次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する、まず図1、図2を参照して、本実施の形態の部品供給装置としてのスティックフィーダ3が配置された部品装着装置2の構成を説明する。部品装着装置2およびスティックフィーダ3は、図2に示す部品装着システム1を構成する。図1において、基台4の中央にはX方向(基板搬送方向)に基板搬送機構5が配設されている。基板搬送機構5は上流側から搬入された基板6を搬送し、部品装着作業を実行するために設定された装着ステージに位置決めして保持する。
基板搬送機構5の両側方には、部品供給部7が配置されている。一方の部品供給部7には複数のテープフィーダ8が並列に装着されている。テープフィーダ8は、部品を収納したキャリアテープをテープ送り方向にピッチ送りすることにより、以下に説明する部品装着機構13の装着ヘッド12によるピックアップ位置に部品を供給する。
他方の部品供給部7には複数のテープフィーダ8とともに、スティックフィーダ3が配置されている。スティックフィーダ3は同様に部品供給装置としての機能を有しており、図2に示すように、長さ方向に開口を有し内部に複数の部品が収納されたスティックケース23を積載部20に段積み状態で収納する。スティックフィーダ3は積載部20および部品搬送部29を備えて構成されている。部品搬送部29は、部品供給部7に配置された台車3aの上面の装着ベース部3b(図3も参照)に結合されている。
スティックケース23から排出された部品は、部品搬送部29によって装着ヘッド12によるピックアップ位置29a(図2)まで搬送される。そして搬送された部品Pは、装着ヘッド12によってピックアップされ(矢印a)、基板6の上方まで移送されて、基板6に装着される(矢印b)。すなわち本実施の形態に示す部品装着システム1は、部品供給装置としてのスティックフィーダ3と部品装着装置2とを備えた構成となっている。
基台4の上面においてX方向の一方側の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸移動テーブル10が配置されている。Y軸移動テーブル10には、同様にリニア駆動機構を備えた2基のX軸移動テーブル11が、Y方向に移動自在に結合されている。2基のX軸移動テーブル11には、それぞれ装着ヘッド12がX方向に移動自在に装着されている。
Y軸移動テーブル10、X軸移動テーブル11を駆動することにより、装着ヘッド12はX方向、Y方向に移動する。これにより2つの装着ヘッド12は、それぞれ対応した部品供給部7に配置されたテープフィーダ8やスティックフィーダ3による部品供給位置から部品を取り出して、基板搬送機構5に位置決めされた基板6に移送して装着する。Y軸移動テーブル10、X軸移動テーブル11および装着ヘッド12は、部品供給部7から部品を吸着保持して取り出し、基板6に移送して装着する部品装着機構13を構成する。
部品供給部7と基板搬送機構5との間には、部品認識カメラ14が配設されている。部品供給部7から部品Pを取り出した装着ヘッド12が部品認識カメラ14の上方を移動する際に、部品認識カメラ14は装着ヘッド12に保持された状態の部品Pを撮像して認識する(図2も参照)。装着ヘッド12にはX軸移動テーブル11の下面側に位置して、それぞれ装着ヘッド12と一体的に移動する基板認識カメラ15が装着されている。
装着ヘッド12が移動することにより、基板認識カメラ15は基板搬送機構5に位置決めされた基板6の上方に移動し、基板6を撮像して認識する。装着ヘッド12による基板6への部品装着動作においては、部品認識カメラ14による部品認識結果と、基板認識カメラ15による基板認識結果とを加味して装着位置補正が行われる。これらの認識処理および位置補正処理は、基台4内に配置された部品装着装置制御部16によって実行される。
部品装着装置2の頂部には部品装着装置制御部16によって指令された所定の発光パターンで発光するシグナル装置17が設けられている。部品装着装置制御部16は予め設定された異常事象などの報知項目にしたがってシグナル装置17を作動させ、これによりは部品装着システム1で発生する異常が作業者に報知される。
次に図3を参照して、スティックフィーダ3の構成および機能を説明する。スティックフィーダ3は、複数のスティックケース23を段積み状態で収納する積載部20および部品搬送部29を備えた構成となっている。部品搬送部29は、収納されたスティックケース23から排出された部品を、部品装着機構13の装着ヘッド12(図2)によるピックアップ位置29aまで搬送する機能を有している。
