JP2018160975A - 情報提示システム、分電盤、情報提示方法、及びプログラム - Google Patents

情報提示システム、分電盤、情報提示方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援する。【解決手段】情報提示システム2は、取得部11と、監視部12と、記憶部13と、提示部14とを備える。取得部11は、落雷に関する情報である落雷情報を取得する。監視部12は、系統電源7から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の監視対象の状態を監視する。記憶部13は、取得部11が取得した落雷情報と監視部12の監視結果である監視情報とを記憶する。提示部14は、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示する。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に情報提示システム、分電盤、情報提示方法、及びプログラムに関し、より詳細には、落雷による異常判断を支援するための情報提示システム、分電盤、情報提示方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、落雷発生回数に関する情報を利用者に対して提供する落雷回数情報提供装置が記載されている。特許文献1に記載の落雷回数情報提供装置は、落雷データ取得部と、観測条件取得部と、カウント処理部と、情報送信部と、を備える。カウント処理部は、落雷データ取得部が取得した落雷データと、観測条件取得部が取得した落雷観測条件とに基づいて、落雷回数をカウントする。そして、情報送信部は、カウント処理部がカウントした落雷回数を示す情報を、利用者端末へ送信する。
特開2007−305100号公報
特許文献1に記載のような落雷回数情報提供装置(情報提示システム)において、落雷と電気機器(監視対象)の故障(異常)との因果関係を明確にすることが望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされており、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる情報提示システム、分電盤、情報提示方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る情報提示システムは、取得部と、監視部と、記憶部と、提示部と、を備える。前記取得部は、落雷に関する情報である落雷情報を取得する。前記監視部は、外部電源から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の前記監視対象の状態を監視する。前記記憶部は、前記取得部が取得した前記落雷情報と前記監視部の監視結果である監視情報とを記憶する。前記提示部は、前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とを提示する。
本発明の一態様に係る分電盤は、前記情報提示システムを備える。
本発明の一態様に係る情報提示方法は、取得ステップと、監視ステップと、記憶ステップと、提示ステップと、を備える。前記取得ステップは、落雷に関する情報である落雷情報を取得するステップである。前記監視ステップは、外部電源から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の前記監視対象の状態を監視するステップである。前記記憶ステップは、前記取得ステップにおいて取得した前記落雷情報と前記監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶するステップである。前記提示ステップは、前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とを提示するステップである。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、取得ステップと、監視ステップと、記憶ステップと、提示ステップと、を実行させる。前記取得ステップは、落雷に関する情報である落雷情報を取得するステップである。前記監視ステップは、外部電源から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の前記監視対象の状態を監視するステップである。前記記憶ステップは、前記取得ステップにおいて取得した前記落雷情報と前記監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶するステップである。前記提示ステップは、前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とを提示するステップである。
本発明によれば、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提示システムの構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る分電盤の構成を示すブロック図である。 図3は、同上の分電盤に電気的に接続された複数の給電対象を流れる電流の波形図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。下記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、下記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)情報提示システムの概要
本実施形態に係る情報提示システムは、外部電源から供給される電力を複数の給電対象に分配する分電盤に用いられる。情報提示システムは、複数の給電対象の各々を監視対象とし、落雷と監視対象の異常(故障)との因果関係についての判断を支援するために、落雷に関する情報である落雷情報と、落雷前後における監視対象の監視結果である監視情報とを提示するシステムである。
例えば単相三線式の配電方式であれば、分電盤は、図1に示すように、第1電圧線(L1)41と第2電圧線(L2)42と中性線(N)43とを有する電力線4に電気的に接続される。
そして、分電盤は、電力線4からの交流電力を複数(図1の例では7つ)の分岐回路51〜57に分配する。分岐回路51,52は、第1電圧線41及び中性線43に電気的に接続され、分岐回路53,54は、第2電圧線42及び中性線43に電気的に接続され、分岐回路55〜57は、第1電圧線41及び第2電圧線42に電気的に接続される。
