JP7143055B2 - セルロースアセテート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロースアセテート及びその製造方法に関する。
セルロースアセテート(特にセルローストリアセテート)などのセルロース誘導体は、光学的等方性が高く、しかも強靭性及び難燃性に優れるため、各種の写真材料や光学フィルムの材料として用いられてきた。
近年、特に、スマートフォン、モバイルフォン、タブレットなどの画像表示装置の高画質化、高精細化に関する開発が進んでおり、それに伴って、画像表示装置に用いられる、例えば、位相差フィルム、偏光板保護フィルム、光学補償フィルム、反射防止フィルムなどの光学フィルムに対しても、その光学フィルム中に含まれる異物の低減に対する要求が強くなっている。
光学フィルム中に含まれる異物としては、添加剤に起因するものや製造工程において混入するゴミなど、セルロースアセテート以外に起因するもの、またはセルロースアセテート中に含まれる未酢化(つまりセルロース)もしくは低酢化度のセルロースアセテートに起因するものなどが挙げられる。これらのうち、製造工程において混入するゴミに起因する、いわゆる黒色異物は、光学的欠点の直接的な原因となる。その他、光学的欠陥として、この黒色異物以外に、いわゆる輝点異物によるものもある。
輝点異物は、直交状態(クロスニコル)で配置した2枚の偏光子の間にセルロースアセテートフィルムを置き、一方の偏光子の外側から光を当て、他方の偏光子の外側から顕微鏡で観察すると、異物部分で光が漏れ、輝点となって見える異物である。輝点異物としては、原料のセルロース又はセルロース由来の副生物、言い換えれば、酢化されずに残った未反応セルロース、低アセチル置換度のセルロース、エステル、セルロースエステル同士が結合硫酸および金属成分(カルシウムなど)を介して結合した結合形成物、及びこれらの混合物などが挙げられる。
これらの異物を除去するため、例えば、特許文献1には、セルロースエステルを溶媒に溶解したドープ液を、二段階以上の濾過工程(例えば、第一段階が濾紙による濾過工程であり、第二段階が金属フィルタによる濾過工程である濾過工程)を経て製膜する方法が開示されている。また、特許文献2には、セルロース製フィルターペーパーを用いたセルロースエステル溶液の濾過方法において、該セルロース製フィルターペーパーが、保留粒子径の最小粒子径が3μm以下0.5μm以上であり、厚みが3.5~4.5mmであり、かつ濾水時間が150~350秒である濾過方法が開示されている。さらに、特許文献3には、0.05mmを越える直径を持つ輝点の数が1cm当たり0個であって、そして直径が0.01~0.05mmの範囲の輝点数が1cm当たり500個以下であるセルロースエステルフィルムが開示されている。この文献には、不溶物などを除去するためには絶対濾過精度が0.005mm以下(特に0.001~0.005mm)の範囲の濾材が好ましく、このように濾過精度の高い濾材で濾過することにより、エステル化されていないセルロースなどの微小の不溶物および不純物を効果的に除去することができることが記載されている。
そして、特許文献4には、ポリマーを溶媒に溶解させたポリマー溶液の濾過方法において、前記ポリマー溶液中に含まれる不溶解物のうち、少なくとも一の不溶解物のサイズよりも大きな孔径の孔を有する濾材を使用することを特徴とするポリマー溶液の濾過方法が開示されており、特許文献5には、ポリマーを溶媒に溶解したドープ中の異物をろ過により除去するドープの濾過方法において、前記ドープ中の異物を孔径の同一な焼結金属フィルタを備えた2基以上の濾過器を直列に配置して濾過するドープの濾過方法が開示されている。
光学フィルム中に含まれる異物、特に輝点異物に対するろ過精度の向上の要望に従い、濾過材のろ過精度は細かくなる。それに伴い、濾過材の閉塞などの問題も生じ、その都度濾過材を交換したり、濾過材を洗浄することで濾過効率を回復するなどの手段が必要となっている。このような問題を解決するために、特許文献6には、溶剤に溶かしたときの微小な不溶解異物量が少なく、濾過性に優れた酢酸セルロース及びその製造方法が記載されている。
特開2003-221455号公報 特開2003-213004号公報 特開平11-254466号公報 特開2003-326112号公報 特開2004-113897号公報 国際公開第2001/072847号公報
従来、黒色異物及び輝点異物を含む異物を減少させる方法は、特許文献1乃至6に記載されるよう様々に検討されているが、特に、リンターパルプのように、ヘミセルロース成分が少なく、結晶化度が高いセルロースを原料とした場合、光学フィルム中の輝点異物の原因となるセルロースアセテート中に含まれる未酢化(つまりセルロース)もしくは低酢化度のセルロースアセテートの減少は、十分ではないのが現状である。
本発明は、上記現状に鑑み、ヘミセルロース成分が少なく、結晶化度が高いセルロースを原料とした場合であっても、輝点異物が非常に少ない光学フィルムを得ることができ、また、その光学フィルムの生産効率にも優れたセルロースアセテートを提供することを目的とする。
本発明の第一は、糖鎖成分であるキシロース単位、マンノース単位およびグルコース単位のモル含量の和におけるマンノース単位の比率が0.04モル%以下であって、下記の測定方法により測定されるろ過恒数Kが30mL-1以下である、セルロースアセテートに関する。
(測定方法)
セルロースアセテートをメチレンクロライド/メタノール=9/1(重量比)混合溶媒に溶解し、16重量%(固形分濃度)の溶液を得る。この溶液を25℃に調温し、3kg/cmの圧力下、金巾(s618)を3枚重ねたろ布(直径15mm、ろ過面積1.77cm)を使用して定圧濾過する。この時、ろ過開始後20分までのろ過量をP(mL)、0分より60分までのろ過量をP(mL)として測定し、下記式によりろ過恒数K(mL-1)を計算する。
Figure 0007143055000001
前記セルロースアセテートは、FlowCAM(登録商標)分析により測定されるジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)に対する不溶解異物のうち、換算直径で20μm以下の不溶解異物の数がセルロースアセテート1mgあたり70個以下であることが好ましい。
前記セルロースアセテートは、FlowCAM(登録商標)分析により測定されるジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)に対する不溶解異物のうち、球換算直径で10μm以下の不溶解異物の数がセルロースアセテート1mgあたり60個以下であることが好ましい。
