JP2020066577A - (メタ)アクリレート化合物、それを含むコーティング組成物および被覆物品 - Google Patents

(メタ)アクリレート化合物、それを含むコーティング組成物および被覆物品 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐傷付性、強靭な耐衝撃性、および良好な耐候性、特に、耐候クラック性を有する光硬化性のハードコート層を与え得る(メタ)アクリレート化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリレート化合物、それを含むコーティング組成物、およびこのコーティング組成物を用いて形成された被膜を有する被覆物品に関する。
ポリカーボネートおよびポリメチルメタクリレートのような熱可塑性プラスチック基材は、一般に、透明性、高い延性、高い加熱撓み温度、および高寸法安定性など数多くの優れた性質を有している。特に、これらの材料の多くは透明であり、従来、数多くの商用用途においてガラス代替物として使用されている。
しかし、これら熱可塑性プラスチック材料は、引掻傷や摩耗傷を生じ易いため透明度が低下してしまう虞があるのみならず、紫外線による劣化を受け易いため、黄変および表面の白化などの不具合が発生してしまう。
熱可塑性プラスチック材料が有するこれらの問題を解決する方法として、耐擦傷性コーティング、いわゆるハードコートによる被膜を樹脂基材表面に設けることが行われる。
一般的なハードコートとしては、多官能(メタ)アクリレートを使用した光硬化性(メタ)アクリルコーティング組成物が知られている。光硬化性(メタ)アクリルコーティング組成物は、1種以上の多官能(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含み、多官能(メタ)アクリレート中の(メタ)アクリル基の光重合によって架橋して被膜を形成することで、優れた耐傷付性、耐磨耗性、硬度、および化学物質耐性を発現するハードコートが得られる。
この多官能(メタ)アクリレートを活性エネルギー線で硬化したハードコートは、傷や磨耗に対して耐性がある一方で、衝撃を受けた場合に、熱可塑性プラスチック製品全体に亀裂および破損を生じることがしばしばある。
また、屋外で長期に暴露された場合、塗膜の靱性低下によるクラックや、劣化チョーキングを生じることがある。
これらの問題に対して、単官能または二重結合当量の大きな(メタ)アクリレートオリゴマーまたはモノマーを併用することで、ハードコートに柔軟性を付与する方法が用いられる(特許文献1〜3)。
しかし、上記方法では、ハードコートの耐衝撃性が増大する一方、ハードコートの柔軟性と硬度とはトレードオフの関係にあるため、硬度が著しく低下して耐傷付性、耐磨耗性が損なわれてしまうという問題がある。
このように、ハードコートに求められる硬さと衝撃に耐え得る柔軟性および長期の屋外暴露による靱性低下で引き起こされる耐候クラック性とを両立することは非常に困難である。
この点、耐傷付性および耐磨耗性と耐衝撃性を両立することができる方法として、ポリアルキレングリコール誘導体を用いたウレタンアクリレートとシリカ微粒子の組み合わせ(特許文献4)、トリシクロデカンジメタノール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートとシリカ微粒子の組み合わせ(特許文献5)、脂環構造を有するウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物(特許文献6)などによる活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物が提案されている。
しかし、特許文献4〜6記載の組成物から作製された被膜は、ある程度の耐傷付性、耐磨耗性、および耐衝撃性を発揮するものの、屋外で長期に暴露された場合の塗膜クラックやチョーキングが生じる問題は依然として残されている。
また、主鎖骨格に環構造を有する化合物を用いた技術として、炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上有する有機化合物とケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有する環状ポリシロキサンとの付加反応生成物を含有する光学材料用組成物(特許文献7〜11)、炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素とケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する環状ポリシロキサンとの付加反応生成物を含有する光学材料用組成物(特許文献12〜15)が提案されている。
これら環状シロキサン骨格からなる成分を含む組成物は、透明性が高く、高硬度、耐クラック性に優れる成型体が得られるが、これらは付加反応による加熱硬化形式であって、数時間単位の硬化時間が必要である。
さらに、(メタ)アクリル基およびパーフルオロポリエーテル基を有する環状ポリシロキサン(特許文献16,17)や、これら環状ポリシロキサンが2価のパーフルオロポリエーテル基により連結されている化合物(特許文献18)が知られている。
しかし、これらの化合物は、パーフルオロポリエーテル構造に起因する撥水・撥油性、防汚性、滑り性を発現する光硬化性組成物用の添加剤として利用されており、高硬度、耐クラック性を目的としていない。
特開2005−255979号公報 特開2002−212500号公報 特開平6−263809号公報 特開2007−16215号公報 国際公開第2013/114750号 特開2010−215843号公報 特開2002−324920号公報 特開2002−327114号公報 特開2002−327126号公報 特開2002−338833号公報 特開2002−341101号公報 特開2005−89733号公報 特開2005−15666号公報 特開2005−272492号公報 特開2006−63234号公報 特開2010−53114号公報 特開2010−138112号公報 特開2010−285501号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、優れた耐傷付性、強靭な耐衝撃性、および良好な耐候性、特に、耐候クラック性を有する光硬化性のハードコート層を与え得る(メタ)アクリレート化合物、それを含むコーティング組成物、および被覆物品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で表される新規な(メタ)アクリレート化合物が、わずかな製造ステップで容易に製造できることを見出すとともに、この(メタ)アクリレート化合物と、光硬化性の多官能(メタ)アクリレート等の各種バインダー前駆体とを含む組成物が、優れた耐擦傷性、耐クラック性、および耐候性を有するコーティング被膜を与えることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする(メタ)アクリレート化合物、
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、または水素原子を表し、
Yは、フッ素原子を含まない2価の基を表し、
1およびZ2は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価有機基、または水素原子を表すが、これらのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価有機基であり、
n1およびn2は、それぞれ独立して1〜5、かつ、n1+n2=3〜6を満たす整数を表し、
n3およびn4は、それぞれ独立して1〜5、かつ、n3+n4=3〜6を満たす整数を表し、
mは、0〜11の整数を表す。)
2. 前記mが、1〜4の整数である1の(メタ)アクリレート化合物、
3. 前記Z1およびZ2の少なくとも一方が、下記一般式(11)で表される基である1または2の(メタ)アクリレート化合物、
−X−(T−Q)a−(P)b (11)
(式中、Xは、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい2〜3価の飽和炭化水素基を表し、
Tは、−O−(C=O)−NH−を表し(ただし、酸素原子で前記Xと結合し、窒素原子で前記Qと結合する。)、
