JP2015044639A - 物品搬送装置、並びに、物品保管装置 - Google Patents

物品搬送装置、並びに、物品保管装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、倉庫等の保管棚に複数の物品を格納する場合や、逆に保管棚から複数の物品を取り出すような場合であっても、作業時間の短縮化を図ることができる物品搬送装置、並びに、物品保管装置を提供することを課題する。【解決手段】物品保管装置1は、物品を保管できる保管手段と、保管手段に物品を搬送する物品搬送装置2を有する。保管手段は、並列的に並んだ複数の保管区画を有する。物品搬送装置2は、独立制御可能な、水平搬送装置7と鉛直搬送装置8とを有する。水平搬送装置7は、物品を保管区画の並列方向に水平に搬送することができる。鉛直搬送装置8は、移動式昇降装置9を水平方向に移動可能であり、水平搬送装置7によって水平搬送された物品を鉛直方向に搬送して、保管手段側に搬送することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、所望の場所に物品を搬送する物品搬送装置に関するものであり、特に水平方向だけでなく、鉛直方向への搬送を可能にした物品搬送装置に関する。また、本発明は、物品保管装置に関するものであり、さらに詳細には、並列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置に関する。
従来より、配送物や商品等の物品を一時的に保管する倉庫等では、保管棚に物品を格納したり、保管棚から物品を取り出すための装置として、スタッカークレーンが使用されている(以下、このような倉庫を自動倉庫という)。
スタッカークレーンは、フォーク装置を備えた荷台に物品を載せ、その状態で、マストと呼ばれるガイドフレームを走行レールに沿って移動させ、さらにガイドフレームに沿って昇降させて物品を搬送する装置である。
つまり、自動倉庫では、1つのスタッカークレーンによって、物品を、水平方向に搬送すると共に、同一高さの場所だけでなく、異なる高さの場所にも、オートマチックに運んで格納することが可能である。また同様に、スタッカークレーンは、既に保管棚に格納された物品を、オートマチックに取り出して搬出することも可能である。
例えば、そのようなスタッカークレーンの技術が、特許文献1に開示されている。
特開2005−82288号公報
ところが、この種のスタッカークレーンは、基本的に、物品を1つずつしか運べないため、格納する物品や取り出す物品が多量にあるような場合には、多大な時間を要し、非効率であった。
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、倉庫等の保管棚に複数の物品を格納する場合や、逆に保管棚から複数の物品を取り出すような場合であっても、作業時間の短縮化を図ることができる物品搬送装置、並びに、物品保管装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく提供される請求項1に記載の発明は、物品を水平方向に搬送する水平搬送装置と、物品を鉛直方向に搬送する鉛直搬送装置とを備え、水平搬送装置は、直列的に並んだ独立制御可能な複数の制御ゾーンに分割されており、鉛直搬送装置は、水平搬送装置の走行方向と同一方向に移動可能な移動式架台と、物品が載置される載置部と、載置部を昇降する昇降手段を有し、水平搬送装置のいずれかの制御ゾーンにおいて物品を鉛直方向所望の高さに移動させる際には、当該制御ゾーンと同一の水平方向の位置まで鉛直搬送装置を移動した後、当該物品を、水平搬送装置によって当該制御ゾーンに搬送し、鉛直搬送装置の載置部で下方からすくい上げることを特徴とする物品搬送装置である。
本発明の物品搬送装置は、独立制御可能な複数の制御ゾーンを有した水平搬送装置と、水平搬送装置の走行方向と同一方向に移動可能な移動式の鉛直搬送装置とを備え、物品を独立した2つの装置によって搬送可能にした装置である。すなわち、本発明では、いずれかの物品を水平方向に搬送しつつ、他のいずれかの物品を鉛直方向に搬送するといった、異なる物品を同時並行的に搬送することが可能である。そのため、本発明では、水平搬送装置のいずれかの制御ゾーンにおいて物品を鉛直方向所望の高さに移動させる際には、当該制御ゾーンと同一の位置まで鉛直搬送装置を水平移動させた後、当該物品を、水平搬送装置によって当該制御ゾーンに物品を搬送し、鉛直搬送装置の載置部で下方からすくい上げる制御を実施することが可能である。
ここで、本発明では、水平搬送装置が、独立制御可能な制御ゾーンが複数直列的に並べられて構成されている。そのため、複数の物品を処理する場合であっても、連続的に搬送しつつ、それぞれの物品を水平方向所望の位置(制御ゾーン)に至らせた状態にしておくことができる。
また、本発明では、鉛直搬送装置が、水平搬送装置の走行方向と同一方向に移動可能な構成であり、物品の位置(制御ゾーン)に応じた場所に移動可能である。さらに本発明では、鉛直搬送装置によって、物品をすくい上げて鉛直方向に搬送することが可能である。
すなわち、請求項1に記載の発明では、昇降対象となる物品を、予め該当する制御ゾーン(自制御ゾーンという)に近接する制御ゾーン(近接制御ゾーンという)に搬送させておき、その状態で、鉛直搬送装置を自制御ゾーンに至らせることができる。そして、鉛直搬送装置が自制御ゾーンに到達した後に、近接制御ゾーンから当該自制御ゾーンに物品を搬送すれば、当該鉛直搬送装置の載置部で当該物品を容易にすくい上げることができる。また、水平搬送装置と鉛直搬送装置は、独立制御可能な装置であるから、鉛直搬送装置で物品をすくい上げている最中に、水平搬送装置を用いて、別の物品をさらに搬送することができる。
このように、本発明では、異なる物品を同時並行的に搬送することができるため、搬送効率が高い。
さらに、本発明では、自制御ゾーンにおいて物品を昇降させる際に、その直前のタイミングで、当該物品を搬入口から自制御ゾーンまで搬送する必要がないため、特に複数の物品を搬送する場合であって、2つ目以降の物品を搬送する場合においては、昇降動作に要する時間を大幅に削減することができる。
なお、ここでいう「近接制御ゾーン」は、自制御ゾーンの1つ隣の制御ゾーンだけでなく、自制御ゾーンに対して2つ、3つあるいは4つ以上隣の制御ゾーンを含んだ概念である。要は、搬入口よりも自制御ゾーンに近づいた制御ゾーンであれば、いずれの制御ゾーンであっても構わない。
以上のように、本発明では、従来のスタッカークレーンのように、1つの物品を所望の場所に運び終わるまで、他の全ての物品を、例えば倉庫等の搬入口で待たせておく必要がないため、1つの物品が運ばれている最中(例えば鉛直搬送装置によって運ばれている最中)であっても、さらに他の物品を搬送(例えば水平搬送装置によって搬送)しておくことが可能である。その結果、本発明の物品搬送装置を倉庫等に採用した場合であって、当該倉庫に多量の荷物が持ち込まれたとしても、効率的且つ合理的に複数の荷物を処理することができる。つまり、本発明によれば、従来のスタッカークレーンよりも、搬送時の作業効率を飛躍的に向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、水平搬送装置のいずれかの制御ゾーンにおいて物品を鉛直方向所望の高さに移動させる際には、当該制御ゾーンと同一の水平方向の位置に鉛直搬送装置が至るまで、当該物品を当該制御ゾーンと隣接する制御ゾーンに待機させる待機機能が具備されていることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置である。
本発明の物品搬送装置は、昇降対象となる物品を、該当する制御ゾーン(自制御ゾーン)に隣接する制御ゾーン(隣接制御ゾーン)に待機させておくことができるため、特に複数の物品を搬送する場合に要する全体の搬送時間を効果的に削減することができる。
請求項3に記載の発明は、載置部には、物品を水平方向に搬送するための昇降側搬送部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品搬送装置である。
本発明の物品搬送装置は、載置部に昇降側搬送部が設けられているため、鉛直搬送装置に物品が搬入される際に当該物品を好適に引き入れたり、鉛直搬送装置から物品を搬出する際に当該物品を好適に排出することできる。そのため、本発明では、より効率的且つ合理的な物品搬送が可能である。
請求項4に記載の発明は、移動式架台は、移動用の車輪を有し、当該車輪は、所定のレールに沿って走行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の物品搬送装置である。
