以下の例示的な実施形態等の同様の構成要素には共通の符号を付与して、重複する説明を適宜省略する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の走行システム10の概略を説明する平面図である。走行システム10は、自動バレー駐車等のように、車両16を駐車する駐車場CPにおける駐車等の走行を支援する。駐車場CPには、例えば、路面の複数の区画線DLによって区切られた複数の駐車枠PF01、PF02、・・・、PF10が設けられている。駐車枠PF01、PF02、・・・、PF10のそれぞれを区別する必要がない場合、駐車枠PFと記載する。
車両16が走行する駐車場CPの走行路PW及び走行路PWの周辺には、車両16の位置検出用の認識対象ROa、RObが設けられている。認識対象ROa、RObのそれぞれを区別する必要がない場合、認識対象ROと記載する。認識対象ROaは、例えば、走行路PW及び走行路PWの周辺の路面上に位置検出のために設置されたマーカーであってよい。認識対象RObは、例えば、走行路PW及び走行路PWの周辺に設置され、予め位置情報が登録された壁WL、街灯、ポール、区画線DL、設備及びビル等の建築物等を含む。車両16は、例えば、内燃機関(エンジン、図示されず)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよく、電動機(モータ、図示されず)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよく、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。図1に示すように、走行システム10は、走行管理システム12と、走行支援システム14とを備える。
走行管理システム12は、駐車場CPまたは道路を管理する走行管理センター等に設けられ、車両16の走行及び走行に関する情報等を管理する。例えば、走行管理システム12は、認識対象ROの位置情報を含む対象情報を管理及び更新する。走行管理システム12は、車両16の走行を支援するために認識対象ROの位置情報等を車両16へ送信する。走行管理システム12は、認識対象ROの対象情報と車両16等によって検出された認識対象ROとに差異がある場合、認識対象ROの対象情報を不使用に設定して更新する。
走行支援システム14は、車両16に搭載され、情報を受信可能に無線通信等により走行管理システム12と接続されている。走行支援システム14は、駐車場CPの走行路PW及び走行路PWの周辺に設けられた認識対象ROを検出する。走行支援システム14は、走行管理システム12から取得した認識対象ROの位置情報に基づいて車両16の位置(以下、自車位置)を算出しつつ、車両16を自動運転して目標駐車位置等の目標位置へと導く。
車両16が認識対象ROによって自車位置を精度よく検出できる可能性が低い場合、走行システム10は、認識対象ROの対象情報と車両16等によって検出された認識対象ROとに差異が生じていると判定する。走行システム10が対象情報に差異が生じていると判定する例を説明する。例えば、駐車枠PF03の近傍に設けられた認識対象ROa1のように点線で示す正常な設置位置からの位置ずれが大きい場合、走行システム10は対象情報に差異が生じていると判定する。駐車枠PF07の近傍に設けられた認識対象ROa2のように劣化によって一部が欠けているために、位置情報が示す位置及び当該位置の周辺に検出されるべき認識対象ROが検出されない場合、走行システム10は対象情報に差異が生じていると判定する。駐車枠PF02の近傍に設けられた認識対象ROa3のように他の車両16A等の立体形状の物体OBが認識対象RO上に存在するために、位置情報が示す位置及び当該位置の周辺に検出されるべき認識対象ROが検出されない場合、走行システム10は対象情報に差異が生じていると判定する。駐車枠PF09の近傍に設けられた認識対象ROa4のように汚れが付着しているために、認識対象ROの一部が見えず位置情報が示す位置及び当該位置の周辺に検出されるべき認識対象ROを検出できない場合、走行システム10は対象情報に差異が生じていると判定する。駐車枠PF05の近傍に示す対象情報が存在しない立体形状の物体OBはいずれの対象情報の位置情報とも一致しないので、走行システム10は対象情報に差異が生じていると判定する。一方、駐車枠PF01、PF06の近傍の壁WLは対象情報が存在するので、壁WLの位置は対応する対象情報の位置情報と一致して、走行システム10は対象情報に差異が生じていないと判定する。
図2は、走行システム10の制御系を説明するブロック図である。
図2に示すように、走行管理システム12は、通信部18と、検出部19と、走行管理装置20とを備える。
通信部18は、無線通信等によって、走行支援システム14等の外部の装置と情報を送受信する。通信部18は、走行管理装置20と情報を送受信可能に接続されている。これにより、通信部18は、走行管理装置20と走行支援システム14との通信を中継する。
検出部19は、検出対象を検出するために駐車場CP内の状況を示す場内情報を生成して出力する。検出対象は駐車場CP内の移動体及び静止体を含む。移動体は駐車場CP内で移動する物体であって、例えば、他の車両及び人物等を含む。静止体は壁及びフェンス等を含む。検出部19は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、または、CIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵する1または複数のデジタルカメラである。検出部19は、所定のフレームレートで生成される複数のフレーム画像を含む動画、または、静止画のデータを場内情報として走行管理装置20へ出力する。検出部19は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向の140°~190°の範囲を撮影できることが好ましい。検出部19は、上方から駐車場CPの全範囲を撮像した撮像画像のデータを場内情報として生成する。尚、検出部19は、検出対象までの距離を検出する超音波ソナーまたは測距センサを有し、測距画像を場内情報として出力してもよい。検出部19は、走行管理装置20と情報を送受信可能に接続されている。検出部19は、生成した場内情報を走行管理装置20へ出力する。
走行管理装置20は、駐車場CP内の車両16の駐車を管理する。走行管理装置20は、例えば、コンピュータである。走行管理装置20は、CPU(Central Processing Unit)20aと、ROM(Read Only Memory)20bと、RAM(Random Access Memory)20cと、SSD(Solid State Drive)20dと、HDD(Hard Disk Drive)20eと、バス21とを備える。
CPU20aは、ハードウェアプロセッサの一例であって、SSD20d及びHDD20e等の不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムにしたがって各種の演算処理及び制御を実行する。CPU20aは、例えば、車両16の走行及び走行に必要な情報を管理する出力処理及び更新処理を含む走行管理処理を実行する。
