JP7263487B1 - プライマー組成物、キット、積層体及び粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ブロッキング性及び透明性に優れるプライマー層を形成できるプライマー組成物、キット、積層体及び粘着テープの提供。【解決手段】バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)とを含有するプライマー組成物であって、レーザー回折法で測定した前記無機粒子(B)の体積平均粒子径が5μm超、15μm以下であり、前記無機粒子(B)の含有量が、前記バインダー樹脂(A)100質量部に対して1~40質量部であるプライマー組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、プライマー組成物、キット、積層体及び粘着テープに関する。
基材フィルムの面上に粘着層を備えた粘着テープは、ダイシングテープ、表面保護フィルム、光学フィルム、防曇シート、仮止め用テープ、電気・電子機器用テープ、医療用テープなど、幅広い用途に用いられている。
基材フィルムと粘着層との密着性を高める目的で、基材フィルムの粘着層が設けられる側の表面にプライマー処理を施して、基材フィルムの表面にプライマー層を設ける場合がある。
プライマー処理に用いられるプライマー組成物として、例えば特許文献1には、高分子バインダー成分と平均粒子径が100nm以下の粒子成分とを含むプライマー組成物が開示されている。
特開2000-327955号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプライマー組成物を基材フィルムの表面に塗布して、基材フィルムの表面にプライマー層が形成された積層体を複数重ねて積み上げた場合や、長尺な積層体を巻き取った際に、ブロッキングが発生しやすかった。そのため、プライマー組成物には、耐ブロッキング性を有するプライマー層を形成できることが求められる。
また、粘着テープを例えば光学フィルム等の光学用途に用いる場合、プライマー層にはブロッキングしにくいことに加えて、透明性にも優れることが求められる。
本発明の目的は、耐ブロッキング性及び透明性に優れるプライマー層を形成できるプライマー組成物、キット、積層体及び粘着テープを提供することにある。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)とを含有するプライマー組成物であって、
レーザー回折法で測定した前記無機粒子(B)の体積平均粒子径が5μm超、15μm以下であり、
前記無機粒子(B)の含有量が、前記バインダー樹脂(A)100質量部に対して1~40質量部である、プライマー組成物。
[2] 前記バインダー樹脂(A)が、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体からなる群より選ばれる1種以上を含む、前記[1]のプライマー組成物。
[3] 前記バインダー樹脂(A)が、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一方を含む、前記[2]のプライマー組成物。
[4] チキソトロピック剤(C)をさらに含有する、前記[1]~[3]のいずれかのプライマー組成物。
[5] 前記チキソトロピック剤(C)が、脂肪酸アマイドを含む、前記[4]のプライマー組成物。
[6] 前記[1]~[5]のいずれかのプライマー組成物と、ポリイソシアネート化合物とを各々独立して含有するキットであって、
前記バインダー樹脂(A)が、ヒドロキシ基及びアミノ基の少なくとも一方を含有する、キット。
[7] 基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面上に設けられたプライマー層とを備えた積層体であって、
前記プライマー層が、前記[1]~[5]のいずれかのプライマー組成物又は前記[6]のキットを用いて形成された層である、積層体。
[8] 前記[7]の積層体と、前記積層体の前記プライマー層側の表面に設けられた粘着層とを備えた、粘着テープ。
[9] ダイシングテープとして用いられる、前記[8]の粘着テープ。
本発明によれば、耐ブロッキング性及び透明性に優れるプライマー層を形成できるプライマー組成物、キット、積層体及び粘着テープを提供できる。
本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の粘着テープの一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル樹脂」とは、「アクリル樹脂」及び「メタクリル樹脂」の総称である。「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の総称である。「(メタ)アクリルポリオール」とは、「アクリルポリオール」及び「メタクリルポリオール」の総称である。
[プライマー組成物]
本発明の一実施形態に係るプライマー組成物は、以下に示すバインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)とを含有する。
プライマー組成物は、チキソトロピック剤(C)をさらに含有することが好ましい。
プライマー組成物は、必要に応じて溶剤(D)をさらに含有してもよい。また、プライマー組成物は、必要に応じてバインダー樹脂(A)、無機粒子(B)、チキソトロピック剤(C)及び溶剤(D)以外の成分(任意成分)をさらに含有してもよい。
<バインダー樹脂(A)>
バインダー樹脂(A)は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体からなる群より選ばれる1種以上(以下、「(A1)成分」ともいう。)を含むことが好ましい。これらの中でも、本発明のプライマー組成物を基材フィルムの一方の面上に塗布して得られる積層体がカールしにくくなる(低カール性に優れる)点で、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂は、多価イソシアネート化合物とポリオール化合物との反応生成物である。
