(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る開閉器2は、図1~図3に示すように、幹線6(図2参照)と電気的に接続される複数の分岐回路8(図2参照)のうちの1つの分岐回路8と幹線6との間に挿入される開閉器2である。
これにより、開閉器2では、幹線6から分岐回路8への電力供給を遮断することが可能である。また、分岐回路8に発電設備等が接続されている場合には、開閉器2では、分岐回路8から幹線6への電力供給を遮断することが可能である。この種の開閉器2としては、例えば、分電盤に用いられる分岐ブレーカ等の配線用遮断器がある。ただし、配線用遮断器(ブレーカ)としての機能は開閉器2に必須ではなく、開閉器2は、例えば、スイッチ、リレー又は解列器として用いられてもよい。
本実施形態に係る分電盤1は、開閉器2を少なくとも1つ備える。分電盤1は、分電盤用キャビネット10(図3参照)を更に備える。分電盤用キャビネット10は、開閉器2を収容する。ここでは、一例として、複数の分岐回路8と一対一に対応するように、分電盤1が複数の開閉器2を備える場合について説明する。つまり、各開閉器2は、複数の分岐回路8の各々と幹線6との間に挿入されている。これら複数の開閉器2が、分電盤用キャビネット10に収容されている。
また、本実施形態では、分電盤1は、少なくとも1つ(ここでは複数)の開閉器2、及び分電盤用キャビネット10に加えて、計測ユニット4(図2参照)を更に備えている。分電盤用キャビネット10は、開閉器2及び計測ユニット4を収容する。言い換えれば、開閉器2及び計測ユニット4は、分電盤1の構成要素の一部であって、分電盤1の内器として分電盤用キャビネット10に収容されている。
本実施形態に係る開閉器2は、通信部21と、遮断部22と、を備えている。通信部21は、遮断信号を受信する。遮断部22は、通信部21が遮断信号を受信すると、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断する。
本開示でいう「電気的に遮断する」とは、二者間での電力の供給を断ち切り、二者間を電気的に分離する(切り離す)ことを意味する。つまり、遮断部22が、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断することで、幹線6から分岐回路8への(又は分岐回路8から幹線6への)電力供給が遮断される。このような開閉器2が複数の分岐回路8の各々に設けられることで、分岐回路8ごとに電力供給を遮断することが可能となる。
詳しくは後述するが、通信部21は、例えば、計測ユニット4又は主幹ブレーカ3(図2)等の、開閉器2の外部にある外部機器と通信することで、外部機器から送信される遮断信号を受信する。つまり、遮断部22が分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断するためのトリガとなる遮断信号は、外部機器から与えられる。
上述したように、本実施形態に係る開閉器2によれば、通信部21が遮断信号を受信することをトリガにして、分岐回路8と幹線6との間が電気的に遮断される。したがって、例えば、計測ユニット4又は主幹ブレーカ3等の外部機器から、開閉器2に遮断信号を送信することにより、開閉器2を直接的に操作することなく、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断することが可能である。その結果、例えば、分岐回路8に過電流又は短絡電流等の異常電流が流れた場合に分岐回路8を遮断する分岐ブレーカとは異なり、任意のタイミングで、分岐回路8を遮断することが可能になる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る開閉器2及び分電盤1の詳細について図1~図6を参照して説明する。分電盤1に含まれる複数の開閉器2は、共通の構成を採用しているため、以下、特に断りが無い限り、1つの開閉器2の構成についての説明は、他の開閉器2にも適用可能である。
(2.1)全体構成
まずは、本実施形態に係る分電盤1の全体構成について、図1~図3を参照して説明する。
本実施形態では、上述した通り、分電盤1は、分電盤用キャビネット10と、複数の開閉器2と、計測ユニット4と、を備えている。また、分電盤1は、分電盤用キャビネット10、(複数の)開閉器2及び計測ユニット4に加えて、主幹ブレーカ3及び電流計測装置5を更に備えている。本実施形態に係る分電盤1では、一般的な分電盤の分岐ブレーカに代えて開閉器2が設けられている。
分電盤用キャビネット10は、本体11を含んでいる。本体11は、開閉器2、主幹ブレーカ3、計測ユニット4及び電流計測装置5等を収容する。本体11は、造営材(例えば建物の壁)に取り付けられる。造営材は、分電盤用キャビネット10が設置される建物(戸建て住宅、集合住宅の住戸又はテナントビル等)内の部屋の壁に限らず、例えば、建物内の部屋の天井又は床であってもよい。
分電盤用キャビネット10の本体11は、前面が開口した箱状のボディ12と、ボディ12の前面を覆うカバーと、を備えている。カバーは、閉位置と開位置との間で移動可能な状態でボディ12に取り付けられる。閉位置はボディ12の前面を覆う位置であり、開位置はボディ12の前面の少なくとも一部を覆わない位置である。分電盤用キャビネット10の本体11は、例えば建物の壁に取り付けられている。分電盤用キャビネット10の本体11は、例えば平均的な身長の子供では手が届かないような高さ位置であって、平均的な身長の大人であれば操作が可能なような高さ位置に設けられている。