ROM20bは、各プログラム及びプログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶する。RAM20cは、CPU20aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。SSD20d及びHDD20eは、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であって、走行管理装置20の電源がオフされた場合にあってもデータを維持する。
バス21は、CPU20a、ROM20b、RAM20c、SSD20d、HDD20e、通信部18、及び、検出部19を互いに情報を送受信可能に接続する。
走行支援システム14は、複数(例えば、4個)の撮像部22と、複数の測距部23と、車輪速センサ24と、制動システム25と、加速システム26と、操舵システム27と、変速システム28と、モニタ装置32と、通信部33と、走行支援装置34と、車内ネットワーク36とを備える。
複数の撮像部22は、例えば、上述した検出部19と同様のデジタルカメラである。複数の撮像部22のそれぞれは、車両16の周囲に設けられ、MVC(Multi View Camera)として機能する。例えば、複数の撮像部22は、車両16の前後左右に設けられている。これにより、複数の撮像部22は、車両16のほぼ全方位の周辺の画像を撮像できる。撮像部22の光軸は、斜め下方に向けて設定されている。従って、撮像部22は、周辺の対象物、認識対象RO及び区画線DLが設けられた走行路PW及び走行路PWの周辺の路面を含む車両16の周辺を撮像する。撮像部22は、撮像した撮像画像のデータを周辺情報として走行支援装置34へ出力する。
測距部23は、例えば、レーザまたは音波等の検出波を送信して、検出波の送受信時間によって認識対象ROを含む測距対象までの距離を測定するソナーまたは測距センサである。複数の測距部23は、車両16の外周部の前後左右に設けられている。これにより、複数の測距部23は、車両16のほぼ全方位の検出対象を測距できる。測距部23は、測距対象までの距離を周辺情報として走行支援装置34へ出力する。
車輪速センサ24は、車両16の車輪の近傍に設けられたホール素子を有する。車輪速センサ24は、車輪の回転量または単位時間当たりの回転数を検出する。車輪速センサ24は、当該回転量または回転数に対応する車輪速パルス数を示す車輪回転情報を検出して出力する。
制動システム25は、車両16の減速を制御する。制動システム25は、制動部40と、制動制御部42と、制動部センサ44とを有する。制動部40は、例えば、ブレーキ及びブレーキペダル等を含み、車両16を減速させるための装置である。制動制御部42は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU(Electronic Control Unit)等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。制動制御部42は、走行支援装置34からの指示に基づいて、制動部40を制御して、車両16の減速を制御する。制動部センサ44は、例えば、位置センサであって、制動部40がブレーキペダルの場合、制動部40の位置を検出する。制動部センサ44は、検出した制動部40の位置を示す制動部位置情報を車内ネットワーク36に出力する。
加速システム26は、車両16の加速を制御する。加速システム26は、加速部46と、加速制御部48と、加速部センサ50とを有する。加速部46は、例えば、アクセルペダル等を含み、車両16を加速させるための装置である。加速制御部48は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。加速制御部48は、走行支援装置34からの指示に基づいて、加速部46を制御して、車両16の加速を制御する。加速部センサ50は、例えば、位置センサであって、加速部46がアクセルペダルの場合、加速部46の位置を検出する。加速部センサ50は、検出した加速部46の位置を示す加速部位置情報を車内ネットワーク36に出力する。
操舵システム27は、車両16の進行方向を制御する。操舵システム27は、操舵部52と、操舵制御部54と、操舵部センサ56とを有する。操舵部52は、例えば、ハンドルまたはステアリングホイール等を含み、車両16の転舵輪(例えば、前側の車輪)を操作する装置である。操舵制御部54は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。操舵制御部54は、走行支援装置34からの指示舵角に基づいて、操舵部52を制御して、車両16の左右の進行方向を制御する。操舵部センサ56は、例えば、ホール素子等を含む角度センサであって、操舵部52の回転方向の位置(例えば、回転角)を出力する。操舵部センサ56は、検出した操舵部52の回転角を示す操舵角情報を車内ネットワーク36に出力する。
変速システム28は、車両16の変速比を制御する。変速システム28は、変速部58と、変速制御部60と、変速部センサ62とを有する。変速部58は、例えば、シフトレバー等を含み、車両16の変速比及び車両16の前後の進行方向を切り替えるための装置である。変速制御部60は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサを有するECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。変速制御部60は、走行支援装置34からの指示に基づいて、変速部58を制御して、車両16の変速比または車両16の前後の進行方向を制御する。変速部センサ62は、ドライブ、パーキング、及び、リバース等の変速部58の位置を検出する。変速部センサ62は、検出した変速部58の位置を示す変速部位置情報を車内ネットワーク36に出力する。
モニタ装置32は、車両16の車室内のダッシュボード等に設けられている。モニタ装置32は、表示部64と、音声出力部66と、操作入力部68とを有する。
表示部64は、走行支援装置34が送信した画像データに基づいて、画像を表示する。表示部64は、例えば、液晶ディスプレイ、または、有機EL(Electro Luminescence)ディプレイ等の表示装置である。表示部64は、例えば、走行支援に関する画像を表示する。
音声出力部66は、走行支援装置34が送信した音声データに基づいて音声を出力する。音声出力部66は、例えば、スピーカである。音声出力部66は、例えば、走行支援に関する音声を出力する。
操作入力部68は、乗員の入力を受け付ける。操作入力部68は、例えば、タッチパネルである。操作入力部68は、表示部64の表示画面に設けられている。操作入力部68は、表示部64が表示する画像を透過可能に構成されている。これにより、操作入力部68は、表示部64の表示画面に表示される画像を乗員に視認させることができる。操作入力部68は、表示部64の表示画面に表示された画像に対応した位置を乗員が触れることによって入力した指示を受け付けて、走行支援装置34へ送信する。操作入力部68は、例えば、走行支援における目標とする駐車枠の指定等の走行支援に関する入力を受け付ける。尚、操作入力部68は、タッチパネルに限らず、押しボタン式等のハードスイッチであってもよい。