本発明の物品搬送装置は、移動式架台を所定のレールに沿って走行させるため、水平搬送装置がいかなる搬送ラインを描いていたとしても、それに応じた好適な水平移動が可能である。
本発明の物品搬送装置は、移動式架台が、並設された2本のレールに沿って移動するものであり、当該2本のレールの間に、水平搬送装置が設置されていることが推奨される。(請求項5)
請求項6に記載の発明は、並列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、前記複数の保管区画に跨って物品を水平方向に搬送する水平搬送装置と、物品を鉛直方向に昇降する昇降装置とを備え、水平搬送装置は、直列的に並んだ独立制御可能な複数の制御ゾーンに分割され、当該各制御ゾーンに対応するように保管区画が振り分けられており、昇降装置は、水平搬送装置の走行方向と同一方向に移動可能な移動式架台と、物品が載置される載置部と、載置部を昇降する昇降手段を有し、保管区画のいずれかに物品を保管する際には、当該保管区画に対応する制御ゾーンと同一の位置まで昇降装置を移動した後、当該物品を、水平搬送装置によって当該制御ゾーンに搬送し、昇降装置の載置部で下方からすくい上げることを特徴とする物品保管装置である。
本発明の物品保管装置は、独立制御可能な複数の制御ゾーンを有した水平搬送装置と、水平搬送装置の走行方向と同一方向に移動可能な移動式の鉛直搬送装置とを備え、物品を独立した2つの装置によって搬送可能にした装置である。そのため、従来のスタッカークレーンのように、1つの物品を所望の場所に運び終わるまで、他の全ての物品を、例えば倉庫等の搬入口で待たせておく必要がなく、1つの物品が運ばれている最中であっても、他の物品を所定の位置まで搬送しておくことが可能である。したがって、本発明の物品保管装置であれば、多量の荷物が持ち込まれたとしても、効率的且つ合理的に複数の荷物を処理することができる。つまり、本発明によれば、従来のスタッカークレーンよりも、搬送時の作業効率を飛躍的に向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、保管区画のそれぞれには、物品を水平方向に搬送する保管側搬送装置が備えられ、保管側搬送装置は、直列的に並んだ独立制御可能な複数の制御ゾーンに分割されており、当該制御ゾーンは、鉛直搬送装置の載置部と物品の搬出入が可能な鉛直搬送側制御ゾーンと、当該鉛直搬送側制御ゾーンと物品の搬送方向に対向する側に設けられる離反側制御ゾーンを少なくとも有し、物品を離反側制御ゾーンから詰めて保管することが可能であることを特徴とする請求項6に記載の物品保管装置である。
本発明の物品保管装置は、物品が保管される保管区画を、直列的に並んだ独立制御可能な複数の制御ゾーンに分割し、その制御ゾーンのうちの、離反側制御ゾーンから詰めて保管することが可能であるため、いずれかの制御ゾーンに隙間が形成された状態で物品が保管されることがない。すなわち、本発明では、保管区画において、下流側に隣接する制御ゾーンに物品が保管されていないことを条件に、当該隣接する制御ゾーンに物品を運ぶ搬送動作が実施され、下流側に隣接する制御ゾーンに既に物品が保管されていれば、搬送動作を実施せずにその制御ゾーンに保管するといった制御が可能である。これにより、無駄のない効率的な物品の保管が可能となる。
本発明の物品搬送装置、並びに、物品保管装置は、倉庫等の保管棚に複数の物品を格納する場合や、逆に保管棚から複数の物品を取り出すような場合であっても、2つの独立した装置たる水平搬送装置と鉛直搬送装置によって、物品を効率的に所望の場所に搬送することができるため、スタッカークレーン等に比べると、搬送時における作業時間の短縮化を図ることができる
本発明の実施形態に係る物品保管装置を示す斜視図であり、物品搬送装置に注目した図である。 図1の保管域に設置された保管手段に注目した斜視図である。 図1の物品保管装置を模式的に示した平面図である。 制御装置を示すブロック図である。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、物品が水平搬送装置に搬入された状態を示す。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、物品が水平搬送装置上の水平隣接制御ゾーンで待機した状態を示す。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、鉛直搬送装置が水平目標制御ゾーンに相当する位置に到達した状態を示す。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、物品が水平目標制御ゾーンに搬送された状態を示す。 保管動作を示す説明図であり、鉛直搬送装置の載置部の最頂部が水平搬送装置の最頂部よりも下方に待避した状態を示す。 保管動作を示す説明図であり、物品が鉛直搬送装置によって鉛直上方に向けて搬送される過程の状態を示す。 保管動作を示す説明図であり、物品が鉛直搬送装置によって所定の高さに至った状態を示す。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、物品が鉛直搬送装置から保管域に搬送される状態を示す。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、物品が「前詰め保管」動作によって保管された状態を示す。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、複数の物品が水平搬送装置によって搬送されている状態を示す。 図3の平面図に基づいて保管動作を示した説明図であり、複数の物品が保管域に保管された状態を示す。 水平搬送装置の1つの制御ゾーンを示す斜視図である。 図16の制御ゾーンを示す分解斜視図である。 水平搬送ユニットに用いられるモータ内蔵ローラを示す断面図である。 搬送面形成体を示す分解斜視図である。 水平搬送ユニットにおけるチェーンとスプロケットとの位置関係を示す正面図である。 移動式昇降装置を示す斜視図である。 図21の移動式昇降装置を示す分解斜視図である。 載置部を示す分解斜視図である。 昇降側搬送装置に用いられるモータ内蔵ローラを示す断面図である。 昇降側搬送装置に用いられる従動ローラを示す断面図である。 昇降側搬送装置に用いられるフリーローラを示す断面図である。 昇降手段を示す分解斜視図である。 移動式架台を示す分解斜視図である。 車輪機構の内部を示す斜視図である。 図2の保管手段を示す分解斜視図である。 昇降側搬送装置の搬送面が水平搬送装置の搬送面よりも下方に待避した状態を示す正面図である。 昇降側搬送装置の搬送面が水平搬送装置の搬送面よりも下方に待避した状態を示す平面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る物品保管装置について説明する。
本実施形態の物品保管装置1は、図1、2に示すように、主たる構成として、上下2段のラック構造を有した保管手段3と、搬入口から搬入された物品を、保管手段3に格納したり、逆に保管手段3に格納された物品を取り出す物品搬送装置2とを備えた構成である。
ここで、以下においては、理解を容易にするため、まず簡素な物品保管装置1のモデルを用いて説明し、本実施形態の具体的な機械構成等については後述することとする。
物品保管装置1は、図3に示すように、パレット上に載せた製品や部品等(以下、パレットと製品や部品等を組み合わせた総称を物品Wpとする)を一時的に保管可能な保管域Sと、保管域Sに物品Wpを搬送する、あるいは、保管域Sから取り出された物品Wpを搬送する搬送域Cを有する。
保管域Sは、並列的に並べられた複数(図3のモデルには5つ)の保管区画SA〜SEを有する部分であり、各保管区画SA〜SEには、前記した上下2段構造の保管手段3(図2)が設置されている。また、各保管区画SA〜SEは、直列的に並んだ複数(図3のモデルには6つ)の単位領域により構成されている。すなわち、各保管区画SA〜SEには、保管手段3の上下段のそれぞれに、直列に並んだ6つの単位領域が存在する。具体的には、1つの保管区画SAは、6つの単位領域SA1〜SA6が設けられ、別の1つの保管区画SBには、6つの単位領域SB1〜SB6が設けられ、別の1つの保管区画SCには、6つの単位領域SC1〜SC6が設けられ、別の1つの保管区画SDには、6つの単位領域SD1〜SD6が設けられ、さらに別の1つの保管区画SEには、6つの単位領域SE1〜SE6が設けられている。
なお、以下において、保管区画SA〜SEは、基本的に同様の構成となっているため、全ての保管区画SA〜SEの代表して、保管区画SAについて説明する。