積載部20は部品供給方向へ傾斜した姿勢で配設されており、対向して配置された第1ガイド部21、第2ガイド部22を備えている。第1ガイド部21、第2ガイド部22は、それぞれ紙面方向に配置された2枚のプレート状部材の間にスティックケース23を挟み込んで保持する構成となっている。第1ガイド部21、第2ガイド部22の間には、複数のスティックケース23を段積みするための段積みスペースが形成されている。
スティックケース23は両端が開口した中空の細長容器であり、スティックケース23の内部には、複数の部品が直列状態で収納されている。すなわち積載部20は、複数の部品を収納した複数のスティックケース23を傾斜させた姿勢で段積みして保持する機能を有している。スティックケース23の一方側の側端面には、当該スティックケース23に収納された部品の部品名やロット情報などの部品情報を示すバーコードラベル(図示省略)が貼着されており、スティックケース23を積載部20にセットする際には、作業者がバーコードリーダによってバーコードラベルを読み取ることにより、部品情報が読み取られて部品照合処理が行われる。
第1ガイド部21、第2ガイド部22の間の段積みスペース内にスティックケース23をセットした状態では、スティックケース23の長手方向の両端部が、第1ガイド部21、第2ガイド部22によってガイドされて位置が保持される。このとき、スティックケース23は部品供給方向に傾斜した姿勢にあり、スティックケース23内に収納された部品には重力による傾斜方向への部品搬送力が作用している。
積載部20に段積みされた複数のスティックケース23のうち、最下段に位置したスティックケース23aの開口部には、滑走式搬送部27が位置している。滑走式搬送部27は、上述の部品搬送力によりスティックケース23aの開口部から排出されて乗り移った部品を斜め下方に滑走させる。滑走式搬送部27の端部は、水平に配設された最終搬送部28と連結されている。最終搬送部28は、乗り移った部品を振動により移動させる振動部28aを備えている。
滑走式搬送部27を滑走してきた部品が最終搬送部28へ乗り移ると、部品は最終搬送部28上をピックアップ位置29aへ向かって移動する。すなわち最終搬送部28は、滑走式搬送部27を滑走してきた部品を、部品装着装置2の装着ヘッド12が部品をピックアップするピックアップ位置29aまで搬送する。
滑走式搬送部27および最終搬送部28は、積載部20に積層された複数のスティックケース23のうち最下段に位置するスティックケース23aの開口部に位置し、開口部から排出された部品を斜め下方へ滑走させ、滑走した部品を部品装着装置2の装着ヘッド12が部品をピックアップするピックアップ位置29aまで搬送する部品搬送部29を構成している。そして本実施の形態においては、部品搬送部29は、台車3a(図2参照)の上面に設けられた装着ベース部3bによって保持されている。装着ベース部3bの下面に設けられた制御ボックス3cには、スティックフィーダ3の各部を制御するフィーダ制御部30(図4参照)が内蔵されている。
積載部20における最下段の位置は、部品供給対象のスティックケース23を位置させる供給位置となっている。そしてピックアップ位置29aに到達した部品は、装着ヘッド12によって吸着保持されて取り出される。なお上述構成においては、積載部20を部品供給方向に傾斜させて配置し、積載部20に収納されたスティックケース23を重力によって滑走式搬送部27に乗り移らせるようにしているが、積載部20を傾斜させずに水平に配置してもよい。この場合には、部品装着装置制御部16内の部品を棒状の押し込み部材によって押し出して、最終搬送部28に乗り移らせる部品押し込み機構を設ける。
部品供給方向と反対側の第2ガイド部22には、スティック排出機構24、状態表示部25が設けられている。スティック排出機構24は、二つの係止部材24a、24bの積載部20内への進退動作を制御することにより、段積みスペース内に収納されている複数のスティックケース23のうち、最下段のスティックケース23aのみを落下させてケース回収部26に排出する機能を有している。状態表示部25は、積載部20におけるスティックケース23の積層状態などの所定の項目を表示する。
