JP7116782B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

この発明は、記録層の少なくとも一部を構成する層として、金属酸化物を含む非磁性体に磁性体が分散したグラニュラ層と、グラニュラ層上に形成されて金属酸化物を含まないキャップ層とを有する垂直磁気記録媒体に関するものであり、特には、高密度記録に求められる反転磁界分散(SFD)の改善に寄与することのできる技術を提案するものである。
ハードディスクドライブでは、記録面に対して垂直方向に磁気を記録する垂直磁気記録方式が実用化され、この方式は、それまでの面内磁気記録方式に比べて高密度の記録が可能であることから広く採用されている。
垂直磁気記録媒体は、概して、アルミニウムやガラス等の基板上に、軟磁性層、中間層、記録層等を順次に積層して構成される。このうち、記録層は下部に、Coを主成分としたCo-Pt系合金等の磁性体に、SiO2その他の金属酸化物の非磁性体が分散したグラニュラ層が存在する。これにより、当該記録層中で、非磁性体である上記の金属酸化物が、垂直方向に配向するCo合金等の磁性体の磁性粒子の粒界へ析出して、磁性粒子間の磁気的な相互作用が低減され、それによるノイズ特性の向上および、高い記録密度を実現している。これに関連する技術としては、特許文献1に記載されたもの等がある。
なお、このような磁気記録媒体の各層は通常、たとえば特許文献2に記載されているように、その層に対応する所定の組成を有するスパッタリングターゲットを用いて、マグネトロンスパッタリング装置でスパッタリングすることにより形成される。
特許第4021435号公報 特許第5960287号公報
上述したような垂直磁気記録媒体の記録層は一般に、記録層が、グラニュラ層の他、グラニュラ層上に形成されて金属酸化物を含まず主として磁性体からなるキャップ層をさらに有する。このことによれば、金属酸化物によって磁性粒子が磁気的に分離されたグラニュラ層の粒子分離性により低ノイズ化を実現しつつ、金属酸化物を存在させないことによって磁性粒子間の相互作用を残したキャップ層で、グラニュラ層に適度な磁性粒子間の相互作用を付与し、媒体の書込み容易性、SFD低減、熱安定性等が確保される。
ところで、このような垂直磁気記録媒体の記録層を形成するべく、グラニュラ層上に、スパッタリング等によりキャップ層を成膜すると、グラニュラ層中の金属酸化物とキャップ層の金属との間の濡れ性の違いによって、キャップ層の薄膜が、グラニュラ層の金属酸化物が存在しない部分に選択的に成長する。それにより、キャップ層の薄膜の初期成長が、金属酸化物を含むグラニュラ層の形態に倣って不均一となるので、所定の厚みのキャップ層を形成しても、反転磁界分散(SFD:switching field distribution)が改善しないという問題があった。この一方で、キャップ層を厚く形成すれば、SFDは改善するがヘッドと媒体中心の距離が大きくなり分解能が低下し、また、厚いキャップ層によって磁性粒子間の交換結合が大きくなり磁気クラスタサイズが増大して記録密度を高くできない。
この発明は、従来の垂直磁気記録媒体が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、その目的は、記録層のグラニュラ層上にキャップ層が均一に積層し、それにより効率的に反転磁界分散(SFD)を改善することのできる垂直磁気記録媒体を提供することにある。
発明者は鋭意検討の結果、記録層におけるキャップ層の直下に位置するグラニュラ層の、キャップ層との境界部分に、所定の金属の酸化物を含ませることにより、当該金属の酸化物とCo等を多く含有するキャップ層との良好な濡れ性に基づき、キャップ層がその成長初期から、グラニュラ層の磁性体部分上と同様にグラニュラ層の非磁性体部分上にも積層することになり、その結果としてグラニュラ層上に均一なキャップ層が形成されることを見出した。また、所定の金属の酸化物は磁性粒子を有効に分離させることから、グラニュラ層の境界部分の金属酸化物として用いた場合、グラニュラ層における磁性粒子の所要の磁気的分離性を実現することができる。
かかる知見の下、この発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性体として金属酸化物を含み、磁性体が前記非磁性体に分散したグラニュラ層と、前記グラニュラ層上に形成されて、金属酸化物を含まないキャップ層とを、記録層の少なくとも一部を構成する層として有するものであって、グラニュラ層の金属相がCoを含有し、前記キャップ層の直下のグラニュラ層の、キャップ層との境界部分の酸化物相が、Zn、W、Mn、Fe及びMoからなる群から選択される少なくとも一種を含有し、前記グラニュラ層の前記境界部分の酸化物相が、Znを含有し、該酸化物相のZnの含有量が3at%以上であるというものである。