前記セルロースアセテートは、カルシウム含量が40ppm以上80ppm以下、及びマグネシウム含量が1.0ppm以上5.0ppm以下であって、分子量分布Mw/Mnが2.30以下2.05以上であることが好ましい。
本発明の第二は、前記セルロースアセテートの製造方法であって、リンターパルプを一次解砕工程と二次解砕工程とにより解砕した後、酢化を行う工程を有し、前記一次解砕工程は、ディスクリファイナー又はハンマーミルにより、水が添加されていないリンターパルプを平均面積が45cm以下のパルプ片に解砕する工程であり、前記二次解砕工程は、入口及び出口が形成され且つ円筒形状を有するケーシングと、前記ケーシングの内周面に対向して且つ複数のブレード部が外周部に設けられたロータとを有する気流粉砕機を用い、前記気流粉砕機の衝撃作用により前記パルプ片を解砕する工程である、セルロースアセテートの製造方法に関する。
本発明の第三は、前記セルロースアセテートの製造方法であって、解砕処理したリンターパルプに酢酸または1重量%以上10重量%以下の硫酸を含む酢酸を添加して前処理活性化する工程と、酢化を行う工程を有し、前記前処理活性化する工程は、第一の活性化処理工程及び第二の活性化処理工程を備え、前記第一の活性化処理工程は、前記解砕処理したリンターパルプに酢酸を添加し、前記第二の活性化処理工程は、前記第一の活性化処理工程を経たリンターパルプ100重量部に対し、1重量%以上10重量%以下の硫酸を含む酢酸を60重量部より多く添加する、セルロースアセテートの製造方法。
本発明によれば、ヘミセルロース成分が少なく、結晶化度が高いセルロースを原料とした場合であっても、輝点異物が非常に少ない光学フィルムを得ることができ、また、その光学フィルムの生産効率にも優れたセルロースアセテートを提供することができる。
パルプ解砕の一次解砕に用いるディスクリファイナーの断面図である。 パルプ解砕の二次解砕に用いる気流粉砕機の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態の一例を具体的に説明する。
[セルロースアセテート]
本発明に係るセルロースアセテートは、糖鎖成分であるキシロース単位、マンノース単位およびグルコース単位のモル含量の和におけるマンノース単位の比率が0.04モル%以下であって、下記の測定方法により測定されるろ過恒数Kが30mL-1以下である。
(測定方法)
セルロースアセテートをメチレンクロライド/メタノール=9/1(重量比)混合溶媒に溶解し、16重量%(固形分濃度)の溶液を得る。この溶液を25℃に調温し、3kg/cmの圧力下、金巾(s618)を3枚重ねたろ布(直径15mm、ろ過面積1.77cm)を使用して定圧濾過する。この時、ろ過開始後20分までのろ過量をP(mL)、0分より60分までのろ過量をP(mL)として測定し、下記式によりろ過恒数K(mL-1)を計算する。
Figure 0007143055000002
糖鎖成分であるキシロース単位、マンノース単位およびグルコース単位のモル含量の和におけるマンノース単位の比率は、上限値としては、0.04モル%以下が好ましく、0.03モル%以下がより好ましく、0.02モル%以下がさらに好ましい。マンノース単位の比率が高いと、製膜時に筋やムラ等の欠陥が発生し易く、基板にフィルム片が残留する等の悪影響を及ぼす可能性があるためである。下限値としては、特に限定されないが、例えば、0.001モル%以上である。
セルロースアセテートの構成糖鎖成分及び原料となり得るセルロース(パルプ)の糖鎖成分の構成比は、次のようにして分析できる。
充分に乾燥した試料200mgを精秤し、72%硫酸3mを加え、氷水で冷却しながら超音波を用い、2時間以上かけて試料を完全に溶解させる。得られた溶液に蒸留水39mLを加えて十分に振盪し、窒素気流下、110℃で3時間還流した後、30分間放冷する。次いで、炭酸バリウム14gを加え、氷水で冷却しつつ超音波を用いて中和する。30分後、さらに炭酸バリウム10gを加え、pH5.5~6.5程度になるまで中和し、ろ過する。濾液を超純水で100重量倍に希釈し、試料を調製する。
得られた試料を下記の条件でイオンクロマトグラフィにより分析する。
高速液体クロマトグラフィ(HPLC、アジレント・テクノロジー社製Agilent 1200シリーズシステム)
検出器:CoronaPlus CAD検出器
カラム:Shodex社製、Asahipak NH2P-50 4E(250×4.6mm)
ガードカラム:Shodex社製、Asahipak NH2P-50G 4A
溶離液:超純水/アセトニトリル(HPLC用)=25/75(v/v)
溶離液流量:1.0mL/分
カラム温度:20℃
なお、マンノース単位、キシロース単位、グルコース単位のモル比は、予め、マンノース、キシロース、グルコース標品を用いて作成した検量線より求めることができる。これらの3成分の合計を100として各構成糖鎖成分の含量をモル%で表す。
(ろ過恒数K)
セルロースアセテートのろ過恒数Kは、30mL-1以下であるところ、25mL-1以下が好ましく、23mL-1以下がより好ましく、22mL-1以下がさらに好ましい。ろ過恒数Kが30mL-1以下であることにより、濾過材の閉塞などを低減できるため、濾過材を交換したり、濾過材を洗浄したりして濾過効率を回復させる工程の回数を低減することができる。その結果、光学フィルムの生産効率を優れたものとできる。
本開示のセルロースアセテートは、FlowCAM(登録商標)分析により測定されるジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)に対する不溶解異物のうち、球換算直径で20μm以下の不溶解異物の数がセルロースアセテート1mgあたり70個/以下であることが好ましく、65個以下であることがより好ましく、60個以下であることがさらに好ましい。不溶解異物の数が70個以下であることにより、濾過材の閉塞などを低減できるため、濾過材を交換したり、濾過材を洗浄したりして濾過効率を回復させる工程の回数を低減することができる。その結果、セルロースアセテートから得られる光学フィルムに認識される輝点異物の数を低減すると共に、光学フィルムの生産効率を優れたものとできる。
