JP2019210248A - カリックスアレーン化合物、滑水性表面改質剤、硬化性樹脂組成物および滑水性塗膜 - Google Patents

カリックスアレーン化合物、滑水性表面改質剤、硬化性樹脂組成物および滑水性塗膜 Download PDF

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正紀 宮本
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Abstract

【課題】滑水性に優れる表面を得ることができる表面改質剤とこれを用いた硬化性樹脂組成物、及びこれを用いてなる滑水性塗膜の提供。【解決手段】式(1)で表される分子構造を有するカリックスアレーン化合物を用いる。(式中R1はC1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位;R2はH、極性基、重合性基を有する構造部位;R3はH、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基等;nは2〜10の整数;*は芳香環との結合点)【選択図】なし

Description

本発明は、表面に良好な滑水性を有する塗膜を形成することができる、特定構造の滑水性表面改質剤とこれを用いた硬化性樹脂組成物、及び滑水性塗膜に関する。
フッ素系界面活性剤又はフッ素系表面改質剤は、レベリング性、撥水撥油性などに優れる点から、各種コーティング材料、表面改質剤等に広く使用されている。このフッ素系界面活性剤又はフッ素系表面改質剤(以下、これらを併せて単に「フッ素系界面活性剤」ということがある。)を配合した硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜は、優れた撥水(撥油)性を発現する。フッ素系界面活性剤は、一般にフッ素原子が有する撥水撥油性能を利用するために化合物の構造中にフッ素化炭化水素基を有するものであり、更に1分子中に、硬化性樹脂との相溶性や硬化性を発現させるためのその他の構造を配した化合物であり、目的とする性能のレベルや使用方法に応じて種々の化合物が提供されてきている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
現代の生活環境において、撥水性が望まれるか、あるいは必要とされる設備、装置、機械器具は多数存在し、その種類も、自動車の窓ガラス、自動車の塗装表面、台所設備、台所用品、台所設備に付設される排気装置、入浴設備、洗面設備、医療用施設、医療用機械器具、鏡、眼鏡、インクジェットプリンター部品など、きわめて多岐に亘っている。また、冷蔵庫熱交換器や、空調室外機、今後、伸長するEV自動車向けヒートポンプにおいても着氷・着霜防止の観点から撥水性が求められている。
上記用途においては、更に付着した水滴が重力などによって速やかに流れ落ちる性質(滑水性)が必要とされる。即ち、撥水性表面はそこに付着した水が水滴となりやすいことを示すのみであり、大きい水滴は自重により落下するが、滑水性が弱いと水滴は物体表面に強く付着したままとなり、表面を垂直に傾けても落下しないことがある。このような、表面に付着した水滴がそのままの状態で留まることは種々の不都合を招く。例えば、自動車のフロントガラスに多数の水滴が付着した状態のままになっていると、街灯などの光によってフロントガラスが乱反射して、運転者の視界を妨げるという不都合がある。また、滑水性が弱い材料は、外装材などの雨水に曝される環境で使用すると表面に水が流れた跡(雨すじ)が付いてしまい、耐汚染性も優れているとは言えない。滑水性は、水の転落角の小さいほど良好であるが、水の接触角と転落角との相関関係は認められておらず、撥水性と滑水性とを両立可能な表面改質剤が求められている。
特開2013−6928号公報 国際公開WO2012/002361号
本発明が解決しようとする課題は、滑水性に優れる表面を得ることができる表面改質剤とこれを用いた硬化性樹脂組成物、及びこれを用いてなる滑水性塗膜を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の化学構造を有するカリックスアレーン化合物が滑水性表面改質剤として非常に高い性能を有し、当該化合物あるいはこれを含有する硬化性樹脂組成物は様々な基材に対する塗工性を損なうことなく、高い滑水性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記構造式(1)
(式中Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位である。Rは水素原子、極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかである。Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基の何れかである。nは2〜10の整数である。*は芳香環との結合点である。)
で表される分子構造を有するカリックスアレーン化合物、これを含有する硬化性樹脂組成物、およびこれらを用いてなる滑水性表面を提供するものである。
本発明によれば、滑水性表面を形成させるために有用なカリックスアレーン化合物、これを含有する滑水性表面改質剤、硬化性樹脂組成物、及び滑水性表面を提供することができる。
図1は、実施例59で得られたカリックスアレーン化合物(L1−1)のH−NMR(DMSO−d6)チャート図である。 図2は、実施例59で得られたカリックスアレーン化合物(L1−1)の13C−NMR(DMSO−d6)チャート図である。 図3は、実施例77で得られたカリックスアレーン化合物(L1−2−3)のFD−MSチャート図である。 図4は、実施例77で得られたカリックスアレーン化合物(L1−2−3)のH−NMR(CDCl)チャート図である。 図5は、実施例77で得られたカリックスアレーン化合物(L1−2−3)の13C−NMR(CDCl)チャート図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカリックスアレーン化合物は、下記構造式(1)
(式中Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位である。Rは水素原子、極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかである。Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基の何れかである。nは2〜10の整数である。*は芳香環との結合点である。)
で表される分子構造を有する。
前記構造式(1)中のnは2〜10の整数である。中でも、構造的に安定であることからnが4、6又は8であるものが好ましい。
本発明のカリックスアレーン化合物においては、前記Rで表される炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位が比較的密集して存在するため、一般的な線状ポリマー型の表面改質剤と比較して非常に優れた滑水性能を発現する。前記構造式(1)中、R、Rの結合位置や、*で表される結合点の位置は特に限定されず、どのような構造を有していてもよい。中でも、滑水性表面改質剤としての性能に一層優れるカリックスアレーン化合物となることから、下記構造式(1−1)又は(1−2)
(式中Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位である。Rは水素原子、極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかである。Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基の何れかである。nは2〜10の整数である。)
で表される分子構造を有するものが好ましい。
前記構造式(1)中のRは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位であり、前記カリックスアレーン化合物を表面改質剤用途に用いた場合の高滑水性に寄与する部位である。前記パーフルオロアルキル基の炭素原子数はより滑水性に優れる観点から炭素原子数1〜2であることが好ましく、特に1であることが好ましい。前記Rのパーフルオロアルキル基以外の構造部位は特に制限されず、どのような構造を有していてもよい。Rの具体構造としては、炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基をRで表した場合、例えば、―X―Rで表されるものが挙げられる。
前記Xは、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、(ポリ)アルキレンエーテル構造、(ポリ)アルキレンチオエーテル構造、(ポリ)エステル構造、(ポリ)ウレタン構造、これらの組み合わせからなる構造部位等が挙げられ、(ポリ)アルキレンエーテル鎖又は(ポリ)アルキレンチオエーテル鎖であることが好ましい。また、製造上、容易である観点から、下記構造式(2)で表され構造部位であることが好ましい。
(式中Rはそれぞれ独立に直接結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基である。Yは直接結合、カルボニル基、酸素原子又は硫黄原子である。)
前記構造式(2)中のRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキレン基である。アルキレン基は直鎖型のもの、分岐構造を有するもののどちらでも良いが、滑水性表面改質剤としての性能に優れるカリックスアレーン化合物となることから、直鎖型のものが好ましい。
前記構造式(1)中のRは水素原子、極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかである。前述のとおり、芳香環上のRの置換位置は特に限定されないが、Rが極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかである場合には、芳香環上の置換位置はRのパラ位であることが好ましい。滑水性を発現するRに対しRがパラ位に位置することにより、Rが基材側又は硬化性樹脂との親和性基として機能する、或いは基材への固定や樹脂成分と反応する等の効果が生じ、滑水性表面改質剤としての性能に一層優れるカリックスアレーン化合物となる。
前記構造式(1)中のRとしては、例えば、極性基として、水酸基、チオール基、ホスフィンオキシド基、又は水酸基、アミノ基、カルボキシリル基、チオール基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホスフィンオキシド基、アルコキシシリル基の何れかの極性基を有する構造部位等が挙げられる。前記極性基を有する構造部位において、極性基以外の構造部位は特に制限されず、どのような構造を有していてもよい。極性基を有する構造部位の具体例としては、極性基をRP1で表した場合、例えば、―O―X―RP1で表されるものが挙げられる。前記Xは、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、(ポリ)アルキレンエーテル構造、(ポリ)アルキレンチオエーテル構造、(ポリ)エステル構造、(ポリ)ウレタン構造、これらの組み合わせからなる構造部位等が挙げられる。中でも、アルキレン基であることが好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基であることがより好ましい。したがって、極性基を有する構造部位の好ましい例としては、下記構造式(3−1)〜(3−7)の何れかで表される構造部位が挙げられる。
(式中Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)
前記構造式(1)中のRとしては、例えば、重合性基としては、ビニルオキシ基、エチニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、(2−メチル)グリシジル基、(2−メチル)グリシジルオキシ基、3−アルキルオキセタニルメチルオキシ基、又はビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、エチニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、(2−メチル)グリシジル基、(2−メチル)グリシジルオキシ基、3−アルキルオキセタニルメチル基、3−アルキルオキセタニルメチルオキシ基の何れかの重合性基を有する構造部位が挙げられる。前記重合性基を有する構造部位において、重合性基以外の構造部位は特に制限されず、どのような構造を有していてもよい。重合性基を有する構造部位の具体例としては、重合性基をRP2で表した場合、例えば、―O―X―RP2で表されるものが挙げられる。前記Xは、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、(ポリ)アルキレンエーテル構造、(ポリ)アルキレンチオエーテル構造、(ポリ)エステル構造、(ポリ)ウレタン構造、これらの組み合わせからなる構造部位等が挙げられる。重合性基を有する構造部位の好ましい例としては、下記構造式(4−1)〜(4−8)の何れかで表される構造部位が挙げられる。
c
(式中Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rは水素原子又はメチル基である。)
前記構造式(1)中のRは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基の何れかである。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基の脂肪族炭化水素基や、これら脂肪族炭化水素基の水素原子の一つ乃至複数が水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換された構造部位;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の芳香環含有炭化水素基や、これらの芳香核上に水酸基やアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が置換したトリル基、キシリル基等の構造部位が挙げられる。中でも、Rは水素原子であることが好ましい。
本発明のカリックスアレーン化合物は滑水性表面を形成させることができるが、その滑水性表面を形成させる形態として、滑水性表面改質剤および硬化性樹脂組成物の2通りに分類することができる。滑水性表面改質剤または硬化性樹脂組成物への適用は、前記構造式(1)中のRに含まれる極性基または重合性基の種類に対応する。すなわち、Rに含まれる官能基が後述する基材表面と反応して結合を形成することができる場合には、基材に塗布するタイプの滑水性表面改質剤として用いることができ、Rに含まれる官能基が各種の樹脂材料と反応して結合を形成することができる場合には、樹脂材料に添加して用いることができる。
前記の基材表面と反応して結合を形成することができる官能基としては、カルボキシリル基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホスフィンオキシド基、アルコキシシリル基等の極性基が挙げられる。基材表面と反応して結合を形成することができる官能基を基材表面と反応させる条件は、いずれの場合にも公知の方法で行うことができる。
前記の樹脂材料と反応して結合を形成することができる官能基としては、水酸基、チオール基、アミノ基等の極性基が、および、ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、エチニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、(2−メチル)グリシジル基、(2−メチル)グリシジルオキシ基、3−アルキルオキセタニルメチル基、3−アルキルオキセタニルメチルオキシ基等の重合性基が挙げられる。
前記のRに含まれる官能基と反応して結合を形成することができる樹脂材料としては、例えば、水酸基、チオール、アミノ基と容易に反応し、ウレタン結合、チオウレタン結合、ウレア結合を形成できるイソシアネート基を有する樹脂や、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合を形成できるカルボキシル基を有する樹脂等が挙げられる。また、ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、エチニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等と反応できる炭素−炭素二重結合性官能基を有する樹脂が挙げられる。また、グリシジル基、グリシジルオキシ基、(2−メチル)グリシジル基、(2−メチル)グリシジルオキシ基、3−アルキルオキセタニルメチル基、3−アルキルオキセタニルメチルオキシ基等と反応できるエポキシ基またはオキセタニル基を有する樹脂が挙げられる。Rに含まれる官能基と樹脂材料の反応させる条件は、いずれの場合にも、公知の方法で行うことができる。
また、1分子中に含まれるRは同一のものからなるものであっても、異なるものからなるものであってもよいが、本発明の効果をより一層容易に発現できる観点からは、1分子中のRは同一であることが好ましい。
本発明のカリックスアレーン化合物はどのような方法にて製造されたものであってもよい。以下、本発明のカリックスアレーン化合物を製造する方法の一例について説明する。
本発明のカリックスアレーン化合物は、例えば、下記構造式(5)
(式中Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基の何れかである。nは2〜10の整数である。)
で表される中間体(A)に、Rに相当する炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位を導入する工程(工程1)と、必要に応じて、Rに相当する極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位を導入する工程(工程2)を経る方法にて製造することができる。
前記構造式(5)で表される中間体(A)は、フェノールとアルデヒド化合物とから直接製造する方法や、パラアルキルフェノールとアルデヒド化合物とを反応させてカリックスアレーン構造を有する中間体(a)を得た後、フェノールと塩化アルミニウムとの存在下で脱アルキル化反応させる方法等にて製造することができる。特に、前記中間体(A)をより高い収率で製造できることから、パラアルキルフェノールとアルデヒド化合物とを反応させてカリックスアレーン構造を有する中間体(a)を得た後、フェノールと塩化アルミニウムとの存在下で脱アルキル化反応させる方法で製造することが好ましい。
前記パラアルキルフェノールは、パラ位にアルキル基を有するフェノール化合物であれば特に限定なく、何れの化合物を用いてもよい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられるが、前記中間体(a)をより高い収率で製造できることからtert−ブチル基等の嵩高いものが好ましい。
前記アルデヒド化合物は、前記パラアルキルフェノールと縮合反応を生じてカリックスアレーン構造を形成しうるものであればよく、例えば、ホルムアルデヒドの他、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物;ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物等が挙げられる。これらは一種類のみを単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。中でも、反応性に優れることからホルムアルデヒドを用いることが好ましい。ホルムアルデヒドは水溶液の状態であるホルマリンとして用いても、固形の状態であるパラホルムアルデヒドとして用いても、どちらでも良い。
前記パラアルキルフェノールとアルデヒド化合物との反応は、例えば、酸もしくは塩基触媒の存在下、80〜250℃程度の温度条件にて行うことができる。反応終了後は生成物を水洗する等し、純度の高い中間体(a)を得ることが好ましい。
前記パラアルキルフェノールとアルデヒド化合物との反応割合は、前記中間体(a)を高収率で製造できることから、前記パラアルキルフェノール1モルに対し、アルデヒド化合物が0.6〜2モルの範囲であることが好ましい。
前記酸触媒は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。酸触媒の添加量は、前記パラアルキルフェノールとアルデヒド化合物との合計100質量部に対し、0.05〜10質量部の範囲であることが好ましい。
前記塩基触媒は、触媒として作用するものであって、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム.水酸化ルビジウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。塩基触媒の添加量は、前記パラアルキルフェノールとアルデヒド化合物との合計100質量部に対し、0.01〜1質量部の範囲であることが好ましい。
前記パラアルキルフェノールとアルデヒド化合物との反応は有機溶媒中で行ってもよい。前記有機溶媒は、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、エチルヘキノール等のアルコール系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、THF、ジオキサン、ブチルカルビトール、ビフェニルエーテル等のエーテル系溶媒;メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコールエーテル系溶媒等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記中間体(a)の脱アルキル化工程は、例えば、前記中間体(a)の貧溶媒であり、かつ、フェノールの良溶媒である有機溶剤中に前記中間体(a)とフェノールとを添加し、これに塩化アルミニウムを加えて撹拌する方法にて行うことができる。反応は氷浴乃至室温程度の温度条件下で行うことが好ましい。
フェノールの添加量は、前記中間体(a)中の水酸基1モルに対し、1〜2モルの範囲であることが好ましい。また、塩化アルミニウムの添加量は、前記中間体(a)中の水酸基1モルに対し、1〜2モルの範囲であることが好ましい。
前記有機溶剤は、例えば、ベンゼン、トルエンやキシレン等のアルキルベンゼンなどの香族炭化水素溶媒等が挙げられる。
反応終了後は水洗や再沈殿操作にて生成物を精製し、純度の高い中間体(A)を得ることが好ましい。
工程1では、前述した中間体(A)に炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位を導入する。パーフルオロアルキル基を有する構造部位を導入する中間体(A)の部位としては、中間体(A)の芳香環部位の場合と、中間体(A)のフェノール性水酸基部位の場合の2通りが挙げられる。
前記中間体(A)の芳香環部位へ炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位を導入した場合には下記構造式(6−1)で表される中間体(B−1)を、前記中間体(A)のフェノール性水酸基部位へ炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位を導入した場合には下記構造式(6−2)で表される中間体(B−2)を製造することができる。
