JP7124443B2 - バックドアトリム取付構造及びバックドアトリム取付方法並びに車両用バックドア - Google Patents

バックドアトリム取付構造及びバックドアトリム取付方法並びに車両用バックドア Download PDF

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本発明は、バックドアトリム取付構造及びバックドアトリム取付方法に関する。本発明はまた、そのバックドアトリム取付構造を備えた車両用バックドアに関する。
車両の変速シフトレバーが後進に設定された状態で、車両後部に設けたセンサが車両後方の障害物を検知すると、運転席の近くに設けたスピーカから警告音を発するように構成された支援システムが特許文献1に開示されている。
特開2000-177512号
ところが、このような後方障害物検知及び警告システムでは、運転席の近くからではなく、車室後方から警告音を発生させることが好ましい。これは、前席乗員(特に、ドライバ)が後方側に衝突の危険があることを直感的に理解しやすいためである。
一方、車室内にスピーカを配置する場合、振動板を除く音源部分(磁石、ヨーク、コイル)を頑丈な車両本体(例えば、インナパネル)に固定し、その周囲がトリムで隠される。このとき、まず車両本体にスピーカを固定し、その後車両本体に対してトリムが取り付けられる。しかし、音源部分と違って、スピーカの振動板は柔らかいコーン紙で作られており、トリムとの接触によって傷付くおそれがある。
そこで、本発明は、スピーカを備えた車両用バックドアにおいて、バックドア本体に対してバックドアトリムを取り付けるにあたってスピーカを傷つけることのない、バックドアトリム取付構造等を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る実施形態のバックドアトリム取付構造は、
車両用バックドアにおいてバックドアトリムをバックドア本体に取り付ける構造であって、
(a) 前記バックドア本体は、
車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に設けられたスピーカと、
車幅方向中央部において前記スピーカと同じ高さに設けられたガイド部を備えており、
(b) 前記バックドアトリムは、
車幅方向中央部において車長方向に伸びる被ガイド部を備えており、
(c) 前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと前記被ガイド部が前記ガイド部に接触しながらガイドされることにより前記バックドアトリムが前記バックドア本体に取り付けられ
(d) 前記バックドア本体は、
車幅方向中央部に設けられた第1の基準孔と、
車幅方向両側部に設けられた第2の基準孔を備えており、
(e) 前記バックドアトリムは、
車幅方向中央部に設けられた第1の基準ピンと、
車幅方向両側部に設けられた第2の基準ピンを備えており、
(f) 前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと前記被ガイド部が前記ガイド部に当接し、
前記被ガイド部が前記ガイド部に当接した位置から、前記被ガイド部が前記ガイド部に接触した状態を維持しながら前記バックドアトリムを前記バックドア本体にさらに接近させると、前記バックドアトリムが前記スピーカから次第に離れていき、
(g) 前記ガイド部と前記被ガイド部は、前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと、前記被ガイド部が前記ガイド部に当接する第1の状態、続いて前記被ガイド部が前記ガイド部に接触した状態を維持しながら前記ガイド部に対して前記被ガイド部が移動する第2の状態へと変化し、
(h) 前記第1の状態と前記第2の状態において、前記第1の基準ピンは前記第1の基準孔に挿入された位置をとり且つ前記第2の基準ピンは前記第2の基準孔に未挿入の位置をとる、
ことを特徴とする。
請求項1の形態に係るバックドアトリム取付構造によれば、バックドアトリムをバックドア本体へ取り付ける際に、バックドアトリムの被ガイド部がバックドア本体のガイド部に接触しながらガイドされることで、バックドアトリムの動きが規制され、スピーカとバックドアトリムとの干渉が抑制される。また、バックドアトリムをバックドア本体へ取り付ける際に、バックドアトリムの被ガイド部がバックドア本体のガイド部に接触しながらガイドされることで、バックドアトリムの動きが規制され、スピーカとバックドアトリムが干渉することなく、バックドアトリムが基準ピンによって位置決めされる。
請求項2に係る実施形態のバックドアトリム取付構造は、
(i) 前記ガイド部と前記被ガイド部は、前記第2の状態に続いて、前記被ガイド部が前記ガイド部から離間する第3の状態へと変化し、
