以下、回路モジュール及び回路モジュールの製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図面のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするために、一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
図1及び図2は、回路モジュール1の構成を模式的に示している。図1(a)は、回路モジュール1の構成を説明するための概略断面図であり、図1(b)は、回路モジュール1の一部の構成を詳細に示す断面図である。図1(b)では、便宜上、各部材のハッチングを省略している。
回路モジュール1は、例えば電源から電子機器に供給される駆動電流が流れるパワーモジュールである。本実施形態の回路モジュール1は、DC-DCコンバータを構成している。この回路モジュール1は、例えば、携帯端末装置等の電子機器のマザー基板に実装されるものである。回路モジュール1は、配線基板10と、電子部品20と、ヒートシンク30と、封止樹脂40とを有する。また回路モジュール1は、電子部品20とは異なる電子部品51を有する。なお、図2、図3(a)、及び図3(b)では、内部構成を分かり易くするため、封止樹脂40を二点鎖線により示し、電子部品20及びヒートシンク30を実線により示している。
配線基板10は、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板やセラミック基板であり、内部にビア導体や各種の配線電極が形成されている。配線基板10は、例えば平面視において矩形状に形成されている。配線基板10は、第1主面11と、第1主面11と対向する第2主面12とを有する。配線基板10の第1主面11には、電子部品51や後述する接続ピン26を接続するための接続電極(図示略)が形成されている。第1主面11に実装される電子部品51は、例えば面実装部品である。電子部品51は、例えば、半導体素子、チップコンデンサ、チップインダクタ、チップ抵抗等を含む。本実施形態の電子部品51は、DC-DCコンバータの回路素子を含む。第2主面12は、電子機器のマザー基板に実装される電極面であって、マザー基板の接続電極と電気的に接続される接続電極が露出している。なお、配線基板10は、単層構造及び多層構造のいずれであってもよい。
以降の説明において、配線基板10の板厚方向を「高さ方向Z」と規定する。配線基板10の主面と平行な方向(以下、「面方向」という。)において、配線基板10の一辺に沿う方向を「第1方向X」と規定し、その一辺と直交する他の一辺に沿う方向を「第2方向Y」と規定する。第2方向Yは、図1(a)の紙面左右方向に沿う方向である。高さ方向Zは、図1(a)の紙面上下方向に沿う方向である。また「平面視」とは、高さ方向Zから部材を視ることを言う。
電子部品20は、発熱性の部品である。すなわち、電子部品20は、電流が供給されることにより、放熱構造が必要になるほど発熱する部品である。電子部品20は、インダクタ、半導体素子、抵抗等を含む。電子部品20は、配線基板10の第1主面11に実装されている。すなわち第1主面11は、電子部品20(例えばインダクタ)が実装される実装面であるといえる。本実施形態の回路モジュール1は、放熱構造の一例であるヒートシンク30を、電子部品20と一体的に有している。
電子部品20は、磁性体の一例であるコイルコア21と、インダクタ電極22とを有する。
図3(b)に示すように、インダクタ電極22は、積層された複数の配線板により構成されている。図3(b)及び図4~図6に示すように、配線板は、最上層に配置される第1配線板23と、最下層に配置される第2配線板24と、第1配線板23と第2配線板24との間に配置された複数の接続配線板25とを備える。第1配線板23と第2配線板24は、積層された複数の接続配線板25によって接続されている。第1配線板23と第2配線板24と接続配線板25は、電子部品20の面に沿った方向(本実施形態では、第1方向X)において、螺旋状のコイルとなるように接続されている。インダクタ電極22は、第2配線板24を配線基板10の第1主面11に接続する接続ピン26をさらに有する。なお、図3(b)では、インダクタ電極22を分かり易くするため、図2に示すコイルコア21及びヒートシンク30のそれぞれを省略して示している。
図2に示すように、コイルコア21は、インダクタ電極22を囲むように形成されている。コイルコア21は、インダクタ電極22が内設された本体部21aと、本体部21aから延びる突出部21bとを備える。本実施形態において、コイルコア21は4個の突出部21bを備える。
図3(a)に示すように、本体部21aは、例えば平面視において矩形状に形成されている。図1(a)、図2、及び図3(a)に示すように、本体部21aは、螺旋状のコイルとなるインダクタ電極22によって囲まれる芯部21cと、インダクタ電極22が配置される貫通孔21dとを有する。一例では、本体部21aは、6個の貫通孔21dを有する。6個の貫通孔21dのうちの3個の貫通孔21dは、本体部21aのうちの第2方向Yの一方側の部分に設けられ、残りの3個の貫通孔21dは、本体部21aのうちの第2方向Yの他方側の部分に設けられている。各3個の貫通孔21dは、第1方向Xにおいて間隔をあけて一列に配置されている。芯部21cは、第2方向Yの一方側の3個の貫通孔21dと、第2方向Yの他方側の3個の貫通孔21dとの第2方向Yの間の部分を含む。図2及び図3(a)に示すように、平面視において、本体部21aのうちの第1方向Xに対向する二辺のそれぞれには、一対の突出部21bが設けられている。一対の突出部21bのうち一方側の突出部21bと他方側の突出部21bとは、第2方向Yにおいて互いに離間して配置されている。
図1(b)及び図3(a)に示すように、コイルコア21は、複数の第1シート状部材21xを高さ方向Zに積層することにより構成されている。図3(a)に示すように、平面視において、第1シート状部材21xには、第1シート状部材21xの面方向に突出する凸部21yが設けられている。凸部21yは、第1シート状部材21xの第2方向Yの両端部に設けられている。なお、図1(a)では、便宜上、コイルコア21の積層構造を省略し、断面を示す網掛けを付している。凸部21yは、本体部21aにおいて突出部21bからヒートシンク30に向けて突出している部分である。
コイルコア21は、磁性体からなる。磁性体としては、例えばニッケル(Ni)-亜鉛(Zn)フェライト、マンガン(Mn)-Znフェライト等の磁性材料を用いることができる。なお、Mn-Znフェライト等の絶縁性の低い磁性材料を用いる場合は、絶縁性を確保するため、予め絶縁性樹脂(例えばエポキシ樹脂)で表面をコーティングしたコイルコアを用いることができる。
図1(a)及び図3(b)に示すように、インダクタ電極22は、コイルコア21の芯部21cの周囲を巻回するコイルとして設けられている。インダクタ電極22は、芯部21cを3回にわたり巻回するように設けられている。本実施形態のインダクタ電極22は、配線基板10の第1主面11に実装されている。なお、インダクタ電極22による芯部21cの巻数は任意に変更可能である。インダクタ電極22による芯部21cの巻数は、1回、2回、又は4回以上であってもよい。
図1、図2、及び図3(a)に示すように、ヒートシンク30は、例えばインダクタ電極22に電流が流れて発熱したインダクタ電極22からコイルコア21に伝熱した場合にコイルコア21を放熱する部品である。ヒートシンク30の材料としては、銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金等の放熱性能の優れた材料を用いることができる。
ヒートシンク30は、コイルコア21の第2方向Yの両端部に取り付けられている。ヒートシンク30は、コイルコア21と接している。ここで、ヒートシンク30とコイルコア21とが接しているとは、コイルコア21の熱がヒートシンク30に伝わり易いように熱的に接していることを含む。一例では、ヒートシンク30とコイルコア21との間に、封止樹脂40の樹脂が入り込まないような微小な隙間が形成されてもよい。本実施形態では、ヒートシンク30とコイルコア21とは密着している。ヒートシンク30とコイルコア21とが密着するとは、ヒートシンク30とコイルコア21との間に隙間が形成されることなく、ヒートシンク30とコイルコア21とが接触している状態である。
図1(b)、図2、及び図3(a)に示されるとおり、本実施形態のヒートシンク30は、第2シート状部材31が高さ方向Zに積層された積層体からなる。第2シート状部材31の板厚は、第1シート状部材21xの板厚と等しい。第2シート状部材31は、第1シート状部材21xの第2方向Yの両端部に取り付けられている。第2シート状部材31には、第1シート状部材21xの凸部21yと係合する凹部31aが設けられている。本実施形態では、凸部21yを構成する外側面と、凹部31aを構成する内側面とが接触している。またヒートシンク30は、第2方向Yにおいて、コイルコア21の一対の突出部21bと接触している。なお、図1(a)では、便宜上、ヒートシンク30の積層構造を省略し、断面を示すハッチングを付している。
図1(b)に示すとおり、コイルコア21においてヒートシンク30が配置される側の端部には、凹凸構造27が設けられている。凹凸構造27は、高さ方向Zにおいて凹部と凸部とが隣り合うように形成されている。凹凸構造27は、例えばコイルコア21の第2方向Yの両端部、すなわちヒートシンク30と接触する部分に設けられている。凹凸構造27は、薄いシートを積層することによって櫛歯形状のように形成される場合を含む。このような凹凸構造27の一例として、厚さ0.1mmの2種類のシート状部材21A,21Bを含む第1シート状部材21xを高さ方向Zに積層することによって櫛歯形状に構成される。2種類のシート状部材21A,21Bの積層構造によって凹凸構造27における凹凸の高さ方向Zの間隔を調整することができる。一例では、高さ方向Zにおいて、シート状部材21A及びシート状部材21Bを交互に積層することによって、凹凸構造27における凹凸の高さ方向Zの間隔は0.1mmとなる。別例では、高さ方向Zにおいて、シート状部材21A、シート状部材21A、シート状部材21B、シート状部材21B・・・のように2枚積層したシート状部材21Aと、2枚積層したシート状部材21Bとを交互に積層することによって、凹凸構造27における高さ方向Zの間隔は0.2mmとなる。
