以下の例示的な実施形態等の同様の構成要素には共通の符号を付与して、重複する説明を適宜省略する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の駐車システム10の概略を説明する図である。駐車システム10は、自動バレー駐車等のように、車両16を駐車する駐車場CPにおける駐車を支援する。駐車場CPには、例えば、路面の複数の区画線DLによって区切られた複数の駐車枠PF01、PF02、・・・、PF20及び駐車枠へ走行するための通路PWが設けられている。駐車枠PF01、PF02、・・・、PF20のそれぞれを区別する必要がない場合、駐車枠PFと記載する。車両16は、例えば、内燃機関(エンジン、図示されず)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよく、電動機(モータ、図示されず)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよく、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。図1に示すように、駐車システム10は、駐車場CPの管理設備等に設けられる駐車管理システム12と、車両16に設けられる駐車支援システム14とを備える。
駐車管理システム12は、複数の駐車枠PFのいずれかから設定した目標駐車枠への走行方法を前進走行及び後退走行のいずれかに設定する。走行方法は、例えば、目標駐車枠への駐車時に車両16が通過する目標駐車枠の一辺に面する通路PWへの進入方法を含んでよい。また、走行方法は、例えば、少なくとも駐車場CP内の目標駐車枠の前の曲がり角から目標駐車枠へ走行する方法であってもよい。換言すれば、走行方法は、目標駐車枠に到達するまでの経路において少なくとも最後の曲がり角から目標駐車枠まで走行する方法であってよい。更に、走行方法は、例えば、目標駐車枠に達するまでの経路上において目標駐車枠の長手方向の延長線上よりも前(即ち、上記経路における最後の曲がり角から上記延長線上まで)の通路PWを走行する方法であってもよい。尚、目標駐車枠までの走行方法は、目標駐車枠の近傍までの走行方法であってよい。駐車管理システム12は、走行方法とともに、目標駐車枠まで走行した後の入庫方法であって、目標駐車枠内に設定された目標駐車位置への入庫方法を前進入庫及び後退入庫のいずれかに設定する。例えば、駐車管理システム12は、後退入庫可能な駐車枠PF01を目標駐車枠として設定する。この場合、駐車場CPの奥に設置されている駐車枠PF01の奥には壁の障害物OBがあり、駐車経路TR0で示すように駐車枠PF01まで車両16が前進走行した場合、車両16が後退入庫できないまたは後退入庫で駐車することが困難である。このような場合、駐車管理システム12は、駐車経路TR1で示すように、目標駐車枠までの走行方法として後退走行を設定する。駐車管理システム12は、前進走行した後、後退入庫が容易な駐車枠PF13を目標駐車枠として設定した場合、駐車経路TR2で示すように、目標駐車枠までの走行方法として前進走行を設定する。駐車管理システム12は、目標駐車枠として駐車場CPの規則等によって後退入庫ができない駐車枠PF16を設定した場合、駐車経路TR3で示すように、入庫方法として前進入庫を設定し、走行方法として前進走行を設定する。駐車管理システム12は、目標駐車枠、目標駐車位置、走行方法及び入庫方法を含む推奨駐車情報を設定して、駐車支援システム14へ無線通信によって送信する。
駐車支援システム14は、車両16に搭載され、推奨駐車情報等の情報を受信可能に無線通信等により駐車管理システム12と接続されている。駐車支援システム14は、駐車管理システム12から受信した推奨駐車情報に基づいて、目標駐車枠内の目標駐車位置までの駐車経路TR2、TR3等を駐車経路として生成し、車両16を駐車経路に沿って自動運転して目標駐車位置に駐車する。
図2は、駐車システム10の制御系を説明するブロック図である。
図2に示すように、駐車管理システム12は、通信部18と、検出部19と、駐車管理装置20とを備える。
通信部18は、無線通信等によって、駐車支援システム14等の外部の装置と情報を送受信する。通信部18は、駐車管理装置20と情報を送受信可能に接続されている。これにより、通信部18は、駐車管理装置20と駐車支援システム14との通信を中継する。
検出部19は、検出対象を検出するために駐車場CP内の状況を示す場内情報を生成して出力する。検出対象は駐車場CP内の移動体及び静止体を含む。移動体は駐車場CP内で移動する物体であって、例えば、他の車両及び人物等を含む。静止体は壁等の障害物OBを含む。検出部19は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、または、CIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵する1または複数のデジタルカメラである。検出部19は、所定のフレームレートで生成される複数のフレーム画像を含む動画、または、静止画のデータを場内情報として駐車管理装置20へ出力する。検出部19は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向の140°~190°の範囲を撮影できることが好ましい。検出部19は、上方から駐車場CPの全範囲を撮像した撮像画像のデータを場内情報として生成する。尚、検出部19は、検出対象までの距離を検出する超音波ソナーまたは測距センサを有し、測距画像を場内情報として出力してもよい。検出部19は、駐車管理装置20と情報を送受信可能に接続されている。検出部19は、生成した場内情報を駐車管理装置20へ出力する。
駐車管理装置20は、駐車装置の一例であって、駐車場CP内の車両16の駐車を管理する。駐車管理装置20は、例えば、コンピュータである。駐車管理装置20は、CPU(Central Processing Unit)20aと、ROM(Read Only Memory)20bと、RAM(Random Access Memory)20cと、SSD(Solid State Drive)20dと、HDD(Hard Disk Drive)20eと、バス21とを備える。
