JP5672300B2 - 近赤外線カットフィルタガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話に付属するデジタルスチルカメラやコンパクトタイプのデジタルスチルカメラなどの視感度補正フィルタに使用される、波長400〜600nmの可視光を効率よく透過し、波長700nm付近における近赤外光のシャープカット特性に優れた近赤外線カットフィルタガラスの製造方法及び近赤外線カットフィルタガラスに関する。
携帯電話に付属するデジタルスチルカメラやコンパクトタイプのデジタルスチルカメラに使用されるCCDやCMOS等の固体撮像素子は、可視域から1100nm付近の近赤外域にわたる分光感度を有している。従って、そのままでは良好な色再現性を得ることができないので、近赤外域の光をカットするフィルタを用いて視感度を補正することが必要である。
従来、このフィルタには近赤外波長を選択的に吸収するようにリン酸塩系ガラスにCuOを添加したガラスが使用されていた。このガラスは多量のPと必須成分としてCuOを含有しており、酸化性の溶融雰囲気で、多数の酸素イオンに配位されたCu2+イオンを形成させることによって青緑色を呈し、近赤外線カット特性を有するものである。
しかし、リン酸塩系ガラスは、化学的耐久性(耐候性)が不十分なため、ガラス研磨面にウェザリング(Weathering)を生じるので長期間にわたって使用するには難点がある。
このため、リン酸塩系ガラスの化学的耐久性の低さを改善するため、基礎ガラスとしてフツリン酸塩系ガラスを用い、これにCuOを添加したガラス、たとえば特開平1−219037号公報、特開平3−83834号公報に記載のフツリン酸塩系ガラスが開発されている。
特開平1−219037号公報 特開平3−83834号公報
携帯電話に付属するデジタルスチルカメラやコンパクトタイプのデジタルスチルカメラは本体の薄型化が進行しているため、それに伴って光学部品への薄型化要求が強まっている。近赤外線カットフィルタも例外ではなく、従来板厚0.3mm程度のフィルタが使われていたが、最近ではより薄肉である板厚0.15mm前後のフィルタが使われ始めている。現在、板厚0.15mm前後の近赤外線カットフィルタは、一般に白板といわれるガラスなどに誘電体多層膜を施し、反射により近赤外線をカットしている。
カメラ本体の薄型化が進行すると、レンズから固体撮像素子の受光面に至るまでの光学系の距離が短くなり、近赤外線カットフィルタの外周部に入射する光は入射角が大きくなる傾向がある。前記反射型近赤外線カットフィルタの場合、光の入射角が大きいと反射特性が長波長側にシフトする傾向があり、光の入射角が大きい外周部の映像が本来とは異なる色調となる問題が発生し易くなる(この傾向は、入射角が25°付近から顕著となる)。一方、CuOを含有した近赤外線カットフィルタガラスの場合は吸収によって近赤外線をカットするため、前述の光の入射角の問題は発生しない。
しかしながら、吸収型近赤外線カットフィルタの場合、0.15mm程度の板厚で十分な近赤外線カット特性を発揮させるにはガラスに高濃度のCuOを含有する必要があるが、前記フツリン酸塩系ガラスは、CuOの含有量を増加させると、波長300〜600nm付近に吸収を持つCuイオンのガラス中の濃度が高くなるため、400〜500nmの可視域における分光透過性が低下してガラスが緑色化の傾向を示し、可視域透過率特性の悪化が避けられないという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ガラスに高濃度のCuOを含有した場合でも、ガラス中のCuイオン濃度を制御することで、400〜600nmの可視域の光を効率よく透過し、板厚0.15mm程度以下の薄板に対応可能な近赤外線カットフィルタガラスを提供することを目的とする。
本発明は、下記化合物換算の質量百分率表示で下記の通りとなるように調合されたガラス原料と、硝酸化合物、硫酸化合物、過酸化物、過塩素酸化物および塩素酸からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる質量百分率表示で0.1〜5%の酸化剤とを、溶融・成形する近赤外線カットフィルタガラスの製造方法であることを特徴とする。
(ガラス原料)
・P : 30〜55%、
・AlF : 5〜15%、
・MgF、CaF、SrF、およびBaFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、MgF+CaF+SrF+BaFの合量 : 1〜50%、
・ZnF : 0〜20%、
・LiF、NaF、およびKFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、LiF+NaF+KFの合量 : 1〜16%、
・CuO : 5〜14%、
・Sb : 0.1〜3%。
・ただし、上記したフッ化物のフッ化物総合計量の70%までを酸化物に置換可能。
