JP6866804B2 - オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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Description
いずれもオルガノポリシロキサン化合物を含有するコーティング組成物の被覆物品において、良好な耐擦傷性や耐候性が認められており、ウレア構造を含有することの優位性を示唆している。
しかし、特許文献1,2のいずれにおいても、3官能のアルコキシシランがオルガノポリシロキサン化合物の原料として用いられているため、このオルガノポリシロキサン化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られるフィルムや被覆物品においては、硬度と耐屈曲性の両立が困難であることが予想される。
1. 下記一般式(I)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基または水酸基を有するオルガノポリシロキサン化合物、
2. 下記平均式(II)で表される1のオルガノポリシロキサン化合物、
3. 1または2のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物、
4. 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する3の活性エネルギー線硬化性組成物、
5. 3または4の活性エネルギー線硬化性組成物からなるコーティング剤、
6. 3または4の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物、
7. 6の硬化物からなるフィルム、
8. 基材と、この基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、前記硬化膜が、5のコーティング剤から作製された硬化膜である被覆物品
を提供する。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、ウレア結合を有する有機基をD単位中に有しているため、硬度、耐クラック性、および耐屈曲性に優れた硬化物を与える。
(1)オルガノポリシロキサン化合物
本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物は、下記一般式(I)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基または水酸基を有するものである。
これらの中でも、炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基がより好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
中でも、R4としては、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基が好ましく、メチル基またはフェニル基がより好ましい。
上記bは0≦b≦0.3を満たす数であるが、0≦b≦0.1が好ましい。bが0.3を超えると、得られる硬化物が耐クラック性、耐屈曲性に劣るものとなる場合がある。
上記cは0≦c≦0.5を満たす数であるが、0≦c≦0.3が好ましい。cが0.5を超えると、得られる硬化物が耐クラック性、耐屈曲性に劣るものとなる場合がある。
上記dは0≦d≦0.5を満たす数であるが、0≦d≦0.3が好ましい。dが0.5を超えると、得られる硬化物が硬度に劣るものとなる場合がある。
上記eは0≦e≦0.5を満たす数であるが、0≦e≦0.3が好ましい。eが0.5を超えると、得られる硬化物が硬度に劣るものとなる場合がある。
上記fは0<f≦2を満たす数であるが、0.4≦f≦1の範囲が好ましい。fが2を超えると、オルガノポリシロキサン化合物の保存性が低くなる場合がある。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、有機溶剤等を除く不揮発分が96質量%以上であることが好ましい。揮発分が多くなると、組成物を硬化した際のボイド発生による外観の悪化や機械的性質の低下の原因となる場合がある。
例えば、ウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を含む加水分解性シランを縮合して本発明のオルガノポリシロキサン化合物を得ることができる。
具体的には、下記式(III)で表される加水分解性シラン、および必要に応じてその他の加水分解性シランを用いて、触媒の存在下で加水分解縮合を行ってオルガノポリシロキサン化合物を製造する方法が挙げられる。
(式中、R4は、上記と同じ意味を表し、R6は、ウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を表し、Xは、互いに独立して、塩素原子または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表す。)
R6のウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基としては、上記式(I)におけるケイ素原子に結合した下記に示される基が挙げられる。
その具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシランなどが挙げられる。
触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応を速やかに進行させるとともに、反応後の触媒の除去の容易性を考慮すると、加水分解性シラン1モルに対して0.0002〜0.5モルの範囲が好ましい。
加水分解縮合時の反応温度は、特に限定されるものではないが、反応率を向上させるとともに、加水分解性シランが有する有機官能基の分解を防止することを考慮すると、−10〜150℃が好ましい。
また、一般式(V)で表される化合物は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物との付加反応によって合成することができる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
この際の反応温度は、−80〜200℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。
また、この反応では、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノール、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上述した本発明のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有するものである。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線によりラジカル種を発生する開始剤であれば、特に限定されるものではなく、アセトフェノン系、ベンゾイン系、アシルフォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の公知の光重合開始剤から適宜選択して用いることができる。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、チオキサントン誘導体、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性不飽和化合物の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等が挙げられる。
重合性不飽和化合物を用いる場合、その含有量は、本発明のオルガノポリシロキサン化合物100質量部に対して、1〜1,000質量部が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は特に限定されるものではないが、成形または塗布作業性を良好にし、スジムラ等の発生を抑制することを考慮すると、回転粘度計により測定される25℃での粘度が、10,000mPa・s以下が好ましく、2,000mPa・s以下がより好ましい。なお、25℃における粘度の下限は10mPa・s以上が好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、フィルムとしても好適に使用可能である。
また、これらの基材の表面が、化成処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液で処理されている基材や、基材本体と表層が異なる種類の塗料で被覆された化粧合板等も用いることもできる。
さらに、被覆物品は、本発明のコーティング剤からなる塗膜が形成された面とは反対側の面が、ハードコート層、防錆層、ガスバリア層、防水層、熱線遮蔽層、防汚層、光触媒層、帯電防止層等の1層または複数層によって被覆されていてもよい。
照射量は特に制限されないが、10〜5,000mJ/cm2が好ましく、20〜1,000mJ/cm2がより好ましい。
硬化時間は、通常0.5秒〜2分であり、好ましくは1秒〜1分である。
なお、下記において、揮発分はJIS C2133に準じて測定した値であり、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、HLC−8220 東ソー(株)製)を用いてテトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒として測定した値である。
また、平均式(II)におけるa〜fの値は、1H−NMRおよび29Si−NMR測定の結果から算出した。
[合成例1]
2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(カレンズAOI、昭和電工(株)製)846.6g(6.0mol)を秤量し、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン(KBE−902、信越化学工業(株)製)1,148.1g(6.0mol)を滴下して無色透明液体を得た。
得られた反応物加水分解性シランは25℃で液体、屈折率1.466、揮発分8.4質量%、重量平均分子量410であった。
[実施例1−1]