CPU20aは、ハードウェアプロセッサの一例であって、SSD20d及びHDD20e等の不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムにしたがって各種の演算処理及び制御を実行する。CPU20aは、例えば、車両16の駐車を管理する駐車管理処理を実行する。
ROM20bは、各プログラム及びプログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶する。RAM20cは、CPU20aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。SSD20d及びHDD20eは、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であって、駐車管理装置20の電源がオフされた場合にあってもデータを維持する。
バス21は、CPU20a、ROM20b、RAM20c、SSD20d、HDD20e、通信部18、及び、検出部19を互いに情報を送受信可能に接続する。
駐車支援システム14は、複数(例えば、4個)の撮像部22と、車輪速センサ24と、制動システム25と、加速システム26と、操舵システム27と、変速システム28と、モニタ装置32と、通信部33と、駐車支援装置34と、車内ネットワーク36とを備える。
複数の撮像部22は、例えば、上述した検出部19と同様のデジタルカメラである。複数の撮像部22のそれぞれは、車両16の周囲に設けられ、MVC(Multi View Camera)として機能する。例えば、複数の撮像部22は、車両16の前後左右に設けられている。これにより、複数の撮像部22は、車両16のほぼ全方位の周辺の画像を撮像できる。撮像部22の光軸は、斜め下方に向けて設定されている。従って、撮像部22は、周辺の対象物及び駐車枠PFを区画する区画線DLが設けられた路面を含む車両16の周辺を撮像する。撮像部22は、撮像した撮像画像のデータを周辺情報として駐車支援装置34へ出力する。
車輪速センサ24は、車両16の車輪の近傍に設けられたホール素子を有する。車輪速センサ24は、車輪の回転量または単位時間当たりの回転数を検出する。車輪速センサ24は、当該回転量または回転数に対応する車輪速パルス数を示す車輪回転情報を検出して出力する。
制動システム25は、車両16の減速を制御する。制動システム25は、制動部40と、制動制御部42と、制動部センサ44とを有する。制動部40は、例えば、ブレーキ及びブレーキペダル等を含み、車両16を減速させるための装置である。制動制御部42は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU(Electronic Control Unit)等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。制動制御部42は、駐車支援装置34からの指示に基づいて、制動部40を制御して、車両16の減速を制御する。制動部センサ44は、例えば、位置センサであって、制動部40がブレーキペダルの場合、制動部40の位置を検出する。制動部センサ44は、検出した制動部40の位置を示す制動部位置情報を車内ネットワーク36に出力する。
加速システム26は、車両16の加速を制御する。加速システム26は、加速部46と、加速制御部48と、加速部センサ50とを有する。加速部46は、例えば、アクセルペダル等を含み、車両16を加速させるための装置である。加速制御部48は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。加速制御部48は、駐車支援装置34からの指示に基づいて、加速部46を制御して、車両16の加速を制御する。加速部センサ50は、例えば、位置センサであって、加速部46がアクセルペダルの場合、加速部46の位置を検出する。加速部センサ50は、検出した加速部46の位置を示す加速部位置情報を車内ネットワーク36に出力する。
操舵システム27は、車両16の進行方向を制御する。操舵システム27は、操舵部52と、操舵制御部54と、操舵部センサ56とを有する。操舵部52は、例えば、ハンドルまたはステアリングホイール等を含み、車両16の転舵輪(例えば、前側の車輪)を操作する装置である。操舵制御部54は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。操舵制御部54は、駐車支援装置34からの指示舵角に基づいて、操舵部52を制御して、車両16の左右の進行方向を制御する。操舵部センサ56は、例えば、ホール素子等を含む角度センサであって、操舵部52の回転方向の位置(例えば、回転角)を出力する。操舵部センサ56は、検出した操舵部52の回転角を示す操舵角情報を車内ネットワーク36に出力する。
変速システム28は、車両16の変速比を制御する。変速システム28は、変速部58と、変速制御部60と、変速部センサ62とを有する。変速部58は、例えば、シフトレバー等を含み、車両16の変速比及び車両16の前後の進行方向を切り替えるための装置である。変速制御部60は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。変速制御部60は、駐車支援装置34からの指示に基づいて、変速部58を制御して、車両16の変速比または車両16の前後の進行方向を制御する。変速部センサ62は、ドライブ、パーキング、及び、リバース等の変速部58の位置を検出する。変速部センサ62は、検出した変速部58の位置を示す変速部位置情報を車内ネットワーク36に出力する。
モニタ装置32は、車両16の車室内のダッシュボード等に設けられている。モニタ装置32は、表示部64と、音声出力部66と、操作入力部68とを有する。
表示部64は、駐車支援装置34が送信した画像データに基づいて、画像を表示する。表示部64は、例えば、液晶ディスプレイ、または、有機EL(Electro Luminescence)ディプレイ等の表示装置である。表示部64は、例えば、駐車支援に関する画像を表示する。
音声出力部66は、駐車支援装置34が送信した音声データに基づいて音声を出力する。音声出力部66は、例えば、スピーカである。音声出力部66は、例えば、駐車支援に関する音声を出力する。
