JP2554295B2 - 低比重低屈折光学ガラス - Google Patents
低比重低屈折光学ガラスInfo
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- JP2554295B2 JP2554295B2 JP3169503A JP16950391A JP2554295B2 JP 2554295 B2 JP2554295 B2 JP 2554295B2 JP 3169503 A JP3169503 A JP 3169503A JP 16950391 A JP16950391 A JP 16950391A JP 2554295 B2 JP2554295 B2 JP 2554295B2
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- glass
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屈折率(Nd)1.5
1〜1.58、アッベ数(νd)が56以下で40を超
える範囲の光学恒数を有し、フリント系ガラスの性能領
域にあって比較的低屈折低分散域を占めるSiO2−N
b2O5−R′2O−F(R′はアルカリ金属元素)系
組成の低比重低屈折光学ガラスに関する。
1〜1.58、アッベ数(νd)が56以下で40を超
える範囲の光学恒数を有し、フリント系ガラスの性能領
域にあって比較的低屈折低分散域を占めるSiO2−N
b2O5−R′2O−F(R′はアルカリ金属元素)系
組成の低比重低屈折光学ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】上記の光学恒数を有するガラスは、従来
からSiO2−PbO系ガラスにより製造されている。
しかしこれらのガラスは、有害なPbOを含有するう
え、比重が大きいという欠点を有している。そこでこの
問題を改善するため、特開昭52−25812号公報お
よび同52−45612号公報等において、それぞれS
iO2−TiO2−Nb2O5−R′2O系ガラスおよ
びSiO2−Nb2O5−R′2O−R″O(R″は2
価金属元素)系ガラス等が開示されている。しかし、こ
れらのガラスでは、光学設計上必要な屈折率(Nd)
1.60 以下の前記所望の光学恒数を有するフリント
ガラスを得ることができず、また比重も約3.0を超え
大きなものとなりやすい。
からSiO2−PbO系ガラスにより製造されている。
しかしこれらのガラスは、有害なPbOを含有するう
え、比重が大きいという欠点を有している。そこでこの
問題を改善するため、特開昭52−25812号公報お
よび同52−45612号公報等において、それぞれS
iO2−TiO2−Nb2O5−R′2O系ガラスおよ
びSiO2−Nb2O5−R′2O−R″O(R″は2
価金属元素)系ガラス等が開示されている。しかし、こ
れらのガラスでは、光学設計上必要な屈折率(Nd)
1.60 以下の前記所望の光学恒数を有するフリント
ガラスを得ることができず、また比重も約3.0を超え
大きなものとなりやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ガラスが有する諸欠点を改善し、屈折率(Nd)約1.
60以下、アッベ数(νd)約55〜40の範囲の光学
恒数を有し、低比重であって、耐失透性に優れた光学ガ
ラスを提供することを目的としている。
ガラスが有する諸欠点を改善し、屈折率(Nd)約1.
60以下、アッベ数(νd)約55〜40の範囲の光学
恒数を有し、低比重であって、耐失透性に優れた光学ガ
ラスを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的達
成のため種々試験研究を重ねた結果、特定組成範囲のS
iO2−Nb2O5−R′2O−F系ガラスにおいて、
耐失透性に優れた安定なガラスが存在することをみいだ
すことができ、これによりPbOフリーであって、前記
所望の光学恒数を有し、一段と軽量化されたガラスを得
ることができることを知り、本発明を成した。
成のため種々試験研究を重ねた結果、特定組成範囲のS
iO2−Nb2O5−R′2O−F系ガラスにおいて、
耐失透性に優れた安定なガラスが存在することをみいだ
すことができ、これによりPbOフリーであって、前記
所望の光学恒数を有し、一段と軽量化されたガラスを得
ることができることを知り、本発明を成した。
【0005】本発明にかかる低比重低屈折光学ガラスの
特徴は、重量%で、SiO2 45〜70%、Al2O
3 0〜20%、Nb2O5 0.5〜15%、TiO
20〜15%、ただしNb2O5+TiO2 0.5〜
20%、ZrO2 0〜10%、Li2O 0〜20
%、Na2O 0〜40%、K2O 0〜40%、ただ
しLi2O+Na2O+K2O 18〜40%、ZnO
+MgO+CaO+SrO+BaO 0〜10%、ただ
しBaO 0〜5%および上記各金属酸化物成分の金属
