JP7142907B2 - 収容棚製造用クレーン装置及び収容棚装置の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された収容棚装置は、同一平面に物品を収納する棚部が、複数列に渡って隙間無く配置されている。また当該収容棚装置では、棚部が多段に設置されている。
特許文献1に開示された収容棚装置では、各棚部に物品を搬送するコンベヤ装置が敷設されている。
物品を取り出す際には、コンベヤ装置を動作させ、先頭の物品を棚部の他端側から搬出する。
特許文献1に開示された収容棚装置では、内部のコンベヤ装置は、複数のコンベヤユニットが直列につなぎ合わされたものである。
各コンベヤユニットは、収容予定のパレット等を一個だけ載置する大きさを有するものである。また各コンベヤユニットは、個々に動力を有し、個別に起動、停止する。
しかしながら特許文献1に記載した形式の収容棚装置は、製造に多くの手間を要するという不満がある。
上記した形式の収容棚装置を製造するには、棚を設置する架台を先に作り、その後でコンベヤユニットを架台の内部に設置することとなる。例えば、架台の端部から奥に向かって順番にコンベヤユニットを設置してゆく。そのため新規に設置するコンベヤユニットを既設のコンベヤユニットの搬送路の先端まで運ばなければならない。
ところが架台は、あたかもトンネルの様な構造であって一つの区画の断面は縦横の長さが狭く、架台の内部に重機を搬入することができない。そのため作業者が狭い中に入って人力でコンベヤユニットを運ばねばならなかった。この作業は悪環境下で行れる作業である。またコンベヤユニットは相当に重く、作業者は重労働を強いられる。
本態様の収容棚製造用クレーン装置は、予め製作された架台に設置して使用される。具体的には、架台に少なくとも一基のコンベヤユニットを設置し、当該コンベヤユニットに収容棚製造用クレーン装置を設置する。
そして既設のコンベヤユニットの後方に置かれた新たなコンベヤユニットをトロリ部で吊り上げ、トロリ部をガーダ部に沿って移動させ、コンベヤユニットを前側に移動させる。また直線移動部によって収容棚製造用クレーン装置自体を移動させ、既設のコンベヤユニットの先に吊り上げたコンベヤユニットを下ろす。
そのため収容棚装置を製造する際における作業者の労力を軽減することができる。
収容棚製造用クレーン装置1の説明に先立ち、収容棚製造用クレーン装置1を使用して製造される物品収容棚100について説明する。
物品収容棚100は、図1に示すように、架台101内に棚部102が、複数列に渡って設けられたものであり、入口Aと出口Bを有する。各棚部102にはコンベヤ装置18が敷設されていて一連の搬送路105が構成されている。
架台101は、鋼材を組み合わせて作られたものであり、2階建て構造であり、各階にコンベヤ敷設部103が3列ずつ設けられている。
各コンベヤ敷設部103は、断面形状が四角形であり、長くのびている。
各コンベヤ敷設部103には、図2、図4、図11乃至図16の様に、支持桟106が一定間隔をあけて設置されている。
コンベヤユニット110は、図2、図3の様に3列のローラ群111、112、113を有している。各ローラ群111、112、113は、それぞれ個別フレーム120a、120b、120cを有し、個別フレーム120a、120b、120cにローラが回転可能に取り付けられたものである。
本実施形態では、個別フレーム120a、120b、120cは、平行に配された2本の鋼材115、116によって構成されている。
中央の列を構成するローラ群112は、鋼材115b、116bによって構成される個別フレーム120bに複数のローラ136が回転可能に取り付けられたものである。
他方の側方列を構成するローラ群113は、鋼材115c、116cによって構成される個別フレーム120cに複数のローラ137が回転可能に取り付けられたものである。
本実施形態では、個別フレーム120a、120b、120cは、いずれも2本の溝型鋼を平行に配したものである。個別フレーム120は、いずれも溝型鋼の開口がローラに対して外向姿勢となっている。
動力駆動列部125は、モータ内蔵ローラ130と、そのモータ内蔵ローラ130を駆動源とした複数の従動ローラ131とを有している。本実施形態では、モータ内蔵ローラ130は、従動ローラ131の動力源としてのみ使用され、物品等の搬送には寄与しない。
