JP2010017862A - 装飾用粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、曲面への追従性に優れ且つ優れた金属光沢を有し、曲面への追従性、耐候性、耐薬品性及び防汚性に優れた装飾用粘着シートを提供する。
【解決手段】 本発明の装飾用粘着シートは、基材層、中間層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートであって、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂100重量部、特定のアルキル錫メルカプト化合物0.01〜10重量部、有機亜リン酸エステル0.01〜5重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤1〜10重量部を含有してなる塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートからなる基材層、中間層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車、オートバイ、家電製品などの外面に貼着して使用される装飾用粘着シートに関する。
装飾用粘着シートとしては、塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂などからなる樹脂フィルムの一面に粘着剤層を積層してなるものが知られている。上記装飾用粘着シートは、その粘着剤層を装飾を施したい材料に貼着させ、上記樹脂フィルムの色や模様により装飾効果を発揮させるものであり、近年、塗装に代わり、自動車、オートバイ、家電製品などの装飾分野、広告、看板、ラベル・ステッカー類などのディスプレイ分野、ラッピングバスなどのフリートマーキング分野などに使用されるようになっている。
このような装飾用粘着シートとしては、保護フィルム層が、粘着剤層(1)を介してマーキングフィルム層に積層されてなることを特徴とするマーキングフィルム積層シートが提案されている。そして、このマーキングフィルム積層シートにおける、上記保護フィルム層がポリオレフィン系樹脂フィルムからなり、上記粘着剤層(1)がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体及びエチレン−メチルアクリレート共重合体から選ばれた少なくとも一種の樹脂からなることが好ましいことが開示されている。
しかしながら、上記マーキングフィルム積層シートは、外観を変化させることなく曲率の大きな面に追従させた状態で貼着するのが困難であるため、自動車やオートバイの車体などの曲率の大きな曲面を有する被着体への貼着に適していなかった。
又、曲面への追従性に優れた装飾用粘着シートとしては、特許文献2に、ウレタン樹脂フィルム層を二層構成とし、その上層の架橋型ウレタン樹脂よりなるフィルム層表面に金属蒸着膜を形成した金属蒸着ウレタンフィルムであって、上記架橋型フィルム層の100%モジュラスが、5〜30MPaであることを特徴とする金属蒸着ウレタンフィルムが提案されている。
しかしながら、上記金属蒸着ウレタンフィルムは、表面に傷がつき易いため、装飾性が損なわれたり、汚れが落ちにくくなり易いという問題点があった。又、上記金属蒸着ウレタンフィルムは、長期間ガソリン蒸気に曝されると、変色・変質したり、層間剥離が発生するため、自動車やオートバイ用の装飾用粘着シートには不適であった。
そして、ガソリン蒸気の存在下での使用が可能で且つ曲面への追従性にも優れた装飾用粘着シートとしては、特許文献3に、塩化ビニル樹脂を含んでなる光透過性被覆フィルム、飽和ポリエステル又はアミノエチル化樹脂を含んでなるフィルム、ポリウレタン樹脂を含んでなるフィルム及び金属層がこの順に積層一体化されてなる装飾性シートが提案されている。
しかしながら、上記装飾用シートは、金属光沢が不充分であり、装飾性に劣るといった問題点があった。
特開平8−118531号公報 特開2004−299190号公報 特開平11−207863号公報
本発明は、曲面への追従性に優れ且つ優れた金属光沢を有し、曲面への追従性、耐候性、耐薬品性及び防汚性に優れた装飾用粘着シートを提供する。
本発明の装飾用粘着シートは、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂100重量部、下記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物0.01〜10重量部、有機亜リン酸エステル0.01〜5重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤1〜10重量部を含有してなる塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートからなる基材層、中間層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなることを特徴とする。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
(R1)n−Sn−(SCH2CH2COOR2)4-n ・・・式(1)
(式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体)
上記装飾用粘着シートの基材層は塩素含有(メタ)アクリル系樹脂を含有している。塩素含有(メタ)アクリル系樹脂は、塩素を含有していることから耐候性及び防汚性に優れていると共に、(メタ)アクリル系樹脂骨格によって柔軟性及び透明性に優れている。
従って、装飾用粘着シートの表面層となる基材層中に塩素含有(メタ)アクリル系樹脂を含有させることによって、装飾用粘着シートは、その基材層を通じた金属薄膜層の視認性が向上されて金属光沢性に優れていると共に、太陽光の紫外線に対する耐候性や耐薬品性にも優れており、更に、装飾用粘着シートの柔軟性を向上させて曲面への追従性に優れていると共に、基材層と他の層との剥離を防止している。