また、本開示のセルロースアセテートは、FlowCAM(登録商標)分析により測定されるジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)に対する不溶解異物のうち、球換算直径で10μm以下の不溶解異物の数がセルロースアセテート1mgあたり60個以下であることが好ましく、55個以下であることがより好ましく、50個以下であることがさらに好ましく、48個以下であることが最も好ましい。セルロースアセテートから得られる光学フィルムに認識される輝点異物の数を低減すると共に、フィルムの歩留まりを向上し、光学フィルムの生産効率を優れたものとするためである。
なお、FlowCAM(登録商標)分析以外に、不溶解異物に関しては、その量を以下のような方法によっても測定することができるが、このような方法では、例えば、セルロースアセテート中の異物量が少なくなると外的要因によるばらつきが大きくなり、正確な差を観測することができない。
乾燥した試料3~5gにジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)を加え、全量を150gとし、3時間以上、スターラーで撹拌する。メンブレンフィルター(Millipore JC 10μm)を50℃の真空乾燥機で3時間乾燥させた後、秤量する。上記酢酸セルロース溶液をこのメンブレンフィルターで濾過し、濾過残渣を3回以上、各々50mLのジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)にて洗浄する。濾過残渣を載せたメンブレンフィルターを50℃の真空乾燥機で3時間乾燥させ、デシケーターで放冷後、秤量する。その重量増加分の試料酢酸セルロースに対する割合(重量%)を不溶解異物量として算出する。
(カルシウム含量およびマグネシウム含量)
本開示のセルロースアセテートに含まれるカルシウムおよびマグネシウムは、セルロースアセテート製造時に使用される中和剤、安定剤、または洗浄水に由来する部分が多く、例えば、セルロースアセテートフレーク表面への付着、セルロース繊維に含まれるカルボキシル基や製造時に形成された硫酸エステル部位との静電相互作用により存在している。
本開示に係るセルロースアセテートは、カルシウム含量が40ppm以上80ppm以下であることが好ましく、45ppm以上75ppm以下であることがより好ましく、45ppm以上70ppm以下であることがさらに好ましい。カルシウム含量が少ないとセルロースアセテートの耐熱性が悪化し、多すぎると不溶解異物の数が増加しやすくなるためである。
本開示に係るセルロースアセテートは、マグネシウム含量が1.0ppm以上5.0ppm以下であることが好ましく、2.0ppm以上4.5ppm以下であることがより好ましく、2.5ppm以上4.0ppm以下であることがさらに好ましい。マグネシウム含量が少ないとセルロースアセテートの耐熱性が悪化し、多すぎると不溶解異物の数が増加しやすくなるためである。
セルロースアセテートのカルシウム含量およびマグネシウム含量は、それぞれ以下の方法により測定することができる。
未乾燥試料3.0gをルツボに計量し、電熱器上で炭化させた後、750~850℃の電気炉で2時間程度灰化させる。約30分放冷した後、0.07%の塩酸溶液25mLを加え、220~230℃で加熱溶解させる。放冷後、溶解液を200mLまで蒸留水でメスアップし、これを検液として標準液と共に原子吸光光度計を用いて吸光度を測定して、検液のカルシウム(Ca)含量またはマグネシウム(Mg)含量を求め、以下の式で換算して、試料のカルシウム(Ca)含量またはマグネシウム(Mg)含量を求めることができる。なお、試料中の水分は、例えばケット水分計(METTLER TOLEDO HB43)を用いて測定することができる。ケット水分計のアルミ受け皿に含水状態の試料約2.0gを乗せ、重量が変化しなくなるまで120℃で加熱することで加熱前後の重量変化から試料中の水分(重量%)が算出できる。
Figure 0007143055000003
(分子量分布Mw/Mn)
本開示のセルロースアセテートの分子量分布(重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで除した分子量分布Mw/Mn)は2.30以下2.05以上であることが好ましく、2.25以下2.10以上がより好ましく、2.20以下2.10以上がさらに好ましい。2.30を超えたり2.05未満であると、分子量分布がブロードまたはシャープとなり、目標とする位相差が出ない等フィルムの光学性能に影響を及ぼす。セルロースアセテートの分子量分布が2.30以下2.05以上であることにより、溶融状態のセルロースアセテートをろ過して光学フィルム等に成形する場合に、その溶融状態のセルロースアセテートの粘度を低くすることができ、濾材が閉塞するまでのろ過量を増加させることができ、光学フィルムの生産効率をずぐれたものとすることができる。
分子量分布Mw/Mnは、以下の方法により測定することができる。ゲルろ過カラムに屈折率および光散乱を検出する検出器を接続した高速液体クロマトグラフィーシステムを用いることができる。高速液体クロマトグラフィーシステムとしては、例えば、Shodex GPC SYSTEM-21Hを用いることができる。検出器としては、例えば、示差屈折率検出器(RI)を用いることができる。このようなゲル浸透クロマトグラフィーの測定条件は以下の通りである。
溶媒:ジクロロメタン
カラム:TSKgel GMHXL(7.8×300mm)二本
ガードカラム:TSKgel guardcolumn HXL-H
試料濃度:2000ppm
流量:0.8mL/min
試料注入量:100μL
標準試料:PMMA(分子量1850、7360、29960、79500、201800、509000、625500)
カラム温度:28℃
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)のいずれも上記と同じ測定条件で測定する。測定結果により得られた重量平均分子量と数平均分子量より下式に従い、分子量分布を算出することができる。
分子量分布=Mw/Mn
Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量
[セルロースアセテートの製造]
セルロースアセテートの製造方法について詳述する。本開示に係るセルロースアセテートは、(1)原料セルロースであるリンターパルプを解砕する工程、(2)酢酸または1~10重量%の硫酸を含む酢酸(言い換えれば、含硫酢酸)を一段または二段に分けて添加して前処理活性化する工程、(3)前処理活性化したセルロースを酢化する工程、(4)前記硫酸触媒を完全中和(又は部分中和)し、硫酸触媒(又は残存硫酸)の存在下で熟成するケン化熟成工程と、(5)精製及び乾燥処理とを含む一連の工程を経ることにより製造することができる。なお、一般的なセルロースアセテートの製造方法については、「木材化学」(上)(右田ら、共立出版(株)1968年発行、第180頁~第190頁)を参照できる。