(式中、R、R、は前記と同じである。)
中間体(A)の芳香環部位に炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を導入した中間体(B−1)を合成する方法としては、中間体(A)の芳香環部位に反応し得る方法であれば特に限定されないが、例えば、電子密度の高い芳香環部位に求電子反応するフリーデル・クラフツアルキル化反応を利用する方法や、フリーデル・クラフツアシル化反応等のアシル化反応により、アシル基を介して炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を導入する方法が挙げられる。また、アシル基のカルボニル基を還元して脂肪族炭化水素基としてもよい。フリーデル・クラフツ反応等のアシル化反応は常法により行うことができ、例えば、塩化アルミニウム等のルイス酸触媒の存在下、対応するハロゲン化物と反応させる方法や、メタンスルホン酸と無水リン酸の存在下で対応するカルボン酸と反応させる方法等が挙げられる。カルボニル基の還元は、ウォルフ・キッシュナー還元反応等の常法により行うことができる。
中間体(A)のフェノール性水酸基部位にパーフルオロアルキル基を導入した中間体(B−2)を合成する方法としては、フェノール性水酸基と反応し得る方法であれば特に限定されないが、一般的なフェノール性水酸基に対するウイリアムソンエーテル合成等の公知の反応を適宜応用することができる。ウイリアムソンエーテル合成の方法でフェノール性水酸基にパーフルオロアルキル基を導入する際のパーフルオロアルキル基導入剤は、前記中間体(A)が有するフェノール性水酸基と反応して炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を導入し得るものであれば特に限定されないが、特に反応性が高いものとしては、炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有するハロゲン化物が挙げられる。
前記ハロゲン化物は、例えば、下記構造式(7)
(式中Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基である。Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。)
で表されるものが挙げられる。ハロゲン化物はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。ハロゲン化物の添加量は、前記中間体(A)が含有するフェノール性水酸基に対し過剰量であることが好ましく、フェノール性水酸基1モルに対しハロゲン化物が1〜5モル程度であることがより好ましい。
工程2では、工程1で炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位を導入した中間体(B−1)および中間体(B−2)に対し、Rに相当する極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位を導入することにより、本発明の前記構造式(1)の化合物を製造することができる。
に相当する極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位を導入する位置としては、工程1にてRを導入した他方の位置に導入する。すなわち、中間体(A)の芳香環部位にRを導入した中間体(B−1)ではRをフェノール性水酸基部位に導入し、一方、中間体(A)のフェノール性水酸基部位にRを導入した中間体(B−2)ではRを芳香環部位に導入することによって本発明の前記構造式(1)の化合物を製造することができる。
中間体(B−1)のフェノール性水酸基部位にRを導入する方法としては、特に限定されるものではなく、一般的なフェノール性水酸基に対する光延反応やウイリアムソンエーテル合成等の公知の反応を適宜応用することができる。また、フェノール性水酸基にアルコール性水酸基部位を有する構造部位を導入した後、アルコール性水酸基部位を極性基、重合性基、極性基又は重合性基に変換する方法等が挙げられる。
中間体(B−1)のフェノール性水酸基を、Rに相当する極性基を有する構造部位に変換する方法として、極性基がアルコール性水酸基の場合には、例えば、ウイリアムソンエーテル合成の要領で対応するアルコール性水酸基を有するハロゲン化アルキル化物を反応させる方法や、または、ハロゲン化シリルエーテル化物を反応させてフェノールエーテル化した後、テトラブチルアンモニウムフロリドの存在下で脱シリル化や、あるいは、適当なハロゲン化物を前記フェノール性水酸基に反応させてケトン構造やエステル構造を導入した後、還元してアルコール性水酸基を生成させる方法が挙げられる。また、極性基がカルボキシル基の場合には、例えば、エステル基を有するハロゲン化物を前記フェノール性水酸基に反応させてエステル構造を導入した後、加水分解してカルボキシル基を生成させる方法が挙げられる。また、極性基がホスホン酸基の場合には、例えば、前記の方法でアルコール性水酸基を導入した後、塩化チオニル、又は塩化亜鉛と塩酸によりアルコール性水酸基を塩素化し、更に、亜リン酸トリアルキルを反応させてホスホン酸ジアルキルエステルに誘導し、三臭化ホウ素、又は、臭化トリメチルシリル等でホスホン酸を生成させる方法が挙げられる。この時、亜リン酸トリアルキルとしては、例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリイソプロピル等が使用できる。
更に、極性基がアルコキシシラン基の場合には、例えば、中間体(B−1)のフェノール性水酸基をウイリアムソンエーテル合成の要領で臭化アリルを用いてアリルエーテル化し、更に、白金触媒存在下でトリアルコキシシランを反応させる方法が挙げられる。
白金触媒としては、例えば、白金、ヘキサクロロ白金酸、酸化白金等が使用できる。
中間体(B−1)のフェノール性水酸基を、Rに相当する重合性基を有する構造部位に変換する方法として、例えば、アルコール性水酸基と重合性基の両方を含有する化合物を用いた光延反応を利用する方法、または、ハロゲン化シリルエーテル化物を反応させてフェノールエーテル化した後、テトラブチルアンモニウムフロリドの存在下で脱シリル化や、あるいは、適当なハロゲン化物を前記フェノール性水酸基に反応させてケトン構造やエステル構造を導入した後、還元してアルコール性水酸基を生成させ、この水酸基と(メタ)アクリル酸等の重合性基含有カルボン酸化合物とのエステル化反応を利用する方法が挙げられる。
前記アルコール性水酸基と重合性基の両方を含有する化合物は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
前記のアルコール性水酸基と(メタ)アクリル酸等の重合性基含有カルボン酸化合物とのエステル化反応には、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸等の重合性基含有カルボン酸化合物と、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドや、アゾジカルボン酸ジエチルとトリフェニルホスフィンからなる光延試薬を用いて、中性条件下で前記還元により生成したアルコール性水酸基とエステル化反応させる方法や、または、(メタ)アクリル酸クロリド等の重合性基含有カルボン酸ハライドを塩基存在下で前記還元により生成したアルコール性水酸基とエステル化反応させる方法等が挙げられる。
中間体(B−2)の芳香環部位にRを導入する方法としては、例えば、下記構造式(8)
(式中R、nは前記と同じである。ZはR基を導入するための官能基である。)
で表される中間体(C)を得た後、Z基を前記Rに相当する極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかに変性する方法が挙げられる。
前記中間体(C)において、前記Z基はRに相当する極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位へ変換可能な官能基であれば特に限定されないが、Z基がアリル基である場合、下記構造式(9)で表される前記中間体(A)のアリルエーテル化体が大過剰のアミン化合物存在下で以下のような転移反応を生じることが知られており、高効率で中間体(C−1)を得ることができる。中間体(C−1)は、工程1と同様の方法により、フェノール水酸基へ炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位を導入することができ、中間体(C−1−1)を得ることができる。
前記中間体(A)のアリルエーテル化は、所謂ウイリアムソンエーテル合成と同様の要領で、塩基性触媒条件下、前記中間体(A)とハロゲン化アリルとを反応させて得ることができる。前記転移反応で用いるアミン化合物は特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N,N−トリメチルアミン、N,N,N−トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミンや、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン等の二級アミンが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記中間体(C−1−1)のアリル基を、Rに相当する極性基を有する構造部位で置換する方法は特に限定されないが、最も簡便な具体例としては、極性基がアルコキシシラン基の場合に、アリル基に対して白金触媒存在下でトリアルコキシシランを反応させる方法が挙げられる。この時、前記の白金触媒としては、白金、ヘキサクロロ白金酸、酸化白金等が使用できる。また、極性基がカルボキシル基、ホスホン酸及びリン酸の場合には、アリル基に対して、各々に対応するエステル、ホスホン酸エステル及びリン酸エステルを有するチオール化合物を反応させた後、各エステルを加水分解する方法が挙げられる。
前記チオール化合物は、例えば、下記構造式(10−1)、下記構造式(10−2)、下記構造式(10−3)
(式中Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)
で表されるものが挙げられる。チオール化合物の添加量は、アリル基に対し過剰量であることが好ましく、アリル基1モルに対しチオール化合物が1〜5モル程度であることがより好ましい。
前記中間体(B)と前記チオール化合物との反応は、例えば、触媒の存在下、50〜80℃程度の温度条件下で行うことができる。反応は有機溶媒中で行ってもよい。前記有機溶剤は、例えば、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒等が挙げられる。
前記中間体(C−1−1)のアリル基を、Rに相当する重合性基を有する構造部位で置換する方法は特に限定されないが、最も簡便な具体例としては、アリル基をエポキシ化した後、(メタ)アクリル酸等の重合性基含有カルボン酸化合物を反応させる方法が挙げられる。アリル基をエポキシ化する方法は多数あるが、例えば、メタクロロ過安息香酸やトリフルオロ過酢酸等の過酸を用いた方法等が挙げられる。
前記中間体(C)において、Z基が水酸基を有する置換基の場合には、Rに相当する極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位に容易に置換することができるため有用性が高い。水酸基を有するZ基がヒドロキシメチル基である場合、中間体(C−2)を高効率で得るには、下記式で表される前記中間体(6−2)をハロメチル化し、これを四級アンモニウム塩存在下で有機カルボン酸の金属塩を反応させてアシロキシ化し、続いて金属水酸化物等を用いて加水分解することによってヒドロキシメチル化する方法や、前記中間体(6−2)をホルミル化し、還元剤を用いてヒドロキシメチル基にする方法が挙げられる。
Qは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルキレン基を表す。
前記ハロメチル化する方法としては、特に限定されないが、例えば、酢酸溶媒中にてパラホルムアルデヒドと塩化水素を作用させクロロメチル化する方法や、同条件下で塩化水素の代わりに臭化水素を作用させてブロモメチル化する方法が挙げられる。また、前記アシロキシ化に使用する四級アンモニウム塩は特に限定されず、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド等が挙げられ、また、有機カルボン酸としては、特に限定されず、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウムなどが挙げられる。
前記ホルミル化する方法としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドとオキシ塩化リンを作用させるVilsmeier−Haack反応やヘキサメチレンテトラミンを酸で活性化させてホルミル化するDuff反応の常法が使用できる。得られるホルミル体を還元する方法には、特に限定されないが、例えば、水素化ホウ素ナトリウムや水素化アルミニウムリチウム等の金属水素化物や、パラジウム等の金属触媒存在下で水素による接触還元法の常法を使用できる。
前記中間体(C−2)のアルコール性水酸基を、Rに相当する極性基を有する構造部位で置換する方法は特に限定されないが、最も簡便な具体例としては、極性基がカルボキシル基の場合には、適切な酸化剤を用いる公知の方法によってアルコール性水酸基をカルボキシル基に酸化する方法が挙げられる。また、極性基がホスホン酸基の場合には、前記のアルコール性水酸基を塩化チオニル、又は塩化亜鉛と塩酸により塩素化し、更に、亜リン酸トリアルキルを反応させてホスホン酸ジアルキルエステルに誘導し、三臭化ホウ素、又は、臭化トリメチルシリル等でホスホン酸を生成させる方法が挙げられる。この時、亜リン酸トリアルキルとしては、例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリイソプロピル等が使用できる。
前記中間体(C−2)のアルコール性水酸基を、Rに相当する重合性基を有する構造部位で置換する方法は特に限定されないが、最も簡便な具体例としては、(メタ)アクリル酸等の重合性基含有カルボン酸化合物を、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドや、アゾジカルボン酸ジエチルとトリフェニルホスフィンからなる光延試薬を用いて、中性条件下で前記水酸基とエステル化反応させる方法や、または、(メタ)アクリル酸クロリド等の重合性基含有カルボン酸ハライドを塩基存在下で前記水酸基とエステル化反応させる方法が利用できる。
前述のとおり、本発明のカリックスアレーン化合物は特に滑水性表面改質剤用途に好適に用いることができるが、その用途は限定されるものではない。その他の用途としては、例えば、コーティング剤の表面平滑剤やレベリング剤、撥水・撥油剤、防汚剤用途等が挙げられ、公知のパーフルオロアルキル基含有化合物やパーフルオロポリエーテル化合物に替えて用いることができる。
本発明のカリックスアレーン化合物を滑水性表面改質剤用途に用いる場合、基材に塗布するタイプの滑水性表面改質剤として用いてもよいし、樹脂材料に添加して用いてもよい。前述の通り、本発明のカリックスアレーン化合物は表面平滑剤やレベリング剤、撥水・撥油剤、防汚剤としても有効であることから、本発明のカリックスアレーン化合物を樹脂材料に添加して用いる場合には、これらの添加剤を別々に用いずとも十分な性能を発揮し得る点で有用である。
前記基材としては、特に限定されないが、基材の例としては、無機基材、例えば、ガラス板、無機層を含んで成るガラス板、セラミックなどが挙げられる。
無機基材に用いられる無機化合物の例としては、金属酸化物(酸化ケイ素(二酸化ケイ素、一酸化ケイ素など)酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化ナトリウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、ITO(インジウムスズ酸化物)等が挙げられる。
このような無機化合物を含んで成る無機層または無機基材は、単一層または、多層であってよい。
基材に塗布するタイプの塗布方法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングおよび類似の方法が挙げられる。
基材に塗布するタイプの塗布方法で使用する場合、使用可能な希釈溶媒は特に限定されないが、組成物の安定性および揮発性の観点から、一般の有機溶剤を使用することができる。
前記一般の有機溶剤の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン化合物;ジオキサン等の環式エーテル;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル化合物が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。有機溶剤の添加量は所望の組成物粘度等によって適宜調整される。
有機溶媒中に含まれる本発明のカリックスアレーン化合物の含有量は、塗布面の均一性の観点から、好ましくは0.01〜5wt%であり、より好ましくは0.1〜1wt%である。
基材に塗布するタイプの塗布方法は、複雑な形状および/または大面積を有する基材のために使用することが好ましい。
本発明のカリックスアレーン化合物を含有する硬化性樹脂組成物は、熱硬化性や、活性エネルギー線硬化性等、どのような硬化様式のものであってもよい。前記硬化性樹脂組成物が熱硬化性組成物である場合、組成物が含有する硬化性樹脂としてはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
前記硬化性樹脂組成物が活性エネルギー線硬化性組成物である場合、組成物が含有する硬化性樹脂としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物等が挙げられる。前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、例えば、モノ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R1)、脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R2)、脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R3)、芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R4)、シリコーン鎖を有する(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R5)、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R6)、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R7)、アクリル(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R8)、デンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R9)等が挙げられる。
前記モノ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R1)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ベンジルベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノール(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物;下記構造式(8)
(式中Rは水素原子又はメチル基である。)
で表される化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R2)は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記各種の脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R3)は、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種の脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(R4)は、例えば、ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、下記構造式(9)
[式中Rはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基の何れかである。]
で表されるビカルバゾール化合物、下記構造式(10−1)又は(10−2)
[式中Rはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基の何れかである。]
で表されるフルオレン化合物等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種の芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記シリコーン鎖を有する(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R5)は、分子構造中にシリコーン鎖と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物であれば特に限定されず、多種多様なものを用いてよい。また、その製造方法も特に限定されない。前記シリコーン鎖を有する(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R5)の具体例としては、例えば、アルコキシシラン基を有するシリコーン化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物との反応物等が挙げられる。
前記アルコキシシラン基を有するシリコーン化合物は、市販品の例として、例えば、信越化学工業株式会社製「X−40−9246」(アルコキシ基含有量12質量%)、「KR−9218」(アルコキシ基含有量15質量%)、「X−40−9227」(アルコキシ基含有15質量%)、「KR−510」(アルコキシ基含有量17質量%)、「KR−213」(アルコキシ基含有量20質量%)、「X−40−9225」(アルコキシ基含有量24質量%)、「X−40−9250」(アルコキシ基含有量25質量%)、「KR−500」(アルコキシ基含有量28質量%)、「KR−401N」(アルコキシ基含有量33質量%)、「KR−515」(アルコキシ基含有量40質量%)、「KC−89S」(アルコキシ基含有量45質量%)等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。中でも、アルコキシ基含有量が15〜40質量%の範囲であることが好ましい。また、シリコーン化合物として2種類以上を併用する場合には、それぞれのアルコキシ基含有量の平均値が15〜40質量%の範囲であることが好ましい。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
