JP2004148785A - 樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性、透明性、プラスチック基材との密着性に優れた保護被膜を有する樹脂成形品を提供する。
【解決手段】プラスチック基材表面に下記2層構造の被膜を有する樹脂成形品。1層)プラスチック基材上の層で、式(1)のオルガノアルコキシシラン加水分解物と式(2)のフェニルアルコキシシラン加水分解物とシランカップリング剤の加水分解物との共縮合物をバインダー成分として含む多官能(メタ)アクリレート組成物の共重合体層。 第2層)第1層上の層で、オルガノアルコキシシランの加水分解物又は縮合物を主成分とする組成物を硬化したケイ素系耐摩耗層。
(1) R1Si(OR2)3[R1はC1−10有機基(フェニル基除く),R2はC1−5アルキル基又はC1−4アシル基]
(2) PhSi(OR3)3[Phは置換基を有してもよいフェニル基,R3はR2と同様]
【選択図】 なし
【解決手段】プラスチック基材表面に下記2層構造の被膜を有する樹脂成形品。1層)プラスチック基材上の層で、式(1)のオルガノアルコキシシラン加水分解物と式(2)のフェニルアルコキシシラン加水分解物とシランカップリング剤の加水分解物との共縮合物をバインダー成分として含む多官能(メタ)アクリレート組成物の共重合体層。 第2層)第1層上の層で、オルガノアルコキシシランの加水分解物又は縮合物を主成分とする組成物を硬化したケイ素系耐摩耗層。
(1) R1Si(OR2)3[R1はC1−10有機基(フェニル基除く),R2はC1−5アルキル基又はC1−4アシル基]
(2) PhSi(OR3)3[Phは置換基を有してもよいフェニル基,R3はR2と同様]
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性、透明性、プラスチック基材との密着性に優れた保護被膜を有する樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート等のプラスチックからなる成形品は、ガラス材料に比較して耐衝撃性、軽量性、透明性が優れているが、表面硬度が低いので表面に傷が付き易く、また耐候性が乏しいという問題がある。
【0003】
そこで、これらの問題点を解決するためにプラスチック成形品の表面に被膜を形成し、表面硬度等を改良する試みがなされている。そのような被膜として、例えば、加水分解性ケイ素化合物を原料としたゾルゲル法によるケイ素系被膜が従来より使用されている。このケイ素系被膜によれば、成形品に高い表面硬度を与えることができる。また、特にポリカーボネート樹脂は、紫外線による表面劣化や黄変等の劣化現象の問題が有り、かつ、ケイ素系被膜との密着性が劣る。そこで、紫外線に対する劣化を改善するために、紫外線吸収剤を配合したアクリル系ポリマーをポリカーボネート基材に予めコーティングしてプライマー層を形成し、その上にケイ素系被膜を形成することで、耐候性と密着性を得る方法が広く知られている。
【0004】
しかしながら、アクリル系ポリマーは吸水性が高く、さらに高温高湿状態ではプライマー層とケイ素被膜が剥離し易いといった問題がある。また、プライマー層を介在させたとしても、プラスチック基材とケイ素系被膜との硬度差が大きいので、温度変化や吸湿に際して、ケイ素系被膜の厚みが薄い場合(約2μm未満)には膜が破壊され易く、またケイ素系被膜の厚みが厚い場合(約5μm超)にはクラックが発生し易く、耐摩耗性被膜としての特徴が得られにくいと言った問題がある。
【0005】
この問題を解決する方法として、プラスチック基材上に多官能(メタ)アクリレートを主成分とする組成物を光重合硬化して耐摩耗性の架橋被膜を一旦形成してプライマー層とする方法がある。この方法においては、プライマー層の吸水性の改善と、その上に形成されるケイ素系被膜の耐摩耗性と耐クラック性の改善が試みられている。
【0006】
しかしながら、そのようなプライマー層は、ケイ素系被膜との密着性が十分なものではない。そこで、プライマー層にバインダー成分としてシラノール基を有するポリシロキサン組成物を配合し、ケイ素系被膜との密着性を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。そのポリシロキサン組成物としては、例えば、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基およびビニル基の少なくとも一つを有するシランカップリング剤、ケイ素系耐摩耗性熱重合硬化組成物などが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−118425号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示されたバインダー成分であるポリシロキサン組成物は、一般的にプライマー層の多官能(メタ)アクリレート組成物との相溶性が乏しいので、プライマー層形成時に層が白化する、プライマー層表面にバインダー成分がしみ出す、あるいはケイ素系被膜との密着性が得られない等の問題がしばしば発生する。
【0009】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、耐摩耗性および透明性に優れかつプラスチック基材との十分な密着性を有する保護被膜を形成した樹脂成形品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した各課題を解決する為に鋭意検討した結果、オルガノアルコキシシランの加水分解物と、フェニルアルコキシシランの加水分解物と、シランカップリング剤の加水分解物との共縮合物をバインダー成分として含む多官能(メタ)アクリレート組成物を重合硬化して得られる層は、十分な透明性とプラスチック基材に対する密着性を有し、また、その上に形成されるオルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とする組成物を硬化してなるケイ素系耐摩耗層と良好な密着性を有することを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、プラスチック基材表面に、以下の2層構造の被膜を有する樹脂成形品である。
【0012】
第1層) 前記プラスチック基材上に形成される層であって、下記一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解物と、下記一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランの加水分解物と、シランカップリング剤の加水分解物との共縮合物をバインダー成分として含む多官能(メタ)アクリレート組成物の共重合体からなる層。
【0013】
R1Si(OR2)3 ・・・(1)
[式(1)中、R1は炭素数1〜10の有機基(但し置換基を有しても良いフェニル基を除く)、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。]
PhSi(OR3)3 ・・・(2)
[式(2)中、Phは置換基を有してもよいフェニル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。]。
【0014】
第2層) 第1層上に形成される層であって、オルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とする組成物を硬化してなるケイ素系耐摩耗層。
【0015】
なお、本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの総称であり、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの総称である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において、被膜の第1層(プライマー層)の形成の為に用いる多官能(メタ)アクリレート組成物は、前記一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解物と、前記一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランの加水分解物と、シランカップリング剤の加水分解物との共縮合物を、バインダー成分として含むものである。また、この組成物は、それぞれの加水分解物や、1種の加水分解物の縮合物や、2種の加水分解物の共縮合物を含んでいても良い。このバインダー成分は、第1層上に形成される第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性を発現させる作用を奏する。
