(1)概要
本実施形態の避雷システム100は、図1に示すように、電路A1に接続された電気的負荷B1を、雷サージ等の過渡的な異常高電圧(以下、「サージ電圧」という)から保護するためのシステムである。ここでは、電路A1は、分電盤1内に設けられ、電気的負荷B1に電力を供給するための給電路A10を含む。電気的負荷B1は、給電路A10に電気的に接続され、この給電路A10から電力が供給されて動作する。給電路A10は、主幹ブレーカ2に電気的に接続される導電バー9により構成される電路を含む。給電路A10(導電バー9)からは、複数の分岐ブレーカ3によって、複数の分岐回路A11が分岐されている。分岐回路A11は、分岐ブレーカ3内の電路と、分岐ブレーカ3の二次側端子に一端が接続されて他端が電気的負荷B1に接続される電線にて構成される電路と、を含む。
電気的負荷B1は、主として建物の内部に配置され、給電路A10に電気的に接続されている。なお、電気的負荷B1は、建物の内部に限らず、建物の外部に配置されていてもよい。本実施形態では、建物が戸建住宅である場合を例示するが、この例に限らない。建物は、例えば集合住宅の各住戸、事務所、店舗、工場、及び病院等、分電盤1が設置可能であればよい。
避雷システム100は、避雷器6、電流センサ7、及び処理部8を備える。避雷器6、電流センサ7、及び処理部8は、いずれも分電盤1のキャビネット10内に配置されている。
図4に示すように、避雷器6は、筐体60と、サージ防護素子61と、を備える。サージ防護素子61は、基準電位点と給電路A10との間に接続される。本実施形態では、基準電位点はアースであり、より詳細には、分電盤1のキャビネット10内に設けられ、かつ接地されているアース端子12(図2参照)である。筐体60は、サージ防護素子61を内部に収容する。
サージ防護素子61は、分電盤1の給電路A10に対して、複数の分岐回路A11の各々と並列に接続されている。サージ防護素子61は、給電路A10にサージ電圧が印加された場合に導通して、サージ電流を基準電位点に流す。避雷器6は、落雷等により給電路A10-基準電位点(グランド)間に高電圧が発生すると、サージ防護素子61が短絡することでサージ電流をバイパスさせ、サージ電流が給電路A10から電気的負荷B1に流れるのを防ぐ。
図1に示すように、電流センサ7は、避雷器6の筐体60の外側に設けられている。電流センサ7は、避雷器6の筐体60には収容されておらず、筐体60から離れて配置されている。電流センサ7は、給電路A10に流れる電流を検知する。特に、電流センサ7は、給電路A10にサージ電圧が印加された場合に給電路A10に流れるサージ電流を検知する。
図1に示すように、本実施形態では、処理部8は、避雷器6の筐体60の外側に設けられている。処理部8は、避雷器6の筐体60には収容されておらず、筐体60から離れて配置されている。ここでは、処理部8は、計測アダプタ4に設けられている。計測アダプタ4は、給電路A10を通過する電力を計測する計測機能を有する装置である。処理部8は、電流センサ7の検知結果(電流センサ7で検知されたサージ電流についての検知結果)を処理することで、サージ電流に関するサージ電流情報を取得する。サージ電流情報は、例えば、サージ電流の発生回数に関する情報、サージ電流の波高値に関する情報等を含む。
本実施形態の避雷システム100では、電流センサ7は、分電盤1に取り付けられている。そして、電流センサ7は、給電路A10を流れる電流についての検知結果を出力する機能を有する。本実施形態では、電流センサ7は、計測アダプタ4に対して検知結果を出力する機能を有する。すなわち、電流センサ7は、給電路A10を流れる電流を検知し検知結果を計測アダプタ4に送出するための既存の検知部5の電流センサ(後述のコイル51)である。
本実施形態の避雷システム100は、分電盤1に既に設けられている検知部5の機能を用いて、避雷器6を通過するサージ電流に関するサージ電流情報を取得する。そのため、本実施形態の避雷システム100は、サージ電流情報を取得するために、電流センサ等を新たに追加したり、電流センサを内蔵した避雷器を準備したりする必要がない。そのため、本実施形態の避雷システム100は、サージ電流情報を取得可能としつつ、分電盤と避雷器とを含む分電盤システム全体の構成を簡略化することが可能となる、という利点がある。
(2)構成
以下、本実施形態の避雷システム100について、図1~図4を用いて説明する。避雷システム100は、上述のように、避雷器6と、電流センサ7と、処理部8と、を備える。避雷システム100は、計測アダプタ4及び検知部5を備えた分電盤1に設けられる。
(2.1)分電盤