また、前記シリコーン鎖を有する(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R5)として、片末端に(メタ)クリロイル基を有するシリコーンオイルである信越化学工業株式会社製「X−22−174ASX」(メタクリロイル基当量900g/当量)、「X−22−174BX」(メタクリロイル基当量2,300g/当量)、「X−22−174DX」(メタクリロイル基当量4,600g/当量)、「KF−2012」(メタクリロイル基当量4,600g/当量)、「X−22−2426」(メタクリロイル基当量12,000g/当量)、「X−22−2404」(メタクリロイル基当量420g/当量)、「X−22−2475」(メタクリロイル基当量420g/当量);両末端に(メタ)クリロイル基を有するシリコーンオイルである信越化学工業株式会社製「X−22−164」(メタクリロイル基当量190g/当量)、「X−22−164AS」(メタクリロイル基当量450g/当量)、「X−22−164A」(メタクリロイル基当量860g/当量)、「X−22−164B」(メタクリロイル基当量1,600g/当量)、「X−22−164C」(メタクリロイル基当量2,400g/当量)、「X−22−164E」(メタクリロイル基当量3,900g/当量)、「X−22−2445」(アクリロイル基当量1,600g/当量);1分子中に(メタ)アクリロイル基を複数有するオリゴマー型シリコーン化合物である信越化学工業株式会社製「KR−513」(メタクリロイル基当量210g/当量)、「−40−9296」(メタクリロイル基当量230g/当量)、東亞合成株式会社製「AC−SQ TA−100」(アクリロイル基当量165g/当量)、「AC−SQ SI−20」(アクリロイル基当量207g/当量)、「MAC−SQ TM−100」(メタクリロイル基当量179g/当量)、「MAC−SQ SI−20」(メタクリロイル基当量224g/当量)、「MAC−SQ HDM」(メタクリロイル基当量239g/当量)等の市販品を用いても良い。
前記シリコーン鎖を有する(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R5)は、重量平均分子量(Mw)が1,000〜10,000の範囲であるものが好ましく、1,000〜5,000の範囲であるものがより好ましい。また、その(メタ)アクリロイル基当量が150〜5,000g/当量の範囲であることが好ましく、150〜2,500g/当量の範囲であることがより好ましい。
前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R6)は、例えば、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸又はその無水物を反応させて得られるものが挙げられる。前記エポキシ樹脂は、例えば、ヒドロキノン、カテコール等の2価フェノールのジグリシジルエーテル;3,3’−ビフェニルジオール、4,4’−ビフェニルジオール等のビフェノール化合物のジグリシジルエーテル;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,6−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、ビナフトール、ビス(2,7−ジヒドロキシナフチル)メタン等のナフトール化合物のポリグリジシルエーテル;4,4’,4”−メチリジントリスフェノール等のトリグリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;前記各種のエポキシ樹脂の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のエポキシ樹脂の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R7)は、例えば、各種のポリイソシアネート化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、及び必要に応じて各種のポリオール化合物を反応させて得られるものが挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物は、例えばブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;下記構造式(11)で表される繰り返し構造を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体等が挙げられる。
[式中、R10はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基の何れかである。R11はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、又は構造式(11)で表される構造部位と*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点の何れかである。qは0又は1〜3の整数であり、pは1以上の整数である。]
前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記ポリオール化合物は、例えば、エチレングリコール、プロプレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビフェノール、ビスフェノール等の芳香族ポリオール化合物;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R8)は、例えば、水酸基やカルボキシ基、イソシアネート基、グリシジル基等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー(α)を必須の成分として重合させて得られるアクリル樹脂中間体に、これらの官能基と反応し得る反応性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー(β)を更に反応させることにより(メタ)アクリロイル基を導入して得られるものが挙げられる。
前記反応性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー(α)は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸等のカルボキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー;2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記アクリル樹脂中間体は、前記(メタ)アクリレートモノマー(α)の他、必要に応じてその他の重合性不飽和基含有化合物を共重合させたものであってもよい。前記その他の重合性不飽和基含有化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等のシクロ環含有(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基含有(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
前記(メタ)アクリレートモノマー(β)は、前記(メタ)アクリレートモノマー(α)が有する反応性官能基と反応し得るものでれば特に限定されないが、反応性の観点から以下の組み合わせであることが好ましい。即ち、前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記水酸基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)としてイソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記カルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)として前記グリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)として前記水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記グリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)として前記カルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R8)は、重量平均分子量(Mw)が5,000〜50,000の範囲であることが好ましい。また、(メタ)アクリロイル基当量が200〜300g/当量の範囲であることが好ましい。
前記デンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R9)とは、規則性のある多分岐構造を有し、各分岐鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂のことをいい、デンドリマー型の他、ハイパーブランチ型或いはスターポリマーなどと呼ばれている。このような化合物は、例えば、下記構造式(12−1)〜(12−8)で表されるものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、規則性のある多分岐構造を有し、各分岐鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂であればいずれのものも用いることができる。
(式中Rは水素原子又はメチル基であり、R12は炭素原子数1〜4の炭化水素基である。)
このようなデンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R9)として、大阪有機化学株式会社製「ビスコート#1000」[重量平均分子量(Mw)1,500〜2,000、一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数14]、「ビスコート1020」[重量平均分子量(Mw)1,000〜3,000]、「SIRIUS501」[重量平均分子量(Mw)15,000〜23,000]、MIWON社製「SP−1106」[重量平均分子量(Mw)1,630、一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数18]、SARTOMER社製「CN2301」、「CN2302」[一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数16]、「CN2303」[一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数6]、「CN2304」[一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数18]、新日鉄住金化学株式会社製「エスドリマーHU−22」、新中村化学株式会社製「A−HBR−5」、第一工業製薬株式会社製「ニューフロンティアR−1150」、日産化学株式会社製「ハイパーテックUR−101」等の市販品を用いても良い。
前記デンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂及びその変性体(R9)は、重量平均分子量(Mw)が1,000〜30,000の範囲であることが好ましい。また、一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数が5〜30の範囲であるものが好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、目的の用途に応じて適宜好ましいものを選択して用いる。特に、前記硬化性樹脂組成物を微細な形状を形成する目的に用いる場合には、無溶剤での組成物粘度がE型回転粘度計による測定値で1,000mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましい。
前記硬化性樹脂組成物が活性エネルギー線硬化性組成物である場合には、光重合開始剤を含有していることが好ましい。前記光重合開始剤は、照射する活性エネルギー線の種類等により適切なものを選択して用いればよい。光重合開始剤の具体例としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;ベンゾフェノン化合物等の分子内水素引き抜き型光重合開始剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記光重合開始剤の市販品は、例えば、BASF社製「IRGACURE127」、「IRGACURE184」、「IRGACURE250」、「IRGACURE270」、「IRGACURE290」、「IRGACURE369E」、「IRGACURE379EG」、「IRGACURE500」、「IRGACURE651」、「IRGACURE754」、「IRGACURE819」、「IRGACURE907」、「IRGACURE1173」、「IRGACURE2959」、「IRGACURE MBF」、「IRGACURE TPO」、「IRGACURE OXE 01」、「IRGACURE OXE 02」等が挙げられる。
前記光重合開始剤の使用量は、前記活性エネルギー線硬化性組成物中の有機溶剤を除いた成分100質量部に対して0.05〜20質量部の範囲で用いることが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で用いることがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は有機溶剤で希釈されていてもよい。前記有機溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン化合物;ジオキサン等の環式エーテル;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル化合物が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。有機溶剤の添加量は所望の組成物粘度等によって適宜調整される。
本発明の硬化性樹脂組成物は、所望の性能に応じて各種添加剤を含有していてもよい。添加剤の例としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光増感剤、シリコーン系添加剤、シランカップリング剤、本発明のカリックスアレーン化合物以外のフッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、帯電防止剤、防曇剤、密着補助剤、有機顔料、無機顔料、体質顔料、有機フィラー、無機フィラー等が挙げられる。
本発明のカリックスアレーン化合物を含有する硬化性樹脂組成物は滑水性表面の形成に特に有用であるが、この他の用途に用いてもよい。例えば、コーティング剤や塗料用途に用いた場合には、表面平滑性や防汚性にも優れる塗膜を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いて滑水性表面を有する成型物を得る場合には、公知一般の方法にて成形することができる。
例えば、基材上に本発明のカリックスアレーン化合物を含有する組成物(有機溶剤溶液あるいは硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物)を塗布し、未硬化の樹脂膜を形成する。樹脂膜の厚さは0.1〜5μm程度であることが好ましい。塗工方法は特に限定されず、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等、何れの方法でもよい。有機溶剤を含有する場合には、塗布後50〜100℃程度の温度条件下で数十秒〜数分程度乾燥させて樹脂膜を得る。
前記基材の形状及び材質は特に限定なく、所望の基剤上に形成することができる。基材形状としては、シート状のもの、立体構造を有するもの、平面のもの、曲面のもの等が挙げられる。基材の材質としては、例えば、トリアセチルセルロース基材、ポリエステル基材、アクリル基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリアミド基材、ポリイミド基材、ポリエチレン基材、ポリプロピレン基材、ポリスチレン基材、ポリカーボネート基材、ポリフェニレンサルファイド(PPS)基材、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)基材、シートモールディングコンパウンド(SMC)基材、バルクモールディングコンパウンド(BMC)基材等の樹脂又はプラスチック基材;ニッケル、銅、クロム、鉄、アルミ、ステンレス等の金属或いは金属蒸着膜基材;ITO(In−SnO)等の透明導電膜基材;シリコン基材、ポリシリコン基剤、炭化シリコン基材、窒化シリコン基材、酸化シリコン基剤、アモルファスシリコン基材、窒化ガリウム基材等の半導体基材;石英、サファイア、ガラス、セラミック、塗布ガラス膜(SOG)、塗布炭素膜(SOC)等が挙げられる。
次に、未硬化の樹脂膜上に活性エネルギー線を照射、あるいは加熱してカリックスアレーン化合物を基材上に固定化、あるいは硬化性樹脂との反応により、硬化性樹脂を硬化させ、滑水性表面の塗膜を形成する。
硬化性樹脂として活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる場合、照射する活性エネルギー線は、樹脂材料を硬化させることができものであれば特に限定されない。特に、活性エネルギー線硬化性樹脂材料として(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いる場合には、効率的に硬化反応が進行することから450nm以下の波長の光(紫外線、X線、γ線等の活性エネルギー線)が好ましい。
以下に製造例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例中の部及び%は、特に記載のない限り、すべて質量基準である。
本願実施例において樹脂の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により測定した値である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
H−NMRはJEOL RESONANCE製「JNM−ECM400S」を用い、下記条件により測定した。
磁場強度:400MHz
積算回数:16回
溶媒:重水素化クロロホルム
試料濃度:2mg/0.5ml
13C−NMRはJEOL RESONANCE製「JNM−ECM400S」を用い、下記条件により測定した。
磁場強度:100MHz
積算回数:1000回
溶媒:重水素化クロロホルム
試料濃度:2mg/0.5ml
19F−NMRはJEOL RESONANCE製「JNM−ECM400S」を用い、下記条件により測定した。
磁場強度:400MHz
積算回数:16回
溶媒:重水素化クロロホルム
試料濃度:2mg/0.5ml
FD−MSは日本電子株式会社製「JMS−T100GC AccuTOF」を用い、下記条件により測定した。
測定範囲:m/z=50.00〜2000.00
変化率:25.6mA/min
最終電流値:40mA
カソード電圧:−10kV
合成例1 カリックスアレーン化合物(1)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、下記構造式(A)で表されるtert−ブチルカリックス[4]アレーン50g、フェノール32.26gおよび脱水トルエン350mlを仕込み、窒素フロー環境下、300rpmで撹拌した。tert−ブチルカリックス[4]アレーンは溶解せずに懸濁していた。フラスコを氷浴に漬けながら無水塩化アルミニウム(III)51.37gを数回に分けて投入した。溶液の色が淡橙透明に変化すると共に、底に無水塩化アルミニウム(III)が沈殿していた。室温で5時間撹拌を続けた後、反応混合物を1Lのビーカーに移し、氷、1N塩酸100ml、トルエン350mlを加えて反応を停止させた。溶液の色は淡黄色透明に変化した。反応混合物を分液ロートに移し、有機相を回収した。水相にトルエン100mlを加えて有機成分を抽出する作業を3回行い、得られた抽出液を先で回収した有機相と合わせた。有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水した後、ろ過して有機相を回収した。エバポレーターで溶媒を留去し、白色結晶と無色透明液体の混合物を得た。混合物を撹拌しながらメタノールをゆっくり添加し、液体中に溶解していた生成物を再沈殿させた。桐山ロートで白色結晶をろ過し、メタノールで洗浄した後、真空乾燥して下記構造式(B)で表される中間体(1)29.21gを得た。
実施例1 カリックスアレーン化合物(2)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、トリフルオロメタンスルホン酸(30mL)を仕込み、先で得た中間体(1)(7g,16.5mmol)を数回に分けて添加し、溶解させた。この橙色溶液に、ACSMacro Letters 2018年 7巻 7−10頁に記載の方法で合成した、4,4,4−トリフルオロブタノイルクロリド(12.7g,79.2mmol)を20分以上かけて滴下した。滴下と共に、塩酸ガスの発生を認めた。滴下終了後、反応混合物を室温にて6時間撹拌した。反応混合物を氷に投入し、反応を停止させた後、析出した橙色固体を濾過にて分離し、更に大量の水で洗浄した。得られた固体を200mLの酢酸エチルに溶解した後、分液漏斗に移し、さらに100mLの水を加えて、有機層を洗浄した。同様の洗浄操作を更に3回繰り返した後、有機層を100mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。この溶液をろ過して有機相を回収した後、エバポレーターで溶媒を留去し、橙色固体を得た。得られた固体に100mLのクロロホルムを加えたところ、白色固体を橙色液体の混合物が得られ、濾過にて白色固体を分離した後、減圧乾燥した。このクロロホルムによる洗浄を再度繰り返し、目的物である(2)を得た(7.59g,収率50%)。
実施例2 カリックスアレーン化合物(a−1)の合成
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却管を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、トリフルオロ酢酸(270mL)を仕込み、次いで、カリックスアレーン化合物(2)(5.8g,6.3mmol)を数回に分けて添加し、溶解させた。この橙色溶液に、トリエチルシラン(14.7g,126mmol)を滴下漏斗より滴下した。滴下終了後、無色透明となった溶液を室温にて72時間撹拌した。反応混合物を水に投入し、反応を停止させた後、析出した茶色固体を濾過にて分離し、更に大量の水で洗浄した。得られた固体を200mLの酢酸エチルに溶解した後、分液漏斗に移し、さらに100mLの水を加えて、有機層を洗浄した。有機層を一旦、ビーカーに移し、そこへ100mLの水を加えて、固体状の炭酸水素ナトリウムにて中和した。この中和溶液を全量分駅漏斗に移し、有機層を分離し、水層に100mLの酢酸エチルを加えて有機成分を抽出する作業を2回繰り返した。有機層を全て分液漏斗に移した後、100mLの飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液をろ過して有機相を回収した後、エバポレーターで溶媒を留去し、茶色固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(a−1)を得た(4.9g,収率90%)。