【0017】
一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランは、加水分解速度が速く、その加水分解物は、フェニルアルコキシシランやシランップリング剤の加水分解物と速やかに縮合反応しバインダー成分を生成する成分である。
【0018】
一般式(1)において、R1は炭素数1〜10の有機基(但し、置換基を有しても良いフェニル基を除く)である。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−デシル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アセチル基等が挙げられる。
【0019】
一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラン、n−プロピルトリアセトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリブトキシシラン、イソプロピルトリアセトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリブトキシシラン、n−ブチルトリアセトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリブトキシシラン、イソブチルトリアセトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、加水分解や縮合の速度、および得られる被膜の硬度、強度、耐摩耗性の点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランが好ましい。特に、メチルトリメトキシシランが最も好ましい。
【0020】
一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランは、その加水分解物をバインダー成分に共縮合することにより多官能(メタ)アクリレート共重合体との相溶性を向上させる成分である。このバインダー成分の相溶性向上により、プライマー層の白化、バインダー成分のしみ出し等を抑えることができる。
【0021】
一般式(2)において、Phは置換基を有してもよいフェニル基である。その置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ハロゲン基等が挙げられる。R3は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基である。その具体例としては、先に挙げた一般式(1)のR2と同様のものが挙げられる。
【0022】
一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランの具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。中でも、加水分解や縮合の速度が速い点から、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが好ましい。
【0023】
シランカップリング剤は、分子内に(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基、スチリル基等の有機官能基と加水分解性アルコキシシリル基を含有する化合物である。このシランカップリング剤の加水分解をバインダー成分に共縮合することにより、そのバインダー成分を含む第1層(プライマー層)とその上に形成される第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性を付与できる。
【0024】
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、その加水分解物が密着性良好なバインダー成分を与える点で、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0025】
バインダー成分の調製方法としては、例えば、オルガノアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、シランカップリング剤および水を混合し、さらに塩酸、酢酸等を加えて混合液を酸性にし、その加水分解を進行させ、そのまま攪拌を続けて共縮合を行う方法等がある。このとき、エタノール、イソプロパノール等の親水性の有機溶剤を加えても良い。また、加水分解が十分に進行した後、縮合の反応を速めるために水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等を添加してpHを中性付近に制御しても良い。
【0026】
オルガノアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、シランカップリング剤の配合比は特に制限されず、所望に応じて適宜決定すれば良い。通常は、オルガノアルコキシシラン100モルに対して、フェニルアルコキシシラン5〜200モル、シランカップリング剤5〜200モルが好ましい。
【0027】
オルガノアルコキシシラン100モルに対して、フェニルアルコキシシランの配合比が5モル以上であれば、多官能(メタ)アクリレート組成物との相溶性が良好となり、プラスチック基材上に第1層(プライマー層)を製膜する際に、層が白化したり、バインダー成分が層表面にしみ出したりする等の不具合が発生し難くなる。また、200モル以下であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性が低下する等の不具合が発生し難くなる。特に好ましいフェニルシランの配合比は、10〜100モルである。
【0028】
さらに、オルガノアルコキシシラン100モルに対して、シランカップリング剤の配合比が5モル以上であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性が不足する等の不具合が発生し難くなる。また、200モル以下であれば、第1層(プライマー層)の白化、シミの発生が生じる等の不具合が発生し難くなる。特に好ましいシランカップリング剤の配合比は、10〜100モルである。
【0029】
多官能(メタ)アクリレート組成物に対するバインダー成分の配合量は特に制限されず、所望に応じて適宜決定すれば良い。通常は、多官能アクリレート組成物の固形分100質量部に対して、バインダー成分の固形分5〜50質量部が好ましい。バインダー成分の固形分が5質量部以上であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)に対する十分な密着性が得られる。また、50質量部以下であれば、第1層(プライマー層)の白化、シミの発生が生じる等の不具合が発生し難くなる。特に好ましいバインダー成分の配合量(固形分)は、10〜30質量部である。
【0030】
多官能(メタ)アクリレート組成物は、分子内に2個以上(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む。通常は、この多官能(メタ)アクリレートと活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤を主成分とし、光重合法により硬化し、製膜した際にポリメタクリル酸メチル(PMMA)以上の耐摩耗性を有するような組成物であれば良い。
【0031】
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
特に、光重合性や得られる被膜の耐摩耗性等の点から、3官能以上のアクリレートを用いることが望ましい。具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が好ましい。
【0033】
これら多官能(メタ)アクリレートは、一種を単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