部品供給により全ての部品Pを送り出して空となったスティックケース23は、スティック排出機構24によって排出されて落下し、ケース回収部26に回収される。これにより、最下段のスティックケース23aの直上に位置する次のスティックケース23bが、部品の供給位置に位置する。すなわち、スティック排出機構24は、最下段に位置するスティックケース23aを積載部20から廃棄するとともに、その一つ上のスティックケース23bを最下段へ移動させるスティック廃棄部となっている。スティック廃棄部としてのスティック排出機構24の駆動タイミングは、スティック制御部としてのフィーダ制御部30(図4参照)によって制御される。
積載部20には、対向して配置された1対の第1部品検出センサSP1a(発光部)、第1部品検出センサSP1b(受光部)よりなる第1部品検出センサSP1が配置されている。第1部品検出センサSP1は、スティックケース23aから排出された部品Pが滑走式搬送部27から最終搬送部28へ乗り移る乗り移り位置から、ピックアップ位置29aを結ぶ直線に沿う光軸を有する第1の部品検出部であり、この乗り移り位置からピックアップ位置29aに至る部品搬送経路上における部品Pの有無を検出する機能を有している。第1の部品検出部が部品無しを検出することにより、部品切れが検出される。
また滑走式搬送部27においてこの乗り移り位置の上流側には、1対の第2部品検出センサSP2a(発光部)、第2部品検出センサSP2b(受光部)よりなる第2部品検出センサSP2が部品の移動方向を横切る配置で設けられている。第2部品検出センサSP2はスティックケース23から排出されピックアップ位置29aに移動する部品の通過を検出する機能を有する第2の部品検出部である。ここでは図示の都合により、紙面方向の背面に位置する第2部品検出センサSP2b(受光部)の図示を省略している。
なお、ここでは第2部品検出センサSP2を滑走式搬送部27に配置した例を示しているが、第2部品検出センサSP2を最終搬送部28に配置するようにしてもよい。すなわち本実施の形態における第2の部品検出部は、滑走式搬送部27もしくは最終搬送部28に配置される。上述の第1の部品検出部および第2の部品検出部は、部品搬送部29に存在する部品を検出する部品検出部を構成している。このように、本実施の形態においては、部品搬送部29に存在する部品を第1の部品検出部および第2の部品検出部の2つのセンサによって検出する構成となっている。これにより、少ないセンサ数で部品切れや部品詰まりを検出することが可能となっている。
積載部20の第1ガイド部21を構成するプレート状部材には、細長形状の3本のセンサ装着スリットである第1センサーガイド部G1、第2センサーガイド部G2、第3センサーガイド部G3が、積載部20におけるスティックケース23の段積み方向に並列配置で形成されている。第1センサーガイド部G1、第2センサーガイド部G2、第3センサーガイド部G3には、それぞれスティックケース23を検出する第1スティック検出センサSS1a(発光部)、第2スティック検出センサSS2a(発光部)、第3スティック検出センサSS3a(発光部)が、スティックケース23の段積み方向にスライド自在に装着されている。
第1ガイド部21を構成する紙面の背面側のプレート状部材にも第1センサーガイド部G1、第2センサーガイド部G2、第3センサーガイド部G3と同様の3本のセンサ装着スリットが形成されている。これらのセンサ装着スリットには、第1スティック検出センサSS1a(発光部)、第2スティック検出センサSS2a(発光部)、第3スティック検出センサSS3a(発光部)とそれぞれ対をなす受光部がそれぞれ装着されている。なお、ここでは紙面方向の背面に位置するこれらの受光部の図示を省略している。
第1スティック検出センサSS1a(発光部)、第2スティック検出センサSS2a(発光部)、第3スティック検出センサSS3a(発光部)およびこれらと対をなす受光部は、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3をそれぞれ構成する。第1スティック検出センサSS1は、積載部20の最下段に位置するスティックケース23aの一つ上段のスティックケース23bを検出する。第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3は、それぞれ最下段に位置するスティックケース23aの二つ上段のスティックケース23c、三つ上段のスティックケース23dをそれぞれ検出する。