なお、以下では、複数の分岐回路51〜57を特に区別しない場合には、複数の分岐回路51〜57の各々を「分岐回路5」ともいう。また、ここでいう「分岐回路」は、分岐ブレーカ、並びに分岐ブレーカの二次側に接続される配線路、配線器具(アウトレット、壁スイッチなど)、及び電気機器(照明器具、調理家電など)を含んでいる。
ここで、第1電圧線41又は第2電圧線42と、中性線43との間の電圧が100〔V〕(実効値)であるとすれば、分岐回路51〜54には100〔V〕が印加され、分岐回路55〜57には200〔V〕が印加されることになる。
本実施形態に係る情報提示システム2は、図1に示すように、取得部11と、監視部12と、記憶部13と、提示部14と、を備えている。取得部11は、落雷に関する情報である落雷情報を取得する。落雷情報は、例えば、落雷が発生した時刻情報を含む。監視部12は、外部電源(系統電源7)から電力が供給される複数の給電対象(電気機器8)の各々を監視対象とし、複数の監視対象の状態を監視する。記憶部13は、取得部11が取得した落雷情報と監視部12の監視結果である監視情報とを記憶する。提示部14は、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示する。
このように、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示部14にて提示することによって、落雷と監視対象の異常(故障)との因果関係についての判断を支援することができる。
(2)情報提示システムの詳細
本実施形態では、情報提示システムは、需要家施設において消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測するための電力計測システムに適用される。ここでいう「需要家施設」は、電力の需要家の施設を意味しており、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受ける施設だけでなく、太陽光発電設備等の自家発電設備から電力の供給を受ける施設も含む。本実施形態では、戸建住宅を需要家施設の一例として説明する。
(2.1)基本構成
ここではまず、情報提示システム2が適用される電力計測システム1の基本構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る電力計測システム1は、図1に示すように、取得部11と、監視部12と、記憶部13と、提示部14と、消費電流計測部15と、演算部16と、判定部17と、通信部18と、を備えている。さらに、電力計測システム1は、複数箇所の電流を計測するために、複数の電流センサ21,22,201〜207を備えている。ここで、電力計測システム1の構成要素は、演算部16を除いて、情報提示システム2の構成要素と共通である。すなわち、本実施形態の情報提示システム2は、取得部11と、監視部12と、記憶部13と、提示部14と、消費電流計測部15と、判定部17と、通信部18と、複数の電流センサ21,22,201〜207と、を備えている。複数の電流センサ21,22,201〜207は、消費電流計測部15に含まれていてもよい。
本実施形態では、上述した電力計測システム1の構成要素は、分電盤6(図2参照)のキャビネット60(図2参照)内に収納されている。
消費電流計測部15には、一対の(主幹用)電流センサ21,22及び複数の(分岐用)電流センサ201〜207の各々が電気的に接続されている。一対の電流センサ21,22は、第1電圧線41及び第2電圧線42に一対一に対応して設けられている。また、複数の電流センサ201〜207は、複数の分岐回路5に一対一に対応して設けられている。これにより、消費電流計測部15では、電流センサ21の出力から第1電圧線41を流れる第1電流I1が計測可能であり、電流センサ22の出力から第2電圧線42を流れる第2電流I2が計測可能である。また、消費電流計測部15では、複数の電流センサ201〜207の出力から、複数の分岐回路5の各々を流れる電流(以下、「分岐電流」という)を計測可能である。以下では、分岐電流を計測するための複数の電流センサ201〜207を特に区別しない場合には、複数の電流センサ201〜207の各々を「電流センサ20」ともいう。
なお、以下では、分岐回路51を流れる分岐電流、つまり電流センサ201で計測される分岐電流を「分岐電流I11」という。同様に、分岐回路5n(nは自然数)を流れる分岐電流、つまり電流センサ20n(nは自然数)で計測される分岐電流を「分岐電流I1n」という。
演算部16は、消費電流計測部15と電気的に接続されており、消費電流計測部15の計測結果を用いて、複数の分岐回路5の各々について、消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測値として計測する。計測値は、瞬時電力を表す消費電力であってもよいし、あるいは一定時間における電力の消費量(使用量)を表す消費電力量であってもよい。また、計測値は、消費電力と消費電力量との両方であってもよい。本実施形態では一例として、計測値は、消費電力を一定時間(例えば1分間)積算した消費電力量であることとする。
演算部16は、電力線(第1電圧線41、第2電圧線42、及び中性線43)4の線間電圧を監視している。演算部16は、例えばマイクロコンピュータからなり、線間電圧と分岐電流とを用いて演算することにより、計測値を求める。なお、演算部16は、複数の分岐回路5の各々についての計測値だけでなく、需要家施設の総消費電力量を計測値として求める構成であってもよい。
取得部11は、落雷に関わる情報である落雷情報を取得するように構成されている。本実施形態では、取得部11はサージ電流計測部111を有しており、サージ電流計測部111にて計測したサージ電流Is(図2参照)が落雷情報に含まれている。サージ電流計測部111は、本実施形態では、図2に示すように、分電盤6内に収納された避雷器64に電気的に接続されている接地線44を流れるサージ電流Isを計測する。また、落雷情報には、落雷が発生した時刻情報として、サージ電流計測部111にてサージ電流Isを計測した時刻情報が含まれている。具体的には、サージ電流計測部111にて計測されたサージ電流Isが所定の閾値を超えた時刻を、落雷の発生時刻とする。