元素の弗化物成分をFとしての合計量で0.1〜8%の
範囲含有し、屈折率(Nd)が1.51〜1.58、ア
ッベ数(νd)が56以下で40を超える範囲内にある
ことにある。
特徴は、重量%で、SiO2 45〜70%、Al2O
3 0〜20%、Nb2O5 0.5〜15%、TiO
20〜15%、ただしNb2O5+TiO2 0.5〜
20%、ZrO2 0〜10%、Li2O 0〜20
%、Na2O 0〜40%、K2O 0〜40%、ただ
しLi2O+Na2O+K2O 18〜40%、ZnO
+MgO+CaO+SrO+BaO 0〜10%、ただ
しBaO 0〜5%および上記各金属酸化物成分の金属
元素の弗化物成分をFとしての合計量で0.1〜8%の
範囲含有し、屈折率(Nd)が1.51〜1.58、ア
ッベ数(νd)が56以下で40を超える範囲内にある
ことにある。
【0006】つぎに、各成分の含有量を上記のとおり限
定した理由について述べる。すなわち、ガラス形成成分
であるSiO2の量は、ガラスの化学的耐久性と溶融性
維持のため、45〜70%の範囲とすべきである。Al
2O3成分は、光学恒数の調整およびガラスの安定性向
上のため添加し得るが、その量が20%を超えると溶融
性が悪化し、均質なガラスを得難くなる。
定した理由について述べる。すなわち、ガラス形成成分
であるSiO2の量は、ガラスの化学的耐久性と溶融性
維持のため、45〜70%の範囲とすべきである。Al
2O3成分は、光学恒数の調整およびガラスの安定性向
上のため添加し得るが、その量が20%を超えると溶融
性が悪化し、均質なガラスを得難くなる。
【0007】Nb2O5成分は、本発明のガラスにおい
て、所望の光学恒数を与えるため最も重要な成分であ
り、また軽量化と化学的耐久性の向上にも有効である。
これらの効果を発揮させるためには、Nb2O5の量
は、0.5%以上含有させる必要があるが、15%を超
えるとガラスの比重が過大となりやすい。TiO2成分
は、Nb2O5成分と同様の効果があり、より有効な軽
量化効果を発揮するので任意に添加し得るが、ガラスの
着色性が増すので、その量は15%までとする。ただ
し、Nb2O5とTiO2成分の合計量は、ガラスの比
重の増大または着色性防止のため20%までとする。Z
rO2成分は、ガラスの化学的耐久性向上のため、耐失
透性を悪化させない限度10%まで添加し得る。
て、所望の光学恒数を与えるため最も重要な成分であ
り、また軽量化と化学的耐久性の向上にも有効である。
これらの効果を発揮させるためには、Nb2O5の量
は、0.5%以上含有させる必要があるが、15%を超
えるとガラスの比重が過大となりやすい。TiO2成分
は、Nb2O5成分と同様の効果があり、より有効な軽
量化効果を発揮するので任意に添加し得るが、ガラスの
着色性が増すので、その量は15%までとする。ただ
し、Nb2O5とTiO2成分の合計量は、ガラスの比
重の増大または着色性防止のため20%までとする。Z
rO2成分は、ガラスの化学的耐久性向上のため、耐失
透性を悪化させない限度10%まで添加し得る。
【0008】Li2O、Na2OおよびK2O成分は、
いずれもガラスの溶融性を増大させ、また特にNa2O
とK2Oは屈折率を低下させる効果が大きいため、これ
らの成分の1種以上を含有させる必要があるが、化学的
耐久性維持のため、それぞれ20%、40%および40
%を限度とし、またこれらの成分の1種または2種以上
の合計量は18〜40%とすべきである。
いずれもガラスの溶融性を増大させ、また特にNa2O
とK2Oは屈折率を低下させる効果が大きいため、これ
らの成分の1種以上を含有させる必要があるが、化学的
耐久性維持のため、それぞれ20%、40%および40
%を限度とし、またこれらの成分の1種または2種以上
の合計量は18〜40%とすべきである。
【0009】ZnO、MgO、CaO、SrOおよびB
aOの各成分は、ガラスの溶融性改善に効果があるの
で、それらの1種以上を添加し得るが、これらの成分の
1種または2種以上の合計量は、目標の光学恒数を維持
するため、10%までとする。ただし、BaO成分の量
は、ガラスの比重を過大にしないため5%までが適当で
ある。
aOの各成分は、ガラスの溶融性改善に効果があるの
で、それらの1種以上を添加し得るが、これらの成分の
1種または2種以上の合計量は、目標の光学恒数を維持
するため、10%までとする。ただし、BaO成分の量
は、ガラスの比重を過大にしないため5%までが適当で
ある。
【0010】弗素(F)成分は、ガラスの屈折率を低下
させると共に溶融性を向上する効果があり、重要な成分
である。この効果を発揮させるためには、その量は0.
1%以上必要であるが、溶融の際、ガラスが脈理等を発
生し品質の低下を招きやすいので8%以下が適切であ
る。なお、本発明のガラスに脱泡剤として1%以内のS
b2O3や公知の他の脱泡剤を適宜添加し得る。
させると共に溶融性を向上する効果があり、重要な成分
である。この効果を発揮させるためには、その量は0.
