JP2019038867A - オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 種々の重合性不飽和化合物との相溶性に優れるオルガノポリシロキサン化合物、並びにこのオルガノポリシロキサンを含有し、耐クラック性、硬度、および耐屈曲性に優れる硬化物を与え得る活性エネルギー線硬化性組成物を提供すること。【解決手段】 下記一般式(I)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基または水酸基を有するオルガノポリシロキサン化合物。(式中、R1およびR2は、互いに独立して炭素原子数1〜10の2価炭化水素基を表し、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4は、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表す。)【選択図】 なし

Description

本発明は、オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
有機官能基を含有するオルガノポリシロキサン化合物は、耐熱性、耐水性、耐候性、耐衝撃性、耐クラック性、離型性、加工性等の特性を有する硬化物を与えることから、塗料、成形材料、医療用材料、自動車用材料、各種コーティング材料等の分野で樹脂改質剤やコーティング剤として広く利用されている。
一方、ラジカル重合性を有する化合物として、(メタ)アクリレート化合物が広く利用されている。しかし、従来の(メタ)アクリレート化合物にオルガノポリシロキサン化合物を混合した場合、両者の相溶性が悪いため、オルガノポリシロキサン成分が遊離する等の問題点を有している。
また、化合物の構成要素にウレア結合やウレタン結合を含有させることで、分子同士をウレア結合やウレタン結合由来の水素結合により凝集させ、硬化物の靱性を向上させる検討が行われている。ウレア結合は、ウレタン結合より高い靱性を有する硬化物を与えることが一般的に知られているが、ウレア結合を有する化合物は合成や保管が難しい等の問題を有している。
特許文献1,2には、ウレア結合およびラジカル重合性の官能基を有する3官能のアルコキシシランを重合したオルガノポリシロキサン化合物、並びにこのオルガノポリシロキサンを含有する活性エネルギー線硬化性組成物が開示されている。
いずれもオルガノポリシロキサン化合物を含有するコーティング組成物の被覆物品において、良好な耐擦傷性や耐候性が認められており、ウレア構造を含有することの優位性を示唆している。
しかし、特許文献1,2のいずれにおいても、3官能のアルコキシシランがオルガノポリシロキサン化合物の原料として用いられているため、このオルガノポリシロキサン化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られるフィルムや被覆物品においては、硬度と耐屈曲性の両立が困難であることが予想される。
特許第5316348号公報 特許第5484355号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、種々の重合性不飽和化合物との相溶性に優れるオルガノポリシロキサン化合物、並びにこのオルガノポリシロキサンを含有し、耐クラック性、硬度、および耐屈曲性に優れる硬化物を与え得る活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基をオルガノポリシロキサン化合物のケイ素原子に直接結合させて導入することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。なお、本発明において(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を意味する。
すなわち、本発明は、
1. 下記一般式(I)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基または水酸基を有するオルガノポリシロキサン化合物、
Figure 2019038867
(式中、R1およびR2は、互いに独立して炭素原子数1〜10の2価炭化水素基を表し、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4は、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表す。)
2. 下記平均式(II)で表される1のオルガノポリシロキサン化合物、
Figure 2019038867
(式中、R1〜R4は、前記と同じ意味を表し、R5は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基を表し、a、b、c、dおよびeは、0.2≦a≦1.0、0≦b≦0.3、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0≦e≦0.5、a+b+c+d+e=1を満たす数を表し、fは、0<f≦2を満たす数を表す。)
3. 1または2のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物、
4. 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する3の活性エネルギー線硬化性組成物、
5. 3または4の活性エネルギー線硬化性組成物からなるコーティング剤、
6. 3または4の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物、
7. 6の硬化物からなるフィルム、
8. 基材と、この基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、前記硬化膜が、5のコーティング剤から作製された硬化膜である被覆物品
を提供する。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、ケイ素原子に直接に結合した、ウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を有し、極性の高い重合性不飽和化合物との相溶性に優れているため、種々の活性エネルギー線硬化性組成物に用いることができる。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、ウレア結合を有する有機基をD単位中に有しているため、硬度、耐クラック性、および耐屈曲性に優れた硬化物を与える。
以下、本発明について具体的に説明する。
(1)オルガノポリシロキサン化合物
本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物は、下記一般式(I)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基または水酸基を有するものである。
Figure 2019038867
式(I)において、R1およびR2は、互いに独立して炭素原子数1〜10の2価炭化水素基を表し、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4は、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表す。
1およびR2の炭素原子数1〜10の2価炭化水素基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、デシレン基、シクロヘキシレン基等の直鎖、分岐または環状のアルキレン基;フェニレン基、キシリレン基等のアリーレン基などが挙げられる。
これらの中でも、炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基がより好ましい。