監視部12及び判定部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータで構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが監視部12及び判定部17として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。さらに、CPUが実行するプログラムは、記憶部13(後述する)に予め記録されていてもよい。
監視部12は、外部電源である系統電源7から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の監視対象の各々についての状態を監視するように構成されている。本実施形態では、複数の監視対象は、複数(図2に示す例では4つ)の電気機器8A〜8Dである。一例として、電気機器8Aは照明器具であり、電気機器8Bはテレビジョンであり、電気機器8Cは電気ストーブであり、電気機器8Dはエアコンである。なお、以下では、電気8A〜8Dを特に区別しない場合には、電気機器8A〜8Dの各々を「電気機器8」ともいう。監視部12は、複数の監視対象の監視結果である監視情報を生成する。本実施形態では、監視部12は、複数の監視対象の各々について、消費電流計測部15にて落雷前後に計測した第1計測値及び第2計測値(分岐電流)を含む監視情報を生成する。この監視情報は、取得部11にて取得した落雷情報と紐付けて記憶部13に記憶される。ここに、第1計測値及び第2計測値には、電気機器8の待機時に流れる待機電流も含まれる。
判定部17は、取得部11にて取得した落雷情報と、監視部12にて生成した監視情報とに基づいて、複数の監視対象のうち、落雷によって異常となった監視対象を判定するように構成されている。判定部17は、例えば、監視情報に含まれている第1計測値及び第2計測値が、落雷情報に含まれている落雷の発生時刻の前後において計測され、かつ第1計測値と第2計測値との間に変化が生じている監視対象を、落雷によって異常になったと判定する。一例として、判定部17は、第1計測値が所定の値で、かつ第2計測値がゼロであれば、監視対象である電気機器8が動作状態から停止状態になっており、電気機器8が落雷によって停止状態(異常)になった可能性が高いと判定する。
記憶部13は、データを書き換え可能なメモリであって、特に不揮発性メモリであることが好ましい。記憶部13は、複数の監視対象の各々にて消費される消費電流(分岐電流)を記憶するように構成されている。また、記憶部13は、演算部16にて求めた計測値(消費電力量)についても記憶するように構成されている。さらに、記憶部13は、取得部11にて取得した落雷情報と監視部12にて生成した監視情報とを紐付けて記憶するように構成されている。
提示部14は、例えば液晶ディスプレイである。提示部14は、記憶部13に紐付けて記憶されている落雷情報と監視情報とを提示するように構成されている。落雷情報には、サージ電流計測部111にて計測したサージ電流Is、落雷が発生した時刻、及び落雷の大きさ等が含まれている。監視情報には、落雷情報に含まれている落雷の発生時刻の前後にそれぞれ設定された第1所定期間及び第2所定期間(例えば、ともに1分間)における第1計測値及び第2計測値が含まれている。第1計測値は、第1所定期間において消費電流計測部15にて計測した消費電流(分岐電流)であり、例えば、第1所定期間における消費電流の実効値の平均値、最高値、又は最低値である。第2計測値は、第2所定期間において消費電流計測部15にて計測した消費電流(分岐電流)であり、例えば、第2所定期間における消費電流の実効値の平均値、最高値、又は最低値である。例えば、監視情報に含まれている第1計測値が所定の値であり、監視情報に含まれている第2計測値がゼロであれば、監視対象である電気機器8が動作状態から停止状態になり、落雷によって停止状態(異常)になった可能性が高いと判定することができる。
通信部18は、例えばインターネットなどのネットワークNTを介して、分電盤6の外部に設けられたサーバ装置3と通信するように構成されている。通信部18は、本実施形態では、取得部11にて取得した落雷情報と監視部12にて生成した監視情報とを紐付けて、サーバ装置3に定期的(例えば30分毎)に送信する。このように、落雷情報及び監視情報を定期的にサーバ装置3に送信することで、例えば記憶部13が破損した場合でも落雷情報及び監視情報を復旧させることができる。また、サーバ装置3に保存させることで、需要家施設での改ざん等を防止することもできる。さらに、サーバ装置3において、落雷情報及び監視情報に基づいて監視対象の状態を判定した場合には、需要家施設に対して異常時(故障時)におけるアドバイス等を行うこともできる。
(2.2)分電盤
次に、分電盤6の構成について説明する。
分電盤6は、図2に示すように、電力線4に電気的に接続される主幹ブレーカ61と、主幹ブレーカ61の二次側端子に電気的に接続される複数の分岐ブレーカ62及び避雷器64とをキャビネット60内に備えている。さらに、分電盤6は、計測ユニット63、電流センサ21,22、及びセンサユニット23,24をキャビネット60内に備えている。
本実施形態では一例として、電力計測システム1の構成要素のうち、取得部11、監視部12、記憶部13、消費電流計測部15、演算部16、判定部17及び通信部18としての機能は、計測ユニット63に設けられている。同様に、提示部14としての機能は、分電盤6の外部に設けられて計測ユニット63と通信を行うHEMS(Home Energy Management System)コントローラに設けられている。
主幹ブレーカ61の一次側端子は、3線式(第1電圧線41、第2電圧線42、及び中性線43)の電力線4を介して、系統電源7(図1参照)に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、主幹ブレーカ61と系統電源7との間にスマートメータ100(図2参照)が電気的に接続されている。主幹ブレーカ61の二次側端子には、3極(L1、L2、N)の導電バーが接続されている。これら3極の導電バーは、第1電圧線(L1)41、第2電圧線(L2)42、及び中性線(N)43と一対一に電気的に接続される。
複数の分岐ブレーカ62は、導電バーに接続されることにより、主幹ブレーカ61の二次側端子に電気的に接続される。なお、複数の分岐ブレーカ62は、導電バーの幅方向の両側(上段と下段)に分かれて、それぞれ複数ずつ配置されている。また、避雷器64は、一次側において3極の導電バーに電気的に接続され、二次側において接地線44に電気的に接続されている。