分電盤用キャビネット10の本体11の内部には、複数の開閉器2、主幹ブレーカ3、計測ユニット4及び電流計測装置5が収容されている。本実施形態に係る分電盤1においては、一般的な分電盤の分岐ブレーカに代えて開閉器2が設けられている。そのため、複数の開閉器2は、分電盤用キャビネット10において、分岐ブレーカが収まるべきところに収容される。複数の開閉器2、主幹ブレーカ3、計測ユニット4及び電流計測装置5は、ボディ12に直接的に又は取付用の金具等を介して取り付けられている。図3の例では、本体11の内部において、計測ユニット4、主幹ブレーカ3、複数の開閉器2は、左右方向において左からこの順に配置されている。
主幹ブレーカ3は、本体11の内部において、左右方向の中央よりもやや左側の位置に配置されている。本体11内での主幹ブレーカ3の位置は、例えば中央よりも右側等、他の位置であってもよい。主幹ブレーカ3は、一次側端子31と、二次側端子と、を備えている。主幹ブレーカ3は、一次側端子31と二次側端子との間の電路に接続された接点を備える。主幹ブレーカ3は、接点をオン又はオフにするための操作レバー33を前面に備えている。また、主幹ブレーカ3は、例えば接点に漏電電流又は過負荷電流等の過電流が流れる異常状態を検知すると、接点を遮断する主幹遮断部を備えている。
本実施形態の分電盤1では、配電方式として単相三線式を想定しているので、主幹ブレーカ3の一次側端子31には、系統電源(商用電源)の単相三線式の引込線200が電気的に接続される。本実施形態では、ボディ12に配置された接続端子124に引込線200が電気的に接続されており、接続端子124と主幹ブレーカ3の一次側端子31との間は配線部材125を介して電気的に接続されている。分電盤用キャビネット10に接続端子124及び配線部材125が備えられていることは必須ではなく、引込線200が主幹ブレーカ3の一次側端子31に直接接続されていてもよい。
また、主幹ブレーカ3の二次側端子には、第1電圧極(L1相)の導電バー61(図5参照)、第2電圧極(L2相)の導電バー62(図5参照)、及び中性極(N相)の導電バー63(図5参照)が接続されている。各導電バー61,62,63は、導電部材により左右方向に長い長尺板状に形成されており、本体11の内部において、上下方向の中央であって主幹ブレーカ3の右側の位置に配置されている。これら導電バー61,62,63は、幹線6を構成する。言い換えれば、幹線6は導電バー61,62,63を含んでいる。
複数の開閉器2は、中性極(N相)の導電バー63の上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている。本実施形態では、導電バー63の上側には、12個の開閉器2が左右方向に並ぶように配置されている。また、導電バー63の下側には、12個の開閉器2が左右方向に並ぶように配置されている。
ここで、各開閉器2は、図2に示すように、複数の分岐回路8のうちの1つの分岐回路8と幹線6との間に挿入される。言い換えれば、分岐回路8は、開閉器2を介して幹線6に電気的に接続されている。本実施形態では、分電盤1は、複数の分岐回路8と一対一に対応するように、複数の開閉器2を備えるので、分岐回路8は、対応する開閉器2を介して幹線6に接続される。
本開示でいう「分岐回路」は、幹線6と電気的に接続され、分電盤1にて幹線6から複数に分岐された回路の各々である。本実施形態では、分岐回路8は、配線81及び負荷82を含んでいる。配線81は、開閉器2の二次側端子202(図4参照)に電気的に接続される。負荷82は、例えば、照明器具、空調機器、テレビ受像器、給湯設備等の機器、コンセント(アウトレット)又は壁スイッチ等の配線器具を含む。負荷82は、配線81を介して開閉器2に電気的に接続される。
開閉器2について詳しくは、「(2.2)開閉器の構成」の欄で説明する。
計測ユニット4は、本体11の内部において、主幹ブレーカ3の左側に配置されている。計測ユニット4は、複数の分岐回路8の電流と電力との少なくとも一方を計測する計測機能、及び本体11の外部に配置された機器と通信する通信機能を有している。
より詳しくは、計測ユニット4は、主幹ブレーカ3に流れる電流を計測する主幹電流センサ7(図2参照)、及び電流計測装置5と電気的に接続されている。ここに、主幹電流センサ7は、例えば、カレントトランス(CT)からなる。そして、計測ユニット4は、電流計測装置5及び主幹電流センサ7が計測した電流の値に基づいて電力値を演算する機能(計測機能)を有している。詳しくは後述するが、電流計測装置5は、複数の分岐回路8の各々に流れる電流を計測するので、計測ユニット4では、電流計測装置5が計測した電流値に基づいて、各分岐回路8の電流と電力との少なくとも一方を計測する。
また、計測ユニット4は、HEMS(Home Energy Management System)に対応する機器(以下、HEMS対応機器という)の制御又は監視を行うように構成されたコントローラとの間で通信する機能(通信機能)を有している。コントローラは、本体11の外部に配置された機器である。ここに、HEMS対応機器は、例えばスマートメータ、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置、冷蔵庫、又はテレビ受像機等を含む。HEMS対応機器は、これらの機器に限定されない。
計測ユニット4とコントローラとの間の通信方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。計測ユニット4とコントローラとの間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信であってもよい。また、計測ユニット4とコントローラとの間の通信における通信プロトコルは、例えば、Ethernet(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)等である。