操作入力部68は、乗員の入力を受け付ける。操作入力部68は、例えば、タッチパネルである。操作入力部68は、表示部64の表示画面に設けられている。操作入力部68は、表示部64が表示する画像を透過可能に構成されている。これにより、操作入力部68は、表示部64の表示画面に表示される画像を乗員に視認させることができる。操作入力部68は、表示部64の表示画面に表示された画像に対応した位置を乗員が触れることによって入力した指示を受け付けて、駐車支援装置34へ送信する。操作入力部68は、例えば、駐車支援における目標とする駐車枠の指定等の運転支援に関する入力を受け付ける。尚、操作入力部68は、タッチパネルに限らず、押しボタン式等のハードスイッチであってもよい。
通信部33は、無線通信等によって、駐車管理システム12等の外部の装置と情報を送受信する。通信部33は、車内ネットワーク36を介して、駐車支援装置34と情報を送受信可能に接続されている。これにより、通信部33は、駐車支援装置34と駐車管理システム12との通信を中継する。
駐車支援装置34は、ECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。駐車支援装置34は、撮像部22から撮像画像のデータを取得する。駐車支援装置34は、撮像画像等に基づいて生成した画像または音声に関するデータをモニタ装置32へ送信する。駐車支援装置34は、運転者への指示、及び、運転者への通知等の画像または音声に関するデータをモニタ装置32へ送信する。駐車支援装置34は、駐車管理システム12から取得した推奨駐車情報に基づいて車両16を自動運転して目標駐車枠内の目標駐車位置に駐車する。駐車支援装置34は、CPU34aと、ROM34bと、RAM34cと、表示制御部34dと、音声制御部34eと、SSD34fとを備える。CPU34a、ROM34b及びRAM34cは、同一パッケージ内に集積されていてもよい。
CPU34aは、ハードウェアプロセッサの一例であって、ROM34b等の不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムにしたがって各種の演算処理及び制御を実行する。CPU34aは、例えば、駐車支援における自動運転の処理を実行する。
ROM34bは、各プログラム及びプログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶する。RAM34cは、CPU34aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。表示制御部34dは、駐車支援装置34での演算処理のうち、主として、撮像部22で得られた画像の画像処理、表示部64に表示させる表示用の画像のデータ変換等を実行する。音声制御部34eは、駐車支援装置34での演算処理のうち、主として、音声出力部66に出力させる音声の処理を実行する。SSD34fは、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であって、駐車支援装置34の電源がオフされた場合にあってもデータを維持する。
車内ネットワーク36は、車輪速センサ24と、制動システム25と、加速システム26と、操舵システム27と、変速システム28と、モニタ装置32の操作入力部68と、駐車支援装置34とを互いに情報を送受信可能に接続する。
図3は、駐車システム10の機能を説明する機能ブロック図である。
図3に示すように、駐車管理装置20は、管理側処理部70と、管理側記憶部72とを有する。
管理側処理部70は、例えば、CPU20aの機能として実現される。管理側処理部70は、取得部の一例である管理側取得部74と、設定部の一例である管理側設定部76とを有する。管理側処理部70は、例えば、管理側記憶部72に記憶された駐車管理プログラム77を読み込むことによって、管理側取得部74及び管理側設定部76として機能してよい。管理側取得部74及び管理側設定部76の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の回路によって構成してもよい。
管理側取得部74は、1または複数の駐車枠PFに関する情報であって、予め設定された駐車枠情報を管理側記憶部72に格納された駐車場データベース(DB:DataBase)78から取得する。例えば、管理側取得部74は、検出部19から取得した場内情報に基づいて車両16が駐車場CPに入場したと判定すると、複数の駐車枠PFのうち、車両16が駐車されていない1または複数の空車の駐車枠情報を管理側記憶部72の駐車場データベース78から取得する。管理側取得部74は、駐車場CP内の道路、駐車枠PF、駐車位置及び障害物OB等の位置等を示す地図情報79を管理側記憶部72から取得する。駐車枠情報及び地図情報79は、駐車場情報の一例である。管理側取得部74は、検出部19から駐車場CP内を撮像した場内情報を取得する。管理側取得部74は、取得した駐車枠情報、地図情報79及び場内情報を管理側設定部76へ出力する。
管理側設定部76は、管理側取得部74から駐車枠情報、地図情報79及び場内情報を取得すると、走行方法及び入庫方法を示す推奨駐車情報を生成する。具体的には、管理側設定部76は、取得した複数の駐車枠情報から対象の車両16を駐車させる目標駐車枠を選択する。例えば、管理側設定部76は、予め定められた設定条件に基づいて、目標駐車枠を設定してよい。予め定められた設定条件は、例えば、駐車場CPの入口に最も近い駐車枠PFを目標駐車枠に設定する、両隣の駐車枠PFが空車の駐車枠PFを目標駐車枠に設定する、及び、前進走行かつ後退入庫が可能な駐車枠PFのうち最も駐車場CPの入口に近い駐車枠PFを目標駐車枠に設定する、のいずれかである。尚、管理側設定部76は、車両16のモニタ装置32に空車の駐車枠PFを表示させて、運転手等の乗員に目標駐車枠を選択させてもよい。管理側設定部76は、選択された目標駐車枠の駐車枠情報に基づいて、目標駐車枠までの走行方法を前進走行及び後退走行から設定する。また、管理側設定部76は、走行方法とともに、目標駐車枠の駐車枠情報に基づいて、目標駐車枠内の目標駐車位置までの入庫方法を前進入庫及び後退入庫から設定してよい。管理側設定部76は、目標駐車枠の位置、目標駐車位置、走行方法及び入庫方法を示す推奨駐車情報を生成する。管理側設定部76は、推奨駐車情報、場内情報及び地図情報79を車両16の駐車支援装置34へ送信する。
