JPH0780689B2 - 弗燐酸塩ガラス - Google Patents
弗燐酸塩ガラスInfo
- Publication number
- JPH0780689B2 JPH0780689B2 JP22131789A JP22131789A JPH0780689B2 JP H0780689 B2 JPH0780689 B2 JP H0780689B2 JP 22131789 A JP22131789 A JP 22131789A JP 22131789 A JP22131789 A JP 22131789A JP H0780689 B2 JPH0780689 B2 JP H0780689B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- total amount
- valence
- range
- fluorophosphate
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/12—Silica-free oxide glass compositions
- C03C3/23—Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron
- C03C3/247—Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron containing fluorine and phosphorus
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、弗燐酸塩ガラスに関し、例えばカラーVTRカ
メラの色補正に用いて好適なフィルターガラスに関する
ものである。
メラの色補正に用いて好適なフィルターガラスに関する
ものである。
[従来の技術] 一般に、カラーVTRカメラに使用されている撮像管の光
の分光感度は、可視域から近赤外域950nmまでのびてい
るため、この近赤外域をフィルターによりカットし分光
感度を人間の視感度に近似させてやらなければ、画像が
赤味を帯び、良好な色再現を得ることができない。また
一方で、フィルターの紫外域側の吸収が可視域まで及ぶ
と、今度は画像が暗くなってしまうことになる。従って
この種のフィルターには、400〜520nmの光の透過率が可
能な限り高く、550〜950nmの光を可能な限り多く吸収す
る特性が必要とされる。従来よりこの種の近赤外線吸収
フィルターとしては、燐酸塩ガラスにCuOを添加したガ
ラスが用いられる。
の分光感度は、可視域から近赤外域950nmまでのびてい
るため、この近赤外域をフィルターによりカットし分光
感度を人間の視感度に近似させてやらなければ、画像が
赤味を帯び、良好な色再現を得ることができない。また
一方で、フィルターの紫外域側の吸収が可視域まで及ぶ
と、今度は画像が暗くなってしまうことになる。従って
この種のフィルターには、400〜520nmの光の透過率が可
能な限り高く、550〜950nmの光を可能な限り多く吸収す
る特性が必要とされる。従来よりこの種の近赤外線吸収
フィルターとしては、燐酸塩ガラスにCuOを添加したガ
ラスが用いられる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、燐酸塩ガラスは、元々耐候性が悪いこと
から、それを実用に耐え得るまで向上させるには、例え
ば特開昭62-128943号公報に開示されているように比較
的多量のAl2O3の添加を必要とする。その結果、溶融温
度が上昇し、その温度が高いほど、銅イオンは還元され
やすい傾向にあるので、近赤外域に吸収をもつガラス成
分中の銅の2価のCu2+イオンが還元され、紫外域に吸収
をもつ1価のCu+イオンに変化し、可視域の透過率が低
くなり、赤外域の透過率が高くなるという特性劣化の傾
向が生じていた。反対に透過率特性を向上させようとす
ると、ガラス成分中の2価のCu2+イオンが還元されて1
価のCu+イオンにならないようにアルカリ金属酸化物の
添加等で溶融温度を下げることになるが、これは同時に
ガラスそのものの耐候性をさらに劣化させることとな
る。したがって燐酸塩ガラスでこの種の近赤外域吸収フ
ィルターを製作する場合には、相反する関係の透過率特
