JP2016216589A - ポリシロキサン、樹脂組成物、塗料及び積層体 - Google Patents

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崇之 三木
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直人 矢木
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Abstract

【課題】 生産性に優れ、長期屋外使用にも耐えうる高い耐候性と優れた耐擦傷性を兼備する優れたハードコート層を形成するポリシロキサン、及び該ポリシロキサンを含有する樹脂組成物、塗料及び積層体を提供すること。【解決手段】 炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を有する基を有することを特徴とする、ポリシロキサン(a1)を提供することで、上記課題を解決する。さらにビニル系重合体(a2)が結合していることを特徴とする、前記ポリシロキサン(a1)を提供することで、上記課題を解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の構造を有るポリシロキサン、及び該ポリシロキサンを含有する樹脂組成物、塗料、及び積層体に関する。
近年、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂や炭素繊維化プラスチック(CFRP)などのプラスチック素材が、軽量性、耐衝撃性、加工性およびリサイクル性の点から、自動車外装部材や外装建築部材などに幅広く使用されている。しかし、これらのプラスチック素材は、屋外での長期の使用により、黄ばみやクラックの発生が見られるという欠点がある。さらに、自動車のガラス窓の代替として樹脂ガラス(グレージング)を使用する場合、ガラス並みの耐摩耗性が必要であるが、これを満足する表面硬度の高い透明なプラスチック素材はほとんどない。
自動車用の樹脂ガラス(グレージング)に使用されるポリカーボネートに、長期屋外使用に耐えうる高い耐候性と、ガラス並みの耐磨耗性を付与する方法としては、オルガノポリシロキサンを主成分とする無機塗料をコーティングする方法が開示されているが(特許文献1)が、ポリカーボネートに対する密着性が低くプライマーコートが一層必要であることや、製膜に100℃〜150℃での長時間の加熱を必要とすること等から、生産性が極めて低い点や、プラスチック素材に対する熱ダメージが発生する点が、技術課題として指摘されている。
そこで特許文献2では、加水分解性シリル基含有アクリル樹脂を用いることにより、低温での硬化を可能とし、プラスチック素材に対する熱ダメージを低減する技術が開示されている。しかし、硬化には室温で10時間〜2日間程度の時間が必要であるため、さらなる生産性の向上が必要であった。
特許文献3では生産性向上のため、紫外線硬化性のオルガノポリシロキサン樹脂組成物が検討されている。本検討ではオルガノポリシロキサン樹脂を構成するシラン化合物において一部シラノールを残存させることで、紫外線硬化と同時にシラノールの縮合を促進し、高い耐擦傷性を付与している。しかしながら、意図的にシラノールを残しているため、長期の屋外使用において過酷な環境に晒された際、硬化時に残存したシラノールが縮合することでコーティングが脆化し、表面にクラックが発生することが予想される。
特開2004−026871号公報 特開2014−218593号公報 特開平10−30068号公報
本発明の課題は、生産性に優れ、長期屋外使用にも耐えうる高い耐候性と優れた耐擦傷性を兼備する優れたハードコート層を形成するポリシロキサン、及び該ポリシロキサンを含有する樹脂組成物、塗料及び積層体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の長鎖アルキレン基を連結基として含む重合性二重結合気を有するポリシロキサンが、高い生産性を有し、かつ、該ポリシロキサンを含有する樹脂組成物を硬化してなる硬化物が、耐擦傷性と耐候性を高いレベルで兼備することを見出し、上記課題を解決した。
すなわち本発明は、炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を有する基を有することを特徴とする、ポリシロキサン(a1)を提供することで、上記課題を解決する。
さらに、シラノール基および/または加水分解性シリル基を有する、前記ポリシロキサン(a1)を提供することで、上記課題を解決する。
さらにビニル系重合体(a2)が結合していることを特徴とする、前記ポリシロキサン(a1)を提供することで、上記課題を解決する。
また本発明は、前記ポリシロキサン(a1)を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物を硬化してなる硬化物を提供することで、上記課題を解決する。
また本発明は、前記ポリシロキサン(a1)を含有する塗料、更には基材と該塗料とを積層してなる積層体を提供することで、上記課題を解決する。
ポリシロキサン(a1)が重合性二重結合を有する基を有することで、高温かつ長時間の硬化時間を必要とせずに紫外線などの活性エネルギー線で硬化せしめることが可能であるため、高い生産性を維持できる。
また、ポリシロキサン(a1)の構成材料として特定の長鎖アルキレン基を連結基として有することから、紫外線等による硬化の際に重合性二重結合を有する基が動き易くなるため、重合性二重結合が高い反応率を示し、高い耐擦傷性、耐候性を発現する。さらに、長期屋外使用においても、柔軟性のある長鎖アルキレン鎖が塗膜内部の応力を緩和するため、塗膜のクラック発生を防止できることを見出し、上記課題を解決した。
本発明により、高い生産性を有し、屋外における長期耐候性(具体的には耐クラック性)と優れた耐擦傷性を併せ持つ硬化物を提供する、実用性の高い硬化性樹脂組成物が得られる。また、本発明の硬化物は、耐摩耗性に優れるためハードコート膜として適している。また、本発明の硬化物、特に基材と本発明の硬化物を積層してなる積層体は、耐候性も優れるため、屋外における使用に適し、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。