4の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられ、これらのアルキル基は、その水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
中でも、R4としては、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基が好ましく、メチル基またはフェニル基がより好ましい。
特に、一般式(I)の構成単位を有するオルガノポリシロキサン化合物の重合性不飽和化合物との相溶性や、当該オルガノポリシロキサン化合物を含む硬化性組成物の硬化性、並びに当該組成物から得られる硬化物の硬度、耐クラック性、および耐屈曲性の観点から、一般式(I)において、R1がトリメチレン基であり、R2がエチレン基であり、R3が水素原子であり、R4がメチル基であることが、好適である。
本発明において、上記式(I)で表される構成単位を有するオルガノポリシロキサン化合物としては、特に、下記平均式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019038867
式(II)において、R1〜R4は、上記式(I)と同じ意味を表し、その好適例も上記と同様であり、また、R5は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基を表し、a、b、c、dおよびeは、0.2≦a≦1.0、0≦b≦0.3、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0≦e≦0.5、a+b+c+d+e=1を満たす数を表し、fは、0<f≦2を満たす数を表す。
上記aは0.2≦a≦1.0を満たす数であるが、0.5≦a≦1.0が好ましい。aが0.2未満の場合は、オルガノポリシロキサン化合物の相溶性が不十分なものとなり、また、当該オルガノポリシロキサン化合物を含む組成物の硬化性、並びに硬化物の硬度、耐クラック性、および耐屈曲性に劣る。
上記bは0≦b≦0.3を満たす数であるが、0≦b≦0.1が好ましい。bが0.3を超えると、得られる硬化物が耐クラック性、耐屈曲性に劣るものとなる場合がある。
上記cは0≦c≦0.5を満たす数であるが、0≦c≦0.3が好ましい。cが0.5を超えると、得られる硬化物が耐クラック性、耐屈曲性に劣るものとなる場合がある。
上記dは0≦d≦0.5を満たす数であるが、0≦d≦0.3が好ましい。dが0.5を超えると、得られる硬化物が硬度に劣るものとなる場合がある。
上記eは0≦e≦0.5を満たす数であるが、0≦e≦0.3が好ましい。eが0.5を超えると、得られる硬化物が硬度に劣るものとなる場合がある。
上記fは0<f≦2を満たす数であるが、0.4≦f≦1の範囲が好ましい。fが2を超えると、オルガノポリシロキサン化合物の保存性が低くなる場合がある。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、単一の組成でも、組成の異なる複数の化合物の混合物であってもよい。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の平均分子量は特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が200〜15,000が好ましく、300〜6,000がより好ましい。200未満では縮合が十分に進んでおらず、オルガノポリシロキサン化合物の保存性が低くなる可能性がある、15,000超の高分子量体では、当該オルガノポリシロキサン化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させたフィルム、または被覆物品において良好な硬度や耐屈曲性が得られない可能性がある。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の粘度は特に限定されるものではないが、回転粘度計により測定される25℃における粘度が1,000〜100,000mPa・sが好ましく、5,000〜50,000mPa・sがより好ましい。この範囲であれば、取り扱い性に優れたものとなる。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、有機溶剤等を除く不揮発分が96質量%以上であることが好ましい。揮発分が多くなると、組成物を硬化した際のボイド発生による外観の悪化や機械的性質の低下の原因となる場合がある。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、一般的なオルガノポリシロキサンの製造方法に従って製造することができる。
例えば、ウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を含む加水分解性シランを縮合して本発明のオルガノポリシロキサン化合物を得ることができる。
具体的には、下記式(III)で表される加水分解性シラン、および必要に応じてその他の加水分解性シランを用いて、触媒の存在下で加水分解縮合を行ってオルガノポリシロキサン化合物を製造する方法が挙げられる。
6Si(R4)X2 (III)
(式中、R4は、上記と同じ意味を表し、R6は、ウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を表し、Xは、互いに独立して、塩素原子または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表す。)
Xの炭素原子数1〜6のアルコキシ基としては、その中のアルキル基が直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
6のウレア結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基としては、上記式(I)におけるケイ素原子に結合した下記に示される基が挙げられる。
Figure 2019038867
(式中、R1〜R3は、上記と同じ意味を表す。)
また、必要に応じて用いられるその他の加水分解性シランとしては、上記一般式(III)で表される加水分解性シランとともに加水分解縮合することでオルガノポリシロキサン化合物を製造できるものであれば特に限定されるものではない。
その具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシランなどが挙げられる。
縮合に用いられる触媒としては、特に限定されるものではないが、酸性触媒が好ましく、その具体例としては、塩酸、ギ酸、酢酸、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、酢酸、乳酸、炭酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応を速やかに進行させるとともに、反応後の触媒の除去の容易性を考慮すると、加水分解性シラン1モルに対して0.0002〜0.5モルの範囲が好ましい。
加水分解性シランと、加水分解縮合反応に要する水との量比は、特に限定されるものではないが、触媒の失活を防いで反応を十分に進行させるとともに、反応後の水の除去の容易性を考慮すると、加水分解性シラン1モルに対し、水0.1〜10モルの割合が好ましい。
加水分解縮合時の反応温度は、特に限定されるものではないが、反応率を向上させるとともに、加水分解性シランが有する有機官能基の分解を防止することを考慮すると、−10〜150℃が好ましい。
なお、加水分解縮合の際には、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記一般式(III)で表される加水分解性シランは、下記一般式(IV)で表される加水分解性シランと、下記一般式(V)で表される化合物を反応させて得ることができる。