まず、避雷システム100が設けられる分電盤1について、図2を用いて説明する。以下の説明では、特に断りがない限り、図2の上下左右を分電盤1の上下左右と規定し、図2の紙面に垂直な方向を分電盤1の前後方向(手前が前)と規定する。詳しくは、主幹ブレーカ2と分岐ブレーカ3とが並ぶ方向を左右方向、キャビネット本体11の底部と計測アダプタ4とが並ぶ方向を前後方向と規定する。また、左右方向及び前後方向と直交する方向を上下方向と規定する。
分電盤1は、図2に示すように、キャビネット10と、主幹ブレーカ2と、複数の分岐ブレーカ3と、計測アダプタ4と、検知部5と、避雷器6と、を備えている。
キャビネット10は、前面が開口した箱状のキャビネット本体11と、キャビネット本体11の開口を塞ぐ蓋と、を備えている。図2においては、蓋の図示を省略している。キャビネット10の内部には、主幹ブレーカ2、複数の分岐ブレーカ3、計測アダプタ4、検知部5、及び避雷器6が収容されている。キャビネット10内において、計測アダプタ4、主幹ブレーカ2、複数の分岐ブレーカ3は、左右方向において左からこの順に配置されている。
主幹ブレーカ2は、キャビネット10の内部において、左右方向の中央よりもやや左側の位置に配置されている。なお、キャビネット10内での主幹ブレーカ2の位置は、例えば中央よりも右側等他の位置であってよい。主幹ブレーカ2は、一次側端子21と、二次側端子とを備えている。本実施形態の分電盤1では配電方式として単相三線式を想定しているので、主幹ブレーカ2の一次側端子21には、系統電源(商用電源)の単相三線式の引き込み線が電気的に接続される。また、主幹ブレーカ2の二次側端子には、複数の導電バー9(図3参照)が接続されている。各導電バー9は、導電部材により左右方向に長い長尺板状に形成されており、キャビネット10の内部において、上下方向の中央であって主幹ブレーカ2の右側の位置に配置されている。
図3に示すように、分電盤1は、複数の導電バー9として、第1電圧極(L1相)の導電バー91、第2電圧極(L2相)の導電バー92、及び中性極(N相)の導電バー93を備えている。そして、主幹ブレーカ2の3つの二次側端子に、第1電圧極(L1相)の導電バー91、第2電圧極(L2相)の導電バー92、及び中性極(N相)の導電バー93がそれぞれ接続されている。複数の導電バー9は、合成樹脂製のベース94によって保持されている。
第1電圧極の導電バー91は、左右方向に長尺で前後方向に厚さを有する平板状の平板911と、平板911の下端縁から前方に突出した立片912と、を有している。立片912の先端部は二股に分かれており、一方が下向きに突出する接続端子913となり、他方が上向きに突出する接続端子913となる。なお、図3では、上向きに突出する接続端子913は、検知部5の基板50(後述する)に隠れて見えていない。
第2電圧極の導電バー92は、左右方向に長尺で前後方向に厚さを有する平板状の平板921と、平板921の上端縁から前方に突出した立片922と、を有している。立片922の先端部は二股に分かれており、一方が下向きに突出する接続端子923となり、他方が上向きに突出する接続端子923となる。なお、図3では、上向きに突出する接続端子923は、検知部5の基板50に隠れて見えていない。
中性極の導電バー93は、左右方向に長尺で前後方向に厚さを有する平板状に形成されている。
複数の分岐ブレーカ3は、中性極の導電バー93の上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている(図2参照)。本実施形態では、中性極の導電バー93の上側に、12個の分岐ブレーカ3が左右方向に並ぶように配置されている。また、中性極の導電バー93の下側に、11個の分岐ブレーカ3が左右方向に並ぶように配置されている。なお、中性極の導電バー93の下側において、11個の分岐ブレーカ3の右側に、避雷器6が配置されている。
各分岐ブレーカ3は、一対の一次側端子と、一対の二次側端子とを備えている。分岐ブレーカ3には100V用と200V用がある。100V用の分岐ブレーカ3が備える一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バー91及び第2電圧極の導電バー92のうちの一方と、中性極の導電バー93と、にそれぞれ電気的に接続される。詳しくは、100V用の分岐ブレーカ3が備える一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バー91の接続端子913及び第2電圧極の導電バー92の接続端子923のうちの一方と、中性極の導電バー93と、にそれぞれ電気的に接続される。200V用の分岐ブレーカ3が備える一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バー91と、第2電圧極の導電バー92と、にそれぞれ電気的に接続される。詳しくは、200V用の分岐ブレーカ3が備える一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バー91の接続端子913と、第2電圧極の導電バー92の接続端子923と、にそれぞれ電気的に接続される。