性と耐候性との妥協点をみつけて実用に提供してきたの
が実状である。
から、それを実用に耐え得るまで向上させるには、例え
ば特開昭62-128943号公報に開示されているように比較
的多量のAl2O3の添加を必要とする。その結果、溶融温
度が上昇し、その温度が高いほど、銅イオンは還元され
やすい傾向にあるので、近赤外域に吸収をもつガラス成
分中の銅の2価のCu2+イオンが還元され、紫外域に吸収
をもつ1価のCu+イオンに変化し、可視域の透過率が低
くなり、赤外域の透過率が高くなるという特性劣化の傾
向が生じていた。反対に透過率特性を向上させようとす
ると、ガラス成分中の2価のCu2+イオンが還元されて1
価のCu+イオンにならないようにアルカリ金属酸化物の
添加等で溶融温度を下げることになるが、これは同時に
ガラスそのものの耐候性をさらに劣化させることとな
る。したがって燐酸塩ガラスでこの種の近赤外域吸収フ
ィルターを製作する場合には、相反する関係の透過率特
性と耐候性との妥協点をみつけて実用に提供してきたの
が実状である。
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、カラーVTRフィルターに要求され
る近赤外域吸収フィルターとしての透過率特性を十分に
満足し、かつ実用に十分に耐えうる耐候性を有する弗燐
酸塩ガラスを提供することにある。
であり、その目的は、カラーVTRフィルターに要求され
る近赤外域吸収フィルターとしての透過率特性を十分に
満足し、かつ実用に十分に耐えうる耐候性を有する弗燐
酸塩ガラスを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記の目的を達成するためになされたものであ
り、本発明の弗燐酸塩ガラスは、重量%で0.5〜43%のP
2O5、2.5〜73%のRF2(Rは原子価が2価の金属であるB
a,Sr,Ca,Mg,ZnおよびPbから選ばれる少なくとも1種で
ある)、0〜22%のR′F(R′は原子価が1価の金属
であるLi,NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であ
る)、0〜71%のR″Fm(R″は原子価が3〜5価の金
属であるLa,Y,Gd,Si,B,Zr,TaおよびYbから選ばれる少な
くとも1種であり、mはR″の原子価に相当する数であ
る)を含有し、さらに金属酸化物を式 y/(x+y)=0.05〜0.95 (式中xは金属酸化物(P2O5を除く)の合量であり、y
は全弗化物の合量である) を満足するように含有する基礎ガラス100重量部と、0.2
〜15重量部のCuOとを含むことを特徴とする。
り、本発明の弗燐酸塩ガラスは、重量%で0.5〜43%のP
2O5、2.5〜73%のRF2(Rは原子価が2価の金属であるB
a,Sr,Ca,Mg,ZnおよびPbから選ばれる少なくとも1種で
ある)、0〜22%のR′F(R′は原子価が1価の金属
であるLi,NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であ
る)、0〜71%のR″Fm(R″は原子価が3〜5価の金
属であるLa,Y,Gd,Si,B,Zr,TaおよびYbから選ばれる少な
くとも1種であり、mはR″の原子価に相当する数であ
る)を含有し、さらに金属酸化物を式 y/(x+y)=0.05〜0.95 (式中xは金属酸化物(P2O5を除く)の合量であり、y
は全弗化物の合量である) を満足するように含有する基礎ガラス100重量部と、0.2
〜15重量部のCuOとを含むことを特徴とする。
本発明の弗燐酸塩ガラスは、耐候性悪化の原因となるP2
O5の量を比較的少量に抑えたものである。すなわち、P2
O5の上限は耐候性の低下を防止するために43%とされ
る。一方、P2O5を0.5%未満とすると、ガラス化が困難
となるので、P2O5の下限は0.5%とされる。また、2価
成分RF2は弗素をガラス中に添加し、かつ耐候性を低下
させないための有効な成分であり、その合量を2.5%未
満とすると、ガラス化しにくく、73%を越えると、失透
しやすくなる。従って2価成分RF2の合量は2.5〜73%に
限定される。ただしBaF2は40%を越えると、失透しやす
くなるので、0〜40%の範囲とするのが好ましい。ま