多価イソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する有機化合物であり、例えば脂肪族、脂環式、芳香族等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;上記ジイソシアネートを用いて、アロファネート構造、ヌレート構造、ビウレット構造等を有する多量体化した多価イソシアネート系化合物;1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートヘキサン等のトリイソシアネート;4,4’-ジフェニルジメチルメタン-2,2’-5,5’-テトライソシアネート等のポリイソシアネートなどが挙げられる。これらの多価イソシアネート化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物を重合して得られるポリエーテルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,8-ノナンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の飽和又は不飽和のグリコール類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸又はこれらに対応する酸無水物やダイマー酸等とを脱水縮合して得られるポリエステルポリオール;ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;前記二塩基酸又はそれらのジアルキルエステルと、前記ポリエーテルポリオールとを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオール;前記グリコール類と、メチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等とを反応させて得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらのポリオール化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ウレタン樹脂は、多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを公知の方法により反応させることで得られる。また、多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させてウレタンプレポリマーを合成し、得られたウレタンプレポリマーに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させてもよい。
鎖伸長剤としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類;イソホロンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類;トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類;キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類;N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’-ジ(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等のヒドロキシ基を有するジアミン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のジオール化合物;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類などが挙げられる。これらの鎖伸長剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
反応停止剤としては、例えばn-プロピルアミン、n-ブチルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エタノール等のモノアルコール類などが挙げられる。これらの反応停止剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
プライマー組成物に含まれるウレタン樹脂は、1種類でもよいし、2種類以上であってもよい。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸及び多価カルボン酸無水物の少なくとも一方と、ポリオール化合物とを公知の方法により反応させることで得られる。
多価カルボン酸としては、例えば無水フタル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、コハク酸、シトラコン酸、アジピン酸、セバシン酸等のエチレン性飽和多価カルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、フマル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸などが挙げられる。これらの多価カルボン酸は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオール化合物としては、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、グリセリン、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらのポリオール化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
プライマー組成物に含まれるポリエステル樹脂は、1種類でもよいし、2種類以上であってもよい。
(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリレート単位を含む樹脂である。
(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリレートの単独重合体、2種以上の(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリレートと(メタ)アクリレート以外の単量体との共重合体などが挙げられる。これらの(メタ)アクリル樹脂は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレート以外の単量体としては、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン化合物;スチレン、α-メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等の不飽和カルボン酸エステルなどが挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとを公知の方法で共重合することで得られる。すなわち、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニル単位と酢酸ビニル単位とを含む。また、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は必要に応じて、塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位以外の単量体(他の単量体)単位を含んでいてもよい。他の単量体としては、塩化ビニル及び酢酸ビニルと共重合可能であれば特に限定されない。
