JP7128129B2 - ポリ塩化ビニル系樹脂積層フィルム - Google Patents
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Description
しかし、近年の環境への配慮の高まりにより、フタル酸系可塑剤の使用を見直す動きが、欧州のREACH規制をもとに高まっている。
一般に、低分子量タイプのポリエステル系可塑剤を使用した場合、PVC系フィルムの耐寒性が得られるものの、フィルム表面への析出(ブリードアウト)がしやすくなるという課題がある。他方、高分子量タイプのポリエステル系可塑剤を使用した場合、フィルム中での可塑剤の移動が阻害されるため、フィルム表面へのブリードアウトは抑制傾向にあるものの、耐寒性が低下してしまうという課題がある。すなわち、ポリエステル系可塑剤を使用する場合、ブリードアウトと耐寒性とはトレードオフの関係にあり、耐寒性とブリードアウト抑制の両立は困難であった。
[1]ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(PVC系フィルム)の少なくとも片面上に、ポリウレタン系樹脂層(A層)及びアクリル系樹脂層(B層)をこの順序(PVC系フィルム/A層/B層)で備える積層フィルムであって、前記ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムが、重量平均分子量(Mw)が500以上2100以下のポリエステル系可塑剤を少なくとも1種類含み、前記積層フィルムの23℃における引張弾性率に対する10℃における引張弾性率の変化率が175%以下であることを特徴とする積層フィルム。
[2]前記ポリエステル系可塑剤が、アジピン酸ポリエステル系可塑剤である、[1]に記載の積層フィルム。
[3]前記ポリエステル系可塑剤が、重量平均分子量(Mw)が500以上1250以下のポリエステル系可塑剤(a)と、重量平均分子量(Mw)が1250超2100以下のポリエステル系可塑剤(b)とを含む、[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4]前記ポリエステル系可塑剤の添加量が、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを構成するポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、20~40質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5]前記ポリウレタン系樹脂層(A層)は、少なくともポリエステル骨格又はポリカーボネート骨格のいずれかを有するポリオールと、多官能の脂肪族イソシアネートとの反応硬化物からなる、[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6]前記アクリル系樹脂層(B層)がアクリルポリオールとカプロラクトンポリオールとイソシアネート系架橋剤を含む組成物の硬化物からなる、[1]~[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7]前記アクリルポリオールの水酸基価が50mgKOH/OH以上である、[6]に記載の積層フィルム。
[8]前記カプロラクトンポリオールの重量平均分子量(Mw)が500未満である、[6]又は[7]に記載の積層フィルム。
[9]前記アクリル系樹脂層(B層)上にポリエステル系樹脂を基材とする離型フィルムを有する、[1]~[8]のいずれかに記載の積層フィルム。
[10]自動車の装飾用フィルムとして用いる、[1]~[9]のいずれかに記載の積層フィルム。
なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
本発明の積層フィルムにおけるPVC系フィルムは、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物で構成される。
PVC系フィルムで使用されるポリ塩化ビニル系樹脂は、任意の平均重合度のポリ塩化ビニル系樹脂を用いることができる。好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、600~3,000である。平均重合度が600以上であれば、十分な機械強度を得ることができる。一方、平均重合度が3,000を超えると、加工性(流動性)の低下が著しくなる割には機械的物性の向上がなく実用的でない。
本発明の積層フィルムは、重量平均分子量(Mw)が500以上2100以下のポリエステル系可塑剤を少なくとも1種類含む。本発明の積層フィルムがかかる可塑剤を含有することにより、耐寒性とブリードアウト抑制を両立したフィルムを得ることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系及びトリアジン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2’-ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-クロルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホンベンゾフェノン等の2-ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス-(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン等が挙げられる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、光安定剤としてヒンダートアミン系光安定剤を含むことができる。