通信部33は、無線通信等によって、走行管理システム12等の外部の装置と情報を送受信する。通信部33は、車内ネットワーク36を介して、走行支援装置34と情報を送受信可能に接続されている。これにより、通信部33は、走行支援装置34と走行管理システム12との通信を中継する。
走行支援装置34は、ECU等のマイクロコンピュータを含むコンピュータである。走行支援装置34は、撮像部22から撮像画像のデータを取得する。走行支援装置34は、撮像画像等に基づいて生成した画像または音声に関するデータをモニタ装置32へ送信する。走行支援装置34は、運転者への指示、及び、運転者への通知等の画像または音声に関するデータをモニタ装置32へ送信する。走行支援装置34は、走行管理システム12から取得した認識対象ROの位置情報によって自車位置を算出し、当該自車位置に基づいて車両16を自動運転して目標駐車位置等の目標位置まで走行させる。走行支援装置34は、CPU34aと、ROM34bと、RAM34cと、表示制御部34dと、音声制御部34eと、SSD34fとを備える。CPU34a、ROM34b及びRAM34cは、同一パッケージ内に集積されていてもよい。
CPU34aは、ハードウェアプロセッサの一例であって、ROM34b等の不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムにしたがって各種の演算処理及び制御を実行する。CPU34aは、例えば、自動運転を実行して車両16の走行を支援する走行支援処理を実行する。
ROM34bは、各プログラム及びプログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶する。RAM34cは、CPU34aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。表示制御部34dは、走行支援装置34での演算処理のうち、主として、撮像部22で得られた画像の画像処理、表示部64に表示させる表示用の画像のデータ変換等を実行する。音声制御部34eは、走行支援装置34での演算処理のうち、主として、音声出力部66に出力させる音声の処理を実行する。SSD34fは、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であって、走行支援装置34の電源がオフされた場合にあってもデータを維持する。
車内ネットワーク36は、測距部23と、車輪速センサ24と、制動システム25と、加速システム26と、操舵システム27と、変速システム28と、モニタ装置32の操作入力部68と、通信部33と、走行支援装置34とを互いに情報を送受信可能に接続する。
図3は、走行システム10の機能を説明する機能ブロック図である。
図3に示すように、走行管理装置20は、管理側処理部70と、管理側記憶部72とを有する。
管理側処理部70は、例えば、CPU20aの機能として実現される。管理側処理部70は、管理側取得部74と、更新部の一例である管理側更新部75と、出力部の一例である管理側出力部76とを有する。管理側処理部70は、例えば、管理側記憶部72に記憶された走行管理プログラム77を読み込むことによって、管理側取得部74、管理側更新部75及び管理側出力部76として機能してよい。管理側取得部74、管理側更新部75及び管理側出力部76の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の回路によって構成してもよい。
管理側取得部74は、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異がある場合、当該認識対象ROの差異に関する情報である差異情報を、通信部18を介して、走行支援装置34から取得する。管理側取得部74は、取得した差異情報を管理側更新部75へ出力する。
管理側更新部75は、認識対象ROの位置情報を含み予め記憶された対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異がある場合、認識対象ROの対象情報を更新する。例えば、管理側更新部75は、走行支援装置34が出力した差異情報であって、認識対象ROに差異である旨及び認識対象ROを識別する識別情報を含む差異情報を管理側取得部74から取得する。管理側更新部75は、差異情報が示す識別情報に基づいて、管理側記憶部72に格納されている地図情報79の認識対象データベース(DB:DataBase)78に含まれる複数の認識対象ROの対象情報のうち、対応する認識対象ROの対象情報を更新する。具体的には、管理側更新部75は、差異情報を取得すると、対象情報に含まれ、認識対象ROの使用可否に関する情報である使用情報を不使用に設定して更新してよい。使用情報は、認識対象ROを使用できるか、または、使用すべきでないかを示す。
管理側出力部76は、通信部18を介して、走行支援装置34へ認識対象ROの対象情報及び駐車場CPの地図情報79を走行路PW上で半自動運転を含む自動運転によって自律的に走行可能な車両16に出力する。尚、管理側出力部76は、管理側更新部75によって対象情報が更新されている場合、更新された対象情報を出力する。従って、管理側出力部76は、対象情報が更新されて、使用情報が使用となっている対象情報を出力し、不使用となっている対象情報は出力しなくてもよい。尚、管理側出力部76が不使用となっている対象情報を含む全ての対象情報を出力してもよい。この場合、車両16の走行支援システム14が、不使用となっている対象情報以外の使用となっている対象情報の認識対象ROによって車両16の自車位置を算出してよい。管理側出力部76は、駐車場CPに入場した車両16を検出すると、対象情報及び駐車場CPを当該車両16の走行支援装置34へ出力してよい。管理側出力部76は、例えば、検出部19から取得した場内情報に基づいて車両16の入場を検出してよい。または、管理側取得部74は、走行支援装置34からの要求に応じて対象情報を含む地図情報79を走行支援装置34へ出力してよい。
管理側記憶部72は、ROM20b、RAM20c、SSD20d及びHDD20eの機能として実現される。管理側記憶部72は、管理側処理部70が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ、及び、プログラムの実行によって生成されたデータ等を記憶する。例えば、管理側記憶部72は、管理側処理部70が実行する走行管理プログラム77を記憶する。走行管理プログラム77は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)またはDVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体によって提供されてよく、または、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。管理側記憶部72は、走行管理プログラム77を実行する際に必要な認識対象データベース78を含む地図情報79を記憶する。地図情報79は、駐車場CP内の駐車枠PF及び走行路PWの位置等を示す。管理側記憶部72は、走行管理プログラム77の実行によって生成された差異情報を一時的に記憶する。