ヒートシンク30においてコイルコア21側の端部には、凹凸構造32が設けられている。コイルコア21の凹凸構造27とヒートシンク30の凹凸構造32とは嵌り合っている。これにより、ヒートシンク30とコイルコア21とは高さ方向Zにおいて接触する面を有する。凹凸構造32は、薄いシートを積層することによって櫛歯形状のように形成される場合を含む。このような凹凸構造32の一例として、厚さ0.1mmの2種類のシート状部材31A,31Bを含む第2シート状部材31を高さ方向Zに積層することによって櫛歯形状に構成される。2種類のシート状部材31A,31Bの積層構造によって凹凸構造32における凹凸の高さ方向Zの間隔を調整することができる。一例では、高さ方向Zにおいて、シート状部材31A及びシート状部材31Bを交互に積層することによって、凹凸構造27における凹凸の高さ方向Zの間隔は0.1mmとなる。別例では、高さ方向Zにおいて、シート状部材31A、シート状部材31A、シート状部材31B、シート状部材31B・・・のように2枚積層したシート状部材31Aと、2枚積層したシート状部材31Bとを交互に積層することによって、凹凸構造32における高さ方向Zの間隔は0.2mmとなる。
図1(a)及び図2に示すように、封止樹脂40は、電子部品20を封止するように形成されている。また封止樹脂40は、ヒートシンク30の一部を封止するように形成されている。言い換えれば、ヒートシンク30の一部は、封止樹脂40に埋め込まれている。本実施形態では、コイルコア21の各突出部21bの先端部は、封止樹脂40から突出している。さらに、本実施形態の封止樹脂40は、配線基板10の第1主面11を覆い、電子部品51を封止するように形成されている。すなわち、封止樹脂40は、配線基板10の第1主面11を封止していると言える。また配線基板10の第2主面12及び側面は、封止樹脂40に対して露出している。封止樹脂40の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。本実施形態では、封止樹脂40は、配線基板10の第1主面11の全体にわたり封止している。このように、封止樹脂40は、電子部品20のインダクタ電極22及び電子部品51のそれぞれを露出しないように封止している。なお、封止樹脂40は、配線基板10の第1主面11の一部を封止してもよい。このように、封止樹脂40は、配線基板10の第1主面11の少なくとも一部を封止していればよい。
次に、図4~図6を参照して、電子部品20及びヒートシンク30の詳細な構造について説明する。
図4は、高さ方向Zにおいて電子部品20のうちの配線基板10とは反対側の面を形成する第1シート60を示している。図5は、高さ方向Zにおいて電子部品20のうちの配線基板10側の面を形成する第2シート70を示している。図6は、高さ方向Zにおいて第1シート60と第2シート70との間に配置される第3シート80を示している。図4~図6に示すように、本実施形態では、高さ方向Zにおいて第1シート60と第2シート70との間に複数の第3シート80を配置した状態で第1シート60、第2シート70、及び複数の第3シート80を積層することにより、接続ピン26以外の電子部品20及びヒートシンク30が形成される。本実施形態では、第1シート60の板厚、第2シート70の板厚、及び第3シート80の板厚は互いに等しい。なお、第1~第3シート60,70,80の板厚は任意に変更可能である。一例では、第1~第3シート60,70,80のうちの1つ又は2つのシートの板厚が第1~第3シート60,70,80のうちの残りのシートの板厚と異なってもよい。また第3シート80の枚数は、任意に変更可能である。一例では、第3シート80は、1枚であってもよい。なお、第1シート60は上層シートに対応し、第2シート70は下層シートに対応し、第3シート80は中層シートに対応する。本実施形態では、上層シートは、高さ方向Zにおいてコイルコア21のうちの配線基板10とは反対側の端面を構成するシートである。下層シートは、高さ方向Zにおいてコイルコア21のうちの配線基板10側の端面を構成し、接続ピン26が接続されるシートである。
図6に示すように、第3シート80は、磁性体からなる第3本体部81と、2つの第3ヒートシンク部82A,82Bと、接続配線板25(図3(b)参照)の一部を構成する第3導電部83とを有する。第3本体部81は、第1シート状部材21xに対応し、第3ヒートシンク部82A,82Bは、第2シート状部材31に対応している。
第3本体部81は、第3導電部83を取り囲むように形成されている。第3本体部81は、コイルコア21の本体部21aを構成する第1部分81aと、コイルコア21の突出部21bを構成する第2部分81bとを有する。第2方向Yの一方側の第2部分81bと、第1部分81aにおける第2方向Yの一方側の端辺との間の距離H1は、第2方向Yの他方側の第2部分81bと、第1部分81aにおける第2方向Yの他方側の端辺との間の距離H2よりも短い(H1<H2)。
第1部分81aには、第1部分81aを高さ方向Z(板厚方向)に貫通する複数の貫通孔81c(本実施形態では、6個の貫通孔81c)が形成されている。複数の貫通孔81cはそれぞれ、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、複数の貫通孔81cはそれぞれ、長手方向を第1方向Xとして形成されている。複数の貫通孔81cは、同一形状である。本実施形態では、6個の貫通孔81cを便宜上、第1~第6貫通孔81ca~81cfと規定する。第1~第3貫通孔81ca~81ccは、第1方向Xにおいて間隔をあけて一列に設けられている。第4~第6貫通孔81cd~81cfは、第1方向Xにおいて間隔をあけて一列に設けられている。第2方向Yから見て、第1貫通孔81caと第4貫通孔81cdとは互いに重なるように設けられ、第2貫通孔81cbと第5貫通孔81ceとは互いに重なるように設けられ、第3貫通孔81ccと第6貫通孔81cfとは互いに重なるように設けられている。なお、以降の説明において、6個の貫通孔に共通な説明の場合には、貫通孔81cを用い、6個の貫通孔を区別して説明する場合には、第1~第6貫通孔81ca~81cfを用いる。
第1部分81aにおいて、距離DC1~DC4を次のように規定する。距離DC1は、第1貫通孔81ca(第2貫通孔81cb、第3貫通孔81cc)と第1部分81aのうちの第2方向Yにおける第1貫通孔81ca(第2貫通孔81cb、第3貫通孔81cc)側において第1方向Xに沿って延びる辺との間の距離である。距離DC2は、第4貫通孔81cd(第5貫通孔81ce、第6貫通孔81cf)と第1部分81aのうちの第4貫通孔81cd(第5貫通孔81ce、第6貫通孔81cf)側において第1方向Xに沿って延びる辺との間の距離である。距離DC3は、第1貫通孔81ca(第4貫通孔81cd)と第1部分81aのうちの第1方向Xにおける第1貫通孔(第4貫通孔81cd)側において第2方向Yに沿って延びる辺との間の距離である。距離DC4は、第3貫通孔81cc(第6貫通孔81cf)と第1部分81aのうちの第1方向Xにおける第3貫通孔81cc(第6貫通孔81cf)側において第2方向Yに沿って延びる辺との間の距離である。この場合、距離DC2は、距離DC1よりも大きい(DC2>DC1)。距離DC3は、距離DC4よりも大きい(DC3>DC4)。
第1~第6貫通孔81ca~81cfのそれぞれには、第3導電部83が設けられている。一例では、第3導電部83は、貫通孔81cと同様の形状である。第3導電部83の材料は、例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金等を用いることができる。第3導電部83は、金属板を貫通孔81cと同形状に加工して形成することができる。この場合、第3導電部83は、貫通孔81cに嵌め込まれる。本実施形態では、便宜上、第1貫通孔81caに埋め込まれた第3導電部83を「第3導電部83a」と規定し、第2貫通孔81cbに埋め込まれた第3導電部83を「第3導電部83b」と規定し、第3貫通孔81ccに埋め込まれた第3導電部83を「第3導電部83c」と規定する。また第4貫通孔81cdに埋め込まれた第3導電部83を「第3導電部83d」と規定し、第5貫通孔81ceに埋め込まれた第3導電部83を「第3導電部83e」と規定し、第6貫通孔81cfに埋め込まれた第3導電部83を「第3導電部83f」と規定する。なお、以降の説明において、6個の第3導電部に共通な説明の場合には、第3導電部83を用い、6個の第3導電部を区別して説明する場合には、第3導電部83a~83fを用いる。
第3ヒートシンク部82A,82Bはそれぞれ、平面視において略凹形状となるように形成されている。第3ヒートシンク部82A,82Bはそれぞれ、第3シート80の主面に沿う面方向において第3本体部81と対向した状態で第3本体部81に取り付けられている。第3ヒートシンク部82Aは、第3本体部81の第2方向Yの一方側の端部に配置され、第3ヒートシンク部82Bは、第3本体部81の第2方向Yの他方側の端部に配置されている。なお、第3シート80の主面は、図6において高さ方向Z(板厚方向)に直交する平面である。すなわち第3シート80の主面は、第1シート60、第2シート70、及び第3シート80が積層される積層方向に直交する面である。
第3ヒートシンク部82A,82Bはそれぞれ、第1方向Xに延びる第1部分82aと、第1部分82aの第1方向Xの両端部から第2方向Yに延びる第2部分82bとを有する。第1部分82aは、第3本体部81の第1部分81aのうちの第1方向Xに沿って延びる一辺と接触している。第2部分82bは、第3本体部81の第1部分81aのうちの第2方向Yに沿って延びる一辺と接触している。第2部分82bは、第3本体部81の第2部分81bと接触している。また第3ヒートシンク部82Aは、2つの凹部82cを有する。2つの凹部82cは、第2方向Yにおいて、第3ヒートシンク部82Aのうちの第3本体部81側とは反対側の端部に形成されている。2つの凹部82cは、第1方向Xにおいて間隔をあけて形成されている。一方、第3ヒートシンク部82Bは、凹部82cを有していない。
図4に示すように、第1シート60は、磁性体からなる第1本体部61と、2つの第1ヒートシンク部62A,62Bと、第1配線板23を構成する第1導電部63とを有する。第1本体部61は、第1シート状部材21xに対応し、第1ヒートシンク部62A,62Bは、第2シート状部材31に対応している。
第1本体部61の平面視における輪郭形状は、第3本体部81の平面視における輪郭形状と同じである。第1本体部61は、第1導電部63を取り囲むように形成されている。第1本体部61は、コイルコア21の本体部21aを構成する第1部分61aと、コイルコア21の突出部21bを構成する第2部分61bとを有する。第1部分61aには、第1部分61aを高さ方向Z(板厚方向)に貫通する複数の貫通孔61c(本実施形態では、3個の貫通孔61c)が形成されている。複数の貫通孔61cはそれぞれ、第2方向Yに沿って延びている。複数の貫通孔61cはそれぞれ、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、複数の貫通孔61cはそれぞれ、第2方向Yが長手方向となるように形成されている。複数の貫通孔61cは、第1方向Xにおいて間隔をあけて配置されている。複数の貫通孔61cは、同一形状であり、第2方向Yにおける位置は互いに等しい。本実施形態では、3個の貫通孔61cを便宜上、第1貫通孔61ca、第2貫通孔61cb、及び第3貫通孔61ccと規定する。第1貫通孔61caは、第1方向Xにおいて第1部分61aの一方側の部分に設けられ、第3貫通孔61ccは、第1部分61aの他方側の部分に設けられている。第2貫通孔61cbは、第1方向Xにおいて第1部分61aのうちの第1貫通孔61caと第3貫通孔61ccとの間の部分に設けられている。なお、以降の説明において、3個の貫通孔に共通な説明の場合には、貫通孔61cを用い、3個の貫通孔を区別して説明する場合には、第1~第3貫通孔61ca~61ccを用いる。
