JP2001026601A - セルロースアセテートの製造方法 - Google Patents

セルロースアセテートの製造方法

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JP2001026601A
JP2001026601A JP11203528A JP20352899A JP2001026601A JP 2001026601 A JP2001026601 A JP 2001026601A JP 11203528 A JP11203528 A JP 11203528A JP 20352899 A JP20352899 A JP 20352899A JP 2001026601 A JP2001026601 A JP 2001026601A
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acetic acid
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Yasuhisa Morikawa
康久 森川
Atsunobu Kiyose
篤信 清瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液にした場合に不溶成分量が少なく、濾過
性の良いセルロースアセテートの製造方法の提供。 【解決手段】 セルロースを原料、無水酢酸を酢化剤、
酢酸を溶媒、硫酸を触媒としたセルロースアセテートの
製造方法において、アセチル化終了段階の中和工程での
中和処理中に反応系の水濃度を0.1重量%以上30重
量%未満にするセルロースアセテートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤に溶かしたと
きの不溶成分量が少なく、濾過性に優れたセルロースア
セテートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セルロ
ースアセテートは、たばこ用のフィルタートウ、繊維、
写真用フィルム、人工腎臓等に用いられている。これら
の用途の中で、例えば繊維に利用する場合は、一般にセ
ルロースアセテートを溶媒に溶解した濃厚溶液(ドー
プ)を多数の細孔を有する紡糸口金から熱風中に吐出さ
せ溶媒を除去する乾式紡糸法が適用されている。また、
フィルムとして利用する場合は、一般にセルロースアセ
テートのドープを支持体上に流延し、支持体からフィル
ムを剥離するソルベントキャスト法が適用されている。
【0003】かかる方法で繊維やフィルムを製造する
際、ドープ中に不溶成分(未反応ファイバーやゲル等)
が存在すると、繊維の場合は紡糸時に糸切れが発生して
生産性が低下し、フィルムの場合は光学特性に悪影響を
及ぼすため、紡糸や流延に先立ちドープの濾過を行い、
不溶成分を除去する。ドープを濾過する際、濾材の孔径
が小さいほど不溶成分の除去効果は高くなるが、目詰ま
りし易くなり工業上実用的ではないため、目詰まりの原
因となる不溶成分自体を減少させる技術が提案されてい
る。例えば、特開昭56−59801号公報には、50
〜85℃の高温でアセチル化反応を行い、熟成工程にお
いて110〜120℃の高温で加水分解を行う高温酢化
−高温熟成法の技術が開示され、特公昭58−2096
1号公報には、熟成工程において125〜170℃の高
温で加水分解を行う高温熟成法が開示されている。しか
し、セルロースアセテートの利用に際しては、例えばた
ばこフィルター用繊維ではますます細い繊維が望まれて
おり、このような細繊度の糸の紡糸にはより不溶成分の
少ない濾過性に優れたセルロースアセテートが必要とさ
れるが、上記した従来技術ではかかる要請に十分に応え
ることができない。
【0004】本発明は、より不溶成分の少ない濾過性に
優れたセルロースアセテートの製造方法の提供を課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】不溶成分のうち未反応フ
ァイバーは濾過による除去が容易であるが、ゲルの除去
は未反応ファイバーに比べると困難である。このゲルは