Qは、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい2〜3価の飽和炭化水素基を表し、
Pは、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、
aは、Xに結合するT−Qの数を表し、Xが2価の場合は1、Xが3価の場合は2であり、
bは、Qに結合する(メタ)アクリロイルオキシ基の数を表し、aが1の場合は1または2、aが2の場合は2、3または4である。)
4. 前記Yが、フッ素原子を含まない多環構造を有する2価の飽和炭化水素基である1〜3のいずれかの(メタ)アクリレート化合物、
5. 前記Yが、下記式(2a)〜(2d)で表される2価の飽和炭化水素基から選ばれる1種または2種以上である4の(メタ)アクリレート化合物、
6. 前記Xが、それぞれ独立して下記式(3)または(4)で示される基である3〜5のいずれかの(メタ)アクリレート化合物、
(式中、1*は、前記式(1)のケイ素原子と結合し、2*は、前記式(11)のTであるウレタン基中の酸素原子と結合している。)
7. 前記Qが、それぞれ独立して下記式(5)または(6)で示される基である3〜6のいずれかの(メタ)アクリレート化合物、
(式中、3*は、前記式(11)のPと結合し、4*は、前記式(11)のTであるウレタン基中の窒素原子と結合している。)
8. 前記R1〜R4がメチル基であり、前記Xが前記式(3)で示される基であり、前記aおよびbが1である3〜7のいずれかの(メタ)アクリレート化合物、
9. 前記n1およびn4が3であり、n2およびn3が1であり、mが1〜3の整数である1〜8のいずれかの(メタ)アクリレート化合物、
10. 下記式(7)
(式中、R1〜R4、Y、n1〜n4、およびmは、前記と同じ意味を表し、
11およびZ12は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基または水素原子を表すが、これらのうち少なくとも1つは水素原子である。)
で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1個以上有する化合物と、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に1個有し、かつ、水酸基を有する化合物とを付加反応させて、下記式(8)
(式中、R1〜R4、Y、n1〜n4、およびmは、前記と同じ意味を表し、
21およびZ22は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、水素原子、または−X−(OH)gを表すが、これらのうち少なくとも1つは−X−(OH)g(Xは、前記と同じ意味を表す。)であり、gは、1または2の整数を表す。)
で表される付加反応生成物を得た後、この付加反応生成物中の水酸基と、下記式(9)
(式中、QおよびPは、前記と同じ意味を表し、hは、1または2の整数を表す。)
で表される化合物中のイソシアネート基とを反応させる3の(メタ)アクリレート化合物の製造方法、
11. 1〜9のいずれかの(メタ)アクリレート化合物および当該(メタ)アクリレート化合物以外のバインダー前駆体を含むコーティング組成物、
12. 前記バインダー前駆体が、少なくとも1種の単官能または多官能(メタ)アクリレートと、少なくとも1種の光重合開始剤とを含む11のコーティング組成物、
13. 前記バインダー前駆体が、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランの加水分解物および加水分解縮合物からなる群から選択される1種以上を含む11または12のコーティング組成物、
14. さらに(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランで表面処理されたコロイダルシリカを含む11〜13のいずれかのコーティング組成物、
15. 紫外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、親水剤、レベリング剤、着色剤、顔料、接着促進剤、赤外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、硬化触媒(ただし、上記12の光重合開始剤を除く)、および金属酸化物微粒子(ただし、上記14のコロイダルシリカを除く)から選ばれる1種または2種以上の添加剤を含む11〜14のいずれかのコーティング組成物、
16. 基材と、この基材上に直接または少なくとも1種の他の層を介して形成された、11〜15のいずれかのコーティング組成物の硬化被膜とを備える被覆物品、
17. 前記基材が、有機樹脂または木材である16の被覆物品
を提供する。
本発明によれば、耐擦傷性を保ちつつ優れた耐クラック性、靱性を有する被膜を与える(メタ)アクリレート化合物を含むコーティング組成物を提供できる。
本発明の(メタ)アクリレート化合物を含むコーティング組成物から作製された被膜は、高度な耐候クラック性を有する。
合成例で用いた化合物(A1)、実施例1で得られた化合物(B1)および(C1)のGPCチャートを示す図である。 実施例2および3で得られた化合物(C2)および(C3)のGPCチャートを示す図である。 合成例で用いた化合物(A1)、実施例1で得られた化合物(B1)および(C1)のIRチャートを示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
式(1)において、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、または水素原子を表す。
1〜R4の1価炭化水素基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、炭素数1〜20のものが好ましい。その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル基等のアルキル基;ビニル、アリル(2−プロペニル)、1−プロペニル、イソプロペニル、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル、トリル、キシリル、ナフチル基等のアリール基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。
これらの中でも、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより一層好ましく、メチル基がさらに好ましい。
なお、上記1価炭化水素基は、その分子鎖内またはSi側末端に酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよく、例えば、炭素数1〜20のアルコキシ基であってもよい。
式(1)において、Yは、フッ素原子を含まない2価の基を表し、この2価の基としては、特に限定されるものではないが、フッ素原子を含まない多環構造を有する2価の飽和炭化水素基が好ましく、下記式(2a)〜(2d)および(10a)〜(10f)で表される基がより好ましく、式(2a)〜(2d)で表される基がより一層好ましい。
なお、下記式で表される非対称な2価の炭化水素基は、その左右方向が下記のとおりに限定されるものではなく、個々の下記式を紙面上で180°回転させた構造であってもよい。また、下記式で表される炭化水素基は、それぞれの構造を組み合わせたものであってもよい。
式(1)において、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価有機基、または水素原子を表すが、これらのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価有機基である。
1およびZ2の1価炭化水素基は、上記R1〜R4で例示した基と同様のものが挙げられる。
また、Z1およびZ2の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価有機基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含むものであれば特に限定されるものではないが、本発明では、特に下記式(11)で表される基が好ましい。
−X−(T−Q)a−(P)b (11)
