JP2008213387A - 装飾用粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、曲面への追従性に優れていると共に、吸水による白色化が発生しにくい装飾用粘着シートを提供する。
【解決手段】 本発明の装飾用粘着シートは、基材層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートであって、上記基材層が、塩化ビニル樹脂100重量部、アジピン酸ポリエステル系可塑剤5〜100重量部、特定のアルキル錫メルカプト化合物0.01〜10重量部、有機亜リン酸エステル0.01〜5重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤1〜10重量部を含有してなる塩化ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の装飾用粘着シートは、基材層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートであって、上記基材層が、塩化ビニル樹脂100重量部、アジピン酸ポリエステル系可塑剤5〜100重量部、特定のアルキル錫メルカプト化合物0.01〜10重量部、有機亜リン酸エステル0.01〜5重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤1〜10重量部を含有してなる塩化ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、自動車、オートバイ、家電製品などの外面に貼着して使用される装飾用粘着シートに関する。
装飾用粘着シートとしては、塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂などからなる、樹脂フィルムの一面に粘着剤層を積層してなるものが知られている。上記装飾用粘着シートは、その粘着剤層を装飾を施したい材料に貼着させ、上記樹脂フィルムの色や模様により装飾効果を発揮させるものであり、近年、塗装に代わり、自動車、オートバイ、家電製品などの装飾分野、広告、看板、ラベル・ステッカー類などのディスプレイ分野、ラッピングバスなどのフリートマーキング分野などに使用されるようになっている。
このような装飾用粘着シートとしては、保護フィルム層が、粘着剤層(1)を介してマーキングフィルム層に積層されてなることを特徴とするマーキングフィルム積層シートが提案されている。そして、このマーキングフィルム積層シートにおける、上記保護フィルム層がポリオレフィン系樹脂フィルムからなり、上記粘着剤層(1)がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体及びエチレン−メチルアクリレート共重合体から選ばれた少なくとも一種の樹脂からなることが好ましいことが開示されている。
しかしながら、上記マーキングフィルム積層シートは、外観を変化させることなく曲率の大きな面に追従させた状態で貼着するのが困難であるため、自動車やオートバイの車体などの曲率の大きな曲面を有する被着体への貼着に適していなかった。
又、曲面への追従性に優れた装飾用粘着シートとしては、特許文献2に、ウレタン樹脂フィルム層を二層構成とし、その上層の架橋型ウレタン樹脂よりなるフィルム層表面に金属蒸着膜を形成した金属蒸着ウレタンフィルムであって、上記架橋型フィルム層の100%モジュラスが、5〜30MPaであることを特徴とする金属蒸着ウレタンフィルムが提案されている。
しかしながら、上記金属蒸着ウレタンフィルムは、表面に傷がつき易いため、装飾性が損なわれたり、汚れが落ちにくくなり易いという問題点があった。又、上記金属蒸着ウレタンフィルムは、長期間ガソリン蒸気に曝されると、変色・変質したり、層間剥離が発生するため、自動車やオートバイ用の装飾用粘着シートには不適であった。
そして、ガソリン蒸気の存在下での使用が可能で且つ曲面への追従性にも優れた装飾用粘着シートとしては、特許文献3に、塩化ビニル樹脂を含んでなる光透過性被覆フィルム、飽和ポリエステル又はアミノエチル化樹脂を含んでなるフィルム、ポリウレタン樹脂を含んでなるフィルム及び金属層がこの順に積層一体化されてなる装飾性シートが提案されている。
しかしながら、上記装飾用シートは、水分を吸収して白色化してしまうため、屋外で雨や雪に曝されることが多い自動車やオートバイ用の装飾用粘着シートとしては不適であった。
本発明は、曲面への追従性に優れ且つ吸水による白色化が発生しにくいと共に耐候性及び耐薬品性に優れた装飾用粘着シートを提供する。
本発明の装飾用粘着シートは、基材層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートであって、上記基材層が、塩化ビニル樹脂100重量部、アジピン酸ポリエステル系可塑剤5〜100重量部、下記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物0.01〜10重量部、有機亜リン酸エステル0.01〜5重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤1〜10重量部を含有してなる塩化ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする。
(R1)n−Sn−(SCH2CH2COOR2)4-n ・・・式(1)
(式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体)
(式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体)
上記装飾用粘着シートの基材層は、塩化ビニル樹脂フィルムにより構成される。上記塩化ビニル樹脂フィルムを構成する塩化ビニル樹脂としては、特に限定されず、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
なお、塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、酢酸ビニルモノマーなどが挙げられる。
