JP2019104836A - オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物 Download PDF

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卓也 藤本
吉川 裕司
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Abstract

【課題】耐クラック性に優れ、硬度の経時変化が少なく、アルカリ現像可能な硬化膜を与えるオルガノポリシロキサンおよびこのポリシロキサンを含有し、ネガ型レジスト材料として用い得る活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。【解決手段】(メタ)アクリロイルオキシプロピル基を含有するSiO構成単位、無水コハク酸残基を含有するSiO構成単位、および水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基またはグリシドキシプロピル基のいずれかから成る末端SiO構成単位を有し、ケイ素原子数に対するケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基数および水酸基数の合計の比が0.3以下であるオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物に関し、さらに詳述すると、アルカリ可溶性部位を有するオルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、半導体デバイスの製造過程におけるレジストパターンの微細化が求められている。
一般的にレジストパターンは、露光されることによってアルカリ性現像液に対する溶解性が高くなるポジ型フォトレジストが用いられることが多いが、ポジ型フォトレジストでは、感光剤として用いられているナフトキノンジアジドスルホン酸がスルホン酸を発生し、金属配線部位を腐食するという問題を有している。
一方、光硬化性樹脂とアルカリ可溶性樹脂の混合物を使用するネガ型フォトレジストでは、このような問題は生じないが、硬化物の強度が脆く、光安定性、熱安定性が不十分であるため、微細なパターニングには不向きであるとされている。
有機官能基を含有するオルガノポリシロキサン化合物は、耐候性、耐熱性、耐衝撃性、耐クラック性、加工性等の特性に優れるため、フォトレジスト材料としても好適である。
しかし、オルガノポリシロキサン化合物は、末端にアルコキシ基やヒドロキシ基などの縮合性官能基を有するものが多いため、種々の酸性化合物と同時に保存した場合、加水分解反応を起こすことから、フォトレジスト材料への適用は限定的であった。
また、ネガ型レジストでは、一般的にラジカル重合性を有する不飽和化合物が広く使われるが、ラジカル重合性を有するオルガノポリシロキサン化合物をネガ型レジストに用いた場合、オルガノポリシロキサン化合物の末端に存在するアルコキシ基やヒドロキシ基による縮合反応により、硬化後の成形物に経時でクラックが入るなどの問題を抱えている。
例えば、特許文献1では、メチルトリメトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸、および3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを加水分解縮合してオルガノポリシロキサン化合物を合成し、現像性、腐食性が検討されている。
特許文献2では、テトラエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸、および3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランを加水分解縮合してオルガノポリシロキサン化合物を合成し、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物および光ラジカル重合開始剤と混合して、その硬化物の耐熱透明度、鉛筆硬度、現像性等が検討されている。
しかし、これら特許文献1,2のいずれにおいても、得られたオルガノポリシロキサン化合物の末端には縮合性官能基が存在しているため、経時変化が起こりうるという課題を有している。
特開2010−39052号公報 特開2012−212114号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐クラック性に優れ、硬度の経時変化が少なく、アルカリ現像可能な硬化膜を与えるオルガノポリシロキサン、およびこのオルガノポリシロキサンを含有し、ネガ型レジスト材料として用いることができる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基および酸無水物基を有する有機基をケイ素原子上に有し、水酸基やアルコキシ基等の縮合性官能基の割合が制限されたオルガノポリシロキサン化合物を含む組成物が、活性エネルギー線照射によって、耐クラック性に優れ、硬度の経時変化が少なく、アルカリ現像可能な硬化膜を与えることを見出し、本発明を完成させた。なお、本発明において(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を意味する。
すなわち、本発明は、
1. 下記式(I)、(II)および(III)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子数に対するケイ素原子に直接結合したアルコキシ基数および水酸基数の合計の比が0.3以下であることを特徴とするオルガノポリシロキサン化合物、
Figure 2019104836
(式中、R1およびR4は、互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基を表し、R2およびR5は、互いに独立して炭素原子数1〜10の2価炭化水素基を表し、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R6は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表し、nは0≦n≦2を満たす整数を表し、mは0≦m≦2を満たす整数を表す。)
2. ケイ素原子数に対する下記式(IV)で表される構造を有するケイ素原子数の比が0.03以下である1のオルガノポリシロキサン化合物、
Figure 2019104836
3. 1または2のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物、
4. 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する3の活性エネルギー線硬化性組成物、
5. 溶剤をさらに含有する3または4の活性エネルギー線硬化性組成物、
6. 3〜5のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物、
7. 6の硬化物からなるレジスト膜
を提供する。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基および酸無水物基を有する有機基をケイ素原子上に有するため、種々の活性エネルギー線によりラジカル硬化性を示すとともに、ラジカル硬化により、硬度および耐クラック性に優れた硬化膜を与える。また、得られた硬化膜は、アルカリ可溶性を有し、容易に現像処理を行うことができるため、本発明のオルガノポリシロキサン化合物を含む硬化性組成物は、ネガ型フォトレジスト材料としても有用である。
以下、本発明について具体的に説明する。
(1)オルガノポリシロキサン化合物
本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物は、下記式(I)、(II)および(III)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子数に対するケイ素原子に直接結合したアルコキシ基数および水酸基数の合計の比が0.3以下であることを特徴とする。