実施例3 カリックスアレーン化合物(a−2)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、Journal of Inclusion Phenomena and Macrocyclic Chemistry,2000年、第36巻、327−333頁に記載の方法で合成した、下記構造式(3)
で表されるp−ブロモメチルカリックス[4]アレーン(5.8g,7.3mmol)、無水炭酸カリウム(2.0g,14.6mmol)、ヘキサフルオロイソプロパノール(30.6mL)、THF(30.6mL)を仕込み、3時間還流させた。エバポレーターで溶剤を除去した後、残渣をクロロホルム(100mL)に溶解し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた黄色固体をクロロホルムとメタノールより再結晶し、目的物である(a−2)を得た(7.5g,収率90%)。
実施例4 カリックスアレーン化合物(a−3)の合成
100mLのオートクレーブに、The Journal of Organic Chemistry,1985年、第50巻、5802−5806頁に記載の方法で合成した、下記構造式(4)
で表されるp−アリルカリックス[4]アレーン(4.1g,7.0mmol)、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−ヨードプロパン(16.6g,56.1mmol)、アゾビズイソブチロニトリル(0.78g,5.61mmol)、トルエン(12mL)を加え、溶解させた後、アルゴンガスでの通気を30分間行った。アルゴンガスにて加圧後、密閉し、70℃まで加熱し、16時間反応させた。室温まで冷却した後、反応混合物をフラスコに移し、エバポレーターにより濃縮した。攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた100ミリリットルの四つ口フラスコに、前記濃縮物、Bu3SnH(9.8g,33.7mmol)、アゾビズイソブチロニトリル(0.47g,3.37mmol)、トルエン(12mL)を加え、溶解させた後、アルゴンガスでの通気を30分間行った。70℃まで加熱し、3時間反応させた。室温まで冷却した後、反応混合物をフラスコに移し、エバポレーターにより濃縮した。濃縮物にヘキサンを加え、氷浴中にて冷却したところ、黄色固体が析出した。この固体を冷ヘキサンで数回洗浄した後、クロロホルムとメタノールより再結晶し、目的物である(a−3)を得た(7.1g,収率80%)。
実施例5 カリックスアレーン化合物(f−1)の合成
攪拌装置、滴下漏斗、温度計及び還流冷却管を取り付けた300mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(3.02g,75.4mmol)を投入し、ヘキサンにてミネラルオイルを洗浄除去した。次いで、乾燥DMF(64mL)を加え、撹拌下、50℃に加温した。そこへ、中間体(1)(4g,9.4mmol)を乾燥DMF(32mL)に溶かした溶液を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、更に1時間撹拌を続けた。次いで、1,1,1−トリフルオロ−4−ヨードブタン(19.7g,82.9mmol)を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、更に2時間撹拌を続けた。室温まで冷却後、反応混合物を氷(100g)に投入し、濃塩酸を加え、水溶液を酸性にしたのち、クロロホルム(100mL)で2回抽出した。このクロロホルム溶液をpHが5以上になるまで水で洗浄し、更に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた黄色固体をメタノールにて再結晶し、目的物である(f−1)を得た(6.5g,収率80%)。
合成例2 2−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル)オキシ)エチルメタンスルホナート(6)の合成
攪拌装置、滴下漏斗、及び温度計を取り付けた300mLの四つ口フラスコに、WO2009/087981に記載の方法で合成した、下記構造式(5)
で表される、2−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル)オキシ)エタン−1−オール(10g,47.2mmol)、トリエチルアミン(8.6g,84.9mmol)、乾燥ジクロロメタン(150mL)を加え、窒素雰囲気下、氷浴下に撹拌した。メタンスルホン酸クロリド(9.2g、80.2mmol)を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、氷浴を取り除き、室温下にて、2時間反応させた。更にメタノールを追加し、過剰のメタンスルホン酸クロリドを消費させた。この反応混合物を分液漏斗に移し、水(50mL)とクロロホルム(100mL)を追加した後、有機層を分離した。水層をクロロホルム(100mL)にて抽出した後、合わせた有機層を希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、油状である目的物(6)を得た(12.5g,収率91%)。
実施例6 カリックスアレーン化合物(f−2)の合成
実施例5において、1,1,1−トリフルオロ−4−ヨードブタンの代わりに、フッ素化合物(6)(24.1g、82.9mmol)を用いた以外は実施例5に従って合成し、目的物である(f−2)を得た(8.5g,収率75%)。
実施例7 カリックスアレーン化合物(f−3)の合成
実施例5において、1,1,1−トリフルオロ−4−ヨードブタンの代わりに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−5−ヨードペンタン(26.9g,82.9mmol)を用いた以外は実施例5に従って合成し、目的物である(f−3)を得た(8.1g,収率71%)。
実施例8 カリックスアレーン化合物(j−1)の合成
攪拌装置、滴下漏斗、温度計及び還流冷却管を取り付けた300mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(2.19g,54.7mmol)を投入し、ヘキサンにてミネラルオイルを洗浄除去した。次いで、乾燥DMF(64mL)を加え、撹拌下、50℃に加温した。そこへ、The Journal of Organic Chemistry,1985年、第50巻、5802−5806頁に記載の方法で合成した、下記構造式(4)
で表されるp−アリルカリックス[4]アレーン(4.0g,6.8mmol)を乾燥DMF(32mL)に溶かした溶液を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、更に1時間撹拌を続けた。次いで、1,1,1−トリフルオロ−4−ヨードブタン(14.3g,60.2mmol)を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、更に2時間撹拌を続けた。室温まで冷却後、反応混合物を氷(100g)に投入し、濃塩酸を加え、水溶液を酸性にしたのち、クロロホルム(100mL)で2回抽出した。このクロロホルム溶液をpHが5以上になるまで水で洗浄し、更に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(j−1)を得た(5.1g,収率73%)。
実施例9 カリックスアレーン化合物(j−2)の合成
実施例8において、1,1,1−トリフルオロ−4−ヨードブタンの代わりに、下記構造式で表される、フッ素化合物(6)(17.5g、60.2mmol)
を用いた以外は実施例8に従って合成し、目的物である(j−2)を得た(6.61g,収率71%)。
実施例10 カリックスアレーン化合物(j−3)の合成
実施例8において、1,1,1−トリフルオロ−4−ヨードブタンの代わりに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−5−ヨードペンタン(19.5g,60.2mmol)を用いた以外は実施例8に従って合成し、目的物である(j−3)を得た(6.37g,収率68%)。
実施例11 カリックスアレーン化合物(b−1)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(a−1)(3.46g,4.0mmol)、無水炭酸カリウム(2.21g,16.0mmol)、ヨウ化カリウム(0.27g,1.6mmol)、2−ブロモ酢酸エチル(5.35g,32.0mmol)、無水アセトン35mL、を入れ、24時間加熱還流させた。室温まで冷却したのちイオン交換水、1N塩酸をpH6まで加えた。クロロホルム20mLを加えて、反応混合物を分液ロートに移し、有機相を分離した。次に水層をクロロホルム20mLで2回抽出し、有機層に合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、赤色粘稠液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(b−1)を得た(4.12g,収率85.1%)。
実施例12 カリックスアレーン化合物(b−2)の合成
実施例11において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−2)(4.58g,4.0mmol)を用いた以外は実施例11に従って合成し、目的物である(b−2)を得た(4.97g,収率83.4%)。
実施例13 カリックスアレーン化合物(b−3)の合成
実施例11において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−3)(45.06g,4.0mmol)を用いた以外は実施例11に従って合成し、目的物である(b−3)を得た(4.97g,収率83.4%)。
実施例14 カリックスアレーン化合物(U1−2)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(b−1)(2.42g,2.0mmol)、テトラヒドロフラン(21.8mL)、水(21.8mL)、水酸化カリウム(1.05g,16.0mmol)を加え、60℃に加熱し、6時間反応させた。室温まで冷却したのちクロロホルム(30mL)を加え、氷浴にて冷却した。次いで、反応混合物に5N塩酸をpH1になるまで、ゆっくりと添加した。混合物を分液漏斗に移し、有機層を分離した。次に、水層をクロロホルム(30mL)で2回抽出し、有機層に合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、乳白色固体を得た。得られた乳白色固体を真空乾燥(60℃で12時間以上)し、目的物である(U1−2)を得た(2.18g,収率99.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:12.1(brs,4H)、6.5(s,8H)、4.8(d,4H)、4.6(s,8H)、3.15(d,4H)、2.5(t,8H)、2.21−2.19(m,8H)、2.0−1.8(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−2)の分子量と一致した。
実施例15 カリックスアレーン化合物(U2−2)の合成
実施例14において、b−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(b−2)(2.98g,2.0mmol)を用いた以外は実施例14に従って合成し、目的物である(U2−2)を得た(2.74g,収率99.3%)
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:12.0(brs,4H)、6.5(s,8H)、4.8(s,8H)、4.7(d,4H)、4.6(s,8H)、4.15−4.0(m,4H)、3.17(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−2)の分子量と一致した。
実施例16 カリックスアレーン化合物(U3−2)の合成
実施例14において、b−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(b−3)(3.22g,2.0mmol)を用いた以外は実施例14に従って合成し、目的物である(U3−2)を得た(2.97g,収率99.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:12.0(brs,4H)、6.6(s,8H)、4.8(d,4H)、4.7(s,8H)、3.15(d,4H)、2.4(t,8H)、2.1−1.9(m,8H)、1.8−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−2)の分子量と一致した。
実施例17 カリックスアレーン化合物(U1−1)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン(10.9mL)を入れ、氷浴で冷却しながら水素化アルミニウムリチウム(0.61g、16.0mmol)をゆっくり添加した。そこに、テトラヒドロフラン21.8mL)に溶かしたカリックスアレーン化合物(b−1)(2,42g、2.0mmol)を滴下漏斗にて、5℃以下で、ゆっくり添加した。添加終了後、室温下で6時間反応させた。氷浴下、イオン交換水(2mL)、1N塩酸(6mL)、イオン交換水(20mL)、クロロホルム(30mL)を添加し、反応液を珪藻土濾過した。濾液にクロロホルム(30mL)を加えて、反応混合物を分液漏斗に移し、有機層を分離した。次に、水層をクロロホルム(30mL)で3回抽出し、有機層に合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、赤色粘稠液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色固体として目的物(U1−1)を得た(1.63g、収率78.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、5.0(t,4H)、4.35(d,4H)、4.1−3.8(m,16H)、3.15(d,4H)、2.5(t,8H)、2.21−2.19(m,8H)、2.0−1.8(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−1)の分子量と一致した。
実施例18 カリックスアレーン化合物(U2−1)の合成
実施例17において、b−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(b−2)(2.98g,2.0mmol)を用いた以外は実施例17に従って合成し、目的物である(U2−1)を得た(1.99g,収率75.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、5.1(t,4H)、4.8(s,8H)、4.34(d,4H)、4.1−3.8(m,16H)、4.15−4.0(m,4H)、3.14(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−1)の分子量と一致した。
実施例19 カリックスアレーン化合物(U3−1)の合成
実施例17において、b−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(b−3)(3.22g,2.0mmol)を用いた以外は実施例17に従って合成し、目的物である(U3−1)を得た(2.13g,収率73.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、5.0(t,4H)、4.35(d,4H)、4.1−3.8(m,16H)、3.15(d,4H)、2.7(t,8H)、2.5−2.3(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−1)の分子量と一致した。
実施例20 カリックスアレーン化合物(c−1)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(0.96g,24.0mmol)を投入し、ヘキサンにてミネラルオイルを洗浄除去した。次いで、乾燥THF(7.8mL)を加え、撹拌下した。そこへ、カリックスアレーン化合物(a−1)(2.60g,93.0mmol)を乾燥THF(23.3mL)に溶かした溶液を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、更に1時間撹拌を続けた。次いで、2−ブロモブチルホスホン酸ジエチル(6.22g,24.0mmol)を添加し、1時間撹拌した後、12時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応混合物を氷(50g)に投入し、濃塩酸を加え、水溶液を酸性にしたのち、クロロホルム(100mL)で2回抽出した。このクロロホルム溶液をpHが5以上になるまで水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた黄色油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である(c−1)を得た(3.46g、収率73%)。
実施例21 カリックスアレーン化合物(c−2)の合成
実施例20において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−2)(3.43g,3.0mmol)を用いた以外は実施例20に従って合成し、目的物である(c−2)を得た(3.81g,収率68.5%)。
実施例22 カリックスアレーン化合物(c−3)の合成
実施例20において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−3)(3.79g,3.0mmol)を用いた以外は実施例20に従って合成し、目的物である(c−3)を得た(3.88g,収率65.4%)。
実施例23 カリックスアレーン化合物(U1−3)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(c−1)(2.37g,1.5mmol)、脱水アセトニトリル(24mL)、トリメチルシリルブロミド(3.67g、24.0mmol)を素早く仕込み、アルゴン雰囲気下、6時間加熱還流した。室温まで冷却した後、メタノール(15mL)をゆっくりと加え、更に、2時間加熱還流した。室温まで冷却し、溶液を減圧乾固し、残渣にクロロホルム(20mL)、イオン交換水(20mL)を加え、有機相を分離した。更に、水層をクロロホルム(20mL)で3回抽出し、有機層に合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、油状物質を得た。トルエン/ヘキサンより再結晶し、目的物である(U1−3)を得た(1.28g、収率63.2%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.3(d,4H)、4.1(t,8H)、3.37(d,4H)、2.5(t,8H)、2.4−2.3(m,8H)、2.2−2.0(m,8H)、2.1−1.9(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−3)の分子量と一致した。
実施例24 カリックスアレーン化合物(U2−3)の合成
実施例23において、c−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(c−2)(2.79g,2.0mmol)を用いた以外は実施例23に従って合成し、目的物である(U2−3)を得た(1.46g,収率59.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.9(s,8H)、4.3(d,4H)、4.1(t,8H),3.4(d,4H)、4.15−4.0(m,4H)、2.4−2.3(m,8H)、2.2−2.0(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−3)の分子量と一致した。
実施例25 カリックスアレーン化合物(U3−3)の合成
実施例23において、c−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(c−3)(2.96g,2.0mmol)を用いた以外は実施例23に従って合成し、目的物である(U3−3)を得た(1.32g,収率50.2%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.3(d,4H)、4.1(t,8H),3.38(d,4H)、2.7(t,8H)、2.5−2.3(m,16H)、2.2−2.0(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−3)の分子量と一致した。
実施例26 カリックスアレーン化合物(U1−4)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(U1−1)(1.04g、1.0mmol)を乾燥ジクロロメタン(16.7mL)に溶解し、トリエチルアミン(4.05g、40mmol)を加えた。ついで、氷浴下、ホスホロクロリド酸ビス(2,2,2−トリクロロエチル)(3.79g、10.0mmol)を加え、室温で12時間反応させた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)にて反応をクエンチし、ジクロロメタン(30mL)を加えて、分液漏斗に移し、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(20mL)にて2回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターにて、減圧乾固し、残渣をピリジン:酢酸=5:1の混合溶液に溶解した。この溶液を氷浴にて冷却し、活性化した亜鉛(16g)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。固体を濾別し、溶媒を除去した後、残渣を5N水酸化ナトリウム水溶液で処理し、ジクロロメタンで洗浄した。水層を2N塩酸で処理し、沈殿物を得た。この沈殿物を0.1N塩酸で洗浄した後、真空乾燥(60℃で6時間以上)し、目的物である(U1−4)を得た(0.484g、収率35.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.7(d,4H)、4.5−4.4(m,8H)、4.4−4.3(m,8H)、3.5(d,4H)、2.5(t,8H)、2.1−1.9(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−4)の分子量と一致した。
実施例27 カリックスアレーン化合物(U2−4)の合成