なお、この発明の垂直磁気記録媒体では、前記グラニュラ層の前記境界部分の酸化物相がさらに、B及びSiのうちの少なくとも一種を含有するものとすることができ、また、前記グラニュラ層の前記境界部分の酸化物相がさらに、Tiを含有するものとすることができる。
この発明の垂直磁気記録媒体は、前記グラニュラ層の前記境界部分を除く残部が、Znを含有しない層を有することが好ましい。
この場合、前記グラニュラ層の前記残部が、酸化物相として、Si、B及びTiからなる群から選択される少なくとも一種の元素の酸化物を含み、前記残部における酸化物相の酸化物の合計含有量が20vol.%~50vol.%であることがより一層好ましい。
そしてまた、この発明の垂直磁気記録媒体は、記録層の積層方向で、前記境界部分の厚みの、グラニュラ層全体の厚みに占める割合が、3%~50%であることが好ましい。
なおここでは、前記境界部分を含むグラニュラ層全体の磁性粒子が、磁性体として、Coを主体とし、さらにPt、Ru及びCrからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有するものとすることができる。この磁性体は垂直方向にCoまたはRuを主体とする非磁性の層で分断されている所謂ECL(Exchange Coupling Layer)を有することができる。
また、前記キャップ層は、Coを主体とし、さらにCr、Pt及びBからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有するものとすることができる。
そしてまた、この発明の垂直磁気記録媒体は、記録層の積層方向で、前記キャップ層の厚みが1nm~3nmであることが好ましい。
この発明の垂直磁気記録媒体によれば、キャップ層の直下のグラニュラ層の、キャップ層との境界部分の酸化物相が、上述した金属を含有することにより、キャップ層の成長初期から、グラニュラ層の当該金属を含む酸化物相の非磁性部分上にもキャップ層が成長するので、グラニュラ層上にキャップ層が均一に積層し、それにより、反転磁界分散(SFD)を改善することができる。
この発明の一の実施形態の垂直磁気記録媒体の記録層を模式的に示す、記録層の積層方向に沿う断面図である。 従来の垂直磁気記録媒体の記録層を模式的に示す、記録層の積層方向に沿う断面図である。 実施例の試験例1のスパッタリング時にキャップ層の膜厚tcの増大に伴うRaの変化を示すグラフである。 実施例の試験例1のスパッタリング時にキャップ層の膜厚tcの増大に伴う-Hnの変化を示すグラフである。 実施例の試験例3におけるZn含有量とキャップ層のRaが5Å未満になるキャップ層の膜厚との関係を示すグラフである。 実施例の試験例3におけるZnの含有量と-Hnが正になるキャップ層の膜厚との関係を示すグラフである。
以下に、この発明の実施形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態の垂直磁気記録媒体は記録層を備え、図1に例示するように、記録層1が、その少なくとも一部を構成する層として、非磁性体として金属酸化物を含み磁性体が前記非磁性体に分散したグラニュラ層2と、グラニュラ層2上に形成されて金属酸化物を含まないキャップ層3とを有するものである。したがって、この実施形態の記録層1は、グラニュラ層2は、非磁性体からなる酸化物相4aおよび、磁性体からなる金属相4bを含む一方で、キャップ層3は、金属酸化物を含まず所定の金属のみからなる。
なおこの垂直磁気記録媒体は、たとえば、基板、軟磁性層、中間層および当該記録層1をこの順序で積層したものとすることができ、このうち記録層1以外のものについてはこれまでと同様とすることができるので、ここでは説明を省略する。また、この実施形態の記録層1は、グラニュラ層2およびキャップ層3からなるものであるが、場合によってはさらに、非磁性または磁気モーメントの小さい磁性を持ったOnset層、ECL層等を含むことがある。
(キャップ層)
キャップ層3は、金属酸化物を含まず、磁性体の金属のみからなるものであり、このような金属として具体的には、Coを主体とし、さらにCr、Pt及びBからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含むものを挙げることができる。
キャップ層3を構成する金属は典型的には、主としてCoとPtからなり、必要に応じてCr及びBからなる群から選択される一種以上の金属を含むことがある。キャップ層3は通常、CoCrPtBを主体とする合金である。
この実施形態では、後述するように、キャップ層3の成膜時に、その成膜初期から、グラニュラ層2上にキャップ層3を均一に積層させることができるので、キャップ層3の厚みtcを必要以上に厚くすることなしに、反転磁界分散(SFD)を効率的に向上させることができる。キャップ層3の厚みtcは、グラニュラ層2の全体の厚みtgに対する百分率で、好ましくは3%~30%とすることができる。具体的には、キャップ層3の厚みtcは、0.5nm~3nmとすることが好適である。