分岐ブレーカ3が導電バー9に接続されることで、導電バー9よりも下流側に、分岐ブレーカ3内の電路を含む分岐回路A11が構成される。また、分岐ブレーカ3の二次側端子には、電線が電気的に接続される。各分岐ブレーカ3の二次側端子に接続された電線には、電気的負荷B1が、直接又はコンセント等のコネクタを介して接続される。電気的負荷B1は、例えば、照明器具、空調機器、テレビ受像器、給湯設備等の電気機器、壁スイッチ等である。電気的負荷B1は、アース端子12に接続されることで、基準電位点に接続されている(接地されている)。
検知部5は、複数の分岐ブレーカ3の各々に接続された電気的負荷B1(分岐回路A11)に流れる電流を検知する。言い換えれば、検知部5は、各分岐回路A11に流れる電流を検知する。検知部5は、複数の分岐回路A11に流れる電流を、個別に検知する。図3に示すように、検知部5は、基板50と、基板50に設けられた複数のコイル51(電流センサ)と、を有している。基板50は、左右方向に長い板状である。基板50には、複数の孔52が形成されている。各孔52には、第1電圧極の導電バー91の接続端子913又は第2電圧極の導電バー92の接続端子923が挿入される。コイル51は、ここではロゴスキーコイルであり、基板50の孔52の周りに形成されている。図3に示すように、下側の検知部5の基板50では、複数の孔52のうちで、第2電圧極の導電バー92の接続端子923が挿入される孔52(相対的に後側の孔52)の周りに、形成されている。もちろん、第1電圧極の導電バー91の接続端子913が挿入される孔52(相対的に前側の孔52)の周りに、コイル51が形成されていてもよい。本実施形態では、検知部5は、複数のコイル51の各々に誘起される電流を計測することにより、各分岐回路A11に流れる電流を検知する。なお、図示は省略するが、上側の検知部5の基板50では、複数の孔52のうちで、第1電圧極の導電バー91の接続端子913が挿入される孔52(相対的に後側の孔52)の周りに、コイル51が形成されている。
(2.2)計測アダプタ
計測アダプタ4は、キャビネット10の内部において、主幹ブレーカ2の左側に配置されている。計測アダプタ4は、分電盤1内の主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ3の少なくとも一方を通過する電力を計測する計測機能、及びキャビネット10の外部に配置された機器と通信する通信機能を有している。計測アダプタ4の計測機能及び通信機能は、計測アダプタ4内の制御部によって実現される。制御部は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
より詳しくは、本実施形態の計測アダプタ4は、主幹ブレーカ2に流れる電流を計測する主幹検知部及び上記の検知部5と、電気的に接続されている。ここに、主幹検知部は、例えばカレントトランス(CT)からなる電流センサを備えている。主幹検知部のCTは、主幹ブレーカ2の一次側端子21に接続される引き込み線に流れる電流を検知する。そして、計測アダプタ4は、検知部5及び主幹検知部が計測した電流の値のそれぞれを電力値に変換する機能(計測機能)を有している。
また、計測アダプタ4は、HEMS(Home Energy Management System)に対応する機器(以下、HEMS対応機器という)の制御を行うように構成されたコントローラとの間で通信する機能(通信機能)を有している。コントローラは、キャビネット10の外部に配置された機器である。ここに、HEMS対応機器は、消費電力の管理対象であれば足り、例えばスマートメータ、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置、冷蔵庫、又はテレビ受像機等を含む。なお、HEMS対応機器は、これらの機器に限定されない。
計測アダプタ4とコントローラとの間の通信方式は、例えば920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。また、計測アダプタ4とコントローラとの間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信であってもよい。