プライマー組成物に含まれる塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、1種類でもよいし、2種類以上であってもよい。
バインダー樹脂(A)は、必要に応じて(A1)成分以外の樹脂(以下、「(A2)成分」ともいう。)をさらに含んでいてもよい。
(A2)成分としては、例えばセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などが挙げられる。
プライマー組成物に含まれる(A2)成分は、1種類でもよいし、2種類以上であってもよい。
バインダー樹脂(A)の総質量に対する(A1)成分の含有量は、50~100質量%が好ましく、70~100質量%がより好ましく、90~100質量%がさらに好ましく、95~100質量%が特に好ましく、100質量%、すなわちバインダー樹脂(A)が(A1)成分であることが最も好ましい。
プライマー組成物中のバインダー樹脂(A)の含有量は、プライマー組成物の固形分の総質量に対して、71.4~99質量%が好ましく、76.5~98.5質量%より好ましく、78~98質量%がさらに好ましく、80~97.5質量%がよりさらに好ましく、83~97.5質量%が特に好ましく、87~97.5質量%が最も好ましい。バインダー樹脂(A)の含有量が上記下限値以上であれば、プライマー層の基材フィルム等に対する密着性(基材密着性)が十分に発現する。また、バインダー成分以外の成分をプライマー層に保持する能力が十分なものとなる。バインダー樹脂(A)の含有量が上記上限値以下であれば、耐ブロッキング性に優れるプライマー層を形成できる。
なお、「プライマー組成物の固形分」とは、プライマー組成物に含まれる成分のうち、溶剤(D)以外の全成分を意味する。
プライマー組成物が後述する溶剤(D)を含有する場合、プライマー組成物中のバインダー樹脂(A)の含有量は、プライマー組成物の総質量に対して5~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましく、10~30質量%がさらに好ましく、10~20質量%が特に好ましい。バインダー樹脂(A)の含有量が上記下限値以上であれば、沈降防止性が良好になり、かつ、プライマー組成物の基材への塗工性が良好なものになる。バインダー樹脂(A)の含有量が上記上限値以下であれば、製造や充填に適した粘度にすることができ、生産性が向上する。また、粘度の点から、ハンドリング性に優れたものになる。
<無機粒子(B)>
無機粒子(B)としては、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、沈降性硫酸バリウムなどが挙げられる。これらの中でも屈折率が低いことにより透明性が高くなる点、比重が小さいことにより沈降しにくい点、ビーズミル等の分散機を使用せずとも、ディゾルバー撹拌のみで分散可能な点などから、シリカが好ましい。
プライマー組成物に含まれる無機粒子(B)は、1種類でもよいし、2種類以上であってもよい。
無機粒子(B)の体積平均粒子径は5μm超、15μm以下であり、5.5~14.5μmが好ましく、6~14μmがより好ましく、6.5~13μmがさらに好ましく、7~12μmが特に好ましく、8~11μmが最も好ましい。無機粒子(B)の体積平均粒子径が上記下限値以上であれば、透明性に優れるプライマー層を形成できる。加えて、艶のある、すなわち光沢性に優れるプライマー層が得られやすくなる。係る理由は定かではないが、無機粒子(B)の体積平均粒子径が大きくなるほど無機粒子(B)が幾何光学領域、すなわち、可視光線波長に比べて粒子径が極端に大きい領域の特性を示すようになる。幾何光学領域では、光の遮蔽効率は粒子の断面積に比例し、粒子径が小さいほど光の遮蔽効率が増大し透明度が低下する傾向にあることから、無機粒子(B)の体積平均粒子径が大きくなるほど、プライマー層の透明性及び光沢性が向上するものと考えられる。
無機粒子(B)の体積平均粒子径が上記上限値以下であれば、プライマー組成物の印刷適性を良好に維持できる。
無機粒子(B)の体積平均粒子径は、レーザー回折法により無機粒子(B)の体積基準の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布より算出される累積頻度50%の粒径(メジアン径:D50)である。
レーザー回折法による粒子径測定方法としては、JIS Z 8825:2013に記載の方法を用いる。
プライマー組成物中の無機粒子(B)の体積平均粒子径は、プライマー組成物から無機粒子(B)を取り出して測定すればよい。プライマー組成物から無機粒子(B)を取り出す方法としては特に制限されないが、例えば濾過などの方法が挙げられる。プライマー組成物の粘度が高いなどの理由から濾過することが困難な場合は、濾過が可能な濃度になるまで溶剤でプライマー組成物を希釈した後に、濾過すればよい。希釈に用いる溶剤としては、後述の溶剤(D)が挙げられる。
また、例えば後述の積層体を構成するプライマー層中の無機粒子(B)の体積平均粒子径を測定する場合は、バインダー樹脂(A)を溶解することが可能な溶剤を用いてプライマー層を溶解させ、プライマー層から無機粒子(B)を取り出せばよい。
プライマー組成物中の無機粒子(B)の含有量は、バインダー樹脂(A)100質量部に対して1~40質量部であり、1.5~30質量部が好ましく、2~28質量部がより好ましく、2.5~25質量部がさらに好ましく、2.5~20質量部が特に好ましく、2.5~15質量部が最も好ましい。無機粒子(B)の含有量が上記下限値以上であれば、プライマー層の表面が凹凸になりやすい。そのため、詳しくは後述するが、基材フィルムの表面にプライマー層が形成された積層体を複数重ねて積み上げた場合や、長尺な積層体を巻き取った際に、下側にくる積層体のプライマー層と、上側にくる積層体の基材フィルムとの接触面積を小さくでき、ブロッキングが生じにくくなる。よって、無機粒子(B)の含有量が上記下限値以上であれば、耐ブロッキング性に優れるプライマー層を形成できる。
なお、無機粒子(B)の含有量を過度に増やしても、耐ブロッキング性の効果は頭打ちとなるばかりか、プライマー層の透明性や光沢性が低下してしまう。これは、無機粒子(B)の含有量が増えるほどプライマー層の表面の凹凸がより顕著となり、プライマー層の表面において光が散乱、拡散しやすくなり、その結果、プライマー層の透明性や光沢性が低下するものと考えられる。無機粒子(B)の含有量が上記上限値以下であれば、透明性に優れるプライマー層を形成できる。加えて、光沢性に優れるプライマー層が得られやすくなる。
<チキソトロピック剤(C)>
チキソトロピック剤(C)としては、チキソトロピック性を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、ひまし油、硬化ひまし油、酸化ポリエチレンなどが挙げられる。これらの中でも、沈降防止性が向上する観点から、脂肪酸アマイドが好ましい。