現在のところ十分には分離同定されていないが、平均ア
セチル化度に比して非常にアセチル化度の高い部分やへ
ミセルロースアセテート成分が存在することが判ってい
る。そして、かかる事実をもとに本発明者らが研究を重
ねた結果、中和工程での中和処理時に局所的に完全アセ
チル化された部分が生成し、その部分は、次の鹸化・熟
成工程の熟成ドープに不溶のため、ドープに溶解してい
るセルロースアセテートに比べて鹸化が大幅に遅れ、高
アセチル化物として残存することを見出した。従って、
本発明者らは、一般的なセルロースアセテートの製造工
程(前処理工程、アセチル化工程、中和工程及び鹸化・
熟成工程)の中和工程を改善して本発明の目的を達成す
るべく、完全アセチル化物の生成要因及びその生成防止
法に着目し、研究を重ねた。一般的に、アセチル化工程
では触媒に硫酸を用いるが、硫酸触媒はアセチル化を促
進するだけでなく、セルロースに半エステルとして結合
し、セルロースのアセチル化物の反応系への溶解性を高
めるようにも作用する。このセルロースに結合した硫酸
は、製品の耐熱性を悪化させるので鹸化・熟成工程の段
階で除去されるのであるが、その前段の中和工程におい
ても結合硫酸の脱離が生じてしまうため、非水状態の中
和反応系において、硫酸エステル部分と中和系の酢酸と
の間でエステル交換反応が起き、局所的に完全エステル
化された部分が生じてしまうものと考えられる。従っ
て、中和処理時に反応系に水を存在させることで硫酸の
脱離時に水酸基が導入されるようにすれば上記エステル
交換反応が抑止され、その結果、完全アセチル化部分の
生成が抑制され、即ち高アセチル化物の残存量が減少し
て(ゲルの生成量が減少して)セルロースアセテートの
濾過性が向上することを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち本発明は、セルロースを原料、無水酢
酸を酢化剤、酢酸を溶媒、硫酸を触媒とするセルロース
アセテートの製造方法において、アセチル化終了段階の
中和工程での中和処理中に反応系の水濃度を0.1重量
%以上18重量%未満にするセルロースアセテートの製
造方法を提供する。本発明において「水濃度」とは、反
応系中のセルロースアセテートを除いた残部溶液中にお
ける濃度(重量%)である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のセルロースアセテートの
製造方法は、アセチル化反応停止後の中和工程に特徴を
有するものであり、中和工程の前後工程については、一
般的なセルロースアセテートの製造工程の処理を適用で
きる。以下において、本発明のセルロースアセテートの
製造方法を工程ごとに順に説明する。
【0008】まず、原料となる木材パルプ等のセルロー
スを解砕機で処理してフラッフ状にした後、酢酸を添加
して前処理活性化する。この前処理活性化における酢酸
の使用量は、セルロース100重量部に対して、好まし
くは10〜500重量部である。また、前処理活性化
は、好ましくは密閉及び撹拌条件下、20〜60℃で
0.1〜3時間行う。
【0009】次に、アセチル化工程の処理を行う。この
アセチル化工程においては、アセチル化剤としての無水
酢酸、反応溶媒としての酢酸、触媒としての硫酸を添加
する。それぞれの添加量は、いずれもセルロース100
重量部に対して、無水酢酸は好ましくは200〜400
重量部、さらに好ましくは250〜400重量部であ
り、酢酸は好ましくは300〜600重量部、さらに好
ましくは350〜500重量部であり、硫酸は好ましく
は0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜14重量
部である。
【0010】アセチル化反応は、常圧又は減圧下で行う
ことができる。常圧でのアセチル化反応は、セルロー
ス、無水酢酸、酢酸の混合物を撹拌しながら、触媒の硫
酸を添加した後、3〜60分かけて、ほぼ一定速度で3
0〜85℃、好ましくは35〜70℃まで昇温し、同温
度範囲で3〜90分保持して行うことが望ましい。
【0011】減圧でのアセチル化反応は、セルロース、
無水酢酸、酢酸の混合物を撹拌しながら、反応系を5.
