JP7136135B2 - 重錘及び建設機械の吊り荷ロープの過巻検出構造 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る重錘は、建設機械の起伏部材から垂下される吊り荷ロープの過巻を検出する重錘であって、上記吊り荷ロープが垂下される位置よりも前方又は後方で紐状部によって吊り下げられ、上記吊り荷ロープの上記紐状部が垂下される側の反対側と左右両側とを取り囲む本体と、上記本体に着脱可能に取り付けられる着脱部材とを備え、上記本体が、互いに対向するように上記吊り荷ロープの左右に配置される一対の側板と、上記吊り荷ロープの上記紐状部が垂下される側の反対側で上記一対の側板に回転自在に懸架されるガイドローラとを有し、上記着脱部材が、上記吊り荷ロープを挟んで上記ガイドローラと対向するよう上記一対の側板同士を連結する。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
<建設機械>
図1及び図2に示すように、建設機械1は、下部走行体2と、下部走行体2上に水平回転可能に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に起伏可能に取り付けられる起伏部材20とを備える。本実施形態において、建設機械1はクレーンである。起伏部材20は、上部旋回体3に起伏可能に取り付けられるブーム4と、ブーム4の先端部に起伏可能に連結されるジブ5と、ジブ5の先端部に接続される補助シーブユニット16とを有する。また、建設機械1は、起伏部材20から垂下される吊り荷ロープ6と、吊り荷ロープ6が垂下される位置よりも後方で起伏部材20に固定されるリミットスイッチ7と、リミットスイッチ7に接続される紐状部8と、紐状部8によって吊り下げられ、吊り荷ロープ6の過巻を検出する重錘9とを備える。起伏部材20、吊り荷ロープ6、リミットスイッチ7、紐状部8及び重錘9は、本発明の一実施形態である吊り荷ロープの過巻検出構造を構成する。また、重錘9は、それ自体本発明の一実施形態である。建設機械1は、吊り荷ロープ6に吊り下げられるフック10をさらに備える。なお、図1及び図2では、吊り荷ロープ6は補巻ロープである。この場合、建設機械1は、吊り荷ロープ6の他、起伏部材20(例えばジブ5)から垂下される主巻ロープ(不図示)をさらに備えていてもよい。
吊り荷ロープ6は、補助シーブユニット16から垂下されている。吊り荷ロープ6は、補助シーブ16bから鉛直下方に垂下されている。すなわち、吊り荷ロープ6は、補助シーブユニット16に設けられる単一の補助シーブ16bに掛け回されて鉛直下方に垂下されている。
フック10は、巻上げウインチ14から繰り出された吊り荷ロープ6に1本掛けで吊持されている。
リミットスイッチ7は、補助シーブユニット16に取り付けられている。リミットスイッチ7は、一対の車輪16cとの干渉を防止できるよう、クレーン作業状態において一対の車輪16cと前後方向で重ならない位置に取り付けられている。つまり、リミットスイッチ7は、一対の車輪16cよりも後方にこの一対の車輪16cと間隔を空けて取り付けられている。上述のように、一対の車輪16cの径は補助シーブ16bの径よりも大きいので、当該建設機械1では、吊り荷ロープ6の垂下位置とリミットスイッチ7との距離は、一対の車輪16cを有しない場合よりも大きくなる。リミットスイッチ7は、例えばアーム16dの側面又は支持板16eの側面に取り付けられている。
紐状部8は、補助シーブユニット16の左右両側から垂下されている。つまり、図3に示すように、当該建設機械1は、補助シーブユニット16の左右両側から垂下される一対の紐状部8a、8bを有する。一方の紐状部8aの上端は、リミットスイッチ7に接続されている。他方の紐状部8bの上端は、左右方向においてリミットスイッチ7に対向する位置で、補助シーブユニット16に接続されている。図4に示すように、紐状部8a、8bは、下端部に後述の取付部26a、26bと接続するためのリング状の係合部17a、17bを有している。紐状部8としては、例えばワイヤロープ、チェーン、リンク等が挙げられる。
重錘9は、起伏部材20(より詳しくは、補助シーブユニット16の補助シーブ16b)から垂下される吊り荷ロープ6の過巻を検出可能に構成される。重錘9は、吊り荷ロープ6が巻き上げられると吊り荷ロープ6に接続されているフック10が下方から接触するように配置されている。重錘9は、フック10に下方から接触されると、フック10の上昇に合わせて上方に押し上げられる。その結果、リミットスイッチ7が動作して吊り荷ロープ6の過巻を検出することができる。リミットスイッチ7による過巻の検出機構は特に限定されるものではなく、例えばリミットスイッチ7に加わる力が減少することで吊り荷ロープ6の過巻を検出するものであってもよく、紐状部8の緩みによりスイッチが押されることで吊り荷ロープ6の過巻を検出するものであってもよい。
本体21は、互いに対向するように吊り荷ロープ6の左右に配置される一対の側板23a、23bと、吊り荷ロープ6よりも前方で一対の側板23a、23bに回転自在に懸架されるガイドローラ24とを有する。また、本体21は、ガイドローラ24よりも前方で一対の側板23a、23bの前端縁同士を接続する前板25と、一対の側板23a、23bの外面の対向位置に設けられ、紐状部8a、8bと接続される一対の取付部26a、26bとを有する。取付部26a、26bは、側板23a、23bの外面から突出する突起部と、この突起部に接続されるシャックル等からなる係止部とを有する。取付部26a、26bは、上記係止部が紐状部8a、8bの係合部17a、17bと連結されることで紐状部8a、8bの下端部に接続される。