走行支援装置34は、支援側処理部80と、支援側記憶部82とを有する。
支援側処理部80は、例えば、CPU34aの機能として実現される。支援側処理部80は、取得部の一例である支援側取得部84と、運転支援部86とを有する。支援側処理部80は、走行支援プログラム87を読み込むことによって、支援側取得部84及び運転支援部86として機能してよい。支援側取得部84及び運転支援部86の一部または全部は、ASIC及びFPGA等の回路によって構成してもよい。
支援側取得部84は、走行管理装置20から対象情報を含む地図情報79を取得する。支援側取得部84は、取得した対象情報を含む地図情報79を運転支援部86へ出力する。
運転支援部86は、取得した対象情報を含む地図情報79に基づく半自動運転を含む自動運転によって車両16を走行路PW上で自律的に走行させて目標駐車枠の目標位置に駐車する。具体的には、運転支援部86は、取得した対象情報を含む地図情報79に基づいて既知の方法によって目標位置までの走行経路を設定する。運転支援部86は、車輪速センサ24及びシステム25、26、27、28から車輪回転情報、制動部位置情報、加速部位置情報、操舵角情報、及び、変速部位置情報等の車両情報を取得する。運転支援部86は、車両情報及び走行経路に基づいて制御部42、48、54、60に制動部40、加速部46、操舵部52及び変速部58を制御するための制御指示を出力する。これにより、運転支援部86は、車両16を自律的に自動運転して目標位置へと走行させる。
ここで、運転支援部86は、自動運転中、車両情報に基づいて自車位置を算出する。具体的には、運転支援部86は、車両情報に含まれる車輪回転情報に基づいて車両16の移動距離を算出するとともに、操舵角情報に基づいて車両16の進行方向を算出する。運転支援部86は、移動距離及び進行方向に基づいて、予め定められた駐車場CP内の基準位置に対する車両16の絶対位置を算出して、当該絶対位置を駐車場CP内の自車位置として算出する。運転支援部86は、車両情報から算出した自車位置を支援側記憶部82に時系列で記憶させてよい。運転支援部86は、自車位置、または、自車位置を原点とする自車位置座標系に基づいて、車両16を自動運転する。
また、運転支援部86は、自動運転中、認識対象ROに基づいて自車位置を算出する。尚、認識対象ROによる自車位置の算出の時間間隔は、車両情報による自車位置の算出時間間隔よりも長くてよい。換言すれば、運転支援部86は、車両情報によって自車位置を複数回算出するごとに、認識対象ROによって自車位置を1回算出してよい。具体的には、運転支援部86は、撮像部22から車両16の周辺の撮像画像を取得する。運転支援部86は、撮像画像に含まれる認識対象ROの画像に基づいて、自車位置を算出する。例えば、運転支援部86は、撮像画像の認識対象ROに対する車両16の相対位置を算出する。運転支援部86は、相対位置、及び、走行管理装置20から取得した対象情報が示す認識対象ROの位置情報に基づいて、予め定められた駐車場CP内の基準位置に対する車両16の絶対位置を算出して、当該絶対位置を駐車場CP内の自車位置として算出する。運転支援部86は、認識対象ROの対象情報から算出した自車位置を支援側記憶部82に時系列で記憶させてよい。ここで、運転支援部86は、新たな認識対象ROによって自車位置を算出すると、当該自車位置に基づいて、車両情報に基づいて算出した自車位置を補正する。換言すれば、運転支援部86は、新たな認識対象ROによって自車位置を算出した後は、当該自車位置を基準とする自車位置を車両情報に基づいて算出する。尚、自車位置の補正は、自車位置を原点とする自車位置座標系の補正であってよい。
更に、運転支援部86は、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異があるか否かを判定する差異判定部として機能してよい。具体的には、運転支援部86は、車両情報から算出される車両16の自車位置と、検出した認識対象ROの位置及び対象情報の位置情報から算出される車両16の自車位置との位置ずれに基づいて、認識対象ROの対象情報の位置情報と検出された認識対象ROの検出結果の位置とに差異があるか否かを判定してよい。位置ずれは、差異の一例である。ここで、位置ずれを算出する車両情報による自車位置と認識対象ROによる自車位置の算出時刻は同じであることが好ましい。例えば、運転支援部86は、当該位置ずれが予め定められた閾値誤差より大きい場合、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異があると判定してよい。この場合、車両16は算出対象の一例となる。また、車両情報から算出される自車位置が第1位置であって、認識対象ROの対象情報から算出される自車位置が第2位置である。尚、運転支援部86は、走行経路のうち、車両情報による自車位置の算出精度の高い走行安定領域で認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異があるか否かを判定してよい。走行安定領域は、例えば、走行経路のうち直進中または操舵角一定となる領域である。運転支援部86は、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異があると判定すると、対象情報から算出した自車位置によって車両情報による自車位置を補正することなく、差異があると判定した認識対象ROの識別情報及び認識対象ROに差異があることを示す差異情報を走行管理装置20へ出力する。
支援側記憶部82は、ROM34b、RAM34c、及び、SSD34fの機能として実現される。支援側記憶部82は、支援側処理部80が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ、及び、プログラムの実行によって生成されるデータ等を記憶する。支援側記憶部82は、例えば、支援側処理部80が実行する走行支援プログラム87を記憶する。走行支援プログラム87は、CD-ROMまたはDVD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体によって提供されてよく、または、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。支援側記憶部82は、走行支援プログラム87の実行によって生成される走行経路、認識対象ROの対象情報、閾値誤差及び車両16の自車位置等のデータを一時的に記憶する。
図4は、自車位置の算出及び補正について説明する平面図である。図4において、車両16は右上に示す位置から実線の矢印に沿って移動する。白丸は、車両情報によって算出された自車位置を示す。黒丸は、検出した認識対象ROの対象情報によって算出された自車位置を示す。