なお、「チキソトロピック性」とは、せん断応力(撹拌、圧送、塗装作業等)をかけることで粘度が低下し、静置状態では粘度が上昇する性質である。プライマー組成物にこのような性質を付与すると、タレ止めや沈降を防止することができる。
脂肪酸アマイドとしては、例えばラウリン酸アマイド、パルチミン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド、N-ステアリルステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸モノアマイド;N-オレイルパルチミン酸アマイド、N-ステアリルオレイン酸アマイド、N-オレイルステアリン酸アマイド等の不飽和脂肪酸モノアマイド;メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アマイド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アマイド等の飽和脂肪酸ビスアマイド;エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アマイド等の不飽和脂肪酸ビスアマイドなどが挙げられる。
プライマー組成物中のチキソトロピック剤(C)の含有量は、バインダー樹脂(A)100質量部に対して0.1~30質量部が好ましく、0.15~20質量部がより好ましく、0.2~10質量部がさらに好ましい。チキソトロピック剤(C)の含有量が上記下限値以上であれば、プライマー組成物中で無機粒子(B)等が沈降しにくく、均一に分散できる。チキソトロピック剤(C)の含有量が上記上限値以下であれば、プライマー組成物の液流動性が良好なものとなる。
<溶剤(D)>
溶剤(D)としては、水、有機溶剤、これらの混合溶剤などが挙げられる。これらの中でも、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン系溶剤;トルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、及び酢酸ブチル等のエステル系溶剤;タノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール等のアルコール系溶剤;プエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
プライマー組成物中の溶剤(D)の含有量は、プライマー組成物の総質量に対して45~90質量%が好ましく、50~90質量%がより好ましく、60~85質量%がさらに好ましく、70~85質量%が特に好ましい。溶剤(D)の含有量が上記下限値以上であれば、プライマー組成物が流動性を持つことで取り扱いやすくなる。溶剤(D)の含有量が上記上限値以下であれば、塗工に適した粘度に保つことができる。
<任意成分>
任意成分としては、例えば可塑剤、レベリング剤、消泡剤、顔料分散剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、増粘剤、滑剤、安定剤、ブロッキング防止剤などが挙げられる。これらの任意成分は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<製造方法>
本実施形態のプライマー組成物は、例えば、バインダー樹脂(A)及び無機粒子(B)と、必要に応じてチキソトロピック剤(C)及び任意成分の1つ以上とを溶剤(D)に溶解又は分散させることで得られる。
各成分の混合方法としては特に限定されず、種々の方法により各成分を混合することができる。
<作用効果>
以上説明した本実施形態のプライマー組成物は、上述したバインダー樹脂(A)と、特定量かつ特定の粒子径を有する無機粒子(B)とを含有するので、耐ブロッキング性及び透明性に優れるプライマー層を形成できる。
[キット]
本発明の一実施形態に係るキットは、上述した本発明のプライマー組成物と、ポリイソシアネート化合物とを各々独立して含有する。
ここで「独立して」とは、プライマー組成物とポリイソシアネート化合物とが互いに非接触とされた状態で存在することを意味し、例えばキットは、プライマー組成物が収容された第1の容器と、ポリイソシアネート化合物が収容された第2の容器とを備えている。
キットに含まれるプライマー組成物中のバインダー樹脂(A)としては、イソシアネート化合物と反応する官能基を有することが好ましく、具体的にはヒドロキシ基及びアミノ基の少なくとも一方を含有することが好ましい。
ヒドロキシ基を含有するバインダー樹脂(A)としては、ポリエステル樹脂、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート単位を有する(メタ)アクリル樹脂(すなわち、(メタ)アクリルポリオール)などが挙げられる。
アミノ基を含有するバインダー樹脂(A)としては、アミノ基含有(メタ)アクリレート単位を有する(メタ)アクリル樹脂などが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、バインダー樹脂(A)の説明において先に例示した多価イソシアネート化合物が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
第2の容器には、ポリイソシアネート化合物以外の成分(他の成分)が含まれていてもよい。
他の成分としては、例えば溶剤、安定剤などが挙げられる。
溶剤としては、プライマー組成物の説明において先に例示した溶剤(D)が挙げられる。
キットは、使用時にプライマー組成物とポリイソシアネート化合物とを混合して使用される。
プライマー組成物とポリイソシアネート化合物とを混合する際は、プライマー組成物の固形分100質量部に対して、ポリイソシアネート化合物が1~40質量部の割合となるように、両者を混合することが好ましく、より好ましくは2~30質量部であり、さらに好ましくは3~20質量部である。ポリイソシアネート化合物の割合が上記下限値以上であれば、硬化反応が十分に進行する。ポリイソシアネート化合物の割合が上記上限値以下であれば、良好な基材密着性が得られ、また、耐溶剤性も優れたものになる。
以上説明した本実施形態のキットは、本発明のプライマー組成物と、ポリイソシアネート化合物とを各々独立して含有する、所謂2液型プライマーであり、本実施形態のキットを用いれば、耐ブロッキング性及び透明性に優れるプライマー層を形成できる。
また、本発明のプライマー組成物を2液型プライマーとして用いることで、1液型プライマーに比べて後述する基材フィルムに対するプライマー層の密着性が向上する。加えて、プライマー層自体の強度が高まる。また、プライマー層の耐溶剤性が高まるので、詳しくは後述するが、プライマー層上に粘着層を設ける際に、溶剤を含む粘着剤をプライマー層に塗布しても、プライマー層が溶け出したり基材フィルムから剥離したりしにくい。
[積層体]
図1に、本発明の一実施形態に係る積層体の一例を示す。なお、図1における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