(グラニュラ層)
グラニュラ層2はその全体が、非磁性体の金属酸化物からなる酸化物相4aおよび、磁性体の金属相4bからなるものであるが、このグラニュラ層2を、記録層1の積層方向に視て、図1に示すように、キャップ層3の直下に位置する境界部分2aと、境界部分2a以外の、その境界部分2aより下部に位置する残部2bとを含む少なくとも二層で構成することが肝要である。かかる境界部分2aと残部2bとは、その酸化物相4aを構成する金属酸化物が異なるものである。
具体的には、境界部分2aの酸化物相4aは、Zn、W、Mn、Fe及びMoからなる群から選択される少なくとも一種を含有するものとし、好ましくはZnを含有するものとする。ここでは、境界部分2aに含まれる酸化物を、主としてZnOとする。
このことによれば、グラニュラ層2上に、スパッタリングによりキャップ層3を成膜する際に、金属酸化物を含まないキャップ層3を構成する金属と、グラニュラ層2の境界部分2aのZnOとが良好な濡れ性を示すことにより、キャップ層3の成長初期から、キャップ層3の構成金属を、グラニュラ層2の境界部分2aの酸化物相4aを含む全体に均一に積層させることができる。それにより、キャップ層3による機能が有効に発揮されて、反転磁界分散(SFD)を向上させることができる。また、ZnOはグラニュラ層2の金属相4bの磁性粒子を有効に分離させることができるので、グラニュラ層2の境界部分2aでも、残部2bと実質的に同様に所要の磁気的分離性を確保することができる。
なお従来の垂直磁気記録媒体では、図2に示すように、グラニュラ層12の酸化物相14aが積層方向の全体で、上記の金属以外の金属の酸化物からなるものであったことから、キャップ層13を成膜した場合、その成長初期に、キャップ層13の金属が、グラニュラ層12の当該金属酸化物が存在しない金属相14b上に選択的に積層されることになる。つまり、図2に模式的に示すように、グラニュラ層12に近接するキャップ層13の下部では、キャップ層13の金属が優れた結晶性、所謂エピタキシャル成長によって積層できない部分が生じる。それにより、所定の厚みのキャップ層13を形成しても、反転磁界分散(SFD)の改善を実現することができない。また、キャップ層13を十分厚くすることにより、これを防止できるとも考えられるが、この場合は、ヘッドと媒体中心の距離が大きくなり分解能が低下し、また、厚いキャップ層13によって磁性粒子間の交換結合が大きくなって磁気クラスタサイズが増大して記録密度を高くできないという他の問題がある。
図1に示すようなこの発明の実施形態では、境界部分2aの酸化物相が、キャップ層3と濡れやすいZn、W、Mn、Fe及び/又はMoを含有することから、従来のこのような問題を有効に解決することができる。
グラニュラ層2の境界部分2aは、Znを含有する場合、そのZnの含有量は3at%以上とすることが好ましい。境界部分2aのZnの含有量が3at%未満である場合は、濡れ性の改善が望めず、酸化物相上にキャップ層がエピタキシャル成長しにくくなるおそれがあり、また境界部分2aのZnの含有量が25at%以上を超える場合は、Znが金属相に多量に入ることによって磁気異方性、結晶性が低下することが懸念される。
グラニュラ層2の境界部分2aの酸化物相は、濡れ性を改善するためにZn、W、Mn、Fe、およびMoからなる群から選択される少なくとも一種、アモルファス性を改善するBおよびSi、分離性を改善するTiを含む金属酸化物とすることがより一層好ましい。つまり、グラニュラ層2の境界部分2aの酸化物相は、Zn、W、Mn、FeおよびMoからなる群から選択される少なくとも一種のみを含有するものとすることもできるが、それに加えてさらに、B及びSiのうちの少なくとも一種、ならびに/あるいは、Tiを含有することができる。
記録層の積層方向で視て、グラニュラ層2の境界部分2aの厚みtbがグラニュラ層2の全体の厚みtgに占める割合(tb/tg)は、百分率で表して3%~50%とすることが好適である。全体厚みtgに対する境界部分2aの厚みtbのこの割合(tb/tg)を3%未満とすれば、境界部分2aのZnOによるキャップ層3の均一な成膜の効果が十分に得られないことがある。グラニュラ層2の全体厚みtgに対する境界部分2aの厚みtbの割合(tb/tg)は、3%~30%とすることがさらに好ましい。
一方、キャップ層3の均一な成膜に大きな影響を及ぼさないグラニュラ層2の残部2bの酸化物相は、境界部分2aと同様にZnを含有するものとすることも可能であるが、Znを含有しないものとすることが好ましい。また、グラニュラ層2の残部2bは、ZnOのみならずZnを含有しない層とすることが好適である。これはすなわち、グラニュラ層2の残部2bがZnを含有するものとした場合は、磁気異方性Kuが低下する懸念があるからである。