ここで、複数の分岐ブレーカ62のうち、分岐回路51,52に含まれる分岐ブレーカ62は、L1の導電バーとNの導電バーとに接続されている。また、複数の分岐ブレーカ62のうち、分岐回路53,54に含まれる分岐ブレーカ62は、L2の導電バーとNの導電バーとに接続されている。さらに、複数の分岐ブレーカ62のうち、分岐回路55〜57に含まれる分岐ブレーカ62は、L1の導電バーとL2の導電バーとに接続されている。これにより、分岐回路51,52の各々は、第1電圧線(L1)41及び中性線(N)43に対して電気的に接続されることになる。また、分岐回路53,54の各々は、第2電圧線(L2)42及び中性線(N)43に対して電気的に接続されることになる。さらに、分岐回路55〜57の各々は、第1電圧線(L1)41及び第2電圧線(L2)42に対して電気的に接続されることになる。
ここにおいて、100〔V〕用の分岐ブレーカ62は、導電バーの上段に取り付けられた状態では、第1電圧線41及び中性線43に対して電気的に接続され、導電バーの下段に取り付けられた状態では、第2電圧線42及び中性線43に対して電気的に接続される。また、200V用の分岐ブレーカ62は、導電バーの上段、下段に関わらず、第1電圧線41及び第2電圧線42に対して電気的に接続される。
計測ユニット63には、一対の電流センサ21,22及びセンサユニット23,24の各々が電気的に接続されている。電流センサ21,22,201〜207としては、例えばCT(Current Transformer)センサ、ホール素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子、シャント抵抗などが用いられる。本実施形態では一例として、電流センサ21,22の各々はCTセンサからなる。一方、センサユニット23,24に設けられた複数の電流センサ20の各々は、コアを用いない(コアレスの)空芯コイルからなり、貫通孔内を通過する電流に応じた出力を生じるロゴスキコイルである。
一対の電流センサ21,22は、主幹ブレーカ61の一次側端子に接続された電力線4の電流を計測するように、電力線4に取り付けられている。ここでは、一対の電流センサ21,22のうち、一方の(第1の)電流センサ21は第1電圧線41に取り付けられ、他方の(第2の)電流センサ22は第2電圧線42に取り付けられている。これにより、計測ユニット63(消費電流計測部15)では、電流センサ21の出力から第1電圧線41を流れる第1電流I1が計測可能となり、電流センサ22の出力から第2電圧線42を流れる第2電流I2が計測可能となる。
センサユニット23,24の各々は、複数の電流センサ20を具備し、これら複数の電流センサ20が、複数の分岐ブレーカ62に一対一に対応するようにして、複数の分岐ブレーカ62と導電バーとの間に取り付けられている。これにより、計測ユニット63(消費電流計測部15)では、センサユニット23,24の各々の出力から、複数の分岐回路5の各々を流れる分岐電流が計測可能となる。
ここで、導電バーの上段の分岐ブレーカ62は、100〔V〕用か200〔V〕用かによらず、いずれも第1電圧線41に対して電気的に接続される。一方、導電バーの下段の分岐ブレーカ62は、100〔V〕用か200〔V〕用かによらず、いずれも第2電圧線42に対して電気的に接続される。そこで、上段の分岐ブレーカ62の電流を計測するセンサユニット23においては、複数の電流センサ20は、第1電圧線41と分岐ブレーカ62との間に設置され、第1電圧線41と分岐ブレーカ62との間の電流を計測する。一方、下段の分岐ブレーカ62の電流を計測するセンサユニット24においては、複数の電流センサ20は、第2電圧線42と分岐ブレーカ62との間に設置され、第2電圧線42と分岐ブレーカ62との間の電流を計測する。
なお、本実施形態では、電気機器8Aは、分岐回路51に含まれる分岐ブレーカ62に電気的に接続され、電気機器8Bは、分岐回路52に含まれる分岐ブレーカ62に電気的に接続されている。また、電気機器8Cは、分岐回路53に含まれる分岐ブレーカ62にコンセント9を介して電気的に接続され、電気機器8Dは、分岐回路55に含まれる分岐ブレーカ62にコンセント9を介して電気的に接続されている。
(3)情報提示システムの動作
ところで、雷サージの進入経路として、上述の電力線4の他、電話線、CATV線等の通信線、及びアンテナ等があり、これらの進入経路を通って進入する雷サージによって電気機器8が故障等する可能性がある。しかしながら、上述した落雷回数情報提供装置では、利用者が設定した落雷観測条件に基づいてカウントした落雷回数を提示するに留まっており、電気機器8の故障等と落雷との因果関係を特定するまでには至っていない。
そこで、本実施形態に係る情報提示システム2では、監視対象である電気機器8の異常(故障等)と落雷との因果関係についての判断を支援するための情報(落雷情報、監視情報)を提示部14にて提示するように構成されている。以下、本実施形態に係る情報提示システム2の動作の一例について、図2を参照して説明する。ここでは、雷サージが、アンテナを通して電気機器8B(テレビジョン)に進入した場合を例として説明する。
図2に示すように、アンテナを介して電気機器8Bに雷サージが進入すると、この雷サージによって分岐回路52の分岐ブレーカ62、電流センサ20及び避雷器64の径路でサージ電流Isが流れる。さらに、サージ電流Isは、避雷器64に電気的に接続されている接地線44を通って大地へと流れる。このとき、サージ電流Isについては、センサユニット24に設けられた電流センサ20によって計測するのが好ましい。つまり、サージ電流計測部111は、避雷器64と一対一に対応する電流センサ20を有していることが好ましい。電流センサ20は、上述のように、空芯コイルを用いた電流センサ(ロゴスキコイル)であり、磁気飽和しにくいため、サージ電流Isのような大電流の計測にも対応可能である。
取得部11は、サージ電流計測部111の電流センサ20にて計測したサージ電流Isを含む落雷情報を取得する。この落雷情報には、落雷の発生時刻、落雷の大きさ等が含まれている。
一方、監視部12は、落雷前後の第1所定期間及び第2所定期間における第1計測値及び第2計測値を含む監視情報を生成する。本実施形態では、第1計測値及び第2計測値は、消費電流計測部15にて計測した複数の監視対象(電気機器8)の各々の消費電流の実効値の平均値である。ここで、監視部12は、落雷前後における監視情報に基づいて、複数の監視対象のうち異常が生じた監視対象(ここでは、電気機器8B)を特定するように構成されていることが好ましい。この場合、雷サージが進入した電気機器8Bにおいて第1計測値と第2計測値との間に変化が生じることから、監視部12は、異常が生じた監視対象が電気機器8Bであると特定する。
