JP7138849B2 - 近赤外線吸収ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、近赤外線を選択的に吸収することが可能な近赤外線吸収ガラスの製造方法に関するものである。
一般に、デジタルカメラやスマートフォン等の光学デバイス内のカメラ部分には、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補性金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子の視感度補正を目的として、近赤外線吸収ガラスが用いられている。近赤外線吸収ガラスとして必要な分光特性を満足するために、Cu含有リン酸ガラスが一般に用いられている。近赤外線吸収ガラスには、実用上、化学的耐久性や耐候性も要求されるため、組成及び製造方法の改良が種々行われてきた。
リン酸ガラスの化学的耐久性や耐候性を向上させるため、ガラス骨格を補強するSiOやAlを含有させることが提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、その場合、溶融性が低下して溶融温度が上昇する傾向がある。溶融温度が上昇すると、近赤外域に吸収を示すCu2+イオンが還元され、紫外域に吸収を示すCuイオンが生成し、紫外~可視域の光透過率が低下しやすくなるため、所望の分光特性が得られにくくなる。
そこで、銅の酸化状態を維持するために、原料に酸化剤を添加する方法が提案されている。
特開2011-121792号
しかしながら、酸化剤の添加は、それ自身が分光特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
以上に鑑み、本発明は、分光特性に優れた近赤外線吸収ガラスを容易に製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明の近赤外線吸収ガラスの製造方法は、質量%で、P 10~70%、CuO 3~40%、RO 0超~50%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)を含有する近赤外線吸収ガラスの製造方法であって、原料を加熱溶融して溶融ガラスにし、前記溶融ガラスを1000℃以下に保持しながら、前記溶融ガラス中に酸化性ガスをバブリングすることを特徴とする。このようにすれば、1000℃以下という低い温度で溶融ガラスを保持することで、溶融ガラスが酸化されやすくなる。さらに、溶融ガラス中に酸化性ガスをバブリングすることにより、溶融ガラス中に酸化性ガスが取り込まれ、溶融ガラスがさらに酸化されやすくなる。その結果、溶融ガラス中に含まれるCuをCu2+に価数変化させることが容易になり、Cuの量が少なく、優れた分光特性を有するガラスを得ることができる。
本発明の近赤外線吸収ガラスの製造方法において、近赤外線吸収ガラスが、質量%で、P 20~60%、CuO 5~35%、RO 0超~40%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)、Al 0~19%、R’O 0~50%(ただし、R’はMg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)を含有することが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラスは、質量%で、P 10~70%、CuO 3~40%、RO 0超~50%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)を含有し、厚みが0.2mm未満であり、厚み0.05mmにて波長500nmにおける光透過率が82%以上であることを特徴とする。本発明の近赤外線吸収ガラスは、CuOを3質量%以上含有しているため、厚みが0.2mm未満と薄くても優れた分光特性を得ることができる。また、厚みが0.2mm未満と薄いため、光学デバイスを薄型化しやすい。
本発明の近赤外線吸収ガラスは、厚み0.05mmにて波長800nmにおける光透過率が50%以下であることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラスは、質量%で、P 10~70%、CuO 3~40%、RO 0超~50%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)を含有し、溶存酸素量が100μL/g以上であることを特徴とする。本発明の近赤外線吸収ガラスは、溶存酸素量が100μL/g以上と多く十分に酸化されているため、ガラス中に含まれるCuの量が少なく、優れた分光特性を有しやすい。なお、「溶存酸素量」とは、ガラスをヘリウム等の不活性雰囲気下にて8℃/分の昇温速度で450℃から1450℃まで加熱した際にガラスが放出した酸素の量を意味する。
本発明の近赤外線吸収ガラスは、質量%で、CuO 3~40%を含有し、厚み0.05mmにて波長500nmにおける光透過率が82%以上であり、波長800nmにおける光透過率が50%以下であることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、分光特性に優れた近赤外線吸収ガラスを容易に製造することが可能となる。
本発明の近赤外線吸収ガラスの製造方法について説明する。
まず、所望の組成を有するガラスとなるように調合したガラス原料を加熱溶融して溶融ガラスを得る。溶融温度は500~1200℃、550~1100℃、特に600~1000℃であることが好ましい。溶融温度が低すぎると、均質なガラスが得にくくなる。一方、溶融温度が高すぎると、溶融ガラスが還元されてCuの量が多くなりすぎるため、後に1000℃以下の温度に保持して酸化性ガスバブリングを行ってもCuの量を十分に少なくすることが困難になる。その結果、所望の分光特性が得られにくくなる。