ここで、Xは、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい2〜3価の飽和炭化水素基を表し、Tは、ウレタン基−O−(C=O)−NH−を表し(ただし、酸素原子で上記Xと結合し、窒素原子で前記Qと結合する。)、Qは、互いに独立して、フッ素原子は含まず、かつ酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい2〜3価の飽和炭化水素基を表し、Pは、(メタ)アクリロイルオキシ基を表す。
式(11)において、Xの2〜3価の飽和炭化水素基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、合成の容易性や、原料の入手容易性などを考慮すると、下記式(3)または(4)で表される基が好ましく、下記式(3)で表される基がより好ましい。
(式中、1*は、上記式(1)のケイ素原子と結合し、2*は、上記式(11)のTであるウレタン基中の酸素原子と結合している。)
式(11)において、Qの2〜3価の飽和炭化水素基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、−CH2−、−CH2CH2−(式(5))、−CH(CH3)CH2−、−(CH24−、−CH(CH3)CH2CH2−、−C(CH32CH2−、=CH−、=CHCH2−、=C(CH3)CH2−、−C(CH3)(CH2−)2(式(6))等の炭素数1〜5の直鎖または分岐の2〜3価の飽和炭化水素基が挙げられる。なお、上記「=」は2重結合ではなく、結合手が2本あることを示す。
これらの中でも、合成の容易性や、原料の入手容易性などを考慮すると、下記式(5)または(6)で表される基が好ましく、下記式(5)で表される基がより好ましい。
(式中、3*は、上記式(11)のPと結合し、4*は、上記式(11)のTであるウレタン基中の窒素原子と結合している。)
式(11)において、Tは、ウレタン基−O−(C=O)−NH−であり、T中の酸素原子でXと結合している。
また、Pは、(メタ)アクリロイルオキシ基であり、具体的には、下記一般式(12)で表される。
(式中、R8は、水素原子またはメチル基を表す。)
式(11)において、aは、Xに結合するQ−Tの数を表し、Xが2価の場合は1、Xが3価の場合は2であり、bは、Qに結合する(メタ)アクリロイルオキシ基の数を表し、aが1の場合は1または2、aが2の場合は2、3または4である。aは1が好ましく、bは1が好ましい。
式(1)において、n1およびn2は、それぞれ独立して1〜5、かつ、n1+n2=3〜6を満たす整数を表し、n3およびn4は、それぞれ独立して1〜5、かつ、n3+n4=3〜6を満たす整数を表すが、特に、n1およびn4が3であり、n2およびn3が1であることが好ましい。
また、mは、0〜11の整数を表すが、1〜3の整数が好ましい。なお、mが0の場合、Z2は、n2が付された括弧内のSi原子に直接結合する態様となる。
上記式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物としては、原料の入手が容易であり、多官能(メタ)アクリレートなどの比較的極性の高いバインダー前駆体への相溶性に優れ、また、光硬化性が優れることから、下記(13)〜(15)で表される化合物が好ましいが、これらに限定されるものではない。
(式中、m1は、2〜11の整数を表す。)
本発明の(メタ)アクリレート化合物は、例えば、一般的なエステル交換反応やウレタン化反応を組み合わせる手法によって製造できるが、特に、下記式(7)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1個以上有する化合物と、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に1個有し、かつ水酸基を有する化合物とを付加反応させて、下記式(8)で表される付加反応生成物とした後(工程1)、さらにこの付加反応生成物中の水酸基と、下記式(9)で表される化合物中のイソシアネート基とを反応させる(工程2)方法が好適である。
上記各式中、R1〜R4、Y、n1〜n4、m、Q、およびPは、上記と同じ意味を表し、Z11、Z12は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基または水素原子を表すが、これらのうち少なくとも1つは水素原子であり、Z21、Z22は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、水素原子、または−X−(OH)gを表し、これらのうち少なくとも1つは−X−(OH)g(Xは、上記と同じ意味を表す。)であり、gは、1または2の整数を表し、hは、1または2の整数を表す。なお、hが2を超える式(9)で表される化合物は、合成および入手が困難である。
11、Z12、Z21およびZ22の1価炭化水素基としては、上記R1〜R4で例示した基と同様のものが挙げられる。
(1)工程1
工程1で用いられる上記式(7)で表される化合物としては、環状ポリシロキサン骨格および場合によりフッ素原子を含まない2価の基Yを有し、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1個以上有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、その具体例としては、1,3,5,7−シクロテトラシロキサンおよび下記式(16)で表される化合物などが挙げられる。
なお、工程1において、上記式(7)で表される化合物は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(式中、m2は、1〜11の整数を表し、Meは、メチル基を意味する。)
一方、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に1個有し、かつ、水酸基を有する化合物としても特に限定されるものではないが、本発明では、アリルアルコール、アリルグリコール(エチレングリコールモノアリルエーテル)、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール等が好適である。
当該化合物の使用量は、上記式(7)で表される化合物中のケイ素原子に結合した水素原子1モルに対して、1モル超10モル以下が好ましく、2モル超5モル以下がより好ましい。
なお、工程1の反応では、触媒を用いてもよい。
触媒としては、通常ヒドロシリル化付加反応に用いられている公知の触媒を用いることができ、例えば、白金金属を担持したカーボン粉末、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒などが挙げられる。
触媒の使用量は、副反応を防止して生成物の着色を防止することを考慮すると、上記式(7)で表される化合物の全量に対して、2質量%以下が好ましく、5〜5,000ppmがより好ましい。
また、工程1の反応では、溶媒を用いてもよい。
溶媒としては、上記式(7)で表される化合物および付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に1個有し、かつ、水酸基を有する化合物を溶解できるものが好ましい。
使用できる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
工程1の反応温度は、反応時間の短縮化による生産性向上および副反応を防止して生成物の着色防止の観点から、10〜200℃が好ましく、20〜150℃がより好ましい。
(2)工程2
上記式(9)で表される化合物は、市販品として入手することができ、市販品としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名「カレンズAOI」,昭和電工(株)製)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名「カレンズBEI」,昭和電工(株)製)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名「カレンズMOI」,昭和電工(株)製)などが挙げられる。