(j) 前記第3の状態において前記第1の基準ピンは前記第1の基準孔に挿入された位置をとり且つ前記第2の基準ピンは前記第2の基準孔に挿入された位置をとる、
ことを特徴とする。
請求項2の形態に係るバックドアトリム取付構造によれば、バックドアトリムをバックドア本体へ取り付ける際に、バックドアトリムが基準ピンによってより確実に位置決めされることで、バックドアトリムの動きがより確実に規制され、スピーカとバックドアトリムが干渉することがなくなる。
請求項3に係る実施形態のバックドアトリム取付構造は、
車両用バックドアにおいてバックドアトリムをバックドア本体に取り付けるバックドアトリム取付構造であって、
(a) 前記バックドア本体は、
車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に設けられるとともに、車長方向に関して前方から後方に向かって上り勾配であるスピーカ取付部と、
放音軸が後方から前方に向かって上り勾配であるように、前記スピーカ取付部によって、車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に取り付けられたスピーカと、
車幅方向中央部且つ前記スピーカの前方において前記スピーカ取付部よりも上方に伸びており、前記スピーカと同じ高さに設けられたガイド部を備えており、
(b) 前記バックドアトリムは、
前記バックドアトリムの上部において、後方に向かって伸びる後方延長部と、
前記後方延長部の車幅方向中央部において車長方向に伸びるとともに、下方に伸びる被ガイド部を備えており、
(c) 前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと前記被ガイド部の下端部が前記ガイド部の上端部に接触しながらガイドされることにより前記バックドアトリムが前記バックドア本体に取り付けられる、
ことを特徴とする。
請求項3の形態に係るバックドアトリム取付構造によれば、バックドアトリムをバックドア本体へ取り付ける際に、バックドアトリムの被ガイド部の下端部がバックドア本体のガイド部の上端部に接触しながらガイドされることで、バックドアトリムの動きが規制され、スピーカとバックドアトリムとの干渉が抑制される。
請求項4に係る実施形態のバックドアトリム取付構造は、
前記バックドアトリムは、
上下に伸びる垂直部分と、
前記垂直部分の上端から前方に膨れた膨出部分を有しており、
前記後方延長部は、前記膨出部分の上端から後方に伸びることを特徴とする。
請求項4の形態に係るバックドアトリム取付構造によれば、バックドアトリムをバックドア本体へ取り付ける際に、バックドアトリムの被ガイド部の下端部がバックドア本体のガイド部の上端部にガイドされることによる弾性変形を許容できる。
請求項5に係る実施形態のバックドアトリム取付構造は、
前記被ガイド部は、車長方向に関して前方から後方に向かって上り勾配であることを特徴とする。
請求項5の形態に係るバックドアトリム取付構造によれば、被ガイド部とガイド部が当たっているとき、バックドアトリムがスピーカよりも上方に向かってガイドされることになるので、スピーカとバックドアトリムとの干渉がより確実に抑制される。
請求項6に係る実施形態のバックドアトリム取付構造は、
前記バックドア本体は車幅方向中央部にリアワイパブラケットを備えており、
前記スピーカは前記リアワイパブラケットに設けられていることを特徴とする。
請求項6の形態に係るバックドアトリム取付構造によれば、部品を追加することなく、スピーカをバックドア本体に取り付けることができる。
請求項7に係る実施形態のバックドアトリム取付構造は、
前記ガイド部が前記リアワイパブラケットに設けられていることを特徴とする。
請求項7の形態に係るバックドアトリム取付構造によれば、スピーカが配置されるリアワイパブラケットにガイド部を設けることで、部品を追加することなく、スピーカとバックドアトリムとの干渉が抑制される。
請求項8に係る実施形態の車両用バックドアは、
請求項1~7のいずれかに記載のバックドア取付構造を備える。
請求項8の形態に係る車両用バックドアによれば、バックドアトリムとの干渉がなく、スピーカが取り付けられたバックドアが提供される。
請求項9に係る実施形態のバックドアトリム取付方法は、
車両用バックドアにおいてバックドアトリムをバックドア本体に取り付ける方法であって、
(a) 前記バックドア本体は、
車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に設けられるとともに、車長方向に関して前方から後方に向かって上り勾配であるスピーカ取付部と、
放音軸が後方から前方に向かって上り勾配であるように、前記スピーカ取付部によって、車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に取り付けられたスピーカと、