第1部分61aにおいて、距離DA1~DA4を次のように規定する。距離DA1は、複数の貫通孔61cの第2方向Yの一方側の端部と第1部分61aの第2方向Yの一方側の辺との間の距離である。距離DA2は、複数の貫通孔61cの第2方向Yの他方の端部と第1部分61aの第2方向Yの他方側の辺との間の距離である。距離DA3は、複数の貫通孔61cのうちの第1方向Xの一方側に配置された貫通孔61cと第1部分61aの第1方向Xの一方側の辺との間の距離である。距離DA4は、複数の貫通孔61cのうちの第1方向Xの他方側に配置された貫通孔61cと第1部分61aの第1方向Xの他方側の辺との間の距離である。この場合、距離DA2は、距離DA1よりも大きい(DA2>DA1)。距離DA3は、距離DA4よりも大きい(DA3>DA4)。本実施形態では、距離DA1は、図6の距離DC1と等しく、距離DA2は、図6の距離DC2と等しい。距離DA3は、図6の距離DC3と等しく、距離DA4は、図6の距離DC4と等しい。
複数の貫通孔61cのそれぞれには、第1導電部63が設けられている。第1導電部63は、貫通孔61cと同様の形状である。第1導電部63の材料は、例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金等を用いることができる。第1導電部63は、金属板を貫通孔61cと同形状に加工して形成することができる。この場合、第1導電部63は、貫通孔61cに嵌め込まれる。本実施形態では、第1貫通孔61caに埋め込まれる第1導電部63を「第1導電部63a」と規定し、第2貫通孔61cbに埋め込まれる第1導電部63を「第1導電部63b」と規定し、第3貫通孔61ccに埋め込まれる第1導電部63を「第1導電部63c」と規定する。なお、以降の説明において、3個の第1導電部に共通な説明の場合には、第1導電部63を用い、3個の第1導電部を区別して説明する場合には、第1導電部63a~63cを用いる。
本実施形態では、第1導電部63aの第2方向Yの一方側の端部は、第3導電部83a(図6参照)と接続され、第1導電部63aの第2方向Yの他方側の端部は、第3導電部83d(図6参照)と接続される。第1導電部63bの第2方向Yの一方側の端部は、第3導電部83b(図6参照)と接続され、第1導電部63bの第2方向Yの他方側の端部は、第3導電部83e(図6参照)と接続される。第1導電部63cの第2方向Yの一方側の端部は、第3導電部83c(図6参照)と接続され、第1導電部63cの第2方向Yの他方側の端部は、第3導電部83f(図6参照)と接続される。なお、第1導電部63aの第2方向Yの他方側の端部が第3導電部83aと接続され、第1導電部63aの第2方向Yの一方側の端部が第3導電部83dと接続されてもよい。この場合、第1導電部63bの第2方向Yの他方側の端部が第3導電部83bと接続され、第1導電部63bの第2方向Yの一方側の端部が第3導電部83eと接続され、第1導電部63cの第2方向Yの他方側の端部が第3導電部83cと接続され、第1導電部63cの第2方向Yの一方側の端部が第3導電部83fと接続される。
第1ヒートシンク部62Aの平面視形状は、第3ヒートシンク部82Aの平面視形状と同じであり、第1ヒートシンク部62Bの平面視形状は、第3ヒートシンク部82Bの平面視形状と同じである。第1ヒートシンク部62A,62Bはそれぞれ、第1シート60の主面に沿う面方向において、第1本体部61と対向した状態で第1本体部61に取り付けられている。第1ヒートシンク部62Aは、第1本体部61の第2方向Yの一方側の端部に配置され、第1ヒートシンク部62Bは、第1本体部61の第2方向Yの他方側の端部に配置されている。第1ヒートシンク部62Aは、第3ヒートシンク部82Aと同様に、第1部分62aと、第2部分62bと、凹部62cとを有する。第1ヒートシンク部62Bは、第3ヒートシンク部82Bと同様に、第1部分62a及び第2部分62bを有する。なお、第1シート60の主面は、図4において高さ方向Z(板厚方向)に直交する平面である。すなわち第1シート60の主面は、第1シート60、第2シート70、及び第3シート80が積層される積層方向に直交する面である。
図5に示すように、第2シート70は、磁性体からなる第2本体部71と、2つの第2ヒートシンク部72A,72Bと、第2配線板24を構成する第2導電部73とを有する。第2本体部71は、第1シート状部材21xに対応し、第2ヒートシンク部72A,72Bは、第2シート状部材31に対応している。
平面視における第2本体部71の輪郭形状は、第1本体部61の輪郭形状と同じである。第2本体部71は、第2導電部73を取り囲むように形成されている。平面視における第2ヒートシンク部72Aの形状は、第1ヒートシンク部62Aの形状と同じであり、第2ヒートシンク部72Bの形状は、第1ヒートシンク部62Bの形状と同じである。第2ヒートシンク部72A,72Bはそれぞれ、第2シート70の主面に沿う面方向において、第2本体部71と対向した状態で第2本体部71に取り付けられている。第2ヒートシンク部72Aは、第2本体部71の第2方向Yの一方側の端部に配置され、第2ヒートシンク部72Bは、第2本体部71の第2方向Yの他方側の端部に配置されている。第2ヒートシンク部72Aは、第1ヒートシンク部62Aと同様に、第1部分72aと、第2部分72bと、凹部72cとを有する。第2ヒートシンク部72Bは、第1ヒートシンク部62Bと同様に、第1部分72a及び第2部分72bを有する。なお、第2シート70の主面は、図5において高さ方向Z(板厚方向)に直交する平面である。すなわち第2シート70の主面は、第1シート60、第2シート70、及び第3シート80が積層される積層方向に直交する面である。
第2本体部71は、第1本体部61と同様に第1部分71a及び第2部分71bを有する。第1部分71aには、第1部分71aを高さ方向Z(板厚方向)に貫通する貫通孔71c,71d,71e,71fが形成されている。貫通孔71c、貫通孔71d、及び貫通孔71e,71fの平面視形状は互いに異なる。貫通孔71eの平面視形状と貫通孔71fの平面視形状は同じである。
貫通孔71cと貫通孔71dは、図5の点CPを中心とした点対称形状である。貫通孔71c及び貫通孔71dは、第2シート70の面方向において第1方向X及び第2方向Yとは異なる第3方向に延びる部分を有する。貫通孔71cは貫通孔71eを避けるように形勢されている。貫通孔71fは、貫通孔71eを避けるように形成されている。なお、点CPは、貫通孔71c~71fを取り囲む二点鎖線の領域(図5参照)の中心位置である。
貫通孔71e,71fは、第1方向X及び第2方向Yに離間して形成されている。貫通孔71e,71fはそれぞれ、平面視において矩形状に形成されている。一例では、貫通孔71e,71fはそれぞれ、長手方向を第1方向Xとして形成されている。
第1部分71aにおいて、距離DB1~DB4を次のように規定する。距離DB1は、貫通孔71cの第2方向Yの一方側の端部と第1部分71aの第2方向Yの一方側の辺との間の距離である。距離DB2は、貫通孔71cの第2方向Yの他方側の端部と第1部分71aの第2方向Yの他方側の辺との間の距離である。距離DB3は、貫通孔71cのうちの第1方向Xの一方側の端部と第1部分71aの第1方向Xの一方側の辺との間の距離である。距離DB4は、貫通孔71dのうちの第1方向Xの他方側の端部と第1部分71aの第1方向Xの他方側の辺との間の距離である。この場合、距離DB2は、距離DB1よりも大きい(DB2>DB1)。距離DB3は、距離DB4よりも大きい(DB3>DB4)。本実施形態では、距離DB1は、図6の距離DC1と等しく、距離DB2は、図6の距離DC2と等しい。距離DB3は、図6の距離DC3と等しく、距離DB4は、図6の距離DC4と等しい。
貫通孔71c,71d,71e,71fのそれぞれには、第2導電部73が設けられている。第2導電部73は、貫通孔71c,71d,71e,71fと同様の形状である。第2導電部73の材料は、例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金等を用いることができる。第2導電部73は、金属板を貫通孔71c,71d,71e,71fと同形状に加工して形成することができる。この場合、第2導電部73は、貫通孔71c,71d,71e,71fにそれぞれ嵌め込まれる。本実施形態では、貫通孔71cに埋め込まれた第2導電部73を「第2導電部73a」と規定し、貫通孔71dに埋め込まれた第2導電部73を「第2導電部73b」と規定する。また、貫通孔71eに埋め込まれた第2導電部73を「第2導電部73c」と規定し、貫通孔71fに埋め込まれた第2導電部73を「第2導電部73d」と規定する。なお、以降の説明において、4個の第2導電部に共通な説明の場合には、第2導電部73を用い、4個の第2導電部を区別して説明する場合には、第2導電部73a~73dを用いる。
第2導電部73a及び第2導電部73bは、点CPを中心とした点対称形状である。
第2導電部73aのうちの第1方向Xの一方側の端部である第1端部73eの第2方向Yの位置と、第2導電部73aのうちの第1方向Xの他方側の端部である第2端部73fの第2方向Yの位置とは、互いに異なる。第2導電部73aは、平面視において第1方向X及び第2方向Yとは異なる第3方向に延びる傾斜部73gを有する。
第2導電部73bのうちの第1方向Xの一方側の端部である第1端部73hの第2方向Yの位置と、第2導電部73bのうちの第1方向Xの他方側の端部である第2端部73iの第2方向Yの位置とは、互いに異なる。第2導電部73bは、平面視において第1方向X及び第2方向Yとは異なる第3方向に延びる傾斜部73jを有する。第2導電部73bの第1端部73hは、第2方向Yにおいて、第2導電部73aの第1端部73eと隣り合うように配置されている。第2導電部73bの第2端部73iは、第2方向Yにおいて、第2導電部73aの第2端部73fと隣り合うように配置されている。
第2導電部73c,73dはそれぞれ、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、第2導電部73c,73dはそれぞれ、長手方向を第1方向Xとして形成されている。第2導電部73cは、第2方向Yにおいて、第2導電部73aに対して第2導電部73bとは反対側に配置されている。第2方向Yにおいて、第2導電部73cは、第2導電部73aの第1端部73eに対して第2導電部73bの第1端部73hとは反対側に隣り合うように配置されている。第2方向Yにおいて、第2導電部73dは、第2導電部73bの第2端部73iに対して第2導電部73aの第2端部73fとは反対側に隣り合うように配置されている。第2導電部73cには、2つの接続ピン26(図3(b)参照)の一方が接続され、第2導電部73dには、2つの接続ピン26の他方が接続されている。