工程2の反応において、上記式(9)で表される化合物の使用量は、特に限定されるものではなく、式(8)で表される化合物中の水酸基の数によって調整すればよいが、式(8)で表される化合物中の水酸基に対し、式(9)で表される化合物中のイソシアネート基が等モル量となる量が好ましく、特に、イソシアネート基が残存する場合、コーティング組成物にした際の貯蔵安定性が低下する傾向にあるため、反応生成物中にイソシアネート基が残存しないように、式(8)で表される化合物および式(9)で表される化合物の使用比率を調整することが好ましい。
なお、ウレタン化反応の際には、(メタ)アクリルオキシ基の重合を抑制するため、p−メトキシフェノールなどの重合禁止剤を使用してもよい。
また、反応雰囲気を大気下または4質量%酸素を含む窒素雰囲気下で行うことでも重合を抑制することができ、これらを併用してもよい。
工程2の反応では、触媒を用いてもよい。
触媒としては、通常ウレタン化反応に用いられている公知の触媒を用いることができ、例えば、スズ系やアミン系の触媒を用いることができる。
触媒の使用量は、副反応を抑制して生成物の着色を防止することを考慮すると、上記式(8)で表される化合物および式(9)で表される化合物の全量に対して、0〜1質量%が好ましく、10〜5,000ppmがより好ましい。
工程2の反応では、溶媒を用いてもよい。
使用できる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
特に、溶媒としては、上記式(8)で表される化合物を溶解できるものであって、かつ副生物の生成を防止する観点から活性水素を有しないものが好ましい。特に、工程2の反応物から溶媒を除去せずにコーティング組成物を調製できることから、コーティング組成物の調製時に用いる溶媒を使用するのがより好ましい。
また、反応系から水を除去する目的で、共沸脱水やモレキュラーシーブスなどの脱水処理を行ってもよい。
工程2の反応温度は、反応時間の短縮化による生産性向上および副反応を防止して生成物の着色防止の観点から、10〜200℃が好ましく、20〜150℃がより好ましい。
本発明のコーティング組成物は、上述した本発明の(メタ)アクリレート化合物と当該(メタ)アクリレート化合物以外のバインダー前駆体とを含んで構成される。
バインダー前駆体としては、本発明の(メタ)アクリレート化合物以外の物質であって、コーティングバインダーとなり得るものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂系、単官能または多官能(メタ)アクリレートからなる光硬化性(メタ)アクリル系、単官能または多官能エポキシ化合物からなる光または熱硬化型のエポキシ系、シラノールによる熱硬化型のシリコーン系などの各種バインダー前駆体が挙げられる。
これらの中でも、生産性および耐久性の観点から、単官能または多官能(メタ)アクリレートからなる光硬化性(メタ)アクリル系バインダー前駆体が好ましい。
光硬化性(メタ)アクリル系バインダー前駆体となる単官能または多官能(メタ)アクリレートとしては、光硬化性であれば特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシシランの加水分解物/縮合物やコロイダルシリカと(メタ)アクリロイルオキシアルコキシシランとを加水分解縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和結合を有する単官能(メタ)アクリレート、または多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられ、塗膜の要求性能に応じて適宜選択すればよい。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルフォリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(繰り返し単位数(以下「n」と記載する)=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジアクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルジイソシアネートとポリ(n=6−15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンとコハク酸および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンとコハク酸、エチレングリコールおよび(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートの具体例としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランを、またはその他のシランとの混合物を、場合によってコロイダルシリカ存在下で、(共)加水分解縮合することによって得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記光硬化性(メタ)アクリル系バインダー前駆体は、単独で用いてもよいが、必要に応じて複数を組み合わせて用いることが好ましい。
特に、1〜2種類の多官能(メタ)アクリレートと、1分子内に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和二重結合を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物および(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランの加水分解物または加水分解縮合物から選択される1種以上との組み合わせが適している。
中でも、耐熱性、耐薬品性、耐久性、基材との密着性に優れた塗膜を得ることを考慮すると、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、モノまたはポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、1分子内に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和二重結合を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート、およびポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕(イソ)シアヌレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシシラン単独もしくはその他のシランとの(共)加水分解物/縮合物、またはコロイダルシリカと(メタ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシシラン単独もしくはその他のシランとを(共)加水分解・縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートなどの組み合わせが好適である。
本発明のコーティング組成物中における、本発明の(メタ)アクリレート化合物の含有量は、当該組成物から得られる硬化塗膜の耐候クラック性を高めるとともに、耐擦傷性および基材への密着性を高めることを考慮すると、(メタ)アクリレート化合物とバインダー前駆体との合計100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、5〜90質量部がより好ましい。
また、本発明のコーティング組成物は、光重合開始剤を含んでいてもよい。
光重合開始剤は、コーティング組成物中での相溶性および硬化性の観点から適宜選択すればよく、その具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどのリン酸化合物;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1やカンファーキノン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用して用いてもよく、要求される塗膜性能に応じて、任意に組み合わせることができる。
光重合開始剤を用いる場合、組成物中におけるその含有量は、得られる塗膜の硬化速度を適度にし、硬化塗膜の耐擦傷性および基材への密着性を向上させるとともに、着色や耐候性の低下を防止することを考慮すると、(メタ)アクリレート化合物とバインダー前駆体の合計100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましい。