得られた溶融ガラスを一定の温度にて保持する。保持温度は1000℃以下であり、950℃以下、特に900℃以下であることが好ましい。保持温度が高すぎると、CuがCu2+に十分に酸化されず、所望の分光特性が得られにくくなる。なお、保持温度が低すぎると溶融ガラス保持中あるいは成形時に失透が発生しやすくなるため、保持温度の下限は500℃以上、550℃以上、特に600℃以上であることが好ましい。また、溶融ガラスの保持温度での保持時間は1~20時間、特に3~18時間であることが好ましい。保持時間が短すぎると、CuがCu2+に十分に酸化されず、所望の分光特性が得られにくくなる。一方、保持時間が長すぎると、ガラス成分が揮発して所望の組成が得られにくくなる。その結果、分光特性等に悪影響を及ぼすおそれがある。
さらに、保持温度で溶融ガラスを保持する際に溶融ガラス中に酸化性ガスをバブリングする。このようにすれば、溶融ガラスが酸化されやすくなるため、Cuの量が少なくなり優れた分光特性を得やすくなる。なお、酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、窒素酸化物(亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素等)等が挙げられる。コスト、環境面、安全面を考慮すると、特に酸素であることが好ましい。
一定時間保持した溶融ガラスは、その後所望の形状に成形される。成形方法としては、鋳造法、ダウンドロー法、ロールアウト法等が挙げられる。成形後のガラスは必要に応じて切断や研磨等の後加工を経て近赤外線吸収ガラスが得られる。
次に、本発明の近赤外線吸収ガラスについて説明する。
本発明の近赤外線吸収ガラスは、質量%で、P 10~70%、CuO 3~40%、RO 0超~50%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)を含有する。ガラス組成をこのように規制した理由を以下に説明する。
はガラス骨格を形成するために欠かせない成分である。Pの含有量は10~70%であり、20~60%、31~56%、41~50%、特に45~49%であることが好ましい。Pの含有量が少なすぎると、ガラス化しにくくなったり、所望の分光特性が得られにくくなる。具体的には、近赤外線吸収特性が低下しやすくなる。一方、Pの含有量が多すぎると、耐候性が低下しやすくなる。
CuOは近赤外線を吸収するための必須成分である。CuOの含有量は3~40%であり、4~37%、5~35%、特に6~30%であることが好ましい。CuOの含有量が少なすぎると、所望の近赤外線吸収特性を得るためにガラスを厚くする必要があり、結果として光学デバイスを薄型化しにくくなる。一方、CuOの含有量が多すぎると、液相温度が高くなり、耐失透性が低下しやすくなる。
O(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)は溶融温度を低下させる成分である。ROの含有量は0超~50%であり、0超~40%、3~30%、特に5~20%であることが好ましい。ROの含有量が少なすぎると、溶融温度が高くなり、後に1000℃以下の温度に保持して酸化性ガスバブリングを行ってもCuの量を十分に少なくすることが困難になる。結果として所望の分光特性が得にくくなる。ROの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。
なお、ROの各成分の好ましい範囲は以下の通りである。LiOの含有量は0~50%、0超~40%、3~30%、特に5~20%であることが好ましい。NaOの含有量は0~50%、0超~40%、3~30%、特に5~20%であることが好ましい。KOの含有量は0超~50%、0超~40%、3~30%、特に5~20%であることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラスには、上記成分以外にも下記の成分を含有させることができる。
Alは耐候性を大幅に向上させる成分である。また、耐失透性を向上させる成分でもある。Alの含有量は0~19%、3~14%、3~8%、特に4~6%であることが好ましい。Alの含有量が多すぎると、溶融性が低下して溶融温度が上昇する傾向がある。
R’O(ただし、R’はMg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)は耐候性を改善するとともに、溶融性を向上させる成分である。また、耐失透性を向上させる成分でもある。R’Oの含有量は0~50%、3~30%、特に5~20%であることが好ましい。R’Oの含有量が多すぎると、成形時にR’O成分起因の結晶が析出しやすくなる。
なお、R’Oの各成分の含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
MgOは耐候性を改善する成分である。MgOの含有量は0~15%、特に0.4~7%であることが好ましい。MgOの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。
CaOはMgOと同様に耐候性を改善する成分である。CaOの含有量は0~15%、特に0.4~7%であることが好ましい。CaOの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。
SrOもMgOと同様に耐候性を改善する成分である。SrOの含有量は0~12%、特に0.3~5%であることが好ましい。SrOの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。