塩素含有(メタ)アクリル系樹脂としては、分子中に塩素原子を含有しておれば、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル系重合体と塩化ビニルとのグラフト共重合体などが挙げられ、透明性及び耐候性に優れ、可塑剤の添加がなくても優れた柔軟性を有していることから、(メタ)アクリル系重合体と塩化ビニルとのグラフト共重合体が好ましい。
なお、(メタ)アクリル系重合体と塩化ビニルとのグラフト共重合体中に可塑剤を添加しないことによって、金属薄膜層を形成する際の真空蒸着時にアウトガスが発生せず問題なく作業ができるという利点と、得られる装飾用粘着シートが更に長期に亘って透明性及び耐候性に優れるという利点が得られる。
上記(メタ)アクリル系重合体の原料となる単量体としては、特に限定されず、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系単量体が好ましく、単独で用いられても二種以上が併用されもよい。
又、(メタ)アクリル系重合体には共重合成分として他の単量体成分が含有されていてもよい。このような単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニルなどが挙げられる。
そして、(メタ)アクリル系重合体中において(メタ)アクリレート系単量体以外の上記単量体成分の含有量は、少ないと、装飾用粘着シートが硬くなることがあり、多いと、装飾用粘着シートの透明性が低下することがあるので、5〜40重量%が好ましい。
更に、(メタ)アクリル系重合体には共重合成分として架橋性単量体成分が含有されていてもよい。このような架橋性単量体としては、分子中に2つ以上の重合性官能基を有する化合物が挙げられ、例えば、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどが挙げられる。なお、架橋性単量体は、単独で用いられても二種以上が併用されもよい。
又、(メタ)アクリル系重合体中において架橋性単量体の含有量は、多いと、装飾用粘着シートが硬くなることがあるので、(メタ)アクリル系重合体中、0〜5重量%が好ましく、少ないと、架橋性単量体を含有している効果が発現しないことがあるので、0.1〜3重量%がより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体としては、ガラス転移温度が−20℃以下であるアルキル(メタ)アクリレート系重合体が好ましい。なお、重合体のガラス転移温度は、JIS C 6481に準拠して測定されたものをいう。
(メタ)アクリル系重合体中におけるガラス転移温度が−20℃以下であるアルキル(メタ)アクリレート系重合体の含有量は、少ないと、低温時の装飾用粘着シートの取扱性が低下することがあり、多いと、常温以上での装飾用粘着シートの取扱性が低下することがあるので、65〜95重量%が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体と塩化ビニルとのグラフト共重合体中における塩化ビニル成分の含有量は、少ないと、装飾用粘着シートの透明性が低下することがあり、多いと、(メタ)アクリル系重合体の量が相対的に少なくなって基材層の柔軟性が低下することがあるので、60〜95重量%が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体と塩化ビニル単量体とをグラフト共重合させる方法としては、特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などが挙げられる。
そして、(メタ)アクリル系重合体と塩化ビニルとを共重合させるにあたって、反応性単量体を共重合させてもよい。このような反応性単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香環を有するビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されもよい。
なお、反応性単量体は、(メタ)アクリル重合体と塩化ビニル単量体とを共重合させる際に、塩化ビニル単量体と同時に重合系に加えても、或いは、塩化ビニル単量体とは別に反応系に加えてもよい。
そして、基材層を構成している塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートには、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの製膜時における変色を防止するために、下記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物が含有されている。
(R1)n−Sn−(SCH2CH2COOR2)4-n ・・・式(1)
(式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体)
上記式(1)において、R1は炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基などが挙げられる。なお、上記式(1)において、nの値が2である場合、2つのR1は互いに同一でなくてもよい。
又、上記式(1)において、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体である。炭素数1〜8のアルキル基としては、上記R1と同様のものが挙げられる。なお、上記式(1)において複数個存在するR2は、互いに同一でなくてもよい。