この例の積層体10は、基材フィルム11と、基材フィルム11上に設けられたプライマー層12とを備える。
基材フィルム11としては、例えばプラスチックフィルム、紙、布、金属箔等の各種のフィルム材などが挙げられる。これらの中でもプラスチックフィルムが好ましい。
プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(A-PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリ乳酸等のポリエステルフィルム;低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンフィルム;セロファン等のセルロースフィルム;ポリスチレン(PS)フィルム;エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂フィルム;エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂フィルム;ポリアミド(Ny)フィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリイミドフィルム;ポリ塩化ビニルフィルムなどが挙げられる。これらのプラスチックフィルムは、用途に応じて適宜選択できる。例えば、積層体10を光学用途に使用する場合は透明性等の観点から、PETフィルムが好ましい。
上述のプラスチックフィルムとしては、例えば、二軸延伸PPフィルム及び無延伸PPフィルム等のように、延伸及び無延伸のいずれのプラスチックフィルムも用いることができる。プラスチックフィルムの表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理等の表面処理が施されていてもよい。
基材フィルム11の厚さは、1~300μmが好ましく、5~150μmがより好ましく、10~50μmがさらに好ましい。
プライマー層12は、上述した本発明のプライマー組成物又はキットを用いて形成された層である。
なお、図1において、プライマー層12中の無機粒子(B)は省略する。
積層体10は、例えば、基材フィルム11上に本発明のプライマー組成物を塗布し、乾燥させてプライマー層12を形成することで得られる。
本発明のキットを用いてプライマー層12を形成する場合、キットに含まれるプライマー組成物と、ポリイソシアネート化合物とを混合して混合物を調製し、得られた混合物を基材フィルム11上に塗布し、乾燥させてプライマー層12を形成すればよい。プライマー組成物とポリイソシアネート化合物とを混合する際の混合割合は、上述した通りである。
プライマー組成物又は混合物の塗布方式としては、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、エアナイフコーティング、ワイヤーバーコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティングなどが挙げられる。
プライマー組成物又は混合物の塗布量は特に限定されないが、塗布面の単位面積当たりの乾燥(固形分)質量で、0.1~10g/mが好ましく、0.5~5g/mがより好ましく、1~3g/mがさらに好ましい。
基材フィルム11上に塗布されたプライマー組成物又は混合物の乾燥温度は特に限定されず、例えば40~180℃の範囲とすることができる。乾燥時間も特に限定されず、例えば1~60秒の範囲とすることができる。
このようにして得られた積層体10は、所定の大きさに切断した後に、複数重ねて積み上げた状態で保管・搬送してもよいし、長尺な積層体10を巻き取った状態で保管・搬送してもよい。
本実施形態の積層体10は、本発明のプライマー組成物又はキットを用いて形成されたプライマー層12を備えているので、複数重ねて積み上げたり、巻芯に巻き取ったりしてもブロッキングが生じにくい。
[粘着テープ]
図2に、本発明の一実施形態に係る粘着テープの一例を示す。なお、図2における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。また、図2中、図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する場合がある。
この例の粘着テープ20は、積層体10と、積層体10のプライマー層12側の表面に設けられた粘着層21とを備える。
積層体10は、上述した本発明の積層体である。
粘着層21は、積層体10のプライマー層12側の表面に粘着剤を塗布し、乾燥させることで形成できる。粘着層21の形成方法については後で詳しく説明する。
粘着剤としては特に限定されず、公知のものを使用できるが、例えば天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は、溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。これらの粘着剤は、用途に応じて適宜選択できる。例えば、粘着テープ20を光学用途に使用する場合は透明性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
粘着剤には、必要に応じて他の助剤が添加されてもよい。他の助剤としては、例えば増粘剤、pH調整剤、架橋剤、消泡剤、防腐防黴剤、無機充填剤、安定剤、湿潤剤などが挙げられる。
粘着層21の厚さは、0.1~30μmが好ましく、0.5~15μmがより好ましく、1~5μmがさらに好ましい。
なお、粘着テープ20は上述したものに限定されない。例えば、粘着テープ20は粘着層21上に剥離フィルム(図示略)を設けてもよい。
剥離フィルムとしては、剥離処理したプラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、積層体の説明において先に例示したプラスチックフィルムが挙げられる。
剥離処理に用いる剥離剤としては特に限定されないが、例えばシリコーン系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、フッ素系剥離剤などが挙げられる。
剥離フィルムの厚さは、1~300μmが好ましく、5~150μmがより好ましく、10~50μmがさらに好ましい。
粘着テープ20は、例えば、積層体10のプライマー層12側の表面に粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着層21を形成することで得られる。必要に応じて粘着層21上に剥離フィルムを積層してもよい。
また、剥離フィルム上に粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着層21を形成して粘着層付剥離フィルムを作製しておき、積層体10のプライマー層12と粘着層付剥離フィルムの粘着層21とが接するように、積層体10と粘着層付剥離フィルムとを貼り合わせてもよく、その後に必要に応じて剥離フィルムは剥離してもよい。