【0034】
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤は、紫外線や可視光線に代表される活性エネルギー線に感応してラジカルを発生するものであり、従来より知られる各種のものを使用できる。
【0035】
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインモノエチルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1,1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、カンファーキノン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリル−1−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
【0036】
これらの中でも、特に、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1,1−オン、ベンジルジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
【0037】
これら活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤は、一種を単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
【0038】
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤の配合量は、多官能(メタ)アクリレート組成物の固形分100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
【0039】
本発明において、多官能(メタ)アクリレート組成物は、上述したバインダー成分、多官能(メタ)アクリレート、および、好ましくは活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤を含むものであるが、さらに、必要に応じて、単官能(メタ)アクリレート、紫外線吸収剤、光安定剤、溶剤を含んでいても良い。特に、プラスチック基材としてポリカーボネート基材を用いる場合は、基材を紫外線より保護する為に、紫外線吸収剤を配合することが望ましい。
【0040】
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、フェノキエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン型、ベンゾトリアゾール型、無機系などの何れの紫外線吸収剤も使用できる。その具体例としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5’−ジ−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0042】
特に、多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良い点から、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。これら紫外線吸収剤は、一種類を単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。また、必要に応じ、ヒンダードアミン型の光安定剤を合わせて添加することもできる。
【0043】
紫外線吸収剤の配合量は、多官能(メタ)アクリレート組成物の固形分100質量部に対して、1〜20質量部が好ましい。紫外線吸収剤の配合量が1質量部以上であれば、紫外線による劣化を抑制できる。また、20質量部以下であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性が阻害され難い。特に好ましい配合量は、2〜10質量部である。
【0044】
多官能(メタ)アクリレート組成物をプラスチック基材上に成膜硬化して、第1層を形成する方法としては、例えば、従来知られているディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、印刷法等の方法によりプラスチック基材上にコーティングし、活性エネルギー線の照射により硬化する方法がある。
【0045】
第1層の厚さは、1〜20μmが好ましい。厚さが1μm以上であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との良好な密着性が得られる。また、20μm以下であれば、成膜時に被膜にシワ、白化等の外観上の欠陥が発生し難い。特に好ましい第1層の厚さは、2〜10μmである。
【0046】
多官能(メタ)アクリレート組成物を硬化する為の活性エネルギー線の発生光源としては、例えば、化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視光ハロゲンランプ、太陽光等が挙げられる。照射エネルギーとしては、200〜600nmの波長の積算エネルギーが0.05〜10J/cm2となるように照射することが好ましい。活性エネルギー線の照射雰囲気は、空気中でも良いし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でも良い。
【0047】
本発明において、第2層は、オルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とする組成物(以下「ケイ素系組成物」と称す)を硬化してなるケイ素系耐摩耗性層である。
【0048】
このオルガノアルコキシシランは特に限定されないが、代表的には、下記一般式(3)で示されるものである。
【0049】
R4 nSi(OR5)4−n ・・・(3)
[式(3)中、R4は炭素数1〜10の有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。nは0〜2の整数を表す。]。
【0050】
一般式(3)において、R4の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−デシル基、フェニル基等が挙げられる。R5の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アセチル基等が挙げられる。
【0051】
一般式(3)で表されるオルガノアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラン、n−プロピルトリアセトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリブトキシシラン、イソプロピルトリアセトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリブトキシシラン、n−ブチルトリアセトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリブトキシシラン、イソブチルトリアセトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等が挙げられる。中でも、加水分解や縮合の速度、および得られる被膜の硬度、強度、耐摩耗性の点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランが好ましい。特に、メチルトリメトキシシランが最も好ましい。
【0052】
これらオルガノアルコキシシランは、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して用いても良い。
【0053】
第2層を形成する為に用いるケイ素系組成物は、上述したオルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とするものであるが、さらに、必要に応じて、コロイダルシリカ、紫外線吸収剤、顔料、レベリング剤等を含んでいても良い。
【0054】