(原料セルロース)
本開示のセルロースアセテートの原料となるリンターパルプとしては、重合度の高いセルロース、例えば、リンターパルプ、特にコットンリンターパルプが使用できる。これらのリンターパルプは単独で又は二種以上を併用してもよい。
リンターパルプは、セルロース純度が高く、着色成分が少ないため成形品の透明度が高くなるため、好ましい。
また、ヘミセルロース成分が増加するとろ過性の悪化、製膜時に筋やムラ等の欠陥が発生し易く、基板にフィルム片が残留する等の悪影響を及ぼす等のフィルム剥離性の悪化を招く恐れがあることから、原料セルロースの結晶化度の指標となるα-セルロース含有量(重量基準)は、97%以上100%以下が好ましく、98.5%以上100%以下がより好ましく、99%以上100%以下がさらに好ましく、99.5%以上100%以下が最も好ましい。なお、原料セルロースは、通常、セルロース分子及び/又はヘミセルロース分子に結合した状態などで多少のカルボキシル基を含有しているものであっても良い。
(解砕工程)
原料セルロースがシート状の形態で供給されるなど、以降の工程で取扱いにくい場合は、原料セルロースを乾式で解砕する工程を経ることが好ましい。その解砕する工程としては、例えば、リンターパルプを一次解砕工程と二次解砕工程とにより解砕するものが挙げられる。前記一次解砕工程は、ディスクリファイナー又はハンマーミルにより、水が添加されていないリンターパルプを平均面積が45cm以下のパルプ片に解砕する工程であり、前記二次解砕工程は、入口及び出口が形成され且つ円筒形状を有するケーシングと、前記ケーシングの内周面に対向して且つ複数のブレード部が外周部に設けられたロータとを有する気流粉砕機を用い、前記気流粉砕機の衝撃作用により前記パルプ片を解砕する工程である。
前記一次解砕工程において用いるディスクリファイナーについて詳述する。図1は、一の実施形態に係るパルプ解砕の一次解砕に用いるディスクリファイナー10の断面図である。図1に示すように、ディスクリファイナー10は、入口11cが形成された管状の導入部11aと、導入部11aに接続され且つ導入部11aより大径のディスク収容部11bとを有するケーシング11を備えている。ディスク収容部11bには、固定ディスク12と回転ディスク16とが互いに対向した状態で収容されている。固定ディスク12は、ディスク収容部11bの内面に固定され、導入部11a内の通路に連通する貫通孔12aが形成された円環板状を呈している。回転ディスク16は、ディスク収容部11bから離間しており、回転軸14に固定された回転基板15に固定されている。ディスク収容部11bには、固定ディスク12及び回転ディスク16の径方向外方に出口11dが形成されている。
回転ディスク16は、円板状であり、その固定ディスク12の貫通孔12aに対向する部分には、貫通孔12aから離れる向きに窪んだ断面円弧状凹面16aが形成されている。回転軸14は、軸受18を介してケーシング11に回転自在に支持されており、図示しない駆動源により回転駆動される。固定ディスク12及び回転ディスク16の互いに対向する面には、所定のクリアランスLをあけて互いに向き合うように複数の歯部13,17が突設されている。歯部13,17は、本実施形態ではピラミッド形状を呈するピラミッド歯である。なお、歯部13,17の形状は、これに限られず、たとえば径方向に放射状に延びる線状歯などでもよい。また、対向する2つのディスク12,16のうち片側のみを回転させる形態に限られず、両方のディスク12,16を互いに逆回転させてもよい。
次に、前記二次解砕工程において用いる気流粉砕機について詳述する。図2は、一の実施形態に係るパルプ解砕の二次解砕に用いる気流粉砕機20の断面図である。図2に示すように、気流粉砕機20は、入口21dが形成された導入部21aと、導入部21aに接続された円筒状のロータ収容部21bと、ロータ収容部21bの導入部21a側とは反対側に接続され且つ出口21eが形成された導出部21cとを有するケーシング21を備えている。ケーシング21は、円筒形状を有する。ロータ収容部21bの内周面には、ライナー22が取り付けられている。ライナー22には、周方向に間隔をあけて且つ回転軸線方向に延びる多数の溝部が形成されている。ロータ収容部21bには、回転軸23に固定されたロータ25が収容されている。回転軸23は、ケーシング21に軸受24を介して回転自在に支持されており、図示しない駆動源により回転駆動される。
ロータ25は、その外周部に設けられた複数のブレード部25aを有している。複数のブレード部25aは、ロータ25の周方向に間隔をあけて配置され且つ回転軸線から見て放射方向に延びている。各ロータ25の間には、円板状の仕切板26が設けられている。ブレード部25aは、仕切板26よりもライナー22に近接している。複数のロータ25のうち最も導入部21a寄りのロータ25の導入部21a側には、回転軸23に固定された円板状のディストリビュータ27が配置されている。ディストリビュータ27には、回転軸線から見て放射状に延びる羽根部27aが導入部21aに向けて突設されている。ロータ25及びディストリビュータ27は、径方向においてライナー22と対向している。なお、ディストリビュータ27及び/又はライナー22は、無くてもよい。
リンターパルプを一次解砕工程と二次解砕工程とにより解砕する手順について説明する。
まず、シート状のリンターパルプをディスクリファイナー10により所定の平均面積のパルプ片に解砕する一次解砕工程について述べる。具体的には、回転軸14を回転駆動した状態で、シート状のリンターパルプをディスクリファイナー10の入口11cに連続して投入する。そうすると、回転ディスク16の回転に伴う遠心力により、固定ディスク12の歯部13と回転ディスク16の歯部17との間の隙間にシート状のリンターパルプが導かれ、歯部13及び歯部17がシート状のリンターパルプに与える剪断力によりシート状のリンターパルプが解砕されて多数の小さなパルプ片が生成される。その多数のパルプ片は、遠心力により固定ディスク12と回転ディスク16との間から径方向外方に導かれ、出口11dからケーシング11の外部へと排出される。