(回路モジュールの製造方法)
次に、図7~図24を参照して、回路モジュール1の製造方法について説明する。
図7に示すように、回路モジュール1の製造方法は、第1シート状部材形成工程(ステップS10)、第2シート状部材形成工程(ステップS20)、組合せ工程(ステップS30)、積層工程(ステップS31)、焼成工程(ステップS32)、部品実装工程(ステップS40)、インダクタ実装工程(ステップS50)、リフロー工程(ステップS51)、封止樹脂形成工程(ステップS52)、及び切断工程(ステップS53)を含む。組合せ工程(ステップS40)は、第1シート状部材と第2シート状部材とを組み合せる工程である。
第1シート状部材形成工程(ステップS10)、第2シート状部材形成工程(ステップS20)、及び部品実装工程(ステップS40)の製造順序は任意に変更可能である。また部品実装工程(ステップS40)よりも先に第1シート状部材形成工程(ステップS10)及び第2シート状部材形成工程(ステップS20)を実施した場合、部品実装工程(ステップS40)と組合せ工程(ステップS30)との製造順序は任意に変更可能である。
〔第1シート状部材形成工程〕
第1シート状部材形成工程は、シート形成工程(ステップS11)及び導電部形成工程(ステップS12)を含む。
シート形成工程(ステップS11)は、第1シート60の第1本体部61を含む第1シート母材100、第2シート70の第2本体部71を含む第2シート母材110、及び第3シート80の第3本体部81を含む第3シート母材120を形成する工程である。シート形成工程では、例えば板材(図示略)をエッチング等によって加工することにより、第1シート母材100(図8参照)、第2シート母材110(図11参照)、及び第3シート母材120(図14参照)を形成する。シート形成工程では、エッチングに代えて、プレス加工機を用いて板材を加工することにより、第1~第3シート母材100,110,120を形成してもよい。
図8に示すように、第1シート母材100は、4つの第1シート60の第1本体部61を含む。第1シート母材100は、第2方向Yに離間して2つ形成されたシート形成部101A,101Bと、シート形成部101A,101Bを第2方向Yに連結する一対の連結部102A,102Bとを有する。シート形成部101A,101Bはそれぞれ、2つの第1本体部61が第1方向Xにおいて連結された構成を有する。連結部102Aは、第1方向Xにおけるシート形成部101A,101Bの一方側の端部においてシート形成部101A,101Bを連結するように第2方向Yに延びている。連結部102Bは、第1方向Xにおけるシート形成部101A,101Bの他方側の端部においてシート形成部101A,101Bを連結するように第2方向Yに延びている。なお、第1シート母材100が含む第1シート60の第1本体部61の個数は任意に変更可能である。
シート形成部101A,101Bはそれぞれ、第1方向Xに離間して配置される2つのシート部103A,103Bと、シート部103A,103B同士を連結する中間連結部104と、シート部103Aと連結部102Aとを連結する端部連結部105Aと、シート部103Bと連結部102Bとを連結する端部連結部105Bとを有する。
シート部103A,103Bはそれぞれ、第1本体部61における第1部分61aに相当する。シート部103A,103Bにはそれぞれ、3つの貫通孔103aが形成されている。3つの貫通孔103aは、第1本体部61における貫通孔61cに相当する。
中間連結部104には、貫通孔104aが形成されている。貫通孔104aは、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、貫通孔104aは、長手方向を第1方向Xとして形成されている。一例では、貫通孔104aの第1方向Xの長さは、中間連結部104の第1方向Xの長さと等しい。中間連結部104には、2つの第1本体部61のそれぞれの一対の第2部分61b(一対の突出部21b、図4参照)が形成されている。
端部連結部105Aは、シート部103Aと連結部102Aとの間に設けられ、シート部103Aと連結部102Aとを連結している。端部連結部105Bは、シート部103Bと連結部102Bとの間に設けられ、シート部103Bと連結部102Bとを連結している。端部連結部105A,105Bにはそれぞれ、貫通孔105aが形成されている。貫通孔105aは、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、貫通孔105aは、長手方向を第2方向Yとして形成されている。端部連結部105Aの貫通孔105aは、第1方向Xにおいて、端部連結部105Aのうちの連結部102Aよりもシート部103A側の部分に設けられている。端部連結部105Bの貫通孔105aは、第1方向Xにおいて、端部連結部105Bのうちの連結部102Bよりもシート部103B側の部分に設けられている。本実施形態では、端部連結部105Aの貫通孔105aの第1方向Xのサイズは、端部連結部105Bの貫通孔105aの第1方向Xのサイズよりも大きい。端部連結部105Aの貫通孔105aの第2方向Yのサイズは、端部連結部105Bの貫通孔105aの第2方向Yのサイズと等しい。端部連結部105Aには、シート部103Aを含む第1本体部61の一対の第2部分61bが形成されている。端部連結部105Bには、シート部103Bを含む第1本体部61の一対の第2部分61bが形成されている。
図11に示すように、第2シート母材110は、4つの第2シート70の第2本体部71を含む。第2シート母材110は、第2方向Yに離間して2つ形成されたシート形成部111A,111Bと、シート形成部111A,111Bを第2方向Yに連結する一対の連結部112A,112Bとを有する。シート形成部111A,111Bはそれぞれ、2つの第2本体部71が第1方向Xにおいて連結された構成を有する。連結部112Aは、第1方向Xにおけるシート形成部111A,111Bの一方側の端部においてシート形成部111A,111Bを連結するように第2方向Yに延びている。連結部112Bは、第1方向Xにおけるシート形成部111A,111Bの他方側の端部においてシート形成部111A,111Bを連結するように第2方向Yに延びている。なお、第2シート母材110が含む第2シート70の第2本体部71の個数は任意に変更可能である。
シート形成部111A,111Bはそれぞれ、第1方向Xに離間して配置される2つのシート部113A,113Bと、シート部113A,113B同士を連結する中間連結部114と、シート部113Aと連結部112Aとを連結する端部連結部115Aと、シート部113Bと連結部112Bとを連結する端部連結部115Bとを有する。中間連結部114は、貫通孔114aを有する。端部連結部115A,115Bはそれぞれ、貫通孔115aを有する。中間連結部114は、図8の中間連結部104と同じ形状であり、端部連結部115A,115Bは、図8の端部連結部105A,105Bと同じ形状である。
シート部113A,113Bはそれぞれ、第2本体部71における第1部分71aに相当する。シート部113A,113Bにはそれぞれ、4つの貫通孔113a,113b,113c,113dが設けられている。貫通孔113aは、第1部分71aの貫通孔71cに相当する。貫通孔113bは、第1部分71aの貫通孔71dに相当する。貫通孔113cは、第1部分71aの貫通孔71eに相当する。貫通孔113dは、第1部分71aの貫通孔71fに相当する。
図14に示すように、第3シート母材120は、4つの第3シート80の第3本体部81を含む。第3シート母材120は、第2方向Yに離間して2つ形成されたシート形成部121A,121Bと、シート形成部121A,121Bを第2方向Yに連結する一対の連結部122A,122Bとを有する。シート形成部121A,121Bはそれぞれ、2つの第3本体部81が第1方向Xにおいて連結された構成を有する。連結部122Aは、第1方向Xにおけるシート形成部121A,121Bの一方側の端部においてシート形成部121A,121Bを連結するように第2方向Yに延びている。連結部122Bは、第1方向Xにおけるシート形成部121A,121Bの他方側の端部においてシート形成部121A,121Bを連結するように第2方向Yに延びている。なお、第3シート母材120が含む第3シート80の第3本体部81の個数は任意に変更可能である。
シート形成部121A,121Bはそれぞれ、第2方向Yに離間して配置される2つのシート部123A,123Bと、シート部123A,123B同士を連結する中間連結部124と、シート部123Aと連結部122Aとを連結する端部連結部125Aと、シート部123Bと連結部122Bとを連結する端部連結部125Bとを有する。中間連結部124は、貫通孔124aを有する。端部連結部125A,125Bはそれぞれ、貫通孔125aを有する。中間連結部124は、図8の中間連結部104と同じ形状であり、端部連結部125A,125Bは、図8の端部連結部105A,105Bと同じ形状である。
シート部123A,123Bはそれぞれ、第3本体部81における第1部分81aに相当する。シート部123A,123Bにはそれぞれ、6つの貫通孔123aが設けられている。貫通孔123aは、第1部分81aの貫通孔81cに相当する。
導電部形成工程(ステップS12)は、インダクタ電極22を形成するために第1~第3シート母材100,110,120の各シート部103A,103B,113A,113B,123A,123Bにインダクタ電極22(図3(b)参照)を構成する導電部を設ける工程である。
図9に示すように、第1シート母材100のシート部103A,103Bの各貫通孔103aに例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金等の導電材料を埋め込むことにより第1導電部63が形成される。一例では、金属板を各貫通孔103aの平面視形状と同じ形状に加工し、加工された金属板を各貫通孔103aに埋め込むことによって、第1導電部63を形成する。また別例では、ペースト状の導電材料を、第1シート母材100のシート部103A,103Bの各貫通孔103aに塗布することによって、第1導電部63を形成する。
図12に示すように、第2シート母材110のシート部113A,113Bの各貫通孔113a,113b,113c,113dに例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金等の導電材料を埋め込むことにより第2導電部73が形成される。一例では、金属板を各貫通孔113a,113b,113c,113dの平面視形状と同じ形状に加工し、加工された金属板を各貫通孔113a,113b,113c,113dに埋め込むことによって、第2導電部73を形成する。また別例では、ペースト状の導電材料を、第2シート母材110のシート部113A,113Bの各貫通孔113a,113b,113c,113dに塗布することによって、第2導電部73を形成する。