プライマー層12上又は剥離フィルム上に粘着剤を塗布する方法としては、積層体の説明において先に例示した、プライマー組成物又は混合物の塗布方式などが挙げられる。
基材フィルム11上又は剥離フィルム上に塗布された粘着剤の乾燥温度は特に限定されず、例えば40~180℃の範囲とすることができる。乾燥時間も特に限定されず、例えば10~1000秒の範囲とすることができる。
本実施形態の粘着テープは、例えばダイシングテープ、表面保護フィルム、光学フィルム、防曇シート、仮止め用テープ、電気・電子機器用テープ、医療用テープなど、幅広い用途に用いることができる。これらの中でも、本実施形態の粘着テープはダイシングテープとして好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例6~10は参考例である。
[使用原料]
バインダー樹脂(A)として、以下に示す化合物を用いた。
・A-1:ポリウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製、商品名「サンプレンIB-918」、固形分30質量%)。
・A-2:アクリルポリオール(大成ファインケミカル株式会社製、商品名「アクリット6BF-203」、固形分50質量%)。
・A-3:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体溶液(日信化学工業株式会社製の商品名「ソルバインTA5R」をメチルエチルケトン(MEK)で溶解させ、固形分30質量%に調製した樹脂溶液)。
・A-4:ポリエステル樹脂溶液(東洋紡株式会社製の商品名「バイロン200」をMEK及びトルエンの混合溶剤で溶解させ、固形分27.3質量%に調製した樹脂溶液)。
無機粒子(B)として、以下に示す化合物を用いた。なお、体積平均粒子径はレーザー回折法により測定した値である。
・B-1:シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールE220A」、体積平均粒子径:4.2μm)。
・B-2:シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールE1030」、体積平均粒子径:8.3μm)。
・B-3:シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップジェルAY-603」、体積平均粒子径:10.8μm)。
・B-4:シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップジェルBY-001」、体積平均粒子径:14.3μm)。
チキソトロピック剤(C)として、以下に示す化合物を用いた。
・C-1:脂肪酸アマイド(楠本化成株式会社製、商品名「ディスパロンPFA220」、固形分20質量%)。
・C-2:酸化ポリエチレン(楠本化成株式会社製、商品名「ディスパロンPF-911」、固形分10質量%)。
・C-3:脂肪酸アマイド(楠本化成株式会社製、商品名「ディスパロン6900-10X」、固形分10質量%)。
溶剤(D)として、以下に示す化合物を用いた。
・D-1:メチルエチルケトン:トルエン:i-プロパノール=4:4:2(質量比)の混合溶剤。
・D-2:メチルエチルケトン:トルエン=1:1(質量比)の混合溶剤。
[評価方法]
<沈降防止性の評価>
プライマー組成物をガラス瓶に収容した状態で、0~40℃循環環境下で30日間静置した後、目視にて観察し、以下の評価基準にて沈降防止性を評価した。
◎:沈降物が全く認められない。
〇:沈降物がわずかに認められるが、ガラス瓶を振ると均一に分散する。
△:沈降物が固まっているが、撹拌機を用いて撹拌すれば沈降物がほぐれて分散する。
×:沈降物が固まっており、撹拌機を用いて撹拌しても沈降物をほぐすのが困難である。
<印刷適性(カスレ)の評価>
プライマー組成物100質量部に対して、ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体(三井化学株式会社製、商品名「タケネートD160N」、固形分75質量%)を1.5部添加して均一に撹拌して、混合物を得た。次いで、ザーンカップNo.3で計測したときの粘度が20℃で17秒となるように、混合物を混合溶剤(MEK/トルエン/IPA=40/40/20)で希釈して、希釈液を得た。
基材フィルムとして厚さ25μmの片面処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E-5102」)の処理面に、深さ30μmの網グラビア印刷版を備えたグラビア印刷機を用いて、塗布面の単位面積当たりの乾燥(固形分)質量が2g/mとなるように上記希釈液を印刷し、基材フィルム上に形成された被膜の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて印刷適性を評価した。
〇:被膜にカスレが認められない。
△:被膜にカスレが若干認められる。
×:被膜にカスレが多く認められる。
<耐ブロッキング性の評価>
厚さ25μmの片面処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E-5102」)の未処理面と、積層体(1)の被膜側の面とが重なるように、片面処理PETフィルムと積層体(1)とを重ね合わせ、4kg/cmの荷重をかけた状態で40℃の恒温槽内で24時間放置した(エージング処理)。次いで、片面処理PETフィルムと積層体(1)とを剥離したときの剥離抵抗力と、積層体(1)の外観変化から、以下の評価基準にて耐ブロッキング性を評価した。
◎:剥離抵抗がなく、未処理面への積層体(1)の被膜の転移が認められない。
〇:ごくわずかに剥離抵抗を感じるが、未処理面への積層体(1)の被膜の転移が認められない。
△:若干の剥離抵抗を感じるが、未処理面への積層体(1)の被膜の転移が認められない。
×:剥離抵抗をかなり感じ、未処理面への積層体(1)の被膜の転移が認められる。
<透明性の評価>
ヘイズメーター(スガ試験機株式会社製、製品名「HZ-2型」)を用い、D65光源を使用して、積層体(2)のプライマー層側の表面のヘイズを測定し、以下の評価基準にてプライマー層の透明性を評価した。
◎:ヘイズ値が20%未満。
〇:ヘイズ値が20%以上、40%未満。
△:ヘイズ値が40%以上、60%未満。
×:ヘイズ値が60%以上。
<光沢性の評価>
光沢計(BYK Gardner社製、製品名「micro-TRI-gloss」)を用い、積層体(2)のプライマー層側の表面の60°グロス(60°鏡面光沢度)を測定し、以下の評価基準にてプライマー層の光沢性を評価した。
◎:60°グロスが75以上。
〇:60°グロスが50以上、75未満。
△:60°グロスが25以上、50未満。
×:60°グロスが25未満。
<密着性の評価>