3〜20kPa、好ましくは6〜12kPaの減圧にし
た後、触媒硫酸を添加し、反応を開始する。蒸発する酢
酸と無水酢酸の混合蒸気は、凝縮器で凝縮させて反応系
外へ留出させ、同減圧度を保持しながら(温度は50〜
65℃程度に保持する)アセチル化反応を継続する。所
定量の酢酸及び無水酢酸混合物が留出した時点又は混合
液が殆ど留出しなくなった時点で、反応系の圧力を約5
分かけて徐々に常圧に戻し、さらに50〜80℃で1〜
60分反応を継続する。
【0012】アセチル化反応が終了した後、中和工程に
おいて中和処理を行う。この中和工程においては、セル
ロースアセテート溶液中の不溶成分を減少させ、濾過性
を高めるため、中和処理中の反応系の水濃度を0.1重
量%以上18重量%未満、好ましくは0.4〜12重量
%、より好ましくは0.4〜8重量%、さらに好ましく
は0.4〜5重量%になるように調整する。また、同様
の目的で、中和処理を開始してから未反応の無水酢酸が
分解した後に、水濃度が好ましくは0.1重量%以上以
上18重量%未満、より好ましくは0.4〜12重量
%、さらに好ましくは0.4〜8重量%、特に好ましく
は0.4〜5重量%になるように調整する。
【0013】中和処理の方法は、中和剤を水溶液や水
懸濁液として加える方法、最初に反応系中に水を加え
た後、中和剤を粉末状、水溶液又は水懸濁液として加え
る方法を適用できるが、作業性の点からの方法が好ま
しい。の方法を適用する場合、中和剤の濃度は好まし
くは10〜45重量%、より好ましくは10〜25重量
%である。中和剤としては、アルカリ金属又はアルカリ
土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金
属塩等から選択できるが、カルシウムやマグネシウム等
のアルカリ土類金属塩が好ましい。
【0014】なお、中和処理法としての方法を適用し
た場合、水溶液又は水懸濁液を加えた時点が中和処理の
開始となり、の方法を適用した場合、水を加えた時点
が中和処理の開始となる。そして、中和剤の添加が終了
した時点が中和処理の完了となる。中和処理は、温度3
5〜80℃、好ましくは45〜75℃で行うことが望ま
しい。
【0015】セルロースジアセテートを得る場合には、
次に鹸化・熟成工程の処理を行う。この鹸化・熟成処理
においては、例えば、第1次セルロースアセテート(セ
ルローストリアセテート)生成系中の触媒硫酸を全部又
は一部中和し、反応系内の温度を125〜170℃と
し、同温度範囲内で3分〜6時間保持して、所望の第2
次セルロースアセテート(セルロースジアセテート)反
応混合物を得る。その後、この反応混合物を希酢酸水溶
液中に投入し、沈殿物として回収し、洗浄、精製、乾燥
して製品とする。
【0016】本発明の製造方法により得られたセルロー
スアセテートは、下記条件にて測定される濾過度(K
W)が、好ましくは200以下、より好ましくは180
以下のものである。
【0017】(測定方法)95重量%アセトン水溶液に
20重量%になるように溶解したセルロースアセテート
溶液を、30℃で所定の濾布を通し、一定圧力下に通過
する濾過量を測定し、下記式により濾過度(KW)を算
出する。所定の濾布とは、東洋紡績(株)製(品番65
70)2枚の間に、山西染工(株)製の片面ネル(品番
9号A)を挟んだものである。 KW=(2−P1/P1)×10000/(P1+P
2) P1:濾過開始から20分間の濾過量(g) P2:20分から60分までの40分間の濾過量(g) また、本発明の製造方法により得られたセルロースアセ
テートは、下記条件にて測定される不溶成分量が、好ま
しくは0.06重量%以下、より好ましくは0.05重
量%以下のものである。
【0018】(測定方法)セルロースアセテート10g
を490gの95重量%アセトン水溶液に溶解したセル
ロースアセテート溶液(濃度2重量%)を、1G4のグ
ラスフィルターで吸引濾過した後、100mlの95重
量%アセトン水溶液によるグラスフィルターの吸引洗浄
を計2回行う。その後、グラスフィルター上の固形分を
秤量瓶に移し、105±5℃で2時間乾燥後、デシケー
ター中で約40分間放冷する。これを精秤してフラスコ
に移した後、空の秤量瓶を再び精秤し、その重量差を残
渣物とし、下記式から不溶成分量を算出する。 不溶成分量(重量%)=[残渣物重量(g)/10g]×
100
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、以下において、%は重量%を示し、部は重量
部を示す。また、アセチル化度と水濃度の測定は下記の
方法により行った。
【0020】(1)アセチル化度 粉砕試料約0.52gを秤量瓶に採取し、105±5℃
で2時間乾燥後、デシケーター中で約40分間放冷す
る。これを精秤してフラスコに移し、空の秤量瓶を再び
精秤して、その重量差を試料重量とする。試料にエタノ
ール約2mlを加え、よく湿潤させた後、アセトンを5
0ml加え、約30分間撹拌して完全に溶解する。次
に、撹拌しながら50mlの0.2mol/L水酸化ナ
トリウム水溶液を加え、白色沈殿が生成するまで撹拌し
た後、約3時間放置する。再び撹拌しながら50mlの
0.2mol/L塩酸溶液を加え、15分以上放置す
る。次に、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加
え、0.2mol/L水酸化ナトリウム規定液で淡紅色
となるまで滴定する(Aml)。同時にブランク試験を
行い(Bml)、下記式からアセチル化度を算出する。 アセチル化度(%)=[(A−B)×F×1.201]/
試料重量(g) (F:0.2mol/L水酸化ナトリウム規定液のファ
クター)。
【0021】(2)中和処理中の反応系の水濃度 中和処理中の試料約3gをビーカーに採取する。ジメチ
ルスルホキシドを100ml加え、撹拌して均質な溶液
とする。次に、該溶液を撹拌しながらイオン交換水を白
色沈殿が生成するまで加える。液中の酢酸濃度を測定す
るため、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加
え、2mol/L水酸化ナトリウム規定液で淡紅色とな
るまで滴定する(Aml)。同時にブランク試験を行い
(Bml)、下記式から酢酸濃度を算出する。 酢酸濃度(重量%)=[60.05×2×F×(A−B)×0.