また、本発明のコーティング組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤を添加してもよい。
このような添加剤としては、紫外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、レベリング剤、着色剤、顔料、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、接着促進剤、赤外線吸収剤、光安定剤、上述した光重合開始剤以外の硬化触媒、上述した(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランで表面処理されたコロイダルシリカ以外の金属酸化物微粒子等が挙げられる。
特に、紫外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、レベリング剤、着色剤、顔料、接着促進剤、赤外線吸収剤、光安定剤、上記光重合開始剤以外の硬化触媒、上記(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランで表面処理されたコロイダルシリカ以外の金属酸化物微粒子を含む群から選択された1以上の添加剤を含むことが好ましい。
さらに、本発明のコーティング組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。
有機溶剤は、塗装方法に応じて選択して用いることが好ましい。
例えば、スプレー塗装に使用する場合には、イソブタノール等のアルコール系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール系溶剤、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤を任意に組み合わせ、コーティング組成物の粘度を20mPa・s以下にすることが好ましく、シャワーフローコートやディップコートによる塗装に使用する場合には、コーティング組成物の粘度を100mPa・s以下にすることが好ましい。
なお、固形分が80質量%を超えるハイソリッド型コーティング組成物の場合では、各種添加剤の溶解性を考慮し、溶剤を適宜選択することが重要となる。
本発明のコーティング組成物を、各種基材に塗布して硬化させることにより、硬化塗膜を作製することができる。
硬化方法は、加熱および/または光で硬化させる方法が挙げられるが、生産性の面から光硬化が好ましい。
光により硬化させる際には、コーティング組成物を基材上に規定の膜厚が形成されるように塗布し、その後、必要に応じて溶剤を揮発させた後、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ等を用いて、紫外線や電子線などを照射する。照射する雰囲気は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
基材としては、プラスチック成形体等の有機樹脂、木材系製品、繊維、セラミックス、ガラス、金属、またはそれらの複合物等が挙げられ、特に限定されることはないが、本発明のコーティング組成物は、各種プラスチック材料に好適に使用できる。
特に、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAとエチレングリコールの重縮合物、アクリルウレタン樹脂、ハロゲン化アリール基含有アクリル樹脂、含硫黄樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、セルロース樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、およびこれらの複合化樹脂等に好適に使用できる。
さらに、これらの樹脂基材の表面が処理されたもの、具体的には、化成処理、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液処理されたものを用いることもでき、また、表層が基材本体と異なる種類の樹脂で被覆された積層体を用いることもできる。
積層体の具体例としては、共押出法やラミネート法により製造されたポリカーボネート樹脂基材の表層にアクリル樹脂層もしくはウレタン樹脂層が存在する積層体や、ポリエステル樹脂基材の表層にアクリル樹脂層が存在する積層体等が挙げられる。
なお、コーティング組成物は、基材表面に直接塗布しても、また必要に応じてプライマー層や紫外線吸収層、印刷層、記録層、熱線遮蔽層、粘着層、無機蒸着膜層等を介して形塗布してもよい。
塗工方法は、例えば、スピンコーター、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、スクリーン塗工、浸漬塗工、キャスト塗工等の公知の塗工方法から適宜選択して用いることができる。
本発明のコーティング組成物から作製される塗膜の厚みは特に制限はないが、塗膜欠損を防止して充分な耐擦傷性を発揮させるとともに、クラックの発生を防止することを考慮すると、0.1〜50μmが好ましく、さらに、塗膜の硬さ、耐擦傷性、長期的に安定な密着性およびクラックが発生しにくいという特性を良好に発揮させることを考慮すると、1〜30μmがより好ましい。
さらに、必要に応じて、本発明のコーティング組成物の硬化塗膜の表面上に、接着層、紫外線吸収層、印刷層、記録層、熱線遮蔽層、粘着層、無機蒸着膜層、撥水撥油層、親水防汚層などの他の被覆層を形成してもよい。
本発明のコーティング組成物から得られる硬化塗膜は、上述のとおり、耐擦傷性に優れるものであるが、もう一段の耐擦傷性を得るために、無機蒸着膜層を本塗膜上に被覆してもよい。
無機蒸着膜層としては、乾式成膜工法で形成されたものであれば特に制限されるものではなく、例えば、Si、Ti、Zn、Al、Ga、In、Ce、Bi、Sb、B、Zr、Sn、およびTa等の元素を有する少なくとも1種以上の各種金属、これら金属の酸化物、窒化物および硫化物等を主成分とする層が挙げられる。また、例えば、高硬度で絶縁性に優れたダイヤモンドライクカーボン膜層も挙げられる。
無機蒸着膜層の積層方法は、乾式成膜工法であれば特に限定されず、例えば、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシー法、イオンビームデポジション、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理気相成長法や、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD、catCVD等の化学気相成長法等の乾式成膜工法が挙げることができる。
このようにして得られた本発明のコーティング組成物の硬化物にて被覆された被覆物品は、耐擦傷性および耐候性、特に耐候クラック性に優れたものとなり得る。
本発明のコーティング組成物は、特に屋外で使用される物品用の光硬化型コーティング組成物として用いることが好ましい。
特に、自動車のヘッドランプレンズ、車両センサー、樹脂ガラスの表面塗装用に用いられることが好ましい。これらの基材はポリカーボネートであり、ポリカーボネートは高い耐衝撃性、耐熱性、透明性および軽さを兼ね備えているため、通常よく用いられる。しかしポリカーボネートは、耐薬品性、耐候性、耐擦傷性といった性能が不足していることから、本発明のコーティング組成物を用いて表面を被覆し、それらの性能の向上を図ることが好適である。
また、本発明のコーティング組成物からなる塗膜で被覆されたポリカーボネートは、黄変、塗膜の耐候クラックを防ぐことができ、さらに、表面硬度はガラス並みであり、軽量で、かつ易成形性を兼ね備えるため、自動車のヘッドランプレンズ、車両センサー、車両用窓、屋外の看板、温室や屋外建物の窓ガラス、テラスやガレージの屋根、バルコニー、計器類カバーなど多岐に使用できる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、下記の例において、特に断らない限り、「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。また、実施例で用いた各装置は以下のとおりである。
(1)GPC測定条件
装置:東ソー(株)製 HLC−8320GPC
カラム:東ソー(株)製 TSKgel G4000HXL+G3000HXL+G2000HXL+G2000HXL(各内径6mm、長さ150mm)