そして、上記塩化ビニル樹脂フィルムに含有されるアジピン酸ポリエステル系可塑剤としては、特に限定されず、アジピン酸エステルモノマーを単独重合又は共重合してなるアジピン酸エステル樹脂、アジピン酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
又、上記アジピン酸エステルモノマーは、アジピン酸をアルコール類でエステル化してなるものである。上記エステル化に用いられるアルコール類としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。
そして、上記アジピン酸ポリエステル系可塑剤の市販品としては、例えば、旭電化社から市販されている、商品名「アデカサイザーPN−250」、「アデカサイザーPN−260」、「アデカサイザーPN−280」、「アデカサイザーPN−310」、「アデカサイザーPN−350」、「アデカサイザーPN−400」、「アデカサイザーPN−446」、「アデカサイザーPN−606」、「アデカサイザーPN−650」、「アデカサイザーPN−1030」、「アデカサイザーPN−1430」、「アデカサイザーPN−3030」、「アデカサイザーPN−3130」などが挙げられる。これらのアジピン酸ポリエステル系可塑剤は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
なお、可塑剤としては、上記アジピン酸ポリエステル系可塑剤以外に、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸などの二塩基酸をエステル化してなる二塩基酸エステルモノマーを重合してなる可塑剤や、一塩基酸をエステル化してなる一塩基酸エステルモノマーを重合してなる可塑剤なども市販されているが、本発明の装飾用粘着シートでは、これらの可塑剤の中でも、特に粘着剤層への移行が発生しにくいアジピン酸ポリエステル系可塑剤に限定される。
即ち、アジピン酸ポリエステル系可塑剤は、塩化ビニル樹脂フィルムから金属薄膜層に形成された極微な隙間を通って粘着剤層へ移行しにくく、(1)塩化ビニル樹脂フィルムの柔軟性が失われて、装飾用粘着シートの曲面への追従性が低下する、(2)粘着剤層が軟化されることにより、装飾用粘着シートの被着体に対する適度な粘着力が損なわれる、(3)粘着剤層が軟化されて凝集力が低下し、装飾用粘着シートを被着体から剥離させた際に被着体の表面に糊残りが生じ易くなるなどの問題を生じさせにくいため、得られる装飾用粘着シートは、被着体への適度な粘着力を有し、被着体から剥離させた際に被着体の表面に糊残りを生じにくいと共に、曲面への追従性に優れている。
そして、上記アジピン酸ポリエステル系可塑剤の重量平均分子量は、1700〜2500が好ましく、1800〜2400がより好ましい。これは、上記アジピン酸ポリエステル系可塑剤の重量平均分子量が小さいと、アジピン酸ポリエステル系可塑剤が塩化ビニル樹脂フィルムから金属薄膜層に形成された極微な隙間を通って粘着剤層へ移行し、(1)塩化ビニル樹脂フィルムの柔軟性が失われて、装飾用粘着シートの曲面への追従性が低下する、(2)粘着剤層が軟化されることにより、装飾用粘着シートの被着体に対する適度な粘着力が損なわれる、(3)粘着剤層が軟化されて凝集力が低下し、装飾用粘着シートを被着体から剥離させた際に被着体の表面に糊残りが生じ易くなるなど、装飾用粘着シートの性能が悪化することがあるからである。一方、上記アジピン酸ポリエステル系可塑剤の重量平均分子量が大きいと、アジピン酸ポリエステル系可塑剤の粘度が高くなり、塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、塩化ビニル樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が均一に混練しにくくなって、塩化ビニル樹脂フィルムの製膜が困難になることがあるからである。
ここで、上記アジピン酸ポリエステル系可塑剤の重量平均分子量は、光散乱法により測定された値をいう。なお、光散乱法とは、溶液中の分子に光が衝突した際に発生する光の散乱の強度が、その分子の質量に比例することを利用した重量平均分子量の分析方法である。上記光散乱法による重量平均分子量の測定には、光散乱光度計などが用いられる。
上記塩化ビニル樹脂フィルム中におけるアジピン酸ポリエステル系可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、5〜100重量部に限定され、10〜90重量部が好ましく、15〜70重量部がより好ましい。これは、上記塩化ビニル樹脂フィルム中におけるアジピン酸ポリエステル系可塑剤の含有量が少ないと、塩化ビニル樹脂フィルムが硬くなり過ぎて、特に冬場などの低温条件下では、装飾用粘着シートに縮みが生じて装飾性が低下すると共に、装飾用粘着シートの曲面への追従性が低下して装飾用粘着シートを被着体に貼着させる際の作業性が低下するからである。一方、アジピン酸ポリエステル系可塑剤の含有量が多いと、塩化ビニル樹脂フィルムが柔らかくなり過ぎて、特に夏場などの高温条件下では、装飾用粘着シートに延びが生じて装飾性が低下すると共に、被着体に対する位置決めが困難となって装飾用粘着シートを被着体に貼着させる際の作業性が低下するからである。
そして、上記塩化ビニル樹脂フィルムには、下記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物が含有される。
(R1)n−Sn−(SCH2CH2COOR2)4-n ・・・式(1)
(式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体)
(式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体)
上記式(1)において、R1は炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基などが挙げられる。なお、上記式(1)において、nの値が2である場合、2つのR1は互いに同一でなくてもよい。