管理側記憶部72は、ROM20b、RAM20c、SSD20d及びHDD20eの機能として実現される。管理側記憶部72は、管理側処理部70が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ、及び、プログラムの実行によって生成されたデータ等を記憶する。例えば、管理側記憶部72は、管理側処理部70が実行する駐車管理プログラム77を記憶する。駐車管理プログラム77は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)またはDVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体によって提供されてよく、または、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。管理側記憶部72は、駐車管理プログラム77を実行する際に必要な駐車場データベース78及び地図情報79を記憶する。地図情報79は、駐車場CP内の駐車枠及び駐車枠への通路PWの位置情報等を含む。管理側記憶部72は、駐車管理プログラム77の実行によって生成された目標駐車枠、目標駐車位置、走行方法、入庫方法等を一時的に記憶する。
駐車支援装置34は、支援側処理部80と、支援側記憶部82とを有する。
支援側処理部80は、例えば、CPU34aの機能として実現される。支援側処理部80は、支援側取得部84と、運転支援部86とを有する。支援側処理部80は、駐車支援プログラム87を読み込むことによって、支援側取得部84及び運転支援部86として機能してよい。支援側取得部84及び運転支援部86の一部または全部は、ASIC及びFPGA等の回路によって構成してもよい。
支援側取得部84は、駐車管理装置20から走行方法及び入庫方法を示す推奨駐車情報を取得する。支援側取得部84は、取得した推奨駐車情報を運転支援部86へ出力する。
運転支援部86は、取得した推奨駐車情報及び地図情報79に基づいて車両16を自動運転して目標駐車枠の目標駐車位置に駐車する。具体的には、運転支援部86は、取得した推奨駐車情報が示す走行方法及び入庫方法に基づいて既知の方法によって駐車経路を設定する。例えば、推奨駐車情報が、前進走行及び後退入庫を示す場合、前進走行による目標駐車枠または目標駐車枠近傍への経路と、後退入庫による目標駐車位置への経路とを繋げた駐車経路を既知の方法によって生成する。運転支援部86は、車輪速センサ24及びシステム25、26、27、28から車輪回転情報、制動部位置情報、加速部位置情報、操舵角情報、及び、変速部位置情報等の車両情報を取得する。運転支援部86は、車両情報及び駐車経路に基づいて制御部42、48、54、60に制動部40、加速部46、操舵部52及び変速部58を制御するための制御指示を出力する。これにより、運転支援部86は、車両16を自動運転して目標駐車位置へと走行させる。
支援側記憶部82は、ROM34b、RAM34c、及び、SSD34fの機能として実現される。支援側記憶部82は、支援側処理部80が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ、及び、プログラムの実行によって生成されるデータ等を記憶する。支援側記憶部82は、例えば、支援側処理部80が実行する駐車支援プログラム87を記憶する。駐車支援プログラム87は、CD-ROMまたはDVD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体によって提供されてよく、または、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。支援側記憶部82は、駐車支援プログラム87の実行に必要な推奨駐車情報等のデータを記憶する。支援側記憶部82は、駐車支援プログラム87の実行によって生成される駐車経路及び車両16の自車位置等のデータを一時的に記憶する。
図4は、駐車場データベース78の一例を示す図である。
図4に示すように、駐車場データベース78は、識別情報と、駐車枠情報とを関連付けている。駐車枠情報は、駐車枠位置、駐車位置、走行方法、入庫方法及び空車状況を含む。識別情報は、駐車枠PFを識別するための識別であって、駐車枠PFごとにID01、ID02、・・・等のような異なる情報が付与されている。例えば、識別情報ID01、ID02、・・・、ID16が、駐車枠PF01、PF02、・・・、PF16のそれぞれに割り当てられている。駐車枠位置は、駐車場CP内での駐車枠PFの位置であって、(X01、Y01)、(X02、Y02)、・・・等のように、駐車場CP内の基準位置を原点とする座標情報であってよい。尚、駐車枠位置は、駐車枠PFの四隅の位置を示す4個の座標情報を含んでもよい。駐車位置は、車両16の自車位置(例えば、車両16の後輪軸中心)を合わせるための目標となる駐車枠PF内の位置であって、(x01、y01)、(x02、y02)・・・等のような座標情報であってよい。駐車位置は、駐車枠位置と同様に駐車場CP内の基準位置を原点とする座標情報であってもよく、駐車枠位置を原点とする座標情報であってもよい。駐車位置は、駐車枠PFの四隅の位置を示す4個の座標情報であってもよい。走行方法は、駐車枠PFまでの可能な走行方法を示す情報である。例えば、走行方法は、前進走行により駐車できる駐車枠PFには前進走行を示す“Fa”が割り当てられ、障害物OB等によって前進走行では駐車できない場合、後退走行を示す“Ba”が割り当てられている。換言すれば、前進走行が、後退走行よりも優先的に走行方法に割り当てられている。入庫方法は、駐車枠PFの近傍から当該駐車枠PFの駐車位置への可能な入庫方法を示す情報である。例えば、入庫方法は、後退入庫により駐車できる駐車枠PFには後退入庫を示す“Bb”が割り当てられ、規則等によって後退入庫により駐車できない駐車枠PFには前進入庫を示す“Fb”が割り当てられている。換言すれば、後退入庫が、前進入庫よりも優先的に入庫方法に割り当てられている。空車状況は、駐車枠PFが空車か否かを示す情報であって、空車を示す“EP”または駐車中を示す“PA”のいずれかが割り当てられる。管理側設定部76は、検出部19が検出した駐車場CPの撮像画像である場内情報に基づいて空車状況を更新してよい。