本実施形態の分電盤1では、計測ユニット4は、電流計測装置5が計測した複数の分岐回路8の各々に流れる電流値を、電流計測装置5から受け取る。さらに、計測ユニット4は、主幹電流センサ7が計測した電流値を主幹電流センサ7から受け取る。計測ユニット4は、電流計測装置5、及び主幹電流センサ7が計測した電流値のそれぞれを電力値(瞬時電力値)に変換する。計測ユニット4は、収集した瞬時電力のデータを所定時間にわたって積算した電力量のデータを演算する機能を有している。したがって、計測ユニット4と通信するコントローラは、複数の分岐回路8の各々での瞬時電力や電力量に基づいてHEMS対応機器を制御又は監視することができる。
また、計測ユニット4は、太陽光発電装置、蓄電装置、及び電気自動車に電気的に接続される電力変換装置のうちの少なくとも1つとの間で通信する機能(通信機能)を有している。電力変換装置は、分電盤1から電気自動車への単方向充電を行うための電力変換の他、双方向に電力変換を行うことで電気自動車の蓄電池の充電と放電との両方に用いられる構成であってもよい。
また、計測ユニット4は、ガスメータと水道メータとの少なくとも一方との通信機能を有している。計測ユニット4と太陽光発電装置、蓄電装置、及び電力変換装置との間の通信方式は、例えば、RS-485等の通信規格に準拠した有線通信である。計測ユニット4とガスメータ、水道メータとの間の通信方式は、有線通信に限らず、無線通信であってもよい。計測ユニット4は、例えば、貯湯型の給湯装置等と通信可能であってもよい。
電流計測装置5は、複数の分岐回路8に流れる電流を計測するように構成されている。電流計測装置5は、図1に示すように、基板50と、複数の電流センサ51と、を有している。また、本実施形態では、電流計測装置5は、図1に示すように、処理部52、コネクタ53及び基板側通信部54を更に有している。
基板50は、左右方向に長い板状である。基板50には、複数の孔501,502(図5参照)が形成されている。複数の孔501,502には、導電バー61,62から延びて開閉器2に接続される端子161,162(図5参照)がそれぞれ挿入される。基板50は、複数の電流センサ51と計測ユニット4との間の電気的な接続経路の少なくとも一部に用いられる。厳密には、基板50は、例えば、電気絶縁性を有する樹脂製基板の表面(又は内層)に導電層が形成されたプリント配線板であって、導電層の部分が、複数の電流センサ51と計測ユニット4との間の電気的な接続経路の一部に用いられる。この導電層には、コネクタ53が電気的に接続されている。
電流センサ51は、例えば、コアを用いない(コアレスの)空芯コイルからなり、内側を通過する電流に応じた出力を生じるロゴスキコイルである。電流センサ51は、基板50の孔501の周りに形成されている。ここでは、複数の電流センサ51は、複数の分岐回路8の電流をそれぞれ検出する。これにより、本実施形態では、電流計測装置5は、複数の分岐回路8の各々に流れる電流を計測する。
処理部52は、複数の電流センサ51の出力に関して信号処理を実行する。さらに、処理部52は、コネクタ53を介して計測ユニット4と通信可能に構成されている。そのため、計測ユニット4は、電流計測装置5が計測した複数の分岐回路8の各々に流れる電流値を、電流計測装置5から受け取ることが可能になる。
基板側通信部54は、基板50に実装されており、後述する開閉器2の通信部21と通信可能に構成されている。本開示において「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。すなわち、電流計測装置5(基板側通信部54)と開閉器2(通信部21)とは、互いに信号を授受することができる。
ところで、図3に示すように、ボディ12の底壁には、底壁を前後方向に貫通する貫通孔121が設けられており、本体11の外部から貫通孔121を通して本体11の内部に導入された電線が開閉器2等に電気的に接続される。また、ボディ12の上部の周壁122には、周壁122を上下方向に貫通する貫通孔123が設けられている。換言すると、本体11は、開閉器2に接続される電線を、前後方向と交差する一方向(本実施形態では上下方向)に沿って本体11の外部から内部に導入させるための電線挿入口(貫通孔123)を有している。電線挿入口は、ボディ12の下部の周壁122に設けられてもよいし、ボディ12の右側部又は左側部の周壁122に設けられていてもよいし、周壁122の複数箇所に電線挿入口が設けられていてもよい。
また、本実施形態の分電盤用キャビネット10は、接続端子124と、配線部材125とを更に備えている。接続端子124には、本体11の外部から導入される電線(引込線200)が電気的に接続される。配線部材125は、本体11(具体的にはボディ12)に配置されて、接続端子124と主幹ブレーカ3との間を電気的に接続する。配線部材125は、導電部材により幅寸法が略一定の板状に形成されている。接続端子124と主幹ブレーカ3との間が配線部材125を介して電気的に接続されているので、主幹ブレーカ3に接続される電線を本体11の内部で曲げるためのスペースを確保する必要がない、という利点がある。
本実施形態では、配線部材125は、接続端子124と主幹ブレーカ3との間を電気的に接続しているが、本体11には、接続端子と開閉器2との間を電気的に接続する配線部材が配置されてもよい。分電盤用キャビネット10が、接続端子124と配線部材125とを備えることは必須ではなく、本体11の外部から本体11の内部に導入された電線が主幹ブレーカ3又は開閉器2に直接的に接続されてもよい。