保管区画SAは、前記したように、上下2段の保管手段3が設けられており、当該保管手段3の上下段のそれぞれに物品Wpを搬送する搬送装置(以下、保管側搬送装置という)6が備えられている。この保管側搬送装置6は、その搬送方向が保管区画SAの単位領域SA1〜SA6の一部に跨るように設置されている。具体的には、保管側搬送装置6は、単位領域SA1〜SA3を跨るように配されたものと、単位領域SA4〜SA6を跨るように配されたものとがある。すなわち、保管区画SAでは、保管手段3の上下段のそれぞれにおいて、物品Wpを単位領域SA1〜SA3間あるいは単位領域SA4〜SA6間で搬送可能である。そして、本実施形態では、保管側搬送装置6において、保管区画SAの単位領域SA1〜SA6のそれぞれに対応するように制御ゾーンが設定されている。
以下においては、便宜上、単位領域に対応する制御ゾーンの符番として、単位領域と同一の符番を使用する。例えば、単位領域SC3に対応する制御ゾーンは、制御ゾーンSC3と符番する。
また、保管区画SAのそれぞれの制御ゾーンSA1〜SA6には、物品Wpを搬送するための駆動源となるモータ(駆動源)101と、モータ101等の制御に寄与する制御装置102と、物品Wpの有無を検知する在荷センサ103がそれぞれ設けられている。そして、保管区画SAでは、自身の保管区画SAの各制御ゾーンSA1〜SA6に設けられたモータ101及び在荷センサ103と、自身の制御ゾーンSA1〜SA6の制御装置102とを電気的に接続している。そして、所定の制御ゾーンSA1〜SA6の制御装置102同士を、数珠つなぎに接続している。具体的には、本実施形態では、制御ゾーンSA1〜SA3が直列的に接続され、制御ゾーンSA4〜SA6が直列的に接続されている。また、本実施形態の物品保管装置1では、図示しない上位制御装置が備えられており、各制御ゾーンSA1〜SA6の制御装置102は、当該上位制御装置によって集中管理されている。
なお、制御装置102は、基本構成として、図4に示すように、マイクロコントローラ105と、モータ駆動回路106と、I/O回路107と、通信回路108とが備えられている。また、在荷センサ103は、公知の光電センサであり、反射型や透過型等の形式のものの採用が可能である。
すなわち、各保管区画SA〜SEでは、保管手段3の上下段のそれぞれにおいて、自身の区画SA〜SEの所定の制御ゾーン間において、所定の情報の送受信が可能となっている。
例えば、ここで言う「所定の情報」には、いずれかの制御ゾーンにおける物品Wpの有無に関する情報(在荷情報)や、モータ101の動作状態を表す情報、さらには何らかのエラー情報(モータ異常等)等がある。
そして、保管側搬送装置6は、図示しない上位制御装置によって、集中管理されている。
一方、搬送域Cは、保管域Sの保管区画SA〜SEに対応するように設けられた複数(図3のモデルには5つ)の搬送区画CA〜CEを有する部分である。搬送域Cは、複数の搬送区画CA〜CEを直列的に並べて、保管域Sをほぼ2分割するような配置となっている。具体的には、搬送域Cは、保管域Sの各保管区画SA〜SEにおける中央左寄りの単位領域SA1、SB1、SC1、SD1、SE1と、中央右寄りの単位領域SA4、SB4、SC4、SD4、SE4との間の位置で、その搬送区画CA〜CEの配列方向が、保管域Sの各保管区画SA〜SEの単位領域(SA1〜SA6、・・、SE1〜SE6)の配列方向とほぼ直交する配置となっている。
そして、搬送域Cには、全ての搬送区画CA〜CEに跨るように物品搬送装置2が設置されている。
ここで、本実施形態の物品搬送装置2には、物品を水平方向へ搬送する機能と、鉛直方向へ搬送する機能の双方を備えたものが採用されている。そして、本実施形態の物品搬送装置2では、その機能を果たすべく、物品を水平方向に搬送する水平搬送装置7と、物品を鉛直方向に搬送する鉛直搬送装置8が備えられている。
水平搬送装置7は、その搬送方向が搬送区画CA〜CEに跨るようにして設置されている。このため、水平搬送装置7では、物品Wpを搬送区画CA〜CE間で搬送可能である。そして、本実施形態では、水平搬送装置7は、それぞれの搬送区画CA〜CEに対応するように制御ゾーンが設定されている。
以下においては、便宜上、搬送区画CA〜CEに対応する制御ゾーンの符番として、搬送区画と同一の符番を使用する。例えば、搬送区画CBに対応する制御ゾーンは、制御ゾーンCBと符番する。
水平搬送装置7の制御ゾーンCA〜CEには、前記した保管側搬送装置6と同様、物品Wpを搬送するための駆動源となるモータ111と、モータ111等の制御に寄与する制御装置112と、物品Wpの有無を検知する在荷センサ113がそれぞれ設けられている。そして、水平搬送装置7においても、各制御ゾーンCA〜CEに設けられたモータ111及び在荷センサ113と、制御装置112とが電気的に接続されている。そして、隣接する制御ゾーンCA〜CE間の制御装置112同士を数珠つなぎに接続している。すなわち、各搬送区画CA〜CEでは、制御ゾーンCA〜CE間において、前記同様の所定の情報の送受信が可能となっている。また、水平搬送装置7においても、前記保管側搬送装置6と同様、各制御ゾーンCA〜CEの制御装置112が、前記上位制御装置によって集中管理されている。
なお、制御装置112も、前記保管側搬送装置6と同様、図示しないマイクロコントローラと、モータ駆動回路と、I/O回路と、通信回路とが備えられている。
また、搬送域Cには、前記したように、水平搬送装置7に加えて、鉛直搬送装置8が設置されている。この鉛直搬送装置8は、物品Wpを鉛直方向に昇降する基本的機能が備えられている。すなわち、鉛直搬送装置8は、物品Wpを載置するための載置部11と、当該載置部11を昇降するための昇降手段12(図1)と、それらを支持する架台13を有する。そして、鉛直搬送装置8は、保管手段3の上下2段の高さの間で、載置部11を搬送可能な構成となっている。そして、本実施形態では、載置部11が、所定の高さ位置で停止できるように、高さ位置検知センサ115が備えられている。
なお、高さ位置検知センサ115は、公知の光電センサであり、反射型や透過型等の形式のものの採用が可能である。
さらに、本実施形態の鉛直搬送装置8は、いずれの搬送区画CA〜CEにおいても物品Wpを昇降するべく、水平移動機能が備えられている。この水平移動機能は、鉛直搬送装置8を、水平搬送装置7における物品の搬送方向と同一方向へ移動可能にした機能である。すなわち、鉛直搬送装置8は、水平移動を可能にする走行レール20(図1)を有し、当該走行レール20が搬送区画CA〜CEに跨るように設置されている。より具体的には、鉛直搬送装置8は、架台13の下部に、モータ124(図1)によって駆動する車輪30(図1)が4つ設けられており、この4つの車輪30によって、走行レール20上を走行する構成となっている(以下、移動式架台13という)。このように、鉛直搬送装置8は、搬送区画CA〜CE間で水平移動が可能な配置となっている。そして、本実施形態では、鉛直搬送装置8が、それぞれの搬送区画CA〜CEに対応した制御ゾーンCA〜CEに停止できるように、距離センサ(図示しない)が備えられている。
なお、距離センサは、公知のそれと同様であり、センサ内部の光源から照射された光を、測定対象物に反射させて、その反射させた光に基づいて、測定対象物の距離を換算するセンサである。例えば、そのような距離センサとして、三角測距方式を用いたものや、位相差測距方式を用いたもの等の採用が可能である。
またさらに、本実施形態の鉛直搬送装置8は、物品Wpの載置部11への搬入や、物品Wpの載置部11からの搬出の好適な実施を可能にするべく、載置部11に昇降側搬送装置15が備えられている。この昇降側搬送装置15(図1)は、搬送域Cと保管域Sとの間で物品Wpの受け渡しを可能にするものである。すなわち、昇降側搬送装置15は、上記した搬送装置6、7と同様、物品Wpを搬送するための駆動源となるモータ121と、モータ121等の制御に寄与する制御装置(図示しない)と、物品Wpの有無を検知する在荷センサ(図示しない)が設けられている。そして、昇降側搬送装置15においても、制御装置が図示しない上位制御装置と接続されており、前記搬送装置6、7と共に集中管理されている。
なお、昇降側搬送装置15の制御装置も、図示しないマイクロコントローラと、モータ駆動回路と、I/O回路と、通信回路とが備えられている。
続いて、本実施形態の物品保管装置における機能について説明する。
本実施形態の物品保管装置1は、配送物や商品等の物品Wpを一時的に保管する倉庫等に好適な装置であり、搬入口から搬入された物品Wpを保管域Sに搬送したり(保管動作)、保管域Sに保管された物品Wpを搬出口に搬送する(搬出動作)機能を有する。