具体的に、上記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物としては、特に限定されず、例えば、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(ベンジル−3−メルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、モノラウリル錫トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(オレイル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(ベンジル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(シクロヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジラウリル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、などが挙げられ、ジブチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、ジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート)が好ましい。なお、これらは単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
そして、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シート中における式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物の含有量は、少ないと、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの製膜時に塩素含有(メタ)アクリル系樹脂が熱分解して着色し、或いは、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートが水分を吸収して白色化し易くなって、装飾用粘着シートの装飾性が低下する一方、多いと、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの透明性が損なわれて、得られる装飾用粘着シートの装飾性が低下するので、塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部に限定され、1〜9重量部が好ましく、2〜8重量部がより好ましい。
又、基材層を構成している塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートには有機亜リン酸エステルが含有されている。有機亜リン酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリスシクロヘキシルフェニルホスファイト、トリスシクロヘキシルホスファイト、トリデシルトリチオホスファイト、トリイソデシルチオホスファイト、フェニル・ジ−2−エチルヘキシルホスファイト、フェニル・ジイソデシルホスファイト、フェニル・ジシクロヘキシルホスファイト、フェニル・ジイソオクチルホスファイト、フェニル・ジ(トリデシル)ホスファイト、フェニル・ジ−シクロヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソオクチルホスファイト、ジフェニル・2−エチルヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト、ジフェニル・シクロヘキシルフェニルホスファイト、ジフェニル・トリデシルチオホスファイト、ノニルフェニル・ジ(トリデシル)ホスファイト、フェニル・tert−ブチル・ドデシルホスファイト、ジイソプロピルホスファイト、モノイソプロピルホスファイト、ジイソデシルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、モノイソオクチルホスファイト、ジドデシルホスファイト、モノドデシルホスファイト、ジシクロヘキシルホスファイト、モノシクロヘキシルホスファイト、ジシクロヘキシルフェニルホスファイト、モノジシクロヘキシルフェニルホスファイト、ジ(p−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、テトライソオクチル〔4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)〕ジホスファイト、テトラノニルフェニルポリプロピレングリコールジホスファイト、テトラ(トリデシル)ジプロピレングリコールジホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキシルジホスファイト、ペンタキス(ノニルフェニル)ビスポリプロピレングリコールトリホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)テトラキスポリプロピレングリコールペンタホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)テトラキス(ビスフェノールA)ペンタホスファイト、デカキス(ノニルフェニル)ヘプタキス(ジプロピレングリコール)オクタホスファイト、デカフェニルヘプタ(ジプロピレングリコール)オクタホスファイト、テトラキス(イソオクトキシカルボメチレンチオ)1,2−オキシカルボニルメチレンチオエチレンジホスファイト、ジブトキシカルボエチレンチオ(ペンタエリスリトールテトラチオグリコール)ジホスファイト、ジイソオクトキシカルボメチレンチオ(ペンタエリスリトールテトラチオグリコール)ジホスファイト、テトラキス(メルカプトドデシル)1,2−ジメルカプト−エチレンジホスファイト、テトラキス(メルカプトドデシル)1,6−ジメルカプト−ヘキシレンジホスファイト、テトラキス(メルカプトドデシル)2,2’−ジメルカプト−エチルエーテルジホスファイト、ペンタキス(ドデシルメルカプト)ビス(1,6−ヘキシレンジメルカプト)トリホスファイト、ジフェニルホスファイト、水添4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェニルアルキル(C12〜C15)ジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−o−tert−ブチルフェニル)ジホスファイト、ジ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−o−tert−ブチルフェニル)ジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、1,1,3−トリス〔(2’−メチル−4’−ジトリデシルホスファイト5’−tert−ブチル)フェニル〕ブタン、トリスドデシルメルカプトホスファイト、デカフェニルヘプタ(ジプロピレングリコール)オクタホスファイト、ジブチルペンタエリスリトールジホスファイト、ジデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオクチルペンタエリスリトールジホスファイト及びこれらのアシッド型ホスファイトなどが挙げられる。