ディスクリファイナー10は、シート状のリンターパルプを平均面積が45cm以下のパルプ片に解砕するように設定される。具体的には、対向する歯部13,17の間のクリアランスL及び回転軸14の回転数等を調整することで、生成されるパルプ片の平均面積を所望の値に設定することが可能になる。なお、一次解砕するシート状のリンターパルプには予め水を添加しない。また、一次解砕には、ディスクリファイナーではなく、他の機械式の解砕機(例えば、ハンマーミル等)を用いてもよい。
さらに、一次解砕により得られたパルプ片を気流粉砕機20により更に解砕する二次解砕工程について述べる。具体的には、回転軸23を回転駆動した状態で、平均面積が45cm以下の多数のパルプ片を気流粉砕機20の入口21dに順次投入する。そうすると、導入部21a内を通ってロータ収容部21bに導かれたパルプ片は、ディストリビュータ27の羽根部27aにより促進された旋回流により径方向外方に導かれ、ロータ25とライナー22との間の隙間(粉砕室)に周方向に均等に分配される。パルプ片は、ブレード部25aによる打撃と、ライナー22への衝突と、高速回転するブレード部25a、仕切板26及びライナー22の三者の作用で生じる高周波の圧力振動とで生じる衝撃作用により、パルプ片が微細に解砕される。そして、ロータ収容部21bから導出部21cに導かれた微細な粉末状のパルプは、出口21eからケーシング21の外部へと排出される。
このように、一次解砕工程と二次解砕工程と有する二段階でリンターパルプを解砕することにより、長径が5mm以上の大きなパルプ片を低減することができる。そして、得られるセルロースアセテート球換算直径でセルロースアセテート1mgあたり20μm以下及び10μm以下の不溶解異物の数を低減することができ、またろ過恒数Kも低減することができるので、輝点異物が非常に少ない光学フィルムを得ることができ、その光学フィルムの生産効率にも優れたセルロースアセテートを提供することができる。
(活性化工程)
(2)解砕処理したリンターパルプに酢酸または1重量%以上10重量%以下の硫酸を含む酢酸(言い換えれば、含硫酢酸)を添加して前処理活性化する工程において、酢酸及び/または含硫酢酸は原料セルロース100重量部に対して、好ましくは10重量部以上500重量部以下を添加することができる。また、セルロースに酢酸及び/または含硫酢酸を添加する方法としては、例えば、酢酸もしくは含硫酢酸を一段階で添加する方法、並びに酢酸を添加して一定時間経過後、含硫酢酸を添加する方法、及び含硫酢酸を添加して一定時間経過後、酢酸を添加する方法等の酢酸または含硫酢酸を2段階以上に分割して添加する方法が挙げられる。これらのうち、酢酸または含硫酢酸を2段階以上に分割して添加する方法が好ましい。なお、添加の具体的手段としては、噴霧してかき混ぜる方法が挙げられる。
酢酸または含硫酢酸を2段階以上に分割して添加する場合において、その1段階目を第一の活性化処理工程、及びその2段階目を第二の活性化処理工程と称する。
第一の活性化処理工程では、解砕処理したリンターパルプ100重量部に対し、酢酸を40重量部以上100重量部以下添加することが好ましく、40重量部以上90重量部以下添加することがより好ましく、40重量部以上80重量部以下添加することがより好ましい。40重量部未満であると、活性が不十分となり、100重量部を超えると、必要量に対し過剰供給することとなり、使用率が悪くなる。
第一の活性化処理工程においては、セルロースに対して酢酸を十分に浸透させるため、酢酸を添加した後、セルロースを保持する工程を有してもよい。この時の保持時間の下限値としては、15分以上、30分以上、40分以上、50分以上、60分以上の順により好ましく、上限値としては、24時間以下、8時間以下、6時間以下の順により好ましい。なお、保持時間とは、第一の活性化処理工程において添加する成分の添加が全て完了した時点から第二の活性化処理工程開始前までの時点までの時間をいう。
また、保持温度としては、0℃以上100℃以下の範囲から選択でき、10℃以上40℃以下が好ましく、15℃以上35℃以下がより好ましく、20℃以上30℃以下がさらに好ましい。
第二の活性化工程では、第一の活性化処理工程を経たリンターパルプ100重量部に対し、硫酸を含む酢酸を60重量部より多く100重量部以下添加することが好ましく、65重量部以上90重量部以下添加することがより好ましく、65重量部以上80重量部以下添加することがさらに好ましい。60重量部以下であると、活性化処理が均一に進行せず、100重量部を超えると、必要量に対し過剰供給することとなり、使用率が悪くなる。
第二の活性化処理工程で添加する硫酸を含む酢酸の硫酸の濃度は、硫酸及び酢酸の総量に対し、1重量%以上10重量%以下、2重量%以上9重量%以下、2重量%以上7重量%以下、2重量%以上5重量%以下、2重量部以上4重量%以下の順により好ましい。硫酸の濃度が低くすぎると、セルロースの活性化効果が小さく、酢化反応が遅くなって未反応物の副生量が増加しやすくなり、不溶解異物の数が増え、またろ過恒数Kも増える場合がある。一方、硫酸の濃度が高過ぎると、セルロースの解重合が顕著となり、セルロースアセテート、特にセルローストリアセテートの重合度が低下する場合がある。
第二の活性化処理工程においては、前記第一の活性化処理工程を経たリンターパルプに対し、硫酸を含む酢酸を添加した後、好ましくは10℃以上40℃以下、より好ましくは、20℃以上30以下の温度で、例えば、60分間程度静置することが好ましい。10℃未満のように低温下では、活性化が不十分となり、40℃を超え、さらに高温下では、分子量が低下し、得られたセルロースアセテートを光フィルムとした場合にもその品質が悪化する。
(酢化工程)
(3)前処理活性化したセルロースを酢化する酢化工程において、例えば、酢酸、無水酢酸、および硫酸からなる混合物に、前処理活性化したセルロースを添加すること、または前処理活性化したセルロースに、酢酸と無水酢酸の混合物および硫酸を添加すること等により酢化を開始することができる。
また、酢酸と無水酢酸との混合物を調整する場合、酢酸と無水酢酸とが含まれていれば、特に限定されないが、酢酸と無水酢酸との割合としては、酢酸300~600重量部に対し、無水酢酸200~400重量部であることが好ましく、酢酸350~530重量部に対し、無水酢酸240~280重量部であることがより好ましい。
酢化反応における、セルロース、酢酸と無水酢酸の混合物、および硫酸の割合としては、セルロース100重量部に対して、酢酸と無水酢酸の混合物は500~1000重量部であることが好ましく、硫酸は5~15重量部であることが好ましく、7~14重量部であることがより好ましく、8~13重量部であることがさらに好ましい。ここで、硫酸は、濃硫酸であることが好ましい。