た、SrF2は40%を越えると、失透しやすくなるので、0
〜40%の範囲とするのが好ましい。また、CaF2は30%を
越えると失透しやすくなるので、0〜30%の範囲とする
のが好ましい。また、MgF2は20%を越えると、失透しや
すくなるので、0〜20%の範囲とするのが好ましい。ま
た、PbF2は30%を越えると、失透しやすくなるので0〜
30%の範囲とするのが好ましい。1価成分R′Fはガラ
スの溶融温度を下げ、かつ粘性を下げる成分であるが、
その合量が22%を越えると、耐候性を低下させる。した
がって1価成分の合量は0〜22%の範囲に限定される。
ただしLiFは20%を越えると、耐候性を低下させるの
で、0〜20%の範囲とするのが好ましい。NaFは17%を
越えると、耐候性を低下させるので、0〜17%の範囲と
するのが好ましい。KFは10%を越えると、耐候性を低下
させるので、0〜10%の範囲とするのが好ましい。さら
に他の弗化物として高原子価成分R″Fmを添加すると、
透過率特性に悪影響を与えることなく、耐磨耗性を改善
することができるが、この高原子価成分はその合量が71
%を越えると、ガラスの耐失透性が悪化する。したがっ
てこの高原子価成分の合量は0〜71%の範囲に限定され
る。ただし、高原子価成分R″Fm中のLaF3,YF3,GdF3,Ya
F3がそれぞれ60%を越えると失透しやすくなるで、0〜
60%の範囲とするのが好ましく、またSiF4,BF3,ZrF4,Ta
F5がそれぞれ50%を越えると失透しやすくなるので、0
〜50%の範囲とするのが好ましい。
O5の量を比較的少量に抑えたものである。すなわち、P2
O5の上限は耐候性の低下を防止するために43%とされ
る。一方、P2O5を0.5%未満とすると、ガラス化が困難
となるので、P2O5の下限は0.5%とされる。また、2価
成分RF2は弗素をガラス中に添加し、かつ耐候性を低下
させないための有効な成分であり、その合量を2.5%未
満とすると、ガラス化しにくく、73%を越えると、失透
しやすくなる。従って2価成分RF2の合量は2.5〜73%に
限定される。ただしBaF2は40%を越えると、失透しやす
くなるので、0〜40%の範囲とするのが好ましい。ま
た、SrF2は40%を越えると、失透しやすくなるので、0
〜40%の範囲とするのが好ましい。また、CaF2は30%を
越えると失透しやすくなるので、0〜30%の範囲とする
のが好ましい。また、MgF2は20%を越えると、失透しや
すくなるので、0〜20%の範囲とするのが好ましい。ま
た、PbF2は30%を越えると、失透しやすくなるので0〜
30%の範囲とするのが好ましい。1価成分R′Fはガラ
スの溶融温度を下げ、かつ粘性を下げる成分であるが、
その合量が22%を越えると、耐候性を低下させる。した
がって1価成分の合量は0〜22%の範囲に限定される。
ただしLiFは20%を越えると、耐候性を低下させるの
で、0〜20%の範囲とするのが好ましい。NaFは17%を
越えると、耐候性を低下させるので、0〜17%の範囲と
するのが好ましい。KFは10%を越えると、耐候性を低下
させるので、0〜10%の範囲とするのが好ましい。さら
に他の弗化物として高原子価成分R″Fmを添加すると、
透過率特性に悪影響を与えることなく、耐磨耗性を改善
することができるが、この高原子価成分はその合量が71
%を越えると、ガラスの耐失透性が悪化する。したがっ
てこの高原子価成分の合量は0〜71%の範囲に限定され
る。ただし、高原子価成分R″Fm中のLaF3,YF3,GdF3,Ya
F3がそれぞれ60%を越えると失透しやすくなるで、0〜
60%の範囲とするのが好ましく、またSiF4,BF3,ZrF4,Ta
F5がそれぞれ50%を越えると失透しやすくなるので、0
〜50%の範囲とするのが好ましい。
本発明の弗燐酸塩ガラスは、さらに金属酸化物を式 y/(x+y)=0.05〜0.95 (式中xは金属酸化物(P2O5を除く)の合量であり、y
は全弗化物の合量である) を満足するように含有する。
は全弗化物の合量である) を満足するように含有する。
y/(x+y)が0.05未満または0.95を越えると、目的と
する優れた耐候性および透過率特性が得られない。
する優れた耐候性および透過率特性が得られない。
金属酸化物の金属種は、上述のR,R′,R″として定義さ