Figure 2019038867
(式中、R1、R4およびXは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2019038867
(式中、R2およびR3は、上記と同じ意味を表す。)
一般式(IV)で表される加水分解性シランの具体例としては、アミノメチルジメトキシシラン、アミノメチルジエトキシシラン、2−アミノエチルジメトキシシラン、2−アミノエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシシラン等が挙げられる。
一般式(V)で表される化合物の具体例としては、イソシアナトメチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、イソシアナトオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、一般式(V)で表される化合物は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物との付加反応によって合成することができる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
一般式(IV)で表される化合物と一般式(V)で表される化合物との反応は、一般式(IV)で表される化合物1モルに対して、一般式(V)で表される化合物を1モル以上用いて行うことが好ましい。
この際の反応温度は、−80〜200℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。
また、この反応では、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノール、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いてもよい。
(2)活性エネルギー線硬化性組成物
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上述した本発明のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有するものである。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線によりラジカル種を発生する開始剤であれば、特に限定されるものではなく、アセトフェノン系、ベンゾイン系、アシルフォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の公知の光重合開始剤から適宜選択して用いることができる。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、チオキサントン誘導体、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤は市販品として入手することができ、市販品としては、例えば、ダロキュア1173、ダロキュアMBF、イルガキュア127、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア379EG、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア784、イルガキュア819、イルガキュア819DW、イルガキュア907、イルガキュア1800、イルガキュア2959、ルシリンTPO(いずれもBASFジャパン社製)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、硬化性を良好にするとともに、硬化後の表面硬度の低下を防止することを考慮すると、本発明のオルガノポリシロキサン化合物、および必要に応じて用いられる重合性不飽和化合物の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明のオルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物を含有していてもよい。
重合性不飽和化合物の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等が挙げられる。
重合性不飽和化合物を用いる場合、その含有量は、本発明のオルガノポリシロキサン化合物100質量部に対して、1〜1,000質量部が好ましい。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、金属酸化物微粒子、シリコーンレジン、シランカップリング剤、希釈溶剤、可塑剤、充填剤、増感剤、光吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、熱線反射剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防汚性付与剤、撥水性付与剤、消泡剤、着色剤、増粘剤、レベリング剤等の各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上記各成分を常法に準じて均一に混合することにより得られる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は特に限定されるものではないが、成形または塗布作業性を良好にし、スジムラ等の発生を抑制することを考慮すると、回転粘度計により測定される25℃での粘度が、10,000mPa・s以下が好ましく、2,000mPa・s以下がより好ましい。なお、25℃における粘度の下限は10mPa・s以上が好ましい。
上述した本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、コーティング剤として好適に使用可能であり、基材の少なくとも一方の面に、直接または少なくとも1種のその他の層を介して塗布し、それを硬化させることにより被膜を形成した被覆物品を得ることができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、フィルムとしても好適に使用可能である。
上記基材としては、特に限定されるものではないが、プラスチック成形体、木材系製品、セラミックス、ガラス、金属、およびそれらの複合物等が挙げられる。
また、これらの基材の表面が、化成処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液で処理されている基材や、基材本体と表層が異なる種類の塗料で被覆された化粧合板等も用いることもできる。
さらに、予めその他の機能層が形成された基材表面に、本発明のコーティング剤による被覆を施してもよく、その他の機能層としては、プライマー層、防錆層、ガスバリア層、防水層、熱線遮蔽層等が挙げられ、これらのいずれか一層または複数層が基材上に予め形成されていてもよい。
被覆物品は、本発明のコーティング剤からなる塗膜が形成された面に、さらに、CVD(化学気相成長)法による蒸着層、ハードコート層、防錆層、ガスバリア層、防水層、熱線遮蔽層、防汚層、光触媒層、帯電防止層等の1層または複数層によって被覆されていてもよい。
さらに、被覆物品は、本発明のコーティング剤からなる塗膜が形成された面とは反対側の面が、ハードコート層、防錆層、ガスバリア層、防水層、熱線遮蔽層、防汚層、光触媒層、帯電防止層等の1層または複数層によって被覆されていてもよい。
本発明のコーティング剤は、表面に耐擦傷性および耐磨耗性の付与が必要とされる物品、特に液晶ディスプレー、CRTディスプレー、プラズマディスプレー、ELディスプレー等の各種表示素子等の表面に塗布し、硬化被膜とすることにより、これらの表面に耐擦傷性、耐磨耗性、耐屈曲性、および耐クラック性を付与することが可能である。