なお、これらの有機亜リン酸エステルは、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シート中における有機亜リン酸エステルの含有量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部に限定され、0.1〜4重量部が好ましく、1〜3重量部がより好ましい。これは、有機亜リン酸エステルの含有量が少ないと、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの製膜時に塩素含有(メタ)アクリル系樹脂が熱分解して着色したり、或いは、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの耐候性が低下して、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートが変色したりして、得られる装飾用粘着シートの装飾性が低下する一方、有機亜リン酸エステルの含有量が多いと、装飾用粘着シートの長期間に亘る使用により、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートを構成している塩素含有(メタ)アクリル系樹脂が熱分解して着色し、装飾用粘着シートの装飾性が低下するからである。
又、基材層を構成している塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートにはベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されている。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に限定されず、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどが挙げられる。なお、これらのベンゾフェノン系紫外線吸収剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シート中におけるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、少ないと、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの耐候性が低下して、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートが変色し、得られる装飾用粘着シートの装飾性が低下する一方、多いと、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの透明性が低下して装飾用粘着シートの装飾性が低下し、或いは、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートから中間層や金属薄膜層に形成された極微な隙間を通って粘着剤層へと移行し、装飾用粘着シートの被着体に対する粘着力が低下するので、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対して、1〜10重量部に限定され、2〜9重量部が好ましく、3〜8重量部がより好ましい。
なお、上記塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートには、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、ヒンダードアミン系光安定剤、滑剤、顔料などの添加剤が添加されてもよい。
又、上記塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの厚みは、薄いと、装飾用粘着シートの機械的強度が低下して耐候性が低下することがある一方、厚いと、装飾用粘着シートの柔軟性が低下して、装飾用粘着シートの曲面への追従性が低下し、或いは、金属薄膜層にひび割れが生じることがあるので、30〜150μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。
上記塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの製膜方法としては、特に限定されず、例えば、溶液キャスティング法、カレンダー成形法などが挙げられ、溶液キャスティング法が好ましい。
そして、基材層の一面には中間層が積層一体化されている。基材層の一面に中間層を積層することにより、金属薄膜層の形成時の金属薄膜層の中間層への密着性や金属薄膜層の光沢性を向上させることができる。
中間層は、柔軟性及び透明性を有しており、金属薄膜層を金属蒸着によって形成することができることから、アクリル系樹脂、アクリルウレタン樹脂又はウレタン樹脂の少なくとも一種を含有していることが好ましい。
中間層を構成するアクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを単独重合又は共重合してなるアルキル(メタ)アクリレート樹脂や、アルキル(メタ)アクリレートとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体などが挙げられ、アルキル(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