図15に示すように、第3シート母材120のシート部123A,123Bの各貫通孔123aに例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金等の導電材料を埋め込むことにより第3導電部83が形成される。一例では、金属板を各貫通孔123aの平面視形状と同じ形状に加工し、加工された金属板を各貫通孔123aに埋め込むことによって、第3導電部83を形成する。また別例では、ペースト状の導電材料を、第3シート母材120のシート部123A,123Bの各貫通孔123aに塗布することによって、第3導電部83を形成する。
〔第2シート状部材形成工程〕
第2シート状部材形成工程では、例えば板材(図示略)をエッチング等によって加工することにより、図10、図13、及び図16に示す複数のヒートシンク母材130を形成する。
ヒートシンク母材130は、第1方向Xに延びる一対の第1部分131A,131Bと、第1部分131A,131B同士を連結する中間連結部132と、第1方向Xにおいて第1部分131Aのうちの中間連結部132とは反対側の部分に設けられた第2部分133Aと、第1部分131Bのうちの中間連結部132とは反対側の部分に設けられた第2部分133Bとを有する。第1部分131A,131Bは、第1方向Xに間隔をあけて設けられている。中間連結部132は、第1部分131A,131Bの第1方向Xの間に設けられている。中間連結部132は、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、中間連結部132は、長手方向を第2方向Yとして形成されている。第2部分133A,133Bはそれぞれ、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、第2部分133A,133Bはそれぞれ、長手方向を第2方向Yとして形成されている。第2部分133A,133Bのそれぞれの第2方向Yの長さと、中間連結部132の第2方向Yの長さとは互いに等しい。第2部分133A,133Bのそれぞれの第1方向Xの長さは、中間連結部132の第1方向Xの長さよりも長い。中間連結部132及び第2部分133A,133Bはそれぞれ、第1部分131A,131Bの第1方向Xの両側から突出している。中間連結部132及び第2部分133A,133Bのそれぞれにおいて、第1部分131A,131Bの第2方向Yの一方側に突出する長さDH1は、第1部分131A,131Bの第2方向Yの他方側に突出する長さDH2よりも長い。
ヒートシンク母材130には、4つの第1貫通孔134a~134dと、第2貫通孔135とが設けられている。
第2貫通孔135は、中間連結部132に設けられている。第2貫通孔135は、平面視において、例えば矩形状に形成されている。一例では、第2貫通孔135は、長手方向を第2方向Yとして形成されている。また一例では、第2貫通孔135の第2方向Yの長さは、第1部分131A,131Bの第2方向Yの長さよりも長い。
第1貫通孔134a~134dはそれぞれ、平面視形状において、例えば矩形状に形成されている。一例では、第1貫通孔134a~134dは、長手方向を第1方向Xとして形成されている。2つの第1貫通孔134a,134bは、第1方向Xにおいて、ヒートシンク母材130のうちの第2貫通孔135よりも一方側の部分に設けられ、2つの第1貫通孔134c,134dは、第1方向Xにおいて、ヒートシンク母材130のうちの第2貫通孔135よりも他方側の部分に設けられている。第1貫通孔134aは、第2部分133A及び第1部分131Aに跨るように形成されている。第1貫通孔134bは、第1部分131A及び中間連結部132に跨るように形成されている。第1貫通孔134cは、中間連結部132及び第1部分131Bに跨るように形成されている。第1貫通孔134dは、第1部分131B及び第2部分133Bに跨るように形成されている。
〔組合せ工程〕
第1シート状部材形成工程と第2シート状部材形成工程とを実施した後、組合せ工程を実施する。組合せ工程は、第1組合せ工程、第2組合せ工程、及び第3組合せ工程を含む。
図10に示すように、第1組合せ工程では、第1シート母材100に3つのヒートシンク母材130を組み付ける。一例では、1つのヒートシンク母材130は、第1シート母材100におけるシート形成部101A,101Bの第1方向Xの間の貫通孔106に圧入される。別の1つのヒートシンク母材130は、第1方向Xにおいて、シート形成部101Aに対して貫通孔106とは反対側に配置され、シート形成部101Aに圧入される。さらに別の1つのヒートシンク母材130は、第1方向Xにおいて、シート形成部101Bに対して貫通孔106とは反対側に配置され、シート形成部111Bに圧入される。これにより、第1組合せシート140が形成される。
ヒートシンク母材130の第1部分131Aは、第1シート母材100のシート部103Aと接触し、ヒートシンク母材130の第1部分131Bは、第1シート母材100のシート部103Bと接触する。ヒートシンク母材130の中間連結部132は、第1シート母材100の第1部分131A,131B及び中間連結部114からなる凹部に嵌め込まれる。ヒートシンク母材130の第2部分133Aは、第1シート母材100の連結部102A、端部連結部105A、及びシート部103Aからなる凹部に嵌め込まれる。
図13に示すように、第2組合せ工程では、第2シート母材110に3つのヒートシンク母材130を組み付ける。第2組合せ工程では、第1組合せ工程と同様に、第1方向Xにおいてシート形成部111A,111Bの両側にヒートシンク母材130が圧入されることにより、第2組合せシート150が形成される。
図16に示すように、第3組合せ工程では、第3シート母材120に3つのヒートシンク母材130を組み付ける。第3組合せ工程では、第1組合せ工程と同様に、第1方向Xにおいてシート形成部121A,111Bの両側にヒートシンク母材130が圧入されることにより、第3組合せシート160が形成される。
〔積層工程〕
次に、積層工程は、第1積層工程、第2積層工程、及び第3積層工程を含む。
第1積層工程は、複数の第3組合せシート160を積層する。複数の第3組合せシート160は、積層方向において隣り合う第3組合せシート160が、第3組合せシート160の面方向において互いにずれるように積層される。第3組合せシート160の面方向において互いにずれるように積層される構成の一例を図17に示す。図17では、便宜上、積層方向の一方側(図17の紙面下側)の第3組合せシート160を「第3組合せシート160A」と規定し、積層方向の他方側(図17の紙面上側)の第3組合せシート160を「第3組合せシート160B」と規定する。
第3組合せシート160Bは、第3組合せシート160Aに対して点対称となる向きで配置されている。具体的には、第3組合せシート160Bにおける第3シート母材120のシート形成部121Aと、第3組合せシート160Aにおける第3シート母材120のシート形成部121Bとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160Bにおける第3シート母材120のシート形成部121Bと、第3組合せシート160Aにおける第3シート母材120のシート形成部121Aとが高さ方向Zにおいて対向する。また、第3組合せシート160Bにおける第3シート母材120の連結部122Aと、第3組合せシート160Aにおける第3シート母材120の連結部122Bとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160Bにおける第3シート母材120の連結部122Bと、第3組合せシート160Aにおける第3シート母材120の連結部122Aとが高さ方向Zにおいて対向する。また、第3組合せシート160Bにおける第3シート母材120の端部連結部125Aと、第3組合せシート160Aにおける第3シート母材120の端部連結部125Bとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160Bにおける第3シート母材120の端部連結部125Bと、第3組合せシート160Aにおける第3シート母材120の端部連結部125Aとが高さ方向Zにおいて対向する。また、第3組合せシート160Bにおけるヒートシンク母材130の第1部分131Aと、第3組合せシート160Bにおけるヒートシンク母材130の第1部分131Bとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160Bにおけるヒートシンク母材130の第1部分131Bと、第3組合せシート160Bにおけるヒートシンク母材130の第1部分131Aとが高さ方向Zにおいて対向する。また、第3組合せシート160Bにおけるヒートシンク母材130の第2部分133Aと、第3組合せシート160Aにおけるヒートシンク母材130の第2部分133Bとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160Bにおけるヒートシンク母材130の第2部分133Bと、第3組合せシート160Aにおけるヒートシンク母材130の第2部分133Aとが高さ方向Zにおいて対向する。
本実施形態では、第3組合せシート160A,160Bが積層される場合、第3組合せシート160A,160Bの各シート部123A,123Bに設けられた6個の第3導電部83の位置が互いに対向するように第3組合せシート160A,160Bが積層される。本実施形態では、図6の第3本体部81における6個の第3導電部83の配置関係としての距離DC1~DC4の関係(DC1<DC2及びDC4<DC3)によって、第3組合せシート160A,160Bは、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに沿ってずれて積層される。
図18に示す複数の第3組合せシート160が積層された状態では、4つのシート部123A,123Bにおける6個の第3導電部83は、高さ方向Zに延びるように形成されている。このような第3導電部83によって、高さ方向Zに沿って延びる接続配線板25が構成される。一方、第3シート母材120及びヒートシンク母材130は、積層方向において、第3組合せシート160の面方向にずれるように積層されている。
第2積層工程では、複数の第3組合せシート160に第1組合せシート140を積層する。図19に示すように、第1組合せシート140は、第3組合せシート160に対して第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに沿ってずれて積層される。