実施例26において、U1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(U2−1)(1.32g,1.0mmol)を用いた以外は実施例26に従って合成し、目的物である(U2−4)を得た(0.535g,収率32.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.9(s,8H)、4.65(d,4H)、4.5−4.4(m,8H)、4.4−4.3(m,8H)、4.15−4.0(m,4H)、3.45(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−4)の分子量と一致した。
実施例28 カリックスアレーン化合物(U3−4)の合成
実施例26において、U1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(U3−1)(1.41g,1.0mmol)を用いた以外は実施例26に従って合成し、目的物である(U3−4)を得た(0.573g,収率30.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.7(d,4H)、4.5−4.4(m,8H)、4.4−4.3(m,8H)、3.5(d,4H)、2.7(t,8H)、2.5−2.3(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−4)の分子量と一致した。
実施例29 カリックスアレーン化合物(d−1)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(a−1)(3.46g,4.0mmol)、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(31mL)、50%NaOH水溶液(3.84g、48.0mmol)を素早く仕込み、アルゴン雰囲気下、65℃で撹拌した。淡黄色透明溶液に変化した。次いで、滴下漏斗を用いて、臭化アリル(5.81g、48.0mmol)を30分かけて滴下した。滴下終了後30分で、乳白色の固体が析出しスラリー状になった。その後、65℃で10時間反応させた。室温まで冷却後、反応混合物を氷(50g)に投入し、濃塩酸を加え、水溶液を酸性にしたのち、クロロホルム(100mL)で2回抽出した。このクロロホルム溶液をpHが5以上になるまで水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた黄色油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である(d−1)を得た(3.14g、収率76.5%)。
実施例30 カリックスアレーン化合物(d−2)の合成
実施例29において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−2)(4.58g,4.0mmol)を用いた以外は実施例29に従って合成し、目的物である(d−2)を得た(3.83g,収率73.4%)。
実施例31 カリックスアレーン化合物(d−3)の合成
実施例29において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−3)(5.06g,4.0mmol)を用いた以外は実施例29に従って合成し、目的物である(d−3)を得た(2.81g,収率70.3%)。
実施例32 カリックスアレーン化合物(U1−5)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた30mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(d−1)(1.03g,1.0mmol)、脱水トルエン(5.3mL)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)錯体キシレン溶液(3.81mg,0.01mmol)を仕込み、30分間、アルゴンを溶液に通気した。氷浴にて溶液を冷却し、シリンジを用いてトリエトキシシラン(1.97g、12mmol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、室温に戻し、更に、50℃に加熱し、8時間反応させた。溶液は淡黄色透明溶液となった。室温まで冷却した後、活性炭と珪藻土で白金錯体を濾過し、濾液を濃縮し淡黄色の油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(U1−5)を得た(1.19g、収率70.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.35(d,4H)、4.05(t,8H)、3.8(q,8H)、3.15(d,4H)、2.5(t,8H),2.21−2.19(m,8H)、2.0−1.8(m,8H)、1.7(m,8H)、1.2(t,12H)、0.56(t,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−5)の分子量と一致した。
実施例33 カリックスアレーン化合物(U2−5)の合成
実施例32において、d−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(d−2)(1.31g,1.0mmol)を用いた以外は実施例32に従って合成し、目的物である(U2−5)を得た(1.28g,収率65.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.9(s,8H)、4.65(d,4H)、4.15(t,8H)、4.15−4.0(m,4H)、3.8(q,8H)、3.45(d,4H)、1.72(m,8H)、1.21(t,12H)、0.56(t,8H)、
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−5)の分子量と一致した。
実施例34 カリックスアレーン化合物(U3−5)の合成
実施例32において、d−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(d−3)(1.43g,1.0mmol)を用いた以外は実施例32に従って合成し、目的物である(U3−5)を得た(1.25g,収率60.1%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.35(d,4H)、4.1(t,8H)、3.81(q,8H)、3.15(d,4H)、2.7(t,8H)、2.5−2.3(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)、1.68(m,8H)、1.19(t,12H)、0.58(t,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−5)の分子量と一致した。
実施例35 カリックスアレーン化合物(e−1)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(0.96g,24.0mmol)を投入し、ヘキサンにてミネラルオイルを洗浄除去した。次いで、乾燥THF(30mL)、カリックスアレーン化合物(a−1)(1.73g,2.0mmol)、N−(2-ブロモエチル)フタルイミド(6.1g,24.0mmol)を添加し、添加終了後、70℃に加熱し、12時間撹拌した。室温まで冷却後、メタノールをゆっくり加えて、反応をクエンチした。この反応混合物を減圧乾固し、残渣にクロロホルム(100mL)を加え、不溶分を濾別し、ろ液を希塩酸、炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。エバポレーターにて溶媒を留去し、得られた固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である(e−1)を得た(2.03g,収率65.0%)。
実施例36 カリックスアレーン化合物(e−2)の合成
実施例35において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−2)(2.29g,2.0mmol)を用いた以外は実施例35に従って合成し、目的物である(e−2)を得た(2.15g,収率58.4%)。
実施例37 カリックスアレーン化合物(e−3)の合成
実施例35において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−3)(2.53g,2.0mmol)を用いた以外は実施例35に従って合成し、目的物である(e−3)を得た(2.06g,収率52.5%)。
実施例38 カリックスアレーン化合物(U1−6)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、カリックスアレーン化合物(e−1)(2.34g,1.5mmol)、エタノール(93.6mL)、THF(93.6mL)を添加し、そこへ、95%ヒドラジン一水和物(15.83g、300mmol)を添加し、添加終了後、24時間、加熱還流を行った。室温まで冷却後、反応混合物を減圧乾固し、残渣に水(50mL)とクロロホルム(50mL)を加え、有機層を分離した。この有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。エバポレーターにて溶媒を留去し、得られた固形分をクロロホルム/メタノールより再結晶し、目的物である(U1−6)を得た(1.33g,収率85.1%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.6(s,8H)、4.35(d,4H)、4.0(t,8H)、3.3(t,8H)、3.1(d,4H)、2.3(t,8H)、2.21−2.19(m,8H)、2.0−1.8(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−6)の分子量と一致した。
実施例39 カリックスアレーン化合物(U2−6)の合成
実施例38において、e−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(e−2)(2.76g,1.5mmol)を用いた以外は実施例38に従って合成し、目的物である(U2−6)を得た(1.65g,収率83.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.32(d,4H)、4.15−4.0(m,4H)、4.02(t,8H)、3.28(t,8H)、3.1(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−6)の分子量と一致した。
実施例40 カリックスアレーン化合物(U3−6)の合成
実施例38において、e−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(e−3)(2.94g,1.5mmol)を用いた以外は実施例38に従って合成し、目的物である(U3−6)を得た(1.73g,収率80.2%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.38(d,4H)、4.08(t,8H)、3.31(t,8H)、3.12(d,4H)、2.6(t,8H),2.5−2.3(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−6)の分子量と一致した。
実施例41 カリックスアレーン化合物(U1−7−1)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(U1−1)(2.08g,2.0mmol)、トリフェニルフォスフィン(3.14g,12.0mmol)、アクリル酸(0.86g、12.0mmol)、テトラヒドロフラン(29mL)、を入れ攪拌した。次いで、氷浴下、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.43g、12.0mmol)を30分かけ滴下し、更に、室温で12時間攪拌した。反応溶液をエバポレーターにて濃縮し、ヘキサンを加え、トリフェニルフォスフィン等の副生成物を析出除去した。得られた黄色粘稠液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色固体として、目的物(U1−7−1)を得た(2.40g、収率95.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、6.4(dd,4H)、6.1(dd,4H)、5.3(dd,4H)、4.57(t,8H)、4.35(d,4H)、4.18(t,8H)、3.06(d,4H)、2.3(t,8H),2.21−2.19(m,8H)、2.0−1.8(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−7−1)の分子量と一致した。
実施例42 カリックスアレーン化合物(U2−7−1)の合成
実施例41において、U1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(U2−1)(2.64g,2.0mmol)を用いた以外は実施例41に従って合成し、目的物である(U2−7−1)を得た(2.87g,収率93.4%)
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、6.38(dd,4H)、6.11(dd,4H)、5.29(dd,4H)、4.8(s,8H)、4.55(t,8H)、4.34(d,4H)、4.3(t,8H)、4.15−4.0(m,4H)、3.1(d,4H)、
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−7−1)の分子量と一致した。
実施例43 カリックスアレーン化合物(U3−7−1)の合成
実施例41において、U1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(U3−1)(2.88g,2.0mmol)を用いた以外は実施例41に従って合成し、目的物である(U3−7−1)を得た(3.02g,収率91.2%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、6.39(dd,4H)、6.09(dd,4H)、5.31(dd,4H)、4.57(t,8H)、4.35(d,4H)、4.29(t,8H)、3.16(d,4H)、2.6(t,8H)、2.5−2.3(m,8H),1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−7−1)の分子量と一致した。
実施例44 カリックスアレーン化合物(U1−7−2)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(U1−2)(1.65g、1.5mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.11g、0.3mmol)、1-メトキシ−2−プロパノール(30mL)、フェノチアジン(12.0mg、0.06mmol)、メタクリル酸グリシジル(2.57g、18.0mmol)を入れ攪拌した。空気を吹き込みながら、90℃で20時間加熱した。室温まで冷却し、クロロホルム(50mL)、0.5N塩酸(20mL)を加えて、撹拌した。反応混合物を分液漏斗に移し、有機層を分離した。次いで、水層をクロロホルム(20mL)で2回抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、赤色粘稠液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(U1−7−2)を得た(1.65g、収率65.7%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.75(s,8H)、4.7−4.8(m,4H)、4.42(d,4H)、4.5−4.0(m、16H)、3.29(d,4H)、2.3(t,8H)、2.21−2.19(m,8H)、2.1(s,12H)、2.0−1.8(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−7−2)の分子量と一致した。
実施例45 カリックスアレーン化合物(U2−7−2)の合成
実施例44において、U1−2の代わりに、カリックスアレーン化合物(U2−2)(2.06g,1.5mmol)を用いた以外は実施例44に従って合成し、目的物である(U2−7−2)を得た(1.82g,収率62.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.8(s,8H)、4.72(s,8H)、4.7−4.8(m,4H)、4.43(d,4H)、4.5−4.0(m、20H)、3.25(d,4H)、2.0(s,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−7−2)の分子量と一致した。
実施例46 カリックスアレーン化合物(U3−7−2)の合成
実施例44において、U1−2の代わりに、カリックスアレーン化合物(U3−2)(2.25g,1.5mmol)を用いた以外は実施例44に従って合成し、目的物である(U3−7−2)を得た(1.86g,収率59.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.8(s,8H)、4.7−4.8(m,4H)、4.45(d,4H)、4.5−4.0(m、16H)、3.25(d,4H)、2.6(t,8H)、2.5−2.3(m,8H)、2.0(s,12H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−7−2)の分子量と一致した。
実施例47 カリックスアレーン化合物(U1−7−3)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた50mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(U1−1)(1.56g、1.5mmol)2−ブタノン(10.6mL)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(1.28g、9.0mmol)、フェノチアジン(1.56mg、0.0078mmol)、ジブチルスズジラウレート(1.56mg、0.0025mmol)を入れ攪拌した。空気を吹き込みながら、80℃で12時間加熱した。室温まで冷却し、減圧乾固した後、残渣をクロロホルム/メタノールにより再沈殿させた。得られた固体を、再度、クロロホルム/メタノールにより再沈殿させ、得られた白色結晶を真空乾燥(60℃で6時間以上)し、目的物(U1−7−3)を得た(1.89g、75.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.35(d,4H)、4.2−3.8(m,24H),3.2−3.1(m,8H)、3.15(d,4H)、2.5(t,8H),2.21−2.19(m,8H),2.0(s,12H)、2.0−1.8(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−7−3)の分子量と一致した。
実施例48 カリックスアレーン化合物(U2−7−3)の合成
実施例47において、U1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(U2−1)(1.98g,1.5mmol)を用いた以外は実施例47に従って合成し、目的物である(U2−7−3)を得た(2.04g,収率70.2%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.78(s,8H)、4.38(d,8H)、4.2−3.8(m,28H)、3.23(d,4H)、3.2−3.1(m,8H)、2.0(s,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−7−3)の分子量と一致した。
実施例49 カリックスアレーン化合物(U3−7−3)の合成
実施例47において、U1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(U3−1)(2.16g,1.5mmol)を用いた以外は実施例47に従って合成し、目的物である(U3−7−3)を得た(2.03g,収率65.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.4(d,4H)、4.2−3.8(m,24H)、3.25(d,4H)、2.6(t,8H)、2.5−2.3(m,8H)、2.0(s,12H)、1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−7−3)の分子量と一致した。
実施例50 カリックスアレーン化合物(U1−8)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(d−1)(1.54g、1.5mmol)、ジクロロメタン(23mL)、炭酸水素ナトリウム(1.82g、21.6mmol)を加え、混合物を氷浴にて冷却した。次いで、少量ずつ65%m−クロロ過安息香酸(4.79g、18.0mmol)を添加し、室温で7日攪拌した。反応混合物より不溶分を濾別し、ろ液にジクロロメタン(30mL)を加えて、分液漏斗に移し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を分離した。更に、水層をジクロロメタン(30mL)で2回抽出し、有機層を合わせ、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、黄色粘稠液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物(U1−8)を得た(0.96g、収率58.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.35(d,4H)、3.4(m,4H)、3.1(m,4H)、3.15(d,4H)、2.8−2.5(m,8H)、2.5(t,8H),2.21−2.19(m,8H)、2.0−1.8(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−8)の分子量と一致した。
実施例51 カリックスアレーン化合物(U2−8)の合成
実施例50において、d−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(d−2)(1.96g,1.5mmol)を用いた以外は実施例50に従って合成し、目的物である(U2−8)を得た(1.09g,収率53.1%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.8(s,8H)、4.15−4.0(m,4H)、3.41(m,4H)、3.13(d,4H)、3.11(m,4H)、2.8−2.5(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−8)の分子量と一致した。
実施例52 カリックスアレーン化合物(U2−8)の合成