(ポリシロキサン(a1))
本発明におけるポリシロキサン(a1)は炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を有する基を有することを特徴とする。本発明のポリシロキサンは光開始剤の存在下で紫外線照射されると重合性二重結合間で架橋反応が進行することで硬化する。その際、特定の長鎖アルキレン基を連結基として含んでいるため、紫外線等による重合性二重結合基硬化の際に重合性不飽和基が動き易くなることから、重合性不飽和基が高い反応率を示し、架橋密度の高い強固なポリシロキサン構造が形成され、高い耐擦傷性、耐候性を発現する。さらに、長期屋外使用においても、柔軟性のある長鎖アルキレン鎖が塗膜内部の応力を緩和するため、塗膜のクラック発生を防止できる。その結果、得られる塗膜は、耐擦傷性および耐侯性に優れるものとなる。
前記重合性二重結合を有する基としては、例えば、ビニル基、スチリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、これらの基を有する基も重合性二重結合を有する基である。重合性二重結合は、ポリシロキサン(a1)中に2つ以上存在することが好ましく3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましい。
前記重合性二重結合を有する基のうち5〜50%、好ましくは10〜30%が炭素原子数6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合であることが好ましい。重合性二重結合を有する基が5〜50%である時、重合性二重結合は高い反応性を示し、耐擦傷性及び耐候性が特に向上するため好ましい。
また、ポリシロキサン(a1)としては、ポリシロキサンの重量を基準として重合性二重結合を1〜40重量%含有するポリシロキサンが耐久性に優れる硬化物を得られる硬化性樹脂組成物が得られることから好ましく、5〜30重量%含有するポリシロキサンがより好ましい。
本発明におけるポリシロキサン(a1)は、具体的には、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する。
Figure 2016216589
(1)
Figure 2016216589
(2)
(一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位)
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3のうち、少なくとも一つが、炭素原子数6−13のアルキレン器に結合した重合性二重結合を有する基である)
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、ケイ素の結合手のうち2または3つが架橋に関与した、三次元網目状のポリシロキサン構造単位である。三次元網目構造を形成しながらも密な網目構造を形成しないので、製造時にゲル化等を生じることもなく、長期保存安定性も良好となる。
前記ポリシロキサン(a1)は、シラノール基および/または加水分解性シリル基を有している。前記紫外線硬化と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行することで、得られる塗膜のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた塗膜を形成することができる。その際、重合性二重結合基に結合している炭素原子数6〜13のアルキレン基が、塗膜内部の応力を緩和するため、加水分解縮合反応が進行しても、塗膜のクラック発生を防止できる。
本発明で言うシラノール基とは珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。
本発明で言う加水分解性シリル基とは珪素原子に直接結合した加水分解性基を有する珪素含有基である。
本発明のポリシロキサン(a1)において、前記一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3は、炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を有する基以外の基としては、特に限定は無く、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、エポキシ基を有する基、ハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基等が挙げられるが、好ましくはビニル系重合体(a2)である。
(ビニル系重合体(a2))
本発明のポリシロキサン(a1)において、一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3のうち、少なくとも1つがビニル系重合体(a2)であることが好ましい。ここで言うビニル系重合体(a2)とは、アクリル重合体、フルオロオレフィン重合体、ビニルエステル重合体、芳香族系ビニル重合体及びポリオレフィン重合体等のビニル系重合体である。ビニル系重合体(a2)を有する場合、基材との密着性や有機溶剤への相溶性、耐アルカリ性等の耐薬品性に優れるため、好ましい。さらには、塗膜の表面滑性等を向上させることが可能なシリコン樹脂も、アクリル系の樹脂や紫外線硬化性モノマーも比較的相溶しやすい。そのため相溶性のよい組成物を得ることができる。
前記ビニル系重合体(a2)の数平均分子量としては、数平均分子量(以下Mnと略す)に換算して500〜200,000の範囲であることが好ましく、前記複合樹脂(A)を製造する際の増粘やゲル化を防止でき、且つ塗膜としたときの耐久性に優れる。Mnは中でも700〜100,000の範囲がより好ましく、1,000〜50,000の範囲がなお好ましい。
(ビニル系重合体(a2)を有するポリシロキサン(a1)のの製造方法)