車幅方向中央部且つ前記スピーカの前方において前記スピーカ取付部よりも上方に伸びており、前記スピーカと同じ高さに設けられたガイド部を備えており、
(b) 前記バックドアトリムは、
前記バックドアトリムの上部において、後方に向かって伸びる後方延長部と、
前記後方延長部の車幅方向中央部において車長方向に伸びるとともに、下方に伸びる被ガイド部を備えており、
(c) 前記バックドアトリム取付方法は、前記ガイド部の上端部で前記被ガイド部の下端部をガイドしながら、前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくことを特徴とする。
請求項9のバックドアトリム取付方法によれば、バックドアトリムをバックドア本体へ取り付ける際に、バックドアトリムの被ガイド部の下端部がバックドア本体のガイド部の上端部に接触しながらガイドされることで、バックドアトリムの動きが規制され、スピーカとバックドアトリムとの干渉が抑制される。
このように、本発明の実施形態によれば、バックドアトリムをバックドア本体に取り付ける際に、バックドアトリムがスピーカに接触してこれを汚したり損傷することがない。
本発明の実施形態に係る、バックドアトリムの取付前のバックドアの構造を示す断面図である。 図1に示すガイド部と被ガイド部周辺の拡大図である。 バックドアトリムの取付において、被ガイド部がガイド部に当接したときのバックドアの断面図である。 被ガイド部がガイド部に接触した状態を維持しながら移動するときのバックドアの断面図である。 被ガイド部がガイド部から離間するときのバックドアの断面図である。 バックドアトリムの取付が完了したバックドアの断面図である。 バックドアを車長方向内側から見た平面図である。 図7の断面Aにおけるバックドアトリムの取付前のバックドアの断面図である。 図7の断面Aにおける被ガイド部がガイド部に当接したときのバックドアの断面図である。 図7の断面Aにおけるバックドアトリムの取付が完了したバックドアの断面図である。 図7の断面Bにおけるバックドアトリムの取付前のバックドアの断面図である。 図7の断面Bにおける被ガイド部がガイド部から離間するときのバックドアの断面図である。 図7の断面Bにおけるバックドアトリムの取付が完了したバックドアの断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
(1)車両用バックドアの構成
図1~図6は、本発明の実施形態に係るバックドアトリム取付構造及び取付方法を説明するための図である。以下、図面を参照して説明するバックドア取付構造及び取付方法は、所謂跳ね上げ式バックドアを対象としている。しかし、本発明は、片開き方式及び両開き方式のバックドアについても同様に適用可能である。
通常、車両用バックドア(100:図7参照)は、金属等からなる剛性のアウタパネルとインナパネルを含むバックドア本体を有する。バックドア本体上部領域には窓用開口部が形成されており、そこにバックドアガラスが取り付けてある。バックドアガラス直下のバックドア本体下部領域にはリアワイパの駆動系が取り付けてある。一般には、車幅方向に関してバックドア本体下部領域中央部にリアワイパブラケット(以下、「ブラケット」という。)が固定されており、このブラケットにモータ、ギヤボックス、ワイパ駆動軸が配置されている。ワイパ駆動軸は、バックドア本体又はバックドアガラスを貫通して車室外に突出しており、そこにワイパ(ブレード)が固定されている。通常、リアワイパの駆動系はバックドアトリムに覆われており、外部からこれを確認することはできないようになっている(図7参照)。
このような一般的バックドア構成において、図1~図6はインナパネル10とその内側(車室側)に取り付けられるバックドアトリム12の構成のみを示しており、アウタパネルの構造は図面から省略されている。バックドアガラスについては図1に点線で表れており、符合14が当てられている。
(a)インナパネル
バックドア本体を構成するインナパネル10の構成について具体的に説明すると、インナパネル10の車長方向(車両前後方向)中央縦断面は上から下に向かって略S字を描くようになめらかに湾曲している。インナパネル10の車幅方向中央部には、車室の内側から外側に向かって凸状に湾曲した前面部分(バックドアトリム対向面部分)16に、ワイパ駆動系を支持するブラケット18が固定されている。ブラケット18は、モータ、ギヤボックス、ワイパ駆動軸(いずれも図示せず)の他に、スピーカ20を支持している。周知のとおり、スピーカは、円錐形の振動板と、その背後に配置された音源部分(磁石、ヨーク、コイル)を備えている。ただし、図面が複雑になるのを避けるため、図面はスピーカの上端部分のみを示し、その他の部分は図面から省略されている。