(2.2)開閉器の構成
次に、本実施形態に係る開閉器2のより詳細な構成について、図1、図4~図6を参照して説明する。
本実施形態では、開閉器2は、図1に示すように、通信部21及び遮断部22に加えて、操作部23、熱動式引外し装置24及び電磁式引外し装置25を備えている。開閉器2は、これら通信部21、遮断部22、操作部23、熱動式引外し装置24及び電磁式引外し装置25を収容する、筐体20(図5参照)を更に備えている。また、開閉器2は、一対の一次側端子201(図4参照)と、一対の二次側端子202(図4参照)と、を更に備えている。一対の一次側端子201は、幹線6(導電バー61,62,63)と電気的に接続される。一対の二次側端子202は、分岐回路8(配線81)と電気的に接続される。
通信部21は、遮断信号を受信する機能を有している。本実施形態では、通信部21は、計測ユニット4と通信可能に構成されており、計測ユニット4から遮断信号を受信する。通信部21は、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、計測ユニット4との間で信号を授受する。ここでは、複数の開閉器2の各々には固有のアドレスが設定されている。つまり、通信部21は、開閉器2に設定されたアドレス(メモリ等に記憶されたアドレス)を用いて、計測ユニット4と通信を行う。そのため、計測ユニット4は、特定の開閉器2の通信部21に対して、遮断信号等の信号を送信することが可能である。
本実施形態では、上述したように、電流計測装置5(基板側通信部54)と開閉器2(通信部21)とは、互いに通信可能に構成されている。さらに、電流計測装置5は計測ユニット4とは、互いに通信可能に構成されている。そこで、通信部21は、電流計測装置5の基板50を、計測ユニット4との間の通信経路の少なくとも一部に用いる。つまり、通信部21が電流計測装置5の基板側通信部54と通信し、電流計測装置5が計測ユニット4と通信することで、通信部21は、電流計測装置5の基板50を経由して、計測ユニット4と通信する。言い換えれば、基板50の導電層が、通信部21と計測ユニット4との間の通信経路の一部を構成する。
本実施形態では、通信部21と計測ユニット4とは、互いに双方向に通信可能であって、通信部21から計測ユニット4への信号の送信、及び計測ユニット4から通信部21への信号の送信の両方が可能である。通信部21と基板50(基板側通信部54)との間の通信方式は、非接触通信である。言い換えれば、通信部21は、基板50との通信方式が非接触通信である。本開示でいう「非接触通信」には、電波を通信媒体として用いる無線通信、電磁結合を利用した通信、及び光を通信媒体として用いる光通信を含む。
本実施形態では、通信部21と基板50(基板側通信部54)との間の通信方式が、光通信である場合を例示する。つまり、通信部21は、基板50との通信方式が、赤外光又は可視光等の光を通信媒体として用いる光通信である。
遮断部22は、通信部21が遮断信号を受信すると、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断する。本実施形態では、上述したように通信部21が計測ユニット4と通信可能に構成されている。そのため、遮断部22は、通信部21が、外部機器である計測ユニット4から遮断信号を受信したことをトリガにして、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断する。
遮断信号を送信する外部機器が計測ユニット4であることで、遮断部22は、例えば、分岐回路8に流れる電流の大きさに応じて、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断することが可能である。すなわち、計測ユニット4は、複数の分岐回路8の電流と電力との少なくとも一方を計測する機能を有するので、例えば、分岐回路8に電流の大きさに応じて遮断信号を送信することが可能である。一例として、過電流又は短絡電流等の異常電流でなくても、ある閾値を超える大きさの電流が、ある分岐回路8を流れる場合には、計測ユニット4は、この分岐回路8に対応する開閉器2に遮断信号を送信することで、この分岐回路8を遮断できる。
本実施形態では、遮断部22は、図4に示すように、接点部221と、作動回路222と、を含んでいる。
接点部221は、一対の一次側端子201と一対の二次側端子202との間に挿入された一対の接点SW1を有している。一対の接点SW1は、引外しユニット220にて駆動されてオフする機械式の接点である。引外しユニット220は、熱動式引外し装置24及び電磁式引外し装置25からなる。
作動回路222は、引外しユニット220の電磁式引外し装置25を作動させるための回路である。図4の例では、作動回路222は、抵抗R1と、スイッチング素子Q1と、を有している。抵抗R1及びスイッチング素子Q1は、一対の二次側端子202間に電気的に直列に接続されている。スイッチング素子Q1は、例えば、トランジスタ等の半導体スイッチからなり、通信部21からの制御信号を受けてオン/オフする。そのため、スイッチング素子Q1がオンすると、抵抗R1を介して一対の二次側端子202に短絡電流が流れて、電磁式引外し装置25が作動し、一対の接点SW1がオフになる。
ここで、遮断部22は、導通状態と遮断状態とを切替可能である。本開示でいう「導通状態」は、分岐回路8と幹線6との間を電気的に導通させる状態であって、例えば、接点部221の一対の接点SW1がオンの状態である。本開示でいう「遮断状態」は、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断する状態であって、例えば、接点部221の一対の接点SW1がオフの状態である。