ヒンダードアミン系光安定剤として、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ビス(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ビス(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-tert-オクチルアミノ-s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル]-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル]-1,5,8,12-テトラアザドデカン、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6テトラメチル-1-ピペリジルエタノールの重合物、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]、N,N’,N’’,N’’’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4、7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミ
ノ]ウンデカン等が挙げられる。
本発明で使用し得る熱安定剤としては、バリウム亜鉛系熱安定剤、カルシウム亜鉛系安定剤、マグネシウム亜鉛系熱安定剤などの亜鉛系熱安定剤が挙げられる。亜鉛系熱安定剤は特に限定されるものではないが、酸化亜鉛や、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、2エチルヘキソイン酸亜鉛などの脂肪酸亜鉛等を使用することができる。
着色剤としては、一般的な有機及び無機顔料が挙げられ、その目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、(ポリ)アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系、キナクリドン系、ジオキサジン系などの各種有機顔料、酸化チタンなどの酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系、炭酸カルシウム、カーボンブラックなどの各種無機顔料が挙げられる。配合量はPVC系フィルム中のポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して通常0.01~30質量部程度である。
アンチブロッキング剤の添加量は通常PVC系フィルム中のポリ塩化ビニル系樹脂100質量部当たり0.01~100質量部である。
易接着処理としては、公知のコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の方法が挙げられる。
本発明の積層フィルムは、PVC系フィルムの少なくとも片面側に、ウレタン系樹脂層(A層)を有する。
ウレタン系樹脂層(A層)は、有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、及び鎖延長剤を反応させて得られるウレタン系樹脂を主成分とし、その他、光安定剤や紫外線吸収剤を含有する組成物の硬化物からなる塗布層である。
このようにして形成されたA層の厚さは、0.2~10μm、好ましくは0.5μm~5μmであるのが好ましい。厚さが薄すぎると十分な密着性が得られなくなるため好ましくない。また、厚すぎても積層フィルムのカール発生や、塗膜層のクラックの発生を生じるため好ましくない。
本発明の積層フィルムは、PVC系フィルム上に、ポリウレタン系樹脂層(A層)、次いでアクリル系樹脂層(B層)をこの順序に積層したフィルムである。アクリル系樹脂層(B層)は、アクリルポリオールとカプロラクトンポリオールとイソシアネート系架橋剤を含む組成物の硬化物からなる。
このようにして形成されたB層の厚さは、0.2~50μmであるのが好ましい。
紫外線吸収剤としては、2-(2’-ヒドロキシ-3’ラウリル-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-3-[3-t-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート-ポリエチレングリコールの縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体等が挙げられ、ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤の配合量が少ないと、耐候性が劣る恐れがある。一方、配合量が多すぎると耐溶剤性、耐傷付き性能が低下するので好ましくない。
その他、A層及びB層の少なくとも一方の層にはその性能を損なわない範囲で酸化防止剤、有機系及び無機系粉末の少なくともいずれかを添加してもよい。