又、アルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、アルキル基の炭素数が1〜12の一級又は二級のアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるものが好ましく、具体的には、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、オクチル(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、アルキル(メタ)アクリレートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
中間層としてアクリル系樹脂シートを用いると、装飾用粘着シートは、アクリル系樹脂シートを透して金属薄膜層を充分に視認することができ優れた金属光沢を有していると共に、曲面への追従性に優れ、耐候性にも優れたものとすることができる。
中間層を構成するアクリルウレタン樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリルポリオールとポリイソシアネート架橋剤とを反応させて得られるものが挙げられ、アクリルポリオール100重量部とポリイソシアネート架橋剤30〜100重量部とを反応させたものが好ましい。アクリルポリオールとしては、得られるアクリルウレタン樹脂が耐熱性に優れることから、重量平均分子量が1000〜200000で且つガラス転移温度が0〜100℃であることが好ましい。
又、ポリイソシアネート架橋剤としては、得られるアクリルウレタン樹脂が耐熱性に優れることから、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体又はこれらの混合物若しくは縮合物が好ましい。ポリイソシアネート架橋剤としては、架橋点間距離(ポリイソシアネートの重量平均分子量/ポリイソシアネートのNCO基数)が200〜400であることが好ましい。
中間層を構成するウレタン樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリイソシアネートとポリオールとの反応によって得られた直鎖構造型のウレタン樹脂などが挙げられる。
上記アクリル系樹脂には、アクリル系樹脂を架橋させて装飾用粘着シートの耐熱性を向上させる目的で、光硬化剤、熱硬化剤などの硬化剤が含有されるのが好ましい。
そして、上記光硬化剤としては、特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサントンとp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、イソプロピルチオキサントンとp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物などが挙げられる。なお、光硬化剤は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
又、上記熱硬化剤としては、特に限定されないが、アミン及び/又はチオール基を含有する熱硬化剤が好ましい。上記アミン及び/又はチオール基を含有する熱硬化剤としては、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]やアジピン酸ジヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジド化合物;ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−イミダゾリン−2−チオール、2−2’−チオジエタンチオールなどのイミダゾール化合物;酸無水物と各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物などが挙げられる。なお、熱硬化剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、上記アクリル系樹脂中における硬化剤の含有量は、少ないと、中間層の硬さが不充分となって、装飾用粘着シートの耐熱性が低下することがある一方、多いと、中間層が硬くなり過ぎて、装飾用粘着シートの曲面への追従性が低下することがあるので、アクリル系樹脂100重量部に対して、0.1〜3重量部が好ましく、0.5〜2重量部がより好ましい。
なお、上記硬化剤として、光硬化剤と熱硬化剤とが併用されてもよい。そして、光硬化剤と熱硬化剤とが併用された場合におけるアクリル系樹脂シート中の硬化剤の含有量は、光硬化剤と熱硬化剤の合計量とする。
そして、中間層の製膜方法としては、特に限定されず、例えば、中間層を構成する合成樹脂を含有する溶液を離型フィルムの離型処理面に塗布した後、好ましくは加熱することなく乾燥させて溶剤を蒸発、除去し、離型フィルムの離型処理面上に中間層を形成した後、離型フィルムを剥離、除去することによって製膜する方法が挙げられる。
中間層の厚みとしては特に限定はされないが、薄いと、クラックが入ってしまう場合があり、厚いと、下の金属層の光沢が外観上充分に表れない場合があるため、0.5〜10μmが好ましい。
又、中間層の厚みは、薄いと、装飾用粘着シートを曲面に貼り合せる際にクラックが入ってしまう場合があり、厚いと、装飾用粘着シートが光沢性不足になることがあるので、0.6〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
そして、中間層の一面には金属薄膜層が積層一体化されている。このような金属薄膜層としては、特に限定されないが、アルミニウム薄膜層が好ましい。
中間層の一面への金属薄膜層の積層一体化は、中間層の一面に直接、金属薄膜層を蒸着させてもよいし、或いは、合成樹脂フィルム上に予め形成した金属薄膜層を中間層の一面に転写させて積層一体化させてもよい。
ここで、合成樹脂フィルム上に予め形成した金属薄膜層を中間層の一面に転写させて積層一体化させる方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、溶剤使用型のドライラミネーション法、無溶剤型のドライラミネーション法、押出ラミネーション法などが挙げられ、溶剤使用型のドライラミネーション法が好ましい。なお、必要に応じて、中間層の一面にコロナ処理やオゾン処理などの前処理を施してもよい。