れたものに加えてAlを用いても良い。
れたものに加えてAlを用いても良い。
なお金属酸化物のうち、Al2O3は10%を越えると溶融性
が悪くなるので、0〜10%の範囲とするのが好ましい。
またLa2O3,Gd2O3,Yb2O3は60%を越えると溶融性が悪く
なるので、0〜60%の範囲とすることが好ましい。また
SiO2,B2O3,ZrO2およびTa2O5は50%を越えると失透しや
すくなるので、0〜50%の範囲とするのが好ましい。ま
たMgO,CaO,SrOおよびBaOは60%を越えると失透しやすく
なるので、0〜60%の範囲とするのが好ましい。またLi
2O,Na2O,K2Oは20%を越えると耐候性および耐失透性が
悪くなるので、0〜20%の範囲とすることが好ましい。
が悪くなるので、0〜10%の範囲とするのが好ましい。
またLa2O3,Gd2O3,Yb2O3は60%を越えると溶融性が悪く
なるので、0〜60%の範囲とすることが好ましい。また
SiO2,B2O3,ZrO2およびTa2O5は50%を越えると失透しや
すくなるので、0〜50%の範囲とするのが好ましい。ま
たMgO,CaO,SrOおよびBaOは60%を越えると失透しやすく
なるので、0〜60%の範囲とするのが好ましい。またLi
2O,Na2O,K2Oは20%を越えると耐候性および耐失透性が
悪くなるので、0〜20%の範囲とすることが好ましい。
本発明の弗燐酸塩ガラスは、上述のP2O5,RF2,R′F,R″F
mおよび金属酸化物を含有する基礎ガラス100重量部に対
して0.2〜15重量部のCuOを含むものである。CuOは近赤
外域吸収のための必須成分であり、CuOの量を0.2〜15重
量部に限定したのは、0.2重量部未満ではその吸収が不
十分となり、一方15重量部を越えると、ガラスの耐失透
性が悪化するからである。
mおよび金属酸化物を含有する基礎ガラス100重量部に対
して0.2〜15重量部のCuOを含むものである。CuOは近赤
外域吸収のための必須成分であり、CuOの量を0.2〜15重
量部に限定したのは、0.2重量部未満ではその吸収が不
十分となり、一方15重量部を越えると、ガラスの耐失透
性が悪化するからである。
本発明の弗燐酸塩ガラスの特に好ましい組成を示すと以
下の通りである。
下の通りである。
基礎ガラス P2O5 2〜40重量% RF2 3〜68重量% R′F 0〜20重量% R″Fm 0〜65重量% y/(x+y) 0.10〜0.90 CuO 0.2〜13重量部(基礎ガラス 100重量部に対して) ガラス技術分野においては、ガラスを構成する成分を上
述のように重量%で表示するとともに、カチオン成分を
カチオニック%で、アニオン成分をアニオニック%で表
示することがしばしば行われているので、後記表−1に
記載された実施例のNo.1〜10の弗燐酸塩ガラス組成に基
づき好ましいカチオン成分の組成範囲をカチオニック%
で表示するとP5+3.3〜43.7%、Rカチオン(原子価が2
価の金属であるBa,Sr,Ca,Mg,ZnおよびPbイオンの合量)
4.3〜58.0%、R′カチオン(原子価が1価の金属であ
るLi,NaおよびKイオンの合量)0〜50.1%、R″カチ
オン(原子価が3〜5価の金属であるLa,Y,Gd,Si,B,Zr,
TaおよびYbイオンの合量)0〜31.3%であり、かつCu2+
が基礎ガラスの全カチオン成分の合量に対して0.48〜9.
93%である。また好ましいアニオン成分の組成範囲をア
ニオニック%で表示するとF-7.1〜57.3%である。
述のように重量%で表示するとともに、カチオン成分を
カチオニック%で、アニオン成分をアニオニック%で表
示することがしばしば行われているので、後記表−1に
記載された実施例のNo.1〜10の弗燐酸塩ガラス組成に基
づき好ましいカチオン成分の組成範囲をカチオニック%
で表示するとP5+3.3〜43.7%、Rカチオン(原子価が2
価の金属であるBa,Sr,Ca,Mg,ZnおよびPbイオンの合量)
4.3〜58.0%、R′カチオン(原子価が1価の金属であ
るLi,NaおよびKイオンの合量)0〜50.1%、R″カチ
オン(原子価が3〜5価の金属であるLa,Y,Gd,Si,B,Zr,
TaおよびYbイオンの合量)0〜31.3%であり、かつCu2+
が基礎ガラスの全カチオン成分の合量に対して0.48〜9.