これら第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3は、それぞれボルトなど締結および締結解除が自在な締結具によって第1センサーガイド部G1、第2センサーガイド部G2、第3センサーガイド部G3に位置可変に装着されている。すなわち積載部20は、第1スティック検出センサSS1と第2スティック検出センサSS2の段積み方向への移動をガイドするセンサーガイド部を有し、さらに詳細には、第1スティック検出センサSS1をガイドする第1センサーガイド部G1と、第2スティック検出センサSS2をガイドする第2センサーガイド部G2とを有する構成となっている。
換言すれば第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3は、スティックケースの段積み方向における装着位置を調整可能な状態で第1ガイド部21に装着されている。これにより、異なる厚み寸法のスティックケース23を積載部20に積層する場合にあっても、それぞれの積層位置に存在するスティックケース23の有無を正確に検出することが可能となり、汎用性に優れたスティックフィーダ3が実現されている。
次に図4を参照して、制御系の構成を説明する。図4において、フィーダ制御部30には、図3に示すスティック排出機構24、第1部品検出センサSP1、第2部品検出センサSP2、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3、振動部28a、状態表示部25が接続されている。フィーダ制御部30には、内部処理機能として、スティック空判定部31、部品切れ判定部32、部品詰まり判定部33、積載部状態判定部34を備えており、さらに記憶部35を内蔵している。
またフィーダ制御部30は通信部36を介して部品装着装置2の部品装着装置制御部16と接続されており、部品装着装置2との間で情報の授受が可能となっている。部品装着装置2は部品装着装置制御部16によって指令された所定の発光パターンで発光するシグナル装置17(図2参照)を備えている。シグナル装置17は予め設定された所定項目について部品装着装置制御部16からの指令によって点灯して、作業者にその旨を報知する。
さらに部品装着装置制御部16は監視システム37、生産情報収集システム38と接続されている。監視システム37は部品装着システム1における各装置の稼働状況を監視する機能を有しており、作業者が携行する監視装置としての携帯端末などを介して作業者に所定項目の報知を行うことができるようになっている。生産情報収集システム38は、当該部品装着システム1において実行される部品装着作業の実行履歴を示す生産履歴情報を作成する。すなわち装着された部品の部品名やロット情報を作業対象となった基板ごとに収集する。
記憶部35は、積載部20に積載された複数のスティックケース23に収納された部品の情報である部品情報を記憶する。すなわち記憶部35には、記憶領域MR1、記憶領域MR2、記憶領域MR3、記憶領域MR4・・・記憶領域MRMが設定されている。記憶領域MR1、記憶領域MR2、記憶領域MR3・・には、それぞれスティックケース23a、スティックケース23b、スティックケース23c・・に収納された部品について、少なくとも部品の部品名とロット情報を含んだ部品情報が記憶される。したがって記憶部35は、部品情報を記憶する部品情報記憶部となっている。
スティック空判定部31は、第2の部品検出部である第2部品検出センサSP2が部品を検出しなかったら、最下段に位置するスティックケース23aから全ての部品が排出されたと判定する。スティック空判定部31および滑走式搬送部27を横切る光軸を有する第2部品検出センサSP2は、最下段に位置するスティックケース23aから全ての部品が排出されたことを検出するスティック空検出部を構成している。
部品切れ判定部32は、第1の部品検出部である第1部品検出センサSP1が部品を検出しなくなったら部品搬送部29上の部品がなくなったと判定する。第1の部品検出部および部品切れ判定部32は、部品搬送部29上の部品がなくなったことを検出する部品切れ検出部を構成している。
上述の第1の部品検出部もしくは第2の部品検出部が部品を検出しなくなったら、フィーダ制御部30はスティック排出機構24を駆動させて、最下段に位置するスティックケース23aを排出させる。このとき、フィーダ制御部30は記憶部35に記憶された部品情報を参照する。換言すればフィーダ制御部30は、スティック空検出部もしくは部品切れ検出部の検出結果ならびに部品情報に基づいてスティック廃棄部であるスティック排出機構24を駆動するようになっている。
そしてフィーダ制御部30は、スティック排出機構24を駆動させてスティックケース23を排出した後、所定時間内に第1の部品検出部もしくは第2の部品検出部が部品を検出しなくなったら、部品が正常に搬送されない「部品詰まり」やスティックケース23が正常に移動しない「スティック詰まり」などの異常が発生したと判断し、その旨を通信部36を介して部品装着装置2に通知する。