本実施形態では、遮断部22は、通信部21が受信する信号によれば、遮断状態から導通状態への第1の切替えと、導通状態から遮断状態への第2の切替えと、のうち第2の切替えのみが可能である。言い換えれば、遮断部22は、通信部21が受信する信号によれば、遮断状態から導通状態への第1の切替えと、導通状態から遮断状態への第2の切替えと、のうち第1の切替えを行うことはできない。
操作部23は、一対の接点SW1のオン/オフを手動で操作するための部材である。操作部23は、図5に示すように、開閉器2の筐体20の前面に設けられている。上述したように、通信部21が受信する信号によれば、遮断部22は、遮断状態から導通状態への第1の切替えと、導通状態から遮断状態への第2の切替えと、のうち第1の切替えを行うことはできない。そのため、基本的には、第1の切替え、つまり遮断状態から導通状態への切替えは、ユーザが操作部23を操作することで行われる。
熱動式引外し装置24は、例えば、バイメタル又はトリメタル等の熱動素子を含み、熱動素子が作動することにより、一対の接点SW1をオフする熱動式の引外し装置である。熱動素子は、一対の一次側端子201と一対の二次側端子202との間に挿入されており、一対の接点SW1を流れる電流の大きさに応じて発熱する。そのため、熱動式引外し装置24は、例えば、分岐回路8に過電流等の異常電流が一定時間以上、流れ続けた場合に、一対の接点SW1をオフし、遮断部22を遮断状態とする。すなわち、本実施形態に係る開閉器2は、熱動式の引外し装置(熱動式引外し装置24)を備えている。
電磁式引外し装置25は、例えば、電磁石装置を含み、電磁石装置が作動することにより、一対の接点SW1を瞬時にオフする電磁式の引外し装置である。電磁石装置は、一対の一次側端子201と一対の二次側端子202との間に挿入された駆動コイルを有し、一対の接点SW1を流れる電流の大きさに応じて作動する。そのため、電磁式引外し装置25は、例えば、分岐回路8に短絡電流等の異常電流が流れた場合に、瞬時に、一対の接点SW1をオフし、遮断部22を遮断状態とする。すなわち、本実施形態に係る開閉器2は、電磁式の引外し装置(電磁式引外し装置25)を備えている。
開閉器2には、100V用と200V用とがある。100V用の開閉器2が備える一対の一次側端子201は、第1電圧極の導電バー61及び第2電圧極の導電バー62のうちの一方と、中性極の導電バー63とにそれぞれ電気的に接続される。200V用の開閉器2が備える一対の一次側端子201は、第1電圧極の導電バー61と、第2電圧極の導電バー62とにそれぞれ電気的に接続される。また、開閉器2の二次側端子202には、対応する分岐回路8が電気的に接続される。
ところで、開閉器2は、図5及び図6に示すように、導電バー61,62から延びて開閉器2に接続される端子161,162、及び導電バー63が差し込まれる複数(ここでは3つ)の差込口26を、筐体20の一面に有している。一次側端子201は、これら3つの差込口26のうち2つの差込口26内に露出するように設けられている。これにより、開閉器2は、本体11に取り付けられた状態で、差込口26に端子161(又は162)及び導電バー63が差し込まれ、幹線6に対して一対の一次側端子201が電気的に接続される。ここで、導電バー61に対応する差込口26には端子161の先端部が差し込まれ、導電バー62に対応する差込口26には端子162の先端部が差し込まれる。
100V用の開閉器2は、一次側端子201が、3つの差込口26のうち、両端の2つの差込口26内に露出するように設けられている。これにより、100V用の開閉器2は、本体11に取り付けられた状態で、導電バー61(又は62)及び導電バー63に電気的に接続される。200V用の開閉器2は、一次側端子201が、3つの差込口26のうち、後側の2つの差込口26内に露出するように設けられている。これにより、200V用の開閉器2は、本体11に取り付けられた状態で、導電バー61及び導電バー62に電気的に接続される。
具体的には、本体11は、金属製の支持板14、及び樹脂製のベース台15を有している。ベース台15は、支持板14の厚み方向の一面である前面に取り付けられている。開閉器2は、本体11に取り付けられた状態では、ベース台15に保持される。
一方で、電流計測装置5の基板50は、複数の孔501,502に端子161,162がそれぞれ挿入されるように、本体11に取り付けられる。そのため、開閉器2が本体11に取り付けられた状態では、図6に示すように、電流計測装置5の基板50の孔501,502を通して、端子161,162が開閉器2の差込口26に差し込まれる。
ここにおいて、本実施形態に係る開閉器2の通信部21は、上述したように、電流計測装置5の基板50(基板側通信部54)との間の通信方式が、光通信である。そこで、図6に示すように、通信部21は、開閉器2が本体11に取り付けられた状態において、基板50に設けられた基板側通信部54と対向する位置に配置されている。さらに、筐体20において、通信部21に対向する部位は、光透過性を有している。通信部21は、例えば、フォトダイオード等の受光素子、及びLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を含んでいる。基板側通信部54も同様に、例えば、フォトダイオード等の受光素子、及びLED等の発光素子を含んでいる。