1%以上必要であるが、溶融の際、ガラスが脈理等を発
生し品質の低下を招きやすいので8%以下が適切であ
る。なお、本発明のガラスに脱泡剤として1%以内のS
b2O3や公知の他の脱泡剤を適宜添加し得る。
【0011】
【実施例】つぎに、本発明にかかる低比重低屈折光学ガ
ラスの好適な実施組成例(No.1〜9)および公知の
光学ガラスの比較組成例(No.AおよびNo.B)を
得られたガラスの屈折率(Nd)、アッベ数(νd)お
よび比重と共に表1に示した。なお、これらのガラス
は、いずれも酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物等の所定
の光学原料を用いて、調合混合し、白金坩堝を用いて溶
融し、攪拌均質化した後、金型に鋳込み、徐冷して得
た。
ラスの好適な実施組成例(No.1〜9)および公知の
光学ガラスの比較組成例(No.AおよびNo.B)を
得られたガラスの屈折率(Nd)、アッベ数(νd)お
よび比重と共に表1に示した。なお、これらのガラス
は、いずれも酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物等の所定
の光学原料を用いて、調合混合し、白金坩堝を用いて溶
融し、攪拌均質化した後、金型に鋳込み、徐冷して得
た。
【0012】
【表1】
【0013】表1において、実施例No.1およびN
o.2は、比較例No.AおよびNo.Bと比べ、それ
ぞれほぼ同等の光学恒数を有しているが、いずれも比重
が2.7以下であって一段と小さくなっており、改善効
果が現われている。他の実施例のガラスも同様に低比重
値を示している。またこれら本実施例のガラスは、いず
れも耐失透性と溶融性に優れているので、製造が容易で
あり、化学的耐久性も良好である。さらに、軟化温度も
低いので熱間成形性にも富んでいる。
o.2は、比較例No.AおよびNo.Bと比べ、それ
ぞれほぼ同等の光学恒数を有しているが、いずれも比重
が2.7以下であって一段と小さくなっており、改善効
果が現われている。他の実施例のガラスも同様に低比重
値を示している。またこれら本実施例のガラスは、いず
れも耐失透性と溶融性に優れているので、製造が容易で
あり、化学的耐久性も良好である。さらに、軟化温度も
低いので熱間成形性にも富んでいる。
【0014】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の低比重低屈
折光学ガラスは、特定範囲量のSiO2−Nb2O5−
R′2O−F成分系組成を有するものであるから、屈折
率(Nd)が1.51〜1.58と低く、アッベ数(ν
d)が56以下で40を超える範囲の光学恒数を有する
うえ、優れた軽量性および耐失透性を有し、化学的耐久
性も良好であるので、有用である。
折光学ガラスは、特定範囲量のSiO2−Nb2O5−
R′2O−F成分系組成を有するものであるから、屈折
率(Nd)が1.51〜1.58と低く、アッベ数(ν
d)が56以下で40を超える範囲の光学恒数を有する
うえ、優れた軽量性および耐失透性を有し、化学的耐久
性も良好であるので、有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、SiO2 45〜70%、Al
2O3 0〜20%、Nb2O50.5〜15%、Ti
O2 0〜15%、ただしNb2O5+TiO2 0.
5〜20%、ZrO20〜10%、Li2O 0〜20
%、Na2O 0〜40%、K2O 0〜40%、ただ
しLi2O+Na2O+K2O 18〜40%、ZnO
+MgO+CaO+SrO+BaO 0〜10%、ただ
しBaO 0〜5%および上記金属酸化物成分の金属元
素の弗化物成分をFとしての合計量で0.1〜8%の範
囲含有し、屈折率(Nd)が1.51〜1.58、アッ
ベ数(νd)が56以下で40を超える範囲内にあるこ
とを特徴とする低比重低屈折光学ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3169503A JP2554295B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | 低比重低屈折光学ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3169503A JP2554295B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | 低比重低屈折光学ガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692675A JPH0692675A (ja) | 1994-04-05 |
JP2554295B2 true JP2554295B2 (ja) | 1996-11-13 |
Family
ID=15887724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3169503A Expired - Fee Related JP2554295B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | 低比重低屈折光学ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2554295B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10057285B4 (de) * | 2000-11-17 | 2004-07-08 | Schott Glas | Einschmelzvorrichtung sowie Verfahren zur Erzeugung hoch-UV-transmittiver Gläser |
JP4053810B2 (ja) * | 2002-04-18 | 2008-02-27 | 株式会社オハラ | 異常分散性を有する光学ガラス |
JP4592353B2 (ja) * | 2003-09-09 | 2010-12-01 | 株式会社オハラ | 低屈折率光学ガラス |
CN117285251A (zh) * | 2023-09-25 | 2023-12-26 | 成都光明光电股份有限公司 | 玻璃材料和玻璃元件 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54105119A (en) * | 1978-02-03 | 1979-08-17 | Minolta Camera Kk | Optical glass |
DE3206226A1 (de) * | 1982-02-20 | 1983-09-01 | Schott Glaswerke, 6500 Mainz | Optisches und ophthalmisches glas mit brechwerten >=1,56, abbezahlen von >=40 und dichten <=2,70 q/cm (pfeil hoch)3(pfeil hoch) |
JP2561835B2 (ja) * | 1987-04-23 | 1996-12-11 | 株式会社 オハラ | 光学ガラス |
-
1991
- 1991-04-11 JP JP3169503A patent/JP2554295B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0692675A (ja) | 1994-04-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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