部品装着装置2は、異常の通知を受信したら、作業者に異常が発生したことを報知部によって報知する。ここでは、部品装着装置2を制御する部品装着装置制御部16と、部品装着装置制御部16によって指令された所定の発光パターンで発光するシグナル装置17とが報知部として機能する。なお、部品装着装置2の状態を監視する監視システム37に接続された携帯端末を報知部として用いてもよい。
部品詰まり判定部33は、スティックケース23を廃棄した後、所定時間が経過しても第1部品検出センサSP1もしくは第2部品検出センサSP2が部品を検出しなかったら、部品がいずれかの部位で滞留する部品詰まりの異常が発生していると判断して、部品詰まり判定を行う。積載部状態判定部34は、積載部20におけるスティックケース23の積載状態を判定するための処理を行う。積載部状態判定部34による判定結果は、状態表示部25に表示される。
フィーダ制御部30は、スティック空判定部31および部品切れ判定部32の検出結果ならびに記憶部35に記憶された部品情報に基づいて、スティック廃棄部としてのスティック排出機構24を駆動する。すなわちフィーダ制御部30は、スティック排出機構24の駆動タイミングを制御するスティック制御部としての機能を有している。そしてこのスティック制御部は、積載部状態判定部34の処理機能を用いてスティックケース23の積載状態を判断する。すなわち部品検出部と第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2の検出結果より、積載部20におけるスティックケース23の積載状態を判断するようになっている。
ここで図5を参照して、積載部状態判定部34による積載状態の判定について説明する。図5において、列方向に記載された「スティック検出センサ」40、「部品検出センサ」41、「スティック排出直前の部品名照合結果」42は、積載部20におけるスティックケース23の積載状態の判定を行うための条件となる判定条件項目である。
「スティック検出センサ」40は、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3によるスティック検出結果を示しており、「部品検出センサ」41は、第1部品検出センサSP1、第2部品検出センサSP2による部品検出結果を示している。「スティック検出センサ」40、「部品検出センサ」41において、○印はスティックまたは部品を検出したことを示しており、×印はスティックまたは部品を検出しなかったことを示している。
「スティック排出直前の部品名照合結果」42は、スティック排出直前の部品名照合結果、すなわち最下段のスティックケース23aに収納された部品と、その一段上のスティックケース23bに収納された部品の部品名の異同を照合した結果を示している。この部品名照合は、記憶部35に記憶された部品情報に基づいて行われる。また「積載状態」43は、これらの判定条件項目に対応する積載状態の判定結果を示している。
図5において行方向に記載された判定パターン44a~判定パターン44jは、判定条件項目と「積載状態」43との対応関係を示す判定パターンである。判定パターン44a~判定パターン44cでは、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3において、下段から順にスティックケース23が検出されている。この結果、「積載状態」43においては、積載部20にスティックケース23が正常に積層された状態で存在することを示す「積層」の判定がなされる。
判定パターン44dでは、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3のいずれにおいてもスティックケース23が検出されず、第2部品検出センサSP2において部品が検出されている。そして「スティック排出直前の部品名照合結果」42では、部品名照合結果が「同一」となっている。この場合には、「積載状態」43において積載部20の最下段のみにスティックケース23aが存在することを示す「最下段のみ有り」との判定がなされる。
判定パターン44eでは、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3のいずれにおいてもスティックケース23が検出されず、第2部品検出センサSP2において部品が検出されていない。そして「スティック排出直前の部品名照合結果」42では、部品名照合結果が「同一」となっている。この場合には、「積載状態」43において積載部20の最下段を含めて積載部20にスティックケース23が存在しないことを示す「空」の判定がなされる。