管理側取得部74は、車両16が駐車場CPに入場すると、駐車場データベース78から空車状況が“EP”の1または複数の駐車枠情報を取得して、管理側設定部76に出力する。尚、管理側取得部74は、検出部19から取得した場内情報に基づいて、駐車場データベース78の全ての駐車枠情報の空車状況を更新した後、空車状況が“EP”の1または複数の駐車枠情報を取得してよい。
管理側設定部76は、管理側取得部74から取得した複数の駐車枠情報の駐車枠PFから目標駐車枠を選択する。管理側設定部76は、目標駐車枠の駐車枠情報に基づいて走行方法及び入庫方法を設定する。例えば、管理側設定部76は、識別情報が“ID01”の駐車枠PF01を目標駐車枠に設定した場合、駐車場データベース78の走行方法が“Ba”を示すので後退走行を設定し、入庫方法が“Bb”を示すので後退入庫を設定する。管理側設定部76は、識別情報が“ID04”の駐車枠PF04を目標駐車枠に設定した場合、駐車場データベース78の走行方法が“Fa”を示すので前進走行を設定し、入庫方法が“Bb”を示すので後退入庫を設定する。管理側設定部76は、識別情報が“ID16”の駐車枠PF16を目標駐車枠に設定した場合、駐車場データベース78の走行方法が“Fa”を示すので前進走行を設定し、入庫方法が“Fb”を示すので前進入庫を設定する。
図5は、駐車システム10が実行する第1実施形態の駐車処理のフローチャートである。図5の左図は、駐車管理装置20が実行する駐車管理処理のフローチャートである。右図は、駐車支援装置34が実行する駐車支援処理のフローチャートである。
図5の左図に示すように、駐車処理の駐車管理処理では、駐車場CPに設置された駐車管理装置20の管理側取得部74が、駐車場CP内の撮像画像を場内情報として検出部19から取得する(Sa100)。管理側取得部74が、新たな車両16が駐車場CPに入場したか否かを判定する(Sa102)。例えば、管理側取得部74は、検出部19から取得した駐車場CPの撮像画像である場内情報に基づいて、新たな車両16が駐車場CPに入場したか否かを判定してよい。管理側取得部74は、新たな車両16が入場するまで、待機状態となる(Sa102:No)。
管理側取得部74は、新たな車両16が入場したと判定すると(Sa102:Yes)、管理側記憶部72から駐車場データベース78の1または複数の空車の駐車枠情報及び地図情報79を取得して、場内情報とともに管理側設定部76に出力する(Sa104)。
管理側設定部76は、取得した駐車枠情報に基づいて、目標駐車枠を設定する(Sa106)。管理側設定部76は、例えば、空車の駐車枠PFのうち、駐車場CPの入口に最も近い駐車枠PFを目標駐車枠としてよい。
管理側設定部76は、目標駐車枠の位置、目標駐車位置、走行方法及び入庫方法を示す推奨駐車情報を生成する(Sa108)。具体的には、管理側設定部76は、目標駐車枠の駐車枠情報が示す走行方法及び入庫方法を目標駐車枠への走行方法及び入庫方法として設定し、目標駐車枠、目標駐車位置、走行方法及び入庫方法を含む推奨駐車情報を生成する。管理側設定部76は、通信部18を介して、推奨駐車情報及び地図情報79を送信する(Sa110)。この後、駐車管理装置20は、ステップSa102以降を繰り返す。
駐車処理の駐車支援処理では、車両16に設置された駐車支援装置34の支援側取得部84が、通信部33を介して、駐車管理装置20から推奨駐車情報及び地図情報79を受信したか否かを判定する(Sb152)。支援側取得部84は、推奨駐車情報を取得するまで、待機状態となる(Sb152:No)。
支援側取得部84は、推奨駐車情報及び地図情報79を取得して運転支援部86へ出力すると(Sb152:Yes)、運転支援部86は、車両16の周辺に関する周辺情報として、撮像部22から車両16の周辺を撮像した撮像画像を取得する(Sb154)。運転支援部86は、周辺情報、推奨駐車情報及び地図情報79に基づいて目標駐車枠内の目標駐車位置への駐車経路を設定する(Sb156)。例えば、運転支援部86は、推奨駐車情報が前進走行及び後退駐車を示している場合、前進走行による目標駐車枠までの経路及び後退駐車による目標駐車位置への経路を繋げた駐車経路を設定する。運転支援部86は、周辺情報及び地図情報79に基づいて、システム25、26、27、28を制御することにより設定した駐車経路に沿って車両16を目標駐車枠の目標駐車位置まで自動運転して駐車する(Sb158)。
上述したように、駐車管理装置20は、駐車枠情報に基づいて、車両16の駐車支援装置34に前進走行または後退走行のいずれかを示す走行方法を含む推奨駐車情報を設定している。これにより、駐車管理装置20は、障害物OB等の目標駐車枠の周辺の状況によって目標駐車枠まで走行した車両16が駐車できず、一度戻った後、目標駐車枠まで再度走行することを低減できる。例えば、駐車管理装置20は、目標駐車枠まで前進走行した車両16が障害物OB等によって駐車できず、一度戻って方向転換して目標駐車枠へ後退走行する状況を低減できる。この結果、駐車管理装置20は、目標駐車枠の周辺の状況の影響を受けることを低減して、駐車場CP内での車両16の円滑な駐車を実現でき、更に、他の車両の駐車が妨げられることを抑制できるので、駐車場CP内の混雑を緩和できる。
駐車管理装置20は、前進入庫または後退入庫のいずれかを示す入庫方法を設定している。これにより、駐車管理装置20は、当該入庫方法を示す推奨駐車情報を車両16に送信することで、車両16が駐車枠PFに応じて適切に入庫できるので、一度入庫した後、再度入庫し直すことを低減できる。また、駐車管理装置20では、駐車場データベース78は後退入庫を前進入庫よりも優先的に入庫方法に割り当ている。これにより、駐車管理装置20は、前進で出庫できる駐車枠PFを増やすことができるので、駐車場CPの出口等への誘導をより円滑にすることができる。
駐車管理装置20は、走行方法及び入庫方法を設定して、推奨駐車情報として車両16に送信しているので、車両16の駐車支援装置34は当該走行方法及び入庫方法に従って駐車経路を生成すればよいので、駐車経路を生成するための演算処理の負荷を低減できる。
駐車管理装置20は、目標駐車枠への駐車時に車両16が通過する目標駐車枠の一辺に面する通路PWへの進入方法を含んでいるので、当該通路PWに適切な向きで進入して目標駐車枠の周辺へと走行できる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、駐車管理装置20が、目標駐車枠内の目標駐車位置までの駐車経路を含む推奨駐車情報を生成して、駐車支援装置34へ送信する。
第2実施形態の管理側取得部74は、駐車場データベース78の空車の駐車枠情報及び地図情報79を管理側記憶部72から取得して管理側設定部76へ出力する。管理側取得部74は、検出部19が撮像した駐車場CP内の撮像画像のデータを場内情報として取得して、管理側設定部76へ出力する。
管理側設定部76は、取得した駐車枠情報に基づいて空車の駐車枠PFのいずれかから目標駐車枠を設定する。管理側設定部76は、場内情報、目標駐車枠の駐車枠情報及び地図情報79に基づいて、走行方法を示す目標駐車枠への経路、及び、入庫方法を示す目標駐車枠内の目標駐車位置への経路を含む推奨駐車経路を生成する。
具体的には、管理側設定部76は、場内情報に基づいて検出対象の位置を検出する。検出対象は駐車場CP内の移動体及び静止体を含む。尚、壁等の恒常的に設置されている静止体の位置は地図情報79から抽出してもよい。
管理側設定部76は、検出対象の位置、駐車枠情報、地図情報79、走行方法の優先度及び入庫方法の優先度に基づいて、いずれかの走行方法による目標駐車枠への経路及びいずれかの入庫方法による目標駐車位置への経路を生成できるか否かを判定して、生成できた経路を繋げた駐車経路を推奨駐車経路として設定してよい。尚、各経路は既知の方法によって生成してよい。管理側設定部76は、例えば、駐車枠情報が示す目標駐車位置への駐車経路を含む車両16の通過領域上に他の車両等の移動体及び障害物OB等の静止体を含む検出対象が存在する場合、駐車経路を生成できないと判定してよい。車両16の通過領域は、駐車経路を中心として少なくとも車両16の車幅の領域を含む。走行方法の優先度は、前進走行の方が後退走行より高いとする。入庫方法の優先度は、後退入庫の方が前進入庫よりも高いとする。従って、管理側設定部76は、検出対象の位置、駐車枠情報及び地図情報79に基づいて、前進走行及び後退入庫の目標駐車位置までの駐車経路を生成できた場合、当該駐車経路を推奨駐車経路に設定する。管理側設定部76は、検出対象の位置、駐車枠情報及び地図情報79に基づいて、前進走行及び後退入庫の目標駐車位置までの駐車経路を生成できず、後退走行及び後退入庫の目標駐車位置までの駐車経路を生成できた場合、当該駐車経路を推奨駐車経路に設定する。管理側設定部76は、検出対象の位置、駐車枠情報及び地図情報79に基づいて、後退入庫による駐車経路を生成できない場合、前進走行及び前進入庫による駐車経路を推奨駐車経路として生成する。
第2実施形態では、駐車場データベース78の駐車枠情報は、識別情報、駐車枠位置、駐車位置及び空車状況を有すればよく、走行方法、及び、入庫方法は省略してもよい。
図6は、第2実施形態の駐車処理の駐車管理処理のフローチャートである。第1実施形態の処理と同様の第2実施形態の処理については説明を簡略化する。車両16の駐車支援装置34による駐車支援処理については省略する。
図6に示すように駐車処理の駐車管理処理では、駐車管理装置20の管理側取得部74が、駐車場CP内の撮像画像を場内情報として検出部19から取得する(Sa200)。管理側取得部74は、場内情報に基づいて駐車場CPに新たな車両16が入場したか否かを判定する(Sa202)。管理側取得部74は新たな車両16が駐車場CPに入場するまで待機状態となる(Sa202:No)。管理側取得部74は新たな車両16が駐車場CPに入場したと判定すると(Sa202:Yes)、駐車場データベース78の空車の駐車枠情報及び地図情報79を管理側記憶部72から取得して、場内情報とともに管理側設定部76へ出力する(Sa204)。
管理側設定部76は、駐車枠情報、地図情報79及び場内情報を取得すると、駐車枠情報に基づいて空車の駐車枠PFのいずれかから目標駐車枠を設定するとともに(Sa208)、場内情報に基づいて新たに駐車場CPに入場した車両16の位置(以下、自車位置)を検出する(Sa210)。管理側設定部76は、場内情報に基づいて検出対象の位置を検出する(Sa211)。
管理側設定部76は、駐車枠情報が示す駐車枠位置及び目標駐車位置と、地図情報79と、自車位置とに基づいて、自車位置から目標駐車枠内の目標駐車位置までの前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成できるか否かを判定する(Sa212)。具体的には、管理側設定部76は、車両16が壁等の障害物OBによって妨げられない前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成でき、かつ、駐車経路を含む車両16の通過領域上に検出された検出対象が存在しない場合、駐車経路を生成できると判定してよい。管理側設定部76は、前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成できた場合(Sa212:Yes)、当該前進走行及び後退入庫による駐車経路を推奨駐車経路に設定する(Sa214)。
管理側設定部76は、前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成できない場合(Sa212:No)、駐車枠情報が示す駐車枠位置及び目標駐車位置と、地図情報79と、自車位置とに基づいて、自車位置から目標駐車枠内の目標駐車位置までの後退走行及び後退入庫による駐車経路を生成できるか否かを判定する(Sa216)。管理側設定部76は、後退走行及び後退入庫による駐車経路を生成できた場合(Sa216:Yes)、当該後退走行及び後退入庫による駐車経路を推奨駐車経路に設定する(Sa218)。
管理側設定部76は、駐車場データベース78が示す駐車場CPの規則等によって、当該目標駐車枠内の目標駐車位置への後退入庫による駐車経路を生成できない場合(Sa216:No)、駐車枠情報が示す駐車枠位置及び目標駐車位置と、地図情報79と、自車位置とに基づいて、自車位置から目標駐車枠内の目標駐車位置までの前進走行及び前進入庫による駐車経路を生成できるか否かを判定する(Sa220)。管理側設定部76は、前進走行及び前進入庫による駐車経路を生成できた場合(Sa220:Yes)、当該前進走行及び前進入庫による駐車経路を推奨駐車経路に設定する(Sa222)。管理側設定部76は、駐車経路上に検出された検出対象が存在する等の理由によって、前進走行及び前進入庫による駐車経路を生成できない場合(Sa220:No)、別の目標駐車枠を設定して(Sa208)、ステップSa210以降を実行する。