又、上記式(1)において、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体である。炭素数1〜8のアルキル基としては、上記R1と同様のものが挙げられる。なお、上記式(1)において複数個存在するR2は、互いに同一でなくてもよい。
具体的に、上記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物としては、特に限定されず、例えば、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(ベンジル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノラウリル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(ベンジル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(シクロヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジラウリル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、などが挙げられ、ジブチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)が好ましい。なお、これらは単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
そして、上記塩化ビニル樹脂フィルム中における、上記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物の含有量は、少ないと、塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時に塩化ビニル樹脂が熱分解して着色し、或いは、塩化ビニル樹脂フィルムが水分を吸収して白色化し易くなって、装飾用粘着シートの装飾性が低下する一方、多いと、塩化ビニル樹脂フィルムの透明性が損なわれて、得られる装飾用粘着シートの装飾性が低下するので、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部に限定され、1〜9重量部が好ましく、2〜8重量部がより好ましい。
又、上記塩化ビニル樹脂フィルムには、有機亜リン酸エステルが含有されている。上記有機亜リン酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリスシクロヘキシルフェニルホスファイト、トリスシクロヘキシルホスファイト、トリデシルトリチオホスファイト、トリイソデシルチオホスファイト、フェニル・ジ−2−エチルヘキシルホスファイト、フェニル・ジイソデシルホスファイト、フェニル・ジシクロヘキシルホスファイト、フェニル・ジイソオクチルホスファイト、フェニル・ジ(トリデシル)ホスファイト、フェニル・ジ−シクロヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソオクチルホスファイト、ジフェニル・2−エチルヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト、ジフェニル・シクロヘキシルフェニルホスファイト、ジフェニル・トリデシルチオホスファイト、ノニルフェニル・ジ(トリデシル)ホスファイト、フェニル・tert−ブチル・ドデシルホスファイト、ジイソプロピルホスファイト、モノイソプロピルホスファイト、ジイソデシルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、モノイソオクチルホスファイト、ジドデシルホスファイト、モノドデシルホスファイト、ジシクロヘキシルホスファイト、モノシクロヘキシルホスファイト、ジシクロヘキシルフェニルホスファイト、モノジシクロヘキシルフェニルホスファイト、ジ(p−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、テトライソオクチル〔4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)〕ジホスファイト、テトラノニルフェニルポリプロピレングリコールジホスファイト、テトラ(トリデシル)ジプロピレングリコールジホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキシルジホスファイト、ペンタキス(ノニルフェニル)ビスポリプロピレングリコールトリホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)テトラキスポリプロピレングリコールペンタホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)テトラキス(ビスフェノールA)ペンタホスファイト、デカキス(ノニルフェニル)ヘプタキス(ジプロピレングリコール)オクタホスファイト、デカフェニルヘプタ(ジプロピレングリコール)オクタホスファイト、テトラキス(イソオクトキシカルボメチレンチオ)1,2−オキシカルボニルメチレンチオエチレンジホスファイト、ジブトキシカルボエチレンチオ(ペンタエリスリトールテトラチオグリコール)ジホスファイト、ジイソオクトキシカルボメチレンチオ(ペンタエリスリトールテトラチオグリコール)ジホスファイト、テトラキス(メルカプトドデシル)1,2−ジメルカプト−エチレンジホスファイト、テトラキス(メルカプトドデシル)1,6−ジメルカプト−ヘキシレンジホスファイト、テトラキス(メルカプトドデシル)2,2’−ジメルカプト−エチルエーテルジホスファイト、ペンタキス(ドデシルメルカプト)ビス(1,6−ヘキシレンジメルカプト)トリホスファイト、ジフェニルホスファイト、水添4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェニルアルキル(C12〜C15)ジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−o−tert−ブチルフェニル)ジホスファイト、ジ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−o−tert−ブチルフェニル)ジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、1,1,3−トリス〔(2’−メチル−4’−ジトリデシルホスファイト5’−tert−ブチル)フェニル〕ブタン、トリスドデシルメルカプトホスファイト、デカフェニルヘプタ(ジプロピレングリコール)オクタホスファイト、ジブチルペンタエリスリトールジホスファイト、ジデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオクチルペンタエリスリトールジホスファイト及びこれらのアシッド型ホスファイトなどが挙げられる。なお、これらの有機亜リン酸エステルは、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニル樹脂フィルム中における有機亜リン酸エステルの含有量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部に限定され、0.1〜4重量部が好ましく、1〜3重量部がより好ましい。これは、有機亜リン酸エステルの含有量が少ないと、塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時に塩化ビニル樹脂が熱分解して着色したり、或いは、塩化ビニル樹脂フィルムの耐候性が低下して、塩化ビニル樹脂フィルムが変色したりして、得られる装飾用粘着シートの装飾性が低下する一方、有機亜リン酸エステルの含有量が多いと、装飾用粘着シートの長期間に亘る使用により、塩化ビニル樹脂フィルムを構成している塩化ビニル樹脂が熱分解して着色し、装飾用粘着シートの装飾性が低下するからである。
又、上記塩化ビニル樹脂フィルムに含有されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に限定されず、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどが挙げられる。なお、これらのベンゾフェノン系紫外線吸収剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニル樹脂フィルム中におけるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、少ないと、塩化ビニル樹脂フィルムの耐候性が低下して、塩化ビニル樹脂フィルムが変色し、得られる装飾用粘着シートの装飾性が低下する一方、多いと、塩化ビニル樹脂フィルムの透明性が低下して装飾用粘着シートの装飾性が低下し、或いは、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が、塩化ビニル樹脂フィルムから金属薄膜層に形成された極微な隙間を通って粘着剤層へと移行し、装飾用粘着シートの被着体に対する粘着力が低下するので、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、1〜10重量部に限定され、2〜9重量部が好ましく、3〜8重量部がより好ましい。
なお、上記塩化ビニル樹脂フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、ヒンダードアミン系光安定剤、滑剤、顔料などの添加剤が添加されてもよい。
又、上記塩化ビニル樹脂フィルムの厚みは、特に限定されず、用途ごとに適宜設定すればよいが、使い易さから30〜100μmが好ましい。
上記塩化ビニル樹脂フィルムの製膜方法としては、特に限定されず、例えば、溶液キャスティング法、カレンダー成形法などが挙げられ、溶液キャスティング法が好ましい。
そして、上記塩化ビニル樹脂フィルムの裏面には金属薄膜層が積層一体化されている。この金属薄膜層としては、特に限定されないが、アルミニウム薄膜層が好ましい。
塩化ビニル樹脂フィルムの裏面への金属薄膜層の積層一体化は、塩化ビニル樹脂フィルムの裏面に直接、金属薄膜層を蒸着させてもよいし、或いは、合成樹脂フィルム上に予め形成した金属薄膜層を塩化ビニル樹脂フィルムの裏面に転写させて積層一体化させてもよい。
ここで、合成樹脂フィルム上に予め形成した金属薄膜層を塩化ビニル樹脂フィルムの裏面に転写させて積層一体化させる方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、溶剤使用型のドライラミネーション法、無溶剤型のドライラミネーション法、押出ラミネーション法などが挙げられ、溶剤使用型のドライラミネーション法が好ましい。なお、必要に応じて、塩化ビニル樹脂フィルムの裏面にコロナ処理やオゾン処理などの前処理を施してもよい。
そして、上記溶剤使用型のドライラミネーション法に用いられる粘着剤としては、ウレタン系樹脂粘着剤が好ましい。上記ウレタン系樹脂粘着剤としては、特に限定されず、例えば、ウレタンプレポリマーからなる主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤とを混合させることにより、ウレタンプレポリマー中の水酸基とポリイソシアネート中のイソシアネート基がウレタン結合を形成して硬化する2液型ウレタン系粘着剤などが挙げられる。
なお、上記ウレタン系樹脂粘着剤の塗布量としては、特に限定されないが、乾燥後のウレタン系樹脂粘着剤の重量が0.5〜5.0g/m2であることが好ましい。
更に、上記金属薄膜層の裏面には粘着剤層が積層一体化されている。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリビニルエーテル系樹脂粘着剤、シリコーン系樹脂粘着剤などが挙げられ、これらの中でも、耐候性や透明性に優れたアクリル系樹脂粘着剤が好ましい。