判定部17は、取得部11にて取得した落雷情報と、監視部12にて生成した落雷前後の監視情報とに基づいて、複数の監視対象のうち落雷によって異常となった監視対象を判定する。本実施形態では、サージ電流Isが電気機器8Bを流れており、このサージ電流Isによって電気機器8Bに異常が生じている可能性が高い。この場合、監視対象としての電気機器8Bについて、第1所定期間における第1計測値が所定の値であるのに対して、第2所定期間における第2計測値はゼロになる。そして、判定部17は、落雷の発生時刻、第1計測値及び第2計測値に基づいて、落雷によって電気機器8Bに異常が生じていると判定する。
このとき、提示部14は、落雷情報と落雷前後の監視情報とを提示する。具体的には、提示部14は、落雷の発生時刻と、複数の電気機器8A〜8Dの各々における第1計測値及び第2計測値とを提示する。提示内容を見た利用者は、落雷の発生時刻の前後において、電気機器8Bの消費電流(分岐電流)が第1計測値から第2計測値に変化していることから、落雷によって電気機器8Bに異常が生じていると判定する。つまり、落雷情報と落雷前後の監視情報とを提示部14に提示することによって、落雷と監視対象(ここでは、電気機器8B)との因果関係についての判断を支援することができる。なお、この場合において、落雷情報及び落雷前後の監視情報だけでなく、判定部17の判定結果を提示部14に提示させてもよい。またこのとき、記憶部13は、落雷情報と落雷前後の監視情報とを紐付けて記憶する。
図3は、監視対象である複数の電気機器8A〜8Dを流れる電流(分岐電流)の波形図である。図3において、分岐電流I11は電気機器8Aを流れる電流であり、分岐電流I2は電気機器8Bを流れる電流である。また、図3において、分岐電流I13は電気機器8Cを流れる電流であり、分岐電流I15は電気機器8Dを流れる電流である。図3では、落雷によって電気機器8Dに異常が生じた場合を例示している。
図3に示す例では、時刻t1のときに発生した落雷によるサージ電流Isによって電気機器8Dに異常が生じている。電気機器8Aの分岐電流I11、電気機器8Bの分岐電流I12、及び電気機器8Cの分岐電流I13では、落雷の発生時刻である時刻t1の前後において変化していない。一方、電気機器8Dの分岐電流I15は、時刻t1以前においては所定の値であるのに対して、落雷が発生した時刻t1以降では徐々に低下していき、最終的にはゼロになっている。このように、落雷の発生時刻である時刻t1の前後において電気機器8Dの分岐電流I15が変化しているため、落雷によって電気機器8Dに異常が生じていると判定することができる。言い換えると、落雷情報と落雷前後の監視情報とに基づいて、落雷と監視対象である電気機器8Dの異常(故障等)との因果関係についての判断を支援することができる。
(4)情報提示方法、プログラム
以下の情報提示方法を採用することで、専用の計測ユニット63及びHEMSコントローラを用いなくても、本実施形態の情報提示システム2と同等の機能を実現できる。
すなわち、情報提示方法は、取得ステップと、監視ステップと、記憶ステップと、提示ステップと、を備えている。取得ステップは、落雷に関する情報である落雷情報を取得するステップである。監視ステップは、外部電源(系統電源7)から電力が供給される複数の給電対象(電気機器8)の各々を監視対象とし、複数の監視対象の状態を監視するステップである。記憶ステップは、取得ステップにおいて取得した落雷情報と監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶するステップである。提示ステップは、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示するステップである。
この情報提示方法によれば、専用の計測ユニット63及びHEMSコントローラを用いなくても、本実施形態の情報提示システム2と同等の機能を実現でき、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる、という利点がある。
また、計測ユニット63及びHEMSコントローラがコンピュータ(マイクロコンピュータを含む)を主構成とする場合を想定する。この場合、コンピュータのメモリに記録されるプログラムは、コンピュータに、取得ステップ、監視ステップ、記憶ステップ、及び提示ステップを実行させるためのプログラムである。取得ステップは、落雷に関する情報である落雷情報を取得するステップである。監視ステップは、外部電源(系統電源7)から電力が供給される複数の給電対象(電気機器8)の各々を監視対象とし、複数の監視対象の状態を監視するステップである。記憶ステップは、取得ステップにおいて取得した記落雷情報と監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶するステップである。提示ステップは、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示するステップである。
このプログラムによれば、専用の計測ユニット63及びHEMSコントローラを用いなくても、本実施形態の情報提示システム2と同等の機能を実現でき、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる、という利点がある。
(5)変形例
以下、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態では、サージ電流計測部111にて計測したサージ電流Isが落雷情報に含まれている場合を例として説明しているが、落雷情報に含まれる情報はサージ電流計測部111にて計測したサージ電流Isに限らない。例えば、本実施形態のように、情報提示システム2とサーバ装置3とがネットワークNTを介して接続されている場合には、サーバ装置3から落雷情報を取得するように構成されていてもよい。この場合、情報提示システム2が適用されている需要家施設の周辺地域における落雷の状況等(例えば、落雷の影響があった地域のマップ、落雷の発生時刻など)が落雷情報に含まれていることが好ましい。