また、計測アダプタ4とコントローラとの間の通信における通信プロトコルは、例えばEthernet(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)等を用いてもよい。
本実施形態の分電盤1では、計測アダプタ4は、検知部5が計測した複数の分岐回路A11の各々の電流値を検知部5から受け取る。さらに、計測アダプタ4は、主幹検知部が計測した電流値を主幹検知部から受け取る。計測アダプタ4は、検知部5及び主幹検知部が計測した電流値のそれぞれを電力値(瞬時電力値)に変換する。計測アダプタ4は、収集した瞬時電力のデータを所定時間に亘って積算した電力量のデータを演算する機能を有している。したがって、計測アダプタ4と通信するコントローラは、複数の分岐回路A11に接続された複数の負荷の各々での瞬時電力及び電力量に基づいてHEMS対応機器を制御することができる。
また、計測アダプタ4は、太陽光発電装置、蓄電装置、及び電気自動車に電気的に接続される電力変換装置のうちの少なくとも1つとの間で通信する機能(通信機能)を有している。なお、電力変換装置は、分電盤1から電気自動車への単方向充電を行うための電力変換の他、双方向に電力変換を行うことで電気自動車の蓄電池の充電と放電との両方に用いられる構成であってもよい。
また、計測アダプタ4は、ガスメータと水道メータとの少なくとも一方との通信機能を有している。計測アダプタ4と太陽光発電装置、蓄電装置、及び電力変換装置との間の通信方式は、例えばRS-485等の通信規格に準拠した有線通信である。なお、計測アダプタ4は、例えば貯湯型の給湯装置(エコキュート(登録商標))等と通信可能であってもよい。ただし、計測アダプタ4とガスメータ、水道メータとの間の通信方式は、有線通信に限らず、無線通信であってもよい。
(2.3)避雷器
図1に示すように、避雷器6は、分電盤1のキャビネット10内に配置されている。避雷器6は、給電路A10に接続されている。
避雷器6は、図4に示すように、筐体60と、一対のサージ防護素子61と、ヒューズ62と、一対の一次側端子63と、アース接続端子64と、を備えている。
図2に示すように、避雷器6の筐体60は、分岐ブレーカ3の筐体と同様の寸法形状を有している。避雷器6は、例えば、分電盤1のキャビネット10内における分岐ブレーカ3が配置されるスペースに、1つの分岐ブレーカ3の代わりに配置される。図2の例では、導電バー9の右下側に配置された分岐ブレーカ3の代わりに、避雷器6が配置されている。
避雷器6は、分岐ブレーカ3と同様の方式で、導電バー9に接続される。すなわち、避雷器6の一対の一次側端子63は、分電盤1の第1電圧極(L1相)の導電バー91及び第2電圧極(L2相)の導電バー92に、それぞれ電気的に接続される。ここで、上述のように、下側の検知部5の基板50では、第2電圧極の導電バー92の接続端子923が、周囲にコイル51が形成された基板50の孔52に挿入されている。そのため、第2電圧極の導電バー92と一次側端子63との間の電路(接続端子923)の周りには、コイル51が配置されている。
一対のサージ防護素子61の各々は、第1端が一対の一次側端子63のうちの対応する一つの一次側端子63に電気的に接続され、第2端が、互いに電気的に接続されている。また、一対のサージ防護素子61の第2端は、ヒューズ62を介してアース接続端子64に電気的に接続されている。アース接続端子64は、例えば、分電盤1のキャビネット本体11に設けられているアース端子12(図2参照)に接続されることで、基準電位点に接続されている(接地されている)。
サージ防護素子61は、ここではバリスタ(varistor)を備えている。バリスタは、例えば、非直線性抵抗特性を持つ半導体セラミックス(酸化亜鉛に数種類の添加物を加えたセラミックス等)を一対の電極ではさんだ構造を有する。各バリスタの一対の電極は、一次側端子63と、アース接続端子64と、にそれぞれ接続されている。バリスタは、サージ電圧等の大きな電圧が一対の電極間にかかると急激に電気抵抗が低くなり、電流をバイパスさせる。なお、サージ防護素子61は、バリスタに限られない。サージ防護素子61は、例えば、バリスタの代わりにガス放電管(Gas Discharge Tube: GDT)又はアバランシェダイオード等を備えてもよいし、抵抗又はコンデンサ等を更に備えてもよいし、バリスタとガス放電管の直列回路等を備えてもよい。なお、バリスタ等のサージ防護素子61は、導通してサージ電流が流れる度に、サージ電流による発熱等によって劣化する可能性がある。そのため、サージ防護素子61は、適宜のタイミングでメンテナンス(交換、修理等)されることが望ましい。