管理側設定部76は、設定した推奨駐車経路に基づいて、推奨駐車情報を生成する(Sa224)。推奨駐車情報は、走行方法及び入庫方法を示す推奨駐車経路そのものであってよい。管理側設定部76は、地図情報79とともに、生成した推奨駐車情報を駐車支援装置34へ送信する(Sa226)。
駐車支援装置34では、支援側取得部84が地図情報79及び推奨駐車情報を受信すると、地図情報79に基づいて、推奨駐車情報が示す推奨駐車経路に沿って車両16を自動運転して、目標駐車枠内の目標駐車位置に車両16を駐車する。尚、第2実施形態では、推奨駐車情報が推奨駐車経路を含むので、第1実施形態におけるステップSb156を省略してよい。
上述したように第2実施形態の駐車管理装置20は、走行方法を示す目標駐車枠までの経路を含む推奨駐車経路を設定するので、駐車経路を生成可能な走行方法を設定することができる。また、駐車管理装置20は、駐車支援装置34に目標駐車枠及び目標駐車位置までの推奨駐車経路を含む推奨駐車情報を送信することにより、目標駐車枠及び目標駐車位置までの駐車経路を生成する車両16の演算処理の負荷を低減できる。
駐車管理装置20は、他の車両、人物及び障害物OB等の駐車場CP内の状況を示す場内情報に基づいて駐車経路を設定するので、車両16が周辺の状況のみによって経路を生成する場合に比べて、より確実に走行可能な駐車経路を生成することができる。
駐車管理装置20は、前進走行及び後退入庫による推奨駐車経路を優先的に生成することにより、前進走行によって円滑な入庫を実現するとともに、前進出庫による円滑な出庫を実現できる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、車両16の駐車支援装置34が走行方法及び入庫方法を設定する。
図7は、第3実施形態の駐車システム10Aの制御系を説明する全体構成図である。図7に示すように、駐車システム10Aは、駐車管理装置20Aを有する駐車管理システム12Aと、駐車支援装置34Aを有する駐車支援システム14Aとを備える。第3実施形態では、駐車支援装置34Aが、駐車装置の一例である。
駐車管理装置20Aの管理側処理部70Aは、管理側取得部74Aを備える。
管理側取得部74Aは、駐車場データベース78から空車の駐車枠情報を取得する。管理側取得部74Aは、検出部19から場内情報を取得する。管理側取得部74Aは、取得した駐車枠情報及び場内情報を駐車支援装置34Aへ出力する。
駐車支援装置34Aの支援側処理部80Aは、取得部の一例である支援側取得部84Aと、設定部の一例である支援側設定部85Aと、運転支援部86Aとを備える。
支援側取得部84Aは、駐車管理装置20Aから駐車枠情報及び場内情報を取得して、支援側設定部85Aへ出力する。支援側取得部84Aは、撮像部22から車両16の周辺を撮像した撮像画像のデータを周辺情報として取得して、支援側設定部85Aへ出力する。
支援側設定部85Aは、走行方法及び入庫方法を示す駐車経路を設定する。例えば、支援側設定部85Aは、周辺情報、駐車枠情報及び場内情報に基づいて走行方法及び入庫方法を示す駐車経路を生成または更新する。具体的には、支援側設定部85Aは、駐車枠情報に基づいて、空車の駐車枠PFから目標駐車枠を選択し、当該目標駐車枠の目標駐車位置を抽出する。支援側設定部85Aは、場内情報に基づいて自車位置を検出する。支援側設定部85Aは、周辺情報、駐車枠情報、場内情報、走行方法の優先度及び入庫方法の優先度に基づいて、自車位置から目標駐車位置までの駐車経路を既知の方法によって生成する。具体的には、支援側設定部85Aは、前進走行及び後退入庫によって自車位置から目標駐車位置までの駐車経路が生成できると当該駐車経路を駐車経路として設定する。支援側設定部85Aは、前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成できない場合、後退走行及び後退入庫によって自車位置から目標駐車位置までの駐車経路が生成できると当該駐車経路を駐車経路として設定する。支援側設定部85Aは、後退入庫による駐車経路が生成できない場合、前進走行及び前進入庫によって自車位置から目標駐車位置までの駐車経路が生成できると当該駐車経路を駐車経路として設定する。支援側設定部85Aは、走行方法及び入庫方法を含む駐車経路を運転支援部86Aへ出力する。
運転支援部86Aは、支援側設定部85Aから取得した駐車経路に沿って、車両16を自動運転して目標駐車位置に駐車する。
図8は、第3実施形態の駐車処理のフローチャートである。上述の実施形態の処理と同様の第3実施形態の処理については説明を簡略化する。
図8に示すように駐車処理の駐車管理処理では、駐車管理装置20Aの管理側取得部74Aが駐車場CP内の撮像画像を場内情報として検出部19から取得する(Sa300)。管理側取得部74Aは場内情報に基づいて駐車場CPに新たな車両16が入場したか否かを判定する(Sa302)。管理側取得部74Aは新たな車両16が駐車場CPに入場したと判定するまで待機状態となる(Sa302:No)。管理側取得部74Aは新たな車両16が駐車場CPに入場したと判定すると(Sa302:Yes)、駐車場データベース78の空車の駐車枠情報及び地図情報79を管理側記憶部72から取得する(Sa304)。管理側取得部74Aは、空車の駐車枠情報、地図情報79及び検出対象の位置を示す場内情報を駐車支援装置34Aへ送信する(Sa310)。
駐車処理の駐車支援処理では、駐車支援装置34Aの支援側取得部84Aが、駐車枠情報、地図情報79及び場内情報を取得するまで待機状態となる(Sb352:No)。支援側取得部84Aは、駐車枠情報、地図情報79及び場内情報を取得すると、支援側設定部85Aへ出力する(Sb352:Yes)。支援側取得部84Aは、撮像部22から車両16の周辺を撮像した撮像画像を周辺情報として取得して、支援側設定部85Aへ出力する(Sb354)。