積層体(2)のプライマー層に幅18mmのセロハンテープ(ニチバン株式会社製)を貼り付けて指で圧着した後、このセロハンテープを速やかに剥がし、基材フィルム上に残ったプライマー層の状態を目視にて確認し、以下の評価基準にてプライマー層の基材フィルムに対する密着性を評価した。
◎:プライマー層が全く剥離していない。
〇:プライマー層の総面積に対して、剥離したプライマー層の面積の割合が0%超、1%未満である。
△:プライマー層の総面積に対して、剥離したプライマー層の面積の割合が1%以上、10%未満である。
×:プライマー層の総面積に対して、剥離したプライマー層の面積の割合が10%以上である。
<耐溶剤性の評価>
酢酸エチル又はi-プロパノール(IPA)を染み込ませた綿棒で、積層体(2)のプライマー層を30往復擦った後、目視にてプライマー層を観察し、以下の評価基準にてプライマー層の耐溶剤性を評価した。
◎:プライマー層が全く変化していない。
〇:綿棒が接した部分のプライマー層の面積に対して、基材フィルムが露出した面積の割合が0%超、1%未満である。
△:綿棒が接した部分のプライマー層の面積に対して、基材フィルムが露出した面積の割合が1%以上、10%未満である。
×:綿棒が接した部分のプライマー層の面積に対して、基材フィルムが露出した面積の割合が10%以上である。
[実施例1~4、6~9、11~14、比較例1~6]
<プライマー組成物の調製>
表1~3に示す配合に従って、バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)と、チキソトロピック剤(C)と、溶剤(D)とを混合し、プライマー組成物を得た。
得られたプライマー組成物について、沈降防止性を評価した。結果を表1~3に示す。
<積層体の作製>
先に得られたプライマー組成物100質量部と、ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体(三井化学株式会社製、商品名「タケネートD160N」、固形分75質量%)1.5質量部とを混合して、混合物を得た。
基材フィルムとして厚さ25μmの片面処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E-5102」)の処理面に、深さ30μmの網グラビア印刷版を備えたグラビア印刷機を用いて、塗布面の単位面積当たりの乾燥(固形分)質量が2g/mとなるように混合物を印刷して、基材フィルム上に被膜が形成された積層体(1)を得た。
次いで、積層体(1)を40℃の恒温槽内で24時間放置して(エージング処理)、基材フィルム上にプライマー層が形成された積層体(2)を得た。
得られた積層体(1)について耐ブロッキング性を評価し、積層体(2)について透明性及び光沢性を評価した。また、印刷適性を評価した。結果を表1~3に示す。
また、実施例1、6、11で得られた積層体(2)については、密着性及び耐溶剤性についても評価した。結果を表4に示す。
[実施例5、10、15]
<プライマー組成物の調製>
表1~3に示す配合に従って、バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)と、チキソトロピック剤(C)と、溶剤(D)とを混合し、プライマー組成物を得た。
得られたプライマー組成物について、沈降防止性を評価した。結果を表1~3に示す。
<積層体の作製>
基材フィルムとして厚さ25μmの片面処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E-5102」)の処理面に、深さ30μmの網グラビア印刷版を備えたグラビア印刷機を用いて、塗布面の単位面積当たりの乾燥(固形分)質量が2g/mとなるようにプライマー組成物を印刷して、基材フィルム上に被膜が形成された積層体(1)を得た。
次いで、積層体(1)を40℃の恒温槽内で24時間放置して(エージング処理)、基材フィルム上にプライマー層が形成された積層体(2)を得た。
得られた積層体(1)について耐ブロッキング性を評価し、積層体(2)について透明性、光沢性、密着性及び耐溶剤性を評価した。また、印刷適性を評価した。結果を表1~4に示す。
Figure 0007263487000001
Figure 0007263487000002
Figure 0007263487000003
Figure 0007263487000004
表1~3の結果から明らかなように、実施例1~15で得られたプライマー組成物からは、耐ブロッキング性、透明性及び光沢性に優れたプライマー層を形成できた。
沈降防止性については、無機粒子(B)の体積平均粒子径が小さいほど良好であった。また、チキソトロピック剤(C)を配合することで、沈降防止性が向上した。
印刷適性については、無機粒子(B)の体積平均粒子径が小さいほど良好であった。
また、表4の結果から明らかなように、硬化剤であるポリイソシアネート化合物を併用すると(実施例1、6、11)、プライマー層の基材フィルムに対する密着性及び耐溶剤性が向上した。
一方、無機粒子(B)を用いていない比較例1、3、5で得られたプライマー組成物から形成されたプライマー層は、耐ブロッキング性に劣っていた。
体積平均粒子径が4.2μmである無機粒子(B)を用いた比較例2、4、6で得られたプライマー組成物から形成されたプライマー層は、透明性及び光沢性に劣っていた。
[実施例16、17、比較例7~9]
<プライマー組成物の調製>
表5に示す配合に従って、バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)と、チキソトロピック剤(C)と、溶剤(D)とを混合し、プライマー組成物を得た。
得られたプライマー組成物について、沈降防止性を評価した。結果を表5に示す。
また、実施例1の結果についても表5に示す。
<積層体の作製>
先に得られたプライマー組成物100質量部と、ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体(三井化学株式会社製、商品名「タケネートD160N」、固形分75質量%)1.5質量部とを混合して、混合物を得た。
基材フィルムとして厚さ25μmの片面処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E-5102」)の処理面に、深さ30μmの網グラビア印刷版を備えたグラビア印刷機を用いて、塗布面の単位面積当たりの乾燥(固形分)質量が2g/mとなるように混合物を印刷して、基材フィルム上に被膜が形成された積層体(1)を得た。
次いで、積層体(1)を40℃の恒温槽内で24時間放置して(エージング処理)、基材フィルム上にプライマー層が形成された積層体(2)を得た。
得られた積層体(1)について耐ブロッキング性を評価し、積層体(2)について透明性及び光沢性を評価した。結果を表5に示す。
また、実施例1の結果についても表5に示す。
Figure 0007263487000005