粘着剤層に用いられる粘着剤としてはアクリル系、ゴム系の粘着剤いずれでもよいが、屋外での使用する場合は耐候性の高いアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーが挙げられ、該(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては炭素原子数2~12のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、好ましくは炭素原子数4~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが用いられ、具体的には、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。これらは、単独、または組み合わせて用いることができる。粘着性と凝集性のバランス等から、通常ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が-50℃以下である(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、(メタ)アクリル酸エチル等の低級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを併用するのが好ましい。
粘着剤層の厚さは、粘着剤の組成により異なり、特に限定されるものではないが、通常20~50μmである。
本発明の積層フィルムは、アクリル系樹脂層(B層)上にポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムを有することができる。
離型フィルムの基材としてはポリエステルフィルムを用いる。ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルであり、好ましくは結晶性の線状飽和ポリエステルである。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレートを挙げることができる。ポリエステルとしては、構成する成分が他の成分に置換された共重合体であってもよく、他のポリマーが混合された混合物であってもよく、例えばポリアルキレングリコールとの混合物であってもよい。
本発明では、上記ポリエステルフィルム上に離型層を設けることが好ましい。離型層とはポリエステルフィルムと転写箔であるB層との間に存在し、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム上のA層に、B層を転写した後にポリエステルフィルムを容易に剥離することを目的とした層である。離型性を付与する材料としてはメラミン樹脂が好ましい。メラミン樹脂としてはメラミンホルムアルデヒド樹脂やメチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。離型層上へのB層形成時の塗液のハジキや、ポリエステルフィルム剥離時のブロッキングの点からメチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂が好ましい。離型層はポリエステルフィルム上に塗布後、加熱乾燥させることで脱溶剤および硬化反応により形成される。離型層が主剤と硬化剤とからなる2液硬化型メラミン樹脂からなる場合、主剤と硬化剤との混合比は重量比で90:10~50:50の範囲にあることが好ましい。硬化剤の混合割合が10質量%未満もしくは50質量%以上のいずれの場合においても、ポリエステルフィルムの剥離時にB層がブロッキングすることがある。
本発明の積層フィルムの弾性率は、23℃と10℃との変化率で表される。本発明の積層フィルムの23℃における引張弾性率に対する10℃における引張弾性率の変化率は175%以下であり、好ましくは170%以下、更に好ましくは165%以下であることが望ましい。23℃と10℃との変化率が175%以下であれば、低温時においても柔軟性を維持することができ、特に冬場の作業性を向上させることができる。23℃と10℃との変化率は、好ましくは170%以下、更に好ましくは165%以下である。
本発明の積層フィルムは、様々な装飾用フィルムとして用いることができる。例えば、工業用の粘着フィルム(テープ)、看板、自動車等へ意匠性を付与するために貼り付けされるステッカー、ラベル及びマーキングフィルム等の装飾用粘着フィルム(テープ)、化粧シートに好適に用いることができる。
1.ポリ塩化ビニル系樹脂
(A-1):ポリ塩化ビニル系樹脂(大洋塩ビ(株)製:「TH-1000」)、平均重合度:1000)
2.ポリエステル系可塑剤
(B-1):ポリエステル系可塑剤((株)ジェイ・プラス製:「D620」、Mw:800)
(B-2):ポリエステル系可塑剤((株)ジェイ・プラス製:「D643」、Mw:1800)
(B-3):ポリエステル系可塑剤((株)ADEKA製:「アデカサイザー HPN-3130」、Mw:1800)
(B-4):ポリエステル系可塑剤((株)ジェイ・プラス製:「D645」、Mw:2200)
(B-5):フタル酸系可塑剤((株)ジェイ・プラス製:「DINP」、Mw:419)
(B-6):アジピン酸系可塑剤((株)ジェイ・プラス製:「DINA」、Mw:399)
3.熱安定剤
(C-1):マグネシウム亜鉛系熱安定剤((株)ADEKA製:「アデカズタブ SP―2005」)
4.紫外線吸収剤
(D-1):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(BASF社製:「Chimassorb81」)
5.着色剤
(E-1):カーボンブラック(大日精化工業(株)社製:「DA MKV 994 ブラック」)
表1に示す配合割合となるように調整した原料を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、次いで170℃で3分間、バンバリーミキサーで混練りした。得られた混練物を180℃で7分間、カレンダー成形にて混練し、2本ロールを用い、厚さ0.09mmのポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを作製した。