本実施形態では、消費電流計測部15にて計測した複数の監視対象の各々についての消費電流(待機電流も含む)が監視情報に含まれている場合を例として説明しているが、この消費電流に基づいて算出した消費電力(消費電力量)が監視情報に含まれていてもよい。この場合においても、落雷前に監視対象が動作していれば消費電力が所定の値となり、落雷後に監視対象が停止していれば消費電力がゼロになるため、落雷前後の消費電力の変化から落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる。
また、監視情報には、消費電流計測部15にて計測した複数の監視対象の各々についての消費電流と消費電力との両方が含まれていてもよい。言い換えると、監視情報は、消費電流計測部15が計測した消費電流及び消費電力との少なくとも一方を含んでいればよい。
本実施形態では、異常時の計測値である第2計測値がゼロである場合を例として説明しているが、第2計測値は異常時の計測値であればよく、ゼロに限らない。例えば、電気機器8の異常動作によって消費電流が増加する可能性もある。この場合には、第2計測値が第1計測値よりも大きくなる。また、第1計測値及び第2計測値は消費電流に限らず、消費電力(瞬時電力)と消費電力量(積算電力)との一方であってもよい。この場合においても、異常時の計測値である第2計測値がゼロである場合に限らず、第2計測値が第1計測値よりも大きくなる場合もある。さらに、第1計測値及び第2計測値は電気機器8の力率であってもよく、例えば、電気機器8に異常が生じている場合には第2計測値が第1計測値に比べて悪くなる。
また、監視対象である電気機器8が通信部18との通信機能を有している場合には、通信部18と各電気機器8との通信状況が監視情報に含まれていてもよい。この場合、情報提示システム2の通信部18と各電気機器8とは、例えばECHONET(登録商標)等の通信プロトコルによる通信を行うことが好ましい。この場合、監視対象である電気機器8が異常になると、それまで定期的に行われていた通信部18との通信が行われなくなるため、監視部12は、通信部18との通信が行われなくなった電気機器8に異常が生じていると判断する。言い換えると、監視部12は、落雷前後における監視情報に基づいて、複数の監視対象のうち異常が生じた監視対象を特定する。
本実施形態では、外部電源(系統電源7)から複数の給電対象への給電経路における計測点が各電気機器8A〜8D、言い換えると各分岐回路5である場合を例として説明している。これに対して、上記計測点は、主幹ブレーカ61を含む主幹回路であってもよい。この場合、主幹回路を流れる電流の電流波形から各電気機器8を分離するディスアグリゲーション技術を用いて、各電気機器8の電流波形を分離すればよい。また、上記計測点は、コンセント9、スマートメータ100等であってもよい。特に、上記計測点が主幹回路とスマートメータ100との一方である場合には主幹電流のみを計測すればよい、という利点がある。
本実施形態では、サージ電流計測部111が、避雷器64に電気的に接続されている接地線44を流れるサージ電流Isを計測する場合を例として説明している。これに対して、本実施形態のように、複数の分岐回路5と一対一に対応する複数の電流センサ20が設けられている場合には、複数の分岐回路5の各々についてサージ電流Isを計測することができる。つまり、この場合には、1つの電流センサ20によって、電気機器8の動作時に流れる消費電流とサージ電流Isとの両方を計測することになる。一般的に、電力計測システム1では、複数の分岐回路5の各々について分岐電流を計測する構造であるため、分岐電流を計測するための電流センサを、サージ電流Isを計測するための電流センサとして兼用することができる。
また、この場合には、サージ電流Isが計測された電気機器8についても特定できるため、監視部12は、サージ電流Isが計測された電気機器8と異常が生じた電気機器8との対応関係を特定することができる。言い換えると、監視部12は、落雷情報と落雷前後における監視情報とに基づいて、複数の監視対象のうち、サージ電流Isが計測された監視対象と異常が生じた監視対象との対応関係を特定する。この場合、落雷情報には、複数の監視対象のうちサージ電流Isが計測された監視対象に関する情報(例えば、各電気機器8に割り当てられたID等)が含まれている。
本実施形態では、取得部11は、サージ電流計測部111にてサージ電流Isを計測した時刻を落雷の発生時刻としている。これに対して、取得部11は、落雷が発生した時刻情報をサーバ装置3から取得するように構成されていてもよい。この場合、取得部11は、上記時刻情報をサーバ装置3からネットワークNTを介して取得する。また、落雷情報には、落雷の大きさ等が更に含まれていてもよい。
本実施形態では、需要家施設が戸建住宅である場合を例として説明しているが、需要家施設は戸建住宅に限らず、マンション等の集合住宅の各住戸であってもよいし、工場、病院、オフィスビル等の非住宅であってもよい。
(6)まとめ
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様に係る情報提示システム2は、取得部11と、監視部12と、記憶部13と、提示部14と、を備える。取得部11は、落雷に関する情報である落雷情報を取得する。監視部12は、外部電源(系統電源7)から電力が供給される複数の給電対象(電気機器8)の各々を監視対象とし、複数の監視対象の状態を監視する。記憶部13は、取得部11が取得した落雷情報と監視部12の監視結果である監視情報とを記憶する。提示部14は、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示する。
第1の態様によれば、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示部14にて提示することによって、落雷と監視対象の異常(故障)との因果関係についての判断を支援することができる。
第2の態様に係る情報提示システム2では、第1の態様において、取得部11は、落雷によるサージ電流Isを計測するサージ電流計測部111を有する。落雷情報は、サージ電流計測部111が計測したサージ電流Isを含む。
第2の態様によれば、落雷と監視対象の異常との因果関係の判断を支援するための情報として、取得部11が取得したサージ電流Isを利用することができる。ただし、この構成は必須ではなく、取得部11は、サージ電流計測部111を有していなくてもよい。
第3の態様に係る情報提示システム2では、第1の態様において、取得部11は、落雷情報を記憶しているサーバ装置3からネットワークNTを介して落雷情報を取得するように構成されている。