本発明で用いるビニル系重合体(a2)を有するポリシロキサン(a1)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
(方法1)前記汎用の(メタ)アクリルモノマー等、及び、前記炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体(a2)を得る。これに、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。
該方法においては、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を併有するシラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記ポリシロキサン(a1)が形成されると共に、前記ポリシロキサン(a1)と、ビニル系重合体(a2)とが結合する。
(方法2)方法1と同様にして、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体a2)を得る。一方、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物を加水分解縮合反応させ、ポリシロキサン(a1)を得る。そして、ビニル系重合体(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、とポリシロキサン(a1)とが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる。
(方法3)方法1と同様に、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体(a2)を得る。一方、方法2と同様にして、ポリシロキサン(a1)を得る。更に、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。この場合、方法2と同様にして得られたポリシロキサン(a1)、もしくはビニル系重合体セ(a2)とポリシロキサン(a1)を混合し、加水分解縮合させる際に混合させるシラン化合物、どちらかがシラノール基および/または加水分解性シリル基並びに炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を併有するシラン化合物を含んでいれば良い。
前記(方法1)〜(方法3)で使用する、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を併有するシラン化合物としては、下記一般式(5)で示される化合物が使用できる。
Figure 2016216589
(式中、mは6〜14の整数、nは0〜2の整数、R1およびR2は各々独立に炭素数1〜3のアルキル基又はアリール基、R3は(メタ)アクリロキシ基、ビニル基又はスチリル基である。)
具体的には信越化学工業株式会社製の長鎖スペーサー型シランカップリング剤、KMB−5803が好適に使用される。
また、前記(方法1)〜(方法3)で使用する、汎用のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の各種のオルガノトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシランもしくはメチルフェニルジメトキシシラン等の、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランもしくはジフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類が挙げられる。中でも、加水分解反応が容易に進行し、また反応後の副生成物を容易に除去することが可能なオルガノトリアルコキシシランやジオルガノジアルコキシシランが好ましい。
また、炭素原子数が1〜6であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を併有するシラン化合物を使用しても良い。具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはテトラn−プロポキシシランなどの4官能アルコキシシラン化合物や該4官能アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。前記4官能アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物を併用する場合には、前記ポリシロキサン(a1)を構成する全珪素原子に対して、該4官能アルコキシシラン化合物の有する珪素原子が、20モル%を超えない範囲となるように併用することが好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応は、前記加水分解性基の一部が水などの影響で加水分解され水酸基を形成し、次いで該水酸基同士、あるいは該水酸基と加水分解性基との間で進行する進行する縮合反応をいう。該加水分解縮合反応は、公知の方法で反応を進行させることができるが、前記製造工程で水と触媒とを供給することで反応を進行させる方法が簡便で好ましい。
使用する触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
前記触媒の添加量に特に限定はないが、一般的には前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物全量に対して、0.0001〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、0.0005〜3重量%の範囲で使用することがより好ましく、0.001〜1重量%の範囲で使用することが特に好ましい。