このケイ素系組成物として、例えば、各社より市販されているシリコン系ハードコート剤を使用できる。具体的には、(株)日本ダクロシャムロック製ソルガード720、730、信越化学工業(株)製X−12−2206、GE東芝シリコーン(株)製トスガード510等が挙げられる(以上、全て商品名)。
【0055】
第1層上に、ケイ素系組成物を成膜硬化して第2層を形成する方法としては、例えば、従来知られているディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、印刷法等の方法によりコーティングし、熱風乾燥炉等を用いて、80〜140℃で数時間加熱し硬化する方法がある。
【0056】
第2層の厚さは、1〜10μmが好ましい。厚さが1μm以上であれば、耐摩耗性が十分発現する。また、10μm以下であれば、製膜時におけるクラックが発生し難くなる。特に好ましい第2層の厚さは、2〜5μmである。
【0057】
本発明において、プラスチック基材の形状や材質は、特に限定されず、従来より樹脂成形品に使用し得るものとして知られる各種のものを使用できる。具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリルスチレン等が挙げられる。特に、本発明においては、ポリカーボネートからなる基材を用いることが好ましい。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の記載において「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。また、被膜の物性および評価は、以下の各方法による結果を示すものである。
【0059】
1)外観
得られた樹脂成形品を、目視にて透明性、クラック、白化、シミの発生などの有無を観察し、透明でクラック、白化、シミなどの欠陥がないものを良好(○)とし、そのうちの何れかの欠陥があるものを不良(×)とした。
【0060】
2)耐摩耗性
得られた樹脂成形品の表面を、#000のスチールウールにて、1kg/cm2の荷重を加えて10往復擦り、1×3cmの範囲に発生した傷の程度を観察し、その耐摩耗性(耐擦傷性)を、以下の基準で評価した。
A … ほとんどキズがつかない。
B … 1〜10本のキズがつく。
C … 10〜100本のキズがつく。
D … 無数のキズがつく。
E … 光沢面が無くなる。
【0061】
3)密着性
得られた樹脂成形品に対して、JIS K5400 碁盤目テープ法による試験を行い、残存したマス目の数により、以下の基準で評価した。
○ … 剥離したマス目が無い(密着性良好)。
△ … 剥離したマス目が5/100以下(密着性中程度)。
× … 剥離したマス目が6/100以上(密着性不良)。
【0062】
<合成例1:バインダー成分Aの合成>
三角フラスコに、メチルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン(株)製、分子量136)54.4g、フェニルトリメトキシシラン(東レダウコーングシリコーン(株)製、分子量198)19.8g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量236)59.0g、水27gを入れ撹拌した。次に、0.01N塩酸を滴下し、混合液のpHを3.0に調整した。室温にて撹拌を続け、24時間放置し、その後イソプピルアルコールを加えて固形分を30%に調整し、これをバインダー成分Aとした。
【0063】
<合成例2:バインダー成分Bの合成>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量248)62gを使用したこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Bを得た。
【0064】
<合成例3:バインダー成分Cの合成>
フェニルトリメトキシシランは使用せず、かつメチルトリメトキシシランの量を68.0gに増やしたこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Cを得た。
【0065】
<合成例4:バインダー成分Dの合成>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用しなかったこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Dを得た。
【0066】
<合成例5:バインダー成分Eの合成>
メチルトリメトキシシランは使用せず、かつフェニルトリメトキシシランの量を99.0gに増やしたこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Eを得た。
【0067】
以上のバインダー成分A〜Eの組成を、表1にまとめて示す。
【0068】
<実施例1>
[第1層形成用組成物の調製]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)30部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬(株)製)30部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)40部、ベンゾインエチルエーテル1.5部、ベンゾフェノン2.5部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)、商品名:L−7001)0.2部、イソプロピルアルコール120部、トルエン30部、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバスペシャリティーケミカル(株)製、商品名チヌビンPS)12部、合成例1で得たバインダー成分A(固形分30%)77.5部を均一に混合し、第1層(プライマー層)形成用多官能(メタ)アクリレート組成物を得た。
【0069】
[第1層(プライマー層)の形成]
厚さ3mmのポリカーボネート板(筒中プラスチック(株)製、商品名ポリカエースECK100)上に、上述のようにして得た第1層形成用多官能(メタ)アクリレート組成物をディップコート法で塗布し、室温で約20分放置乾燥した。その後、板の両面各々20cmの距離から、メタルハライドランプ(120W/cm、10インチ)を光源として10秒間紫外線を照射して、膜厚5μmの第1層(プライマー層)を形成した。
【0070】
[第2層(ケイ素系耐摩耗層)の形成]
第1層を形成したポリカーボネート板上に、オルガノアルコキシシランの加水分解物及び/またはその縮合物を主成分とするシリコンハードコート組成物(信越化学工業(株)製、商品名X−12−2206)をディップコート法で塗布し、室温で約20分放置乾燥した。その後、熱風乾燥炉中、100℃で2時間加熱、硬化することにより膜厚3μmの第2層(ケイ素系耐摩耗層)を形成し、2層構造の被膜を有するポリカーボネート板を得た。
【0071】
この2層構造の被膜の初期の膜物性については、外観は透明で、クラック、白化などの欠陥も無く良好であり、ポリカーボネート基材との密着性も良好であった。また、耐摩耗性はBレベルであった。
【0072】
<実施例2〜4>
バインダー成分の種類および配合量を下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0073】
<実施例5>
第2層の形成に用いるシリコンハードコート組成物として、信越化学工業(株)製、商品名X−12−2206の代わりに、オルガノアルコキシシランの加水分解物及び/またはその縮合物を主成分とする(株)日本ダクロシャムロック製、商品名ソルガード720を使用したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0074】
<比較例1>
バインダー成分を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0075】
<比較例2〜4>
バインダー成分の種類を下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0076】
<比較例5>
バインダー成分をシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0077】