グラニュラ層2の残部2bは、酸化物相として、上述したようなZnO等の所定の金属酸化物ではなく、Si、B及びTiからなる群から選択される少なくとも一種の元素の酸化物を含有するものとすることができる。当該酸化物以外の酸化物も含めてその残部2bの酸化物の合計含有量は、好ましくは20vol.%~50vol.%である。なお、残部2bの酸化物の合計含有量が、20vol.%未満である場合は、金属相の分離が不十分で磁気クラスタサイズが大きくなるおそれがあり、また50vol.%を超える場合は、金属相の割合が少なく十分なKuおよび磁気異方性が得られず、熱安定性や再生信号強度が不足する可能性がある。なお、膜中の酸化物の体積率はTEM観察により求められる。
なお、グラニュラ層2の磁性体である金属相4bは、Coを主体とし、さらにPt、Ru及びCrからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有するものである。
次に、この発明の垂直磁気記録媒体を試作し、その性能を評価したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
(試験例1)
実施例1-1として、マグネトロンスパッタリング装置(キヤノンアネルバ製C‐3010スパッタリングシステム)により、ガラス基板上にCr-Ti(6nm)、Ni-W(5nm)、Ru(20nm)をこの順序で成膜したものに、下部グラニュラ層(グラニュラ層の残部)としてCo-Pt-SiO2(10nm)を成膜し、その上に、Co-Pt-ZnOからなるスパッタリングターゲットを用いて上部グラニュラ層(グラニュラ層の、キャップ層との境界部分)としてAr5.0Pa雰囲気下にて300Wでスパッタリングして膜厚が3nmの各磁性膜を形成し、さらにその上に、キャップ層としてCo-Cr-Pt-B(0~8nm)を成膜して、各層を形成した。実施例1-1は、上部グラニュラ層の酸化物がZnOからなるものである。
また実施例1-2~実施例1-5として、上部グラニュラ層の酸化物がWO3、MnO、Fe23、MoO3から成ることを除いて、実施例1と同様の膜を形成した。
さらに比較例1として、上部グラニュラ層の酸化物相がSiO2からなることを除いて、実施例1と同様に各層を形成した。
これらの実施例1-1~1-5及び比較例1について、キャップ層膜厚に対するラフネス(Ra)と反転開始磁界(-Hn)を測定した。それらの比較を図3および4にグラフで示す。図3及び図4中、SiO2は比較例1、ZnOは実施例1-1、WO3は実施例1-2、MnOは実施例1-3、Fe23は実施例1-4、MoO3は実施例1-5をそれぞれ意味する。
なお、実施例1-1~1-5および比較例1のいずれにおいても、下部グラニュラ層は67Co-23Pt-10SiO2(mol%)であるものとし、またキャップ層は60Co-10Cr-15Pt-5B(mol%)であるものとした。
また、実施例1-1において、上部グラニュラ層は62Co-21Pt-17ZnO(mol%)(ZnO=30vol.%)とし、比較例1において、上部グラニュラ層は67Co-22Pt-10SiO2(mol%)(SiO2=30vol.%)とした。上部グラニュラ層は、実施例1-2では70Co-23Pt-7WO3(mol%)(WO3=30vol.%)、実施例1-3では61Co-20Pt-19MnO(mol%)(MnO=30vol.%)、実施例1-4では68Co-23Pt-10Fe23(mol%)(Fe23=30vol.%)、実施例1-5では62Co-21Pt-18MoO3(mol%)(MoO3=30vol.%)である。
なお、ラフネス(Ra)はSII製の原子間力顕微鏡(AFM)、反転開始磁界(-Hn)は玉川製作所製の試料振動型磁力計(VSM)により測定した。
図3に示すところから、実施例1-1~1-5は、SiO2とした比較例1に比してキャップ層の膜厚(tc)が薄くてもRaの十分な低下がみられることから、上層のCoを主とするキャップ層とZn酸化物の濡れが良いことが解かる。また、図4より、実施例1-1~1-5では、SiO2とした比較例1に比してキャップ層がより薄い範囲でd(-Hn)/dtcが正になっていることから、キャップ層のSFD効果が得られていることが解かる。
(試験例2)
参考例として、Znを含まないスパッタリングターゲットである67Co-22Pt-10SiO2(mol%)(SiO2=30vol.%)、Znを含むスパッタリングターゲットである62Co-21Pt-17ZnO(mol%)(ZnO=30vol.%)をそれぞれ用いて、試験例1と同様にRuまで成膜した上に13nm単一のグラニュラ層を形成した試料を作製し、磁気異方性Kuを測定した。
なお、磁気異方性(Ku)は玉川製作所製の磁気トルク計(TRQ)により測定した。