1]/試料重量(g) F:2mol/L水酸化ナトリウム規定液のファクター 次に、試料中のセルロースアセテート分を測定する。ま
ず、メンブレンフィルターを105±5℃で1時間乾燥
後、デシケーター中で約40分間放冷し、秤量する。酢
酸濃度測定後の液を該メンブレンフィルターを用いて吸
引濾過した後、100mlの水でメンブレンフィルター
とフィルター上のセルロースアセテートを吸引洗浄す
る。セルロースアセテートをメンブレンフィルターと共
に105±5℃で2時間乾燥後、デシケーター中で約4
0分間放冷し、秤量する。先に秤量したメンブレンフィ
ルター重量との差からセルロースアセテート分(重量
%)を求め、下記式から水濃度(重量%)を算出する。 水分(重量%)=100−[酢酸濃度(重量%)+セル
ロースアセテート分(重量%)] 水濃度(重量%)=水分(重量%)/[水分(重量%)
+酢酸濃度(重量%)]。
【0022】実施例1 セルロース原料であるサルファイト法溶解パルプ(αセ
ルロース含量95%)をフラッフ状に解砕後、このフラ
ッフ状パルプ(水分含量5.5%)100部に対し34
部の酢酸を噴霧添加し、20℃で0.3時間前処理活性
化した。次に、前処理活性化したパルプを撹拌している
アセチル化反応機に仕込み、アセチル化剤である無水酢
酸243部、反応溶媒である酢酸336部、触媒である
硫酸2部を同時に仕込んだ。その後、20℃から30分
かけて62℃に昇温し、さらに50℃で25分保持して
アセチル化処理した。次に、反応系に中和剤である24
%酢酸マグネシウム水溶液14.0部を3分かけて添加
して中和処理した。添加開始から5分後の反応系中の水
濃度は1.0%であり、反応系の温度は50〜60℃で
あった。次に、中和処理後の反応混合物に60℃の75
%酢酸水溶液125部を加え、撹拌混合した。この混合
物をオートクレーブに移し、191℃(12kg/cm
2)の水蒸気をジャケット加熱法で60分かけて150
℃にした。その後、150℃で30分保持する高温熟成
法で鹸化・熟成を行い、セルロースジアセテートを含む
反応混合物を得た。この反応混合物を激しく撹拌しなが
ら希酢酸水溶液を加え、フレーク状セルロースジアセテ
ートを分離した後、十分に水洗して取り出し、乾燥して
製品とした。表1に各測定結果を示す。
【0023】実施例2 中和工程において、中和剤として20%酢酸マグネシウ
ム水溶液16.8部を用い、これを3.6分かけて添加
して中和処理した以外は実施例1と同様にして、セルロ
ースジアセテートを得た。なお、中和処理開始から5分
後の反応系中の水濃度は1.5%であった。表1に各測
定結果を示す。
【0024】実施例3 アセチル化処理における無水酢酸の使用量を260部及
び酢酸の使用量を319部とした以外は実施例1と同様
にして、セルロースジアセテートを得た。なお、中和処
理開始から5分後の反応系中の水濃度は0.4%であっ
た。表1に各測定結果を示す。
【0025】比較例1 中和工程において、中和剤として40%酢酸マグネシウ
ム水溶液9.1部を用い、これを2分かけて添加して中
和処理した以外は実施例1と同様にして、セルロースジ
アセテートを得た。なお、中和処理開始から5分後の反
応系中の水濃度は0%であった。表1に各測定結果を示
す。
【0026】比較例2 中和工程において、中和剤として36.5%酢酸マグネ
シウム水溶液8.4部を用い、これを1.8分かけて添
加して中和処理した以外は実施例1と同様にして、セル
ロースジアセテートを得た。なお、中和処理開始から5
分後の反応系中の水濃度は0%であった。表1に各測定