また、本発明は、下記化合物換算の質量百分率表示で下記の通りとなるように調合されたガラス原料と、硝酸化合物、硫酸化合物、過酸化物、過塩素酸化物および塩素酸からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる質量百分率表示で0.1〜5%の酸化剤とを、溶融・成形した近赤外線カットフィルタガラスであることを特徴とする。
(ガラス原料)
・P : 30〜55%、
・AlF : 5〜15%、
・MgF、CaF、SrF、およびBaFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、MgF+CaF+SrF+BaFの合量 : 1〜50%、
・ZnF : 0〜20%、
・LiF、NaF、およびKFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、LiF+NaF+KFの合量 : 1〜16%、
・CuO : 5〜14%、
・Sb : 0.1〜3%。
・ただし、上記したフッ化物のフッ化物総合計量の70%までを酸化物に置換可能。
また、本発明は、前記溶融・成形後のガラス板は、板厚0.15mmの換算値で、赤外線側の透過率が50%となる波長が590〜650nmであり、波長400nmの透過率が84%以上の近赤外線カットフィルタガラスであることを特徴とする。
本発明は、ガラスに高濃度のCuOを含有した場合でも、ガラス中のCuイオン濃度を制御することで、400〜600nmの可視域の光を効率よく透過し、板厚0.15mm程度以下の薄板に対応可能な近赤外線カットフィルタガラスを製造することができる。
本発明に係る実施例ガラス(例5)および比較例ガラス(例12)の分光透過率特性を示す図である。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスの製造方法は、近赤外線カット特性に必要なCuOをガラス中に含有し、これらCuOに起因するガラス中のCuイオン濃度を極力低く制御することで、上記課題を解決するものである。
CuOは、ガラス中においてCu2+イオンもしくはCuイオンとして存在する。CuOをガラス中に含有した近赤外線カットフィルタガラスの場合、大半の銅イオンを近赤外線カット特性を有するCu2+イオンの状態で存在させる必要がある。ガラス中のCu2+イオンを多くする方法として、ガラス原料に酸化剤を添加しガラスの溶融雰囲気を酸化状態とすることで、Cuイオンを酸化し、Cu2+イオン状態とする方法が考えられる。しかしながら、ガラス原料に酸化剤を添加して溶融を行う方法は、ガラス化反応の初期段階においては酸化剤の作用によりCuイオンは酸化されてCu2+イオンとなる効果が見られるものの、溶融時間の進行とともにCu2+イオンはCuイオンに戻るという現象が見られる。これは、ガラスの溶融が進行すると、遷移金属は低原子価方向に移行する傾向があるためである。そのため、ガラス原料に酸化剤を添加しただけでは、Cuイオンの制御においては十分な効果が得られない。
そこで本発明はガラス原料として、Sbを0.1〜3%(質量%)含有し、これと酸化剤とを併用することで、ガラス中のCuイオンの比率を極力低く制御できることを見出した。
Sbは、ガラス中においてSb3+イオンもしくはSb5+イオンとして存在するが、原料としてSbを用いるとSb3+イオンとして存在することになる。Sbと酸化剤との両者が溶融ガラス中に存在すると、酸化剤の作用によりSb3+イオンは酸化されSb5+イオンの状態となる。そして、このSb5+イオンがガラス中のCuイオンに作用することで、CuイオンはCu2+イオンに変化しこの状態を維持するため、ガラス中のCuイオンの比率を極力低く制御することができる。なお、Sb3+イオンは、Sb5+イオンの状態とならないと、CuイオンをCu2+イオンに変化させる効果を奏さない。そのため本発明においては、Sbと酸化剤とを併用することが必須である。
本発明において得ようとするガラスのガラス原料を構成する各成分の作用と、含有量(質量%表示)を上記のように限定した理由を説明する。
は、ガラスの網目構造を形成する主成分であるが、30%未満では高濃度のCuOを含有させることが困難であり、ガラスが失透し易くなる。55%を超えると化学的耐久性が低下して長期使用におけるウエザリングが懸念される。好ましい範囲は、35〜45%である。
AlFは、ガラスの化学的耐久性を向上させ、ガラスの粘性を高める成分であるが、5%未満ではその効果が得られず、15%を超えるとガラス化が困難となる。好ましい範囲は、8〜12%である。
MgF、CaF、SrF、およびBaFからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属フッ化物が含まれる。MgF、CaF、SrF、BaFは、ガラスの化学的耐久性を低下することなくガラスを安定するのに効果があるが、これらの合量が1%未満ではガラス化しにくく、50%を超えるとガラス化が不安定となり、失透を生じやすくなるので好ましくない。好ましい範囲は、10〜40%である。
ZnFは、ガラスの化学的耐久性を向上させる成分であり、20%を超えるとガラスが不安定になる。好ましくは、15%以下である。