判定パターン44fでは、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3のいずれにおいてもスティックケース23が検出されず、第1部品検出センサSP1において部品が検出されている。そして「スティック排出直前の部品名照合結果」42では、部品名照合結果が「同一ではない」となっている。この場合には、「積載状態」43において積載部20の最下段のみにスティックケース23が存在することを示す「最下段のみ有り」の判定がなされる。
判定パターン44gでは、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3のいずれにおいてもスティックケース23が検出されず、第1部品検出センサSP1において部品が検出されていない。そして「スティック排出直前の部品名照合結果」42では、部品名照合結果が「同一ではない」となっている。この場合には、「積載状態」43において積載部20の最下段を含めてスティックケース23が存在しないことを示す「空」の判定がなされる。
そして判定パターン44h~判定パターン44jでは、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2、第3スティック検出センサSS3の少なくともいずれかにおいてスティックケース23が検出されているものの、スティックケース23が存在する段の下段にスティックケース23が存在しない隙間が存在する状態となっている。このような場合には、スティックケース23が正常に下方に移動しない「スティック詰まり」の判定がなされる。
上述の判定条件項目と判定パターンとの関係はフィーダ制御部30の記憶部35に判定パターンデータとして記憶されている。以下に説明するスティックケース23の切り替え処理では、スティック制御部としてのフィーダ制御部30は、この判定パターンデータを参照してスティックフィーダ3を制御して、スティックケース23の廃棄、「部品詰まり」や「スティック詰まり」の通知を行う。
次に図6を参照して、部品装着システム1を構成する部品装着装置2に配置されたスティックフィーダ3におけるスティックケース23の切り替え処理について説明する。図6において、先ず積載部20は空か否かが判断される(ST1)。ここで空ではないと判断された場合には、次に部品は同一か否かが判断される(ST2)。すなわち、フィーダ制御部30は積載部20の最下段に位置するスティックケース23aの部品情報とその上段のスティックケース23bの部品情報を比較する。この部品情報の比較において、フィーダ制御部30は、部品名で、またはロット情報で、もしくは部品名とロット情報の両方で、部品が同一か否かを判断する。
ここで同一であると判断された場合には、現在のスティックは空であるか否かが判断される(ST3)。すなわちスティック空検出部の機能により、最下段に位置するスティックケース23aから全ての部品が排出されたか否かを判断する。(ST1)において積載部20が空であると判断された場合、また(ST2)において部品は同一ではないと判断された場合には、部品切れ発生の有無が判断される(ST4)。すなわち部品切れ検出部の機能により、部品搬送部29上の部品がなくなったか否かを判断する。そして(ST3)、(ST4)において部品有りと判断された場合には、(ST1)に戻って同様の処理を反復継続する。
(ST3)において現在のスティックは空であると判断された場合、または(ST4)において部品切れ発生と判断された場合には、スティック排出機構24を駆動してスティック廃棄動作を実行する(ST5)。すなわち最下段に位置するスティックケース23aを積載部20から廃棄するとともに、その一つ上のスティックケース23bを最下段に移動させる。
このスティック廃棄動作の実行において、フィーダ制御部30は前述の部品情報の比較の結果、部品が同一であると判断した場合には、スティック空検出部によって積載部20の最下段に位置するスティックケース23aが空になったことが検出されたらスティック廃棄部を駆動させる。また部品が同一でないと判断した場合には、部品切れ検出部によって部品搬送部29上の部品がなくなったことが検出されたらスティック廃棄部を駆動させる。