インナパネル10の略中段には、インナパネル10にバックドアトリム12を取り付ける際に、インナパネル10に対するバックドアトリム12の動きを規制するための一つの第1の孔(以下、「第1の基準孔」という。)22及び一対の第2の孔(以下、「第2の基準孔」という。)24(図11~図13参照)と、インナパネル10に対してバックドアトリム12を固定するための孔(以下、「上段留め孔」という。)26が形成されている。また、インナパネル10の略下段には、インナパネル10に対してバックドアトリム12を固定するための孔(以下、「下段留め孔」という。)28が形成されている。
実施形態では、第1の基準孔22は車幅方向の中央部に設けてある。第2の基準孔24(図11~図13参照)は、車幅方向に関して左右対称に、インナパネル10の左右両側に設けてある。上段留め孔26と下段留め孔28は、車幅方向の中央部と、車幅方向に関して左右両側に対称に設けてある。
ブラケット18のスピーカ取付部30は、車長方向に関して前方から後方に向かって次第に高くなるように一定の勾配が付けてあり、これにより、スピーカ取付部30に取り付けたスピーカ20の中心軸(放音軸)32がバックドアガラス14に向けられている。スピーカ取付部30の角度、すなわち、スピーカ20の傾斜角は、バックドアガラス14で反射した音が図示するように車室前方の前席乗員に向けて送られるように決めることが好ましい。反射音が後部座席に吸収される割合を出来るだけ小さくするために、反射後の音の進行方向は水平面に対して上方に向けられることが好ましい。
ブラケット18にはまた、後述するように、インナパネル10にバックドアトリム12を取り付ける際にバックドアトリム12をガイドするガイド部34が設けてある。実施形態において、ガイド部34は、車幅方向に伸びる断面L形部材で構成されており、スピーカ20の前方に配置されている。また、ガイド部34の上端36は、スピーカ20の前方上端部と同じ高さ(完全に同じ高さである必要はない。)に揃えてある。
(b)バックドアトリム
バックドアトリム12は、インナパネル10よりも柔らかい材料、例えば合成樹脂等で作られている。実施形態のバックドアトリム12の車長方向縦断面は全体が略ブラケット形状(コ字形状)をしており、上下に伸びる垂直部分38と、垂直部分38の上端から前方に膨れた膨出部分40と該膨出部分40の上端から後方に向かって伸びる後方延長部42を有する上部湾曲部44と、垂直部分38の下端から後方に向かってほぼ真っ直ぐに伸びる下部延長部46を有する。
上部湾曲部44の内面(後面)の車幅方向中央部には、インナパネル10のガイド部34と協働する被ガイド部48が設けてある。実施形態において、被ガイド部48は、車長方向に向けて配置された垂直板で構成されている。被ガイド部48の下端、すなわち、垂直板の下端縁は、車長方向の後方から前方に向かって順次配置された3つの直線状傾斜縁部(第1の縁部50、第2の縁部52、第3の縁部54)を備えている。実施形態では、バックドアトリム12が図1,2に示す姿勢(図1~6は、バックドアトリムをインナパネルに取り付ける際の両者の相対的な位置関係を示す。)にあるとき、第1の縁部50はその前端から後端に向かって第1の勾配を有し、第2の縁部52はその前端から後端に向かって第2の勾配を有し、第3の縁部54はその前端から後端に向かって第3の勾配を有し、それら3つの勾配が第1の勾配>第2の勾配>第3の勾配の関係を有するように決められている。
バックドアトリム12の後面(インナパネル10の対向面)には、第1の基準孔22に対応するピン(以下、「第1の基準ピン」という。)62と、第2の基準孔24に対応する一対のピン(以下、「第2の基準ピン」という。)64(図11~図13参照)、上段留め孔26に対応する上段留め具66、及び下段留め孔28に対応する下段留め具68が設けてある。
(2)バックドアトリムの取り付け
バックドアトリム12をインナパネル10に取り付ける手順を説明する。まず、図1,2に示すように、バックドアトリム12をインナパネル10に向けて接近させていく。このとき、第1の基準ピン62、第2の基準ピン64(図11参照)、上段留め具66、下段留め具68はそれぞれ、対応する第1の基準孔22、第2の基準孔24(図11参照)、上段留め孔26、下段留め孔28の前方に位置している。図示するバックドアトリム12とインナパネル10の姿勢は両者の相対的な関係を示すものであって、実際には、バックドア100(インナパネル10を含む。)を跳ね上げた状態で、バックドアトリム12が取り付けられる。図1,2から明らかなように、この状態で、被ガイド部48の第1の縁部50がガイド部34の上端36に対向している。