実施例50において、d−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(d−3)(2.14g,1.5mmol)を用いた以外は実施例50に従って合成し、目的物である(U3−8)を得た(1.13g,収率50.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.35(d,4H)、3.38(m,4H)、3.12(m,4H)、3.13(d,4H)、2.8−2.5(m,8H)、2.7(t,8H),2.5−2.3(m,8H),1.9−1.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−8)の分子量と一致した。
実施例53 カリックスアレーン化合物(U1−9)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(a−1)(1.72g,2.0mmol)、N―メチルピロリドン(17.3mL)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.148g、0.4mmol)、(3-エチル-3−オキセタニル)メチル メタンスルホナート(2.33g、12.0mmol)、水酸化カリウム(0.79g、12.0mmol)を入れ攪拌し、80℃で20時間加熱した。室温まで冷却し、クロロホルム(50mL)、1N塩酸(20mL)を加えて撹拌し、反応混合物を分液漏斗に移した。有機層を分液した後、水層をクロロホルム(20mL)で2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(U1−9)を得た(1.64g、収率65.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.4(d,4H)、4.35(d,4H)、4.15(d,4H)、3.8(s,8H)、3.15(d,4H)、2.5(t,8H)、2.21−2.19(m,8H)、2.0−1.8(m,8H)、1.7(q,8H)、0.9(t,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U1−9)の分子量と一致した。
実施例54 カリックスアレーン化合物(U2−9)の合成
実施例53において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−2)(2.29g,2.0mmol)を用いた以外は実施例53に従って合成し、目的物である(U2−9)を得た(1.78g,収率57.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.8(s,8H)、4.38(d,4H)、4.17(d,4H)、4.15−4.0(m,4H)、3.82(s,8H)、3.13(d,4H)、1.68(q,8H)、0.95(t,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U2−9)の分子量と一致した。
実施例55 カリックスアレーン化合物(U3−9)の合成
実施例53において、a−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(a−3)(2.53g,2.0mmol)を用いた以外は実施例53に従って合成し、目的物である(U3−9)を得た(1.68g,収率50.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.41(d,4H)、4.35(d,4H)、4.18(d,4H)、3.82(s,8H)、3.13(d,4H)、2.7(t,8H)、2.5−2.3(m,8H)、1.9−1.7(m,8H)1.68(q,8H)、0.9(t,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(U3−9)の分子量と一致した。
実施例56 カリックスアレーン化合物(g−1)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた300mLの四つ口フラスコに、メタンスルホン酸(156mL)を投入し、氷浴にて冷却し、ヘキサメチレンテトラミン(20.19g、144mmol)を数回に分けて添加した。次いで、カリックスアレーン化合物(f−1)(3.46g,4.0mmol)を添加し、室温に戻した後、90℃に加熱し、6時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を、別途用意した、イオン交換水(300mL)とクロロホルム(100mL)の混合物に投入し、室温で2時間撹拌した。内容物を分液漏斗に移し、有機層を分液した後、水層をクロロホルム(50mL)で2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、黄色固形物をヘプタンにより再結晶し、目的物である(g−1)を得た(3.35g、収率85.6%)。
実施例57 カリックスアレーン化合物(g−2)の合成
実施例56において、f−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(f−2)(4.80g,4.0mmol)を用いた以外は実施例56に従って合成し、目的物である(g−2)を得た(4.36g,収率83.1%)。
実施例58 カリックスアレーン化合物(g−3)の合成
実施例56において、f−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(f−3)(4.83g,4.0mmol)を用いた以外は実施例56に従って合成し、目的物である(g−3)を得た(4.23g,収率80.2%)。
実施例59 カリックスアレーン化合物(L1−1)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた300mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、カリックスアレーン化合物(g−1)(2.93g,3.0mmol)、エタノール(146.5mL)を仕込み、氷浴にて冷却下に撹拌した。92%水素化ほう素ナトリウム(0.987g、24.0mmol)を数回に分けて添加し、室温に戻した後、18時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸をゆっくりと添加し、過剰の水素化ほう素ナトリウムをクエンチした後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を添加し、中性に戻した。反応混合物をエバポレーターにて濃縮し、残渣にクロロホルム(100mL)と0.5N塩酸(50mL)に溶解させ、内容物を分液漏斗に移し、有機層を分離した後、水層をクロロホルム(50mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターにて溶媒を留去し、目的物である(L1−1)を白色固体として得た(2.79g、収率94.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.9(t,4H)、4.27(d,4H)、4.16(d,8H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、2.4−2.2(m,8H)、2.2−2.0(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−1)の分子量と一致した。
実施例60 カリックスアレーン化合物(L2−1)の合成
実施例59において、g−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(g−2)(3.94g,3.0mmol)を用いた以外は実施例59に従って合成し、目的物である(L2−1)を得た(3.69g,収率93.2%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.87(t,4H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、3.8(t,8H)4.27(d,4H)、4.17(d,8H)、3.21(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−1)の分子量と一致した。
実施例61 カリックスアレーン化合物(L3−1)の合成
実施例59において、g−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(g−3)(3.96g,3.0mmol)を用いた以外は実施例59に従って合成し、目的物である(L3−1)を得た(3.65g,収率91.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.87(t,4H)、4.5(m,4H)4.26(d,4H)、4.18(d,8H)、3.21(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−1)の分子量と一致した。
実施例62 カリックスアレーン化合物(h−1)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、塩化チオニル(12.3mL)、カリックスアレーン化合物(L1−1)(2.46g,2.5mmol)を仕込み、室温にて、18時間撹拌した。減圧下に反応混合物を濃縮し、残渣にクロロホルム(100mL)と加え、溶解させた。内容物を分液漏斗に移し、有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターにて溶媒を留去し、目的物である(h−1)を白色固体として得た(2.47g、収率93.2%)。
実施例63 カリックスアレーン化合物(h−2)の合成
実施例62において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L2−1)(3.30g,2.5mmol)を用いた以外は実施例62に従って合成し、目的物である(h−2)を得た(3.23g,収率92.5%)。
実施例64 カリックスアレーン化合物(h−3)の合成
実施例63において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L3−1)(3.32g,2.5mmol)を用いた以外は実施例62に従って合成し、目的物である(h−3)を得た(3.17g,収率90.3%)。
実施例65 カリックスアレーン化合物(i−1)の合成
攪拌装置、温度計、滴下漏斗、及び還流冷却管を取り付けた300mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、脱水ジメチルスルホキシド(42.4mL)、カリックスアレーン化合物(h−1)(2.12g,2.0mmol)を仕込み、撹拌した。そこへ、脱水エタノール(11mL)、マロン酸ジエチル(2.88g、18mmol)、ナトリウム(0.476g、20.7mmol)より別途調製した、マロン酸ジエチルナトリウム塩のエタノール溶液を滴下漏斗より、滴下した。滴下終了後、反応混合物を80℃に加熱し、6時間反応させた。室温まで冷却し、反応溶液を氷水(100g)に添加し、濃塩酸を加え、水溶液を酸性にしたのち、クロロホルム(100mL)で2回抽出した。このクロロホルム溶液を、イオン交換水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、目的物である(j−1)を得た(3.08g,収率95%)。
実施例66 カリックスアレーン化合物(i−2)の合成
実施例65において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−2)(2.79g,2.0mmol)を用いた以外は実施例65に従って合成し、目的物である(i−2)を得た(3.56g,収率94.3%)。
実施例67 カリックスアレーン化合物(i−3)の合成
実施例65において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−3)(2.81g,2.0mmol)を用いた以外は実施例65に従って合成し、目的物である(i−3)を得た(3.57g,収率94.1%)
実施例68 カリックスアレーン化合物(L1−2−1)の合成
攪拌装置、温度計、滴下漏斗、及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、ジメチルスルホキシド(59mL)、カリックスアレーン化合物(i−1)(2.95g,1.9mmol)を仕込み、撹拌した。そこへ、濃塩酸を加え、混合物を120℃に加熱し、14時間反応させた。室温まで冷却し、反応溶液を氷水(200g)に添加し、30分撹拌した。析出した固体を濾種し、クロロホルム(100mL)に溶解させ、分液漏斗に移し、イオン交換水にてpHが5以上になるまでっ洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた黄色固体を、アセトン/酢酸エチルより再結晶し、目的物である(L1−2−1)を得た(1.54g,収率70.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.42(d,4H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、3.1(t,8H)、2.8(t,8H)、2.4−2.0(m,16H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−2−1)の分子量と一致した。
実施例69 カリックスアレーン化合物(L2−2−1)の合成
実施例68において、i−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(i−2)(3.56g,1.89mmol)を用いた以外は実施例68に従って合成し、目的物である(L2−2−1)を得た(1.92g,収率68.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.45(d,4H)、4.4(t,8H)、3.8(t,8H)3.21(d,4H)、3.1(t,8H)、2.8(t,8H)、
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−2−1)の分子量と一致した。
実施例70 カリックスアレーン化合物(L3−2−1)の合成
実施例68において、i−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(i−3)(3.57g,1.88mmol)を用いた以外は実施例68に従って合成し、目的物である(L3−2−1)を得た(1.84g,収率65.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.9(s,8H)、4.5(m,8H)4.46(d,4H)、3.2(d,4H)、3.1(t,8H)、2.8(t,8H)、2.9−2.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−2−1)の分子量と一致した。
実施例71 カリックスアレーン化合物(L1−2−2)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、ジアセトン(100mL)、クロロホルム(100mL)、カリックスアレーン化合物(g−1)(0.98g,1.0mmol)を仕込み、氷浴にて冷却下、撹拌した。そこへ、スルファミン酸(1.34g、12.8mmol)と亜塩素酸ナトリウム(1.04g、10.6mmol)のイオン交換水(5mL)の水溶液(A)を発熱に注意しながら添加した。反応をTLCにて追跡し、原料が消失するまで、水溶液(A)を適宜追加した。反応終了後、エバポレーターにて溶媒を除去し、残渣の水溶液に、5N塩酸を添加し、固体を析出させた。固体を濾種し、クロロホルム(100mL)に溶解させ、分液漏斗に移し、イオン交換水にてpHが5以上になるまで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた黄色固体を、クロロホルム/メタノールより再結晶し、目的物である(L1−2−2)を得た(1.0g,収率95.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:12.4(s,4H)、7.4(s,8H)、4.32(d,4H)、3.87(t,8H)、3.35(d,4H)、2.4−2.2(m,8H)、2.2−2.0(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−2−2)の分子量と一致した。
実施例72 カリックスアレーン化合物(L2−2−2)の合成
実施例71において、g−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(g−2)(1.31g,1.00mmol)を用いた以外は実施例71に従って合成し、目的物である(L2−2−2)を得た(1.28g,収率92.7%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:12.3(s,4H)、7.38(s,8H)、4.33(d,4H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、3.8(t,8H)、3.3(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−2−2)の分子量と一致した。
実施例73 カリックスアレーン化合物(L3−2−2)の合成
実施例71において、g−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(g−3)(1.32g,1.00mmol)を用いた以外は実施例71に従って合成し、目的物である(L3−2−2)を得た(1.26g,収率90.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:12.3(s,4H)、7.39(s,8H)、4.5(m,8H)4.31(d,4H)、3.29(d,4H)、
2.9−2.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−2−2)の分子量と一致した。
実施例74 カリックスアレーン化合物(k−1)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、脱水トルエン(24mL)、カリックスアレーン化合物(j−1)(3.08g、3.0mmol)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製)(0.30g、1.2mmol)、及び、3−メルカプトプロピオン酸メチル(2.88g、24mmol)を仕込み、撹拌下、混合溶液に、アルゴンガスを30分吹き込んだ。アルゴン雰囲気下、65℃に加熱し、12時間反応させた。室温まで冷却し、反応混合物を減圧乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である(k−1)を得た(3.87g、収率85.6%)。
実施例75 カリックスアレーン化合物(k−2)の合成
実施例74において、j−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(j−2)(4.08g,3.0mmol)を用いた以外は実施例74に従って合成し、目的物である(k−2)を得た(4.67g,収率84.5%)。
実施例76 カリックスアレーン化合物(k−3)の合成
実施例74において、j−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(j−3)(4.11g,3.0mmol)を用いた以外は実施例74に従って合成し、目的物である(k−3)を得た(4.57g,収率82.4%)。
実施例77 カリックスアレーン化合物(L1−2−3)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(k−1)(3.76g,2.5mmol)、テトラヒドロフラン(33.9mL)、水(33.9mL)、水酸化カリウム(1.32g,20.0mmol)を加え、50℃に加熱し、2時間反応させた。室温まで冷却したのちクロロホルム(30mL)を加え、氷浴にて冷却した。次いで、反応混合物に5N塩酸をpHが1になるまで、ゆっくりと添加した。混合物を分液漏斗に移し、有機層を分離した。次に、水層をクロロホルム(30mL)で2回抽出し、有機層に合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、乳白色固体を得た。得られた乳白色固体を真空乾燥(60℃で12時間以上)し、目的物である(L1−2−3)を得た(3.60g,収率99.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.23(d,4H)、3.87(t,8H)、3.1(d,4H)、2.8(t,8H)、2.67(t,8H)、2.46(t,8H)、2.39(t,8H)、2.4−2.0(m,16H)、1.70(t,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−2−3)の分子量と一致した。
実施例78 カリックスアレーン化合物(L2−2−3)の合成
実施例77において、k−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(k−2)(4.60g,2.5mmol)を用いた以外は実施例77に従って合成し、目的物である(L2−2−3)を得た(4.56g,収率99.1%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.24(d,4H)、3.8(t,8H)、3.11(d,4H)、2.79(t,8H)、2.66(t,8H)、2.47(t,8H)、2.40(t,8H)、1.71(t,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−2−3)の分子量と一致した。
実施例79 カリックスアレーン化合物(L3−2−3)の合成
実施例77において、k−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(k−3)(4.62g,2.5mmol)を用いた以外は実施例77に従って合成し、目的物である(L3−2−3)を得た(4.58g,収率99.0%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.5(m,8H)4.23(d,4H)、3.11(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)、2.81(t,8H)、2.66(t,8H)、2.45(t,8H)、2.38(t,8H)、1.71(t,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−2−3)の分子量と一致した。
実施例80 カリックスアレーン化合物(l−1)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた300mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、カリックスアレーン化合物(h−1)(3.18g,3.0mmol)、亜りん酸トリエチル(158.8mL)を加え、160℃に加熱し、24時間反応させた。室温まで冷却した後、過剰の亜りん酸トリエチルを減圧にて留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である(l−1)を得た(4.19g,収率95.4%)。