第3の態様によれば、雷サージの影響は落雷箇所を中心に広範囲に及ぶため、例えば気象庁等が発表する落雷に関する情報をサーバ装置3から取得することで、落雷に関する計測データの信頼性を向上させることができる。ただし、この構成は必須ではなく、取得部11は、ネットワークNTを介してサーバ装置3から落雷情報を取得するように構成されていなくてもよい。
第4の態様に係る情報提示システム2では、第1〜3のいずれかの態様において、複数の監視対象の各々は、通信機能を有する電気機器8である。情報提示システム2は、複数の電気機器8の各々と通信を行う通信部18を更に備える。監視情報は、複数の電気機器8の各々と通信部18との通信状態を含む。
第4の態様によれば、複数の電気機器8の各々と通信部18とが通信可能か否かによって、複数の電気機器8の各々が正常か否かを判別することができる。ただし、この構成は必須ではなく、監視情報は、複数の電気機器8の各々と通信部18との通信状態を含んでいなくてもよい。
第5の態様に係る情報提示システム2は、第1〜3のいずれかの態様において、外部電源(系統電源7)から複数の給電対象(電気機器8)への給電経路における所定の計測点を流れる消費電流を計測する消費電流計測部15を更に備える。監視情報は、消費電流計測部15が計測した消費電流(例えば、分岐電流)と消費電流を用いて算出した消費電力との少なくとも一方を含む。
第5の態様によれば、消費電流と消費電力との少なくとも一方によって、複数の監視対象の各々が正常か否かを判別することができる。ただし、この構成は必須ではなく、監視情報は、消費電流及び消費電力を含んでいなくてもよい。
第6の態様に係る情報提示システム2では、第5の態様において、監視部12は、落雷前後における監視情報に基づいて、複数の監視対象のうち異常が生じた監視対象を特定するように構成されている。
第6の態様によれば、落雷前後における監視情報に基づいて異常が生じた監視対象を特定することができる。ただし、この構成は必須ではなく、監視部12は、落雷前後における監視情報に基づいて異常が生じた監視対象を特定するように構成されていなくてもよい。
第7の態様に係る情報提示システム2では、第6の態様において、落雷情報は、複数の監視対象のうち落雷によるサージ電流が計測された監視対象に関する情報を含む。監視部12は、落雷情報と落雷前後における監視情報とに基づいて、複数の監視対象のうち、サージ電流Isが計測された監視対象と異常が生じた監視対象との対応関係を特定するように構成されている。
第7の態様によれば、落雷情報と落雷前後における監視情報とに基づいて、サージ電流Isが計測された監視対象と異常が生じた監視対象との対応関係を特定することができる。ただし、この構成は必須ではなく、監視部12は、落雷情報と落雷前後における監視情報とに基づいて、サージ電流Isが計測された監視対象と異常が生じた監視対象との対応関係を特定するように構成されていなくてもよい。
第8の態様に係る情報提示システム2では、第2の態様において、サージ電流計測部111は、空芯コイルを用いた電流センサ20を有する。
第8の態様によれば、大電流が流れた場合でも磁気飽和しにくい空芯コイルを用いることで、大きなサージ電流Isの計測にも対応することができる。ただし、この構成は必須ではなく、例えば、サージ電流計測部111は、CTセンサを有していてもよい。
第9の態様に係る情報提示システム2では、第2又は8の態様において、サージ電流計測部111は、外部電源(系統電源7)から供給される電力を複数の給電対象(電気機器8)に分配する分電盤6の内器として分電盤6内に収納される避雷器64を有する。サージ電流計測部111は、避雷器64に電気的に接続されている接地線44を流れるサージ電流Isを計測するように構成されている。
第9の態様によれば、落雷によるサージ電流Isは大地へ向けて流れるため、接地線44を流れるサージ電流Isを計測することにより、サージ電流Isを効果的に計測することができる。ただし、この構成は必須ではなく、サージ電流計測部111は、避雷器64に電気的に接続されている接地線44を流れるサージ電流Isを計測するように構成されていなくてもよい。
第10の態様に係る情報提示システム2では、第1〜9のいずれかの態様において、落雷情報は、落雷が発生した時刻情報を含む。
第10の態様によれば、落雷が発生した時刻情報と監視情報とに基づいて、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる。ただし、この構成は必須ではなく、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができれば、落雷が発生した時刻情報が落雷情報に含まれていなくてもよい。
第11の態様に係る情報提示システム2は、第1〜10のいずれかの態様において、落雷情報と落雷前後における監視情報とに基づいて、複数の監視対象のうち落雷によって異常となった監視対象を判定する判定部17を更に備える。
第11の態様によれば、判定部17の判定結果から落雷によって異常となった監視対象を特定することができる。ただし、この構成は必須ではなく、判定部17は省略されていてもよい。
第12の態様に係る分電盤6は、第1〜11のいずれかの情報提示システム2を備える。
第12の態様によれば、上述したいずれかの情報提示システム2を分電盤6に適用することによって、分電盤6内における監視対象の異常(故障)と落雷との因果関係についての判断を支援することができる。
第13の態様に係る情報提示方法は、取得ステップと、監視ステップと、記憶ステップと、提示ステップと、を備える。取得ステップは、落雷に関する情報である落雷情報を取得するステップである。監視ステップは、外部電源(系統電源7)から電力が供給される複数の給電対象(電気機器8)の各々を監視対象とし、複数の監視対象の状態を監視するステップである。記憶ステップは、取得ステップにおいて取得した落雷情報と監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶するステップである。提示ステップは、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示するステップである。
第13の態様によれば、専用の装置を用いなくても、上述の情報提示システム2と同等の機能を実現でき、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる。