そしてこのスティック廃棄動作によってスティックケース23の切り替えが行われ、一つ上のスティックケース23bが最下段に移動した新たなスティックケース23aから部品の排出が開始される。ここで、部品詰まり判定部33によって部品詰まりの有無の判定を行う(ST6)。すなわちスティックケース23を廃棄した後、所定時間が経過しても第1部品検出センサSP1もしくは第2部品検出センサSP2が部品を検出しなかったら部品詰まりの異常が発生していると判断して、部品装着装置2に「部品詰まり」を通知する(ST7)。
(ST6)にて部品詰まり無しであれば、スティック詰まりの有無を判断する(ST8)。すなわちフィーダ制御部30が図5に示す判定パターンデータを参照することにより、スティック詰まりが発生しているか否かを判断する(ST8)。ここでスティック詰まりが発生している場合には、部品装着装置2に「スティック詰まり」を通知する(ST9)。(ST9)にてスティック詰まり無しであれば、記憶部35に書き込まれた部品情報の更新とともに、部品名、ロット情報の送信を行う(ST10)。
すなわち、最下段のスティックケース23aに対応する記憶領域MR1に書き込まれた部品情報を、一つ上のスティックケース23bに対応する記憶領域MR2に書き込まれた部品情報によって書き換える部品情報更新を行うとともに、書き換えた部品情報の部品名、ロット情報を部品装着装置2に送信する。
このように、フィーダ制御部30は、前述の部品情報の比較の結果、部品が同一でないと判断した場合には、廃棄されたスティックケース23aの一つ上のスティックケース23bの部品情報に含まれる部品名またはロット情報のいずれかもしくは両方を、部品装着装置2へ送信する。これらの部品情報を受信した部品装着装置制御部16は、当該部品情報を生産情報収集システム38に送信する。そして生産情報収集システム38により、生産対象の基板情報とこれらの部品情報とを関連づけた生産履歴情報が作成され記憶される。
次に、上述構成の部品装着システム1によって基板6に部品を装着する部品装着方法について説明する。ここではこの部品装着方法に含まれる第1の方法について説明する。第1の方法では、先ず積載部20に段積みして保持された複数のスティックケース23のうち、最下段に位置するスティックケース23aの開口部から排出された部品を、滑走式搬送部27で斜め下方へ滑走させて最終搬送部28へ受け渡す。
次いで受け渡された部品を最終搬送部28で部品装着装置2の装着ヘッド12が部品をピックアップするピックアップ位置29aまで搬送する。次いでピックアップ位置29aへ搬送されてきた部品を部品装着装置2の装着ヘッド12でピックアップして基板6に装着する。
この部品装着動作においては、以下のような動作および処理が実行される。すなわち、部品が滑走式搬送部27から最終搬送部28へ乗り移る位置からピックアップ位置29aまでを結ぶ直線に沿う光軸を有する第1部品検出センサSP1(第1の部品検出部)で部品を検出する。またこれとともに、滑走式搬送部27もしくは最終搬送部28に配置され、部品の移動方向を横切る光軸を有する第2部品検出センサSP2(第2の部品検出部)で部品を検出する。
このとき第1の部品検出部もしくは第2の部品検出部が部品を検出しなくなったら積載部20の最下段に位置するスティックケース23aをスティック排出機構24によって積載部20から廃棄するとともに、その一つ上のスティックケース23bを最下段へ移動させる。次いで新たに最下段へ移動したスティックケース23aから排出された部品を、滑走式搬送部27から最終搬送部28を経てピックアップ位置29aまで搬送する。そして最下段に新たなスティックケース23aが移動した後、所定時間内に第1の部品検出部もしくは第2の部品検出部が部品を検出しなかったら、部品装着装置2へ異常を通知する。
次に、前述の部品装着方法に含まれる第2の方法について説明する。第2の方法では、先ず積載部20に段積みして保持された複数のスティックケース23のうち最下段に位置するスティックケース23aの開口部から排出された部品を滑走させ、滑走した部品を部品装着装置2の装着ヘッド12が部品をピックアップするピックアップ位置29aまで搬送する。次いでピックアップ位置29aへ搬送されてきた部品を部品装着装置2の装着ヘッド12でピックアップして基板6に装着する。
この部品装着動作においては、以下のような動作および処理が実行される。すなわち、積載部20に積載された複数のスティックケース23に収納された部品の情報であって少なくとも部品名とロット情報を含んだ部品情報を記憶部35に記憶する。そして最下段に位置するスティックケース23aから全ての部品が排出されたことを検出し、また部品搬送部29上から全ての部品がなくなったことを検出する。