以下においては、搬送域Cの搬送区画CA側を搬入口Inとし、保管域Sの各保管区画SA〜SEにおける搬送域Cから最も離反した単位領域、具体的には、単位領域SA3、SB3、SC3、SD3、SE3、並びに、単位領域SA6、SB6、SC6、SD6、SE6側をそれぞれ搬出口Outとして説明する。
まず、搬入口Inから搬入された物品Wpを保管域Sに保管する保管動作について説明する。
なお、以下においては、物品保管装置1に対して、3つの物品Wpが搬入口Inから搬入されるものとし、さらにこれら3つの物品Wpは、2つの物品Wpが保管区画SEの上段側に保管され(以下、この物品WpをSE区画保管品Wpという)、他の1つの物品Wpが保管区画SCの下段側に保管される(以下、SC区画保管品Wpという)という条件に基づいて制御されるものとする。
本実施形態では、物品搬送装置2に対して、物品Wpが搬入口Inから搬入されると、保管動作が開始される。すなわち、保管動作は、物品搬送装置2の水平搬送装置7に対して、物品Wpが搬入されたことを条件に実施される。そして、物品搬送装置2に搬入された物品Wpは、保管動作によって、順次、保管域Sに向けて搬送される。
例えば、1つ目の物品として、SE区画保管品Wp1が運び込まれたとする。すると、物品搬送装置2において、水平搬送装置7上にSE区画保管品Wp1が載せられたか否かが確認される。具体的には、水平搬送装置7の搬入口In側の制御ゾーンCAにおいて、在荷センサ113の検知情報に基づいたSE区画保管品Wp1の在荷確認が実施される。そして、この制御ゾーンCAの制御装置112によって、SE区画保管品Wp1の存在(在荷有り)が確認されると、当該制御ゾーンCAのモータ111が駆動して、図5に示すように、SE区画保管品Wp1が当該制御ゾーンCAの所定の位置まで引き込まれる。
また、これと同時に、水平搬送装置7の制御ゾーンCAでは、保管区画SA〜SEの並列方向であって、搬入口Inを基準とした下流側(以下、単に下流側ともいう)に隣接する制御ゾーンCBにおける在荷情報が取得される。このとき、制御ゾーンCBでは、他の物品が載置されていないため、当該制御ゾーンCBから制御ゾーンCAに対して、当該制御ゾーンCBは「在荷無し」という在荷情報が送信される。
その結果、制御ゾーンCAから制御ゾーンCBに向けたSE区画保管品Wp1の搬送が許可される。すなわち、保管動作では、SE区画保管品Wp1が載置された制御ゾーンCAの下流側に隣接する制御ゾーンCBに、他の物品が存在しなければ、制御ゾーンCA上のSE区画保管品Wp1を下流側に向けて送り出し可能となる。
そして、SE区画保管品Wp1が載置された制御ゾーンCAのモータ111と、その制御ゾーンCAの下流側に隣接した制御ゾーンCBのモータ111が、SE区画保管品Wp1を下流方向に搬送するように制御される。これにより、SE区画保管品Wp1が、制御ゾーンCBの所定の位置に至るまで搬送される。
また、SE区画保管品Wp1の制御ゾーンCBへの搬送と同時に、制御ゾーンCBでは、下流側に隣接する制御ゾーンCCにおける在荷情報が取得される。このとき、前記同様、制御ゾーンCCには他の物品が存在しないため、当該制御ゾーンCCから制御ゾーンCBに対して、当該制御ゾーンCCは「在荷無し」という在荷情報が送信される。その結果、制御ゾーンCBから制御ゾーンCCに向けたSE区画保管品Wp1の搬送が許可されて、当該SE区画保管品Wp1が制御ゾーンCCに送り出される。
こうして、水平搬送装置7では、同様の制御が繰り返し行われて、SE区画保管品Wp1が当該水平搬送装置7における目標となる制御ゾーン(水平目標制御ゾーンという)CEまで搬送される。
一方、保管動作では、図6に示すように、水平搬送装置7による物品の水平搬送の動作に並行して、鉛直搬送装置8を水平方向に移動させる水平移動動作が実施される。そして、本実施形態では、物品を所定の保管区画に搬送する場合は、鉛直搬送装置8を当該所定の保管区画に対応する水平搬送装置7の搬送区画に相当する位置まで水平移動させる。具体的には、鉛直搬送装置8は、移動式架台13の下部に設けられた車輪30のモータ124を駆動して、走行レール20に沿って所定の位置まで移動する。そして、SE区画保管品Wp1を保管域Sに搬送する場合においては、図7に示すように、鉛直搬送装置8は、走行レール20に沿って、水平搬送装置7の水平目標制御ゾーンCEに相当する位置まで水平移動することとなる。
ここで、前記したように、SE区画保管品Wp1は、保管域Sにおける保管区画SEの上段側に保管される設定となっている。そのため、SE区画保管品Wp1は、水平搬送装置7によって、保管区画SEに対応する水平目標制御ゾーンCEに至るまで搬送される。
ところが、鉛直搬送装置8が、水平目標制御ゾーンCEに相当する位置に至るより先に、SE区画保管品Wp1が当該制御ゾーンCEに至ってしまうと、鉛直搬送装置8の載置部11上にSE区画保管品Wp1をすくい上げることができなくなってしまう。つまり、本実施形態では、SE区画保管品Wp1が水平目標制御ゾーンCEに至るより先に、鉛直搬送装置8を当該制御ゾーンCEに相当する位置まで移動させなければならない。その一方で、SE区画保管品Wp1の搬送に先回りして、常に、鉛直搬送装置8を水平目標制御ゾーンCEに至らせることは実質的に困難である。
そこで、本実施形態では、水平搬送装置7によって搬送される物品に対して、鉛直搬送装置8を意図的に先回りさせないように制御することが可能である。具体的には、水平搬送装置7によって物品を搬送する場合に、水平目標制御ゾーンに隣接する制御ゾーン(水平隣接制御ゾーンともいう)に、物品を一時的に留めておくことを可能にした待機機能が備えられている。すなわち、この待機機能によって、水平搬送装置7によって搬送される物品を、一旦、水平目標制御ゾーンから逸脱した場所で待機させておくことができる。
なお、この待機機能は、常に実行されるものではなく、鉛直搬送装置8がある程度余裕を持って水平目標制御ゾーンに到達するような場合は、物品を直接的に当該水平目標制御ゾーンに至らせることができる。
これにより、本実施形態では、水平搬送装置7によって搬送されるSE区画保管品Wp1を、図6に示すように、一時的に、水平隣接制御ゾーンCDに待機させておくことが可能となる。そして、SE区画保管品Wp1が水平隣接制御ゾーンCDで待機している間、あるいは、当該待機に至るまでの間に、鉛直搬送装置8が目標制御ゾーンCEに相当する位置に至れば(図7)、そのことを条件として、SE区画保管品Wp1を水平目標制御ゾーンCEに搬送する(図8)。なお、SE区画保管品Wp1を水平目標制御ゾーンCEに搬送する場合は、SE区画保管品Wp1の好適な搬送の観点から、図9に示すように、鉛直搬送装置8の載置部11の最頂部を、水平搬送装置7の最頂部よりも下方に待避させておく必要がある。
そして、SE区画保管品Wp1が、水平目標制御ゾーンCEの所定の位置まで搬送されると、当該水平目標制御ゾーンCEのモータ111を停止して、水平搬送装置7によるSE区画保管品Wp1の搬送動作を終了する。
その後、SE区画保管品Wp1は、鉛直搬送装置8側に引き渡されて、当該鉛直搬送装置8によって鉛直方向に搬送される。すなわち、鉛直搬送装置8の載置部11が昇降手段12(図1)によってリフトされ、当該載置部11によって、SE区画保管品Wp1が下からすくい上げられる。これにより、SE区画保管品Wp1は、水平搬送装置7側に載置された状態から、鉛直搬送装置8側に載置された状態に移行する。
そして、載置部11は、図10に示すように、SE区画保管品Wp1を載せた状態で、鉛直方向上方に向けて移動する。そして、SE区画保管品Wp1を載せた載置部11は、SE区画保管品Wp1を保管手段3の上段に保管するべく、図11に示すように、当該保管手段3の上段部と同一の高さとなった時点で停止する。なお、載置部11が鉛直方向に移動している間、高さ位置検知センサ115によって鉛直方向の位置が監視されており、当該センサ115における所定の検知情報に基づいて、当該載置部11が停止される。
こうして、鉛直搬送装置8によって鉛直上方に搬送されたSE区画保管品Wp1は、載置部11に備えられた昇降側搬送装置15によって、保管域S側に送り出される。
なお、以下においては、便宜上、SE区画保管品Wp1は、保管区画SEの単位領域SE1〜SE3側に保管されるものとする。
そして、本実施形態では、物品が保管域S側に搬送されると、当該物品を搬出口Out側から詰めて保管する「前詰め保管」が行われる。なお、ここで言う「前詰め保管」とは、物品同士の間隔を無くすような保管方法ではなく、隣接して保管された物品同士の間に、物品が載置されていない制御ゾーンを形成しないように保管する保管方法を意味する。