そして、上記溶剤使用型のドライラミネーション法に用いられる粘着剤としては、ウレタン系樹脂粘着剤が好ましい。上記ウレタン系樹脂粘着剤としては、特に限定されず、例えば、ウレタンプレポリマーからなる主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤とを混合させることにより、ウレタンプレポリマー中の水酸基とポリイソシアネート中のイソシアネート基がウレタン結合を形成して硬化する2液型ウレタン系粘着剤などが挙げられる。
なお、上記ウレタン系樹脂粘着剤の塗布量としては、特に限定されないが、乾燥後のウレタン系樹脂粘着剤の重量が0.5〜5.0g/m2であることが好ましい。
更に、上記金属薄膜層の一面には粘着剤層が積層一体化されている。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリビニルエーテル系樹脂粘着剤、シリコーン系樹脂粘着剤などが挙げられ、これらの中でも、耐候性や透明性に優れたアクリル系樹脂粘着剤が好ましい。
そして、上記アクリル系樹脂粘着剤としては、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを単独重合又は共重合してなる樹脂、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
又、上記アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、例えば、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノルマルオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、上記アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な他のモノマーは、アクリル系樹脂粘着剤において、初期粘着性(タック)や粘着力といった粘着特性と、凝集力とのバランスを良くするために用いられる。
このようなアルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜3のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボキシ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシ基含有モノマーの無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;カプロラクトン変性(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
更に、上記アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体において、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル(メタ)アクリレートを単独重合させて得られる樹脂のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下となるものが好ましい。
又、上記アクリル系樹脂粘着剤には、架橋剤が添加されてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートなどのイソシアネート系架橋剤;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテルなどのエポキシ系架橋剤;N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)などのアジリジン系架橋剤などが挙げられる。なお、これらの架橋剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
なお、上記架橋剤は、上記アクリル系樹脂粘着剤を構成するモノマーの種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、アクリル系樹脂粘着剤が、アルキル(メタ)アクリレートと、アクリル酸や2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの架橋構造の形成に寄与するモノマーとの共重合体である場合には、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
なお、上記粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤が添加されてもよい。
そして、上記粘着剤層の厚みは、薄いと、初期粘着性(タック)や粘着力といった粘着特性が悪化することがある一方、厚いと、装飾用粘着シートを被着体から剥離させた際に、粘着剤層が凝集破壊を起こして、被着体の表面に糊残りが生じることがあるので、10〜50μmが好ましい。
次に、本発明の装飾用粘着シートの製造方法について説明する。本発明の装飾用粘着シートの製造方法としては、先ず、所定量の塩素含有(メタ)アクリル系樹脂、上記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物、有機亜リン酸エステル及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤を均一に混練し、溶液キャスティング法などの製膜法によって塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートを作製する。
次に、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シート上に中間層を構成する合成樹脂を溶液キャスティングやグラビアコーティングすることによって、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの一面に中間層を積層一体化する。続いて、中間層の一面に金属蒸着を行い、中間層の一面に金属薄膜層を積層一体化する。