そして、上記アクリル系樹脂粘着剤としては、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを単独重合又は共重合してなる樹脂、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が挙げられる。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、「メタクリル酸又はアクリル酸」を意味する。
又、上記アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられ、これらは単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
そして、上記アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合可能な他のモノマーは、アクリル系樹脂粘着剤において、初期粘着性(タック)や粘着力といった粘着特性と、凝集力とのバランスを良くするために用いられる。
このようなアルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどのアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボキシ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシ基含有モノマーの無水物;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;カプロラクトン変性(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「メタクリレート又はアクリレート」を意味する。
更に、上記アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体において、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを単独重合させて得られる樹脂のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下となるものが好ましい。
又、上記アクリル系樹脂粘着剤には、架橋剤が添加されてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートなどのイソシアネート系架橋剤;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテルなどのエポキシ系架橋剤;N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)などのアジリジン系架橋剤などが挙げられる。なお、これらの架橋剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
なお、上記架橋剤は、上記アクリル系樹脂粘着剤を構成するモノマーの種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、アクリル系樹脂粘着剤が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、アクリル酸やアクリル酸−2−ヒドロキシエチルなどの架橋構造の形成に寄与するモノマーとの共重合体である場合には、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
なお、上記粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤が添加されてもよい。
そして、上記粘着剤層の厚みは、薄いと、初期粘着性(タック)や粘着力といった粘着特性が悪化することがある一方、厚いと、装飾用粘着シートを被着体から剥離させた際に、粘着剤層が凝集破壊を起こして、被着体の表面に糊残りが生じることがあるので、10〜50μmが好ましい。
次に、本発明の装飾用粘着シートの製造方法について説明する。本発明の装飾用粘着シートの製造方法としては、先ず、所定量の塩化ビニル樹脂、アジピン酸ポリエステル系可塑剤、上記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物、有機亜リン酸エステル及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤を均一に混練し、溶液キャスティング法などの製膜法によって塩化ビニル樹脂フィルムを作製する。
続いて、合成樹脂フィルム上に金属薄膜層を剥離可能に蒸着させてなる金属蒸着フィルムを用意し、この金属蒸着フィルムをその金属薄膜層が塩化ビニル樹脂フィルムに対向した状態にして塩化ビニル樹脂フィルムの裏面にドライラミネーションなどの汎用の要領で積層一体化した後、金属蒸着フィルムの合成樹脂フィルムを金属薄膜層上から剥離、除去して、金属薄膜層を露出させた状態とする。
一方、表面に離型処理が施された離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤をリバースコータ法やホットメルトコート法などの汎用の要領で塗布して必要に応じて乾燥させて粘着剤層を形成させた後、離型フィルムの離型処理面に形成された粘着剤層を金属薄膜層上に該金属薄膜層に対向した状態に重ね合わせることによって、塩化ビニル樹脂フィルム、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートを作製することができる。
そして、上記粘着剤層を構成する粘着剤の形態は、特に限定されず、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、光重合可能なモノマーからなる塊状重合型粘着剤などが挙げられる。又、上記粘着剤は、架橋型粘着剤であっても、非架橋型粘着剤であってもよく、更に、1液型粘着剤でも、2液以上の多液型の粘着剤であってもよい。