Kuの値は、グラニュラ層の酸化物をSiO2とした場合は6.16×106erg/ccであったのに対し、ZnOとした場合は5.04×106erg/ccであった。このことから、Znを含むスパッタリングターゲットを用いるとKuが低くなることが解かる。したがって、下部グラニュラ層にはKuが高くなる組成のスパッタリングターゲットを用いる場合が多いため、下部グラニュラ層にはZnを含有しない層が存在することが望ましいといえる。
(試験例3)
実施例3-1~3-22として、Co-Pt-ZnO、Co-Pt-SiO2-ZnO、Co-Pt-B23-ZnO、Co-Pt-TiO2-ZnOのスパッタリングターゲットで、Znの含有量を変化させた複数の試作品を製造した。各スパッタリングターゲットの組成を、参考として表1に示す。
Figure 0007116782000001
これらの試作品のそれぞれを用いて試験例1と同様の方法により磁性膜を成膜し、キャップ層の膜厚に対するラフネス(Ra)と反転開始磁界(-Hn)を測定した。なお、上記の試作品は、磁性膜の上部グラニュラ層の成膜に用いたものである。Zn含有量とキャップ層のRaが5Å未満になるキャップ層の膜厚との関係を図5に示し、Znの含有量と-Hnが正になるキャップ層の膜厚との関係を図6に示す。
図5より、特に、上部グラニュラ層のZnが3at%以上である実施例3-5~3-8、実施例3-12~3-15および実施例3-19~3-22は、キャップ層が薄くてもRaの十分な低下がみられることから、上層のCoを主とするキャップ層とZn酸化物の濡れがさらに良くなることが解かる。また、図6より、特に、上部グラニュラ層のZnが3at%以上である実施例3-5~3-8、実施例3-12~3-15および実施例3-19~3-22は、d(-Hn)/dtcが正になるキャップ層の膜厚がかなり薄くなっていることから、Zn添加によって薄いキャップ層でSFDがより一層改善されていることが解かる。
1 記録層
2 グラニュラ層
2a 境界部分
2b 残部
3 キャップ層
4a 金属相
4b 酸化物相
tg グラニュラ層全体の厚み
tb 境界部分の厚み
tc キャップ層の厚み

Claims (9)

  1. 非磁性体として金属酸化物を含み、磁性体が前記非磁性体に分散したグラニュラ層と、前記グラニュラ層上に形成されて、金属酸化物を含まないキャップ層とを、記録層の少なくとも一部を構成する層として有する垂直磁気記録媒体であって、
    グラニュラ層の金属相がCoを含有し、
    前記キャップ層の直下のグラニュラ層の、キャップ層との境界部分の酸化物相が、Zn、W、Mn、Fe、及びMoからなる群から選択される少なくとも一種を含有し、前記グラニュラ層の前記境界部分の酸化物相が、Znを含有し、該酸化物相のZnの含有量が3at%以上である垂直磁気記録媒体。
  2. 前記グラニュラ層の前記境界部分の酸化物相がさらに、B及びSiのうちの少なくとも一種を含有してなる請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記グラニュラ層の前記境界部分の酸化物相がさらに、Tiを含有してなる請求項1又はに記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記グラニュラ層の前記境界部分を除く残部が、Znを含有しない層を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記グラニュラ層の前記残部が、酸化物相として、Si、B及びTiからなる群から選択される少なくとも一種の元素の酸化物を含み、前記残部における酸化物相の酸化物の合計含有量が20vol.%~50vol.%である請求項に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 記録層の積層方向で、前記境界部分の厚みの、グラニュラ層全体の厚みに占める割合が、3%~50%である請求項1~5のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記境界部分を含むグラニュラ層全体が、金属相として、Co、Pt、Ru及びCrからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有してなる請求項1~6のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 前記キャップ層が、Co、Cr、Pt及びBからなる群から選択される少なくとも一種
    の金属を含有してなる請求項1~7のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 記録層の積層方向で、前記キャップ層の厚みが1nm~3nmである請求項1~8のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体。
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