モータ内蔵ローラ130と従動ローラ131は隣接するもの同士が動力伝動ベルト132で係合しており、モータ内蔵ローラ130が回転することによって動力駆動列部125に属する全てのローラ136が回転する。
組み立てられた状態のコンベヤユニット110は、動力によって駆動する動力駆動列部125と、空転するコロが並べられた空転コロ列121、123が並列状に並べられたものであり、中央の列に動力駆動列部125があり、その両脇に空転コロ列121、123がある。
コンベヤユニット110は、物品収容棚100に収容されるパレット(図示せず)を一個ずつ載せるものであり、当該パレットに相当する面積を有している。
コンベヤユニット110は、図4の様に架台101内の支持桟106に載置され、図示しないネジ等によって架台101に固定される。
収容棚製造用クレーン装置1は、図5の様に直線移動部2と、ガーダ部3及びトロリ部5を有している。
直線移動部2は、ガーダ部3を支持する支持枠としても機能するものであり、下の2辺が欠落した直方体の枠組み構造体である。直線移動部2は、鋼材で作られた2個の四角形部6a、6bが対向して配置され、その上部を連結部材7a、7bで繋いだものである。
直線移動部2の平面形状は、四角形であり、その大きさは、コンベヤユニット110と略等しい。
浮き上がり防止部材10は、上板部11と、垂下板部12と、保持板部13によって構成されている。図5の拡大部の様に浮き上がり防止部材10は、断面形状が略「Z」の字状であり、上板部11は、垂下板部12の上端から一方方向にのび、保持板部13は垂下板部12の下端から他方方向にのびている。
4個の浮き上がり防止部材10は、上板部11が直線移動部2の下辺材8a、8bの下面に図示しないネジによって固定されており、いずれの浮き上がり防止部材10の保持板部13も自由端側が両外側に向かってのびる方向に向いている。
二本のガイドレール15は、一定の高さに支持されていて互いに平行である。また二本のガイドレール15は、収容棚製造用クレーン装置1がコンベヤユニット110に取り付けられた状態においては、水平姿勢となる。
二本のガイドレール15の長さは同じであり、いずれも四角形部6a、6bの間隔よりも長い。具体的には、ガイドレール15の長さは四角形部6a、6bの間隔に対して3倍程度の長さを持つ。
コンベヤユニット110と比較すると、ガイドレール15は、コンベヤユニット110の全長よりも長く、3倍程度の長さを有している。
巻き上げ装置21は、モータ内蔵ローラ22を利用したものであり、ローラ本体23の両端にボビン部25が設けられたものである。
ボビン部25には、スリング又はワイヤ等の吊り材27が巻き付けられている。吊り材27の先端にはフック30が取り付けられている。
巻き上げ装置21は、一定の間隔をあけ、モータ内蔵ローラ22が平行姿勢となる様に取り付けられている。
その他、移動台20には蓄電池31と制御装置32が取り付けられている。
そのためトロリ部5は、人力により、ガーダ部3に沿って押し動かすことができる。
本実施形態では、先に架台101を組み立てる。架台101には前記した様にコンベヤ敷設部103があり、支持桟106が一定間隔をあけて設置されている。
完成された架台101に、コンベヤユニット110を敷きつめて行く。
説明の便宜上、図1において、物品収容棚100のA側を始端側とし、B側を終端側とする。完成された物品収容棚100には、始端側から終端側に向かう搬送路105が形成される。
また説明の便宜上、始端側から終端側に向かう方向を前側と称し、終端側から始端側に向かう方向を後ろと称する。
その後、順番にコンベヤユニット110を並べて行くが、理解を容易にするため、以下の説明においては、コンベヤユニット110が並べられる順にa、b、c・・の符号を付け、コンベヤユニットa、コンベヤユニットbの様に称する場合がある。
最初の工程では、図11(a)の様に架台101のコンベヤ敷設部103であってその始端部に、コンベヤユニットaと、コンベヤユニットbが設置される。
本実施形態では、図7の様にコンベヤユニット110の、空転コロ列121、123に木製の角材で作られた当て材40を置き、その上に収容棚製造用クレーン装置1の直線移動部2を載せることによってコンベヤユニット110上に収容棚製造用クレーン装置1が設置される。