第14の態様に係るプログラムは、コンピュータに、取得ステップと、監視ステップと、記憶ステップと、提示ステップと、を実行させる。取得ステップは、落雷に関する情報である落雷情報を取得するステップである。監視ステップは、外部電源(系統電源7)から電力が供給される複数の給電対象(電気機器8)の各々を監視対象とし、複数の監視対象の状態を監視するステップである。記憶ステップは、取得ステップにおいて取得した落雷情報と監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶するステップである。提示ステップは、落雷情報と落雷前後における監視情報とを提示するステップである。
第14の態様によれば、専用の装置を用いなくても、上述の情報提示システム2と同等の機能を実現でき、落雷と監視対象の異常との因果関係についての判断を支援することができる。
2 情報提示システム
3 サーバ装置
6 分電盤
64 避雷器(内器)
7 系統電源(外部電源)
8 電気機器(給電対象)
11 取得部
111 サージ電流計測部
12 監視部
13 記憶部
14 提示部
15 消費電流計測部
17 判定部
18 通信部
20 電流センサ
44 接地線
Is サージ電流
NT ネットワーク

Claims (14)

  1. 落雷に関する情報である落雷情報を取得する取得部と、
    外部電源から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の前記監視対象の状態を監視する監視部と、
    前記取得部が取得した前記落雷情報と前記監視部の監視結果である監視情報とを記憶する記憶部と、
    前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とを提示する提示部と、を備える
    情報提示システム。
  2. 前記取得部は、落雷によるサージ電流を計測するサージ電流計測部を有し、
    前記落雷情報は、前記サージ電流計測部が計測した前記サージ電流を含む
    請求項1に記載の情報提示システム。
  3. 前記取得部は、前記落雷情報を記憶しているサーバ装置からネットワークを介して前記落雷情報を取得するように構成されている
    請求項1に記載の情報提示システム。
  4. 前記複数の監視対象の各々は、通信機能を有する電気機器であり、
    前記複数の電気機器の各々と通信を行う通信部を更に備え、
    前記監視情報は、前記複数の電気機器の各々と前記通信部との通信状態を含む
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報提示システム。
  5. 前記外部電源から前記複数の給電対象への給電経路における所定の計測点を流れる消費電流を計測する消費電流計測部を更に備え、
    前記監視情報は、前記消費電流計測部が計測した前記消費電流と前記消費電流を用いて算出した消費電力との少なくとも一方を含む
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報提示システム。
  6. 前記監視部は、落雷前後における前記監視情報に基づいて、前記複数の監視対象のうち異常が生じた監視対象を特定するように構成されている
    請求項5に記載の情報提示システム。
  7. 前記落雷情報は、前記複数の監視対象のうち落雷によるサージ電流が計測された監視対象に関する情報を含み、
    前記監視部は、前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とに基づいて、前記複数の監視対象のうち、前記サージ電流が計測された監視対象と異常が生じた監視対象との対応関係を特定するように構成されている
    請求項6に記載の情報提示システム。
  8. 前記サージ電流計測部は、空芯コイルを用いた電流センサを有する
    請求項2に記載の情報提示システム。
  9. 前記サージ電流計測部は、前記外部電源から供給される電力を前記複数の給電対象に分配する分電盤の内器として前記分電盤内に収納される避雷器を有し、前記避雷器に電気的に接続されている接地線を流れる前記サージ電流を計測するように構成されている
    請求項2又は8に記載の情報提示システム。
  10. 前記落雷情報は、落雷が発生した時刻情報を含む
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の情報提示システム。
  11. 前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とに基づいて、前記複数の監視対象のうち落雷によって異常となった監視対象を判定する判定部を更に備える
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の情報提示システム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の情報提示システムを備える
    分電盤。
  13. 落雷に関する情報である落雷情報を取得する取得ステップと、
    外部電源から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の前記監視対象の状態を監視する監視ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得した前記落雷情報と前記監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶する記憶ステップと、
    前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とを提示する提示ステップと、を備える
    情報提示方法。
  14. コンピュータに、
    落雷に関する情報である落雷情報を取得する取得ステップと、
    外部電源から電力が供給される複数の給電対象の各々を監視対象とし、複数の前記監視対象の状態を監視する監視ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得した前記落雷情報と前記監視ステップの監視結果である監視情報とを記憶する記憶ステップと、
    前記落雷情報と落雷前後における前記監視情報とを提示する提示ステップと、を実行させるためのプログラム。
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