なお、上記では、離型フィルムを別途、用意し、この離型フィルム上に形成した粘着剤層を金属薄膜層上に転写した場合を説明したが、金属薄膜層上に粘着剤層をリバースコータ法やホットメルトコート法などの汎用の要領で直接、形成してもよい。
又、上記装飾用粘着シートでは、金属蒸着フィルムの合成樹脂フィルムを除去して製造する場合について説明したが、金属蒸着フィルムの合成樹脂フィルムを剥離、除去させることなく、金属蒸着フィルムの合成樹脂フィルム上に粘着剤層を積層一体化したものであってもよい。なお、この場合は、金属蒸着フィルムの金属薄膜層と合成樹脂フィルムとは剥離不能に一体化されている。
更に、金属蒸着フィルムを塩化ビニル樹脂フィルムの裏面に積層一体化させるにあたって、金属蒸着フィルムをその合成樹脂フィルムが塩化ビニル樹脂フィルムの裏面に対向した状態に塩化ビニル樹脂フィルムの裏面に積層一体化させ、しかる後、金属薄膜層上に粘着剤層を積層一体化させたものであってもよい。この場合においても、金属蒸着フィルムの金属薄膜層と合成樹脂フィルムとは剥離不能に一体化されている。
本発明の装飾用粘着シートは、その基材層である塩化ビニル樹脂フィルムがアジピン酸ポリエステル系可塑剤を所定量含有してなることから、適度な粘着力を有し、被着体から剥離させた際に被着体の表面に糊残りを生じさせにくいと共に、曲面への追従性に優れているので、自動車、オートバイ、家電製品など、様々な用途に使用することができる。
又、上記装飾用粘着シートは、その基材層である塩化ビニル樹脂フィルムがアルキル錫メルカプト化合物及び有機亜リン酸エステルを所定量ずつ含有してなることから、塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、塩化ビニル樹脂が熱分解して塩化ビニル樹脂フィルムに着色が生じることがほとんどなく、更に、塩化ビニル樹脂フィルムが水分を吸収して白色化することもほとんどなく、鮮明な色彩と光沢感を有し、装飾性に優れている。
そして、上記装飾用粘着シートは、その基材層である塩化ビニル樹脂フィルムがベンゾフェノン系紫外線吸収剤を所定量含有してなることから、耐候性に優れており、変色したり、光沢感が失われたりしにくいので、長期に亘って使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製 商品名「PSH10」)100重量部、アジピン酸ポリエステル系可塑剤(旭電化社製 商品名「アデカサイザーPN−446」、重量平均分子量:1800)30重量部、アルキル錫メルカプト化合物(勝田化工社製 商品名「TM−181FSJ」、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)−Sn− (SCH 2CH 2COOC8H17)3 }及び ジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)2−Sn− (SCH 2CH 2COOC8H17)2}の混合物)5重量部、有機亜リン酸エステル(勝田化工社製)2重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤(旭電化社製 商品名「Mark1413」)4重量部を均一に混練し、溶液キャスティング法により、厚み50μmの塩化ビニル樹脂フィルムを得た。
塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製 商品名「PSH10」)100重量部、アジピン酸ポリエステル系可塑剤(旭電化社製 商品名「アデカサイザーPN−446」、重量平均分子量:1800)30重量部、アルキル錫メルカプト化合物(勝田化工社製 商品名「TM−181FSJ」、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)−Sn− (SCH 2CH 2COOC8H17)3 }及び ジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)2−Sn− (SCH 2CH 2COOC8H17)2}の混合物)5重量部、有機亜リン酸エステル(勝田化工社製)2重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤(旭電化社製 商品名「Mark1413」)4重量部を均一に混練し、溶液キャスティング法により、厚み50μmの塩化ビニル樹脂フィルムを得た。
次に、溶剤使用型のウレタン系樹脂粘着主剤(三井化学ポリウレタン社製 商品名「タケラックA−543」)と脂肪族硬化剤(三井化学ポリウレタン社製 商品名「タケネートA−50」)とを混合して、ウレタン系樹脂粘着剤溶液を作製した。
続いて、離型フィルムの離型処理面にアルミニウムを蒸着させて、アルミニウム薄膜層を離型フィルム上に剥離可能に積層させてなる転写用アルミニウム蒸着フィルム(麗光社製 商品名「PX198」)を用意し、この転写用アルミニウム蒸着フィルムのアルミニウム薄膜層上に、上記のようにして得られたウレタン系樹脂粘着剤溶液を塗布し、乾燥させて溶剤を除去することにより、転写用アルミニウム蒸着フィルムのアルミニウム薄膜層上に粘着剤層を形成した。
そして、上記転写用アルミニウム蒸着フィルムを、その粘着剤層が上記塩化ビニル樹脂フィルムの裏面に対向した状態に塩化ビニル樹脂フィルム上に重ね合わせ、転写用アルミニウム蒸着フィルムのアルミニウム薄膜層を粘着剤層を介して塩化ビニル樹脂フィルムに転写一体化させた後、転写用アルミニウム蒸着フィルムの離型フィルムを剥離させることにより、塩化ビニル樹脂フィルムの裏面にアルミニウム薄膜層が積層一体化されてなる積層体を得た。
次に、アクリル系樹脂粘着剤(積水化学工業社製 商品名「NM2」)100重量部を溶剤に溶解させてアクリル系樹脂粘着剤溶液を作製し、このアクリル系樹脂粘着剤溶液にイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL−28E」)2重量部を添加し、均一になるように攪拌した。
