JP7105171B2 - シール材及びそれに用いるコーティング剤 - Google Patents
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Description
以下の実施例1及び2並びに比較例1~5の試験片を作製した。なお、それぞれの構成については表1にも示す。
シリコーンゴム(KE-871C-U 信越化学工業社製)に、その100質量部に対して1質量部の硬化剤(C-8 信越化学工業社製)添加し、それを2本ロールで混錬して得たコンパウンドを調製した。このコンパウンドを用い、165℃及び15分の条件でのプレス成型による一次架橋、及びその後の180℃及び4時間の条件での二次架橋により、150mm×150mm×厚み2mmのゴムシート本体を得た。同様にして、AS-214サイズのOリングのシール材本体を得た。
パーフルオロポリエーテル骨格を有する縮合反応架橋型の第1ポリマーに、その100質量部に対して5質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉(KVNAR741 アルケマ d50:15μm)を加えるとともに、フッ素溶剤(Novec7200 3M社製)で希釈して超音波処理により分散させたコーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にしてゴムシート及びシール材の試験片を作製し、それらを実施例2とした。
第2ポリマーを加えていないコーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にしてゴムシート及びシール材の試験片を作製し、それらを比較例1とした。
第1ポリマーに代えて、パーフルオロポリエーテル骨格を有する付加反応架橋型のポリマーを含有するコーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にしてゴムシート及びシール材の試験片を作製し、それらを比較例2とした。
第1ポリマーに代えて、パーフルオロポリエーテル骨格を有する付加反応架橋型のポリマーを含有するコーティング剤を用いた以外は実施例2と同様にしてゴムシート及びシール材の試験片を作製し、それらを比較例3とした。
シリコーンゴム製のシール材本体の表面がパーフロオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)で被覆された市販品のシール材の試験片を比較例4とした。
コーティング層を有さないシリコーンゴム製の市販品のシール材の試験片を比較例5とした。
<ゴムへの密着性>
実施例1及び2並びに比較例1~3のそれぞれのシート材の試験片について、JIS K5600-5-6:1999に準じてクロスカット法試験を実施し、試験結果を分類0~分類5のいずれに該当するかで評価した。なお、格子の間隔は2mmとし、剥離テープにはニチバン社製のセロテープ(登録商標)を用いた。
実施例1及び2並びに比較例1~5のそれぞれのシール材の試験片について、幅50mm×高さ70mmのポリエチレン製の袋に入れ、その際にスムーズに入ればA評価、及び袋に付いて引っ掛かればB評価とした。
実施例1及び2並びに比較例1~5のそれぞれのシール材の試験片について、表面粗さRa=1.6μmのアルミA5056製の冶具で25%圧縮した後、Heリークディテクター(HELEN M-222LD-H キヤノンアネルバ社製)を取り付けて-25℃の恒温槽中で3時間冷却した。その後、恒温槽中にHeガスを導入し、Heリークディテクターでシール材を透過するHe量を測定した。
実施例1及び2並びに比較例1~5のそれぞれのシール材の試験片について、マイクロ波プラズマ発生機を用いて発生させたプラズマに曝露した際の質量減少率を求めた。なお、試験条件は、ガス流量は、O2:340ml/min及びCF4:170ml/min、圧力は100Pa、並びに曝露時間は30分とした。
試験結果を表1に示す。これによれば、実施例1及び2は、ゴムとの密着性、表面粘着性、シール性能、及び耐プラズマ性のいずれも優れることが分かる。一方、比較例1では、表面粘着性が高く、比較例2では、表面粘着性が高い上にゴムとの密着性が低く、比較例3では、ゴムとの密着性が低いことが分かる。また、市販品の比較例4では、シール性能が低く、市販品の比較例5では、耐プラズマ性が低いことが分かる。
11 シール材本体
12 コーティング層
Claims (7)
- シール材本体と、前記シール材本体の表面を被覆するように設けられたコーティング層と、を備えたシール材であって、
前記コーティング層は、パーフルオロポリエーテル骨格を有する縮合反応架橋型の第1ポリマーと、パーフルオロ基変性された縮合反応架橋型の第2ポリマーを含む粘着抑制材とを含有するコーティング剤の架橋硬化物で形成されているシール材。 - 請求項1に記載されたシール材において、
前記第2ポリマーの含有量の前記第1ポリマーの含有量に対する比が1/10以上1/2以下であるシール材。 - シール材本体と、前記シール材本体の表面を被覆するように設けられたコーティング層と、を備えたシール材であって、
前記コーティング層は、パーフルオロポリエーテル骨格を有する縮合反応架橋型の第1ポリマーと、フッ素樹脂粉、二硫化モリブデン、有機モリブデン化合物、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、及び二硫化タングステンのうちの1種又は2種以上の固体摺動材を含む粘着抑制材とを含有するコーティング剤の架橋硬化物で形成されているシール材。 - 請求項3に記載されたシール材において、
前記固体摺動材の含有量が、前記第1ポリマー100質量部に対して1質量部以上30質量部以下であるシール材。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載されたシール材において、
前記シール材本体がシリコーンゴムで形成されているシール材。 - パーフルオロポリエーテル骨格を有する縮合反応架橋型の第1ポリマーと、パーフルオロ基変性された縮合反応架橋型の第2ポリマーを含む粘着抑制材とを含有するコーティング剤。
- パーフルオロポリエーテル骨格を有する縮合反応架橋型の第1ポリマーと、フッ素樹脂粉、二硫化モリブデン、有機モリブデン化合物、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、及び二硫化タングステンのうちの1種又は2種以上の固体摺動材を含む粘着抑制材とを含有するコーティング剤。
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