結果を示す。
【0027】実施例4 セルロース原料であるクラフト法溶解パルプ(αセルロ
ース含量98%)をフラッフ状に解砕後、このフラッフ
状パルプ(水分含量5.5%)100部に対し39部の
酢酸を噴霧添加し、20℃で0.3時間前処理活性化し
た。次に、前処理活性化したパルプを撹拌しているアセ
チル化反応機に仕込み、アセチル化剤である無水酢酸2
80部、反応溶媒である酢酸342部を仕込み、撹拌し
ながら反応系を9kPaの減圧にした後、触媒である硫
酸1.2部を仕込んだ。その後、30℃から5分かけて
55℃に昇温し、さらに55℃で15分保持した後、反
応系の圧力を約5分かけて徐々に常圧へ戻し、さらに5
5〜70℃で22分、アセチル化反応を継続させた。次
に、反応系に中和剤である18%酢酸マグネシウム水溶
液12.4部を2.6分かけて添加して中和処理した。
添加開始から5分後の反応系中の水濃度は0.5%であ
り、反応系の温度は65〜75℃であった。次に、中和
処理後の反応混合物に85℃の75%酢酸水溶液125
部を加え、撹拌混合した。この混合物をオートクレーブ
に移し、191℃(12kg/cm2)の水蒸気をジャ
ケット加熱法で60分かけて150℃にした。その後、
150℃で30分保持する高温熟成法で鹸化・熟成を行
い、セルロースジアセテートを含む反応混合物を得た。
この反応混合物を激しく撹拌しながら希酢酸水溶液を加
え、フレーク状セルロースジアセテートを分離した後、
十分に水洗して取り出し、乾燥して製品とした。表1に
各測定結果を示す。
【0028】比較例3 中和工程において、中和剤として24%酢酸マグネシウ
ム水溶液9.3部を用い、これを2分かけて添加して中
和処理した以外は実施例4と同様にして、セルロースジ
アセテートを得た。なお、中和処理開始から5分後の反
応系中の水濃度は0%であった。表1に各測定結果を示
す。
【0029】
【表1】
【0030】中和剤添加開始から添加終了までの間の反
応系中の水濃度の変化を物質収支より計算した値を図1
に示した。また、中和剤添加開始から5分後の水濃度の
実測値も併せて示した。図1から明らかなとおり、中和
処理を開始してから未反応の無水酢酸が分解した後(図
1中の各実施例の水濃度が0重量%を超えた後)の水濃
度は上昇を示しており、中和剤添加終了時の水濃度の計
算値と、中和剤添加開始から5分後の水濃度の実測値は
ほぼ一致している。
【0031】
【発明の効果】本発明のセルロースアセテートの製造方
法によれば、溶液にした場合の不溶成分量を減少させる
ことができるので、濾過性を高めることができるので、
より細繊度の糸の紡糸用原料として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜4の中和処理時における水濃度の
変化を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースを原料、無水酢酸を酢化剤、
    酢酸を溶媒、硫酸を触媒とするセルロースアセテートの
    製造方法において、アセチル化終了段階の中和工程での
    中和処理中に反応系の水濃度を0.1重量%以上18重
    量%未満にするセルロースアセテートの製造方法。
  2. 【請求項2】 中和工程で、中和処理を開始してから未
    反応の無水酢酸が分解した後に反応系の水濃度を0.1
    重量%以上18重量%未満にする請求項1記載のセルロ
    ースアセテートの製造方法。
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