ヒューズ62は、サージ防護素子61とアース接続端子64との間に電気的に接続されている。ヒューズ62は、定格以上の過電流が継続して流れたときに溶断し、給電路A10(導電バー9)と基準電位点(グランド)との間を絶縁する。例えば、サージ防護素子61としてのバリスタが劣化すると、バリスタの一対の電極間が短絡し、給電路A10から基準電位点へと電流が流れ続ける状態になる。ヒューズ62は、この電流により発熱して溶断し、給電路A10と基準電位点との間を絶縁する。
図1に示すように、電流センサ7は、避雷器6の筐体60の外側に設けられている。電流センサ7は、給電路A10に流れるサージ電流を検知する。
ここでは、電流センサ7は、計測アダプタ4に対して検知結果を送出する機能を有する検知部5の電流センサ(コイル51)である。つまり、本実施形態における電流センサ7は、ロゴスキーコイルであるコイル51を備えている。ロゴスキーコイルは、環状の芯材に導線を巻きつけたコイルであり、測定対象とする導線(給電路A10)を流れる電流の時間変化(電流の微分値)を検知し、その大きさに比例した電圧信号を出力する。ロゴスキーコイルでは、芯材は非磁性体材料により形成されるため、磁性体材料をコアとするカレントトランス等に比べて、磁気飽和が生じにくい。そのため、ロゴスキーコイルは、雷サージ等の大電圧の計測にも適している。本実施形態では、電流センサ7は、避雷器6が接続された導電バー9の接続端子923の周囲に配置されたコイル51である。
図1に示すように、処理部8は、避雷器6の筐体60の外側に設けられている。ここでは、処理部8は、計測アダプタ4に設けられている。処理部8は、電流センサ7の検知結果を処理することで、サージ電流に関するサージ電流情報を取得する。処理部8は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが処理部8として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。なお、処理部8のコンピュータシステムは、計測アダプタ4の制御部のコンピュータシステムと同じであってもよいし異なっていてもよい。
処理部8は、電流センサ7から、検知結果を取得する。処理部8は、この電流センサ7の検知結果を処理する。処理部8は、電流センサ7の検知結果を処理することで、サージ電流に関するサージ電流情報を取得する。
処理部8が取得するサージ電流情報は、例えば、サージ回数情報を含む。サージ回数情報は、給電路A10におけるサージ電流の発生回数に関する情報である。処理部8は、例えば、電流センサ7からの電圧信号に基づいて、避雷器6に閾値以上の大きさの電流が流れた回数を計数する。処理部8は、例えば、電流センサ7で計測される電流値が、閾値以下の値から閾値より大きな値となり、その後閾値以下の値となったときに、避雷器6にサージ電流が1回流れた(サージ電流が1回発生した)、と判定する。
処理部8は、サージ電流の発生回数に基づいて、避雷器6のサージ防護素子61の劣化度合いを判定する。
ここにおいて、落雷等に起因して避雷器6を流れるサージ電流の経路は、以下の第1及び第2経路を含む。第1経路は、柱上トランス(配電変圧器)等から、引き込み線、主幹ブレーカ2、導電バー9及びサージ防護素子61を通って、基準電位点へ向かう経路である。第2経路は、アースからアース端子12(基準電位点)を通って避雷器6へ向かう経路である。
第1及び第2経路のうち、少なくとも第1経路を通るサージ電流については、電流センサ7によって検知することが可能である。したがって、処理部8は、上記のサージ電流の発生回数をカウントすることで、サージ防護素子61に流れたサージ電流の回数を推定することが可能となる。これにより、処理部8は、サージ防護素子61の劣化度合いを判定することが可能となる。
処理部8が取得するサージ電流情報は、例えば、サージ強度情報を含む。サージ強度情報は、サージ電流の強度に関する情報であり、例えばサージ電流の波高値に関する情報である。処理部8は、例えば、電流センサ7からの電圧信号に基づいて、電流センサ7にサージ電流が流れる度に、このサージ電流の波高値(振幅)の情報を取得する。サージ電流が1回流れることによるサージ防護素子61の劣化度合いは、サージ電流によってサージ防護素子61を通過するエネルギーに依存する。したがって、処理部8は、サージ電流の波高値の情報を取得することで、サージ防護素子61を通過したエネルギーを推定することが可能となる。これにより、処理部8は、サージ防護素子61の劣化度合いを判定することが可能となる。