Figure 2019104836
上記各式において、R1およびR4は、互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基を表し、R2およびR5は、互いに独立して炭素原子数1〜10の2価炭化水素基を表し、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R6は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表し、nは0≦n≦2を満たす整数を表し、mは0≦m≦2を満たす整数を表す。
なお、R1が2個存在するときは、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、R4が2個存在するときは、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
2およびR5の炭素原子数1〜10の2価炭化水素基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ヘキシレン、デシレン、シクロヘキシレン基等の直鎖、分岐または環状のアルキレン基;フェニレン、キシリレン基等のアリーレン基などが挙げられる。
これらの中でも、炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基がより好ましい。
6の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル基等が挙げられ、これらのアルキル基は、その水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
中でも、R6としては、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基が好ましく、メチル基またはフェニル基がより好ましい。
特に、式(I)〜(III)で表される構成単位を有するオルガノポリシロキサン化合物のアルカリ可溶性、当該オルガノポリシロキサン化合物を含む硬化性組成物の硬化性、並びに当該組成物から得られる硬化物の硬度、耐クラック性、および耐水性の観点から、式(I)〜(III)において、R1がメチル基であり、R2がトリメチレン基であり、R3が水素原子であり、R4がメチル基であり、R5がトリメチレン基、R6がメチル基であることが好適である。
また、上述のとおり、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、当該化合物中の全ケイ素原子数に対するケイ素原子に直接結合したアルコキシ基数および水酸基数の合計の比が0.3以下であるが、縮合性官能基による縮合反応の抑制に効果的であることや、得られる硬化物の耐クラック性、耐水性、および耐候性の観点から、上記比は0.2以下が好ましい。
さらに、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、粘度(作業性)の観点から、当該化合物中の全ケイ素原子の数に対する下記式(IV)で表される構造を有するケイ素原子の数の比が、0.03以下が好ましく、0.01以下がより好ましい。
Figure 2019104836
本発明において、上記式(I)〜(III)で表される構成単位を有するオルガノポリシロキサン化合物としては、特に、下記平均式(V)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019104836
式(V)において、R2、R3、R5、R6は、上記と同じ意味を表し、R7は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基を表し、a、b、c、d、e、およびfは、0.05≦a≦0.6、0.05≦b≦0.6、0≦c≦0.03、0≦d≦0.4、0≦e≦0.4、0.2≦f≦0.7、a+b+c+d+e+f=1を満たす数を表し、gは、0≦g≦0.3を満たす数を表す。
上記aは0.05≦a≦0.6を満たす数が好ましく、オルガノポリシロキサン化合物を含む組成物の硬化性、並びに硬化物の硬度、耐擦傷性、および耐クラック性の観点から0.1≦a≦0.5がより好ましい。
上記bは0.05≦b≦0.6を満たす数が好ましく、アルカリ現像性、並びにオルガノポリシロキサン化合物の粘度(作業性)の観点から0.1≦b≦0.5がより好ましい。
上記cは0≦c≦0.03を満たす数が好ましく、オルガノポリシロキサン化合物の粘度(作業性)の観点から0≦c≦0.01がより好ましい。
上記dは0≦d≦0.4を満たす数が好ましく、得られる硬化物の耐クラック性、耐屈曲性の観点から0≦d≦0.2がより好ましい。
上記eは0≦e≦0.4を満たす数が好ましく、得られる硬化物の硬度の観点から0≦e≦0.3がより好ましい。
上記fは0.2≦f≦0.7を満たす数が好ましく、オルガノポリシロキサン化合物の粘度(作業性)および得られる硬化物の硬度の観点から、0.3≦f≦0.6がより好ましい。
上記gは0≦g≦0.3を満たす数であるが、縮合性官能基による縮合反応の抑制に効果的であることや、得られる硬化物の耐クラック性、耐水性、および耐候性の観点を考慮すると、0≦g≦0.2を満たす数が好ましい。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、単一の組成でも、組成の異なる複数の化合物の混合物であってもよい。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の平均分子量は特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で100〜100,000が好ましく、500〜3,000がより好ましい。
このような範囲であれば、縮合が十分に進行しており、オルガノポリシロキサン化合物の保存性に優れ、アルカリ現像において速やかに除去可能なものとなる。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の粘度は特に限定されるものではないが、作業性および加工性の観点から、回転粘度計により測定される25℃における粘度が20〜10,000mPa・sが好ましく、50〜3,000mPa・sがより好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、有機溶剤等を除く不揮発分が90質量%以上であることが好ましい。揮発分が少なくなると、組成物を硬化した際のボイド発生による外観の悪化や機械的性質の低下が抑制される。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、一般的なオルガノポリシロキサンの製造方法に従って製造することができる。
例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を含む加水分解性シラン、酸無水物基を有する有機基を含む加水分解性シラン、およびトリオルガノシランまたはその加水分解縮合物を、加水分解縮合して本発明のオルガノポリシロキサン化合物を得ることができる。
具体的には、下記式(VI)で表される加水分解性シラン、下記式(VII)で表される加水分解性シラン、および必要に応じてその他の加水分解性シランを用いて、触媒の存在下で加水分解縮合を行ってオルガノポリシロキサン化合物を製造する方法が挙げられる。
8SiX3 (VI)
(式中、R8は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基、または酸無水物基を有する有機基を表し、Xは、互いに独立して、塩素原子または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表す。)
6 3SiX (VII)