コーティング剤の塗布方法としては、公知の手法から適宜選択すればよく、例えば、バーコーター、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を用いることができる。
活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させるための光源としては、通常、200〜450nmの範囲の波長の光を含む光源、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯等が挙げられる。
照射量は特に制限されないが、10〜5,000mJ/cm2が好ましく、20〜1,000mJ/cm2がより好ましい。
硬化時間は、通常0.5秒〜2分であり、好ましくは1秒〜1分である。
以下、合成例、実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、下記において、揮発分はJIS C2133に準じて測定した値であり、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、HLC−8220 東ソー(株)製)を用いてテトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒として測定した値である。
また、平均式(II)におけるa〜fの値は、1H−NMRおよび29Si−NMR測定の結果から算出した。
[1]ウレア結合を介してケイ素原子に結合したアクリロイルオキシ基を含有する加水分解性シランの合成
[合成例1]
2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(カレンズAOI、昭和電工(株)製)846.6g(6.0mol)を秤量し、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン(KBE−902、信越化学工業(株)製)1,148.1g(6.0mol)を滴下して無色透明液体を得た。
得られた反応物加水分解性シランは25℃で液体、屈折率1.466、揮発分8.4質量%、重量平均分子量410であった。
[2]ウレア結合を介して結合したアクリロイルオキシ基を含有するオルガノポリシロキサン化合物の合成
[実施例1−1]
合成例1で得られた加水分解性シラン1,662.4g(5.0mol)、エタノール909.0gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール227.2gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてエタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度20,000mPa・s、揮発分2.1質量%、重量平均分子量1,100の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=1、b=0、c=0、d=0、e=0、f=0.6であった。
[実施例1−2]
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.9g(4.0mol)、ジメチルジエトキシシラン148.3g(1.0mol)、エタノール728.9gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール182.2gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度9,000mPa・s、揮発分1.6質量%、重量平均分子量990の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.82、b=0、c=0、d=0.18、e=0、f=0.5であった。
[実施例1−3]
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.9g(4.0mol)、メチルトリエトキシシラン178.3g(1.0mol)、エタノール692.3gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール173.1gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダを2.9g投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度7,800mPa・s、揮発分1.3質量%、重量平均分子量1,190の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.81、b=0、c=0.19、d=0、e=0、f=0.7であった。
[実施例1−4]
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.8g(4.0mol)、ジメチルジエトキシシラン74.1g(0.5mol)、メチルトリエトキシシラン89.2g(0.5mol)、エタノール710.6gを反応器中で混合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール177.7gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度11,000mPa・s、揮発分2.2質量%、重量平均分子量980の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.81、b=0、c=0.11、d=0.08、e=0、f=0.6であった。
[実施例1−5]
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.8g(4.0mol)、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン276.4g(1.0mol)、エタノール788.2gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール197.1gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度3,200mPa・s、揮発分1.9質量%、重量平均分子量1,490の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.80、b=0、c=0.20、d=0、e=0、f=0.5であった。
[実施例1−6]
合成例1で得られた加水分解性シラン1,329.9g(4.0mol)、ジメチルジエトキシシラン148.3g(1.0mol)、エタノール700.1gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸108.2g、エタノール175.0gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ4.4gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてアルコール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度23,000mPa・s、揮発分1.4質量%、重量平均分子量3,210の25℃で粘稠な液体であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.81、b=0、c=0、d=0.19、e=0、f=0.1であった。
[3]ウレア結合を含有せず、アクリロイルオキシ基を含有するオルガノポリシロキサン化合物の合成
[比較例1−1]