また、供給する水の量は、前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物が有するシラノール基または加水分解性シリル基1モルに対して0.05モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましく、特に好ましくは、0.5モル以上である。これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応を行う際の反応温度は、0℃〜150℃の範囲が適切であり、好ましくは、20℃〜100℃の範囲内である。また、反応の圧力としては、常圧、加圧下又は減圧下の、いずれの条件においても行うことができる。また、前記加水分解縮合反応において生成しうる副生成物であるアルコールや水は、必要に応じ蒸留などの方法により除去してもよい。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、本発明のポリシロキサン(a1)を有する。本発明のポリシロキサン(a1)は、前述の通り重合性二重結合を有するので、紫外線もしくは熱により硬化可能である。また、紫外線と熱の同時両方の硬化形式で硬化可能である。中でも、ポリカーボネートをはじめとするプラスチック素材からなる外装建築部材や自動車用外装部材の表面保護コーティング用塗料として使用する場合には、紫外線硬化が好ましい。以下本発明の具体的態様として紫外線硬化させる場合の例について述べる。
本発明の樹脂組成物を紫外線硬化させる場合には、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤の使用量は、前記複合樹脂(A)100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
また、紫外線硬化させる場合は、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを含有するのが好ましい。例えば、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等も多官能アクリレートとして例示することができる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
また、前記多官能(メタ)アクリレートに併用して、単官能(メタ)アクリレートを併用することもできる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。多官能イソシアネート(b)のイソシアネート基との反応性を考慮すると、単量体(c)としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
前記多官能アクリレートを用いる場合の使用量としては、本発明の樹脂組成物の全固形分量に対して1〜85重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。前記多官能アクリレートを前記範囲内で使用することによって、得られる塗膜の硬度等の塗膜物性を改善することができる。
紫外線硬化させる際に使用する光は、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー等を使用することができる。これらを用いて、約180〜400nmの波長の紫外線を、紫外線硬化性樹脂組成物の塗布面に照射することによって、塗膜を硬化させることが可能である。紫外線の照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
また、塗工時の粘度を調整するために、有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−ブタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はエチレンカーボネートを単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
その他、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、又は可塑剤等の種々の添加剤等を使用することもできる。
本発明の樹脂組成物は、ポリシロキサン(a1)がビニル系重合体(a2)と結合している場合、塗膜の表面滑性等を向上させることが可能なシリコン樹脂も、アクリル系の樹脂や紫外線硬化性モノマーも比較的相溶しやすい。そのため相溶性のよい組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は種々の形状にて使用することができる。具体的には、例えば、有機溶剤に溶解した溶液、有機溶剤に分散した分散体、水に分散した分散体、溶剤等を用いない溶液、粉体等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物はこのままで、紫外線等の硬化性塗料として用いることができる。また、前記した有機顔料、無機顔料等の添加剤を加えてもよい。
本発明の樹脂組成物や塗料を用いて形成される塗膜の膜厚は、特に制限はないが、屋外での長期耐候性と優れた耐擦傷性を有する硬化塗膜を形成することができるという観点から、0.1〜300μmであることが好ましい。硬化塗膜の膜厚が0.1μm未満の場合、プラスチック素材に対して耐候性や耐擦傷性を付与できなくなるし、膜厚が300μmを超えて厚くなると、紫外線が塗膜内部に十分に照射されず、硬化不良を起こす場合があるので、注意が必要である。
前述の、本発明の樹脂組成物や本発明の塗料を基材上に塗布し、硬化することにより、積層体を得ることができる。また、基材の一方が透明であれば、基材と基材の中間層に本発明の硬化物を有する積層体を得ることができる。
前記基材としては、種々のものが使用できるが、例えば金属基材、無機質基材、プラスチック基材、紙、木質系基材等を使用することができる。
例えば、プラスチック基材表面に前記硬化性樹脂組成物で形成された層を積層する場合は、特に限定はないが、通常塗装法が用いられる。具体的には、プラスチック基材表面に前記硬化性組成物を塗布した後、紫外線を照射することにより、耐候性と耐擦傷性に優れる硬化塗膜を有するプラスチック成形体を得ることができる。