そして最下段に位置するスティックケース23aの部品情報とその上段のスティックケース23bの部品情報を比較する。この部品情報の比較において、部品が同一であると判断した場合は、最下段に位置するスティックケース23aが空になったことが検出されたら、この最下段に位置するスティックケース23aを積載部20から廃棄するとともに、その一つ上のスティックケース23bを最下段へ移動させる。
また部品が同一でないと判断した場合は、部品搬送部29上から全ての部品がなくなったことを検出されたら、最下段に位置するスティックケース23aを積載部20から廃棄するとともに、その一つ上のスティックケース23bを最下段へ移動させる。次いで新たに最下段へ移動したスティックケース23から排出された部品をピックアップ位置29aまで搬送し、これを装着ヘッド12でピックアップして基板6に装着する。
なお上述の部品情報の比較において、フィーダ制御部30は部品名で、またはロット情報で、もしくは部品名とロット情報の両方で、部品が同一か否かを判断する。そして部品が同一でないと判断した場合、廃棄されたスティックケース23aの一つ上のスティックケース23bの部品情報に含まれる部品名またはロット情報のいずれかもしくは両方を部品装着装置2へ送信する。
上記説明したように、本実施の形態に示す部品供給装置は、積載部20に段積み状態で保持された複数のスティックケース23のうち最下段に位置するスティックケース23aの開口部から排出された部品を斜め下方へ滑走させる滑走式搬送部27を滑走してきた部品を装着ヘッドによるピックアップ位置29aまで搬送する最終搬送部28と、最下段に位置するスティックケース23aを積載部20から廃棄するとともにその一つ上のスティックケースを最下段へ移動させるスティック排出機構24と、部品が最終搬送部28へ乗り移る位置からピックアップ位置29aまでを結ぶ直線に沿う光軸を有する第1部品検出センサSP1と、滑走式搬送部27に配置され部品の移動方向を横切る光軸を有する第2部品検出センサSP2と、第1部品検出センサSP1もしくは第2部品検出センサSP2が部品を検出しなくなったらスティック排出機構24を駆動させるフィーダ制御部30とを備えた構成としている。これにより、スティックフィーダにおいて少ないセンサ数で部品切れや部品詰まりを検出することができる。
また本実施の形態に示す部品供給装置は、積載部20に段積み状態で保持された複数のスティックケース23のうち最下段に位置するスティックケース23aの開口部から排出された部品を斜め下方へ滑走させ、滑走した部品をピックアップ位置29aまで搬送する部品搬送部29と、最下段に位置するスティックケース23aを積載部20から廃棄するとともにその一つ上のスティックケースを最下段へ移動させるスティック排出機構24と、最下段に位置するスティックケース23aから全ての部品が排出されたことを検出するスティック空検出部と、部品搬送部29上の部品がなくなったことを検出する部品切れ検出部と、複数のスティックケース23に収納された部品の部品情報を記憶する部品情報記憶部と、スティック空検出部および部品切れ検出部の検出結果並びに部品情報に基づいてスティック排出機構24を駆動するフィーダ制御部とを備えた構成としている。これにより、スティックフィーダにおいて部品のロットの切り替えを正確に効率よく管理することができる。
さらに本実施の形態に示す部品供給装置は、積載部20に保持された複数のスティックケース23のうち最下段に位置するスティックケース23aの開口部から排出された部品をピックアップ位置29aまで搬送する部品搬送部29と、部品搬送部29に存在する部品を検出する部品検出部と、最下段に位置するスティックケース23aを積載部20から廃棄するとともにその一つ上のスティックケース23bの開口部を最下段へ移動させるスティック排出機構24と、最下段に位置するスティックケース23aの一つ上段、二つ上段のスティックケース23b、23cを検出する第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2と、スティック排出機構24の駆動タイミングを制御するフィーダ制御部30とを備えた構成において、第1スティック検出センサSS1、第2スティック検出センサSS2を、段積み方向における装着位置を調整可能としている。これにより、サイズの異なる複数種類のスティックケースを対象とすることができ汎用性に優れた部品供給装置を提供することができる。