一例では、図18及び図19に示すように、第3組合せシート160の第3シート母材120のシート形成部121Bと、第1組合せシート140の第1シート母材100のシート形成部101Aとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160の第3シート母材120のシート形成部121Aと、第1組合せシート140の第1シート母材100のシート形成部101Bとが高さ方向Zにおいて対向する。第3組合せシート160の第3シート母材120の連結部122Bと、第1組合せシート140の第1シート母材100の連結部102Aとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160の第3シート母材120の連結部122Aと、第1組合せシート140の第1シート母材100の連結部102Bとが高さ方向Zにおいて対向する。第3組合せシート160の第3シート母材120のシート部123Bと、第1組合せシート140の第1シート母材100のシート部103Aとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160の第3シート母材120のシート部123Aと、第1組合せシート140の第1シート母材100のシート部103Bとが高さ方向Zにおいて対向する。また、図19に示すように、各第1導電部63は、第2方向Yに離間した2つの第3導電部83と接触する。
第3積層工程では、複数の第3組合せシート160に第2組合せシート150を積層する。図20に示すように、第2組合せシート150は、第3組合せシート160に対して第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに沿ってずれて積層される。
一例では、図18及び図20に示すように、第3組合せシート160の第3シート母材120のシート形成部121Bと、第2組合せシート150の第2シート母材110のシート形成部111Aとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160の第3シート母材120のシート形成部121Aと、第2組合せシート150の第2シート母材110のシート形成部111Bとが高さ方向Zにおいて対向する。第3組合せシート160の第3シート母材120の連結部122Bと、第2組合せシート150の第2シート母材110の連結部112Aとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160の第3シート母材120の連結部122Aと、第2組合せシート150の第2シート母材110の連結部112Bとが高さ方向Zにおいて対向する。第3組合せシート160の第3シート母材120のシート部123Aと、第2組合せシート150の第2シート母材110のシート部113Bとが高さ方向Zにおいて対向し、第3組合せシート160の第3シート母材120のシート部123Bと、第2組合せシート150の第2シート母材110のシート部113Aとが高さ方向Zにおいて対向する。図20に示すように、各第2導電部73は、第3導電部83と接触する。以上の第1~第3積層工程を経て積層母材170が形成される。
〔焼成工程〕
焼成工程では、積層母材170を例えば加圧して第1~第3組合せシート140,150,160を密着させた状態で、所定条件で焼成する。
〔部品実装工程〕
部品実装工程は、電子部品実装工程(ステップS41)及び接続ピン実装工程(ステップS42)を含む。
図21(a)に示すように、電子部品実装工程では、配線基板10の第1主面11に、周知の表面実装技術を用いて電子部品51を実装する。
図21(b)に示すように、接続ピン実装工程では、配線基板10の第1主面11に、はんだ180を供給する。次に、図21(c)に示すように、配線基板10の第1主面11に接続ピン26を配置し、図21(b)に示すはんだ180によって第1主面11に接続ピン26を接続する。
〔インダクタ実装工程及びリフロー工程〕
次に、部品実装工程及び積層工程を実施した後、インダクタ実装工程及びリフロー工程を実施する。
図22に示すように、積層工程において形成された積層母材170と、接続ピン26とが接続される。まず、周知の方法により、積層母材170の第3組合せシート160に形成された第2導電部73(ともに図20参照)の所定の位置にはんだが供給される。そして、第2導電部73上に接続ピン26を向けて配線基板10及び接続ピン26を配置する。これをリフロー炉によって熱処理し、第2導電部73と接続ピン26とを接続する。
〔樹脂形成工程〕
次に、リフロー工程を実施した後、封止樹脂形成工程を実施する。
図23に示すように、封止樹脂190を形成する。封止樹脂190は、配線基板10の第1主面11から積層母材170を覆うように形成される。このため、配線基板10の第2主面12は封止樹脂190から露出している。封止樹脂190の形成には、金型を用いたモールド方式、ディスペンス方式、印刷方式等を用いることができる。
封止樹脂190は、積層母材170の6個の貫通孔171~176(ともに図20参照)のそれぞれに樹脂が入り込むように形成される。貫通孔171,172,175,176は、第1~第3シート母材100,110,120の貫通孔105a,115a,125a(図8、図11、及び図14参照)からなる。貫通孔173,174は、第1~第3シート母材100,110,120の貫通孔104a,114a,124aからなる。各貫通孔171~176を構成する内面は、第1~第3シート母材100,110,120がずれて積層されるため、凹凸構造となっている。
〔切断工程〕
次に、切断工程を実施する。
図24に示すように、4つの回路モジュール1を形成するため、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに沿って切断する。切断方法としては、例えば周知のダイシング加工を用いることができる。このような工程を経て、4つの回路モジュール1が製造される。なお、図24では、切断位置を分かり易く示すために封止樹脂190を省略して示している。実際には、封止樹脂190も併せて切断されている。
(作用)
本実施形態の作用について説明する。
電子部品20は、インダクタ電極22に電流が流れることに起因して発熱する。より詳細には、インダクタ電極22に電流が流れることによってインダクタ電極22が発熱する。インダクタ電極22の熱は、コイルコア21に伝わる。
本実施形態では、ヒートシンク30は、コイルコア21に直接的に接触している。すなわち、ヒートシンク30とコイルコア21との接触部分に封止樹脂40の樹脂が介在し難い構造である。このように、ヒートシンク30とコイルコア21との間の伝熱経路が短くなるため、インダクタ電極22からコイルコア21に伝わった熱は、ヒートシンク30に効率よく伝わる。ヒートシンク30は、封止樹脂40から突出した構造であるため、電子部品20の熱が封止樹脂40の外部に効率よく放熱することができる。
(効果)
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)回路モジュール1は、配線基板10と、配線基板10の第1主面11に配置される発熱性の電子部品20と、配線基板10の第1主面11及び電子部品20を封止する封止樹脂40と、一部が封止樹脂40に埋め込まれたヒートシンク30とを備える。この構成によれば、ヒートシンク30の一部が封止樹脂40に埋め込まれるため、電子部品20とヒートシンク30との間の距離、すなわち電子部品20からヒートシンク30までの伝熱経路を短くすることができる。このため、封止樹脂40の外部にヒートシンクが配置される構成と比較して、電子部品20からヒートシンク30に伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能の低下を抑制できる。
(2)ヒートシンク30は、電子部品20の磁性体であるコイルコア21に接するように配置されている。この構成によれば、インダクタ電極22に電流が流れることによってインダクタ電極22が発熱した場合、インダクタ電極22の熱はコイルコア21に伝わる。コイルコア21はヒートシンク30と接しているため、コイルコア21に伝わった熱はヒートシンク30に効率よく伝わる。したがって、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(3)コイルコア21の一部は、凹凸構造27を有する。ヒートシンク30は、コイルコア21の凹凸構造27と嵌合する凹凸構造32を有する。この構成によれば、高さ方向Zにおいてコイルコア21とヒートシンク30とが接触することにより、コイルコア21とヒートシンク30との接触面積が大きくなる。このため、コイルコア21からヒートシンク30に伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(4)コイルコア21は、第1シート状部材21xを積層してなる積層体を有する。この構成によれば、コイルコアがブロック状に形成される場合と比較して、渦電流損を低減できる。
(5)積層方向(高さ方向Z)に隣り合う第1シート状部材21xを、第1シート状部材21xの主面に沿う面方向における位置を互いにずらすように配置することによって、凹凸構造27を形成している。この構成によれば、凹凸構造27を容易に形成することができる。
(6)ヒートシンク30は、第2シート状部材31を積層してなる積層体を有する。第2シート状部材31は、第1シート状部材21xに取り付けられている。この構成によれば、第1シート状部材21xと第2シート状部材31とが離間して配置される構成と比較して、第1シート状部材21xから第2シート状部材31に伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(7)第1シート状部材21xは、第1シート状部材21xの側面が第1シート状部材21xの面方向に突出する凸部21yを有する。第2シート状部材31は、第1シート状部材21xの凸部21yと嵌り合う凹部31aを有する。この構成によれば、第1シート状部材21xから凸部21yが省略され、第2シート状部材31から凹部31aが省略された構成と比較して、第1シート状部材21xと第2シート状部材31との接触面積が大きくなるため、第1シート状部材21xから第2シート状部材31に伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(8)コイルコア21とヒートシンク30とは密着している。この構成によれば、コイルコア21からヒートシンク30への伝熱効率が高められる。したがって、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(9)回路モジュール1は、第1~第3シート60,70,80を積層した積層体を有する。第1シート60は、第1導電部63と、第1導電部63を取り囲むように形成される第1本体部61と、第1本体部61の面方向において第1本体部61と対向した状態で第1本体部61に取り付けられる2つの第1ヒートシンク部62A,62Bとを有する。第2シート70は、第2導電部73と、第2導電部73を取り囲むように形成される第2本体部71と、第2本体部71の面方向において第2本体部71と対向した状態で第2本体部71に取り付けられる2つの第2ヒートシンク部72A,72Bとを有する。第3シート80は、第1導電部63と第2導電部73とを接続する第3導電部83と、第3導電部83を取り囲むように形成される第3本体部81と、第3本体部81の面方向において第3本体部81と対向する状態で第3本体部81に取り付けられる2つの第3ヒートシンク部82A,82Bとを有する。この構成によれば、第1~第3ヒートシンク部62A,62B,72A,72B,82A,82Bが第1~第3本体部61,71,81に取り付けられることにより、第1~第3本体部61,71,81と第1~第3ヒートシンク部62A,62B,72A,72B,82A,82Bとの間の距離、すなわち第1~第3本体部61,71,81から第1~第3ヒートシンク部62A,62B,72A,72B,82A,82Bまでの伝熱経路を短くすることができる。このため、第1~第3ヒートシンク部62A,62B,72A,72B,82A,82Bと第1~第3本体部61,71,81とが離間して配置される構成と比較して、第1~第3本体部61,71,81から第1~第3ヒートシンク部62A,62B,72A,72B,82A,82Bに伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能の低下を抑制できる。