一方、表面に離型処理が施された離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤をリバースコータ法やホットメルトコート法などの汎用の要領で塗布して必要に応じて乾燥させて粘着剤層を形成させた後、離型フィルムの離型処理面に形成された粘着剤層を金属薄膜層上に該金属薄膜層に対向した状態に重ね合わせることによって、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シート、中間層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートを作製することができる。
本発明の装飾用粘着シートは、その基材層である塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートが塩素含有(メタ)アクリル系樹脂を所定量含有してなることから、基材層は優れた透明性を有しており、この基材層を透して金属薄膜層を良好に視認することができ、装飾用粘着シートは優れた金属光沢を有していると共に、優れた柔軟性を有し曲面への追従性にも優れているので、自動車、オートバイ、家電製品など、様々な用途に使用することができる。
そして、装飾用粘着シートの基材層は、優れた耐候性及び耐薬品性も有しており、長期間に亘って優れた透明性を維持し、優れた金属光沢を長期間に亘って維持する。
又、上記装飾用粘着シートは、その基材層である塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートがアルキル錫メルカプト化合物及び有機亜リン酸エステルを所定量ずつ含有してなることから、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの製膜時において、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂が熱分解して塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートに着色が生じることがほとんどなく、更に、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートが水分を吸収して白色化することもほとんどなく、鮮明な色彩と光沢感を有し、装飾性に優れている。
そして、上記装飾用粘着シートは、その基材層である塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートがベンゾフェノン系紫外線吸収剤を所定量含有してなることから、耐候性に優れており、変色したり、光沢感が失われたりしにくいので、長期に亘って使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
塩素含有メタクリル系樹脂(カネカ社製 商品名「プリクトマーGU」、メタクリル系重合体と塩化ビニルとのグラフト共重合体)100重量部、アルキル錫メルカプト化合物(勝田化工社製 商品名「TM−181FSJ」、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)−Sn− (SCH 2CH 2COOC817)3 }及びジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)2−Sn− (SCH 2CH 2COOC817)2}の混合物)5重量部、有機亜リン酸エステル(勝田化工社製)2重量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(旭電化社製 商品名「Mark1413」)4重量部及びアジピン酸ポリエステル系可塑剤(旭電化社製 商品名「アデカサイザーPN−446」、重量平均分子量:1800)30重量部を均一に混練し、カレンダー成形法により、厚み90μmの塩素含有メタクリル系樹脂シートを得た。
続いて、得られた塩素含有メタクリル系樹脂シートの一面に中間層として、アクリル系樹脂(亜細亜工業社製 商品名「エクセロール910)100重量部及び熱硬化剤(亜細亜工業社製 商品名「エクセルハードナーD」)1重量部を均一に混練したものをグラビアコーティング法により厚さ3μmとなるように塗布、乾燥させて、塩素含有メタクリル系樹脂シートの一面に厚さ3μmのアクリル系樹脂シートを積層一体化させて、総厚みが92μmの積層シートA(全光線透過率:70%)を得た。
上記積層シートAのアクリル系樹脂シート上にアルミニウムを600Åの厚さに蒸着させて、積層シートAの中間層上にアルミニウム薄膜層が積層一体化されてなる積層シートBを得た。
次に、アクリル系樹脂粘着剤(積水化学工業社製 商品名「NM2」)100重量部を溶剤に溶解させてアクリル系樹脂粘着剤溶液を作製し、このアクリル系樹脂粘着剤溶液にイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL−28E」)2重量部を添加し、均一になるように攪拌した。
続いて、表面にシリコーン系樹脂離型剤により離型処理が施された離型シートを用意し、この離型シートの離型処理面に、コンマコーターを用いて上記アクリル系樹脂粘着剤溶液を塗布し、乾燥させて溶剤を除去することにより、厚み30μmのアクリル系粘着剤層を形成した。
そして、上記離型シートをその離型処理面に形成した粘着剤層が積層シートBのアルミニウム薄膜層に対向した状態となるように積層シートB上に重ね合わせることにより、塩素含有メタクリル系樹脂シート、アクリル系樹脂シート、アルミニウム薄膜層及びアクリル系粘着剤層がこの順に積層一体化されてなる装飾用粘着シートを得た。なお、粘着剤層上には、離型シートが剥離可能に積層されていた。
(実施例2)
塩素含有メタクリル系樹脂の厚みを90μmの代わりに50μmとしたこと以外は実施例1と同様の要領で装飾用粘着シートを得た。