図4に示すように、車両16の運転支援部86は、白丸で示すように、自車位置を算出しつつ自動運転によって車両16を走行させる。運転支援部86は、認識対象ROを検出すると、認識対象ROに基づいて自車位置を算出する。ここで、車両16が直進している走行安定領域Ar1において、白丸Dt1で示す車両情報に基づいて算出した自車位置が黒丸Dt2で示す認識対象ROに基づいて算出した自車位置と位置ずれがある場合、運転支援部86は、当該位置ずれと閾値誤差とを比較して、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異があるか否かを判定する。当該位置ずれが閾値誤差より小さい場合、運転支援部86は、当該認識対象ROが正常であると判定し、車両情報で算出した自車位置を認識対象ROに基づいて算出した自車位置に補正する。この後、運転支援部86は、次に認識対象ROを検出するまで、黒丸Dt2で示す自車位置から車両情報に基づいて自車位置を算出する。更に、運転支援部86は、上述の処理を繰り返して、白丸Dt3に示す車両情報に基づいて算出した自車位置と、黒丸Dt4に示す次の認識対象ROに基づいて算出した自車位置との位置ずれが閾値誤差より小さい場合、認識対象ROによる自車位置によって車両情報による自車位置を補正する。
一方、白丸Dt5で示す車両情報によって算出した自車位置と、設置位置がずれている認識対象ROa1によって算出した黒丸Dt6で示す自車位置との位置ずれが閾値誤差より大きい場合、運転支援部86は、当該認識対象ROの対象情報に差異があると判定する。この場合、点線丸Dt7で示すように補正することによって自車位置の誤差が大きくなるので、運転支援部86は、車両情報で算出した自車位置を認識対象ROに基づいて算出した自車位置で補正せずに、差異情報を走行管理装置20へ出力する。
尚、運転支援部86は、走行安定領域Ar1以外の領域Ar2の場合、差異があるか否かの判定をしない。領域Ar2は、例えば、操舵角が変化している領域であって、走行経路がクロソイド曲線となっている領域である。
図5は、認識対象データベース78の一例を示すテーブルである。図5に示すように、認識対象データベース78は、識別情報と、対象情報とを関連付けている。識別情報は、認識対象ROを識別するための情報であって、認識対象ROごとに異なる情報が付与されている。対象情報は、走行路PW上等に設定された基準位置に対する認識対象ROの位置を示す位置情報と、認識対象ROの形状情報と、使用情報とを含む。形状情報は、認識対象ROの形状を示す情報であって、画像情報であってよい。尚、形状情報は、認識対象ROの形状の特徴点を抽出した情報であってもよい。使用情報は、認識対象ROの使用または不使用を示すフラグである。例えば、使用情報のフラグが“1”であれば対応する認識対象ROが使用できることを示し、“0”であれば対応する認識対象ROが使用できないことを示す。
管理側更新部75は、走行支援装置34から認識対象ROの対象情報に差異がある旨を示す差異情報を取得すると、対応する認識対象ROの使用情報を“0”に上書きして更新する。管理側出力部76は、使用情報が“1”である認識対象ROの対象情報を走行支援装置34へ出力し、使用情報が“0”である認識対象ROの対象情報は出力しない。これにより、運転支援部86は、使用情報が“1”である認識対象ROに基づいて自車位置を算出し、使用情報が“0”である認識対象ROを検出しても当該認識対象ROに基づいて自車位置を算出しない。
図6は、走行システム10が実行する第1実施形態の走行処理のフローチャートである。図6の左上図は、走行処理のうち、走行管理装置20が実行する走行管理処理の出力処理のフローチャートである。左下図は、走行処理のうち、走行管理装置20が実行する走行管理処理の更新処理のフローチャートである。右図は、走行処理のうち、走行支援装置34が実行する走行支援処理のフローチャートである。
図6の左上図に示す走行管理処理の出力処理において、走行管理装置20の管理側出力部76は、駐車場CP内を撮像した撮像画像を場内情報として検出部19から取得する(Sa102)。管理側出力部76は、場内情報に基づいて車両16が入場したか否かを判定する(Sa104)。管理側出力部76は、車両16が入場するまで(Sa104:No)、ステップSa102以降を繰り返す。管理側出力部76は、車両16が入場したと判定すると(Sa104:Yes)、認識対象データベース78の認識対象ROの対象情報を含む地図情報79を管理側記憶部72から取得する(Sa106)。尚、管理側出力部76は、対象情報が更新されている場合、更新されている対象情報を取得する。管理側出力部76は、通信部18を介して、対象情報を含む地図情報79を車両16の走行支援装置34へ出力する(Sa108)。
図6の右図に示す走行支援処理において、走行支援装置34の支援側取得部84は、対象情報を含む地図情報79を取得したか否かを判定する(Sb112)。支援側取得部84は、対象情報を含む地図情報79を取得するまで待機状態となる(Sb112:No)。
支援側取得部84は、対象情報を含む地図情報79を取得すると(Sb112:Yes)、対象情報を含む地図情報79を運転支援部86へ出力する。
運転支援部86は、地図情報79に基づいて空車の駐車枠PFのいずれかを目標駐車枠として選択し、当該目標駐車枠内に設定された目標位置までの走行経路を算出する(Sb114)。運転支援部86は、複数の空車の駐車枠PFがある場合、モニタ装置32に空車の駐車枠PFを表示させて、操作入力部68によって運転手に目標駐車枠を選択させてもよい。運転支援部86は、走行経路を算出する際に、走行経路上の走行安定領域を設定してよい。運転支援部86は、走行経路に沿って、制御部42、48、54、60に制御指示を出力して、車両16の自動運転を開始する(Sb116)。
運転支援部86は、車輪回転情報及び操舵角情報を含む車両情報を車輪速センサ24及び操舵部センサ56から取得する(Sb118)。運転支援部86は、車両情報に基づいて自車位置を算出する(Sb120)。運転支援部86は、車両情報から算出した自車位置に基づいて、車両16が走行安定領域を走行中か否かを判定する(Sb121)。運転支援部86は、車両16が走行安定領域以外を走行中と判定すると(Sb121:No)、ステップSb136を実行する。
運転支援部86が、走行安定領域を車両16が走行中と判定すると(Sb121:Yes)、支援側取得部84は撮像画像及び測距情報を周辺情報として撮像部22及び測距部23から取得して運転支援部86へ出力する(Sb122)。運転支援部86は、周辺情報に基づいて認識対象ROを検出できるか否かを判定する(Sb124)。例えば、認識対象ROの画像が撮像画像に含まれていない場合、運転支援部86は、認識対象ROが検出できないと判定し(Sb124:No)、ステップSb136を実行する。運転支援部86は、例えば、認識対象ROの画像が撮像画像に含まれている場合、運転支援部86は、認識対象ROが検出できたと判定し(Sb124:Yes)、認識対象ROに基づいて自車位置を算出する(Sb126)。
運転支援部86は、車両情報による自車位置及び認識対象ROによる自車位置の位置ずれを算出する(Sb128)。運転支援部86は、2つの自車位置の位置ずれに基づいて、検出された認識対象ROの検出結果に対して認識対象ROの対象情報に差異があるか否かを判定する(Sb130)。位置ずれが閾値誤差より小さい場合、運転支援部86は、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異がないと判定して(Sb130:No)、車両情報に基づく自車位置を認識対象ROから算出した自車位置によって補正した後(Sb132)、ステップSb136を実行する。