すなわち、図12に示すように、昇降側搬送装置15によって、搬送域C側から保管域S側にSE区画保管品Wp1が搬送されると、保管側搬送装置6の「前詰め保管」機能によって、当該SE区画保管品Wp1が所定の単位領域SE1〜SE3に保管される。具体的には、このとき、保管側搬送装置6の制御ゾーンSE1〜SE3のいずれにも他の物品が存在しないため、図13に示すように、1つ目のSE区画保管品Wp1は、搬出口Out側の制御ゾーンSE3に前詰め保管される。
なお、保管側搬送装置6による物品の搬送動作は、前記した水平搬送装置7の搬送動作とほぼ同一であるため、説明を省略する。
また、本実施形態では、保管動作において、搬入口Inに運び込まれた1つ目のSE区画保管品Wp1の搬送に並行して、2つ目以降の物品Wp2、Wp3の搬送を行うことができる。すなわち、本実施形態では、図14に示すように、1つ目のSE区画保管品Wp1を保管域Sに向けて搬送している間に、さらに2つ目、3つ目の他の物品Wp2、Wp3を、順次、保管域Sに向けて搬送させることができる。
例えば、2つ目の物品として、SC区画保管品Wp2が運び込まれ、3つ目の物品として、SE区画保管品Wp3が運び込まれたとする。すると、2つ目の物品たるSC区画保管品Wp2は、1つ目の物品たるSE区画保管品Wp1が水平搬送装置7の制御ゾーンCAから下流側(搬入口Inから離反する方向)に搬送されて存在しなくなれば、当該制御ゾーンCAに引き込まれる。具体的には、SE区画保管品Wp1が制御ゾーンCBに搬送されて、制御ゾーンCAの在荷センサ113の検知情報により「在荷無し」ということが確認されたことを条件に、SC区画保管品Wp2が制御ゾーンCAの所定の位置に引き込まれる。
そして、SC区画保管品Wp2は、前記した同様の制御によって、自身の水平目標制御ゾーンCCに隣接する水平隣接制御ゾーンCBまで搬送されて、当該水平隣接制御ゾーンCBで待機することとなる。
一方、3つ目の物品たるSE区画保管品Wp3は、2つ目の物品たるSC区画保管品Wp2が水平搬送装置7の制御ゾーンCAから存在しなくなれば、当該制御ゾーンCAに引き込まれる。そして、SE区画保管品Wp3は、自身の水平目標制御ゾーンCEに隣接する水平隣接制御ゾーンCDまで搬送されて、当該水平隣接制御ゾーンCDで待機することとなる。
ここで、水平搬送装置7に2番目に搬入されたSC区画保管品Wp2と、3番目に搬入されたSE区画保管品Wp3に注目すると、両者の水平目標制御ゾーンは互いに相違する。具体的には、2番目に搬入されたSC区画保管品Wp2の水平目標制御ゾーンCCよりも、3番目に搬入されたSE区画保管品Wp3の水平目標制御ゾーンCEの方が、搬入口Inに対して遠い(より下流に位置する)。つまり、3番目に搬入されたSE区画保管品Wp3は、2番目に搬入されたSC区画保管品Wp2が保管域Sに搬送されるまでは、SC区画保管品Wp2の水平目標制御ゾーンCCを飛び越えて、自身の水平目標制御ゾーンCE側に近づくことはできない。
そこで、本実施形態では、先の物品よりも後続の物品の方が、水平目標制御ゾーンの位置が遠い場合(下流側に位置する場合)は、先の物品が保管域Sに搬送されるまで、後続の物品を所定の場所で待機させることとした。
すなわち、本実施形態では、先の物品たるSC区画保管品Wp2が自身の水平隣接制御ゾーンCBで待機している間は、後続の物品たるSE区画保管品Wp3を、当該水平隣接制御ゾーンCBと上流側(搬入口Inに近づく側)で隣接する制御ゾーンCAに待機させる。また、鉛直搬送装置8が制御ゾーンCCに到来して、SC区画保管品Wp2が自身の水平目標制御ゾーンCCに搬送されれば、SE区画保管品Wp3を、制御ゾーンCAからその下流側に隣接する制御ゾーンCBに搬送して当該制御ゾーンCBで待機させる。
そして、先の物品たるSC区画保管品Wp2が、鉛直搬送装置8によって保管域Sに搬送されれば、後続の物品たるSE区画保管品Wp3を、自身の水平隣接制御ゾーンCDに搬送して待機させる。また、この後続の物品たるSE区画保管品Wp3は、鉛直搬送装置8が制御ゾーンCEに到来すれば、自身の水平目標制御ゾーンCEに搬送される。そして、鉛直搬送装置8によって保管域Sに搬送される。
こうして、保管域Sに搬送された物品Wp2、Wp3は、1つ目の物品Wp1と同様、各保管区画SC、SEにおいて、「前詰め保管」により、搬出口Out側から詰めて保管される。すなわち、SC区画保管品Wp2は、保管区画SC1〜SC3に他の物品が存在しないという理由により、保管区画SC3に対応する制御ゾーンSC3に保管される。また、SE区画保管品Wp3は、保管区画SE3に対応する制御ゾーンSE3にSE区画保管品Wp1が既に保管されているため、その制御ゾーンSE3の上流側(搬出口Outから離反する側)に隣接する制御ゾーンSE2に保管される。
このように、本実施形態では、複数の物品を保管域Sに搬送する場合であっても、物品搬送装置2の水平搬送装置7によって、順次、目標となる水平目標制御ゾーンまで搬送し、さらに、鉛直搬送装置8によって、順次、目標となる保管区画に搬送することができるため、従来のスタッカークレーン等と比較すると、搬送効率を飛躍的に高めることができる。
次に、保管域Sに保管された物品Wpを搬出口Outから搬出する搬出動作について説明する。
本実施形態の物品保管装置1では、搬出口Outが各保管区画SA〜SEにそれぞれ設けられている。具体的には、先にも説明したように、各保管区画SA〜SEでは、単位領域SA3、SB3、SC3、SD3、SE3、並びに、単位領域SA6、SB6、SC6、SD6、SE6側をそれぞれ搬出口Outにしている。つまり、各保管区画SA〜SEに保管された物品Wpは、それぞれの保管区画SA〜SEの搬出口Outを介して、外部に搬出することができる。
例えば、上記した保管動作で保管された3つの物品Wp1、Wp2、Wp3を例にすると、保管区画SEに保管された2つの物品Wp1、Wp3は、当該保管区画SEの搬出口Outに近い物品Wp1から順番に搬出され、保管区画SCに保管された1つの物品Wp2は、当該保管区画SCの搬出口Outから搬出される。すなわち、本実施形態では、各保管区画SA〜SEにおいて搬出口Outから順番に詰めて保管された物品Wpを、その保管された順番で外部に搬出する「先入れ先出し搬送」を行うことができる。
なお、本実施形態において、「先入れ先出し搬送」を行う場合には、搬出口Out側にも搬送域Cに設けられた物品搬送装置2と同一のものを設けることが好ましい。そして、搬出口Out側に物品搬送装置2が設けられた場合は、各保管区画SA〜SEに保管された物品を、前記保管動作と逆の動作によって、順次搬出することが可能となる。搬出口Out側に物品搬送装置2を設けることなく保管域Sの物品を搬出する場合は、例えば、フォークリフト等で同時並行的に搬出したり、順次搬出することができる。
上記した実施形態では、各保管区画SA〜SEに搬出口Outを設けて、それぞれの搬出口Outから物品を搬出する構成を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、搬送域Cに設けた搬入口Inに、搬出口の機能を持たせて、搬入口Inから保管域Sに保管した物品を搬出しても構わない。かかる構成にすれば、別途設けた搬出口Out側に、物品搬送装置2をわざわざ設ける必要がないため、設備投資費が嵩むことがない。
上記実施形態では、保管域Sの各保管区画SA〜SEに対して、複数の制御ゾーンを直列的に並べた保管側搬送装置6を設けて、複数の物品を搬出口から「前詰め保管」できる構成を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各保管区画に、単一のコンベアユニットを配し、それぞれの保管区画に単一の物品を保管可能にした保管域Sであっても構わない。かかる構成を採用した場合、搬入口と搬出口を共用することが好ましい。
また、上記実施形態では、水平搬送装置7や保管側搬送装置6の各制御ゾーンに、1つの制御装置102、112を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、2以上の制御ゾーンを受け持つ制御装置102、112を含んでいてもよく、2以上の制御ゾーンを制御する制御装置102、112だけで構成されていても構わない。
次に、本発明の実施形態で採用する物品保管装置の機械的な構成等について詳述する。
前記したように、物品保管装置1は、搬送域Cに設けられた物品搬送装置2と、保管域Sに設けられた保管手段3とで構成されている。
まず、物品搬送装置2について説明する。
物品搬送装置2は、図1に示すように、独立制御可能な、物品を水平方向に搬送する水平搬送装置7と、物品を鉛直方向に搬送する鉛直搬送装置8を有する。