(比較例1)
塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートにアクリル系樹脂シートを積層一体化させることなく、塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの一面にアルミニウムを蒸着させてアルミニウム薄膜層を積層一体化したこと以外は実施例1と同様にして装飾用粘着シートを得た。
(比較例2)
塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製 商品名「PSH10」)100重量部、アルキル錫メルカプト化合物(勝田化工社製 商品名「TM−181FSJ」、モノメチル錫トリス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)−Sn− (SCH 2CH 2COOC817)3}及びジメチル錫ビス(ノルマルオクチル−3−メルカプトプロピオネート){(CH3)2−Sn− (SCH 2CH 2COOC817)2}の混合物)5重量部、有機亜リン酸エステル(勝田化工社製)2重量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(旭電化社製 商品名「Mark1413」)4重量部及びアジピン酸ポリエステル系可塑剤(旭電化社製 商品名「アデカサイザーPN−446」、重量平均分子量:1800)30重量部を均一に混練し、溶液キャスティング法により、厚み50μmの塩化ビニル樹脂シートを得た。
この塩化ビニル樹脂シートを塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートの代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にして装飾用粘着シートを得た。
このようにして得られた装飾用粘着シートについて、初期装飾性、アルミニウム薄膜層のひび割れ、促進耐候性及び耐ガソリン性を下記の要領で評価し、その結果を表1に示した。
(初期装飾性)
得られた装飾用粘着シートに光を照射し、装飾用粘着シートの反射光による色の鮮明さ及び光沢感を目視観察し、下記基準により、装飾用粘着シートの初期装飾性を評価した。
◎:装飾用粘着シートは、色が非常に鮮明であり且つ優れた光沢感を有していた。
○:装飾用粘着シートは、色が鮮明で且つ光沢感を有していた。
×:装飾用粘着シートは、色が鮮明でない或いは光沢感を有していなかった。
(アルミニウム薄膜層のひび割れ)
得られた装飾用粘着シートから離型フィルムを25mm/秒の速度で剥離させた後、この装飾用粘着シートのアルミニウム薄膜層を目視観察し、下記基準により評価を行った。
◎:アルミニウム薄膜層にひび割れが全くなかった。
○:アルミニウム薄膜層にひび割れが若干発生したが使用上問題ないレベルであった。
×:アルミニウム薄膜層にひび割れが全面的に発生して使用上問題があった。
(促進耐候性)
サンシャインウェザオメーター(スガ試験機社製)を使用し、JIS D0205(自動車部品の耐候性試験)に準拠して、装飾用粘着シートの耐候性についての試験を行い、試験開始から400時間、1000時間及び1500時間経過時における装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの促進耐候性を評価した。なお、外観の判断は、光沢感及び色の鮮明さに基づいて総合的に判断した。
◎:1500時間経過時において装飾用粘着シートの装飾性に変化は認められなかった。○:400時間経過時において、装飾用粘着シートの装飾性に変化は認められなかったが
1000時間経過時において、装飾用粘着シートの装飾性が極僅かに低下していた。△:400時間経過時において、装飾用粘着シートの装飾性が極僅かに低下していた。
×:400時間経過時において、装飾用粘着シートの装飾性が低下していた。
(耐ガソリン性)
得られた装飾用粘着シートを、20℃の市販のハイオクガソリンに60分間浸漬し、装飾用粘着シートをハイオクガソリンから取り出して、23℃の温度下で3分間静置した。次に、この装飾用粘着シートに付着しているハイオクガソリンを未使用のガーゼで拭き取った後、装飾用粘着シートの外観を目視観察して、下記基準により装飾用粘着シートの耐ガソリン性を評価した。
○:装飾用粘着シートに変色及び層間剥離が認められなかった。
×:装飾用粘着シートに変色或いは層間剥離が認められた。
Figure 2010017862

Claims (4)

  1. 塩素含有(メタ)アクリル系樹脂100重量部、下記式(1)で示されるアルキル錫メルカプト化合物0.01〜10重量部、有機亜リン酸エステル0.01〜5重量部及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤1〜10重量部を含有してなる塩素含有(メタ)アクリル系樹脂シートからなる基材層、中間層、金属薄膜層及び粘着剤層がこの順に積層一体化されてなることを特徴とする装飾用粘着シート。
    (R1)n−Sn−(SCH2CH2COOR2)4-n ・・・式(1)
    (式中、nは1又は2、R1は炭素数1〜8のアルキル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基の誘導体)
  2. 塩素含有(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系重合体と塩化ビニルとのグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の装飾用粘着シート。
  3. 中間層は、(メタ)アクリル系樹脂、アクリルウレタン樹脂又はウレタン樹脂の少なくとも一種を含有していることを特徴とする請求項1に記載の装飾用粘着シート。
  4. 中間層の厚みが0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の装飾用粘着シート。
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