以上の実施例および比較例の評価結果を、表2にまとめて示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐摩耗性および透明性に優れかつプラスチック基材との十分な密着性を有する保護被膜を形成した樹脂成形品を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性、透明性、プラスチック基材との密着性に優れた保護被膜を有する樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート等のプラスチックからなる成形品は、ガラス材料に比較して耐衝撃性、軽量性、透明性が優れているが、表面硬度が低いので表面に傷が付き易く、また耐候性が乏しいという問題がある。
【0003】
そこで、これらの問題点を解決するためにプラスチック成形品の表面に被膜を形成し、表面硬度等を改良する試みがなされている。そのような被膜として、例えば、加水分解性ケイ素化合物を原料としたゾルゲル法によるケイ素系被膜が従来より使用されている。このケイ素系被膜によれば、成形品に高い表面硬度を与えることができる。また、特にポリカーボネート樹脂は、紫外線による表面劣化や黄変等の劣化現象の問題が有り、かつ、ケイ素系被膜との密着性が劣る。そこで、紫外線に対する劣化を改善するために、紫外線吸収剤を配合したアクリル系ポリマーをポリカーボネート基材に予めコーティングしてプライマー層を形成し、その上にケイ素系被膜を形成することで、耐候性と密着性を得る方法が広く知られている。
【0004】
しかしながら、アクリル系ポリマーは吸水性が高く、さらに高温高湿状態ではプライマー層とケイ素被膜が剥離し易いといった問題がある。また、プライマー層を介在させたとしても、プラスチック基材とケイ素系被膜との硬度差が大きいので、温度変化や吸湿に際して、ケイ素系被膜の厚みが薄い場合(約2μm未満)には膜が破壊され易く、またケイ素系被膜の厚みが厚い場合(約5μm超)にはクラックが発生し易く、耐摩耗性被膜としての特徴が得られにくいと言った問題がある。
【0005】
この問題を解決する方法として、プラスチック基材上に多官能(メタ)アクリレートを主成分とする組成物を光重合硬化して耐摩耗性の架橋被膜を一旦形成してプライマー層とする方法がある。この方法においては、プライマー層の吸水性の改善と、その上に形成されるケイ素系被膜の耐摩耗性と耐クラック性の改善が試みられている。
【0006】
しかしながら、そのようなプライマー層は、ケイ素系被膜との密着性が十分なものではない。そこで、プライマー層にバインダー成分としてシラノール基を有するポリシロキサン組成物を配合し、ケイ素系被膜との密着性を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。そのポリシロキサン組成物としては、例えば、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基およびビニル基の少なくとも一つを有するシランカップリング剤、ケイ素系耐摩耗性熱重合硬化組成物などが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−118425号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示されたバインダー成分であるポリシロキサン組成物は、一般的にプライマー層の多官能(メタ)アクリレート組成物との相溶性が乏しいので、プライマー層形成時に層が白化する、プライマー層表面にバインダー成分がしみ出す、あるいはケイ素系被膜との密着性が得られない等の問題がしばしば発生する。
【0009】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、耐摩耗性および透明性に優れかつプラスチック基材との十分な密着性を有する保護被膜を形成した樹脂成形品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した各課題を解決する為に鋭意検討した結果、オルガノアルコキシシランの加水分解物と、フェニルアルコキシシランの加水分解物と、シランカップリング剤の加水分解物との共縮合物をバインダー成分として含む多官能(メタ)アクリレート組成物を重合硬化して得られる層は、十分な透明性とプラスチック基材に対する密着性を有し、また、その上に形成されるオルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とする組成物を硬化してなるケイ素系耐摩耗層と良好な密着性を有することを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、プラスチック基材表面に、以下の2層構造の被膜を有する樹脂成形品である。
【0012】
第1層) 前記プラスチック基材上に形成される層であって、下記一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解物と、下記一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランの加水分解物と、シランカップリング剤の加水分解物との共縮合物をバインダー成分として含む多官能(メタ)アクリレート組成物の共重合体からなる層。
【0013】
R1Si(OR2)3 ・・・(1)
[式(1)中、R1は炭素数1〜10の有機基(但し置換基を有しても良いフェニル基を除く)、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。]
PhSi(OR3)3 ・・・(2)
[式(2)中、Phは置換基を有してもよいフェニル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。]。
【0014】
第2層) 第1層上に形成される層であって、オルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とする組成物を硬化してなるケイ素系耐摩耗層。
【0015】
なお、本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの総称であり、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの総称である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において、被膜の第1層(プライマー層)の形成の為に用いる多官能(メタ)アクリレート組成物は、前記一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解物と、前記一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランの加水分解物と、シランカップリング剤の加水分解物との共縮合物を、バインダー成分として含むものである。また、この組成物は、それぞれの加水分解物や、1種の加水分解物の縮合物や、2種の加水分解物の共縮合物を含んでいても良い。このバインダー成分は、第1層上に形成される第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性を発現させる作用を奏する。
【0017】
一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランは、加水分解速度が速く、その加水分解物は、フェニルアルコキシシランやシランップリング剤の加水分解物と速やかに縮合反応しバインダー成分を生成する成分である。
【0018】
一般式(1)において、R1は炭素数1〜10の有機基(但し、置換基を有しても良いフェニル基を除く)である。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−デシル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アセチル基等が挙げられる。
【0019】