処理部8が取得するサージ電流情報は、例えば、サージエネルギー情報を含む。サージエネルギー情報は、サージ電流のエネルギーに関する情報である。処理部8は、例えば、電流センサ7からの電圧信号に基づいて、電流センサ7にサージ電流が流れる度に、このサージ電流のエネルギーの情報を取得する。サージ電流のエネルギーは、例えば、(サージ電流の振幅)2×(抵抗値)の時間積分で求められる。サージ電流が1回流れることによるサージ防護素子61の劣化度合いは、このサージ電流によりサージ防護素子61を通過するエネルギーに依存する。したがって、処理部8は、サージエネルギー情報を取得することで、サージ防護素子61を通過したエネルギーを推定することが可能となる。これにより、処理部8は、サージ防護素子61の劣化度合いを判定することが可能となる。
図1に示すように、避雷システム100は、出力部80を更に備えている。出力部80は、処理部8のサージ電流情報の取得結果に基づいて、サージ防護素子61の状態に関する状態情報を出力する。
出力部80は、例えば、無線通信用の通信インタフェースを備える。出力部80は、例えば計測アダプタ4に設けられる。この場合、出力部80は、計測アダプタ4の通信機能により実現されてもよい。処理部8は、例えば、状態情報としてサージ電流情報を、出力部80を介して出力する。処理部8は、サージ電流情報を加工して得られた状態情報を、出力部80を介して出力してもよい。サージ電流情報を加工して得られた状態情報は、例えば、サージ防護素子61の劣化度合いを示す情報である。
出力部80は、無線通信用の通信インタフェースを備える構成に限られない。出力部80は、光と音とのうちの少なくとも一方を発する報知部であってもよい。例えば、報知部は、サージ防護素子61の劣化度合いが小さい場合(例えば、サージ電流の発生回数が、所定の閾値以下の場合)に消灯し、劣化度合いが大きくなると(上記の発生回数が閾値を超えると)点灯するLEDを備えてもよい。この場合、LEDの点灯/消灯の別が、状態情報に相当する。
上記のように、本実施形態の避雷システム100では、分電盤1に既に設けられている検知部5の機能を用いて、処理部8が、避雷器6を通過するサージ電流に関するサージ電流情報を取得する。そのため、本実施形態の避雷システム100は、サージ電流情報を取得するために、電流センサ等を新たに追加したり、電流センサを内蔵した避雷器を準備したりする必要がないので、避雷器6の小型化を図りやすい。そのため、本実施形態の避雷システム100は、サージ電流情報を取得可能としつつ、分電盤と避雷器とを含む分電盤システム全体の構成を簡略化することが可能となる、という利点がある。
また、本実施形態の避雷システム100では、電流センサ7及び処理部8は、避雷器6の筐体60に収容されていない。そのため、サージ防護素子61が劣化した場合には、避雷器6のみを交換すればよい。
なお、処理部8の機能を、既存の計測アダプタ4の制御部により実現してもよい。
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、避雷システム100の処理部8と同様の機能は、避雷器6の監視方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
一態様に係る避雷器6の監視方法は、避雷器6と、電流センサ7と、を用いた監視方法である。避雷器6は、基準電位点と分電盤1の給電路A10との間に接続され、給電路A10にサージ電圧が印加された場合に導通してサージ電流を基準電位点に流すサージ防護素子61、及びサージ防護素子61を収容する筐体60を有する。電流センサ7は、筐体60の外側で分電盤1に取り付けられており、給電路A10を流れる電流についての検知結果を出力する機能を有する。この監視方法は、サージ防護素子61にサージ電流が流れた場合に、電流センサ7で検知されたサージ電流の検知結果を処理することで、サージ電流に関するサージ電流情報を取得することを含む。
(4.1)変形例1
本変形例の避雷システム100Aは、避雷器6の代わりに、図5に示す避雷器6Aを備えている。また、避雷システム100Aは、サージ防護素子61と基準電位点(グランド)との間に接続される導体(アース線)を流れる電流を検知するアース線電流センサ71を、更に備えている。
避雷器6Aは、図5に示すように、一対の一次側端子63と一対のサージ防護素子61との間に、ヒューズ62Aがそれぞれ接続されている。また、一対のサージ防護素子61は、分電盤1のアース端子12(図2参照)に接続されることで、接地されている。そして、サージ防護素子61と基準電位点との間を接続する導体(アース線)に、アース線電流センサ71が設けられている。アース線電流センサ71は、ここではロゴスキーコイルであるが、CT(カレントトランス)であってもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)センサであってもよい。