続いて、表面にシリコーン系樹脂離型剤により離型処理が施された離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に、コンマコーターを用いて上記アクリル系樹脂粘着剤溶液を塗布し、乾燥させて溶剤を除去することにより、厚み30μmの粘着剤層を形成した。
そして、上記離型フィルムの離型処理面に形成させた粘着剤層を、上記積層体のアルミニウム薄膜層上に重ね合わせることにより、塩化ビニル樹脂フィルム、アルミニウム薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートを得た。なお、上記装飾用粘着シートの粘着剤層上には、離型フィルムが剥離可能に積層されていた。
(実施例2)
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の添加量を5重量部の代わりに、1重量部としたこと以外は実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の添加量を5重量部の代わりに、1重量部としたこと以外は実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
(実施例3)
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、有機亜リン酸エステルの添加量を2重量部の代わりに0.5重量部とし、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加量を4重量部の代わりに2重量部としたこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、有機亜リン酸エステルの添加量を2重量部の代わりに0.5重量部とし、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加量を4重量部の代わりに2重量部としたこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
(比較例1)
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の代わりに、バリウム−亜鉛系化合物(勝田化工社製 商品名「BZ−200SP」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の代わりに、バリウム−亜鉛系化合物(勝田化工社製 商品名「BZ−200SP」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
(比較例2)
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の代わりに、カルシウム−亜鉛系化合物(勝田化工社製 商品名「CZ−802E」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の代わりに、カルシウム−亜鉛系化合物(勝田化工社製 商品名「CZ−802E」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
(比較例3)
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の代わりに、アルキル錫マレート化合物(勝田化工社製 商品名「T−840」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、アルキル錫メルカプト化合物の代わりに、アルキル錫マレート化合物(勝田化工社製 商品名「T−840」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
(比較例4)
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、有機亜リン酸エステルを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、有機亜リン酸エステルを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
(比較例5)
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の代わりに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 商品名「TINUVIN326」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
塩化ビニル樹脂フィルムの製膜時において、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の代わりに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 商品名「TINUVIN326」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
このようにして得られた装飾用粘着シートについて、初期装飾性、耐吸水白化性、促進耐候性及び耐ガソリン性を下記の要領で評価し、その結果を表1に示した。
(初期装飾性)
得られた装飾用粘着シートに光を照射し、装飾用粘着シートの透過光による色の鮮明さ及び光沢感を目視観察し、下記基準により、装飾用粘着シートの初期装飾性を評価した。
◎:装飾用粘着シートは、色が非常に鮮明であり且つ優れた光沢感を有していた。
○:装飾用粘着シートは、色が鮮明で且つ光沢感を有していた。
×:装飾用粘着シートは、色が鮮明でない或いは光沢感を有していなかった。
得られた装飾用粘着シートに光を照射し、装飾用粘着シートの透過光による色の鮮明さ及び光沢感を目視観察し、下記基準により、装飾用粘着シートの初期装飾性を評価した。
◎:装飾用粘着シートは、色が非常に鮮明であり且つ優れた光沢感を有していた。
○:装飾用粘着シートは、色が鮮明で且つ光沢感を有していた。
×:装飾用粘着シートは、色が鮮明でない或いは光沢感を有していなかった。
(耐吸水白化性)