BaOはガラス化の安定性を高めるとともに、耐候性を向上させる成分である。特にPが少ない場合に、BaOによるガラス化安定性の効果を享受しやすい。BaOの含有量は0~30%、5~30%、7~25%、特に7.2~23%であることが好ましい。BaOの含有量が多すぎると、成形中にBaO起因の結晶が析出しやすくなる。
なお、本発明の近赤外線吸収ガラスは、CuOを3%以上と多く含有している。CuOの含有量が多くなると失透しやすくなるが、AlやR’Oを含有させることにより耐失透性を向上させることができる。
ZnOはガラス化の安定性及び耐候性を改善する成分である。ZnOの含有量は0~13%、0.1~12%、特に1~10%であることが好ましい。ZnOの含有量が多すぎると、溶融性が低下して溶融温度が高くなり、結果として所望の分光特性が得られにくくなる。また、ZnO成分起因の結晶が析出しやすくなる。なお、特にPが少ない場合に、ZnOによるガラス化安定性の効果を享受しやすい。
Nb及びTaは耐候性を高める成分である。Nb及びTaの各成分の含有量は0~20%、0.1~20%、1~18%、特に2~15%であることが好ましい。これらの成分の含有量が多すぎると、溶融温度が高くなって、所望の分光特性が得にくくなる。なお、Nb及びTaの合量は0~20%、0.1~20%、1~18%、特に2~15%であることが好ましい。
GeOは耐候性を高める成分である。GeOの含有量は0~20%、0.1~20%、0.3~17%、特に0.4~15%であることが好ましい。GeOの含有量が多すぎると、溶融温度が高くなって、所望の分光特性が得られにくくなる。
SiOはガラス骨格を強化する成分である。また、耐候性を向上させる効果がある。SiOの含有量は0~10%、0.1~8%、特に1~6%であることが好ましい。SiOの含有量が多すぎると、かえって耐候性が低下しやすくなる。また、ガラス化が不安定になる傾向がある。
また、上記成分以外にも、B、Y、La、CeO、Sb等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させても構わない。具体的には、これらの成分の含有量は、各々0~3%、特に各々0~2%であることが好ましい。なお、フッ素を含有させることにより化学的耐久性を向上させることが可能であるが、フッ素は環境負荷物質であるため、アニオン%で、15%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に含有しないことが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラスの液相温度は900℃以下、890℃以下、880℃以下、870℃以下、860℃以下、特に850℃以下であることが好ましい。液相温度が高すぎると、製造工程において(特に成形時に)失透しやすくなる。
上記の方法で得られた近赤外線吸収ガラスは、可視域における高い光透過率及び近赤外域における優れた光吸収特性の両者を達成することが可能となる。具体的には、厚み0.05mmにて、波長500nmにおける光透過率は82%以上であり、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、特に88%以上であることが好ましい。一方、波長800nmにおける光透過率は50%以下、40%以下、35%以下、30%以下、29%以下、28%以下、27%以下、特に26.5%以下であることが好ましく、波長1200nmにおける光透過率は70%以下、65%以下、60%以下、59%以下、58%以下、57%以下、56%以下、特に55%以下であることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラスは、通常、板状で用いられる。厚みは0.2mm未満であり、0.18mm以下、0.15mm以下、0.12mm以下、0.1mm以下、0.1mm未満、0.07mm以下、特に0.05mm以下であることが好ましい。厚みが大きすぎると、光学デバイスの薄型化が困難になる傾向がある。なお、機械的強度の観点から厚みの下限は0.01mm以上であることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラスの溶存酸素量は100μL/g以上であり、500μL/g以上、1000μL/g以上、1500μL/g以上、2000μL/g以上、2500μL/g以上、3000μL/g以上、3100μL/g以上、3200μL/g以上、3300μL/g以上、特に3400μL/g以上であることが好ましい。溶存酸素量が少なすぎると、ガラスが十分に酸化されていないため、ガラス中に含まれるCuの量が多く所望の分光特性が得られにくくなる。なお、溶存酸素量の上限は特に限定されないが、現実的には100000μL/g以下である。
以下、本発明の近赤外線吸収ガラスの製造方法を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
質量%で、P 46.0%、CuO 6.9%、KO 13.9%、Al 6.6%、MgO 2.7%、CaO 3.7%、BaO 20.2%の組成となるように調合した原料粉末を円筒状の白金ルツボに投入し、900℃で2時間加熱溶融することにより均質な溶融ガラスとした。さらに、溶融ガラス中に酸素をバブリングしながら、溶融ガラスを900℃で5時間保持した。次に、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、冷却固化した後、アニールを行った。得られた板状ガラスについて、0.05mm厚となるように両面を鏡面研磨することにより、近赤外線吸収ガラスを得た。得られた近赤外線吸収ガラスについて、分光光度計(島津製作所社製UV-3100PC)を用いて、波長300~1300nmの範囲で光透過率を測定した。波長500nmにおいて89%、波長800nmにおいて26%、波長1200nmにおいて52%と良好な分光特性を示した。また、得られた近赤外線吸収ガラスについて、昇温脱離ガス分析装置(キヤノンアネルバ社製)を用いて、ヘリウム雰囲気下にて8℃/分の昇温速度で450℃から1450℃まで加熱した際にガラスが放出した酸素の量(溶存酸素量)を測定したところ、3300μL/gであった。