水平搬送装置7は、図1に示すように、ほぼ同一構造の水平搬送ユニット21を複数有し、それらの水平搬送ユニット21を直列的に並べたものである。より詳細には、水平搬送装置7は、水平搬送ユニット21同士の間隔が、所定範囲(後述する載置部11の外枠体31の幅以上)となるようにして直列状に並べられている。
水平搬送ユニット21は、図16、17に示すように、搬送面をチェーン53で形成するチェーンコンベアであり、主として、チェーン53を備えた2つの搬送面形成体51、52により構成されている。そして、水平搬送ユニット21は、2つの搬送面形成体51、52を、所定の間隔を空けた状態で(図1)、平行に並べた構造となっている。そして、2つの搬送面形成体51、52を、所定の連結部材61を介して連結している。
また、水平搬送ユニット21には、2つの搬送面形成体51、52のチェーン53を駆動するためのモータ111(図18)が備えられている。このモータ111は、筒状のローラ本体131に内蔵されて、モータ内蔵ローラ130の一構成要素として使用されるものである。なお、本実施形態では、このモータ内蔵ローラ130は、チェーン53の駆動源として使用されるのみであり、ローラ本体131に直接的に物品を載置して搬送する役割はない。
ここで、モータ内蔵ローラ130の構造について付言しておくと、例えば、図18に示すようなものを採用することができる。すなわち、モータ内蔵ローラ130は、ローラ本体131内に、モータ111の他、減速機132を備え、さらにローラ本体131の軸線方向両端から支持軸135、136が突出した構成である。そして、モータ内蔵ローラ130は、内部において、減速機132の出力軸133がローラ本体131の内面と係合しており、モータ111の回転力を減速機132で減速させてローラ本体131に伝達する構造となっている。すなわち、モータ内蔵ローラ130は、支持軸135、136に対して、ローラ本体131の相対的回転が可能である。
一方、2つの搬送面形成体51、52はいずれも、図19に示すように、チェーン53の他、チェーン53の走行に寄与する複数(本実施形態では5つ)のスプロケット55〜59と、チェーン53の走行ガイドとなる一対のカバー部材54a、54bを有する。そして、搬送面形成体51、52は、一対のカバー部材54a、54bの間に、チェーン53を環状を形成した状態で配し、そのチェーン53に5つのスプロケット55〜59を回転可能に係合させた構造となっている。つまり、搬送面形成体51、52は、5つのスプロケット55〜59のいずれかが回転すれば、それに追従してチェーン53及びその他のスプロケット55〜59が走行する構造である。
より詳細には、チェーン53は、図20に示すように、概ね長円形を呈した部分(長円部j)と、その長円部jの中央を円の外側に引っ張って変形させた部分(変形部k)を組み合わせた形状を呈している。そして、そのチェーン53の長円部jの長手方向両端に1つずつのスプロケット55、59が配され、変形部kの内側に別の1つのスプロケット57が配され、さらに変形部kの外側に別の2つのスプロケット56、58が配されている。そして、チェーン53の変形部kの内側に配されたスプロケット57に、モータ内蔵ローラ130が接続された構造となっている。すなわち、チェーン53の概ね中央部に設けられたスプロケット57は、モータ内蔵ローラ130のローラ本体131と共に回転するように接続されている。また、その他のスプロケット55、56、58、59は、一対のカバー部材54a、54bに支持された軸部材60に回転可能に接続されている。
鉛直搬送装置8は、図1に示すように、倉庫等の建物の床面に固定される走行レール20と、その走行レール20に沿って水平移動する移動式昇降装置9とで構成されている。
走行レール20は、所定の長さ(本実施形態では水平搬送装置7とほぼ同一の長さ)を有したH型鋼であり、その一面をレールとして機能させている。また、走行レール20には、車輪等が衝突したり擦れたり等することで発する金属音を低減可能な防音部材(図示しない)が取り付けられている。この防音部材は、樹脂やゴム等で成形されたものである。そして、本実施形態では、防音部材を、移動式昇降装置9の車輪30が当接するレール部に取り付けている。
移動式昇降装置9は、図21、22に示すように、物品が載置される載置部11と、載置部11を昇降する昇降手段12と、それらを支持する移動式架台13とを有する。
載置部11は、図23に示すように、外枠を形成する外枠体31と、その外枠体31の内側に一体的に取り付けられた昇降側搬送装置15からなる。
外枠体31は、平面視した形状がほぼ正方形を呈した枠であり、対向する一対の辺部にローラ配置部41、42が設けられている。このローラ配置部41、42には、それぞれ3本のフリーローラ43〜45を設置することができる。なお、ローラ配置部41、42に設置されたフリーローラ43〜45は、後述する昇降側搬送装置15のローラ140、141、145と同一方向への回転が可能である。
昇降側搬送装置15は、3列のローラ群46〜48を有したローラコンベアユニットであり、各ローラ群46〜48は、所定の姿勢で固定フレーム63に配設されている。具体的には、各ローラ群46〜48は、ローラの回転方向を同一にして、各ローラ群46〜48が互いに並列するように固定されている。
より具体的には、各ローラ群46〜48は、駆動源を持たない2つのフリーローラ群46、48と、駆動源を備えた1つの駆動ローラ群47に区分されており、当該駆動ローラ群47は、フリーローラ群46、48の間に位置するような配列にされている。すなわち、昇降側搬送装置15は、固定フレーム63のほぼ中央に駆動ローラ群47が設けられ、その駆動ローラ群47を挟むような位置にフリーローラ群46、48が設けられている。
駆動ローラ群47は、モータ121が内蔵された1本のモータ内蔵ローラ140と、そのモータ内蔵ローラ140を駆動源とした複数(本実施形態では6本)の従動ローラ141とを有する。なお、本実施形態では、モータ内蔵ローラ140は、従動ローラ141の駆動源として使用されるだけで、ローラ本体131に直接的に物品を載置して搬送するといった役割はない。
モータ内蔵ローラ140は、図24に示すように、ローラ本体131にベルト係合用の溝150が設けられている点及びローラ本体131の長さが短い点以外は、その基本構造が前記したモータ内蔵ローラ130とほぼ同様であるため、同様の機能を果たす部分に同一の符番を付して、具体的な説明は省略する。以下、他のモータ内蔵ローラについても同様とする。
従動ローラ141は、例えば、図25に示すような構造のローラ本体回転型の空転ローラであり、ローラ本体142の中にモータ等が内蔵されていない。すなわち、従動ローラ141は、ローラ本体142と、そのローラ本体142の両端から軸線方向に突出した支持軸143、144を備えた構成である。そして、従動ローラ141は、支持軸143、144に対して、ローラ本体142を相対的に回転可能な構造となっている。
また、従動ローラ141のローラ本体142には、前記したモータ内蔵ローラ140と同様、ベルト係合用の溝150が設けられている。
そして、駆動ローラ群47では、1本のモータ内蔵ローラ140と、6本の従動ローラ141が、所定の配置で並列に並べられ、隣接するローラ140、141同士をベルト151で懸架している。より具体的には、1本のモータ内蔵ローラ140を基準に、その前後に3本ずつの従動ローラ141が並列状に並べられ、隣接するローラ140、141同士が同期的に回転できるように、その隣接するローラ140、141間のそれぞれにベルト151が懸架されている。したがって、駆動ローラ群47では、ベルト151によって、各ローラ140、141の全てが連動的に回転する。
フリーローラ群46、48は、前記したように、駆動源たるモータ内蔵ローラ140を有しておらず、フリーローラ145のみで構成されている。そして、フリーローラ群46、48は、駆動ローラ群47に設けられた従動ローラ141と同数(本実施形態では6本)のフリーローラ145が設けられ、当該6本のフリーローラ145を駆動ローラ群47の従動ローラ141とほぼ同一位置に配列した構造となっている。また、このフリーローラ145は、図26に示すように、前記した従動ローラ141と同様、ローラ本体146の両端から突出した支持軸143、144を有し、その支持軸143、144に対してローラ本体146が相対的に回転する空転ローラが採用されているが、前記従動ローラ141に比べると、軸線方向の長さが短い構造を有する。さらに、このフリーローラ145には、ローラ本体146にベルト係合用の溝が設けられていない。