要するに、開閉器2が本体11に取り付けられた状態では、通信部21は基板50の基板側通信部54との間で、光を通信媒体として光通信を行うことが可能である。通信部21は、少なくとも基板側通信部54からの光を受光することで、計測ユニット4からの遮断信号を受信する。
(3)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における分電盤1は、例えば、計測ユニット4等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における分電盤1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
図7は、実施形態1の変形例に係る開閉器2Aを備える分電盤1の概略図である。図7の例では、通信部21Aは、基板50と電気的に接続されている。すなわち、本変形例では、通信部21Aと基板50(基板側通信部54A)との間の通信方式は、非接触通信ではなく、有線通信である。この場合、開閉器2Aが本体11に取り付けられた状態において、基板50に設けられた基板側通信部54Aと開閉器2Aの通信部21Aとは、電気的に接続される。本変形例における通信部21Aと基板50(基板側通信部54A)との間の通信方式は、例えば、RS-485、又は有線LAN等の通信規格に準拠した有線通信を適宜採用可能である。
また、他の変形例として、通信部21は、開閉器2を復旧する(遮断状態から導通状態に切り替える)ための復旧信号を、外部機器(計測ユニット4等)から受信してもよい。この場合、遮断部22は、通信部21が復旧信号を受信すると遮断状態から導通状態に切り替わるように構成される。つまり、遮断部22は、導通状態と遮断状態とを切替可能であって、通信部21が復旧信号を受信すると遮断状態から導通状態に切り替わるように構成される。すなわち、実施形態1では、通信部21が受信する信号によれば、遮断部22は、遮断状態から導通状態への第1の切替えと、導通状態から遮断状態への第2の切替えと、のうち第2の切替えのみが可能であるのに対し、本変形例では、第1の切替えも可能である。本変形例によれば、開閉器2は、計測ユニット4等の外部機器からの信号により、遮断状態から導通状態への切替えと、導通状態から遮断状態への切替えと、の両方が遠隔で実現可能である。
また、通信部21と基板50(基板側通信部54)との間の通信方式は、光通信以外の非接触通信であってもよい。例えば、通信部21と基板50(基板側通信部54)との間の通信方式は、920MHz帯の特定小電力無線局、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。
また、分電盤1は少なくとも開閉器2を分電盤用キャビネット10に収容していればよく、主幹ブレーカ3、計測ユニット4及び電流計測装置5の少なくとも1つは適宜省略可能である。
また、遮断部22が機械式の接点SW1を含むことは、開閉器2に必須の構成ではなく、遮断部22は、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断する機能を有していればよい。例えば、遮断部22は、接点SW1に代えて、トランジスタ等の半導体スイッチを有し、半導体スイッチにて分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断してもよい。
また、遮断部22は、例えば、引外しユニット220(熱動式引外し装置24又は電磁式引外し装置25)を作動させて接点SW1をオフする構成に限らず、接点SW1を機械的に駆動するアクチュエータを含んでいてもよい。一例として、遮断部22は、電磁式、又は熱動式のアクチュエータを採用可能である。さらに、遮断部22は、アクチュエータの動作に重力を利用することで、接点SW1を遮断状態とするために必要なエネルギを節約してもよい。つまり、アクチュエータは、例えば、錘体が落下する際に錘体の自重を利用して、接点SW1をオフしてもよい。この場合、例えば、アクチュエータは、操作部23を操作して接点SW1をオフしてもよい。
また、電流センサ51はロゴスキコイルに限らず、例えば、変流器(カレントトランス)、ホール素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子、シャント抵抗等のセンサであってもよい。
また、開閉器2は、熱動式引外し装置24及び電磁式引外し装置25に代えて又は加えて、漏電検知式の引外し装置を有していてもよい。漏電検知式の引外し装置は、例えば、分岐回路8に漏電電流が流れた場合に、一対の接点SW1をオフし、遮断部22を遮断状態とする。
(実施形態2)
本実施形態に係る開閉器2は、図8に示すように、幹線6と分岐回路8との少なくとも一方に対して、分岐ブレーカ9を介して電気的に接続される点で、実施形態1の開閉器2と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態に係る分電盤1Aは、実施形態1に係る分電盤1に加えて、複数の分岐ブレーカ9を更に備えている。複数の分岐ブレーカ9は、主幹ブレーカ3及び開閉器2等と同様に、分電盤用キャビネット10の本体11に収容される。ここでは、一例として、複数の分岐回路8と一対一に対応するように、分電盤1Aが複数の分岐ブレーカ9を備える場合について説明する。つまり、各分岐ブレーカ9は、複数の分岐回路8の各々と幹線6との間に挿入されている。
ここで、開閉器2と分岐ブレーカ9とは、幹線6と分岐回路8との間において、電気的に直列に接続されている。特に、本実施形態では、分岐ブレーカ9は、開閉器2と分岐回路8との間に挿入されている。言い換えれば、開閉器2は、分岐ブレーカ9と幹線6との間に挿入されている。そのため、開閉器2と分岐ブレーカ9との少なくとも一方が遮断状態となることで、幹線6から分岐回路8への電力供給が遮断されることになる。