一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラン、n−プロピルトリアセトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリブトキシシラン、イソプロピルトリアセトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリブトキシシラン、n−ブチルトリアセトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリブトキシシラン、イソブチルトリアセトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、加水分解や縮合の速度、および得られる被膜の硬度、強度、耐摩耗性の点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランが好ましい。特に、メチルトリメトキシシランが最も好ましい。
【0020】
一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランは、その加水分解物をバインダー成分に共縮合することにより多官能(メタ)アクリレート共重合体との相溶性を向上させる成分である。このバインダー成分の相溶性向上により、プライマー層の白化、バインダー成分のしみ出し等を抑えることができる。
【0021】
一般式(2)において、Phは置換基を有してもよいフェニル基である。その置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ハロゲン基等が挙げられる。R3は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基である。その具体例としては、先に挙げた一般式(1)のR2と同様のものが挙げられる。
【0022】
一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランの具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。中でも、加水分解や縮合の速度が速い点から、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが好ましい。
【0023】
シランカップリング剤は、分子内に(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基、スチリル基等の有機官能基と加水分解性アルコキシシリル基を含有する化合物である。このシランカップリング剤の加水分解をバインダー成分に共縮合することにより、そのバインダー成分を含む第1層(プライマー層)とその上に形成される第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性を付与できる。
【0024】
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、その加水分解物が密着性良好なバインダー成分を与える点で、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0025】
バインダー成分の調製方法としては、例えば、オルガノアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、シランカップリング剤および水を混合し、さらに塩酸、酢酸等を加えて混合液を酸性にし、その加水分解を進行させ、そのまま攪拌を続けて共縮合を行う方法等がある。このとき、エタノール、イソプロパノール等の親水性の有機溶剤を加えても良い。また、加水分解が十分に進行した後、縮合の反応を速めるために水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等を添加してpHを中性付近に制御しても良い。
【0026】
オルガノアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、シランカップリング剤の配合比は特に制限されず、所望に応じて適宜決定すれば良い。通常は、オルガノアルコキシシラン100モルに対して、フェニルアルコキシシラン5〜200モル、シランカップリング剤5〜200モルが好ましい。
【0027】
オルガノアルコキシシラン100モルに対して、フェニルアルコキシシランの配合比が5モル以上であれば、多官能(メタ)アクリレート組成物との相溶性が良好となり、プラスチック基材上に第1層(プライマー層)を製膜する際に、層が白化したり、バインダー成分が層表面にしみ出したりする等の不具合が発生し難くなる。また、200モル以下であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性が低下する等の不具合が発生し難くなる。特に好ましいフェニルシランの配合比は、10〜100モルである。
【0028】
さらに、オルガノアルコキシシラン100モルに対して、シランカップリング剤の配合比が5モル以上であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性が不足する等の不具合が発生し難くなる。また、200モル以下であれば、第1層(プライマー層)の白化、シミの発生が生じる等の不具合が発生し難くなる。特に好ましいシランカップリング剤の配合比は、10〜100モルである。
【0029】
多官能(メタ)アクリレート組成物に対するバインダー成分の配合量は特に制限されず、所望に応じて適宜決定すれば良い。通常は、多官能アクリレート組成物の固形分100質量部に対して、バインダー成分の固形分5〜50質量部が好ましい。バインダー成分の固形分が5質量部以上であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)に対する十分な密着性が得られる。また、50質量部以下であれば、第1層(プライマー層)の白化、シミの発生が生じる等の不具合が発生し難くなる。特に好ましいバインダー成分の配合量(固形分)は、10〜30質量部である。
【0030】
多官能(メタ)アクリレート組成物は、分子内に2個以上(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む。通常は、この多官能(メタ)アクリレートと活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤を主成分とし、光重合法により硬化し、製膜した際にポリメタクリル酸メチル(PMMA)以上の耐摩耗性を有するような組成物であれば良い。
【0031】
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
特に、光重合性や得られる被膜の耐摩耗性等の点から、3官能以上のアクリレートを用いることが望ましい。具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が好ましい。
【0033】
これら多官能(メタ)アクリレートは、一種を単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
【0034】
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤は、紫外線や可視光線に代表される活性エネルギー線に感応してラジカルを発生するものであり、従来より知られる各種のものを使用できる。
【0035】
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインモノエチルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1,1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、カンファーキノン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリル−1−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
【0036】
これらの中でも、特に、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1,1−オン、ベンジルジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
【0037】
これら活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤は、一種を単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