実施例81 カリックスアレーン化合物(l−2)の合成
実施例80において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−2)(4.18g,3.0mmol)を用いた以外は実施例80に従って合成し、目的物である(l−2)を得た(5.07g,収率93.8%)。
実施例82 カリックスアレーン化合物(l−3)の合成
実施例80において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−3)(4.21g,3.0mmol)を用いた以外は実施例80に従って合成し、目的物である(l−3)を得た(4.95g,収率91.2%)。
実施例83 カリックスアレーン化合物(L1−3)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、カリックスアレーン化合物(l−1)(2.93g,2.0mmol)、ブロモトリメチルシラン(25.5mL)を加え、室温で5時間反応させた。過剰のブロモトリメチルシランを減圧にて留去し、得られた残渣にアセトニトリル(90mL)と水(10mL)を加え、室温で2時間撹拌したところ、白色固体が析出した。この固体を濾取し、水で充分に洗浄した後、真空乾燥し、目的物である(L1−3)を得た(2.36g、収率95.0%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.35(d,4H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、2.8(d,8H)、2.4−2.2(m,8H)、2.2−2.0(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−3)の分子量と一致した。
実施例84 カリックスアレーン化合物(L2−3)の合成
実施例83において、l−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(l−2)(3.60g,2.0mmol)を用いた以外は実施例83に従って合成し、目的物である(L2−3)を得た(2.95g,収率93.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.34(d,4H)、3.8(t,8H)、3.21(d,4H)、2.79(d,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−3)の分子量と一致した。
実施例85 カリックスアレーン化合物(L3−3)の合成
実施例83において、l−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(l−3)(3.62g,2.0mmol)を用いた以外は実施例83に従って合成し、目的物である(L3−3)を得た(2.91g,収率91.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.5(m,4H)4.36(d,4H)、3.22(d,4H)2.9−2.7(m,8H)、2.8(d,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−3)の分子量と一致した。
実施例86 カリックスアレーン化合物(L1−4)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(L1−1)(0.99g、1.0mmol)を乾燥ジクロロメタン(16.7mL)に溶解し、トリエチルアミン(4.05g、40mmol)を加えた。ついで、氷浴下、ホスホロクロリド酸ビス(2,2,2−トリクロロエチル)(3.79g、10.0mmol)を加え、室温で12時間反応させた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)にて反応をクエンチし、ジクロロメタン(30mL)を加えて、分液漏斗に移し、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(20mL)にて2回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターにて、減圧乾固し、残渣をピリジン:酢酸=5:1の混合溶液に溶解した。この溶液を氷浴にて冷却し、活性化した亜鉛(16g)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。固体を濾別し、溶媒を除去した後、残渣を5N 水酸化ナトリウム水溶液で処理し、ジクロロメタンで洗浄した。水層を2N塩酸で処理し、沈殿物を得た。この沈殿物を0.1N塩酸で洗浄した後、真空乾燥(60℃で6時間以上)し、目的物である(L1−4)を得た(0.682g、収率52.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.27(d,4H)、4.20(d,8H)、3.87(t,8H)、3.21(d,4H)、2.4−2.2(m,8H)、2.2−2.0(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−4)の分子量と一致した。
実施例87 カリックスアレーン化合物(L2−4)の合成
実施例86において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L2−1)(1.32g,1.0mmol)を用いた以外は実施例86に従って合成し、目的物である(L2−4)を得た(0.815g,収率49.7%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.26(d,4H)、4.17(d,8H)、3.8(t,8H)、3.2(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−4)の分子量と一致した。
実施例88 カリックスアレーン化合物(L3−4)の合成
実施例86において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L3−1)(1.33g,1.0mmol)を用いた以外は実施例86に従って合成し、目的物である(L3−4)を得た(0.767g,収率46.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDOD,400MHz)δ:6.8(s,8H)、4.5(m,4H)4.25(d,4H)、4.19(d,8H)、3.22(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−4)の分子量と一致した。
実施例89 カリックスアレーン化合物(L1−5)の合成
攪拌装置、温度計、滴下ロート、及び還流冷却管を取り付けた30mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(j−1)(1.03g,1.0mmol)、脱水トルエン(5.3mL)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)錯体キシレン溶液(3.81mg,0.01mmol)を仕込み、30分間、アルゴンを溶液に通気した。氷浴にて溶液を冷却し、シリンジを用いてトリエトキシシラン(1.97g、12mmol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、室温に戻し、更に、50℃に加熱し、8時間反応させた。溶液は淡黄色透明溶液となった。室温まで冷却した後、活性炭と珪藻土で白金錯体を濾過し、濾液を濃縮し淡黄色の油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(L1−5)を得た(1.36g、収率80.7%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、4.23(d,4H)、3.87(t,8H)、3.8(q,8H)、3.2(d,4H)、2.4−2.0(m,24H)、1.65(m,8H)、1.2(t,12H)、0.65(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−5)の分子量と一致した。
実施例90 カリックスアレーン化合物(L2−5)の合成
実施例89において、j−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(j−2)(1.36g,1.0mmol)を用いた以外は実施例89に従って合成し、目的物である(L2−5)を得た(1.54g,収率76.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.24(d,4H)、3.81(t,8H)、3.79(q,8H)、3.19(d,4H)、2.38(m,8H)、1.65(m,8H)、1.2(t,12H)、0.65(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−5)の分子量と一致した。
実施例91 カリックスアレーン化合物(L3−5)の合成
実施例89において、j−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(j−3)(1.37g,1.0mmol)を用いた以外は実施例89に従って合成し、目的物である(L3−5)を得た(1.43g,収率70.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.5(m,8H)4.23(d,4H)、3.8(q,8H)、3.15(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)、2.41(m,8H)、1.66(m,8H)、1.22(t,12H)、0.66(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−5)の分子量と一致した
実施例92 カリックスアレーン化合物(m−1)の合成
攪拌装置、温度計、及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、アルゴン雰囲気下に、脱水DMF(63.5mL)、カリックスアレーン化合物(h−1)(2.12g,2.0mmol)を仕込み、溶解させた。次いで、アジ化ナトリウム(1.3g、20.0mmol)を数回に分けて添加し、室温にて、24時間撹拌した。内容物を水(200mL)に投入し、分液漏斗に移し、酢酸エチル(50mL)で3回抽出した。有機層を、希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。エバポレーターで溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(m−1)を得た(2.07g、収率95.5%)。
実施例93 カリックスアレーン化合物(m−2)の合成
実施例92において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−2)(2.79g,2.0mmol)を用いた以外は実施例92に従って合成し、目的物である(m−2)を得た(2.67g,収率94.1%)。
実施例94 カリックスアレーン化合物(m−3)の合成
実施例92において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−3)(2.79g,2.0mmol)を用いた以外は実施例92に従って合成し、目的物である(m−3)を得た(2.65g,収率92.8%)。
実施例95 カリックスアレーン化合物(L1−6)の合成
300mLのビーカーに、酢酸エチルとエタノールの混合溶液(1:1、122mL)、カリックスアレーン化合物(m−1)(1.63g,1.5mmol)を仕込み、溶解させた。攪拌機、温度計を取り付けた500mLのオートクレーブに、この溶液を投入し、次いで、Pd/C(0.163g)と1N塩酸(19.6mL)を加え、オートクレーブ内の水素圧を2atmとし、室温にて、48時間撹拌した。反応終了後、Pd/Cを濾別し、ろ液をエバポレーターで濃縮した。残渣にクロロホルム(100mL)とイオン交換水(50mL)を加え撹拌した後、48%水酸化ナトリウム水溶液を追加し、水層のpHを14とした。有機層を分離し、イオン交換水で数回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。エバポレーターで溶媒を留去し、目的物である(L1−6)を得た(1.46g、収率99%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl3,400MHz)δ:6.5(s,8H)、4.27(d,4H)、4.16(s,8H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、2.4−2.0(m,16H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−6)の分子量と一致した。
実施例96 カリックスアレーン化合物(L2−6)の合成
実施例95において、m−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(m−2)(2.13g,1.5mmol)を用いた以外は実施例95に従って合成し、目的物である(L2−6)を得た(1.96g,収率99%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、3.8(t,8H)4.26(d,4H)、4.15(s,8H)、3.21(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−6)の分子量と一致した。
実施例97 カリックスアレーン化合物(L3−6)の合成
実施例95において、m−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(m−3)(2.14g,1.5mmol)を用いた以外は実施例95に従って合成し、目的物である(L3−6)を得た(1.97g,収率99%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、4.5(m,4H)4.26(d,4H)、4.09(s,8H)、3.20(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−6)の分子量と一致した。
実施例98 カリックスアレーン化合物(L1−7−1)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(L1−1)(1.97g,2.0mmol)、トリフェニルフォスフィン(3.15g,12.0mmol)、アクリル酸(0.86g、12.0mmol)、テトラヒドロフラン(29mL)、を入れ攪拌した。次いで、氷浴下、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.43g、12.0mmol)を30分かけ滴下し、更に、室温で12時間攪拌した。反応溶液をエバポレーターにて濃縮し、ヘキサンを加え、トリフェニルフォスフィン等の副生成物を析出除去した。得られた黄色粘稠液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色固体として、目的物(L1−7−1)を得た(2.29g、収率95.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、6.5(dd,4H)、6.2(dd,4H)、5.9(dd,4H)、5.1(s,8H)、4.27(d,4H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、2.4−2.0(m,16H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−7−1)の分子量と一致した
実施例99 カリックスアレーン化合物(L2−7−1)の合成
実施例98において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L2−1)(2.64g,2.0mmol)を用いた以外は実施例98に従って合成し、目的物である(L2−7−1)を得た(1.86g,収率92.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、6.5(dd,4H)、6.2(dd,4H)、5.9(dd,4H)、5.1(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.26(d,4H)、3.8(t,8H)、3.21(d,4H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−7−1)の分子量と一致した。
実施例100 カリックスアレーン化合物(L3−7−1)の合成
実施例98において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L3−1)(2.67g,2.0mmol)を用いた以外は実施例98に従って合成し、目的物である(L3−7−1)を得た(2,79g,収率90.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、6.5(dd,4H)、6.2(dd,4H)、5.9(dd,4H)、5.1(s,8H)、4.5(m,4H)、4.26(d,4H)、3.20(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−7−1)の分子量と一致した。
実施例101 カリックスアレーン化合物(L1−7−2)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた200mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(L1−2−1)(1.73g、1.5mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.11g、0.3mmol)、1-メトキシ−2−プロパノール(30mL)、フェノチアジン(12.0mg、0.06mmol)、メタクリル酸グリシジル(2.57g、18.0mmol)を入れ攪拌した。空気を吹き込みながら、90℃で20時間加熱した。室温まで冷却し、クロロホルム(50mL)、0.5N塩酸(20mL)を加えて、撹拌した。反応混合物を分液漏斗に移し、有機層を分離した。次いで、水層をクロロホルム(20mL)で2回抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。エバポレーターで溶媒を留去し、赤色粘稠液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(L1−7−2)を得た(1.84g、収率71.2%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.8−4.7(m,4H)、4.5−4.0(m、16H)、4.42(d,4H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、3.1(t,8H)、2.8(t,8H)、2.4−2.0(m,16H)、2.0(s,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−7−2)の分子量と一致した。
実施例102 カリックスアレーン化合物(L2−7−2)の合成
実施例101において、L1−2−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L2−2−1)(2.23g,1.5mmol)を用いた以外は実施例101に従って合成し、目的物である(L2−7−2)を得た(2.03g,収率65.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.9(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.8−4.5(m,8H)、4.45(d,4H)、4.4(t,8H)、3.8(t,8H)4.5−4.0(m、16H)、3.21(d,4H)、3.1(t,8H)、2.8(t,8H)、2.0(s,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−7−2)の分子量と一致した。
実施例103 カリックスアレーン化合物(L3−7−2)の合成
実施例101において、L1−2−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L3−2−1)(2.25g,1.5mmol)を用いた以外は実施例44に従って合成し、目的物である(L3−7−2)を得た(1.90g,収率61.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.9(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、4.8−4.7(m,4H)、4.5(m,24H)4.46(d,4H)、3.2(d,4H)、3.1(t,8H)、2.8(t,8H)、2.9−2.7(m,8H)、2.0(s,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−7−2)の分子量と一致した。
実施例104 カリックスアレーン化合物(L1−7−3)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた50mLの四つ口フラスコに、カリックスアレーン化合物(L1−1)(1.48g、1.5mmol)2−ブタノン(10.6mL)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(1.28g、9.0mmol)、フェノチアジン(1.48mg、0.0074mmol)、ジブチルスズジラウレート(1.48mg、0.0023mmol)を入れ攪拌した。空気を吹き込みながら、80℃で12時間加熱した。室温まで冷却し、減圧乾固した後、残渣をクロロホルム/メタノールにより再沈殿させた。得られた固体を、再度、クロロホルム/メタノールにより再沈殿させ、得られた白色結晶を真空乾燥(60℃で6時間以上)し、目的物(L1−7−3)を得た(1.92g、79.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、5.1(s,8H)、4.6(t,8H)、4.27(d,4H)、3.87(t,8H)、3.25(t,8H)、3.20(d,4H)、2.4−2.0(m,16H)、2.0(s,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−7−3)の分子量と一致した
実施例105 カリックスアレーン化合物(L2−7−3)の合成