(10)積層方向(高さ方向Z)から見て、第1ヒートシンク部62A,62B、第2ヒートシンク部72A,72B、及び第3ヒートシンク部82A,82Bは少なくとも一部が互いに重なるように配置されている。この構成によれば、第1~第3ヒートシンク部62A,62B,72A,72B,82A,82B間において伝熱され易くなるため、ヒートシンク30の放熱性能の低下を抑制できる。
(11)複数の第3導電部83は、第1方向Xに間隔をあけて2つ設けられ、かつ、第2方向Yに間隔をあけて3個設けられている。第1導電部63は、第1方向Xに間隔をあけて設けられた第3導電部83を繋ぐように第1方向Xに沿って延びるように設けられている。第2導電部73は、第1方向Xに間隔をあけて設けられた複数の第3導電部83のうちの第2方向Yにおいて位置が異なる第3導電部83を繋ぐように第3方向に沿って延びるように設けられている。そして複数の第2導電部73のうちの2つは、第1導電部63、第2導電部73、及び第3導電部83からなる導電経路の端部を構成している。この構成によれば、第1シート60、第2シート70、及び第3シート80を積層することによって、接続ピン26を除くインダクタ電極22を第1導電部63、第2導電部73、及び第3導電部83から形成することができる。
(12)回路モジュール1の製造方法の積層工程において、複数の第3シート80は、第1方向X及び第2方向Yにおいてずれて積層されている。この構成によれば、複数の第3シート80を積層することによって、コイルコア21の凹凸構造27及びヒートシンク30の凹凸構造32を容易に形成することができる。
(13)回路モジュール1の製造方法の積層工程において、第1シート60及び第2シート70は、第3シート80に対して第1方向X及び第2方向Yにおいてずれて積層されている。この構成によれば、第1シート60、第2シート70、及び第3シート80を積層することによって、コイルコア21の凹凸構造27及びヒートシンク30の凹凸構造32を容易に形成することができる。
(14)回路モジュール1の製造方法の封止樹脂形成工程において、封止樹脂190を形成する樹脂は、積層母材170の貫通孔171~176のそれぞれに入り込む。そして切断工程において、封止樹脂190及び積層母材170を切断することによって、複数の回路モジュール1が製造される。この構成によれば、貫通孔171~176に入り込む樹脂によってコイルコア21の側面が覆われることによって、コイルコア21と封止樹脂40との接触面積が大きくなる。したがって、コイルコア21が回路モジュール1の外部に露出することが抑制されるため、コイルコア21に対する他の部品等の接触を抑制することができる。
積層母材170は、第1~第3組合せシート140,150,160が第1~第3組合せシート140,150,160の主面に沿う面方向において互いにずれて積層されるため、貫通孔171~176を構成する内側面が高さ方向Zにおいて凹凸構造となっている。このため、封止樹脂190を形成する樹脂が高さ方向Zにおける第1~第3組合せシート140,150,160のシート間に入り込む。これにより、回路モジュール1が製造された状態で封止樹脂40に対して電子部品20が高さ方向Zに移動することが抑制される。
(15)ヒートシンク30は、平面視において、コイルコア21の第2方向Yの側面の一部を覆うように設けられている。この構成によれば、ヒートシンク30とコイルコア21との接触面積が大きくなるため、コイルコア21からヒートシンク30に伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(16)第1シート60において、第1本体部61の貫通孔61cに第1導電部63が埋め込まれている。この構成によれば、第1本体部61上に第1導電部63が配置される構成と比較して、第1シート60の厚さを薄くできる。したがって、電子部品20の薄型化を図ることができる。また、第1導電部63が第3シート80上に配置される構成、すなわち第1本体部61が省略された構成と比較して、コイルコア21の体積が増加し、かつ第1導電部63の熱が第1本体部61(コイルコア21)に移動し易くなるため、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(17)第2シート70において、第2本体部71の貫通孔71c~71fに第2導電部73がそれぞれ埋め込まれている。この構成によれば、第2本体部71上に第2導電部73が配置される構成と比較して、第2シート70の厚さを薄くできる。したがって、電子部品20の薄型化を図ることができる。また、第2導電部73が第3シート80上に配置される構成、すなわち第2本体部71が省略された構成と比較して、コイルコア21の体積が増加し、かつ第2導電部73の熱が第2本体部71(コイルコア21)に移動し易くなるため、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
(18)封止樹脂40は、コイルコア21、第1導電部63(第1配線板23)、第2導電部73(第2配線板24)、及び第3導電部83(接続配線板25)を封止する。これにより、コイルコア21、第1導電部63(第1配線板23)、及び第2導電部73(第2配線板24)に対する他の部品等の接触や、湿度等の影響を抑制することができる。
(19)封止樹脂40は、コイルコア21、第1導電部63(第1配線板23)、第2導電部73(第2配線板24)、及び第3導電部83(接続配線板25)を封止する。例えば銅よりなる各導電部63,73,83(各配線板23~25)が露出していると、発熱によって表面が酸化し、抵抗値が増加する。本実施形態では、封止樹脂40によって封止されているため、インダクタ電極22の表面の酸化を抑制し、低抵抗を維持することができる。
(20)回路モジュール1は、電子部品20と接続ピン26によって接続された配線基板10を有する。このため、配線基板10とインダクタ電極22とを一体とした回路モジュール1を提供することができる。また、接続ピン26によって第2導電部73(第2配線板24)を配線基板10に接続することで、接続ピン26の配置位置を変更するなどの設計自由度が高くなる。
(21)配線基板10には、電子部品51が実装されている。つまり、接続ピン26によって、配線基板10と第2導電部73(第2配線板24)との間に電子部品を収容することができる。このため、電子部品51を有する回路モジュール1の小型化を図ることができる。
(22)組合せ工程において、第1シート母材100には、3つの共通のヒートシンク母材130が取り付けられる。第2シート母材110には、3つの共通のヒートシンク母材130が取り付けられる。第3シート母材120には、3つの共通のヒートシンク母材130が取り付けられる。このように、共通のヒートシンク母材130によって、第1シート60の第1ヒートシンク部62A,62B、第2シート70の第2ヒートシンク部72A,72B、及び第3シート80の第3ヒートシンク部82A,82Bが形成される。したがって、製造コストを低減できる。
(23)封止樹脂40は、第1シート60の第1本体部61における一対の第2部分61bの間の部分、第2シート70の第2本体部71における一対の第2部分71bの間の部分、及び第3シート80の第3本体部81における一対の第2部分81bの間の部分をそれぞれ覆うように形成されている。この構成によれば、封止樹脂40は、電子部品20と配線基板10との間に形成された封止樹脂と、電子部品20に対して配線基板10とは反対側に形成された封止樹脂とが連結されるように形成される。したがって、封止樹脂40のうちの電子部品20に対して配線基板10とは反対側に形成された封止樹脂が電子部品20から剥がれることを抑制できる。
(変更例)
上記実施形態は本開示に関する回路モジュール及び回路モジュールの製造方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する回路モジュール及び回路モジュールの製造方法は上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記実施形態の形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
・上記実施形態の回路モジュール1において、封止樹脂40のサイズは任意に変更可能である。一例では、封止樹脂40は、コイルコア21の各突出部21bを覆うように形成されてもよい。
・上記実施形態において、回路モジュール1から封止樹脂40を省略してもよい。この場合、回路モジュール1は、コイルコア21、ヒートシンク30、及びインダクタ電極22から構成されてもよい。
・上記実施形態の回路モジュール1において、電子部品20の個数は任意に変更可能である。一例では、回路モジュール1は、複数の電子部品20を有する。
・上記実施形態では、電子部品20のコイルコア21の第1方向Xの両端部に配置されているが、コイルコア21の配置位置及び個数の少なくとも一方は任意に変更可能である。一例では、ヒートシンク30は、コイルコア21の第2方向Yの両端部に配置されてもよい。またヒートシンク30は、コイルコア21の第1方向Xの両端部及びコイルコア21の第2方向Yの両端部の4箇所に配置されてもよい。またヒートシンク30は、高さ方向Zにおいて、コイルコア21のうちの配線基板10とは反対側の端面に接触するように配置されてもよい。
・上記実施形態の電子部品20において、コイルコア21とヒートシンク30とを一体化してもよい。この場合、コイルコア21の一部がヒートシンク30として封止樹脂40から突出する。