(式中、R6およびXは、上記と同じ意味を表す。)
Xの炭素原子数1〜6のアルコキシ基としては、その中のアルキル基が直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
式(VI)で表される加水分解性シランの具体例としては、下記式(VI’)、(VI”)で表される加水分解性シランが挙げられる。
Figure 2019104836
(式中、R2、R3、R5およびXは、上記と同じ意味を表す。)
式(VII)で表される加水分解性シランの具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン等のアルコキシシランなどが挙げられ、これらの加水分解縮合物であるヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジ(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ジ(3−メタクリロイルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ジ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン等も好適に用いることができる。
また、必要に応じて用いられるその他の加水分解性シランとしては、上記式(VI)および式(VII)で表される加水分解性シランとともに加水分解縮合することでオルガノポリシロキサン化合物を製造できるものであれば特に限定されるものではない。
その具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシランなどが挙げられる。
縮合に用いられる触媒としては、特に限定されるものではないが、酸性触媒が好ましく、その具体例としては、塩酸、ギ酸、酢酸、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、乳酸、炭酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応を速やかに進行させるとともに、反応後の触媒の除去の容易性を考慮すると、加水分解性シラン1モルに対して0.0002〜0.5モルの範囲が好ましい。
加水分解性シランと、加水分解縮合反応に要する水との量比は、特に限定されるものではないが、触媒の失活を防いで反応を十分に進行させるとともに、反応後の水の除去の容易性を考慮すると、加水分解性シラン1モルに対し、水0.1〜10モルの割合が好ましい。
加水分解縮合時の反応温度は、特に限定されるものではないが、反応率を向上させるとともに、加水分解性シランが有する有機官能基の分解を防止することを考慮すると、−10〜150℃が好ましい。
なお、加水分解縮合の際には、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
(2)活性エネルギー線硬化性組成物
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上述した本発明のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有するものである。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線によりラジカル種を発生する開始剤であれば特に限定されるものではなく、アセトフェノン系、ベンゾイン系、アシルフォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の公知の光重合開始剤から適宜選択して用いることができる。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、チオキサントン誘導体、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤は市販品として入手することができ、市販品としては、例えば、ダロキュア1173、ダロキュアMBF、イルガキュア127、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア379EG、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア784、イルガキュア819、イルガキュア819DW、イルガキュア907、イルガキュア1800、イルガキュア2959、ルシリンTPO(いずれもBASFジャパン社製)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、組成物の硬化性を良好にするとともに、硬化物の表面硬度の低下を防止することを考慮すると、本発明のオルガノポリシロキサン化合物、および必要に応じて用いられる重合性不飽和化合物の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明のオルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物を含有していてもよい。
重合性不飽和化合物の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等が挙げられる。
重合性不飽和化合物を用いる場合、その含有量は、本発明のオルガノポリシロキサン化合物100質量部に対して、1〜1,000質量部が好ましい。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、金属酸化物微粒子、シリコーンレジン、シランカップリング剤、希釈溶剤、可塑剤、充填剤、増感剤、光吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、熱線反射剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防汚性付与剤、撥水性付与剤、消泡剤、着色剤、増粘剤、レベリング剤等の各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上記各成分を常法に準じて均一に混合することにより得られる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は特に限定されるものではないが、成形または塗布作業性を良好にし、スジムラ等の発生を抑制することを考慮すると、回転粘度計により測定される25℃での粘度が、10,000mPa・s以下が好ましく、2,000mPa・s以下がより好ましい。なお、25℃における粘度の下限は10mPa・s以上が好ましい。
上述した本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、コーティング剤、特にレジスト用途として好適に使用可能であり、基材の少なくとも一方の面に、直接または少なくとも1種のその他の層を介して塗布し、それを硬化させることにより被膜を形成した被覆物品を得ることができる。
上記基材としては、特に限定されるものではないが、シリコンウェハ、金属、プラスチック成形体、セラミックス、ガラス、およびそれらの複合物等が挙げられる。
また、これらの基材の表面が、化成処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液で処理されている基材や、基材本体と表層が異なる種類の塗料で被覆された化粧合板等も用いることもできる。
コーティング剤の塗布方法としては、公知の手法から適宜選択すればよく、例えば、スピンコート、バーコーター、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を用いることができる。
活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させるための光源としては、通常、200〜450nmの範囲の波長の光を含む光源、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯等が挙げられる。