(3)酢化工程において、セルロースの酢化反応は、20~55℃下で酢化を開始した時から30分~36時間、攪拌することにより行うことができる。時間が短すぎると、完全三置換セルロースの製造が不十分となる場合があり、長すぎると、重合度の低下が生じやすくなるためである。
また、セルロースの酢化反応は、例えば、攪拌条件下、酢化を開始した時から5分~36時間要して20~55℃に昇温して行うこと、または、撹拌条件下、外部から反応系の内外には一切の熱は加えず行うことができる。酢化反応初期は固液不均一系での反応となり解重合反応を抑えつつ酢化反応を進ませ未反応物を減らすため可能な限り時間を掛けて昇温するのが良いが、生産性の観点からは、2時間以下、さらに好ましくは1時間以下で昇温を行うことが好ましい。
また、酢化反応にかかる時間(以下、酢化反応時間ともいう。)は、130~200分であることが望ましい。ここで、酢化反応時間とは、原料セルロースが反応系内に投入され、無水酢酸と反応を開始した時点から中和剤投入までの時間をいう。
(ケン化熟成工程)
(4)前記硫酸触媒を部分中和し、硫酸触媒(又は残存硫酸)の存在下で熟成するケン化熟成工程において、前記酢化反応により、硫酸は硫酸エステルとしてセルロースに結合しているため、前記酢化反応終了後、熱安定性向上のためこの硫酸エステルをケン化して除去する。ケン化熟成に際して、酢化反応停止のために水、希酢酸、又は酢酸マグネシウム水溶液などの中和剤を添加する。そして、これら中和剤に含まれる水分は、セルロースアセテートを含む反応混合物中に存在する無水酢酸と反応して酢酸を生成させ、ケン化熟成工程後のセルロースアセテートを含む反応混合物の水分量が酢酸に対し5~70mol%になるように添加することができる。5mol%未満であると、ケン化反応が進まず解重合が進み、低粘度のセルロースアセテートとなり、70mol%を超えると、酢化反応終了後のセルロースエステル(セルローストリアセテート)が析出しケン化熟成反応系から出るため、析出したセルロースエステルのケン化反応が進まなくなる。
ここで、希酢酸とは、1~50重量%の酢酸水溶液をいう。また、酢酸マグネシウム水溶液は、5~30重量%であることが好ましい。
なお、セルロースアセテートを含む反応混合物とは、セルロースアセテートフレークを得るまでの各工程におけるセルロースアセテートを含む混合物のいずれも指す。
また、セルロースアセテートを含む反応混合物における硫酸イオン濃度が高いと効率よく硫酸エステルを除去することができないため、酢酸マグネシウム等の酢酸のアルカリ土類金属塩の水溶液又は酢酸-水混合溶液を添加して不溶性の硫酸塩を形成させることにより、硫酸イオン濃度を低下させることが好ましい。セルロースアセテート100重量部(セルロース換算)に対し、セルロースアセテートを含む反応混合物の硫酸イオンを1~6重量部に調整することが好ましい。なお、例えば、セルロースアセテートを含む反応混合物に酢酸マグネシウムの酢酸-水混合溶液を添加することにより、酢化反応の停止とセルロースアセテート100重量部(セルロース換算)に対する硫酸イオンの重量比の低下とを同時に行うこともできる。
ケン化熟成の時間(以下、熟成時間ともいう。)は、特に限定されないが、酢化度を53~62%に調整する場合、例えば、10~240分間行う。ここで、熟成時間は、中和剤の投入開始からケン化反応停止までの時間をいう。
また、ケン化熟成は、好ましくは50~100℃、特に好ましくは50~90℃の熟成温度で20~120分間保持することにより行う。ここで、熟成温度とは、熟成時間における反応系内の温度をいう。
ケン化熟成工程においては、水と無水酢酸との反応熱を利用することにより、反応系全体を均一でかつ適正な温度に保持することができるため、酢化度が低すぎるものの生成が防止される。
(精製及び乾燥処理)
(5)精製及び乾燥処理のうち、精製方法は、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば沈殿、ろ過、洗浄、乾燥、抽出、濃縮、カラムクロマトグラフィーなどの方法を単独で、又は2以上を適宜組み合わせて使用できるが、操作性、精製効率等の観点で、沈殿(再沈殿)操作により酢酸セルロースフレークを分離する方法が好ましい。沈殿(最沈澱)は、セルロースアセテートを含む混合物と水、希酢酸、希水酸化カルシウム水溶液、又は酢酸マグネシウム水溶液等の沈澱剤とを混合し、生成したセルロースアセテート(沈澱物)を分離して沈殿物を得、水洗により遊離の金属成分や硫酸成分などを除去することにより行うことができる。ここで、セルロースアセテートの沈殿物を得る際に用いる沈澱剤としては、水または希酢酸が好ましい。セルロースアセテートを含む反応混合物中の硫酸塩を溶解し、沈澱物として得られるセルロースアセテート中の硫酸塩を除去しやすいためである。
特に、前記熟成反応の後(完全中和の後)、セルロースアセテートの熱安定性を高めるため、水洗に加えてさらに、必要に応じて安定剤として、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物、特に水酸化カルシウムなどのカルシウム化合物を添加してもよい。また、水洗の際に安定剤を用いてもよい。
(5)精製及び乾燥処理のうち、乾燥は、その方法としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、送風や減圧などの条件下乾燥を行うことができる。乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥が挙げられる。これにより、フレーク状のセルロースアセテート(言い換えれば、セルロースアセテートフレーク)が得られる。
本開示のセルロースアセテートは、種々の光学フィルム、例えば、偏光板の保護フィルム、カラーフィルタ、写真感光材料の基材フィルム、表示装置用フィルム(例えば、液晶表示装置用光学補償フィルムなどの光学補償フィルム)、反射防止フィルムの基材フィルムなどとして利用できる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)解砕工程
原料として、シート状のコットンリンターパルプ(マンノース単位0.02mol%、α-セルロース含有量97%)をディスクリファイナーで処理し、綿状セルロース(含水率8.0重量%)とした。
(2)活性化工程
第一の活性化処理工程では、100重量部の綿状セルロースに表1に示す所定量の酢酸を噴霧し、よく攪拌し、温度24℃で60分間静置した。