(1)で得られたポリ塩化樹脂系ビニルフィルム上に、ポリカーボネート系ウレタン樹脂(三菱ケミカル(株)製、「マイテックAE870」)をリバースコート法により、乾燥後の塗工量が1μmとなるように塗工した。
ポリエステルフィルムの基材上にメチル化メラミン樹脂(佐々木塗料(株)製、「RP-30」)およびその硬化剤(佐々木塗料(株)製、「CP触媒」)をリバースコート法により、乾燥後の塗工量が0.3μmとなるように離型層を塗工した。
(実施例1)
(3)で得られた離型層を有する離形フィルムの離型層上にアクリルポリオール系樹脂(日立化成(株)製、「ヒタロイドD1002」)およびカプロラクトンポリオール((株)ダイセル製、「プラクセルFM1D」)およびHDI(旭化成(株)製、「デュラネートTPA100」)の混合物をリバースコート法により、乾燥後の塗工量が15μmとなるようにアクリル系樹脂層(B層)を塗工した。それに(2)で得られたA層を貼りあわせ、架橋反応を促進させるため40℃の恒温庫に5日間保管した。恒温庫から取り出した後、離型層を剥離しポリ塩化ビニル系樹脂積層フィルム(ポリ塩化ビニル系樹脂/A層/B層)を得た。
(4)で得られたポリ塩化ビニル系樹脂積層フィルムより1号ダンベル試験片を採取し、JIS K 7127に準拠し、23℃及び10℃の雰囲気下、オートグラフ(島津製作所製AGS-X)を用いて、引張速度50mm/分にて引張弾性率を測定した
その測定結果を表1に示す。
(4)で得られたポリ塩化ビニル系樹脂積層フィルムを10cm×10cmに切り取り、80℃の恒温庫で24時間保管した後、常温で1時間静置し評価前後の外観の変化を目視で確認した。その測定結果を表1に示す。
◎、○を合格、×を不合格とした。
◎:塗膜表面に変化が見られない。
○:塗膜表面にブリードアウトが殆ど確認できない。
×:塗膜表面にブリードがはっきりと確認できる。
実施例1のポリエステル系可塑剤を表1の配合に変更した以外は実施例1と同様の方法によりポリ塩化ビニル系樹脂積層フィルムを作成し、引張弾性率の変化率と噴出し性評価を行った。その測定結果を表1に示す。
実施例1のポリエステル系可塑剤の配合量又はポリエステル系可塑剤を表1に示す非ポリエステル系可塑剤に変更した以外は実施例1と同様の方法によりポリ塩化ビニル系樹脂積層フィルムを作成し、引張弾性率の変化率と噴出し性評価を行った。その測定結果を表1に示す。
一方、所定のポリエステル系可塑剤を使用しない場合には、塗膜表面への可塑剤の噴出しがあり、ブリードアウトが多い積層フィルムであることがわかる。
Claims (9)
- ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(PVC系フィルム)の少なくとも片面上に、ポリウレタン系樹脂層(A層)及びアクリル系樹脂層(B層)をこの順序(PVC系フィルム/A層/B層)で備える積層フィルムであって、
前記ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムが、重量平均分子量(Mw)が500以上2100以下のポリエステル系可塑剤を少なくとも1種類含み、
前記ポリエステル系可塑剤が、重量平均分子量(Mw)が500以上1250以下のポリエステル系可塑剤(a)と、重量平均分子量(Mw)が1250超2100以下のポリエステル系可塑剤(b)とを含み、
23℃における引張弾性率に対する10℃における引張弾性率の変化率が175%以下であることを特徴とする積層フィルム。 - 前記ポリエステル系可塑剤が、アジピン酸ポリエステル系可塑剤である、請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記ポリエステル系可塑剤の添加量が、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを構成するポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、20~40質量部である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- 前記ポリウレタン系樹脂層(A層)は、少なくともポリエステル骨格又はポリカーボネート骨格のいずれかを有するポリオールと、多官能の脂肪族イソシアネートとの反応硬化物からなる、請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記アクリル系樹脂層(B層)がアクリルポリオールとカプロラクトンポリオールとイソシアネート系架橋剤を含む組成物の硬化物からなる、請求項1~4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記アクリルポリオールの水酸基価が50mgKOH/g以上である、請求項5に記載の積層フィルム。
- 前記カプロラクトンポリオールの重量平均分子量(Mw)が500未満である、請求項5又は6に記載の積層フィルム。
- 前記アクリル系樹脂層(B層)上にポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムを有する、請求項1~7のいずれかに記載の積層フィルム。
- 自動車の装飾用フィルムとして用いる、請求項1~8のいずれかに記載の積層フィルム。
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