本変形例の避雷システム100Aは、アース線電流センサ71を備えている。そのため、第2経路を通るサージ電流を検知することが可能となり、サージ電流情報の信頼性が向上する。
(4.2)変形例2
本変形例の避雷システム100は、上記実施形態の避雷システム100と同様の構成を備えている。そして、本変形例では、処理部8は、分岐ブレーカ3が接続された導電バー9の接続端子913,923の周囲に配置されたコイル51からも、電流の検知結果を取得する。
すなわち、本変形例において、処理部8は、複数の分岐回路A11に流れる電流をそれぞれ計測する複数のコイル51(電流センサ7)から、検知結果を個別に取得する。そして、処理部8は、複数の電流センサ7の各々の検知結果を処理する。つまり、処理部8は、複数の電流センサ7からの電圧信号を個別に処理することで、サージ電流に関するサージ電流情報を取得する。
処理部8は、例えば、複数のコイル51(電流センサ7)についてのサージ電流の発生回数の合計(合計値)をカウントする。処理部8は、例えば、カウントした合計値も考慮に入れて、避雷器6のサージ防護素子61の劣化度合いを判定する。
また、処理部8は、複数のコイル51の各々について、サージ電流の発生回数(個別値)を個別にカウントする。複数のコイル51についての個別値を比較することで、サージ電流が流れやすい(雷サージが発生しやすい)分岐回路A11を特定することが可能となり、回路設計の見直し等に繋がり得る。
例えば、接地されていない(アース端子12に接続されていない)電気的負荷B1のグランドは、アース(アース端子12)に対して電位差を有している。そのため、雷が発生したときに、その誘導雷がグランドを介してこの電気的負荷B1に侵入する可能性がある。このため、接地されていない電気的負荷B1は、接地されている電気的負荷B1に比べて、雷サージが発生する可能性が高い。本変形例では、サージ電流の発生回数を個別にカウントすることで、接地されていない電気的負荷B1の存在を検知及び通知することが可能となる。
また、屋外に設置されているアンテナから電気的負荷B1に侵入する雷サージについては、別途、アンテナ用の避雷器をアンテナと電気的負荷B1との間に接続することで対策する必要がある。このようなアンテナ用の避雷器が接続されていない場合、アンテナから電気的負荷B1、導電バー9を通ってサージ電流が流れ得る。つまり、アンテナ用の避雷器が接続されていない電気的負荷B1を含む分岐回路A11では、サージ電流の発生回数が大きくなる可能性が高い。本変形例では、サージ電流の発生回数を個別にカウントすることで、アンテナ用の避雷器が接続されていない電気的負荷B1の存在を検知及び通知することが可能となる。
(4.3)その他の変形例
以下、上述の実施形態のその他の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における避雷システム100(100A)は、例えば、処理部8等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における処理部8としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、例えば処理部8における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは避雷システム100に必須の構成ではない。つまり、処理部8の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、例えば処理部8の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
処理部8の機能は、計測アダプタ4の制御部を構成するコンピュータシステムが適宜のプログラムを実行することで、実現されてもよい。また、処理部8の機能は、計測アダプタ4以外のコンピュータシステムにて適宜のプログラムを実行することで、実現されてもよい。一例として、処理部8の機能は、避雷器6がコンピュータシステムを有する場合、このコンピュータシステムにて適宜のプログラムを実行することで、実現されてもよい。
電流センサ7は、ロゴスキーコイルに限られず、電流の検知結果を出力できれば、CTであってもよいしGMRセンサであってもよい。また、電流センサ7の検知結果の出力先は、計測アダプタ4に限られず、処理部8の機能を実現するコンピュータシステムを有する機器であればよい。
避雷器6(6A)は、ヒューズ62(62A)が溶断したことを報知する報知手段、例えばヒューズ62(62A)が溶断したときに点灯するLED等を、備えていてもよい。