照射量は特に制限されないが、10〜5,000mJ/cm2が好ましく、20〜1,000mJ/cm2がより好ましい。
硬化時間は、通常0.5秒〜2分であり、好ましくは1秒〜1分である。
以下、実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、下記において、揮発分はJIS C2133に準じて測定した値であり、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、HLC−8220 東ソー(株)製)を用いてテトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒として測定した値である。
また、平均式(V)におけるa〜gの値は、1H−NMRおよび29Si−NMR測定の結果から算出した。
[1]アクリロイルオキシ基および酸無水物基を含有するオルガノポリシロキサン化合物の合成
[実施例1−1]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸262.3g(1.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.13g(3.0mol)、メタンスルホン酸5.1gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水115.2gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)25.3gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度890mPa・s、揮発分6.4質量%、重量平均分子量1,180の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.29、b=0.13、c=0、d=0、e=0、f=0.58、g=0.13であった。
[実施例1−2]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸524.7g(2.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.1g(3.0mol)、メタンスルホン酸6.0gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水165.6gを添加し、25℃で2時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)30.1gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度550mPa・s、揮発分3.3質量%、重量平均分子量970の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.26、b=0.26、c=0、d=0、e=0、f=0.48、g=0.11であった。
[実施例1−3]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン702.9g(3.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸262.3g(1.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.1g(3.0mol)、メタンスルホン酸5.1gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水147.6gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)25.3gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度190mPa・s、揮発分4.1質量%、重量平均分子量1,210の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.42、b=0.14、c=0、d=0、e=0、f=0.44、g=0.08であった。
[実施例1−4]
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン496.8g(2.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸262.3g(1.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.1g(3.0mol)、メタンスルホン酸6.0gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水165.6gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)30.8gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度220mPa・s、揮発分6.6質量%、重量平均分子量990の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.27、b=0.13、c=0、d=0、e=0、f=0.60、g=0.11であった。
[実施例1−5]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸524.7g(2.0mol)、ジメチルジメトキシシラン240.44g(2.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.1g(3.0mol)、メタンスルホン酸6.8gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水208.8gを添加し、25℃で2時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)33.8gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度2,100mPa・s、揮発分5.2質量%、重量平均分子量1,540の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.18、b=0.17、c=0、d=0、e=0.16、f=0.49、g=0.05であった。
[実施例1−6]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸524.7g(2.0mol)、メチルトリメトキシシラン136.2g(1.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.1g(3.0mol)、メタンスルホン酸6.4gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水198.0gを添加し、25℃で2時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)31.8gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度2,680mPa・s、揮発分4.4質量%、重量平均分子量1,940の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.21、b=0.20、c=0、d=0.08、e=0、f=0.51、g=0.07であった。