93%である。また好ましいアニオン成分の組成範囲をア
ニオニック%で表示するとF-7.1〜57.3%である。
[実施例] 以下実施例により本発明を更に説明する。
実施例1〜10 原料として正燐酸水溶液、水酸化アルミニウム、弗化マ
グネシウム、弗化カルシウム、弗化スロトンチウム、弗
化バリウム、酸化アルミニウム、炭酸リチウム、酸化第
2銅を所定量混合し(なお原料として燐酸アルミニウ
ム、燐酸バリウム等の複合塩の使用を妨げるものではな
い)、白金製るつぼで、蓋をして800〜900℃で溶解し、
撹拌して脱泡、均質化を行った後、予熱した金型に鋳込
み、徐冷することによって、重量%で36.3%のP2O5,4.0
%のMgF2,11.5%のCaF2,18.5%のSrF2,16.0%のBaF2,8.
7%のAl2O3および5.0%のLi2Oを含有し、y/(x+y)
が0.78である基礎ガラス100重量部に1.45重量部のCuOを
含有する、実施例1の弗燐酸塩ガラスを得た。
グネシウム、弗化カルシウム、弗化スロトンチウム、弗
化バリウム、酸化アルミニウム、炭酸リチウム、酸化第
2銅を所定量混合し(なお原料として燐酸アルミニウ
ム、燐酸バリウム等の複合塩の使用を妨げるものではな
い)、白金製るつぼで、蓋をして800〜900℃で溶解し、
撹拌して脱泡、均質化を行った後、予熱した金型に鋳込
み、徐冷することによって、重量%で36.3%のP2O5,4.0
%のMgF2,11.5%のCaF2,18.5%のSrF2,16.0%のBaF2,8.
7%のAl2O3および5.0%のLi2Oを含有し、y/(x+y)
が0.78である基礎ガラス100重量部に1.45重量部のCuOを
含有する、実施例1の弗燐酸塩ガラスを得た。
以下同様にして実施例2〜10の弗燐酸塩ガラスを得た。
これら実施例1〜10の弗燐酸塩ガラスの組成は表−1に
まとめて示した。
これら実施例1〜10の弗燐酸塩ガラスの組成は表−1に
まとめて示した。
なお上述のようにガラス研究者の間で、ガラスを構成す
る成分をカチオン成分及びアニオン成分に分け、これら
の量をカチオニック%及びアニオニック%で表示するこ
とが、各カチオン成分及びアニオン成分の存在量の比較
等の都合上便利であり、広く採用されているので、表−
1には各弗燐酸塩ガラスについて重量%表示とカチオニ
ック%及びアニオニック%表示とを併記した。表−2
に、実施例の組成No.1のガラス組成について重量%から
カチオニック%及びアニオニック%へ換算した例を示
す。
る成分をカチオン成分及びアニオン成分に分け、これら
の量をカチオニック%及びアニオニック%で表示するこ
とが、各カチオン成分及びアニオン成分の存在量の比較
等の都合上便利であり、広く採用されているので、表−
1には各弗燐酸塩ガラスについて重量%表示とカチオニ
ック%及びアニオニック%表示とを併記した。表−2
に、実施例の組成No.1のガラス組成について重量%から
カチオニック%及びアニオニック%へ換算した例を示
す。
次に、このようにして得られた実施例1〜10の弗燐酸塩
ガラスの耐候性を、研摩したガラスを約65℃、90%相対
湿度の恒温恒湿条件下に保持し、一定時間毎にその表面
状態を観察し、ガラス表面に変質が見られるまでの時間
を求めることで評価した。その結果は表−1に示すよう
に、実施例1の弗燐酸塩ガラスは、ガラス表面に変質が
見られるまでの時間が950時間で耐候性に極めて優れて
いた。また実施例2〜10の弗燐酸塩ガラスでもガラス表
面に変質が見られるまでの時間がいずれも800時間以上
であり(実施例4の弗燐酸塩ガラスでは900時間であ
る)、耐候性に極めて優れていた。
ガラスの耐候性を、研摩したガラスを約65℃、90%相対
湿度の恒温恒湿条件下に保持し、一定時間毎にその表面
状態を観察し、ガラス表面に変質が見られるまでの時間
を求めることで評価した。その結果は表−1に示すよう
に、実施例1の弗燐酸塩ガラスは、ガラス表面に変質が
見られるまでの時間が950時間で耐候性に極めて優れて
いた。また実施例2〜10の弗燐酸塩ガラスでもガラス表
面に変質が見られるまでの時間がいずれも800時間以上
であり(実施例4の弗燐酸塩ガラスでは900時間であ
る)、耐候性に極めて優れていた。
これに対し、特開昭62-128943号公報に記載された燐酸
塩ガラスに相当する比較例1,2の燐酸塩ガラス(70%以
上のP2O5と比較的多量のAl2O3を含有する)は、表−1
に示すように、ガラス表面に変質が見られる時間がそれ