次に、図1,2に示す状態から更にバックドアトリム12をインナパネル10に接近させていくと、図3に示す状態に移行する。図3に示す状態では、被ガイド部48の第2の縁部52の後端部分(第1の縁部50に隣接する部分)がガイド部34の上端36に当接する(第1の状態)。この時点で、第1の基準ピン62(図9参照)、第2の基準ピン64(図11参照)はいずれも、対応する第1の基準孔22(図9参照)、第2の基準孔24(図11参照)に入っていない。
次に、図3に示す状態から更にバックドアトリム12をインナパネル10に接近させていくと、図4に示すように被ガイド部48の第2の縁部52がガイド部34の上端36に接触した状態を維持しながらガイドされるとともに、第1の基準ピン62が対応する第1の基準孔22に進入していく(第2の状態)。このとき、被ガイド部48の第2の縁部52は所定の勾配を有するため、その勾配の角度に応じて、バックドアトリム12がインナパネル10に対して上昇する。この結果、バックドアトリム12とスピーカ20との干渉が防止される。
次に、図4に示す状態から更にバックドアトリム12をインナパネル10に接近させていき、図5に示すように被ガイド部48における第2の縁部52の前端がガイド部34の上端36に一致した状態で、第1の基準ピン62は対応する第1の基準孔22に十分進入している。また、この時点で、第2の基準ピン64が対応する第2の基準孔24に進入する(図12参照)。
したがって、図5に示す状態から更にバックドアトリム12をインナパネル10に接近させていくと、第1の基準ピン62と第2の基準ピン64が対応する第1の基準孔22と第2の基準孔24に規制されながらガイドされていく(図10,13参照)。そのため、図5に示す状態以後、被ガイド部48はガイド部34から離間し(第3の状態)、被ガイド部48がガイド部34によってガイドされることはないが、第1の基準孔22と第2の基準孔24のガイド機能によって、バックドアトリム12はインナパネル10に対してその適正な取り付け位置にガイドされ、これにより上段留め具66と下段留め具68が対応する上段留め孔26と下段留め孔28に嵌まり、バックドアトリム12がインナパネル10に固定される。
このように、上述した実施形態に係るバックドアトリム取付構造及び取付方法によれば、バックドアトリム12をインナパネル10に取り付けるにあたって、バックドアトリム12とスピーカ20の干渉が防止されるため、スピーカ20が汚れたり損傷することはない。
以上の説明では、第3の状態で、被ガイド部48はガイド部34から離間したが、離間せずにバックドアトリムの取付が行われてもよい。
100:バックドア
10:インナパネル
12:バックドアトリム
14:バックドアガラス
18:リアワイパブラケット
20:スピーカ
22:第1の基準孔
24:第2の基準孔
34:ガイド部
48:被ガイド部
62:第1の基準ピン
64:第2の基準ピン

Claims (9)

  1. 車両用バックドアにおいてバックドアトリムをバックドア本体に取り付けるバックドアトリム取付構造であって、
    (a) 前記バックドア本体は、
    車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に設けられたスピーカと、
    車幅方向中央部において前記スピーカと同じ高さに設けられたガイド部を備えており、
    (b) 前記バックドアトリムは、
    車幅方向中央部において車長方向に伸びる被ガイド部を備えており、
    (c) 前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと前記被ガイド部が前記ガイド部に接触しながらガイドされることにより前記バックドアトリムが前記バックドア本体に取り付けられ
    (d) 前記バックドア本体は、
    車幅方向中央部に設けられた第1の基準孔と、
    車幅方向両側部に設けられた第2の基準孔を備えており、
    (e) 前記バックドアトリムは、
    車幅方向中央部に設けられた第1の基準ピンと、
    車幅方向両側部に設けられた第2の基準ピンを備えており、
    (f) 前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと前記被ガイド部が前記ガイド部に当接し、
    前記被ガイド部が前記ガイド部に当接した位置から、前記被ガイド部が前記ガイド部に接触した状態を維持しながら前記バックドアトリムを前記バックドア本体にさらに接近させると、前記バックドアトリムが前記スピーカから次第に離れていき、
    (g) 前記ガイド部と前記被ガイド部は、前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと、前記被ガイド部が前記ガイド部に当接する第1の状態、続いて前記被ガイド部が前記ガイド部に接触した状態を維持しながら前記ガイド部に対して前記被ガイド部が移動する第2の状態へと変化し、