合成例1で得られた加水分解性シラン1,662.4g(5.0mol)、エタノール909.0gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール227.2gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてエタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度20,000mPa・s、揮発分2.1質量%、重量平均分子量1,100の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=1、b=0、c=0、d=0、e=0、f=0.6であった。
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.9g(4.0mol)、ジメチルジエトキシシラン148.3g(1.0mol)、エタノール728.9gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール182.2gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度9,000mPa・s、揮発分1.6質量%、重量平均分子量990の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.82、b=0、c=0、d=0.18、e=0、f=0.5であった。
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.9g(4.0mol)、メチルトリエトキシシラン178.3g(1.0mol)、エタノール692.3gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール173.1gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダを2.9g投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度7,800mPa・s、揮発分1.3質量%、重量平均分子量1,190の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.81、b=0、c=0.19、d=0、e=0、f=0.7であった。
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.8g(4.0mol)、ジメチルジエトキシシラン74.1g(0.5mol)、メチルトリエトキシシラン89.2g(0.5mol)、エタノール710.6gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール177.7gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度11,000mPa・s、揮発分2.2質量%、重量平均分子量980の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.81、b=0、c=0.11、d=0.08、e=0、f=0.6であった。
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.8g(4.0mol)、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン276.4g(1.0mol)、エタノール788.2gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール197.1gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度3,200mPa・s、揮発分1.9質量%、重量平均分子量1,490の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.80、b=0、c=0.20、d=0、e=0、f=0.5であった。
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.9g(4.0mol)、ジメチルジエトキシシラン148.3g(1.0mol)、エタノール700.1gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸108.2g、エタノール175.0gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ4.4gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度23,000mPa・s、揮発分1.4質量%、重量平均分子量3,210の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.81、b=0、c=0、d=0.19、e=0、f=0.1であった。
[比較例1−1]
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン1,382.0g(5.0mol)、エタノール305.4gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール76.4gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃で液体であり、粘度35mPa・s、揮発分3.6質量%、重量平均分子量1,020であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0、b=0、c=1、d=0、e=0、f=1.5であった。
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン1,231.9g(5.0mol)、エタノール488.1gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール122.0gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃で液体であり、粘度58mPa・s、揮発分2.6質量%、重量平均分子量880であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0、b=0、c=0、d=1、e=0、f=0.5であった。
[比較例1−3]
下記式(VII)で表される化合物1,812.5g(5.0mol)、エタノール726.3gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール181.6gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。得られた反応物は、粘度41,000mPa・s、揮発分1.9質量%、重量平均分子量1,900の25℃で粘稠な液体であった。
[実施例2−1〜2−6,比較例2−1〜2−3]
上記実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−3で得られた各オルガノポリシロキサン化合物10質量部、ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、厚さ0.2mmとなるように離形フィルムを貼り付けた型に流し込み、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることでフィルムを製造した。
(1)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じて750g荷重にて測定した。
(2)耐屈曲性
JIS K5600−5−1に準じて円筒形マンドレル(タイプ1)を用いて測定し、耐屈曲性に関して、8mmφ試験でクラックが生じたフィルムに対しては、>8mmφとした。
[実施例3−1〜3−6,比較例3−1〜3−3]
上記実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−3で得られた各オルガノポリシロキサン化合物6質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(MIWON社製)3質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.0質量部(大阪有機化学工業(株)製)、ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、このコーティング組成物をバーコ−タ−No.14を用いてポリカーボネート基板上に塗布し、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることで被覆物品を製造した。
(3)耐クラック性
目視により表面にクラックが確認できなかった場合はOK、確認できた場合はNGとした。
また、表2に示されるように、本発明のオルガノポリシロキサン化合物を含むコーティング剤においては、クラックが抑えられた硬い被膜の形成が可能である。
さらに、表1および表2に示されるように、実施例1−6と比較して、アルコキシ基および水酸基のより多い実施例1−1〜1−5のオルガノポリシロキサン化合物のフィルムの方が、より良好な表面硬度と耐屈曲性を兼ね備えていることが確認できる。
以上の結果は、本発明のウレア結合を有するオルガノポリシロキサン化合物の優位性を示すものである。
Claims (7)
- 下記一般式(I)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基または水酸基を有し、下記平均式(II)で表されるオルガノポリシロキサン化合物。
- 請求項1記載のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する請求項2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項2または3記載の活性エネルギー線硬化性組成物からなるコーティング剤。
- 請求項2または3記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項5記載の硬化物からなるフィルム。
- 基材と、この基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、
前記硬化膜が、請求項4に記載のコーティング剤から作製された硬化膜である被覆物品。
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