LiF、NaF、およびKFからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属フッ化物が含まれる。LiF、NaF、KFは、ガラスの溶融温度を下げるために有効な成分であるが、ガラスの化学的耐久性を低下させる成分でもある。これらの合量が1%未満では溶解温度が高くなり過ぎ、16%を超えると化学的耐久性が悪化する。好ましい範囲は5〜12%である。
以上の成分のうちフッ化物の総合計量の70%までを酸化物に置換することが可能であるが、置換量が70%を超えると目的とする分光特性、耐候性が得られなくなる。
CuOは、近赤外線カットのための必須成分であるが、5%未満では近赤外線カット効果が十分ではなく、14%を超えるとガラスが不安定となる。好ましい範囲は、8〜12%である。
Sbは、前述のとおり、近赤外線カットフィルタガラスの製造において併用する酸化剤の作用によりSb5+イオン状態となることで、Cuイオンを酸化してCu2+イオンに変化させ、これによりガラス中のCuイオンの比率を極力低く制御して400〜600nmの可視域の分光透過率を高くする成分である。Sbは、0.1%未満ではその効果はなく、3%を超えるとガラスが不安定となり失透し易くなる。好ましい範囲は、0.3〜2%である。
酸化剤は、上記した投入されるガラス原料及び酸化剤の合量に対し0.1〜5質量%添加される。かかる酸化剤は、前述のとおりSb3+イオンを酸化し、Sb5+イオン状態とするための必須成分である。0.1%未満ではその効果がなく、5%を超えるとガラスが不安定となり失透し易くなる。好ましい範囲は、0.3〜3%である。酸化剤は、得ようとするガラス組成中の陽イオンと同種の陽イオンを含んだ硝酸化合物、硫酸化合物、過酸化物、過塩素酸化物、および塩素酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いる。
酸化剤の好ましい具体例としては、LiNO、KClO、NaClO、MgSO、BaO、NaNO、KNO、又はNaSO等が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる近赤外線カットフィルタガラスの分光特性は、板厚0.15mmのとき、すなわち、板厚0.15mmの換算値で、赤外線側の透過率が50%となる波長(λ50%)が590〜650nmであることが好ましい。また、波長400nmの透過率が84%以上であることが好ましく、86%以上であることがより好ましい。さらに、赤外線側の透過率が50%となる波長(λ50%)が600〜630nmであり、かつ波長400nmの透過率が86%以上であることが特に好ましい。これらより、近赤外線カットフィルタとして好適な透過率特性を有する。
吸収型の近赤外線カットフィルタガラスは、板厚を薄くするにつれて赤外線側の透過率が50%となる波長が長波長側にシフトする傾向がある。他方、CCDやCMOS等の固体撮像素子の感度特性を考慮すると、赤外線側の透過率が50%となる波長(λ50%)は590〜650nmであることが好ましい。
従来、近赤外線カットフィルタガラスにおいてCuOを高濃度に含有した場合、近赤外域のカット特性(赤外線側の透過率が50%となる波長)と波長400nmの透過率とを両立することは困難であった。これに対し、本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、CuOを高濃度に含有して近赤外域の透過率を低くすることで、板厚を薄くすることによる赤外線側の透過率が50%となる波長の長波長側へのシフトを抑制する。そして、CuOを高濃度に含有することでガラス中のCuイオンの存在量・比率が多くなり400〜500nmの可視域における分光透過性が低下する弊害を、ガラス原料中に特定量含有するSbと酸化剤との併用効果により抑制し、波長400nmの透過率を84%以上とするものである。
本発明において、調合されたガラス原料と酸化剤との溶融温度は、750〜1000℃が好ましく、850〜950℃がより好ましい。
ガラス板の成形方法としては、溶融ガラスを金型内に鋳込み、冷却する方法、その他常法の各種ガラス板の成形方法が採用することができる。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは次のようにして作製することができる。まず得られるガラスが上記組成範囲になるように原料を秤量、混合する。この原料混合物を白金ルツボに収容し、蓋をして、電気炉内において750〜1000℃の温度で加熱溶融する。十分に撹拌・清澄した後、金型内に鋳込み、徐冷する。その後、切断、研磨を行ない、例えば50mm×200mm×厚さ2mmの板を作成する。この板を延伸加工装置に配置、軟化点付近に加熱して延伸加工することにより、厚さ0.15mmの薄板を作成する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
表記した化合物換算の質量百分率表示で表1および表2の通りにそれぞれ各種ガラス原料を秤量、混合した。この原料混合物を白金ルツボに収容し、蓋をして、電気炉内において900℃の温度で加熱溶融した。十分に撹拌・清澄した後、金型内に鋳込み、徐冷した。その後、切断、研磨を行ない、50mm×200mm×厚さ2mmの板を作成した。この板を延伸加工装置に配置、軟化点付近に加熱して延伸加工することにより、厚さ0.15mmの薄板を作成した。