運転支援部86は、位置ずれが閾値誤差より大きい場合、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異があると判定して(Sb130:Yes)、認識対象ROに差異がある旨及び認識対象ROを識別する識別情報を含む差異情報を生成して走行管理装置20へ出力した後(Sb134)、ステップSb136を実行する。運転支援部86は、認識対象ROの識別情報、及び、認識対象ROに差異がある旨の情報を含む差異情報を走行管理装置20へ出力してよい。
運転支援部86は、算出または補正した自車位置に基づいて目標位置に達したか否かを判定する(Sb136)。運転支援部86は、目標位置に達していないと判定すると(Sb136:No)、ステップSb118以降を繰り返して、自動運転を継続する。運転支援部86は、目標位置に達したと判定すると(Sb136:Yes)、走行支援処理を終了する。
図6の左下図に示す走行管理処理の更新処理において、管理側取得部74は、差異情報を走行支援装置34から取得したか否かを判定する(Sa142)。管理側取得部74は、差異情報を取得するまで待機状態となる(Sa142:No)。管理側取得部74は、差異情報を取得すると(Sa142:Yes)、差異情報を管理側更新部75へ出力する(Sa144)。管理側更新部75は、差異情報に基づいて認識対象データベース78の対象情報を更新する(Sa144)。具体的には、管理側更新部75は、差異情報が示す認識対象ROの識別情報に基づいて、対応する認識対象ROの対象情報のうち、使用情報を“0”にして、当該認識対象ROを不使用に変更する。この後、管理側処理部70は、ステップSa142以降を繰り返す。
上述したように第1実施形態の走行管理装置20は、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異がある場合、認識対象ROの対象情報を更新している。これにより、走行管理装置20は、設置位置のずれ等に起因する対象情報と検出された認識対象ROとの差異を抑制して、対象情報を実際の認識対象ROの状態に近づけることができる。従って、走行管理装置20は、走行支援装置34が差異のある認識対象ROに基づいて車両16の位置を算出することによる算出精度の低下を抑制できる。この結果、走行管理装置20は、走行支援装置34に正常な認識対象ROによって車両16の位置を算出させて、位置の算出精度を向上させることができる。
上述したように走行管理装置20は、本来一致すべき車両情報から算出した車両16の位置と認識対象ROから算出した車両16の位置との位置ずれに基づいて、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異があるか否かを判定している。これにより、走行管理装置20は、検出できるが設置位置がずれている認識対象ROに基づいて走行支援装置34が車両16の位置を誤った位置に算出することを抑制できる。
上述したように走行管理装置20は、認識対象ROの対象情報に含まれる使用情報を不使用に設定することによって、走行支援装置34が設置位置がずれて正常でない認識対象ROによって車両16の位置を算出することを抑制できる。
上述したように走行管理装置20は、走行安定領域を走行中の車両16の車両情報に基づいて位置ずれを算出して差異を判定している。即ち、走行管理装置20は、算出精度の高い車両情報による車両16の位置に基づく位置ずれによって、不要な対象情報の更新を抑制し、正しく対象情報を更新できる。
上述したように走行管理装置20は、自律的に走行するために対象情報を必要とする車両16に対象情報を出力するので、不要な対象情報の出力を低減できる。
上述したように走行支援装置34は、検出した認識対象ROと対象情報とに差異がある場合、差異情報を出力するので、差異のある対象情報を管理する走行管理装置20に更新させることができる。
上述したように走行支援装置34は、車両16を自律的に走行させる際に、検出した認識対象RO及び認識対象ROの対象情報の位置情報によって車両16を適切に走行させることができる。
<第2実施形態>
走行管理装置20が、対象情報の位置情報を差異である位置ずれに基づいて補正して更新する第2実施形態について説明する。
第2実施形態の走行支援装置34の運転支援部86は、認識対象ROの識別情報、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異がある旨の情報、及び、補正情報を含む差異情報を走行管理装置20へ出力してよい。補正情報は、車両16が走行安定領域を走行中において、車両情報から算出された自車位置と認識対象ROから算出された自車位置との位置ずれの大きさ及び方向であってよい。尚、運転支援部86は、位置ずれの情報に代えて、車両情報から算出した認識対象ROの位置を補正情報としてよい。
第2実施形態の走行管理装置20では、管理側取得部74は、走行支援装置34から取得した差異情報を管理側更新部75へ出力する。
管理側更新部75は、差異情報の補正情報が示す認識対象ROの位置ずれに基づいて、対象情報に含まれる位置情報を補正して更新する。具体的には、管理側更新部75は、補正情報が示す位置ずれの大きさ及び方向に基づいて走行支援装置34によって検出された認識対象ROの位置を算出する。管理側更新部75は、算出した位置に基づいて対応する認識対象ROの対象情報の位置情報を補正する。ここで、管理側更新部75は、複数の車両16が検出した同じ認識対象ROの複数の位置ずれを示す補正情報を含む差異情報を取得した場合、当該差異情報の補正情報から算出される一の認識対象ROの複数の位置の平均値を算出して、当該平均値によって認識対象データベース78の対象情報の位置情報を補正してよい。
管理側出力部76は、認識対象ROの対象情報の位置情報が補正されて更新されている場合、当該更新済みの位置情報を走行支援装置34へ出力する。
図7は、第2実施形態の更新処理のフローチャートである。
図7に示す第2実施形態の更新処理において、管理側取得部74は、認識対象ROを補正するための補正情報を含む差異情報を走行支援装置34から取得したか否かを判定する(Sa142)。管理側取得部74は、差異情報を取得すると(Sa142:Yes)、差異情報を管理側更新部75へ出力する(Sa144)。
管理側更新部75は、差異情報を取得すると、差異情報に含まれる補正情報に基づいて、認識対象ROの位置を算出する(Sa248)。管理側更新部75は、既に、同じ認識対象ROの差異情報を複数回取得して、認識対象データベース78の認識対象ROの位置情報を補正している場合、当該位置情報が示す位置と今回算出した認識対象ROの位置との平均値を、新たな認識対象ROの位置として算出する(Sa249)。
管理側更新部75は、算出した認識対象ROの位置または位置の平均値によって、認識対象データベース78の対応する認識対象ROの位置情報を上書きして補正することにより更新する(Sa250)。この後、管理側処理部70は、ステップSa142以降を繰り返す。
この後、出力処理において、管理側出力部76は、補正された更新済みの認識対象ROの対象情報の位置情報を走行支援装置34へ出力する。