得られた装飾用粘着シートを80℃の熱湯に30分間浸漬し、装飾用粘着シートを熱湯から取り出して、23℃の温度下で3分間静置した。次に、この装飾用粘着シートに付着している水分を未使用のガーゼで拭き取った後、装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの耐吸水白化性を評価した。
○:装飾用粘着シートは、白色化せず、優れた装飾性を有していた。
×:装飾用粘着シートは、白色化し、装飾性が低下していた。
得られた装飾用粘着シートを80℃の熱湯に30分間浸漬し、装飾用粘着シートを熱湯から取り出して、23℃の温度下で3分間静置した。次に、この装飾用粘着シートに付着している水分を未使用のガーゼで拭き取った後、装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの耐吸水白化性を評価した。
○:装飾用粘着シートは、白色化せず、優れた装飾性を有していた。
×:装飾用粘着シートは、白色化し、装飾性が低下していた。
(促進耐候性)
サンシャインウェザオメーター(スガ試験機社製)を使用し、JIS D0205(自動車部品の耐候性試験)に準拠して、装飾用粘着シートの耐候性についての試験を行い、試験開始から400時間及び1000時間における装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの促進耐候性を評価した。
◎:400時間経過時及び1000時間経過時の何れにおいても、装飾用粘着シートの
装飾性に変化は認められなかった。
○:400時間経過時において、装飾用粘着シートの装飾性に変化は認められず、10
00時間経過時においても、装飾用粘着シートの装飾性はほとんど低下していなか
った。
×:400時間経過時及び1000時間経過時の何れにおいても、装飾用粘着シートの
装飾性が低下していた。
サンシャインウェザオメーター(スガ試験機社製)を使用し、JIS D0205(自動車部品の耐候性試験)に準拠して、装飾用粘着シートの耐候性についての試験を行い、試験開始から400時間及び1000時間における装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの促進耐候性を評価した。
◎:400時間経過時及び1000時間経過時の何れにおいても、装飾用粘着シートの
装飾性に変化は認められなかった。
○:400時間経過時において、装飾用粘着シートの装飾性に変化は認められず、10
00時間経過時においても、装飾用粘着シートの装飾性はほとんど低下していなか
った。
×:400時間経過時及び1000時間経過時の何れにおいても、装飾用粘着シートの
装飾性が低下していた。
(耐ガソリン性)
得られた装飾用粘着シートを、20℃の市販のハイオクガソリンに60分間浸漬し、装飾用粘着シートをハイオクガソリンから取り出して、23℃の温度下で3分間静置した。次に、この装飾用粘着シートに付着しているハイオクガソリンを未使用のガーゼで拭き取った後、装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの耐ガソリン性を評価した。
○:装飾用粘着シートに変色及び層間剥離が認められなかった。
×:装飾用粘着シートに変色或いは層間剥離が認められた。
得られた装飾用粘着シートを、20℃の市販のハイオクガソリンに60分間浸漬し、装飾用粘着シートをハイオクガソリンから取り出して、23℃の温度下で3分間静置した。次に、この装飾用粘着シートに付着しているハイオクガソリンを未使用のガーゼで拭き取った後、装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの耐ガソリン性を評価した。
○:装飾用粘着シートに変色及び層間剥離が認められなかった。
×:装飾用粘着シートに変色或いは層間剥離が認められた。
Claims (3)
- 基材層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートであって、上記基材層が、塩化ビニル樹脂100重量部、アジピン酸ポリエステル系可塑剤5〜100重量部、下記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物0.01〜10重量部、有機亜リン酸エステル0.01〜5重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤1〜10重量部を含有してなる塩化ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする装飾用粘着シート。
(R1)n−Sn−(SCH2CH2COOR2)4-n ・・・式(1)
(式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体) - アジピン酸ポリエステル系可塑剤の重量平均分子量が1700〜2500であることを特徴とする請求項1に記載の装飾用粘着シート。
- 粘着剤層がアクリル系樹脂粘着剤からなることを特徴とする請求項1に記載の装飾用粘着シート。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017177496A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 大日本印刷株式会社 | 化粧シート及び化粧材 |
JP2019130802A (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | バンドー化学株式会社 | 化粧材 |
JP2020121542A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | ダイヤプラスフィルム株式会社 | ポリ塩化ビニル系樹脂積層フィルム |
-
2007
- 2007-03-07 JP JP2007056673A patent/JP2008213387A/ja active Pending
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