展開溶液:テトラヒドロフラン
カラム槽温度:40℃
流速:1mL/min
検出器:屈折率(RI)
標準:単分散ポリスチレン
(2)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)測定条件
装置:BRUKER社製 AVANCE III 400
溶媒:CDCl3
内部標準:テトラメチルシラン(TMS)
(3)赤外吸収スペクトル(IR)測定条件
装置:Thermo Fisher社製 Nicolet 6700
[1]環状シロキサン骨格を有するヒドロシラン化合物の合成
[合成例1]
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、トルエン80gおよび1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン115.2g(0.48モル)を加え、オイルバスを用いて117℃に加熱した。これに、5%の白金金属を担持したカーボン粉末0.05gを添加し、撹拌しながらビニルノルボルネン(商品名:V0062、東京化成工業(株)製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2―エンとの略等モル量の異性体混合物)48g(0.4モル)を16分間かけて滴下した。滴下終了後、125℃で16時間加熱撹拌し、室温まで冷却した。その後、白金金属担持カーボンをろ過して除去し、トルエンを減圧留去して、無色透明な粘ちょう液体(A1)を得た。このものの25℃における粘度は2,500mm2/s、含有するSiHの量は、平均して7.2ミリモル/gであった。
上記A1をIR、1H−NMR、GPC等により分析した結果、このものは下記に示す混合物であることが判明した。
・テトラメチルシクロテトラシロキサン環を1個有する化合物:約6モル%(下記式(17)に代表的な構造式の一例を示す。)
・テトラメチルシクロテトラシロキサン環を2個有する化合物:約25モル%(下記式(18)に代表的な構造式の一例を示す。)
・テトラメチルシクロテトラシロキサン環を3個有する化合物:約16モル%(下記式(19)、m=2に代表的な構造式の一例を示す)
・テトラメチルシクロテトラシロキサン環を4個有する:約11モル%(上記式(19)、m=3に代表的な構造式の一例を示す。)
・シクロテトラシロキサン環を5〜12個有する化合物:残余(上記式(19)、m=4〜11に代表的な構造式の一例を示す。)
[2](メタ)アクリレート化合物の合成
[実施例1]
1Lのフラスコに、アリルグリコール110g(1.08モル)、ジブチルヒドロキシトルエン0.04g、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のエタノール溶液(白金濃度3%)0.7g、およびイソプロパノール100gを仕込み、窒素雰囲気下、75℃にて加熱撹拌した。次いで、合成例で得られたA1 100g(0.72モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で反応し、続いて5mmHgにて80℃で2時間減圧濃縮を行った。得られた溶液にトルエン273gおよび酢酸エチル200gを加えてよく撹拌した後、10%の塩化ナトリウム水溶液240gを3回に分けて水洗した。上層を5mmHgにて80℃3時間減圧留去して、無色透明の粘ちょう液体152gを得た。
この液体の粘度は170.5Pa・s、屈折率1.4820、水酸基価は155であった。GPC、1H−NMR、およびIRの結果から、この液体は下記式(20)で示される混合物(B1、m=1〜11)であることが確認された。
続いて、500mLのフラスコに、上記で得られた混合物(B1)100g、酢酸エチル100g、ジブチルヒドロキシトルエン0.2g、およびジオクチルスズオキシド0.1gを仕込み、4%酸素−窒素雰囲気下、80℃にて加熱撹拌した。次いで、カレンズAOI(昭和電工(株)製;2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート)58.3g(0.41モル)を滴下した後、80℃で5時間反応させた。室温まで冷却した後、IRを測定するとNCO由来の吸収ピーク(2,260cm-1)がほぼ消失しており、原料であるカレンズAOIの消費を確認した。次いで、濾紙を用いて濾過し、粘度82.4mm2/s、105℃、3時間での不揮発分、66.2%の無色透明液体247gを得た。GPC、1H−NMR、およびIRの結果から、この液体は下記式(21)で示される混合物(C1、m=1〜11)の酢酸エチル溶液であることが確認された。
[実施例2]
200mLのフラスコに、上記で得られた混合物(B1)30g、酢酸エチル50g、ジブチルヒドロキシトルエン0.04g、およびジオクチルスズオキシド0.03gを仕込み、4%酸素−窒素雰囲気下、80℃にて加熱撹拌した。次いで、カレンズBEI(昭和電工(株)製;1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート)29g(0.12モル)を滴下した後、80℃で5時間反応させた。室温まで冷却した後、IRを測定するとNCO由来の吸収ピーク(2,260cm-1)がほぼ消失しており、原料であるカレンズBEIの消費を確認した。次いで、濾紙を用いて濾過し、105℃、3時間での不揮発分、64.8%の無色透明液体89gを得た。GPC、1H−NMR、およびIRの結果から、この液体は下記式(22)で示される混合物(C2、m=1〜11)の酢酸エチル溶液であることが確認された。
[実施例3]
1Lのフラスコに、アリルグリコール306g(3モル)、ジブチルヒドロキシトルエン0.08g、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のエタノール溶液(白金濃度3%)0.9g、およびイソプロパノール150gを仕込み、窒素雰囲気下、75℃にて加熱撹拌した。次いで、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン120g(0.72モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で反応し、続いて5mmHgにて80℃で2時間減圧濃縮を行った。得られた溶液にトルエン250gを加えよく撹拌した後、10%の塩化ナトリウム水溶液400gを4回に分けて水洗した。上層を5mmHgにて80℃3時間減圧留去して、無色透明液体295gを得た。この液体の粘度は579mm2/s、屈折率1.4630、水酸基価は163であった。GPC、1H−NMR、およびIRの結果から、この液体は下記式(23)で示される化合物(B3)であることが確認された。
次いで、1Lのフラスコに、化合物(B3)162g、酢酸エチル162g、ジブチルヒドロキシトルエン0.08g、およびジオクチルスズオキシド0.04gを仕込み、4%酸素−窒素雰囲気下、80℃にて加熱撹拌した。次いで、カレンズAOI(昭和電工(株)製;2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート)148g(1.05モル)を滴下した後、80℃で5時間反応させた。室温まで冷却した後、IRを測定するとNCO由来の吸収ピーク(2,260cm-1)がほぼ消失しており、原料であるカレンズBEIの消費を確認した。次いで、濾紙を用いて濾過し、105℃、3時間での不揮発分、68.7%の無色透明液体459gを得た。GPC、1H−NMR、およびIRの結果から、この液体は下記式(24)で示される化合物(C3)の酢酸エチル溶液であることが確認された。
[参考例1]アクリルシラン加水分解縮合物
KBM5103(商品名、信越化学工業(株)製、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)142部、イソプロピルアルコール500部、メトキノン0.1部、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド1.0部、および脱イオン水20部を配合し、20℃で24時間反応させ、無色透明の液体を得た。減圧留去にて濃縮し、無色透明の液体であるアクリルシラン加水分解縮合物(5103SQ)を得た。この不揮発分は99.3%、重量平均分子量は1,900であった。