【0038】
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤の配合量は、多官能(メタ)アクリレート組成物の固形分100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
【0039】
本発明において、多官能(メタ)アクリレート組成物は、上述したバインダー成分、多官能(メタ)アクリレート、および、好ましくは活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤を含むものであるが、さらに、必要に応じて、単官能(メタ)アクリレート、紫外線吸収剤、光安定剤、溶剤を含んでいても良い。特に、プラスチック基材としてポリカーボネート基材を用いる場合は、基材を紫外線より保護する為に、紫外線吸収剤を配合することが望ましい。
【0040】
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、フェノキエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン型、ベンゾトリアゾール型、無機系などの何れの紫外線吸収剤も使用できる。その具体例としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5’−ジ−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0042】
特に、多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良い点から、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。これら紫外線吸収剤は、一種類を単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。また、必要に応じ、ヒンダードアミン型の光安定剤を合わせて添加することもできる。
【0043】
紫外線吸収剤の配合量は、多官能(メタ)アクリレート組成物の固形分100質量部に対して、1〜20質量部が好ましい。紫外線吸収剤の配合量が1質量部以上であれば、紫外線による劣化を抑制できる。また、20質量部以下であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との密着性が阻害され難い。特に好ましい配合量は、2〜10質量部である。
【0044】
多官能(メタ)アクリレート組成物をプラスチック基材上に成膜硬化して、第1層を形成する方法としては、例えば、従来知られているディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、印刷法等の方法によりプラスチック基材上にコーティングし、活性エネルギー線の照射により硬化する方法がある。
【0045】
第1層の厚さは、1〜20μmが好ましい。厚さが1μm以上であれば、第2層(ケイ素系耐摩耗層)との良好な密着性が得られる。また、20μm以下であれば、成膜時に被膜にシワ、白化等の外観上の欠陥が発生し難い。特に好ましい第1層の厚さは、2〜10μmである。
【0046】
多官能(メタ)アクリレート組成物を硬化する為の活性エネルギー線の発生光源としては、例えば、化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視光ハロゲンランプ、太陽光等が挙げられる。照射エネルギーとしては、200〜600nmの波長の積算エネルギーが0.05〜10J/cm2となるように照射することが好ましい。活性エネルギー線の照射雰囲気は、空気中でも良いし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でも良い。
【0047】
本発明において、第2層は、オルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とする組成物(以下「ケイ素系組成物」と称す)を硬化してなるケイ素系耐摩耗性層である。
【0048】
このオルガノアルコキシシランは特に限定されないが、代表的には、下記一般式(3)で示されるものである。
【0049】
R4 nSi(OR5)4−n ・・・(3)
[式(3)中、R4は炭素数1〜10の有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。nは0〜2の整数を表す。]。
【0050】
一般式(3)において、R4の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−デシル基、フェニル基等が挙げられる。R5の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アセチル基等が挙げられる。
【0051】
一般式(3)で表されるオルガノアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラン、n−プロピルトリアセトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリブトキシシラン、イソプロピルトリアセトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリブトキシシラン、n−ブチルトリアセトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリブトキシシラン、イソブチルトリアセトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等が挙げられる。中でも、加水分解や縮合の速度、および得られる被膜の硬度、強度、耐摩耗性の点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランが好ましい。特に、メチルトリメトキシシランが最も好ましい。
【0052】
これらオルガノアルコキシシランは、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して用いても良い。
【0053】
第2層を形成する為に用いるケイ素系組成物は、上述したオルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とするものであるが、さらに、必要に応じて、コロイダルシリカ、紫外線吸収剤、顔料、レベリング剤等を含んでいても良い。
【0054】
このケイ素系組成物として、例えば、各社より市販されているシリコン系ハードコート剤を使用できる。具体的には、(株)日本ダクロシャムロック製ソルガード720、730、信越化学工業(株)製X−12−2206、GE東芝シリコーン(株)製トスガード510等が挙げられる(以上、全て商品名)。
【0055】
第1層上に、ケイ素系組成物を成膜硬化して第2層を形成する方法としては、例えば、従来知られているディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、印刷法等の方法によりコーティングし、熱風乾燥炉等を用いて、80〜140℃で数時間加熱し硬化する方法がある。
【0056】
第2層の厚さは、1〜10μmが好ましい。厚さが1μm以上であれば、耐摩耗性が十分発現する。また、10μm以下であれば、製膜時におけるクラックが発生し難くなる。特に好ましい第2層の厚さは、2〜5μmである。
【0057】
本発明において、プラスチック基材の形状や材質は、特に限定されず、従来より樹脂成形品に使用し得るものとして知られる各種のものを使用できる。具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリルスチレン等が挙げられる。特に、本発明においては、ポリカーボネートからなる基材を用いることが好ましい。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の記載において「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。また、被膜の物性および評価は、以下の各方法による結果を示すものである。
【0059】
1)外観