第二の活性化処理工程では、第一の活性化工程を経たセルロースに、表1に示す所定量の硫酸を含む酢酸を添加し、温度24℃で60分間静置した。
(3)酢化工程
第二の活性化工程を経て活性化されたセルロースに、表1に示す所定量の酢酸、無水酢酸および硫酸を混合し、15℃以下で約20分保持した後、反応系の温度を約38℃まで昇温して酢化を行った。酢化反応時間は表1に示す。
(4)ケン化熟成工程
次に、酢酸マグネシウム15重量%酢酸-水混合溶液を、溶液中の水の濃度が14mol%、硫酸イオン濃度が1.8mol%になるまで添加して無水酢酸を分解させ、酢化反応を停止し、50℃で80分間熟成を行った。
(5)精製及び乾燥処理
反応浴を攪拌下希酢酸中に投入し、生成物を沈殿させ、その沈殿物を希水酸化カルシウム水溶液に浸漬した後、濾別し乾燥することにより、セルロースアセテートフレークを得た。得られたセルロースアセテートフレークについて、以下の手順にて、糖鎖成分の構成比(マンノース単位の比率)、ろ過恒数K、不溶解異物の数、カルシウム含量及びマグネシウム含量を求めた。結果は、表2に示す。
(糖鎖成分の構成比)
充分に乾燥した試料200mgを精秤し、72%硫酸3mLを加え、氷水で冷却しながら超音波を用い、2時間以上かけて試料を完全に溶解させた。得られた溶液に蒸留水39mLを加えて十分に振盪し、窒素気流下、110℃で3時間還流した後、30分間放冷した。次いで、炭酸バリウム14gを加え、氷水で冷却しつつ超音波を用いて中和した。30分後、さらに炭酸バリウム10gを加え、pH5.5~6.5程度になるまで中和し、ろ過した。濾液を超純水で100重量倍に希釈し、試料を調製した。
得られた試料を下記の条件でイオンクロマトグラフィにより分析した。
高速液体クロマトグラフィ(HPLC、アジレント・テクノロジー社製Agilent 1200シリーズシステム)
検出器:CoronaPlus CAD検出器
カラム:Shodex社製、Asahipak NH2P-50 4E(250×4.6mm)
ガードカラム:Shodex社製、Asahipak NH2P-50G 4A
溶離液:超純水/アセトニトリル(HPLC用)=25/75(v/v)
溶離液流量:1.0mL/分
カラム温度:20℃
なお、マンノース単位、キシロース単位、グルコース単位のモル比は、予め、マンノース、キシロース、グルコース標品を用いて作成した検量線より求めることができる。これらの3成分の合計を100として各構成糖鎖成分の含量をモル%で表した。
(ろ過恒数K)
セルロースアセテートをメチレンクロライド/メタノール=9/1(重量比)混合溶媒に溶解し、16重量%(固形分濃度)の溶液を得た。この溶液を25℃に調温し、3kg/cmの圧力下、金巾(s618)を3枚重ねたろ布(直径15mm、ろ過面積1.77cm)を使用して定圧濾過した。この時、ろ過開始後20分までのろ過量をP(mL)、0分より60分までのろ過量をP(mL)として測定し、下記式によりろ過恒数K(mL-1)を計算した。
Figure 0007143055000004
(不溶解異物の数)
以下のとおり、FlowCAM(登録商標)分析により測定した。
乾燥した試料0.5gにジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)を加え、全量を100gとし、2時間以上、スターラーで撹拌し、試料溶液を調製した。下記のFlowCAM(登録商標)機器にフローセルをセットし、試料溶液を流し、下記の方法および設定パラメータにて球換算直径で10μmを超え20μm以下及び10μm以下の不溶解異物の数を計測した。計測した0.02mLあたりの異物数を試料量で割ることにより、セルロースアセテート1mgあたりの数を算出した。
・計装および周辺機器
FlowCAM(登録商標)機器:モデルVS1(Fluid Imaging Technologies)、シリアル番号5051、Sony SX90CRカメラ
FlowCAM(登録商標)ソフトウェア:DSPファームウェアバージョン:55;バージョン3.2.3
フローセル:FC100(Fluid Imaging Technologies)
対物レンズ:10倍
・コンテキスト設定(方法および設定パラメータ)
方法:Manual Prime with Sample
試料分析:0.500mL容量、0.200mL分析
流量:0.140mL/分
自動撮像速度:毎秒19フレーム
効率:30.4%
操作時間:3.57分間
直近への距離:3ミクロン
Close Holes:2イテレーション
画像:4のコラージュ画像ボーダーパディング
粒子セグメンテーション:暗閾値20.00、明閾値18.00
許容領域:左1、右1278、上1、下958
カメラ:シャッター 8
ゲイン:0
自動撮像速度:毎秒19フレーム
フラッシュカメラディレイ:100マイクロ秒
フラッシュ持続:7マイクロ秒
直径(ESD):最小4.00ミクロン、最大60.00ミクロン
個々の粒径は、球換算直径(ESD)として知られるFluid Imaging Technologiesソフトウェア測定技術によって測定した。ESDは、36回の試料測定(5°毎に実施される)に基づいた、粒子の平均フェレー測定(mean feret measurement)である。フェレー測定とは、粒子の反対側に接触している平行な正接間での、垂直距離である。
(カルシウム含量およびマグネシウム含量)
未乾燥試料3.0gをルツボに計量し、電熱器上で炭化させた後、750~850℃の電気炉で2時間程度灰化させた。約30分放冷した後、0.07%の塩酸溶液25mLを加え、220~230℃で加熱溶解させた。放冷後、溶解液を200mLまで蒸留水でメスアップし、これを検液として標準液と共に原子吸光光度計を用いて吸光度を測定して、検液のカルシウム(Ca)含量またはマグネシウム(Mg)含量を求め、以下の式で換算して、試料のカルシウム(Ca)含量またはマグネシウム(Mg)含量を求めた。なお、試料中の水分は、例えばケット水分計(METTLER TOLEDO HB43)を用いて測定することができる。ケット水分計のアルミ受け皿に含水状態の試料約2.0gを乗せ、重量が変化しなくなるまで120℃で加熱することで加熱前後の重量変化から試料中の水分(重量%)が算出できる。
Figure 0007143055000005
(実施例2)
(1)解砕工程
原料として、シート状のコットンリンターパルプ(マンノース単位0.01mol%、α-セルロース含有量98%)をディスクリファイナーで平均面積が45cm以下のパルプ片に解砕処理し、さらに、入口及び出口が形成され且つ円筒形状を有するケーシングと、前記ケーシングの内周面に対向して且つ複数のブレード部が外周部に設けられたロータとを有する気流粉砕機として、フロイントターボ社製のターボミル(T1000)を用い、1750回転/分で解砕処理を行い、綿状セルロース(含水率7.4重量%)とした。
