JP7107297B2 - 有機ケイ素化合物、活性エネルギー線硬化性組成物および被膜物品 - Google Patents
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Description
1. 下記構造式(I)を含む有機ケイ素化合物、
2. R1がトリメチレン基であり、R2がメチル基であり、nが5~100である1記載の有機ケイ素化合物、
3. 1または2記載の有機ケイ素化合物、ケイ素原子を有しない重合性化合物、および光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性組成物、
4. コーティング剤である3記載の活性エネルギー線硬化性組成物、
5. 3または4記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物、
6. 5記載の硬化物からなるフィルム、
7. 基材と、該基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、
前記硬化膜が、3または4記載の活性エネルギー線硬化性組成物から作製された硬化膜である被覆物品
を提供する。
[有機ケイ素化合物]
本発明の有機ケイ素化合物は、繰り返し単位が下記構造式(I)で表されるものである。
nは1~200が好ましく、より好ましくは5~100である。
反応温度は-80~200℃が好ましく、-20~80℃がより好ましい。反応時間は10分間~48時間が好ましく、1~24時間がより好ましい。また、この反応には、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の有機溶媒を用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上述した有機ケイ素化合物、ケイ素原子を有しない重合性化合物、および光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、チオキサントン誘導体、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、2-メチル-1-{4-(メチルチオ)フェニル}-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルファイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、光重合開始剤は市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、Omnirad 1173、Omnirad MBF、Omnirad 127、Omnirad 184、Omnirad 369、Omnirad 379、Omnirad 379EG、Omnirad 651、Omnirad 754、Omnirad 784、Omnirad 819、Omnirad 819DW、Omnirad 907、Omnirad 2959、Omnirad TPO(いずれもIGM RESINS B.V.社製)等が挙げられる。
溶剤を配合する場合、その配合量は特に制限されないが、本発明の有機ケイ素化合物、ケイ素原子を有しない重合性化合物の合計100質量部に対して5~200質量部が好ましく、より好ましくは10~100質量部である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は特に限定されるものではないが、成形または塗布作業性を良好にし、すじむら等の発生を抑制することを考慮すると、回転粘度計により測定される25℃での粘度が10,000mPa・s以下が好ましく、2,000mPa・s以下がより好ましい。なお、25℃における粘度の下限は10mPa・s以上が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、コーティング剤として好適に使用可能であり、基材の少なくとも一方の面に、直接または少なくとも1種のその他の層を介して塗布し、それを硬化させることにより被膜を形成した被覆物品を得ることができる。また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、フィルムとしても好適に使用可能である。
コーティング剤の塗布方法としては、公知の手法から適宜選択すればよく、例えば、バーコーター、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を用いることができる。
[実施例1]
1,1’-チオカルボイミダゾール(富士フィルム和光純薬(株)製)17.8g(0.1モル)とジメチルアセトアミド(富士フィルム和光純薬(株)製)46.9gを200mLフラスコ中で撹拌しながら、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(PAM-E、信越化学工業(株)製)26.1g(0.105モル)を滴下し、25℃で24時間攪拌した。水洗後、減圧留去することで黄色粘稠液体が得られた。 1H-NMR測定の結果から、生成物は下記構造式(IV)で表される繰り返し単位からなる有機ケイ素化合物であった(重量平均分子量3,000、n=8.5)。1H-NMR(300MHz,CDCl3)、0.01(12H,s),0.48(4H,bs),1.56(4H,bs),3.39(4H,bs),6.70(2H,bs).
[実施例2-1、比較例2-1]
実施例1で得られた有機ケイ素化合物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、MIWON社製)、メチルエチルケトン(MEK、東京化成工業(株)製)、および2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン(ラジカル系光重合開始剤、Omnirad 1173、IGM RESINS B.V.社製)を表1に示す組成比(質量部)で混合し、活性エネルギー線硬化性組成物(コーティング剤)を得た。
[実施例3-1,3-2、比較例3-1,3-2]
得られたコーティング剤をバーコーターNo.14を用いてアクリル基材(アクリライト、三菱ケミカル(株)製)またはポリカーボネート(PC)基材(ユーピロンシートNF2000、三菱ガス化学(株)製)上に塗布し、乾燥機中(80℃)で20分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることで被覆物品を製造した。
得られた被覆物品の硬化膜について、密着性、水接触角、ヘキサデカン接触角を評価した。結果を表2に示す。
(1)密着試験
JIS K5600-5-6:1999に準じて25マスによるクロスカット試験を行い、(剥離せず残ったマスの数)/25として表した。
(2)接触角試験
試験片に精製水を1滴(約2μL)、またはヘキサデカンを1滴(約2μL)滴下して、接触角計(装置名:Drop MasterDM-701、協和界面科学(株)製)を用いて測定した。
[実施例4-1、比較例4-1]
実施例1で得られた有機ケイ素化合物、活性エネルギー線硬化性アクリルシリコーン(X-40-2761、信越化学工業(株)製)、メチルエチルケトン(MEK、東京化成工業(株)製)、および2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン(ラジカル系光重合開始剤、Omnirad 1173、IGM RESINS B.V.社製)を表3に示す組成比(質量部)で混合し、活性エネルギー線硬化性組成物(コーティング剤)を得た。
[実施例5-1,5-2、比較例5-1,5-2]
得られたコーティング剤をバーコーターNo.8を用いてPC基材(ユーピロン・シートNF2000、三菱ガス化学(株)製)またはポリエチレンテレフタレート(PET)基材(コスモシャインA4300、東洋紡(株)製)上に塗布し、乾燥機中(80℃)で20分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることで被覆物品を製造した。
得られた被覆物品の硬化膜について密着性を評価した。結果を表4に示す。
また、表4に示されるように、有機樹脂基材との密着性が悪いシリコーン系のコーティング剤においても、本発明の有機ケイ素化合物を少量添加することで、良好な基材密着性を付与することができる。
Claims (7)
- R1がトリメチレン基であり、R2がメチル基であり、nが5~100である請求項1記載の有機ケイ素化合物。
- 請求項1または2記載の有機ケイ素化合物、ケイ素原子を有しない重合性化合物、および光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性組成物。
- コーティング剤である請求項3記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項3または4記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項5記載の硬化物からなるフィルム。
- 基材と、該基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、
前記硬化膜が、請求項3または4記載の活性エネルギー線硬化性組成物から作製された硬化膜である被覆物品。
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