[参考例2]アクリルシランで表面処理したコロイダルシリカ
KBM5103(商品名、信越化学工業(株)製、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)2.8部、メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST(商品名、日産化学(株)製、数平均粒子径45nm、シリカ濃度30%)95.6部(固形分27.4部)およびイオン交換水0.1部の混合液を、80℃で3時間撹拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱撹拌することで表面処理シリカ粒子分散液を得た。固形分含量を求めたところ32%であった。このシリカ粒子の平均粒子径は45nmであった。
[参考例3]
特開2003−327626号公報の実施例6に記載された方法を用いて、下記式で表される1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物SPHEAを合成した。
[参考例4]
特開2003−327626号公報の実施例3に記載された方法を用いて、下記式で表される1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンと3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートとの反応生成物SPAMAを合成した。
[3]コーティング組成物の調製
[実施例4]
実施例1で得られた混合物(C1)8.6部、アロニックスM403(東亞合成(株)製、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート)4部、HDDA(ダイセルサイテック社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)2.5部、IRGACURE184(BASF社製重合開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)0.23部、LUCILIN TPO(BASF社製重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)0.23部、レベリング剤としてKP341(信越化学工業(株)製、ポリエーテル変性シリコーン)0.02部、紫外線吸収剤としてTINUVIN400(BASF社製、トリアジン系紫外線吸収剤)2.5部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル17.4部を配合し、光硬化性コーティング組成物(D1)を調製した。
[実施例5〜13、比較例1〜6]
実施例1〜3で得られた化合物および参考例1〜4の化合物を用い、表1,2に記載の配合で、実施例4と同様の操作でコーティング組成物(D2〜D10,R1〜R6)を調製した。これらコーティング組成物を三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ポリカーボネートNF−2000シート(厚さ4mm×長さ15cm×幅10cm)の表面に流し塗り法により塗布した後、5分間風乾し、さらに80℃にて1分間加熱の後、高圧水銀灯を用いて600mJ/cm2の照射量で光照射して塗膜を硬化させ、試験片を得た。
上記実施例および比較例で得られた塗膜に関して、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)塗膜外観
塗膜を目視で観察し、異常の有無を判定した。
○:異常なし
△:着色あり
×:異物、ムラ、白化の異常あり
(2)初期ヘイズ
日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH5000SPを用いて、塗工シートの曇価を測定し、初期ヘイズとした。
(3)耐擦傷性
ASTM1044に準じ、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着、荷重500g下での500回転後の曇価を測定し、試験後と試験前の曇価差を耐擦傷性とした。
(4)初期密着性
JIS K5600に準じ、カミソリ刃を用いて、塗膜に2mm間隔で縦、横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作製し、セロテープ(登録商標、ニチバン(株)製)をよく付着させた後、90°手前方向に急激に剥がしたとき、塗膜が剥離せずに残存したマス目数(X)を、X/25で表示した。
(5)煮沸密着性
評価サンプルを、沸騰水に2時間浸漬した後の密着性を、上記初期密着性と同様に評価した。
(6)耐候性評価
岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスターW−151を使用し、[ブラックパネル温度63℃、湿度50%RH、照度50mW/cm2、降雨10秒/1時間で5時間]→[ブラックパネル温度30℃、湿度95%RHで1時間]を1サイクルとして、このサイクルを繰り返す条件で100時間、200時間、300時間の試験を行った。耐候性試験後の被膜の状態を目視又は顕微鏡(倍率250倍)にて観察、下記の基準で評価した。
○:異常なし
△:僅かに異常あり(クラック、白化、もしくは一部剥離)
×:塗膜全体にクラック、白化、もしくは全面剥離あり
また日本電色工業(株)製色差計300Aを用いて、各時間での黄変度を測定、初期の黄変度との差を求め、これを黄変度変化(ΔYI)とした。
表1,2中の略語は次の通りである。
他のアクリレート
SPHEA:特開2003−327626の実施例6に記載の方法で合成した1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物(参考例3参照)
SPAMA:特開2003−327626の実施例6に記載の方法で合成した1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンと3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートとの反応生成物(参考例4参照)
BPADA:ABE−300(商品名、新中村化学工業(株)製、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート)
TCDDA:A−DCP(商品名、新中村化学工業(株)製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)
A−M403:アロニックスM403(商品名、東亞合成(株)製、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート)
HDDA:HDDA(商品名、ダイセルサイテック社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)
U−4HA:ウレタンアクリレートU−4HA(商品名、新中村化学工業(株)製、無黄変タイプ)
5103SQ:KBM5103(商品名、信越化学工業(株)製、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)の加水分解縮合物(参考例1参照)
光重合開始剤
I184:IRGACURE184(商品名、BASF社製、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
L−TPO:LUCIRIN−TPO(商品名、BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)
添加剤
KP341:KP341(商品名、信越化学工業(株)製、ポリエーテル変性シリコーン)
シリカ:KBM5103(商品名、信越化学工業(株)製、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)にて表面処理したシリカ粒子分散液(参考例2参照)
T400:TINUVIN400(商品名:BASF社製、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤)
溶剤
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