即ち個別フレーム120a、120cは、いずれも溝型鋼をフレーム片とし、2本の溝型鋼を平行に配したものであり、溝型鋼の開口側を外向きとしている。そのため図6、図7の様に、フレーム片の上壁部41の自由端側は、ローラ135、137が存在しない側に向いている。
本実施形態では、浮き上がり防止部材10の保持板部13がフレーム片の上壁部41の下部に配され、直線移動部2の下辺材8a、8bと、浮き上がり防止部材10の保持板部13の間で、フレーム片の上壁部41を挟んでいる。
収容棚製造用クレーン装置1がコンベヤユニットbに設置された状態においては、ガーダ部3の中心部分はコンベヤユニットb上にあり、前方側はC領域の上に張り出している。またガーダ部3の後方側は、既設のコンベヤユニットaの上に張り出している。
続く工程としてトロリ部5の巻き上げ装置21を駆動し、吊り材27を巻き戻してフック30を下げる。
そして図12(e)の様に、フック30を三番目のコンベヤユニットcに係合する。本実施形態では、接続棒140に係合させる。もちろん他の部位にフック30を係合してもよい。
このとき、コンベヤユニットcの荷重は直線移動部2の中心から離れた位置に掛かり、収容棚製造用クレーン装置1にはモーメントが作用するが、浮き上がり防止部材10の保持板部13が、既設のコンベヤユニットbと係合し、モーメントに対抗して収容棚製造用クレーン装置1の浮き上がりを阻止する。
この状態で、図13(g)の様にトロリ部5をガーダ部3に沿って前進させ、図13(h)の様にトロリ部5を二番目のコンベヤユニットbの前に移動させる。即ち三番目のコンベヤユニットcを設置すべき位置(C領域)の真上にトロリ部5を移動させる。
そして図13(i)の様に巻き上げ装置21を駆動し、フック30を下げて三番目のコンベヤユニットcを二番目のコンベヤユニットbの前(C領域)に吊り下ろす。即ち既設のコンベヤユニットbの先端に三番目のコンベヤユニットcを吊り下ろす。
そして三番目のコンベヤユニットcをネジ等によってC領域の支持桟106に固定する。
これと前後して、図14(l)の様に、四番目のコンベヤユニットdを始端のコンベヤユニットa上に置く。ここで四番目のコンベヤユニットdについても、図10の様に当て材42を介して始端のコンベヤユニットa上に乗せられる。四番目のコンベヤユニットdは、当て材42を介して空転コロ列121、123に乗せられる。
そして四番目のコンベヤユニットdをネジ等によって支持桟106に固定する。
その後は、前記した工程を繰り返し、図16(q)の様に五番目のコンベヤユニットeを始端のコンベヤユニットa上に置いて順次移動させる。
上記した実施形態では、直線移動部2によって収容棚製造用クレーン装置1を移動させて既設のコンベヤユニットであって先頭に位置するコンベヤユニット110に収容棚製造用クレーン装置1を載置する工程を実施し、新たなコンベヤユニット110を既設のコンベヤユニット110を利用して収容棚製造用クレーン装置1の近傍に移動させ、トロリ部5をガーダ部3の一端側に寄せて巻き上げ装置(巻き上げ手段)21によって未設のコンベヤユニットを吊り上げる工程を実施し、次いでトロリ部5をガーダ部3の他端側に移動する工程を実施し、次いで巻き上げ手段によって未設のコンベヤユニットを既設のコンベヤユニットの先の位置に吊り下ろす工程を実施した。
例えばトロリ部5をガーダ部3の一端側に寄せて巻き上げ装置21によって未設のコンベヤユニット110を吊り上げる工程を実施し、コンベヤユニット110を吊り上げた状態のままで、直線移動部2によって収容棚製造用クレーン装置1を移動させて既設のコンベヤユニット110であって先頭に位置するコンベヤユニット110に収容棚製造用クレーン装置1を載置する工程を実施し、これと前後又は同時にトロリ部5をガーダ部3の他端側に移動する工程を実施し、巻き上げ装置21によって未設のコンベヤユニット110を既設のコンベヤユニット110の先の位置に吊り下ろしてもよい。
即ちコンベヤユニット110を吊り上げた状態で収容棚製造用クレーン装置1を移動させてもよい。
上記した実施形態では、収容棚製造用クレーン装置1自体の移動や、トロリ部5の移動を人力によって行ったが動力を利用してもよい。
またトロリ部5に動力による巻き上げ装置を搭載したがチェーンプロック等を搭載し、人力によってコンベヤユニット110を吊り上げてもよい。
変形例として、保持板部13に代わってコロ51を設けてもよい。