この場合、レオロジーをコントロールするために、前記樹脂組成物は、前記添加剤の他、溶剤を添加し適宜希釈して使用することが好ましい。溶剤は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよい。また塗装後の膜厚にも特に制限はないが、屋外での長期耐候性と優れた耐擦傷性を有する硬化塗膜を形成することができるという観点から、0.1〜300μmであることが好ましい。硬化塗膜の膜厚が0.1μm未満の場合、プラスチック基材に対して耐候性や耐擦傷性を付与できなくなるし、膜厚が300μmを超えて厚くなると、紫外線が塗膜内部に十分に照射されず、硬化不良を起こす場合があるので、注意が必要である。
前記プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン類;ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類;ナイロン1、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンMX−Dなどのポリアミド類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系重合体;ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等のアクリル系重合体、ポリカーボネート等を使用することができる。前記プラスチック基材は、単層又は2層以上の積層構造を有するものであってもよい。また、これらのプラスチック基材は、未延伸、一軸延伸、二軸延伸されていてもよい。
また、前記プラスチック基材には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、公知の帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤等の公知の添加剤が含まれていても良い。
前記プラスチック基材は、本発明の樹脂組成物との密着性を更に向上させるために、基材表面に公知の表面処理が施されていてもよく、かかる表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせた処理を行ってもよい。
前記基材の形状は、特に制限がなく、例えば、シート状、板状、球状、フィルム状ないしは大型の構築物又は複雑なる形状の組立物あるいは成形物であってもよい。また前記基材の表面は、予め下塗り塗料等により被覆されていてもよく、また、その被覆部分が劣化していても、本発明の樹脂組成物を塗布することは可能である。
前記下塗り塗料としては、公知の水溶解型又は水分散型塗料や有機溶剤型又は有機溶剤分散型塗料、粉体塗料等を使用することができる。具体的には、アクリル樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、脂肪酸変性エポキシ樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、フルオロオレフィン系塗料またはアミン変性エポキ樹脂塗料などのような各種のタイプのものを使用することができる。また、前記下塗り塗料は、顔料を含まないクリヤー塗料であってもよいし、前記顔料を含むエナメル系塗料あるいはアルミニウムフレーク等を含有するメタリック塗料であってもよい。
前記基材に本発明の樹脂組成物や塗料を塗布する方法としては、例えば刷毛塗り法、ローラー塗装法、スプレー塗装法、浸漬塗装法、フロー・コーター塗装法、ロール・コーター塗装法もしくは電着塗装法などの公知慣用の塗装方法を適用することが可能である。
前記塗装方法により前記基材表面に本発明の樹脂組成物を塗布した後、該塗布面に前記した方法によって紫外線を照射することにより、屋外における長期耐候性と優れた耐擦傷性を併有し、且つ、プラスチック素材に対する密着性に優れる硬化塗膜を有する積層体を得ることができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は重量規準である。
実施例において、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により、以下の条件で測定した値を用いるものとする。
(a)装置 : ゲル浸透クロマトグラフGPC−244(WATERS社製)
(b)カラム : Shodex HFIP 80M 2本(昭和電工(株)製)
(c)溶媒 : ジメチルホルムアミド
(d)流速 : 0.5ml/min
(e)温度 : 23℃
(f)試料濃度:0.1% 溶解度:完全溶解 ろ過:マイショリディスク W−13−5
(g)注入量 : 0.300ml
(h)検出器 : R−401型示差屈折率器(WATERS)
(i)分子量校正: ポリスチレン(標準品)
(実施例1) ポリシロキサン(a1−1)の合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、MTMS(メチルトリメトキシシラン)415部、信越化学工業株式会社製KBM5803 151部、MPTS(3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)605部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、PhoslexA−4(堺化学株式会社製、ノルマルブチルアッシドホスフェート) 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000であるポリシロキサン(a1−1) 1000部を得た。
(比較例1) ポリシロキサン(a1−2)の合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、MTMS(メチルトリメトキシシラン)415部、MPTS 756部を仕込む以外は合成例1と同じ反応を実施することで、ポリシロキサン(a1−2)を得た。
ビニル系重合体前駆体の合成
<合成例1 ビニル系重合体前駆体(a2−1)の合成>