表1,2に示されるように、実施例4〜13(D1〜D10)で作製した被膜は、本発明の(メタ)アクリレート化合物を含まない比較例1,2(R1,R2)で作製した被膜に比べ、耐擦傷性では劣るものの、耐候性、特に耐候クラック性は大幅に向上していた。
また、驚くべきことに、本発明の(メタ)アクリレート化合物の配合量が多くなるほど、耐候性試験後の黄変度変化(ΔYI)は小さいことがわかる。
さらに、表面処理シリカを配合した実施例6〜13(D3〜D10)で作製した被膜は、耐候クラック性は維持しながら、耐擦傷性も向上していることがわかる。
実施例12,13(D9,D10)の1つのシクロテトラシロキサンを有する(メタ)アクリレートを含むコーティング組成物から得られた被膜は、実施例4〜11(D1〜D8)の複数のシクロテトラシロキサンを有する(メタ)アクリレートに比べて、耐候性でやや劣っていることがわかる。
一方、本発明の(メタ)アクリレートの代わりに他の(メタ)アクリレートを配合した比較例1〜6(R1〜R6)で作製した被膜は、耐擦傷性は実施例4〜7(D1〜D4)とほぼ同レベルであるが、煮沸密着性および耐候性の面で大きく劣っていることがわかる。これは、おそらく本発明の(メタ)アクリレート化合物中の主鎖が剛直であるため、(メタ)アクリル架橋部の自由度を低下させているので、耐クラック性が向上したものと推定される。
これらの結果から、本発明の(メタ)アクリレート化合物の効果は明らかである。

Claims (17)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする(メタ)アクリレート化合物。
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、または水素原子を表し、
    Yは、フッ素原子を含まない2価の基を表し、
    1およびZ2は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価有機基、または水素原子を表すが、これらのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価有機基であり、
    n1およびn2は、それぞれ独立して1〜5、かつ、n1+n2=3〜6を満たす整数を表し、
    n3およびn4は、それぞれ独立して1〜5、かつ、n3+n4=3〜6を満たす整数を表し、
    mは、0〜11の整数を表す。)
  2. 前記mが、1〜4の整数である請求項1記載の(メタ)アクリレート化合物。
  3. 前記Z1およびZ2の少なくとも一方が、下記一般式(11)で表される基である請求項1または2記載の(メタ)アクリレート化合物。
    −X−(T−Q)a−(P)b (11)
    (式中、Xは、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい2〜3価の飽和炭化水素基を表し、
    Tは、−O−(C=O)−NH−を表し(ただし、酸素原子で前記Xと結合し、窒素原子で前記Qと結合する。)、
    Qは、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい2〜3価の飽和炭化水素基を表し、
    Pは、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、
    aは、Xに結合するT−Qの数を表し、Xが2価の場合は1、Xが3価の場合は2であり、
    bは、Qに結合する(メタ)アクリロイルオキシ基の数を表し、aが1の場合は1または2、aが2の場合は2、3または4である。)
  4. 前記Yが、フッ素原子を含まない多環構造を有する2価の飽和炭化水素基である請求項1〜3のいずれか1項記載の(メタ)アクリレート化合物。
  5. 前記Yが、下記式(2a)〜(2d)で表される2価の飽和炭化水素基から選ばれる1種または2種以上である請求項4記載の(メタ)アクリレート化合物。
  6. 前記Xが、それぞれ独立して下記式(3)または(4)で示される基である請求項3〜5のいずれか1項記載の(メタ)アクリレート化合物。
    (式中、1*は、前記式(1)のケイ素原子と結合し、2*は、前記式(11)のTであるウレタン基中の酸素原子と結合している。)
  7. 前記Qが、それぞれ独立して下記式(5)または(6)で示される基である請求項3〜6のいずれか1項記載の(メタ)アクリレート化合物。
    (式中、3*は、前記式(11)のPと結合し、4*は、前記式(11)のTであるウレタン基中の窒素原子と結合している。)
  8. 前記R1〜R4がメチル基であり、前記Xが前記式(3)で示される基であり、前記aおよびbが1である請求項3〜7のいずれか1項記載の(メタ)アクリレート化合物。
  9. 前記n1およびn4が3であり、n2およびn3が1であり、mが1〜3の整数である請求項1〜8のいずれか1項記載の(メタ)アクリレート化合物。
  10. 下記式(7)
    (式中、R1〜R4、Y、n1〜n4、およびmは、前記と同じ意味を表し、
    11およびZ12は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基または水素原子を表すが、これらのうち少なくとも1つは水素原子である。)
    で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1個以上有する化合物と、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に1個有し、かつ、水酸基を有する化合物とを付加反応させて、下記式(8)
    (式中、R1〜R4、Y、n1〜n4、およびmは、前記と同じ意味を表し、
    21およびZ22は、それぞれ独立して、フッ素原子を含まず、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリン原子から選ばれる少なくとも1種が介在していてもよい1価の炭化水素基、水素原子、または−X−(OH)gを表すが、これらのうち少なくとも1つは−X−(OH)g(Xは、前記と同じ意味を表す。)であり、gは、1または2の整数を表す。)
    で表される付加反応生成物を得た後、この付加反応生成物中の水酸基と、下記式(9)
    (式中、QおよびPは、前記と同じ意味を表し、hは、1または2の整数を表す。)
    で表される化合物中のイソシアネート基とを反応させる請求項3記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項記載の(メタ)アクリレート化合物および当該(メタ)アクリレート化合物以外のバインダー前駆体を含むコーティング組成物。
  12. 前記バインダー前駆体が、少なくとも1種の単官能または多官能(メタ)アクリレートと、少なくとも1種の光重合開始剤とを含む請求項11記載のコーティング組成物。
  13. 前記バインダー前駆体が、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランの加水分解物および加水分解縮合物からなる群から選択される1種以上を含む請求項11または12記載のコーティング組成物。
  14. さらに(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランで表面処理されたコロイダルシリカを含む請求項11〜13のいずれか1項記載のコーティング組成物。
  15. 紫外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、親水剤、レベリング剤、着色剤、顔料、接着促進剤、赤外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、硬化触媒(ただし、請求項12の光重合開始剤を除く)、および金属酸化物微粒子(ただし、請求項14記載のコロイダルシリカを除く)から選ばれる1種または2種以上の添加剤を含む請求項11〜14のいずれか1項記載のコーティング組成物。
  16. 基材と、この基材上に直接または少なくとも1種の他の層を介して形成された、請求項11〜15のいずれか1項記載のコーティング組成物の硬化被膜とを備える被覆物品。
  17. 前記基材が、有機樹脂または木材である請求項16記載の被覆物品。
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