(2)活性化工程以降の工程において、(2)活性化工程の第二の活性化処理工程で、表1に示す所定量の硫酸を含む酢酸を添加し、(3)酢化工程で表1に示す所定量の酢酸、無水酢酸および硫酸を混合し、表1に示す酢化反応時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてセルロースアセテートフレークを得た。得られたセルロースアセテートフレークについて、実施例1と同じ手順にて、糖鎖成分の構成比(マンノース単位の比率)、ろ過恒数K、不溶解異物の数、カルシウム含量及びマグネシウム含量を求めた。結果は、表2に示す。
(実施例3)
実施例2で用いた原料を用い、(1)解砕工程で実施例2と同条件で解砕処理を行い、(3)酢化工程で表1に示す酢化反応時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてセルロースアセテートを得た。得られたセルロースアセテートフレークについて、実施例1と同じ手順にて、糖鎖成分の構成比(マンノース単位の比率)、ろ過恒数K、不溶解異物の数、カルシウム含量及びマグネシウム含量を求めた。結果は、表2に示す。
(比較例1及び3)
(2)活性化工程の第二の活性化処理工程で、表1に示す所定量の硫酸を含む酢酸を添加し、(3)酢化工程で表1に示す所定量の酢酸、無水酢酸および硫酸を混合し、表1に示す酢化反応時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてそれぞれ比較例1及び3のセルロースアセテートフレークを得た。得られたセルロースアセテートフレークについて、実施例1と同じ手順にて、糖鎖成分の構成比(マンノース単位の比率)、ろ過恒数K、不溶解異物の数、カルシウム含量及びマグネシウム含量を求めた。結果は、表2に示す。
(比較例2)
(2)活性化工程の第二の活性化処理工程で、硫酸を含む酢酸を添加せず、(3)酢化工程で表1に示す所定量の酢酸、無水酢酸および硫酸を混合し、表1に示す酢化反応時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてセルロースアセテートフレークを得た。得られたセルロースアセテートフレークについて、実施例1と同じ手順にて、糖鎖成分の構成比(マンノース単位の比率)、ろ過恒数K、不溶解異物の数、カルシウム含量及びマグネシウム含量を求めた。結果は、表2に示す。
Figure 0007143055000006
Figure 0007143055000007

Claims (6)

  1. 糖鎖成分であるキシロース単位、マンノース単位およびグルコース単位のモル含量の和におけるマンノース単位の比率が0.001モル%以上0.04モル%以下であって、下記の測定方法により測定されるろ過恒数Kが30mL-1以下である、フレーク状のセルロースアセテート。
    (測定方法)
    セルロースアセテートをメチレンクロライド/メタノール=9/1(重量比)混合溶媒に溶解し、16重量%(固形分濃度)の溶液を得る。この溶液を25℃に調温し、3kg/cmの圧力下、金巾(s618)を3枚重ねたろ布(直径15mm、ろ過面積1.77cm)を使用して定圧濾過する。この時、ろ過開始後20分までのろ過量をP(mL)、0分より60分までのろ過量をP(mL)として測定し、下記式によりろ過恒数K(mL-1)を計算する。
    Figure 0007143055000008
  2. FlowCAM(登録商標)分析により測定されるジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)に対する不溶解異物のうち、球換算直径で20μm以下の不溶解異物の数がセルロースアセテート1mgあたり70個以下である、請求項1に記載のセルロースアセテート。
  3. FlowCAM(登録商標)分析により測定されるジクロロメタン/メタノール(重量比9:1)に対する不溶解異物のうち、球換算直径で10μm以下の不溶解異物の数がセルロースアセテート1mgあたり60個以下である、請求項1または2に記載のセルロースアセテート。
  4. カルシウム含量が40ppm以上80ppm以下、及びマグネシウム含量が1.0ppm以上5.0ppm以下であって、分子量分布Mw/Mnが2.30以下2.05以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のセルロースアセテート。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のセルロースアセテートの製造方法であって、
    リンターパルプを一次解砕工程と二次解砕工程とにより解砕した後、酢化を行う工程を有し、
    前記一次解砕工程は、ディスクリファイナー又はハンマーミルにより、水が添加されていないリンターパルプを平均面積が45cm以下のパルプ片に解砕する工程であり、
    前記二次解砕工程は、入口及び出口が形成され且つ円筒形状を有するケーシングと、前記ケーシングの内周面に対向して且つ複数のブレード部が外周部に設けられたロータとを有する気流粉砕機を用い、前記気流粉砕機の衝撃作用により前記パルプ片を解砕する工程であり、
    前記酢化を行う工程における硫酸の含有量は、前記リンターパルプ100重量部に対し、11.7重量部以上15重量部以下である、セルロースアセテートの製造方法。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載のセルロースアセテートの製造方法であって、
    解砕処理したリンターパルプに酢酸または1重量%以上10重量%以下の硫酸を含む酢酸を添加して前処理活性化する工程と、酢化を行う工程を有し、
    前記前処理活性化する工程は、第一の活性化処理工程及び第二の活性化処理工程を備え、
    前記第一の活性化処理工程は、前記解砕処理したリンターパルプに酢酸を添加し、
    前記第二の活性化処理工程は、前記第一の活性化処理工程を経たリンターパルプ100重量部に対し、1重量%以上10重量%以下の硫酸を含む酢酸を60重量部より多く100重量部以下添加する、セルロースアセテートの製造方法。
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