走行支援装置34では、走行支援処理において、運転支援部86が、認識対象ROを検出すると、補正された更新済みの対象情報の位置情報に基づいて、自車位置を算出する。
上述したように、第2実施形態の走行管理装置20は、車両情報から算出した車両16の位置と認識対象ROから算出した車両16の位置との位置ずれに基づいて、対象情報に含まれる位置情報を補正している。これにより、走行管理装置20は、設置位置がずれている認識対象ROの対象情報を正常化することができる。この結果、走行管理装置20は、走行支援装置34が使用可能な認識対象ROを増やすことができるので、車両16の位置の検出精度を向上させることができる。
走行管理装置20は、複数の車両16の各走行支援装置34が算出した位置ずれから算出した平均値によって、対象情報の位置情報を補正している。これにより、走行管理装置20は、一の車両16が誤った位置ずれを算出した場合でも、対象情報の位置情報を高い精度で補正することができる。
上述したように走行管理装置20は、走行安定領域を走行中の車両16の車両情報に基づいて位置ずれを算出している。即ち、走行管理装置20は、算出精度の高い車両情報による車両16の位置に基づく位置ずれによって、対象情報の位置情報をより精度高く更新できる。
<第3実施形態>
走行支援装置34が、対象情報に基づいて認識可能な認識対象ROを検出できない場合に差異情報を出力する第3実施形態について説明する。
第3実施形態の運転支援部86は、車両16が認識可能領域を走行しているにも関わらず、対象情報の位置情報が示す位置に周辺情報に基づいて認識対象ROを認識可能領域内で検出できない場合、差異情報を生成して、走行管理装置20へ出力する。換言すれば、運転支援部86は、検出できる認識対象ROが検出できないことを対象情報に差異があると判定して、差異情報を出力する。認識可能領域は、認識対象ROを検出できる領域であって、対象情報の位置情報が示す位置を含む領域である。例えば、認識可能領域は、対象情報の位置情報が示す位置を中心とした半径数十cmの円形領域であってよい。運転支援部86は、周辺情報のうち、撮像画像に基づいて、認識対象ROを検出できるか否かを判定してよい。例えば、運転支援部86は、撮像画像内に、対象情報に含まれる認識対象ROの形状情報に一致または近似する認識対象ROが認識可能領域に存在しない場合、認識対象ROを検出できないと判定してよい。
管理側更新部75は、差異情報を取得すると、対応する対象情報の使用情報を不使用に設定して更新する。
図8は、第3実施形態の走行支援処理のフローチャートである。第1実施形態のステップと同様の第3実施形態のステップについては、説明を簡略化または省略する。
図8に示す第3実施形態の走行支援処理において、運転支援部86は、第1実施形態と同様にステップSb112からSb120までを実行した後、走行安定領域を走行していると判定すると(Sb121:Yes)、支援側取得部84は周辺情報を取得して運転支援部86へ出力する(Sb122)。
運転支援部86は、車両情報による自車位置、及び、対象情報が示す認識対象ROの位置情報に基づいて、車両16が認識対象ROを検出できる認識可能領域を走行中か否かを判定する(Sb323)。運転支援部86は、認識可能領域でないと判定すると(Sb323:No)、ステップSb136を実行する。
運転支援部86は、車両16が認識可能領域を走行中であると判定すると(Sb323:Yes)、認識対象ROを検出できるか否かを判定する(Sb324)。運転支援部86は、認識可能領域に存在すべき認識対象ROを検出できない場合(Sb324:No)、認識対象ROの対象情報に差異があると判定する(Sb333)。運転支援部86は、差異がある旨及び認識対象ROを検出できない旨の差異情報を生成して出力する(Sb334)。これにより、走行管理装置20では、管理側更新部75が、例えば、対応する認識対象ROの対象情報の使用情報を不使用に設定して更新する。運転支援部86は、認識対象ROを検出できた場合(Sb324:Yes)、ステップSb126以降を実行する。
第3実施形態の走行支援装置34は、欠損及び汚れ等によって認識対象ROを検出できない場合、認識対象ROの対象情報に差異があるとして、走行管理装置20へ差異情報を出力している。これにより、走行管理装置20は、検出できない認識対象ROの対象情報を不使用等に更新できる。この結果、走行管理装置20は、更新後において、検出できない認識対象ROの認識処理を走行支援装置34から省略させることができる。
第3実施形態の走行システム10では、車両16の走行支援システム14が認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROとの差異を判定している。これにより、走行管理システム12が場内の状態を検出する撮像装置等の検出部19を備えていない場合でも、走行管理装置20は、認識対象ROの差異を認識対象データベース78の対象情報に反映させることができる。これにより、走行システム10は、車両16が駐車場CP等の走行路PWを走行することにより上述の効果を奏することができるので、駐車場CP等に設置される走行管理システム12の構成を簡略化できるとともに、運用コストの低減を実現できる。また、走行システム10は、走行路PWを管理する管理者等によらず早期に認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROとの差異を検出できるので、認識対象ROの誤検出等を抑制できる。
<第4実施形態>
走行支援装置34が、認識対象RO上に他の車両16A及び障害物等の物体OBを検出した場合に差異情報を出力する第4実施形態について説明する。
第4実施形態の運転支援部86は、周辺情報に基づいて検出した立体形状の物体OBの位置がいずれの対象情報の位置情報とも一致しない場合、対象情報に差異がある旨及び物体OBの位置情報を含む差異情報を生成して、走行管理装置20へ出力する。運転支援部86は、撮像部22及び測距部23によって生成された周辺情報のうち、測距情報に基づいて、立体形状の物体OBが存在しているか否かを判定してよい。
図9は、第4実施形態の走行支援処理のフローチャートである。上述の実施形態のステップと同様の第4実施形態のステップについては、説明を簡略化または省略する。
図9に示す第4実施形態の走行支援処理において、運転支援部86は、第1実施形態と同様にステップSb112からSb120までを実行した後、走行安定領域を走行していると判定すると(Sb121:Yes)、支援側取得部84は周辺情報を取得して運転支援部86へ出力する(Sb122)。
運転支援部86は、周辺情報に基づいて、物体OBがあるか否かを判定する(Sb433)。運転支援部86は、物体OBがあると判定すると(Sb433:Yes)、対象情報に差異があるか否かを判定する(Sb434)。運転支援部86は、物体OBの位置情報がいずれかの対象情報の位置情報と一致する場合、即ち、当該物体OBの対象情報が登録されている場合、対象情報に差異がないと判定して(Sb434:No)、ステップSb323以降を実行する。運転支援部86は、物体OBの位置情報がいずれの対象情報の位置情報とも一致しない場合、差異があると判定して(Sb434:Yes)、対象情報に差異がある旨及び物体OBの位置情報を含む差異情報を生成して出力した後(Sb435)、ステップSb323以降を実行する。これにより、走行管理装置20では、管理側更新部75が、例えば、物体OBの位置情報を含む対象情報を追加して更新する。運転支援部86は、物体OBがないと判定すると(Sb433:No)、ステップSb323以降を実行する。