実施例104において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L2−1)(1.98g,1.5mmol)を用いた以外は実施例104に従って合成し、目的物である(L2−7−3)を得た(2.14g,収率73.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、5.1(s,8H)、4.6(t,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.26(d,4H)、3.8(t,8H)、3.25(t,8H)、3.21(d,4H)、2.0(s,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−7−3)の分子量と一致した。
実施例106 カリックスアレーン化合物(L3−7−3)の合成
実施例104において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L3−1)(1.99g,1.5mmol)を用いた以外は実施例104に従って合成し、目的物である(L3−7−3)を得た(2.01g,収率68.9%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、6.0(m,4H)、5.5(m,4H)、5.1(s,8H)、4.6(t,8H)、4.5(m,4H)、4.26(d,4H)、3.25(t,8H)、3.20(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)、2.0(s、12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−7−3)の分子量と一致した。
実施例107 カリックスアレーン化合物(L1−8)の合成
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、エピクロロヒドリン(27.8g、18.0mmol)、50%水酸化カリウム水溶液(2.38g)、臭化テトラブチルアンモニウム(0.048g、0.15mmol)を加え、激しく撹拌しながら、氷浴にて冷却した。そこへ、液温が10℃以下を維持するように、カリックスアレーン化合物(L1−1)(1.48g、1.5mmol)を分割添加した。添加終了後、室温にて、24時間撹拌した。反応混合物を氷水(100mL)に投入し、分液漏斗に移した。水層をクロロホルム(50mL)にて2回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。エバポレーターにて溶剤を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物(L1−8)を得た(1.19g、65.8%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、5.1(s,8H)、4.27(d,4H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、2.4−2.0(m,16H)、3.7−3.6(m,4H)、3.4−3.3(m,4H)2.8−2.3(m,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−8)の分子量と一致した。
実施例108 カリックスアレーン化合物(L2−8)の合成
実施例107において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L2−1)(1.98g,1.5mmol)を用いた以外は実施例107に従って合成し、目的物である(L2−8)を得た(1.45g,収率62.4%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、5.1(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.26(d,4H)、3.8(t,8H)、3.7−3.6(m,4H)、3.4−3.3(m,4H)、3.21(d,4H)、2.8−2.3(m,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−8)の分子量と一致した。
実施例109 カリックスアレーン化合物(L3−8)の合成
実施例107において、L1−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(L3−1)(1.99g,1.5mmol)を用いた以外は実施例107に従って合成し、目的物である(L3−8)を得た(1.37g,収率58.7%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)5.1(s,8H)、4.5(m,4H)、4.26(d,4H)、3.7−3.6(m,4H)、3.4−3.3(m,4H)、3.20(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)、2.8−2.3(m,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−8)の分子量と一致した。
実施例110 カリックスアレーン化合物(L1−9)の合成
攪拌装置、滴下漏斗、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(0.96g,24.0mmol)を投入し、ヘキサンにてミネラルオイルを洗浄除去した。次いで、乾燥DMF(13mL)を加え、撹拌下、3−エチル−3−オキセタンメタノール(2.78g、24.0mmol)を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、更に1時間、室温にて撹拌を続けた。そこへ、カリックスアレーン化合物(h−1)(2.12g,2.0mmol)を乾燥DMF(10mL)に溶かした溶液を滴下漏斗にて添加し、添加終了後、反応混合物を50℃に加熱し、4時間撹拌を続けた。室温まで冷却後、反応混合物を氷(100g)に投入し、濃塩酸を加え、水溶液のpHを3付近とした後、クロロホルム(100mL)で2回抽出した。このクロロホルム溶液をイオン交換水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターにて溶媒を除去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物である(L1−9)を得た(2.49g,収率90.3%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.8(s,8H)、5.1(s,8H)、4.27(d,4H)、3.87(t,8H)、3.20(d,4H)、2.4−2.0(m,16H)、4.4−4.1(m,32H)、3.7(s,8H)、1.7(q,8H)、0.9(t,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L1−9)の分子量と一致した。
実施例111 カリックスアレーン化合物(L2−9)の合成
実施例110において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−2)(2.79g,2.0mmol)を用いた以外は実施例110に従って合成し、目的物であるL2−9を得た(3.00g,収率87.5%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、5.1(s,8H)、4.8−4.5(m,4H)、4.4(t,8H)、4.4−4.1(m,32H)、4.26(d,4H)、3.8(t,8H)、3.69(s,8H)、3.21(d,4H)、1.7(q,8H)、0.9(t,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L2−9)の分子量と一致した。
実施例112 カリックスアレーン化合物(L3−9)の合成
実施例110において、h−1の代わりに、カリックスアレーン化合物(h−3)(2.81g,2.0mmol)を用いた以外は実施例110に従って合成し、目的物である(L3−9)を得た(2.84g,収率82.6%)。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ:6.7(s,8H)、5.1(s,8H)、4.5(m,4H)、4.4−4.1(m,32H)、4.26(d,4H)、3.71(s,8H)、3.20(d,4H)、2.9−2.7(m,8H)、1.7(q,8H)、0.9(t,12H)
FD−MSの測定結果は、目的物(L3−9)の分子量と一致した。
合成例3 カリックスアレーン化合物(R−1)の合成
公知文献(Organic & Biomolecular Chemistry、2015年、第13巻、1708−1723頁)に記載の方法で、炭素数6の脂肪鎖を有するカリックスアレーン化合物(R−1)を合成した。
合成例4 カリックスアレーン化合物(R−2)の合成
カリックスアレーン化合物(R−1)を用いて、実施例62、実施例80、実施例83に記載の方法で、炭素数6の脂肪鎖を有するカリックスアレーン化合物(R−2)を合成した。
合成例5 カリックスアレーン化合物(R−3)の合成
公知文献(Supramolecular Chemistry、1998年、第9巻、255−261)に記載の方法で、カリックスアレーン化合物(r−3)
を合成し、これを用いて、実施例89に記載の方法で、炭素数6の脂肪鎖を有するカリックスアレーン化合物(R−3)を合成した。
合成例6 カリックスアレーン化合物(R−4)の合成
カリックスアレーン化合物(R−1)を用いて、実施例98に記載の方法で、炭素数6の脂肪鎖を有するカリックスアレーン化合物(R−4)を合成した。
合成例7 カリックスアレーン化合物(R−5)の合成
カリックスアレーン化合物(R−1)を用いて、実施例107に記載の方法で、炭素数6の脂肪鎖を有するカリックスアレーン化合物(R−5)を合成した。
下記要領で、塗布するタイプの中間層を形成した試験板と樹脂に添加するタイプの硬化性組成物を製造し、各種評価を行った。評価結果を表1〜8に示す。
[ガラス基材に塗布するタイプの実施例]
〈塗液の製造〉
酢酸ブチルの19.50gに、上記で得られた化合物の0.5gを添加し、5分間撹拌して塗液を得た。
上記で得られた塗液0.5mlをそれぞれ予めアセトンで脱脂洗浄し乾燥した30mm×150mmのガラス板上に塗布し、10分間100℃で乾燥した後、エタノールで余剰の塗布液を拭き取り、処理ガラス板を作製した。
〈硬化塗膜での転落角評価〉
塗膜表面の転落角の評価は、水の転落角を測定して行った。なお、滑り性の評価には、協和界面科学社製DM−500を用いた。基材の上に50μLの水滴を滴下し、2度/秒のスピードで20°にステージを傾け、水滴が動き出した場合を○、動き出さなかった場合を×とした。
また、耐久性を調べるために、上記処理ガラス板を100℃の熱水中に6時間浸漬し、水転落角の測定を実施した。
[金属酸化物(アルミニウム)基材に塗布するタイプの実施例]
〈アルミニウム板の作製〉
厚さ0.1mmのアルミニウム板材(JIS−A1050−H26)を、市販の強アルカリ脱脂剤(日本ペイント株式会社製EC760)の2%溶液中に、60℃の温度で、30秒間浸漬することにより脱脂処理を施した後、水道水中に15秒間浸漬して、水洗した。更に60℃で20分間加熱、乾燥を行なった。
〈塗液の製造〉
イソプロピルアルコールの9.0gに、上記で得られた化合物の1.0gを添加し、5分間撹拌した、更に、酢酸ブチルの100gを添加し、5分間攪拌して、塗液を得た。
上記で得られた塗液に、上記の脱脂処理したアルミニウム板材を10分間浸漬し、充分に液を切って150℃で20分間乾燥した後、イソプロピルアルコールに室温で5分間浸漬にて洗浄し、処理アルミニウム板を作製した。
〈硬化塗膜での転落角評価〉
塗膜表面の転落角の評価は、水の転落角を測定して行った。なお、滑り性の評価には、協和界面科学社製DM−500を用いた。基材の上に50μLの水滴を滴下し、2度/秒のスピードで20°にステージを傾け、水滴が動き出した場合を○、動き出さなかった場合を×とした。
また、耐久性を調べるために、上記処理アルミニウム板を100℃の熱水中に6時間浸漬し、水転落角の測定を実施した。
[2液系樹脂に添加するタイプの組成物調製とその評価]
〈HDIのポリイソシアヌレート樹脂の製造〉
撹拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、HDI997g、1,3−ブタンジオール2g、およびフェノール1gを仕込み、さらに、イソシアヌレート化触媒であるカプリン酸カリウム0.2gを仕込み、50℃で1.5時間反応させた。その後、直ちに65℃に昇温して1時間反応させ、NCO含量が45%に到達した時点で反応停止剤であるリン酸0.1gを添加し、1時間停止反応を行った。この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:130℃,0.04kPa)により過剰のHDIを除去し、NCO含量23.2質量%、粘度(25℃)1,180mPa・s、遊離のHDI含量0.2質量%の変性ポリイソシアネート樹脂を得た。
〈ポリイソシアネート組成物の製造〉
撹拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ベースポリイソシアネート樹脂として上記の変性ポリイソシアネート樹脂190g、およびポリエーテルポリオール(エクセノール−851B、数平均分子量6,700、旭硝子ウレタン(株)製)90gを仕込み、85℃に加熱し、4時間ウレタン化反応を行い、NCO含量13.8質量%、粘度(25℃)1,170mPa・sのポリイソシアネート組成物を得た。
〈2液型塗料組成物の製造〉
上記で得られたカリックスアレーン化合物、上記で得られたポリイソシアネート組成物、アクリルポルオール(アクリディックHU−596、DIC(株)製)、および溶剤としてHAWS(シェルケミカルズジャパン製)を表3に従って配合し、2液型塗料組成物を調製した。
上記の方法で調製した2液型塗料組成物を、それぞれメチルエチルケトンで脱脂した鋼板(JIS G3141 商品名SPCC−SB、PF−1077処理、日本テストパネル工業(株)製)にアプリケーターを用い、ウェット膜厚100μmで塗布し、温度20℃、相対湿度65%の環境下で7日間養生を行い、乾燥膜厚40〜50μmの塗膜を形成させ、硬化塗膜を得た。前記と同様にして、水転落角の評価を実施した。
また、耐久性を調べるために、上記硬化塗膜を、ミネラルスピリットA(新日本石油(株)製)で湿らせた脱脂綿で塗膜の表面を10往復、軽く擦った後、水転落角の測定を実施した。
表中の*は未実施を示す。
[ラジカル重合性樹脂に添加するタイプの組成物調製とその評価]
〈硬化性組成物の製造〉
下記表に示す割合で各成分を配合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて不揮発分30質量%に希釈し、ラジカル硬化性組成物を得た。
表中の各成分の詳細は以下の通り。各成分の組成は質量部にて記載している。
・(P1−1):エチレンオキサイド変性オルソフェニルフェノールアクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM−106」、一分子中のエチレンオキサイド鎖の平均繰り返し単位数=1)
・(P2−1):トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製「ビスコート#295」)
・(P3−1):下記構造式で表される化合物(大阪ガスケミカル株式会社製「オグソールEA−0200」)
(式中mとnとの和は平均で2である。)
・光重合開始剤(1):BASF社製「イルガキュア369」
・光重合開始剤(2):BASF社製「イルガキュア184」
〈塗工性の評価〉
硬化性組成物をそれぞれ易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)にアプリケーターを用いて塗布し、樹脂皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを作製した。得られた塗膜について下記基準で目視評価した。
A:はじきがなく、平滑な塗膜が形成された。
B:はじき等が生じ平滑な塗膜が形成されない。
〈硬化物の製造〉
硬化性組成物をそれぞれ易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)にアプリケーターを用いて塗布し、高圧水銀灯のコンベア式紫外線照射装置を用い、窒素雰囲気下で1000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを作製した。
〈硬化塗膜での転落角評価〉
塗膜表面の転落角の評価は、水の転落角を測定して行った。なお、滑り性の評価には、協和界面科学社製DM−500を用いた。基材の上に50μLの水滴を滴下し、2度/秒のスピードで20°にステージを傾け、水滴が動き出した場合を○、動き出さなかった場合を×とした。
〈硬化物の耐久性評価〉
硬化物の製造で作製した硬化膜に対し、耐久性を調べるために、紫外線(255±10W/cm)を1200時間照射した後、上記方法により水転落角を測定した。
表中の*は未実施を示す。
表中の*は未実施を示す。
[カチオン重合性樹脂に添加するタイプの組成物の調製と評価]
〈硬化性組成物の製造〉
上記で得られたカリックスアレーン化合物、カチオン硬化性化合物としてセロキサイドCELL−2021P(液状脂環式エポキシ樹脂、エポキシ当量131、ダイセル化学工業社製)、及び、潜在性カチオン触媒SI−100L(三新化学工業社製)を表7および表8に従って配合し、カチオン重合性樹脂組成物を得た。当該樹脂組成物を後述の方法(硬化工程)により硬化させ、硬化物を得た。
表中の各成分の詳細は以下の通り。各成分の組成は質量部にて記載している。
・CELL−2021P:液状脂環式エポキシ樹脂『セロキサイドCELL−2021P』、エポキシ当量131、重量平均分子量260、ダイセル化学工業社製
・YX−8000:液状水添エポキシ樹脂、重量平均分子量409、三菱化学社製
・OXT−221:オキセタン樹脂『アロンオキセタンOXT−221』、東亜合成社製
・SI−100L:熱潜在性カチオン硬化触媒『サンエイドSI−100L』(アンチモン系スルホニウム塩(SbF6塩))、三新化学工業社製、固形分50%
〈塗工性の評価〉
硬化性組成物をそれぞれ易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)にアプリケーターを用いて塗布し、樹脂皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを作製した。得られた塗膜について下記基準で目視評価した。
A:はじきがなく、平滑な塗膜が形成された。
B:はじき等が生じ平滑な塗膜が形成されない。
〈硬化物の製造〉
硬化性組成物をそれぞれ易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)にアプリケーターを用いて塗布し、高圧水銀灯のコンベア式紫外線照射装置を用い、窒素雰囲気下で1000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを作製した。
〈硬化塗膜での転落角評価〉
塗膜表面の転落角の評価は、水の転落角を測定して行った。なお、滑り性の評価には、協和界面科学社製DM−500を用いた。基材の上に50μLの水滴を滴下し、2度/秒のスピードで20°にステージを傾け、水滴が動き出した場合を○、動き出さなかった場合を×とした。
〈硬化物の耐久性評価〉
硬化物の製造で作製した硬化膜に対し、耐久性を調べるために、紫外線(255±10W/cm)を1200時間照射した後、上記方法により水転落角を測定した。

Claims (9)

  1. 下記構造式(1)
    (式中Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位である。Rは水素原子、極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかである。Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基の何れかである。nは2〜10の整数である。*は芳香環との結合点である。)
    で表される分子構造を有するカリックスアレーン化合物。
  2. 下記構造式(1−1)又は(1−2)
    (式中Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を有する構造部位である。Rは水素原子、極性基、重合性基、極性基又は重合性基を有する構造部位の何れかである。Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基の何れかである。nは2〜10の整数である。)
    で表される分子構造を有する請求項1記載のカリックスアレーン化合物。
  3. 前記構造式(1)中のRが、下記構造式(2)
    (式中Rはそれぞれ独立に直接結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rは炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基である。Yは直接結合、カルボニル基、酸素原子又は硫黄原子である。)
    で表される構造部位である請求項1記載のカリックスアレーン化合物。
  4. 前記Rが水酸基、チオール基或いはホスフィンオキシド基、又は
    水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホスフィンオキシド基、アルコキシシリル基の何れかの基を有する構造部位である請求項1記載のカリックスアレーン化合物。
  5. 前記Rがビニルオキシ基、エチニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、(2−メチル)グリシジルオキシ基、或いは3−アルキルオキセタニルメチルオキシ基、又は
    ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、エチニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、(2−メチル)グリシジル基、(2−メチル)グリシジルオキシ基、3−アルキルオキセタニルメチル基、3−アルキルオキセタニルメチルオキシ基の何れかの基を有する構造部位である請求項1記載のカリックスアレーン化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のカリックスアレーン化合物を含有する滑水性表面改質剤。
  7. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のカリックスアレーン化合物を基材表面に固定してなる滑水性塗膜。
  8. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のカリックスアレーン化合物と硬化性樹脂とを含有する硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項8記載の硬化性樹脂組成物の硬化膜である滑水性塗膜。
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WO2023181867A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 Agc株式会社 化合物、組成物、表面処理剤、物品の製造方法、及び物品

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