・上記実施形態の電子部品20において、第2導電部73c,73dの平面視形状は任意に変更可能である。一例では、第2導電部73c,73dの平面視形状は、正方形、円形、及び楕円形のいずれであってもよい。
・上記実施形態の電子部品20において、第3導電部83の平面視形状は任意に変更可能である。一例では、第3導電部83の平面視形状は、正方形、円形、及び楕円形のいずれであってもよい。
・上記実施形態の電子部品20において、インダクタ電極22の接続配線板25は、第3導電部83が積層された構成以外の構成であってもよい。一例では、接続配線板25は、円柱又は角柱のピンからなる。この場合、例えば第3シート80の貫通孔81cを構成する内面と接続配線板25との間に隙間が形成されてもよい。
・上記実施形態の電子部品20において、第1導電部63は、第1シート60の第1本体部61上に設けられてもよい。この場合、第1本体部61に設けられた貫通孔61cには、第3導電部83が埋め込まれてもよい。第3導電部83が貫通孔61cに埋め込まれる場合、貫通孔61cの平面視形状は、第3導電部83の平面視形状と同じであってもよい。
・上記実施形態の電子部品20において、第2導電部73a,73bは、第2シート70の第2本体部71上に設けられてもよい。この場合、第2本体部71に設けられた貫通孔71c,71dには、第3導電部83が埋め込まれてもよい。第3導電部83が貫通孔71c,71dに埋め込まれる場合、貫通孔71c,71dの平面視形状は、第3導電部83の平面視形状と同じであってもよい。
・上記実施形態の電子部品20において、コイルコア21及びヒートシンク30の少なくとも一方は、シート状部材が積層された積層体に代えて、ブロック体で構成されてもよい。一例として、図25では、コイルコア21及びヒートシンク30の両方がブロック体で構成されている。
・ブロック体のコイルコア21及びヒートシンク30において、コイルコア21の凹凸構造27及びヒートシンク30の凹凸構造32は任意に変更可能である。例えば、図25では、凹凸構造27,32の3つの構造について例示する。
第1の例では、図25(a)に示すように、コイルコア21の凹凸構造27は、第2方向Yの中央が凹むように形成されている。ヒートシンク30の凹凸構造32は、第2方向Yの中央が突出するように形成されている。コイルコア21の凹凸構造27の凹部27aには、ヒートシンク30の凹凸構造32の凸部32aが係合している。
第2の例では、図25(b)に示すように、コイルコア21の凹凸構造27は、第2方向Yの中央が突出するように形成されている。ヒートシンク30の凹凸構造32は、第2方向Yの中央が凹むように形成されている。ヒートシンク30の凹凸構造32の凹部32bには、コイルコア21の凹凸構造27の凸部27bが係合している。
第3の例では、図25(c)に示すように、コイルコア21の凹凸構造27及びヒートシンク30の凹凸構造32はそれぞれ、高さ方向Zの一部が突出するように形成されている。コイルコア21の凹凸構造27の凸部27cと、ヒートシンク30の凹凸構造32の凸部32cとは、高さ方向Zに異なる位置となるように設けられている。コイルコア21の凹凸構造27には、ヒートシンク30の凹凸構造32が係合している。高さ方向Zにおいて、凹凸構造27の凸部27cと凹凸構造32の凸部32cとは接触している。
図25(a)~(c)の構成によれば、コイルコア21とヒートシンク30との接触面積が大きくなるため、コイルコア21からヒートシンク30に伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能を向上させることができる。
・上記実施形態の回路モジュール1において、コイルコア21の凹凸構造27及びヒートシンク30の凹凸構造32の少なくとも一方を省略してもよい。
・上記実施形態の回路モジュール1において、図26に示すように、封止樹脂40は、配線基板10の第1主面11、及び第1主面11に実装された電子部品51を露出するように設けられてもよい。この場合、封止樹脂40は、電子部品20のコイルコア21の全体と、インダクタ電極22の一部及びヒートシンク30の一部とを封止する。封止樹脂40は、インダクタ電極22を構成する第1配線板23、第2配線板24、及び接続配線板25を封止する。そして、インダクタ電極22を構成する接続ピン26は、封止樹脂40の底面41から突出している。図26に示されるとおり、封止樹脂40は、高さ方向Zにおいて、第1主面11から離間して配置されている。
・上記実施形態の回路モジュール1から電子部品51を省略してもよい。また回路モジュール1から電子部品51及び配線基板10を省略してもよい。
例えば、図27に示す回路モジュール1は、コイルコア21、インダクタ電極22、及び封止樹脂40を有する。封止樹脂40は、インダクタ電極22を構成する第1配線板23、第2配線板24、及び接続配線板25を封止する。そして、インダクタ電極22を構成する接続ピン26の端面26aが封止樹脂40の底面41と面一となるように形成されている。そして接続ピン26の端面26aには、外部接続端子としてのはんだバンプ28が形成されている。図27に示すとおり、接続ピン26の高さ方向Zの長さは、上記実施形態の接続ピン26の高さ方向Zの長さよりも短い。
・上記実施形態の回路モジュール1において、第1シート状部材21x及び第2シート状部材31の平面視形状は任意に変更可能である。
例えば、第1シート状部材21xは、凸部21yに代えて、凹部21zを有してもよい。この場合、第2シート状部材31は、凹部31aに代えて、凸部31bを有してもよい。一例では、図28(a)に示すように、凹部21zは、第1シート状部材21xの第2方向Yの両端部に形成されている。第1シート状部材21xの面方向において、凹部21zは、第1シート状部材21xの側面が凹むように形成されている。凸部31bは、第2方向Yにおいて、第2シート状部材31のうちの第1シート状部材21xが配置される側の端部に形成されている。凸部31bは、凹部21zに係合している。
また例えば、第1シート状部材21xは、凸部21yに代えて、凹凸部21wを有してもよい。この場合、第2シート状部材31は、凹部31aに代えて、凹凸部31cを有してもよい。一例では、図28(b)に示すように、凹凸部21wは、第1シート状部材21xの第2方向Yの両端部に形成されている。凹凸部31cは、第2方向Yにおいて、第2シート状部材31のうちの第1シート状部材21xが配置される側の端部に形成されている。凹凸部31cは、凹凸部21wと係合している。図28(b)に示すような構成によれば、コイルコア21とヒートシンク30との接触面積をより増加させることができるため、コイルコア21からヒートシンク30に一層伝熱し易くなる。したがって、回路モジュール1の放熱性能をより向上させることができる。
・上記実施形態の回路モジュール1において、電子部品20は、コイルコア21等の磁性体を含まない構成であってもよい。一例では、電子部品20は、IGBT素子等の半導体素子である。
・上記実施形態の回路モジュール1において、第1シート60から第1ヒートシンク部62A,62Bの少なくとも一方を省略してもよい。
・上記実施形態の回路モジュール1において、第2シート70から第2ヒートシンク部72A,72Bの少なくとも一方を省略してもよい。
・上記実施形態の回路モジュール1において、第1シート60及び第2シート70の少なくとも一方を省略してもよい。第1シート60を省略した場合、第3シート80の高さ方向Zの端面に第1導電部63が取り付けられる。第2シート70を省略した場合、第3シート80の高さ方向Zの端面に第2導電部73が取り付けられる。
・上記実施形態の回路モジュール1の製造方法において、第1組合せシート140と第3組合せシート160とを第3組合せシート160の主面に沿う面方向にずらすことなく積層してもよい。また第2組合せシート150と第3組合せシート160とを第3組合せシート160の面方向にずらすことなく積層してもよい。
・上記実施形態の回路モジュール1の製造方法において、複数枚の第3組合せシート160ごとに、第3組合せシート160の主面に沿う面方向にずらして積層してもよい。この場合、上記複数枚の第3組合せシート160は、第3組合せシート160の面方向にずらすことなく積層されている。
・上記実施形態の回路モジュール1の製造方法において、封止樹脂形成工程と切断工程との順序を入れ替えてもよい。すなわち、切断工程において、封止樹脂40を有していない回路モジュールが形成された後、その個々の回路モジュールに対して封止樹脂40を形成する。
・上記実施形態の回路モジュール1の製造方法において、第1シート母材100に形成される第1シート60の第1本体部61の個数、第2シート母材110に形成される第2シート70の第2本体部71の個数、及び第3シート母材120に形成される第3シート80の第3本体部81の個数はそれぞれ、任意に変更可能である。
・上記実施形態の回路モジュール1の製造方法において、組合せ工程の後に、導電部形成工程を実施してもよい。すなわち、シート形成工程によって形成された第1~第3シート母材100,110,120のそれぞれに第2シート状部材形成工程によって形成されたヒートシンク母材130を組合せた後に第1~第3導電部63,73,83を形成してもよい。
・上記実施形態の回路モジュール1の製造方法において、積層工程の後に、導電部形成工程を実施してもよい。すなわち、第1~第3導電部63,73,83が省略された第1~第3組合せシート140,150,160を積層した後に第1~第3導電部63,73,83を形成してもよい。この場合、第3導電部83は、円柱状又は角柱状のピンを用いてもよい。
・上記実施形態の回路モジュール1及び回路モジュールの製造方法において、第3組合せシート160として、第3本体部81の輪郭形状が異なる2種類のシートを用意してもよい。シートに対する各第3導電部83の位置は、2種類のシートともに同じである。例えば、2種類のシートを高さ方向Zに交互に積層する。この構成によれば、シートを積層する場合にシートの主面に沿う面方向にずらすことなく積層してもコイルコア21の凹凸構造27及びヒートシンク30の凹凸構造32を形成できる。
(付記)
上記実施形態及び上記各変更例から把握される技術的思想について以下に記載する。
(付記1)第1主面と、前記第1主面と対向する第2主面とを有する配線基板と、前記配線基板の前記第1主面に配置される磁性体を含む発熱性の電子部品と、前記配線基板の前記第1主面及び前記電子部品を封止する封止樹脂と、一部が前記封止樹脂に埋め込まれたヒートシンクと、を備える回路モジュールの製造方法であって、複数のシートを積層して、前記磁性体及び前記ヒートシンクを形成する工程を有する、回路モジュールの製造方法。
(付記2)磁性体を含む発熱性の電子部品と、前記電子部品の熱を放熱するためのヒートシンクとを備える回路モジュールの製造方法であって、複数のシートを積層して、前記磁性体及び前記ヒートシンクを形成する工程を有する、回路モジュールの製造方法。