    (h) 前記第1の状態と前記第2の状態において、前記第1の基準ピンは前記第1の基準孔に挿入された位置をとり且つ前記第2の基準ピンは前記第2の基準孔に未挿入の位置をとる、ことを特徴とするバックドアトリム取付構造。
  2. (i) 前記ガイド部と前記被ガイド部は、前記第2の状態に続いて、前記被ガイド部が前記ガイド部から離間する第3の状態へと変化し、
    (j) 前記第3の状態において前記第1の基準ピンは前記第1の基準孔に挿入された位置をとり且つ前記第2の基準ピンは前記第2の基準孔に挿入された位置をとる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバックドアトリム取付構造。
  3. 車両用バックドアにおいてバックドアトリムをバックドア本体に取り付けるバックドアトリム取付構造であって、
    (a) 前記バックドア本体は、
    車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に設けられるとともに、車長方向に関して前方から後方に向かって上り勾配であるスピーカ取付部と、
    放音軸が後方から前方に向かって上り勾配であるように、前記スピーカ取付部によって、車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に取り付けられたスピーカと、
    車幅方向中央部且つ前記スピーカの前方において前記スピーカ取付部よりも上方に伸びており、前記スピーカと同じ高さに設けられたガイド部を備えており、
    (b) 前記バックドアトリムは、
    前記バックドアトリムの上部において、後方に向かって伸びる後方延長部と、
    前記後方延長部の車幅方向中央部において車長方向に伸びるとともに、下方に伸びる被ガイド部を備えており、
    (c) 前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくと前記被ガイド部の下端部が前記ガイド部の上端部に接触しながらガイドされることにより前記バックドアトリムが前記バックドア本体に取り付けられる、ことを特徴とするバックドアトリム取付構造。
  4. 前記バックドアトリムは、
    上下に伸びる垂直部分と、
    前記垂直部分の上端から前方に膨れた膨出部分を有しており、
    前記後方延長部は、前記膨出部分の上端から後方に伸びることを特徴とする請求項3に記載のバックドアトリム取付構造。
  5. 前記被ガイド部は、車長方向に関して前方から後方に向かって上り勾配であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のバックドアトリム取付構造。
  6. 前記バックドア本体は車幅方向中央部にリアワイパブラケットを備えており、
    前記スピーカは前記リアワイパブラケットに設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のバックドアトリム取付構造。
  7. 前記ガイド部が前記リアワイパブラケットに設けられていることを特徴とする請求項6に記載のバックドアトリム取付構造。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載のバックドア取付構造を備えた車両用バックドア。
  9. 車両用バックドアにおいてバックドアトリムをバックドア本体に取り付けるバックドアトリム取付方法であって、
    (a) 前記バックドア本体は、
    車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に設けられるとともに、車長方向に関して前方から後方に向かって上り勾配であるスピーカ取付部と、
    放音軸が後方から前方に向かって上り勾配であるように、前記スピーカ取付部によって、車幅方向中央部で前記バックドア本体の上部に取り付けられたスピーカと、
    車幅方向中央部且つ前記スピーカの前方において前記スピーカ取付部よりも上方に伸びており、前記スピーカと同じ高さに設けられたガイド部を備えており、
    (b) 前記バックドアトリムは、
    前記バックドアトリムの上部において、後方に向かって伸びる後方延長部と、
    前記後方延長部の車幅方向中央部において車長方向に伸びるとともに、下方に伸びる被ガイド部を備えており、
    (c) 前記バックドアトリム取付方法は、前記ガイド部の上端部で前記被ガイド部の下端部をガイドしながら、前記バックドアトリムを前記バックドア本体に接近させていくことを特徴とする、バックドアトリム取付方法。
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