運転支援部86は、車両情報による自車位置、及び、対象情報が示す認識対象ROの位置情報に基づいて、車両16が認識対象ROを検出できる認識可能領域を走行中か否かを判定する(Sb323)。運転支援部86は、認識可能領域でないと判定すると(Sb323:No)、ステップSb136を実行する。
運転支援部86は、車両16が認識可能領域を走行中であると判定すると(Sb323:Yes)、認識対象ROを検出できるか否かを判定する(Sb324)。運転支援部86は、認識対象ROを検出できない場合(Sb324:No)、ステップSb333以降を実行する。
運転支援部86は、認識対象ROを検出できた場合(Sb324:Yes)、ステップSb126以降を実行する。
第4実施形態の走行支援装置34は、対象情報が登録されていない物体OBが存在する場合、対象情報に差異があるとして、走行管理装置20へ差異情報を出力している。これにより、走行管理装置20は、未登録の物体OBの対象情報を追加することができる。更に、走行支援装置34が物体OBの位置情報を含む差異情報を出力することにより、走行管理装置20は、物体OBの位置情報を含む対象情報を追加することができる。
第4実施形態の走行システム10では、車両16の走行支援システム14が撮像部22及び測距部23による周辺情報に基づいて駐車場CP内の物体OBを検出して対象情報と物体OBの検出された認識対象ROとの差異を判定して差異情報を出力している。これにより、走行管理システム12が駐車場CP内の状態を検出する撮像装置等の検出部19を備えていない場合でも、走行管理装置20は、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROとの差異を認識対象データベース78の対象情報に反映させることができる。これにより、走行システム10は、車両16が駐車場CP等の走行路PWを走行することにより上述の効果を奏することができるので、駐車場CP等に設置される走行管理システム12の構成を簡略化できるとともに、駐車場CPの運用コストの低減を実現できる。また、走行システム10は、走行路PWを管理する管理者等によらず早期に対象情報のない物体OBを検出できるので、管理者は障害物等の物体OBを早期に排除することができる。
上述した各実施形態の構成の機能、接続関係、個数、配置等は、発明の範囲及び発明の範囲と均等の範囲内で適宜変更、削除等してよい。各実施形態を適宜組み合わせてもよい。各実施形態の各ステップの順序を適宜変更してよい。
上述の実施形態では、駐車場CP内の自動運転における処理について説明したが、駐車場CP以外の一般道及び高速道路等の走行路PWにおける自動運転に上述の各処理を適用してもよい。
上述の実施形態では、運転支援部86は、車両情報から算出した走行経路上の自車位置に基づいて、車両16が走行安定領域内か否かを判定したが、走行安定領域内であるか否かの判定はこの方法に限定されない。例えば、運転支援部86は、車両情報に含まれる操舵角情報に基づいて、車両16が走行安定領域を走行しているか否かを判定してもよい。具体的には、運転支援部86は、操舵角の変化が閾値角度変化より小さければ、車両16が走行安定領域を走行していると判定してよい。
上述の第1実施形態では、認識対象ROの対象情報と検出された認識対象ROの検出結果とに差異がある場合、走行管理装置20が、対応する認識対象ROの使用状態を不使用に設定して更新する例を挙げたが、更新方法はこれに限定されない。例えば、走行管理装置20は、検出された認識対象ROに対して対象情報が閾値回数より多く差異があると判定された場合、当該認識対象ROの対象情報に差異があるとし、使用状態を不使用に設定して更新してもよい。
上述の実施形態では、車両16の走行支援装置34が周辺情報に基づいて認識対象ROの対象情報に差異があるか否かを判定する例を挙げたが、認識対象ROの対象情報に差異があるか否かを判定する方法はこれに限定されない。例えば、走行管理装置20は、検出部19が検出した走行路PW及び走行路PWの周辺の場内情報に基づいて、認識対象ROの位置ずれ、破損、及び、物体OBを検出して、対象情報の差異を判定してよい。この場合、走行管理装置20が、差異判定部としての機能を有する。また、走行支援装置34は検出した認識対象ROの検出結果(例えば、生データ)を差異情報として走行管理装置20に出力し、走行管理装置20は当該検出結果に基づいて対象情報との差異を算出して、対象情報を更新してもよい。
上述の実施形態では、運転支援部86が、車両情報及び対象情報から算出された2つの自車位置のずれを位置ずれとして算出したが、位置ずれを算出するための位置は自車位置に限定されない。例えば、運転支援部86は、車両情報から算出される自車位置に対する認識対象ROの位置と、対象情報の位置情報から算出される自車位置に対する認識対象ROの位置とのずれを位置ずれとして算出してよい。当該位置ずれが閾値誤差より大きい場合、運転支援部86は、認識対象ROの対象情報に差異があると判定してよい。この場合、認識対象ROが算出対象の一例となる。また、車両情報から算出される認識対象ROの位置が第1位置であって、認識対象ROの対象情報から算出される認識対象ROの位置が第2位置である。
上述の実施形態では、周辺情報を生成する撮像部22及び測距部23が、車両16の前後左右に設けられている例を挙げて説明したが、撮像部22及び測距部23が設置される位置は適宜変更してよい。
上述の第2実施形態において、補正情報が位置ずれの大きさ及び方向である例を挙げて説明したが補正情報はこれに限定されない。例えば、補正情報は、車両情報及び認識対象から算出された自車位置の情報(例えば、座標情報)であってよい。この場合、走行管理装置20が、自車位置に基づいて位置ずれを算出してよい。
運転支援部86は、車両情報から算出した自車位置と認識対象ROから算出した自車位置との位置ずれが認識対象ROを検出するごとに発生し、各位置ずれの大きさ及び方向がほぼ同じである場合、車両情報である車輪回転情報または操舵角情報に誤差があると判定して、モニタ装置32等に誤差がある旨を出力させてもよい。
管理側出力部76は、認識対象ROの対象情報に差異がある場合、または、対象情報が更新された場合、対応する認識対象ROの再設置の指示を表示装置等を介して管理者等に出力してもよい。管理側出力部76は、認識対象ROの対象情報に差異がある場合、または、対象情報が更新された場合、車両16の走行支援装置34に自動運転の走行経路の再設定を指示してもよい。尚、走行管理装置20が、認識対象ROの対象情報に差異がある場合、または、対象情報が更新された場合、自動運転の走行経路を再設定してもよい。
運転支援部86は、認識対象ROの差異情報を生成した場合、差異の原因を特定してもよい。この場合、運転支援部86は、当該差異の原因を走行管理装置20へ出力してよい。