本実施形態では、開閉器2は分岐ブレーカ9と併用されているので、例えば、分岐ブレーカ9が遮断される前に、開閉器2の遮断部22を遮断状態とすることで、分岐ブレーカ9が遮断されることを抑制できる。これにより、分岐ブレーカ9を復旧するために、ユーザが分岐ブレーカ9を直接的に操作する手間を軽減することができる。
実施形態2の変形例として、分岐ブレーカ9は、開閉器2と幹線6との間に挿入されていてもよい。言い換えれば、開閉器2は、分岐ブレーカ9と分岐回路8との間に挿入されることになる。他の変形例として、分岐ブレーカ9は、開閉器2と分岐回路8との間、及び開閉器2と幹線6との間の両方に挿入されてもよい。
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(実施形態3)
本実施形態に係る開閉器2Bは、図9に示すように、主幹ブレーカ3Bからの遮断信号を受けて遮断状態となる点で、実施形態1の開閉器2と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態に係る分電盤1Bは、実施形態1に係る分電盤1の主幹ブレーカ3に代えて、主幹ブレーカ3Bを備えている。主幹ブレーカ3Bは、開閉器2Bの通信部21と通信可能に構成されている。開閉器2Bの通信部21は、計測ユニット4ではなく、主幹ブレーカ3Bから遮断信号を受信可能である。
本実施形態では、特に、主幹ブレーカ3Bは、感震部32を有している。感震部32は、例えば、加速度センサ及び角速度センサ等のセンサを含み、地震等により、分電盤1Bが設置されている建物に生じた揺れ(振動)を検知する。そして、感震部32で、ある閾値以上の震度の揺れを検知した場合には、主幹ブレーカ3Bは遮断状態となる。つまり、主幹ブレーカ3Bは、感震ブレーカとしての機能を有している。
このように、本実施形態では、遮断部22が分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断するためのトリガとなる遮断信号は、外部機器である主幹ブレーカ3Bから与えられる。特に、本実施形態では、主幹ブレーカ3Bが感震部32を有するので、遮断部22は、例えば、建物に生じた揺れ(振動)に応じて、分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断することが可能である。すなわち、主幹ブレーカ3Bは、建物に生じた揺れ(振動)の大きさに応じて、特定の分岐回路8に接続された開閉器2Bの通信部21に対して遮断信号を送信し、特定の分岐回路8への電力供給を遮断することが可能である。
実施形態3の変形例として、主幹ブレーカ3Bは、例えば、感震部32に代えて又は加えて、漏電検知部を有していてもよい。この場合、例えば、主幹ブレーカ3Bに漏電電流が流れた場合に、主幹ブレーカ3Bは、特定の分岐回路8に接続された開閉器2Bの通信部21に対して遮断信号を送信し、特定の分岐回路8への電力供給を遮断することが可能である。
また、実施形態3の他の変形例として、開閉器2Bの通信部21は、主幹ブレーカ3Bからだけでなく、計測ユニット4からも遮断信号を受信可能であってもよい。さらに、遮断部22が分岐回路8と幹線6との間を電気的に遮断するためのトリガとなる遮断信号は、計測ユニット4及び主幹ブレーカ3B以外の外部機器から送信されてもよい。
実施形態3で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1又は実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る開閉器(2,2A,2B)は、幹線(6)と電気的に接続される複数の分岐回路(8)のうちの1つの分岐回路(8)と幹線(6)との間に挿入される開閉器(2,2A,2B)である。開閉器(2,2A,2B)は、通信部(21,21A)と、遮断部(22)と、を備える。通信部(21,21A)は、遮断信号を受信する。遮断部(22)は、通信部(21,21A)が遮断信号を受信すると、分岐回路(8)と幹線(6)との間を電気的に遮断する。
この態様によれば、通信部(21,21A)が遮断信号を受信することをトリガにして、分岐回路(8)と幹線(6)との間が電気的に遮断される。したがって、例えば、外部機器から、開閉器(2,2A,2B)に遮断信号を送信することにより、開閉器(2,2A,2B)を直接的に操作することなく、分岐回路(8)と幹線(6)との間を電気的に遮断することが可能である。その結果、任意のタイミングで、分岐回路(8)を遮断することが可能になる。
第2の態様に係る開閉器(2,2A,2B)では、第1の態様において、通信部(21,21A)は、複数の分岐回路(8)の電流と電力との少なくとも一方を計測する計測ユニット(4)から遮断信号を受信する。
この態様によれば、遮断信号を送信する外部機器が計測ユニット(4)であることで、遮断部(22)は、例えば、分岐回路(8)に流れる電流の大きさに応じて、分岐回路(8)と幹線(6)との間を電気的に遮断することが可能である。
第3の態様に係る開閉器(2,2A,2B)では、第2の態様において、通信部(21,21A)は、基板(50)を、計測ユニット(4)との間の通信経路の少なくとも一部に用いる。基板(50)は、複数の分岐回路(8)の電流をそれぞれ検出する複数の電流センサ(51)と計測ユニット(4)との間の電気的な接続経路の少なくとも一部に用いられる。