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてPTMS(フェニルトリメトキシシラン)20.1部、DMDMS(ジメチルジメトキシシラン) 24.4部、溶剤としてMIBK(メチルイソブチルケトン) 107.7部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA(アクリル酸) 1.5部、BA(ブチルアクリレート) 1.5部、MMA(メチルメタクリレート) 56.1部、BMA(n−ブチルメタクリレート) 14.4部、CHMA(シクロヘキシルメタクリレート) 37.5部、HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート) 30.0部、MPTS 9.0部、TBPEH(tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキノエート) 6.8部、MIBK 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した後、さらに同温度で2時間撹拌し、数平均分子量が5800、であるビニル系重合体を含有する反応液を得た。前記反応容器中に、PhoslexA−4 0.06部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で5時間攪拌することにより、シラン化合物の加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下である、ビニル系重合体前駆体(a2−1)を得た。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
(実施例2) ポリシロキサン(a1−3)
合成例1と同様の装置に、ポリシロキサン(a1−1) 178.8部、ビニル系重合体(a2−1)を371.2部添加し、5分間攪拌したのち、脱イオン水 41.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MIBK 195.0部を添加し、不揮発分が45.1%であるポリシロキサン(a1−3) 600部を得た。
(実施例3) 組成物及び硬化物
合成例1により得たポリシロキサン(a1−1)の固形分50部に対し、PETA(ペンタエリスリトールトリアクリレート)を50部加え、BASFジャパン株式会社製の光重合開始剤Irgacure184を4部、紫外線吸収剤Tinuvin400、光安定化剤としてTinuvin123を1部添加することで、不揮発成分50%である組成物1を作製した。得られた組成物1を2mm×150mm×150mmのポリカーボネート板(レキサンLS2−111(SABIC社製))上に、乾燥膜厚が15μmになるよう塗布し、80℃で4分間乾燥させて樹脂組成物層を形成後、ランプ出力1kWの水銀ランプ下、約1000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射することで積層体1を得た。これについて以下の評価を行い、結果を下記表1に示した。

(テーバー磨耗試験)
得られた積層体1に対し、テーバー磨耗試験にて、ASTM D1044に準拠した方法(磨耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:100)にて擦り、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。差が小さいほど、耐磨耗性が高いことを示す。ΔHの値から、下記の基準により耐磨耗性を評価した。
○:ΔH=15未満
×:ΔH=15以上
(超促進耐光性試験(SUV))
得られた積層体1に対し、岩崎電気製の超促進耐侯性試験機スーパーUVテスター(SUV)を使用して、照射強度90mW、ブラックパネル温度63℃湿度70%の条件にて100時間UV照射を実施した後に、硬化塗膜の外観を目視にて検査し、下記の判断基準にて試験結果を判定した。
○:表面状態に変化が無い。
×:表面にクラックが発生している。
(実施例4)
ポリシロキサン(a1−1)の代わりにポリシロキサン(a1−3)を用いた以外は実施例3と同様の工程にて、組成物2及び積層体2を得た。実施例3と同様に評価を実施した結果を表1に示した。
(比較例2)
ポリシロキサン(a1−1)の代わりにポリシロキサン(a1−2)を用いた以外は実施例3と同様の工程にて組成物3及び積層体3を得た。実施例3と同様に評価を実施した結果を表1に示した。
Figure 2016216589
本発明のポリシロキサンは、高い生産性を有し、屋外における長期耐候性(具体的には耐クラック性)と優れた耐擦傷性を併せ持つ硬化物を提供する、実用性の高い硬化性樹脂組成物が得られる。また、本発明の硬化物は、耐摩耗性に優れるためハードコート膜として適している。また、本発明の硬化物、特に基材と本発明の硬化物を積層してなる積層体は、耐候性も優れるため、屋外における使用に適し、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。

Claims (7)

  1. 炭素原子数が6〜13であるアルキレン基に結合した重合性二重結合を有する基を有することを特徴とする、ポリシロキサン(a1)。
  2. さらにシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する、請求項1に記載のポリシロキサン(a1)。
  3. さらにビニル系重合体(a2)が結合していることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリシロキサン(a1)。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポリシロキサン(a1)を含有することを特徴とする、樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  6. 請求項4に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする塗料。
  7. 基材と、請求項5記載の硬化物とを積層してなる積層体。
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