表5の結果から明らかなように、実施例1、16、17で得られたプライマー組成物は、沈降防止性に優れていた。また、これらのプライマー組成物からは、耐ブロッキング性、透明性及び光沢性に優れたプライマー層を形成できた。
一方、無機粒子(B)を用いていない比較例7で得られたプライマー組成物から形成されたプライマー層は、耐ブロッキング性に劣っていた。
バインダー樹脂(A)100質量部に対する無機粒子(B)の含有量が0.6質量部である比較例8で得られたプライマー組成物から形成されたプライマー層は、耐ブロッキング性に劣っていた。
バインダー樹脂(A)100質量部に対する無機粒子(B)の含有量が44.4質量部である比較例9で得られたプライマー組成物から形成されたプライマー層は、透明性及び光沢性に劣っていた。
[実施例18~20]
<プライマー組成物の調製>
表6に示す配合に従って、バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)と、チキソトロピック剤(C)と、溶剤(D)とを混合し、プライマー組成物を得た。
得られたプライマー組成物について、沈降防止性を評価した。結果を表6に示す。
また、実施例1の結果についても表6に示す。
<積層体の作製>
先に得られたプライマー組成物100質量部と、ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体(三井化学株式会社製、商品名「タケネートD160N」、固形分75質量%)1.5質量部とを混合して、混合物を得た。
基材フィルムとして厚さ25μmの片面処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E-5102」)の処理面に、深さ30μmの網グラビア印刷版を備えたグラビア印刷機を用いて、塗布面の単位面積当たりの乾燥(固形分)質量が2g/mとなるように混合物を印刷して、基材フィルム上に被膜が形成された積層体(1)を得た。
次いで、積層体(1)を40℃の恒温槽内で24時間放置して(エージング処理)、基材フィルム上にプライマー層が形成された積層体(2)を得た。
得られた積層体(1)について耐ブロッキング性を評価し、積層体(2)について透明性及び光沢性を評価した。結果を表6に示す。
また、実施例1の結果についても表6に示す。
Figure 0007263487000006
表6の結果から明らかなように、実施例1、18~20で得られたプライマー組成物からは、耐ブロッキング性、透明性及び光沢性に優れたプライマー層を形成できた。特に、チキソトロピック剤(C)を配合した実施例1、19、20で得られたプライマー組成物は、沈降防止性に優れていた。なお、実施例20の場合、プライマー組成物、及びプライマー組成物とポリイソシアネート化合物との混合物の流動性が低下し、他の実施例に比べてプライマー層の外観が悪化した。
[実施例21~24]
<プライマー組成物の調製>
バインダー樹脂(A)としてA-1と、無機粒子(B)としてB-2と、溶剤(D)としてD-1とを、バインダー樹脂(A)の固形分濃度が18質量%、無機粒子(B)の固形分濃度が5質量%となるように混合して、ウレタン系マットインキを調製した。
得られたウレタン系マットインキ100質量部に、表7に示す種類と量のチキソトロピック剤(C)を添加し、プライマー組成物を得た。
得られたプライマー組成物について、沈降防止性を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0007263487000007
表7の結果から明らかなように、チキソトロピック剤(C)を用いた実施例21~23で得られたプライマー組成物は、チキソトロピック剤(C)を用いていない実施例24で得られたプライマー組成物に比べて、沈降防止性に優れていた。特に、チキソトロピック剤(C)として脂肪酸アマイドを用いた場合(実施例21、23)、沈降防止性により優れていた。
10 積層体
11 基材フィルム
12 プライマー層
20 粘着テープ
21 粘着層

Claims (8)

  1. バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)とを含有するプライマー組成物であって、
    前記バインダー樹脂(A)が、ポリウレタン樹脂を含み、
    前記無機粒子(B)が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及び沈降性硫酸バリウムからなる群より選ばれる1種以上を含み、
    レーザー回折法で測定した前記無機粒子(B)の体積平均粒子径が5μm超、15μm以下であり、
    前記バインダー樹脂(A)の含有量が、前記プライマー組成物の固形分の総質量に対して71.4~99質量%であり、
    前記無機粒子(B)の含有量が、前記バインダー樹脂(A)100質量部に対して1~40質量部である、プライマー組成物。
  2. バインダー樹脂(A)と、無機粒子(B)とを含有するプライマー組成物であって、
    前記バインダー樹脂(A)が、ポリエステル樹脂を含み、
    前記無機粒子(B)が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及び沈降性硫酸バリウムからなる群より選ばれる1種以上を含み、
    レーザー回折法で測定した前記無機粒子(B)の体積平均粒子径が5μm超、15μm以下であり、
    前記バインダー樹脂(A)の含有量が、前記プライマー組成物の固形分の総質量に対して71.4~99質量%であり、
    前記無機粒子(B)の含有量が、前記バインダー樹脂(A)100質量部に対して1~40質量部である、プライマー組成物(但し、金属板に塗布するためのプライマー組成物を除く)。
  3. チキソトロピック剤(C)をさらに含有する、請求項1又は2に記載のプライマー組成物。
  4. 前記チキソトロピック剤(C)が、脂肪酸アマイドを含む、請求項3に記載のプライマー組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のプライマー組成物と、ポリイソシアネート化合物とを各々独立して含有するキットであって、
    前記バインダー樹脂(A)が、ヒドロキシ基及びアミノ基の少なくとも一方を含有する、キット。
  6. 基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面上に設けられたプライマー層とを備えた積層体であって、
    前記プライマー層が、請求項1~4のいずれか一項に記載のプライマー組成物又は請求項5に記載のキットを用いて形成された層である、積層体。
  7. 請求項6に記載の積層体と、前記積層体の前記プライマー層側の表面に設けられた粘着層とを備えた、粘着テープ。
  8. ダイシングテープとして用いられる、請求項7に記載の粘着テープ。
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