着脱部材22は、吊り荷ロープ6を挟んでガイドローラ24と対向するようガイドローラ24よりも後方で一対の側板23a、23b同士を連結する。当該重錘9は、一対の側板23a、23b間でガイドローラ24と着脱部材22とに挟まれた空間が吊り荷ロープ6の保持空間Sを構成する。つまり、当該重錘9は、従来の重錘のように、筒状部材の軸方向に延びる吊り荷ロープ保持用の挿通穴を有しない。
当該重錘9は、吊り荷ロープ6の前方及び左右両側を取り囲む本体21が、互いに対向するように吊り荷ロープ6の左右に配置される一対の側板23a、23bと、吊り荷ロープ6よりも前方で一対の側板23a、23bに回転自在に懸架されるガイドローラ24とを有するので、吊り荷ロープ6との干渉に起因する損傷を抑制することができる。具体的には、当該重錘9は、ガイドローラ24が重力によって吊り荷ロープ6側に戻されることで、ガイドローラ24を吊り荷ロープ6に接触させ続けることができるので、ガイドローラ24と吊り荷ロープ6とが接触した状態で、このガイドローラ24の回転を利用して吊り荷ロープ6を上下に移動させることができる。従って、当該重錘9は、吊り荷ロープ6との擦れに起因する損傷を抑制することができる。
<重錘>
図8及び図9の重錘39は、図4~図7の重錘9に代えて、図1の建設機械1に用いられる。当該重錘39は、建設機械の起伏部材における吊り荷ロープが垂下される位置よりも後方で紐状部によって吊り下げられ、上記吊り荷ロープの前方及び左右両側を取り囲む本体41と、本体41に着脱可能に取り付けられる着脱部材42とを備える。本体41は、互いに対向するように上記吊り荷ロープの左右に配置される一対の側板43a、43bと、上記吊り荷ロープよりも前方で一対の側板43a、43bに回転自在に懸架されるガイドローラ44とを有する。着脱部材42は、上記吊り荷ロープを挟んでガイドローラ44と対向するようガイドローラ44よりも後方で一対の側板43a、43b同士を連結する。
当該重錘39は、一対の補助ローラ45a、45bを有するので、これらの補助ローラ45a、45bの間に上記吊り荷ロープを保持することができる。これにより、上記吊り荷ロープと一対の側板43a、43bとの接触を抑制し、一対の側板43a、43bの損傷を抑制することができる。
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 ブーム
5 ジブ
6 吊り荷ロープ
7 リミットスイッチ
8、8a、8b 紐状部
9、39 重錘
10 フック
11 操縦者用キャビン
12 ブーム起伏ウインチ
13 ジブ起伏ウインチ
14 巻上げウインチ
16 補助シーブユニット
16a ブラケット
16b 補助シーブ
16c 車輪
16d アーム
16e 支持板
17a、17b 係合部
20 起伏部材
21、41 本体
22、42 着脱部材
22a ピン
22b 胴部
22c 係止孔
22d 頭部
22e ナット
22f ロックピン
22g スペーサ
23a、23b、43a、43b 側板
24、44 ガイドローラ
24a 溝部
25 前板
26a、26b 取付部
27a、27b 軸受
28 支持棒
29a、29b ピン穴
45a,45b 補助ローラ
S 保持空間
α 吊り荷ロープと紐状部とのなす角度
Claims (4)
- 建設機械の起伏部材から垂下される吊り荷ロープの過巻を検出する重錘であって、
上記吊り荷ロープが垂下される位置よりも前方又は後方で紐状部によって吊り下げられ、上記吊り荷ロープの上記紐状部が垂下される側の反対側と左右両側とを取り囲む本体と、
上記本体に着脱可能に取り付けられる着脱部材と
を備え、
上記本体が、
互いに対向するように上記吊り荷ロープの左右に配置される一対の側板と、
上記吊り荷ロープの上記紐状部が垂下される側の反対側で上記一対の側板に回転自在に懸架される一つのガイドローラと
を有し、
上記着脱部材が、上記吊り荷ロープを挟んで上記一つのガイドローラと対向するよう上記一対の側板同士を連結し、
装着された上記着脱部材と、上記一対の側板及び上記一つのガイドローラとによって上記吊り荷ロープの保持空間が形成される重錘。 - 上記ガイドローラの外周面の軸方向の中心部が縮径している請求項1に記載の重錘。
- 上記一対の側板が厚さ方向に貫通する同軸のピン穴を有し、
上記着脱部材が、一対の上記ピン穴に挿入されるピンを有する請求項1又は請求項2に記載の重錘。 - 起伏部材と、
上記起伏部材から垂下される吊り荷ロープと、
上記吊り荷ロープが垂下される位置よりも前方又は後方で上記起伏部材に固定されるリミットスイッチと、
上記リミットスイッチに接続される紐状部と、
上記紐状部によって吊り下げられ、上記吊り荷ロープの過巻を検出する重錘と
を備え、
上記重錘が、
上記吊り荷ロープの上記紐状部が垂下される側の反対側と左右両側とを取り囲む本体と、
上記本体に着脱可能に取り付けられる着脱部材と
を有し、
上記本体が、
互いに対向するように上記吊り荷ロープの左右に配置される一対の側板と、
上記吊り荷ロープの上記紐状部が垂下される側の反対側で上記一対の側板に回転自在に懸架される一つのガイドローラと
を有し、
上記着脱部材が、上記吊り荷ロープを挟んで上記一つのガイドローラと対向するよう上記一対の側板同士を連結し、
装着された上記着脱部材と、上記一対の側板及び上記一つのガイドローラとによって上記吊り荷ロープの保持空間が形成される建設機械の吊り荷ロープの過巻検出構造。
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