得られた樹脂成形品を、目視にて透明性、クラック、白化、シミの発生などの有無を観察し、透明でクラック、白化、シミなどの欠陥がないものを良好(○)とし、そのうちの何れかの欠陥があるものを不良(×)とした。
【0060】
2)耐摩耗性
得られた樹脂成形品の表面を、#000のスチールウールにて、1kg/cm2の荷重を加えて10往復擦り、1×3cmの範囲に発生した傷の程度を観察し、その耐摩耗性(耐擦傷性)を、以下の基準で評価した。
A … ほとんどキズがつかない。
B … 1〜10本のキズがつく。
C … 10〜100本のキズがつく。
D … 無数のキズがつく。
E … 光沢面が無くなる。
【0061】
3)密着性
得られた樹脂成形品に対して、JIS K5400 碁盤目テープ法による試験を行い、残存したマス目の数により、以下の基準で評価した。
○ … 剥離したマス目が無い(密着性良好)。
△ … 剥離したマス目が5/100以下(密着性中程度)。
× … 剥離したマス目が6/100以上(密着性不良)。
【0062】
<合成例1:バインダー成分Aの合成>
三角フラスコに、メチルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン(株)製、分子量136)54.4g、フェニルトリメトキシシラン(東レダウコーングシリコーン(株)製、分子量198)19.8g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量236)59.0g、水27gを入れ撹拌した。次に、0.01N塩酸を滴下し、混合液のpHを3.0に調整した。室温にて撹拌を続け、24時間放置し、その後イソプピルアルコールを加えて固形分を30%に調整し、これをバインダー成分Aとした。
【0063】
<合成例2:バインダー成分Bの合成>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量248)62gを使用したこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Bを得た。
【0064】
<合成例3:バインダー成分Cの合成>
フェニルトリメトキシシランは使用せず、かつメチルトリメトキシシランの量を68.0gに増やしたこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Cを得た。
【0065】
<合成例4:バインダー成分Dの合成>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用しなかったこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Dを得た。
【0066】
<合成例5:バインダー成分Eの合成>
メチルトリメトキシシランは使用せず、かつフェニルトリメトキシシランの量を99.0gに増やしたこと以外は、合成例1と同様にして、固形分30%のバインダー成分Eを得た。
【0067】
以上のバインダー成分A〜Eの組成を、表1にまとめて示す。
【0068】
<実施例1>
[第1層形成用組成物の調製]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)30部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬(株)製)30部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)40部、ベンゾインエチルエーテル1.5部、ベンゾフェノン2.5部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)、商品名:L−7001)0.2部、イソプロピルアルコール120部、トルエン30部、2−(2−ヒドロキシ−5−tert.−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバスペシャリティーケミカル(株)製、商品名チヌビンPS)12部、合成例1で得たバインダー成分A(固形分30%)77.5部を均一に混合し、第1層(プライマー層)形成用多官能(メタ)アクリレート組成物を得た。
【0069】
[第1層(プライマー層)の形成]
厚さ3mmのポリカーボネート板(筒中プラスチック(株)製、商品名ポリカエースECK100)上に、上述のようにして得た第1層形成用多官能(メタ)アクリレート組成物をディップコート法で塗布し、室温で約20分放置乾燥した。その後、板の両面各々20cmの距離から、メタルハライドランプ(120W/cm、10インチ)を光源として10秒間紫外線を照射して、膜厚5μmの第1層(プライマー層)を形成した。
【0070】
[第2層(ケイ素系耐摩耗層)の形成]
第1層を形成したポリカーボネート板上に、オルガノアルコキシシランの加水分解物及び/またはその縮合物を主成分とするシリコンハードコート組成物(信越化学工業(株)製、商品名X−12−2206)をディップコート法で塗布し、室温で約20分放置乾燥した。その後、熱風乾燥炉中、100℃で2時間加熱、硬化することにより膜厚3μmの第2層(ケイ素系耐摩耗層)を形成し、2層構造の被膜を有するポリカーボネート板を得た。
【0071】
この2層構造の被膜の初期の膜物性については、外観は透明で、クラック、白化などの欠陥も無く良好であり、ポリカーボネート基材との密着性も良好であった。また、耐摩耗性はBレベルであった。
【0072】
<実施例2〜4>
バインダー成分の種類および配合量を下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0073】
<実施例5>
第2層の形成に用いるシリコンハードコート組成物として、信越化学工業(株)製、商品名X−12−2206の代わりに、オルガノアルコキシシランの加水分解物及び/またはその縮合物を主成分とする(株)日本ダクロシャムロック製、商品名ソルガード720を使用したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0074】
<比較例1>
バインダー成分を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0075】
<比較例2〜4>
バインダー成分の種類を下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0076】
<比較例5>
バインダー成分をシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2層構造(第1層膜厚5μm、第2層膜厚3μm)の被膜を有するポリカーボネート板を作製し、評価した。
【0077】
以上の実施例および比較例の評価結果を、表2にまとめて示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐摩耗性および透明性に優れかつプラスチック基材との十分な密着性を有する保護被膜を形成した樹脂成形品を提供することができる。
Claims (2)
- プラスチック基材表面に、以下の2層構造の被膜を有する樹脂成形品。
第1層) 前記プラスチック基材上に形成される層であって、下記一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解物と、下記一般式(2)で表されるフェニルアルコキシシランの加水分解物と、シランカップリング剤の加水分解物との共縮合物をバインダー成分として含む多官能(メタ)アクリレート組成物の共重合体からなる層。
R1Si(OR2)3 ・・・(1)
[式(1)中、R1は炭素数1〜10の有機基(但し置換基を有しても良いフェニル基を除く)、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。]
PhSi(OR3)3 ・・・(2)
[式(2)中、Phは置換基を有してもよいフェニル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す。]
第2層) 第1層上に形成される層であって、オルガノアルコキシシランの加水分解物および/またはその縮合物を主成分とする組成物を硬化してなるケイ素系耐摩耗層。 - プラスチック基材が、ポリカーボネートからなる請求項1記載の樹脂成形品。
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