹脂ばね22dの構成は、第1の実施形態の樹脂体22に適用しても良い。例えば、樹脂ばね22bに代えて樹脂ばね22dを設けても良いし、樹脂ばね22bに加えて樹脂体22に樹脂ばね22dを設けても良い。
1 リアクトル本体
10 環状コア
11 脚部
12、13 背面部
12a 切欠き部
20 樹脂部材
21、22 樹脂体
21a 凸部
21b 開口部
22a 収容部
22b、22d 樹脂ばね
22c 開口部
23、24 樹脂体
23a 凸部
23b 開口部
24a 収容部
24b 開口部
24c 樹脂ばね
3 固定具
31 ネジ孔
4 ケース
40a ネジ穴
41 隆起部
42 押圧部
43 蓋
5a、5b コイル
50a、50b コイルの端部
71、72 ネジ
81 取付面
82 取付柱

Claims (15)

  1. 環状のコアと、前記コアを被覆する樹脂部材と、前記コアの少なくとも一部を巻回するコイルと、を有するリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体を収容するケースと、
    前記ケース内で前記リアクトル本体を固定するための押圧部材と、
    を備え、
    前記コアは、周囲に前記コイルが巻回される一対の柱状の脚部と、前記脚部を繋ぐ一対の背面部と、を有し、
    前記樹脂部材は、前記背面部を被覆する一対の第1の樹脂体を有し、
    前記第1の樹脂体には、前記脚部の端部が収容される収容部が設けられ、
    前記押圧部材は、前記ケースの底面と前記背面部との間に介在する弾性体と、前記リアクトル本体を上から押さえつける固定具と、を有し、
    各前記収容部には、前記脚部の端部が収容され、
    前記リアクトル本体は、前記脚部の端面が前記ケースの底面と面し、前記脚部が前記ケースの底面と直交するように前記ケースに収容され、
    前記押圧部材は、前記弾性体が前記ケースの底面から反発力を受けて前記第1の樹脂体を押圧し、前記固定具が前記ケースに締結固定されて前記第1の樹脂体を押圧することにより、前記コアが環状に形成された状態で前記ケース内に固定されていること、
    を特徴とするリアクトル。
  2. 前記収容部の底部には開口が設けられ、当該開口から前記脚部の端面が露出していること、
    を特徴とする請求項に記載のリアクトル。
  3. 前記ケースは、放熱性を有し、
    前記収容部の開口から露出した前記脚部の端面が、前記ケースの底面に接していること、
    を特徴とする請求項に記載のリアクトル。
  4. 前記ケースの開口を塞ぐ蓋を備え、
    前記蓋は前記固定具であり、
    前記蓋は、放熱性を有し、その内側が前記収容部の開口から露出した前記脚部の端面と接するとともに、前記リアクトル本体を前記ケース底部に押さえつけること、
    を特徴とする請求項又は請求項に記載のリアクトル。
  5. 環状のコアと、前記コアを被覆する樹脂部材と、前記コアの少なくとも一部を巻回するコイルと、を有するリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体を収容するケースと、
    前記ケース内で前記リアクトル本体を固定するための押圧部材と、
    を備え、
    前記コアは、周囲に前記コイルが巻回される一対の柱状の脚部と、前記脚部を繋ぐ一対の背面部と、を有し、
    前記樹脂部材は、前記背面部を被覆する一対の第1の樹脂体を有し、
    前記第1の樹脂体には、前記脚部の端部が収容される収容部が設けられ、
    各前記収容部には、前記脚部の端部が収容され、
    前記リアクトル本体は、前記脚部の端面が前記ケースの内壁面と面し、前記脚部が前記ケースの対面する内壁面と直交するように前記ケースに収容され、
    前記押圧部材は、前記ケースの互いに向かい合う内壁面と前記脚部との間に介在する弾性体であり、
    前記弾性体は、前記ケースの内壁面から反発力を受けて前記第1の樹脂体を押圧し、互いに向かい合う前記第1の樹脂体で前記脚部の両端面を挟み込むことにより、前記コアが環状に形成された状態で前記ケース内に固定されていること
    を特徴とするリアクトル。
  6. 前記収容部の底部には開口が設けられ、当該開口から前記脚部の端面が露出していること、
    を特徴とする請求項に記載のリアクトル。
  7. 前記ケースは、放熱性を有し、
    前記第1の樹脂体には、前記背面部の一部が露出する開口部が設けられ、
    前記開口部から露出した前記背面部が、前記ケースの底面に接していること、
    を特徴とする請求項又は請求項に記載のリアクトル。
  8. 前記ケースの開口を塞ぐ蓋を備え、
    前記蓋は、放熱性を有し、その内側が前記開口部から露出した前記背面部と接するとともに、前記リアクトル本体を前記ケース底部に押さえつけること、
    を特徴とする請求項に記載のリアクトル。
  9. 前記弾性体は、前記第1の樹脂体と一体に設けられた樹脂ばねであること、
    を特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
  10. 前記樹脂ばねは、アーチ形状を有すること、
    を特徴とする請求項に記載のリアクトル。
  11. 前記弾性体は、前記第1の樹脂体と一体に設けられた樹脂ばねであり、
    前記樹脂ばねは、前記収容部の底部の開口にアーチ状に設けられ、その中央部分が切欠かれ、この開口から前記脚部の端面が露出していること、
    を特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
  12. 環状のコアと、前記コアを被覆する樹脂部材と、前記コアの少なくとも一部を巻回するコイルと、を有するリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体を収容するケースと、
    前記ケース内で前記リアクトル本体を固定するための押圧部材と、
    を備え、
    前記コアは、周囲に前記コイルが巻回される一対の円柱形状の脚部と、前記脚部を繋ぐ一対の背面部と、を有し、
    前記樹脂部材は、前記背面部を被覆する一対の第1の樹脂体と、前記脚部を被覆する第2の樹脂体を有し、
    前記第1の樹脂体には、前記脚部の端部が収容される収容部が設けられ、
    各前記収容部には、前記脚部の端部が収容され、
    前記押圧部材は、前記第1の樹脂体を押圧し、前記コアが環状に形成された状態で前記ケース内に固定され、
    前記コイルは、前記第2の樹脂体に密着して設けられていること、
    を特徴とするリアクトル。
  13. 前記コイルは、アルファ巻きであること、
    を特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のリアクトル。
  14. 前記第2の樹脂体の側面には、凸部が所定間隔毎に設けられていること、
    を特徴とする請求項12に記載のリアクトル。
  15. 前記脚部と前記背面部との間には、前記樹脂部材の厚みでギャップが構成されていること、
    を特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のリアクトル。
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