昇降手段12は、図21に示すように、チェーン機構を有する装置であって、当該チェーン機構が載置部11の外枠体31の対向する一対の辺側に設けられ、載置部11を4点支持して昇降させるものである。具体的には、昇降手段12は、図22に示すように、同一構造を有した2組のチェーンユニット18を有し、当該チェーンユニット18を、載置部11に設けられた各ローラの軸線方向に対向する当該載置部11の一対の辺側に設けている。そして、各チェーンユニット18を、その載置部11の外枠体31の4つの頂点近傍に接続している。
そして、本実施形態では、各チェーンユニット18が、図27に示すように、2つの昇降用のチェーン(以下、昇降チェーンという)25と、各昇降チェーン25の走行に寄与する2つのスプロケット75、76と、各昇降チェーン25と載置部11とを繋ぐ昇降連結体26と、昇降チェーン25に動力を伝達する伝達手段27と、モータ117とで構成されている。
昇降チェーン25は、所定の長さを有した長尺体であり、その両端部に昇降連結体26との連結に寄与する接続部33、34が備えられている。すなわち、昇降チェーン25は、その両端部の接続部33、34を昇降連結体26に接続することで、環状を呈する形状が形成される。また、環状の昇降チェーン25の内側で、2つのスプロケット75、76を当該昇降チェーン25に係合させることで、当該昇降チェーン25がスプロケット75、76に連動して走行可能となる。なお、接続部33、34は、ボルト状の部分であり、ナットとの組み合わせによって、昇降連結体26への接続を強固なものとすることができる。
昇降連結体26は、外観がハンマーのような形状であり、長方形状の広がりを有した連結主体35と、当該連結主体35から突出した棒状の連結副体36とで構成されている。
連結主体35は、昇降チェーン25の接続部33、34が挿着される2つの接続孔65、66を有する。この2つの接続孔65、66は、連結主体35の対向する辺側に1つずつ設けられている。また、その連結主体35における接続孔65、66のうちの一方が位置する辺側に、連結副体36が設けられている。すなわち、連結副体36は、連結主体35に昇降チェーン25が接続されると、その昇降チェーン25に対して、平行姿勢をとることができる配置である。
また、昇降連結体26は、昇降チェーン25の走行方向を規制するべく、ガイド用溝部(図示しない)が設けられており、後述する移動式架台13に設けられたガイド用突条部と係合する構造となっている。
伝達手段27は、モータ117と直接的に接続された直接伝達部37と、直接伝達部37から伝達された動力を昇降チェーン25に伝達する間接伝達部38を有する。
直接伝達部37は、2つのスプロケット71、72と、その2つのスプロケット71、72に懸架されるチェーン(以下、動力伝達チェーンという)73とで構成されている。そして、直接伝達部37は、1つのスプロケット71をモータ117の出力軸側に一体的に取り付け、他の1つのスプロケット72を間接伝達部38側に取り付けて、動力伝達チェーン73を介して、連動的に回転可能に接続されている。かかる構成により、直接伝達部37は、モータ117の回転動力を、間接伝達部38に伝達することが可能となる。
間接伝達部38は、所定の長さを有したローラである。そして、この間接伝達部38は、スプロケットを一体的に取り付け可能な構造となっている。すなわち、間接伝達部38には、ローラの端部側に、直接伝達部37の1つのスプロケット72と、昇降チェーン25と係合する2つのスプロケット75が取り付けられる。より具体的には、間接伝達部38は、一方の端部側に、2つのスプロケット装着部があり、他方の端部側に1つのスプロケット装着部がある。そして、図22に示すように、スプロケット72、75が、前記一方の端部側のスプロケット装着部に装着され、残りのスプロケット75が、前記他方の端部側のスプロケット装着部に装着されている。また、前記したように、直接伝達部37側のスプロケット72には、動力伝達チェーン73が懸架されている。かかる構成により、モータ117の回転動力が、直接伝達部37を介して、間接伝達部38に伝達され、昇降チェーン25の走行に寄与する2つのスプロケット75を同期的に回転駆動させることができる。
モータ117は、減速機と一体化された公知のギヤードモータである。そして、モータ117には、減速機側から突出した出力軸に、伝達手段27の直接伝達部37の1つのスプロケット71が装着されている。
移動式架台13は、ラーメン構造を有した架台本体19と、架台本体19の下部に設けられた複数(本実施形態では4つ)の車輪機構24により構成されている。
架台本体19は、図22、28に示すように、同一構造の2つの主架台28と、連結体39からなるものであり、2つの主架台28を平行状態に配して、2つの連結体39で一体的に連結したものである。
主架台28は、ラーメン構造を有する部分であり、2つの柱部125を、当該柱部125の上部側に配した1つの梁部126によって接続して形成されている。
柱部125には、昇降手段12の昇降チェーン25の走行を規制するべく、ガイド用溝部128が設けられている。このガイド用溝部128は、柱部125の延伸方向、つまり鉛直方向に沿って形成されており、昇降手段12のガイド用突起部(図示しない)を係合させることで、当該昇降手段12の昇降チェーン25を鉛直方向に沿って相対移動可能にする。
梁部126には、その上面側に、昇降手段12のモータ117及び間接伝達部38を固定する機器取付部155、156が設けられている。
連結体39は、断面が「コ」字状の溝型鋼であり、平面視した形状が直線状である。一方、この連結体39は、側面視すると、長手方向中途の部分が下方に向けて変形した形状となっている。また、この連結体39には、長手方向両端側に、接続部(図示しない)が設けられている。すなわち、連結体39は、2つの主架台28の下部側に配されて、前記接続部を介して主架台28に接続される。また、連結体39には、物品の搬送に寄与する補助ローラ147が2つ設けられている。
車輪機構24は、主に、車輪30と、当該車輪30を駆動するモータ124により構成されたものである。より具体的には、この車輪機構24は、車輪ケース80を有し、図29に示すように、当該車輪ケース80内に車輪30及びモータ124が配され、環状の車輪駆動用ベルト81を介して、モータ124の回転動力が車輪30に伝達される構造となっている。なお、このモータ124は、減速機と一体化された公知のギヤードモータである。
そして、移動式昇降装置9では、移動式架台13を基準に、他の部材等が一体的に接続されている。すなわち、移動式昇降装置9では、図21に示すように、昇降手段12の2つのチェーンユニット18が、移動式架台13を構成する主架台28側に、所定の状態で取り付けられている。具体的には、各チェーンユニット18は、モータ117及び伝達手段27の間接伝達部38を、各主架台28の上部に配された機器取付部155、156に設置している。そして、4つの昇降チェーン25を、主架台28の上部側において、スプロケット75を介して、間接伝達部38に接続している。すなわち、主架台28の上部側で間接伝達部38に一体的に接続された4つのスプロケット75のそれぞれに、1つずつの昇降チェーン25が懸架されている。これにより、昇降チェーン25は、主架台28の柱部125に沿って垂下した姿勢となっている。そして、主架台28の下部側において、昇降チェーン25は、走行に寄与する残りのスプロケット76に懸架されている。またこれと同時に、昇降手段12の昇降連結体26が、主架台28のガイド用溝部128に係合した状態となっている(図示しない)。これにより、昇降チェーン25は、主架台28の柱部125に沿って、鉛直方向に沿った方向にのみ走行が可能となる。
また、載置部11は、各昇降チェーン25に連結された昇降連結体26に一体的に接続されている。具体的には、昇降連結体26には、連結副体36があり、その連結副体36が、載置部11の4つの頂点近傍にそれぞれ接続されている。つまり、載置部11は、昇降連結体26を介して、昇降チェーン25と間接的に接続されている。さらに言えば、載置部11は、移動式架台13に支持された昇降手段12と連結されているため、当該昇降手段12を介して、当該移動式架台13に間接的に支持されている。このとき、載置部11の各ローラは、その軸線方向が、昇降手段12のモータ117や間接伝達部38の軸線方向と直交する姿勢となっている。
次に、保管手段3について説明する。
保管手段3は、図2、30に示すように、上下二段のラック16と、ラック16の上下のそれぞれに設けられた保管側搬送装置6を有する。
ラック16は、立方状の空間を形成する単位枠体を高さ方向に2段重ね、さらに上下段のそれぞれにおいて、平面方向にも複数並べた構造の骨格部材である。