支援側設定部85Aは、駐車枠情報、地図情報79、場内情報及び周辺情報を取得すると、駐車枠情報に基づいて空車の駐車枠PFのいずれかから目標駐車枠を設定するとともに(Sb356)、場内情報に基づいて駐車場CP内での自車位置を検出する(Sb358)。支援側設定部85Aは、場内情報に基づいて検出対象の位置を検出する(Sb360)。
支援側設定部85Aは、駐車枠情報が示す駐車枠位置及び目標駐車位置と、地図情報79と、自車位置とに基づいて、自車位置から目標駐車枠内の目標駐車位置までの前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成できるか否かを判定する(Sb362)。具体的には、支援側設定部85Aは、車両16が壁等の障害物OBによって妨げられない前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成でき、かつ、駐車経路を含む車両16の通過領域上に検出された検出対象が存在しない場合、駐車経路を生成できると判定してよい。支援側設定部85Aは、前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成できた場合(Sb362:Yes)、当該前進走行及び後退入庫による駐車経路を設定して、周辺情報及び地図情報79とともに運転支援部86Aに出力する(Sb364)。
支援側設定部85Aは、前進走行及び後退入庫による駐車経路を生成できない場合(Sb362:No)、駐車枠情報が示す駐車枠位置及び目標駐車位置と、地図情報79と、自車位置とに基づいて、自車位置から目標駐車枠内の目標駐車位置までの後退走行及び後退入庫による駐車経路を生成できるか否かを判定する(Sb366)。支援側設定部85Aは、後退走行及び後退入庫による駐車経路を生成できた場合(Sb366:Yes)、当該後退走行及び後退入庫による駐車経路を設定して、地図情報79とともに運転支援部86Aに出力する(Sb368)。
支援側設定部85Aは、駐車場データベース78が示す駐車場CPの規則等によって、当該目標駐車枠内の目標駐車位置への後退入庫による駐車経路を生成できない場合(Sb366:No)、駐車枠情報が示す駐車枠位置及び目標駐車位置と、地図情報79と、自車位置とに基づいて、自車位置から目標駐車枠内の目標駐車位置までの前進走行及び前進入庫による駐車経路を生成できるか否かを判定する(Sb370)。支援側設定部85Aは、前進走行及び前進入庫による駐車経路を生成できた場合(Sb370:Yes)、当該前進走行及び前進入庫による駐車経路を設定して、地図情報79とともに運転支援部86Aに出力する(Sb372)。支援側設定部85Aは、駐車経路上に検出された検出対象が存在する等の理由によって、前進走行及び前進入庫による駐車経路を生成できない場合(Sb370:No)、別の目標駐車枠を設定して(Sb356)、ステップSb358以降を実行する。
運転支援部86Aは、地図情報79とともに、走行方法及び入庫方法を示す駐車経路を取得すると、当該駐車経路に沿って車両16を目標駐車枠の目標駐車位置へ自動運転する(Sb374)。支援側取得部84Aは、撮像部22から周辺情報を取得して運転支援部86Aへ出力する(Sb376)。運転支援部86Aは、周辺情報に基づいて駐車経路に沿って走行可能か否かを判定する(Sb378)。運転支援部86Aは、自動運転中の駐車経路上に他の車両及び人物等が存在し、周辺情報に基づいて走行できないと判定すると(Sb378:No)、自動運転を中止して、新たな目標駐車枠を設定して(Sb356)、ステップSb358以降を繰り返す。運転支援部86Aは、自動運転中の駐車経路上に他の車両及び人物等の検出対象が存在しない場合、走行可能と判定して、自動運転を継続して(Sb378:Yes)、目標駐車位置に達したか否かを判定する(Sb380)。運転支援部86Aは、目標駐車位置に達したと判定するまで(Sb380:No)、ステップSb376以降を繰り返す。運転支援部86Aは、目標駐車位置に達したと判定すると(Sb380:Yes)、駐車支援処理を終了する。
第3実施形態の駐車支援装置34Aは、車両16の周辺の状況を示す周辺情報に基づいて駐車経路を生成している。これにより、駐車支援装置34Aは、周辺情報に基づいて、駐車経路を生成できるとともに、車両16の周辺の変化等によって駐車経路に沿って走行できなくなった場合、駐車経路を再度生成することができる。この結果、駐車支援装置34Aは、車両16の周辺の影響に応じて、より確実に駐車を支援することができる。
上述した各実施形態の構成の機能、接続関係、個数、配置等は、発明の範囲及び発明の範囲と均等の範囲内で適宜変更、削除等してよい。各実施形態を適宜組み合わせてもよい。各実施形態の各ステップの順序を適宜変更してよい。
上述の実施形態では、自動運転可能な車両16の駐車を支援する例を挙げて説明したが、支援対象は自動運転可能な車両16に限定されない。例えば、運転手が手動で駐車する車両に上述の実施形態を適用してもよい。具体的には、駐車管理装置は、例えば、手動運転の車両に前進走行または後退走行のいずれかを走行方法として送信してよく、更に、前進入庫または後退入庫のいずれかを入庫方法として送信してもよい。
第2実施形態では、推奨駐車情報が推奨駐車経路を含む例を挙げたが、推奨駐車情報は推奨駐車経路を含まなくてもよい。例えば、推奨駐車情報は、走行方法及び入庫方法のみであってよく、この場合、ステップSa214、Sa218を省略してもよい。
上述の第2実施形態では、駐車支援装置34が、駐車管理装置20から受信した推奨駐車経路に沿って自動運転する例を挙げたが、自動運転はこれに限定されない。例えば、駐車支援装置34は、周辺情報に基づいて推奨駐車経路を変更して更新してもよい。
上述の実施形態では、車両16が自動運転可能な例を挙げて説明したが、車両は自動運転できない、運転手による手動運転によって駐車されてもよい。
上述の実施形態では、車両16が入場すると、装置20、34Aが走行方法及び入庫方法を設定する制御を開始する例を挙げたが、当該制御を開始するタイミングは入場の時に限定されない。例えば、車両16が駐車場CP内の角の予め定められた範囲内に入ったタイミングでフローチャートを実行してもよい。換言すれば、装置20、34Aは、目標駐車枠の一辺に面する通路へ進入する前、または、目標駐車枠の手前の角を曲がる前に走行方法を設定すればよい。