(実施例2)
溶融ガラス中に酸素をバブリングする際の溶融ガラスの保持温度を950℃、保持時間を6時間に変更したこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収ガラスを得た。得られた近赤外線吸収ガラスの光透過率は、波長500nmにおいて88%、波長800nmにおいて26%、波長1200nmにおいて53%であり、溶存酸素量は3100μL/gであった。
(実施例3)
溶融ガラス中に酸素をバブリングする際の溶融ガラスの保持温度を880℃、保持時間を8時間に変更したこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収ガラスを得た。得られた近赤外線吸収ガラスの光透過率は、波長500nmにおいて90%、波長800nmにおいて25%、波長1200nmにおいて52%であり、溶存酸素量は3400μL/gであった。
(実施例4~52)
組成を表1~5の通り変更したこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線透過ガラスを作製し、光透過率、及び溶存酸素量を測定した。結果を表1~5に示す。
Figure 0007138849000001
Figure 0007138849000002
Figure 0007138849000003
Figure 0007138849000004
Figure 0007138849000005
表1~5から明らかなように、実施例4~52の光透過率は、波長500nmにおいて85~90%、波長800nmにおいて19~31%、波長1200nmにおいて49~57%であり、溶存酸素量は3000~3500μL/gであった。
(比較例)
質量%で、P 62.1%、CuO 7.6%、Al 3.8%、MgO 3.1%、CaO 2.9%、BaO 20.5%の組成となるように調合した原料粉末を円筒状の白金ルツボに投入し、1100℃で2時間加熱溶融することにより均質な溶融ガラスとした。次に、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、冷却固化した後、アニールを行った。得られた板状ガラスについて、0.05mm厚となるように両面を鏡面研磨することにより、近赤外線吸収ガラスを得た。得られた近赤外線吸収ガラスについて、分光光度計(島津製作所社製UV-3100PC)を用いて、波長300~1300nmの範囲で光透過率を測定した。波長500nmにおいて76%、波長800nmにおいて52%、波長1200nmにおいて72%となった。
上記から明らかなように、実施例1~52は比較例と比較して可視域での光透過率が高く、また近赤外光をシャープにカットしていることがわかる。

Claims (5)

  1. 質量%で、P 10~70%、CuO ~40%、R12.6~50%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)、K O 12.2~18.7%、MgO 1.7~15%、CaO 3.5~15%を含有し、フッ素を含有しない近赤外線吸収ガラスの製造方法であって、
    原料を加熱溶融して溶融ガラスにし、
    前記溶融ガラスを1000℃以下に保持しながら、前記溶融ガラス中に酸化性ガスをバブリングすることを特徴とする近赤外線吸収ガラスの製造方法。
  2. 近赤外線吸収ガラスが、質量%で、P 20~60%、CuO ~35%、R12.6~40%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)、K O 12.2~18.7%、Al 0~19%、R’O 19.6~50%(ただし、R’はMg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)、MgO 1.7~15%、CaO 3.5~15%を含有し、フッ素を含有しないことを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収ガラスの製造方法。
  3. 質量%で、P 10~70%、CuO ~40%、R12.6~50%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)、K O 12.2~18.7%、MgO 1.7~15%、CaO 3.5~15%を含有し、フッ素を含有せず
    厚みが0.2mm未満であり、
    厚み0.05mmにて波長500nmにおける光透過率が82%以上であることを特徴とする近赤外線吸収ガラス。
  4. 厚み0.05mmにて波長800nmにおける光透過率が50%以下であることを特徴とする請求項3に記載の近赤外線吸収ガラス。
  5. 質量%で、P 10~70%、CuO ~40%、R12.6~50%(ただし、RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)、K O 12.2~18.7%、MgO 1.7~15%、CaO 3.5~15%を含有し、フッ素を含有せず
    溶存酸素量が100μL/g以上であることを特徴とする近赤外線吸収ガラス。
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