保管側搬送装置6は、ほぼ同一構造のコンベアユニット23を複数(本実施形態では、各保管区画SA〜SEに対して6つずつ)有し、それらのコンベアユニット23を直列的に並べたものである。なお、このコンベアユニット23は、載置部11の昇降側搬送装置15とほぼ同一構造のローラコンベアである。そのため、保管側搬送装置6の部材であって、昇降側搬送装置15の各部材と同様の機能を果たす部分には同一の符番を付して具体的な説明は省略する。
次に、本実施形態の物品搬送装置における水平搬送装置と鉛直搬送装置の具体的な位置関係について説明する。
本実施形態の物品搬送装置2では、水平搬送装置7の物品の搬送方向と、鉛直搬送装置8の水平移動の方向とが一致する配置となっている。すなわち、図1に示すように、鉛直搬送装置8が、水平搬送装置7における複数の水平搬送ユニット21の配列方向、つまり物品を搬送するチェーン53の走行方向に沿うように、水平移動する配置となっている。具体的には、鉛直搬送装置8は、その走行レール20の延伸方向を、水平搬送装置7の水平搬送ユニット21の配列方向に一致させている。
また、本実施形態の物品搬送装置2では、鉛直搬送装置8の平行に並ぶ2本の走行レール20の内側に、水平搬送装置7を配している。つまり、この走行レール20に配された移動式昇降装置9は、全体として、水平搬送装置7の幅方向(水平搬送ユニット21の配列方向に直交する方向)外側に跨いだ配置となる。
一方で、移動式昇降装置9の昇降側搬送装置15は、水平搬送装置7の内側に収まり得る配置である。つまり、昇降側搬送装置15は、図31に示すように、移動式昇降装置9の水平移動方向所定の位置において、昇降手段12によって下方に下げた際に、水平搬送装置7の内側に嵌り込んだ配置となる。つまり、昇降側搬送装置15の搬送面が、水平搬送装置7の搬送面よりも下方に待避した状態となる。またこのとき、昇降側搬送装置15が水平搬送装置7の内側に収まった配置になれば、図32に示すように、昇降側搬送装置15と接続された外枠体31の対向する一対の辺が、直列して並んだ水平搬送ユニット21同士の間に配される。
また、本実施形態では、走行レール20上に移動式昇降装置9が配された状態において、昇降側搬送装置15の各ローラの軸線方向が、水平搬送装置7のチェーン53の走行方向と一致する関係となっている。すなわち、本実施形態では、鉛直搬送装置8の昇降側搬送装置15による物品の搬送方向と、水平搬送装置7による物品の搬送方向とが直交する関係にされている。
続いて、本実施形態の物品搬送装置2の作用について説明する。
物品搬送装置2は、水平搬送装置7によって、物品を水平方向所望の位置まで搬送し、さらに、鉛直搬送装置8を用いて、当該物品を鉛直方向所望の位置まで搬送することができる装置である。
物品を水平方向に搬送する場合には、水平搬送装置7が使用される。
水平搬送装置7では、まず、水平搬送ユニット21のモータ内蔵ローラ130に内蔵されたモータ111が駆動制御される。すると、モータ内蔵ローラ130に接続されたスプロケット57が回転するため、そのスプロケットと係合したチェーン53が連動的に走行する。これにより、当該水平搬送ユニット21上に載置された物品は、チェーン53の走行にしたがって搬送される。
一方、物品を鉛直方向に搬送する場合には、鉛直搬送装置8が使用される。
鉛直搬送装置8では、まず、昇降手段12のモータ117を駆動して、載置部11の昇降側搬送装置15を、水平搬送ユニット21の搬送面よりも下方に待避させた姿勢に移行させる。そして、水平搬送ユニット21によって、物品が載置部11の上部に至れば、再び、昇降手段12のモータ117を駆動して、載置部11を水平搬送ユニット21の搬送面よりも上方に浮上させる。そして、載置部11が所定の高さに至れば、昇降手段12の動作を停止して、昇降側搬送装置15を作動させる。すなわち、昇降側搬送装置15のモータ内蔵ローラ140に内蔵されたモータ121を駆動制御する。すると、モータ内蔵ローラ140とベルトで係合された複数の従動ローラ141が同期的に回転する。これにより、当該昇降側搬送装置15上に載置された物品は、モータ内蔵ローラ140及び従動ローラ141の回転にしたがって搬送される。
かかる作用により、搬送域Cにおいて、物品を水平方向と、鉛直方向に円滑に搬送することが可能となる。
上記実施形態では、鉛直搬送装置8や保管手段3において、隣接するローラをベルトで連結して、各ローラに動力を伝動する駆動ローラ群47を採用した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、1本のチェーンを複数のローラ間に懸架して各ローラを同期回転させてもよい。また、ローラコンベアだけでなく、ベルトコンベアにも応用しても構わない。
また、上記実施形態では、保管手段3において、1つの制御ゾーンに1つのモータ内蔵ローラ140を配設した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、1つの制御ゾーンに2以上のモータ内蔵ローラ140を配設した構成であっても構わない。
1 物品保管装置
2 物品搬送装置
3 保管手段
6 保管側搬送装置
7 水平搬送装置
8 鉛直搬送装置
9 移動式昇降装置
11 載置部
13 移動式架台
15 昇降側搬送装置
20 走行レール
30 車輪
C 搬送域
CA〜CE 搬送区画
S 保管域
SA〜SE 保管区画
Wp 物品

Claims (7)

  1. 物品を水平方向に搬送する水平搬送装置と、
    物品を鉛直方向に搬送する鉛直搬送装置とを備え、
    水平搬送装置は、直列的に並んだ独立制御可能な複数の制御ゾーンに分割されており、
    鉛直搬送装置は、水平搬送装置の走行方向と同一方向に移動可能な移動式架台と、物品が載置される載置部と、載置部を昇降する昇降手段を有し、
    水平搬送装置のいずれかの制御ゾーンにおいて物品を鉛直方向所望の高さに移動させる際には、当該制御ゾーンと同一の水平方向の位置まで鉛直搬送装置を移動した後、当該物品を、水平搬送装置によって当該制御ゾーンに搬送し、鉛直搬送装置の載置部で下方からすくい上げることを特徴とする物品搬送装置。
  2. 水平搬送装置のいずれかの制御ゾーンにおいて物品を鉛直方向所望の高さに移動させる際には、当該制御ゾーンと同一の水平方向の位置に鉛直搬送装置が至るまで、当該物品を当該制御ゾーンと隣接する制御ゾーンに待機させる待機機能が具備されていることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
  3. 載置部には、物品を水平方向に搬送するための昇降側搬送部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品搬送装置。
  4. 移動式架台は、移動用の車輪を有し、当該車輪は、所定のレールに沿って走行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の物品搬送装置。
  5. 移動式架台は、並設された2本のレールに沿って移動するものであり、当該2本のレールの間に、水平搬送装置が設置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の物品搬送装置。
  6. 並列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、
    前記複数の保管区画に跨って物品を水平方向に搬送する水平搬送装置と、
    物品を鉛直方向に搬送する鉛直搬送装置とを備え、
    水平搬送装置は、直列的に並んだ独立制御可能な複数の制御ゾーンに分割され、当該各制御ゾーンに対応するように保管区画が振り分けられており、
    鉛直搬送装置は、水平搬送装置の走行方向と同一方向に移動可能な移動式架台と、物品が載置される載置部と、載置部を昇降する昇降手段を有し、
    保管区画のいずれかに物品を保管する際には、当該保管区画に対応する制御ゾーンと同一の位置まで鉛直搬送装置を移動した後、当該物品を、水平搬送装置によって当該制御ゾーンに搬送し、鉛直搬送装置の載置部で下方からすくい上げることを特徴とする物品保管装置。
  7. 保管区画のそれぞれには、物品を水平方向に搬送する保管側搬送装置が備えられ、
    保管側搬送装置は、直列的に並んだ独立制御可能な複数の制御ゾーンに分割されており、当該制御ゾーンは、鉛直搬送装置の載置部と物品の搬出入が可能な鉛直搬送側制御ゾーンと、当該鉛直搬送側制御ゾーンと物品の搬送方向に対向する側に設けられる離反側制御ゾーンを少なくとも有し、
    物品を離反側制御ゾーンから詰めて保管することが可能であることを特徴とする請求項6に記載の物品保管装置。
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