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン1,382.0g(5.0mol)、エタノール305.4gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール76.4gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃で液体であり、粘度35mPa・s、揮発分3.6質量%、重量平均分子量1,020であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0、b=0、c=1、d=0、e=0、f=1.5であった。
[比較例1−2]
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン1,231.9g(5.0mol)、エタノール488.1gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール122.0gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃で液体であり、粘度58mPa・s、揮発分2.6質量%、重量平均分子量880であった。NMR測定の結果から算出した平均式(II)におけるa〜fの値は、それぞれa=0、b=0、c=0、d=1、e=0、f=0.5であった。
[4]T単位中のケイ素原子にウレア結合を介して結合したアクリロイルオキシ基を含有するオルガノポリシロキサン化合物の合成
[比較例1−3]
下記式(VII)で表される化合物1,812.5g(5.0mol)、エタノール726.3gを反応器中に配合し、均一になったところで0.15規定塩酸72.0g、エタノール181.6gを添加し、25℃で1時間撹拌後、加熱還流しながら2時間撹拌した。冷却後、酢酸ソーダ2.9gを投入し、加熱還流しながら2時間撹拌し、中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。得られた反応物は、粘度41,000mPa・s、揮発分1.9質量%、重量平均分子量1,900の25℃で粘稠な液体であった。
Figure 2019038867
[5]活性エネルギー線硬化性組成物およびその硬化物の製造
[実施例2−1〜2−6,比較例2−1〜2−3]
上記実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−3で得られた各オルガノポリシロキサン化合物10質量部、ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、厚さ0.2mmとなるように離形フィルムを貼り付けた型に流し込み、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることでフィルムを製造した。
得られたフィルムについて鉛筆硬度および耐屈曲性を測定した。結果を表1に示す。
(1)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じて750g荷重にて測定した。
(2)耐屈曲性
JIS K5600−5−1に準じて円筒形マンドレル(タイプ1)を用いて測定し、耐屈曲性に関して、8mmφ試験でクラックが生じたフィルムに対しては、>8mmφとした。
Figure 2019038867
[6]コーティング組成物および被覆物品の製造
[実施例3−1〜3−6,比較例3−1〜3−3]
上記実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−3で得られた各オルガノポリシロキサン化合物6質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(MIWON社製)3質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.0質量部(大阪有機化学工業(株)製)、ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、このコーティング組成物をバーコ−タ−No.14を用いてポリカーボネート基板上に塗布し、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることで被覆物品を製造した。
得られた被覆物品の硬化膜について耐クラック性および鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。鉛筆硬度は上記と同様の手順で測定した。
(3)耐クラック性
目視により表面にクラックが確認できなかった場合はOK、確認できた場合はNGとした。
Figure 2019038867
表1に示されるように、ウレア結合を有する本発明のオルガノポリシロキサン化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物のフィルムにおいて、表面硬度と耐屈曲性の両立を確認することができる。
また、表2に示されるように、本発明のオルガノポリシロキサン化合物を含むコーティング剤においては、クラックが抑えられた硬い被膜の形成が可能である。
さらに、表1および表2に示されるように、実施例1−6と比較して、アルコキシ基および水酸基のより多い実施例1−1〜1−5のオルガノポリシロキサン化合物のフィルムの方が、より良好な表面硬度と耐屈曲性を兼ね備えていることが確認できる。
以上の結果は、本発明のウレア結合を有するオルガノポリシロキサン化合物の優位性を示すものである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基または水酸基を有するオルガノポリシロキサン化合物。
    Figure 2019038867
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して炭素原子数1〜10の2価炭化水素基を表し、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4は、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表す。)
  2. 下記平均式(II)で表される請求項1記載のオルガノポリシロキサン化合物。
    Figure 2019038867
    (式中、R1〜R4は、前記と同じ意味を表し、R5は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基を表し、a、b、c、dおよびeは、0.2≦a≦1.0、0≦b≦0.3、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0≦e≦0.5、a+b+c+d+e=1を満たす数を表し、fは、0<f≦2を満たす数を表す。)
  3. 請求項1または2記載のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する請求項3記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 請求項3または4記載の活性エネルギー線硬化性組成物からなるコーティング剤。
  6. 請求項3または4記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
  7. 請求項6記載の硬化物からなるフィルム。
  8. 基材と、この基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、
    前記硬化膜が、請求項5に記載のコーティング剤から作製された硬化膜である被覆物品。
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