図18に示す実施形態で採用する浮き上がり防止部材47は、垂下板部12に、コロ50、51が取り付けられており、当該二つのコロ50、51で、フレーム片の上壁部41を挟んでいる。
図18に示す実施形態では、吊り具52を利用してコンベヤユニット110を吊り上げるものである。
吊り具52は図19の様に、2本の竿部材53a、53bが2本の連接棒55a、55bで接続されたものである。
各竿部材53a、53bは、いずれも左翼側部材56と右翼側竿部材57及び係合部材62によって構成され、これらがピン58で回動可能に接続されたものである。即ち左翼側部材56の一端と、右翼側竿部材57が係合部材62を挟んで重ね合わされ、これらの間にピン58が挿通されたものである。
左翼側竿部材53と、右翼側竿部材55の自由端側には、フック63が設けられている。
モータ内蔵ローラ70と、空転ローラ71の中央にボビン部25が設けられている。
ボビン部25には、それぞれスリング又はワイヤ等の吊り材27が巻き付けられており、吊り材27の先端がそれぞれ竿部材53a、53bの係合部材62に接続されている。
コンベヤユニット110を吊り上げる際には、図20(b)の様に吊り材27をコンベヤユニット110をの近傍まで降下させ、左翼側竿部材53と右翼側竿部材55間の角度を広げて全長を伸ばし、両端のフック63をコンベヤユニット110の外側と係合させる。即ちコンベヤユニット110の中央に配された個別フレーム120bのフレーム片141a、141bにフック63を係合する。
そして図20(c)の様に巻き上げ装置60で、吊り具52の中央を上昇させてコンベヤユニット110を吊り上げる。
そのためコンベヤユニット110を吊り上げる際に、フック63がはずれ難く、安全性が高い。
2 直線移動部
3 ガーダ部
5 トロリ部
10 浮き上がり防止部材
18 コンベヤ装置
21 巻き上げ装置(巻き上げ手段)
100 物品収容棚
101 架台
102 棚部
105 搬送路
110 コンベヤユニット
121、123 空転コロ列
125 動力駆動列部
Claims (4)
- 物品収容棚を製造する際に使用される収容棚製造用クレーン装置であって、
前記物品収容棚は、枠組みされた架台の中に物品を収納する棚部を有し、前記棚部は複数のコンベヤユニットが直線状に並べられていて一連の搬送路が構成されるものであり、
収容棚製造用クレーン装置は直線移動部とガーダ部とトロリ部を有し、
前記直線移動部は、既設のコンベヤユニット上に載置されてコンベヤユニットに沿って直線的に移動可能であり、
前記ガーダ部は、前記搬送路に沿ってのび、直線移動部に固定されて一定の高さに支持され、
前記トロリ部は、巻き上げ手段を備え前記ガーダ部と係合して直線的に移動可能であることを特徴とする収容棚製造用クレーン装置。 - ガーダ部は、コンベヤユニットよりも長く、直線移動部が既設のコンベヤユニット上のいずれかの位置にあるとき、ガーダ部が前記コンベヤユニットの搬送方向の前後方向に張り出すことを特徴とする請求項1に記載の収容棚製造用クレーン装置。
- コンベヤユニットは、動力によって駆動する動力駆動列部と、空転するコロが並べられた空転コロ列が並列状に並べられたものであり、
前記直線移動部は、コンベヤユニットの空転コロ列上に載置され、人力によって空転コロ列上を押し又は引き動かされるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の収容棚製造用クレーン装置。 - 枠組みされた架台と、複数のコンベヤユニットによって構成される搬送路を有し、前記架台内に搬送路が設置された収容棚装置を製造する収容棚装置の製造方法において、
前記架台を構築し、当該架台にコンベヤユニットを少なくとも一基設置すると共に請求項1乃至3のいずれかに記載の収容棚製造用クレーン装置を既設のコンベヤユニット上に載置する工程と、
トロリ部をガーダ部の一端側に寄せて巻き上げ手段によって未設のコンベヤユニットを吊り上げる工程と、
直線移動部によって収容棚製造用クレーン装置を移動させて既設のコンベヤユニットであって先頭に位置するコンベヤユニットに収容棚製造用クレーン装置を載置する工程と、 トロリ部をガーダ部の他端側に移動する工程と、
巻き上げ手段によって未設のコンベヤユニットを既設のコンベヤユニットの先の位置に吊り下ろす工程を有することを特徴とする収容棚装置の製造方法。
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