この態様によれば、基板(50)を利用することで、開閉器(2,2A,2B)と計測ユニット(4)との間の通信を、比較的簡単に実現できる。
第4の態様に係る開閉器(2,2A,2B)では、第3の態様において、通信部(21,21A)は、基板(50)との間の通信方式が非接触通信である。
この態様によれば、通信部(21,21A)と基板(50)とを電気的に接続しなくても、開閉器(2,2A,2B)と計測ユニット(4)との間の通信を、比較的簡単に実現できる。
第5の態様に係る開閉器(2,2A,2B)では、第4の態様において、通信部(21,21A)は、基板(50)との間の通信方式が光通信である。
この態様によれば、通信部(21,21A)と基板(50)とを電気的に接続しなくても、開閉器(2,2A,2B)と計測ユニット(4)との間の通信を、比較的簡単に実現できる。
第6の態様に係る開閉器(2,2A,2B)では、第3の態様において、通信部(21,21A)は、基板(50)と電気的に接続されている。
この態様によれば、通信部(21,21A)と基板(50)とを電気的に接続することで、開閉器(2,2A,2B)と計測ユニット(4)との間の通信を、比較的簡単に実現できる。
第7の態様に係る開閉器(2,2A,2B)では、第1~6のいずれかの態様において、遮断部(22)は、導通状態と遮断状態とを切替可能である。遮断部(22)は、通信部(21,21A)が受信する信号によれば、遮断状態から導通状態への第1の切替えと、導通状態から遮断状態への第2の切替えと、のうち第2の切替えのみが可能である。
この態様によれば、通信部(21,21A)が受信する信号により、予期せず、遮断状態から導通状態への切替えが行われることを抑制できる。
第8の態様に係る開閉器(2,2A,2B)では、第1~6のいずれかの態様において、遮断部(22)は、導通状態と遮断状態とを切替可能である。遮断部(22)は、通信部(21,21A)が復旧信号を受信すると遮断状態から導通状態に切り替わる。
この態様によれば、通信部(21,21A)が受信する信号により、遮断状態から導通状態への切替えと、導通状態から遮断状態への切替えと、の両方が可能となる。
第9の態様に係る開閉器(2,2A,2B)は、第1~8のいずれかの態様において、熱動式の引外し装置(24)を更に備える。
この態様によれば、熱動式の引外し装置(24)にて分岐回路(8)の保護を図ることができる。
第10の態様に係る開閉器(2,2A,2B)は、第1~9のいずれかの態様において、電磁式の引外し装置(25)を更に備える。
この態様によれば、電磁式の引外し装置(25)にて分岐回路(8)の保護を図ることができる。
第11の態様に係る開閉器(2,2A,2B)は、第1~10のいずれかの態様において、幹線(6)と分岐回路(8)との少なくとも一方に対して、分岐ブレーカ(9)を介して電気的に接続される。
この態様によれば、開閉器(2,2A,2B)を分岐ブレーカ(9)と併用することができる。
第12の態様に係る分電盤(1,1A,1B)は、第1~11のいずれかの態様に係る開閉器(2,2A,2B)を少なくとも1つ備え、分電盤用キャビネット(10)を更に備える。
この態様によれば、通信部(21,21A)が遮断信号を受信することをトリガにして、分岐回路(8)と幹線(6)との間が電気的に遮断される。したがって、例えば、外部機器から、開閉器(2,2A,2B)に遮断信号を送信することにより、開閉器(2,2A,2B)を直接的に操作することなく、分岐回路(8)と幹線(6)との間を電気的に遮断することが可能である。その結果、分電盤(1,1A,1B)によれば、任意のタイミングで、分岐回路(8)を遮断することが可能になる。
第13の態様に係る分電盤(1,1A,1B)は、第2~6のいずれかの態様に係る開閉器(2,2A,2B)を少なくとも1つ備え、計測ユニット(4)と、分電盤用キャビネット(10)と、を更に備える。
この態様によれば、通信部(21,21A)が遮断信号を受信することをトリガにして、分岐回路(8)と幹線(6)との間が電気的に遮断される。したがって、例えば、外部機器から、開閉器(2,2A,2B)に遮断信号を送信することにより、開閉器(2,2A,2B)を直接的に操作することなく、分岐回路(8)と幹線(6)との間を電気的に遮断することが可能である。その結果、分電盤(1,1A,1B)によれば、任意のタイミングで、分岐回路(8)を遮断することが可能になる。
第2~11の態様に係る構成については、開閉器(2,2A,2B)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
ところで、第3の態様に係る開閉器(2,2A,2B)の構成は、第1及び第2の態様の構成を必須とすることなく、それ単独でも適用可能である。すなわち、第14の態様に係る開閉器(2,2A,2B)は、幹線(6)と電気的に接続される複数の分岐回路(8)のうちの1つの分岐回路(8)と幹線(6)との間に挿入される開閉器(2,2A,2B)であって、通信部(21,21A)を備える。通信部(21,21A)は、複数の分岐回路(8)の電流と電力との少なくとも一方を計測する計測ユニット(4)と通信する。通信部(21,21A)は、基板(50)を、計測ユニット(4)との間の通信経路の少なくとも一部に用いる。基板(50)は、複数の分岐回路(8)の電流をそれぞれ検出する複数の電流センサ(51)と計測ユニット(4)との間の電気的な接続経路の少なくとも一部に用いられる。
この態様によれば、基板(50)を利用することで、開閉器(2,2A,2B)と計測ユニット(4)との間の通信を、比較的簡単に実現できる。
また、第4~13の態様に係る構成については、第14の態様に係る開閉器(2,2A,2B)と組み合わせて適用可能である。