[実施例1−7]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸524.7g(2.0mol)、テトラエトキシシラン104.2g(0.5mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.1g(3.0mol)、メタンスルホン酸6.3gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水187.2gを添加し、25℃で2時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)31.6gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度35,200mPa・s、揮発分6.4質量%、重量平均分子量1,840の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.23、b=0.21、c=0.05、d=0、e=0、f=0.51、g=0.08であった。
[2]アクリロイルオキシ基および酸無水物基を含有し、ケイ素原子の数に対するケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基および水酸基の数の合計の比が0.3を超えるオルガノポリシロキサン化合物の合成
[比較例1−1]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸262.3g(1.0mol)、メタンスルホン酸2.6gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水115.2gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)13.1gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度2,600mPa・s、揮発分4.9質量%、重量平均分子量800の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.68、b=0.32、c=0、d=0、e=0、f=0、g=2.0であった。
[3]アクリロイルオキシ基を有し、酸無水物基を含有しないオルガノポリシロキサン化合物の合成
[比較例1−2]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.13g(3.0mol)、メタンスルホン酸4.1gを反応器中に加え、均一になったところでイオン交換水64.8gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)20.4gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、25℃における粘度80mPa・s、揮発分3.9質量%、重量平均分子量790の液体であった。NMRの結果から算出した平均式(V)におけるa〜gの値は、それぞれa=0.28、b=0、c=0、d=0、e=0、f=0.72、g=0.07であった。
[4]活性エネルギー線硬化性組成物およびその硬化物の製造
[実施例2−1〜2−7、比較例2−1,2−2]
上記実施例1−1〜1−7および比較例1−1,1−2で得られた各オルガノポリシロキサン化合物10質量部、ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、厚さ0.2mmとなるように離型フィルムを貼り付けた型に流し込み、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることでフィルムを製造した。
得られたフィルムについてクラックおよび鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
(1)クラック
目視にて、硬化物のクラックを確認した。クラックを有しない場合はOK、有する場合はNGとした。
(2)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じて750g荷重にて測定した。
Figure 2019104836
さらに、得られたフィルムについて、85℃、85%RHの環境下で10日間静置した後のクラックおよび鉛筆硬度を上記と同様の手順で測定した。結果を表2に示す。
Figure 2019104836
表2に示されるように、シロキサン末端の縮合性官能基数が制限された実施例2−1〜2−7および比較例2−2の硬化物では、クラックおよび鉛筆硬度ともに耐熱耐湿試験の前後での変化が小さいが、多くの縮合性官能基を有する比較例2−1の硬化物では、クラックが生じ、鉛筆硬度が硬くなっている傾向が顕著にみられることから、クラックおよび耐屈曲性の変化は、シロキサン末端の縮合性官能基が経時で縮合反応することにより引き起こされた結果であると考えられる。
[5]コーティング組成物および被覆物品の製造
[実施例3−1〜3−7、比較例3−1,3−2]
上記実施例1−1〜1−7および比較例1−1,1−2で得られた各オルガノポリシロキサン化合物10質量部、ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、このコーティング組成物を回転数1,500rpmでシリコンウェハ上にスピン塗工し、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、塗膜が露光部と未露光部とを有するように、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることで被膜を形成し、被覆物品を製造した。その後、0.1質量%のKOH水溶液に被覆物品を浸漬して現像し、未露光のコーティング組成物を除去した。
水洗後に、基板上に残る膜残渣を光学顕微鏡にて観察し、残渣が残らない場合はKOH現像性をOK、残る場合はNGとした。結果を表3に示す。
Figure 2019104836
表3に示されるように、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸を構成成分に含み、かつ、シロキサン化合物の縮合性官能基の割合が制限された実施例3−1〜3−7のコーティング組成物を塗布した被膜物品においてのみKOH現像性が見られており、本発明のオルガノポリシロキサン化合物の優位性を示している。

Claims (7)

  1. 下記式(I)、(II)および(III)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子数に対するケイ素原子に直接結合したアルコキシ基数および水酸基数の合計の比が0.3以下であることを特徴とするオルガノポリシロキサン化合物。
    Figure 2019104836
    (式中、R1およびR4は、互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基を表し、R2およびR5は、互いに独立して炭素原子数1〜10の2価炭化水素基を表し、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R6は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表し、nは0≦n≦2を満たす整数を表し、mは0≦m≦2を満たす整数を表す。)
  2. ケイ素原子数に対する下記式(IV)で表される構造を有するケイ素原子数の比が0.03以下である請求項1記載のオルガノポリシロキサン化合物。
    Figure 2019104836
  3. 請求項1または2記載のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する請求項3記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 溶剤をさらに含有する請求項3または4記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
  7. 請求項6記載の硬化物からなるレジスト膜。
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