ぞれ240時間、216時間で、約800時間を経た時点では完
全に白く変質し、ガラスの透明度を失うに至った。
塩ガラスに相当する比較例1,2の燐酸塩ガラス(70%以
上のP2O5と比較的多量のAl2O3を含有する)は、表−1
に示すように、ガラス表面に変質が見られる時間がそれ
ぞれ240時間、216時間で、約800時間を経た時点では完
全に白く変質し、ガラスの透明度を失うに至った。
以上のことから、本発明の弗燐酸塩ガラスは従来の燐酸
塩ガラスよりも耐候性に著しく優れていることが明らか
となった。
塩ガラスよりも耐候性に著しく優れていることが明らか
となった。
次に実施例1,6,8,9および比較例1,2のガラスの分光透過
率曲線を第1図に示す。なお測定に供したガラスの肉厚
は1.6mmである。同図から明らかなように実施例1,6,8,9
のガラスは、弗化物を含まない燐酸塩ベースの比較例1,
2のガラスに比べて波長360〜500nmにおける透過率が高
く、それにより長波長側の550〜950nmの光を十分に吸収
するカラーVTRカメラ用フィルターとして優れた分光透
過率を有していることが明らかとなった。
率曲線を第1図に示す。なお測定に供したガラスの肉厚
は1.6mmである。同図から明らかなように実施例1,6,8,9
のガラスは、弗化物を含まない燐酸塩ベースの比較例1,
2のガラスに比べて波長360〜500nmにおける透過率が高
く、それにより長波長側の550〜950nmの光を十分に吸収
するカラーVTRカメラ用フィルターとして優れた分光透
過率を有していることが明らかとなった。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、従来得られなかっ
た極めて優れた耐候性を有すると同時に分光透過率特性
も一層向上した弗燐酸塩ガラスが提供された。
た極めて優れた耐候性を有すると同時に分光透過率特性
も一層向上した弗燐酸塩ガラスが提供された。
第1図は本発明の弗燐酸塩ガラスと従来の燐酸塩ガラス
の分光透過率の差異を示す特性図である。
の分光透過率の差異を示す特性図である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で0.5〜43%のP2O5、2.5〜73%のRF
2(Rは原子価が2価の金属であるBa,Sr,Ca,Mg,Znおよ
びPbから選ばれる少なくとも1種である)、0〜22%の
R′F(R′は原子価が1価の金属であるLi,Naおよび
Kから選ばれる少なくとも1種である)、0〜71%の
R″Fm(R″は原子価が3〜5価の金属であるLa,Y,Gd,
Si,B,Zr,TaおよびYbから選ばれる少なくとも1種であ
り、mはR″の原子価に相当する数である)を含有し、
さらに金属酸化物を式 y/(x+y)=0.05〜0.95 (式中xは金属酸化物(P2O5を除く)の合量であり、y
は全弗化物の合量である) を満足するように含有する基礎ガラス100重量部と、0.2
〜15重量部のCuOとを含むことを特徴とする弗燐酸塩ガ
ラス。 - 【請求項2】カチオニック%でP5+3.3〜43.7%、Rカチ
オン(原子価が2価の金属であるBa,Sr,Ca,Mg,Znおよび
Pbイオンの合量)4.3〜58.0%、R′カチオン(原子価
が1価の金属であるLi,NaおよびKイオンの合量)0〜5
0.1%、R″カチオン(原子価が3〜5価の金属であるL
a,Y,Gd,Si,B,Zr,TaおよびYbイオンの合量)0〜31.3%
を含み、かつCu2+を基礎ガラスの全カチオン成分の合量
に対して0.48〜9.93%含み、一方アニオニック%でF-を
7.1〜57.3%含むことを特徴とする弗燐酸塩ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22131789A JPH0780689B2 (ja) | 1989-08-28 | 1989-08-28 | 弗燐酸塩ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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- 1989-08-28 JP JP22131789A patent/JPH0780689B2/ja not_active Expired - Lifetime
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