電流センサ7は、主幹ブレーカ2に流れる電流を計測する主幹検知部の電流センサを含んでもよい。つまり、処理部8は、主幹検知部から、検知結果を取得して処理してもよい。処理部8は、検知部5の電流センサ及び/又は主幹検知部の電流センサから、検知結果を取得して処理すればよい。
(まとめ)
以上説明した実施形態及び変形例等から以下の態様が開示されている。
第1の態様の避雷システム(100,100A)は、避雷器(6,6A)と、電流センサ(7)と、処理部(8)と、を備える。避雷器(6,6A)は、サージ防護素子(61)と、筐体(60)と、を有する。サージ防護素子(61)は、基準電位点と給電路(A10)との間に接続される。サージ防護素子(61)は、給電路(A10)にサージ電圧が印加された場合に導通してサージ電流を基準電位点に流す。筐体(60)は、サージ防護素子(61)を収容する。電流センサ(7)は、筐体(60)の外側に設けられる。電流センサ(7)は、サージ電流を検知する。処理部(8)は、電流センサ(7)の検知結果を処理することで、サージ電流に関するサージ電流情報を取得する。電流センサ(7)は、分電盤(1)に取り付けられている。電流センサ(7)は、給電路(A10)を流れる電流についての検知結果を出力する機能を有する。
この態様によれば、サージ電流情報を取得するために、電流センサ(7)等を新たに追加したり、電流センサを内蔵した避雷器を準備したりする必要がない。そのため、サージ電流情報を取得可能としつつ、分電盤(1)と避雷器(6)とを含む分電盤システム全体の構成を簡略化することが可能となる。
第2の態様の避雷システム(100,100A)では、第1の態様において、電流センサ(7)は、ロゴスキーコイルを備える。
この態様によれば、電流値の大きなサージ電流についても波高値を計測することが可能となる。
第3の態様の避雷システム(100,100A)では、第1又は第2の態様において、サージ電流情報は、サージ電流の発生回数に関する情報を含む。
この態様によれば、サージ防護素子(61)の劣化度合いを判定することが可能となる。
第4の態様の避雷システム(100,100A)では、第1~第3のいずれか一つの態様において、サージ電流情報は、サージ電流の波高値に関する情報を含む。
この態様によれば、サージ防護素子(61)の劣化度合いを判定することが可能となる。
第5の態様の避雷システム(100,100A)は、第1~第4のいずれか一つの態様において、電流センサ(7)を複数備える。処理部(8)は、複数の電流センサ(7)の各々の検知結果を処理することで、サージ電流情報を取得する。
この態様によれば、処理部(8)が複数の電流センサ(7)の検知結果に基づいてサージ電流を取得することが可能となり、サージ電流情報の信頼性が向上する。
第6の態様の避雷システム(100A)は、第1~第5のいずれか一つの態様において、サージ防護素子(61)と基準電位点との間に接続される導体を流れる電流を検知するアース線電流センサ(71)を、更に備える。
この態様によれば、サージ電流情報の信頼性が向上する。
第7の態様の避雷システム(100,100A)は、第1~第6のいずれか一つの態様において、出力部(80)を更に備える。出力部(80)は、処理部(8)のサージ電流情報の取得結果に基づいて、サージ防護素子(61)の状態に関する状態情報を出力する。
この態様によれば、外部の装置又はユーザが、状態情報を利用することが可能となる。
第8の態様の避雷システム(100,100A)では、第1~第7のいずれか一つの態様において、処理部(8)は、計測アダプタ(4)に設けられている。
この態様によれば、計測アダプタ(4)を備えた分電盤(1)と避雷器(6)とを含む分電盤システム全体の構成を簡略化することが可能となる。
第9の態様の監視方法は、避雷器(6)と、電流センサ(7)と、を用いた監視方法である。避雷器(6)は、基準電位点と給電路(A10)との間に接続され、給電路(A10)にサージ電圧が印加された場合に導通してサージ電流を基準電位点に流すサージ防護素子(61)、及びサージ防護素子(61)を収容する筐体(60)を有する。電流センサ(7)は、筐体(60)の外側で分電盤(1)に取り付けられており、給電路(A10)を流れる電流についての検知結果を出力する機能を有する。この監視方法は、サージ防護素子(61)にサージ電流が流れた場合に、電流センサ(7)で検知されたサージ電流の検知結果を処理することで、サージ電流に関するサージ電流情報を取得する。
この態様によれば、サージ電流情報を取得可能としつつ、分電盤(1)と避雷器(6)とを含む分電盤システム全体の構成を簡略化することが可能となる。
第2~第8の態様に係る構成は、避雷システム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。