本発明の実施例および比較例を表1、表2に示す。なお、例1〜10が本発明の実施例であり、例11〜15が比較例である。各表に記載のガラス原料及び酸化剤は質量%で示した。赤外線側の透過率が50%となる波長(λ50%)および透過率は、日本分光株式会社製のUV−IR分光光度計V−570を用い、ガラスに反射防止膜などを被着していないガラス単体(板厚:0.15mm)での分光透過率曲線を測定した。図1に例5(実施例)と例12(比較例)のガラスの分光透過率曲線を示す。
Figure 0005672300
Figure 0005672300
表1および表2より、ガラス中のCuO含有量が同一である、例5(実施例)、例12(比較例)、例13(比較例)、および例14(比較例)を比べると、Sbおよび酸化剤が含まれていない例12は、Sbおよび酸化剤を含有する例5より波長400nmの透過率が低い。また、例12に対しSbを含有する点のみが相違する例13は、波長400nmの透過率は例12と同様に低い。また、例12に対し酸化剤(LiNO)を含有する点のみが相違する例14は、波長400nmの透過率は例12と同様に低い。これらより、酸化剤を添加させず、ガラス原料中にSbを含有させただけでは、また、ガラス原料中にSbを含有させずに、酸化剤を添加させただけでは、可視域の透過率を高くする効果がないことがわかる。これに対し、例1〜10の実施例のガラスのように、酸化剤を添加し、Sbをガラス原料中に含有し、Sbおよび酸化剤との両者が溶融ガラス中に共存する状態で製造されたガラスは、比較例のガラスと比べ波長400nmの透過率が高いことがわかる。
以上のように、本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、高濃度のCuOを含有した場合でも、400〜600nmの波長域を効率よく透過するので、板厚0.15mm程度以下の薄板に対応した、近赤外線カットフィルタガラスとして極めて有用なものである。
なお、2010年3月26日に出願された日本特許出願2010−072449号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (3)

  1. 下記化合物換算の質量百分率表示で下記の通りとなるように調合されたガラス原料と、硝酸化合物、硫酸化合物、過酸化物、過塩素酸化物および塩素酸からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる質量百分率表示で0.1〜5%の酸化剤とを、溶融・成形することを特徴とする近赤外線カットフィルタガラスの製造方法。
    (ガラス原料)
    ・P : 30〜55%、
    ・AlF : 5〜15%、
    ・MgF、CaF、SrF、およびBaFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、MgF+CaF+SrF+BaFの合量 : 1〜50%、
    ・ZnF : 0〜20%、
    ・LiF、NaF、およびKFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、LiF+NaF+KFの合量 : 1〜16%、
    ・CuO : 5〜14%、
    ・Sb : 0.1〜3%、
    ・ただし、上記したフッ化物のフッ化物総合計量の70%までを酸化物に置換可能。
  2. 下記化合物換算の質量百分率表示で下記の通りとなるように調合されたガラス原料と、硝酸化合物、硫酸化合物、過酸化物、過塩素酸化物および塩素酸からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる質量百分率表示で0.1〜5%の酸化剤とを、溶融・成形したことを特徴とする近赤外線カットフィルタガラス。
    (ガラス原料)
    ・P : 30〜55%、
    ・AlF : 5〜15%、
    ・MgF、CaF、SrF、およびBaFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、MgF+CaF+SrF+BaFの合量 : 1〜50%、
    ・ZnF : 0〜20%、
    ・LiF、NaF、およびKFからなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、LiF+NaF+KFの合量 : 1〜16%、
    ・CuO : 5〜14%、
    ・Sb : 0.1〜3%
    ・ただし、上記したフッ化物のフッ化物総合計量の70%までを酸化物に置換可能。
  3. 前記溶融・成形後のガラス板は、板厚0.15mmの換算値で、赤外線側の透過率が50%となる波長が590〜650nmであり、波長400nmの透過率が84%以上であることを特徴とする請求項2に記載の近赤外線カットフィルタガラス。
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