JP2002348394A - 表面改質含フッ素系エラストマーの製造方法、表面改質含フッ素系エラストマーおよびその用途 - Google Patents

表面改質含フッ素系エラストマーの製造方法、表面改質含フッ素系エラストマーおよびその用途

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JP2002348394A
JP2002348394A JP2001159012A JP2001159012A JP2002348394A JP 2002348394 A JP2002348394 A JP 2002348394A JP 2001159012 A JP2001159012 A JP 2001159012A JP 2001159012 A JP2001159012 A JP 2001159012A JP 2002348394 A JP2002348394 A JP 2002348394A
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Takatsune Tsutsui
井 隆 経 筒
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の表面改質含フッ素系エラストマ
ーの製造方法は、数平均分子量(Mn)が200以上3
0,000以下であり、重合性二重結合を分子内に1個
のみ含有するシリコーンモノマー(a1)、重合開始剤
(a2)および溶剤(a3)を含有する処理液(A)
と、含フッ素系エラストマー基材(B)とを接触させた
後、得られた接触処理含フッ素系エラストマーを1×1
5〜1×10-6Paの減圧下において重合開始剤の分
解温度以上に熱処理することにより、該モノマーを重合
させ、含フッ素系エラストマー基材表面とその近傍を改
質する。 【効果】 非粘着性、耐プラズマ性、高純粋性、低放出
ガス性を備えたシール材の製造方法を提供し、さらに、
該シール材を液晶・半導体製造装置に用いることにより
装置のメンテナンス性が改善するため、液晶・半導体の
生産効率を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は表面改質含フッ素系エラス
トマーの製造方法、表面改質含フッ素系エラストマーお
よびその用途に関し、さらに詳しくは含フッ素系エラス
トマー基材が本来有する圧縮永久歪、ゴム弾性、機械的
強度、変形追従性を保持しつつ、非粘着性および耐プラ
ズマ性に優れたエラストマーが得られるような表面改質
含フッ素系エラストマーの製造方法、および表面改質含
フッ素系エラストマーならびに該エラストマーから得ら
れたシール材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般にエラストマーシール材は表
面粘着カが強く、液晶・半導体製造装置のシール材とし
て使用した場合、相手面に強固に粘着し、装置稼働を妨
げ、またメンテナンス効率を低下させる原因となってい
る。例えば、半導体製造装置のシリコーンウエハの出入
り口(ゲート弁)に設けられているシール材では、相手
面へ粘着すると弁の開閉に支障をきたし製品製造を著し
く妨げる原因となる。特に、半導体製造装置のプラズマ
処理室近傍で使用されているシール材は、相手面へ粘着
するとメンテナンス時間が増大し、生産効率を下げる原
因となる。
【0003】これらのことより、半導体製造装置では相
手面に粘着することなく、かつ、半導体製造環境に適し
たクリーン度、耐プラズマ性をもったエラストマー材料
が強く望まれており、従来からエラストマーシール材表
面を非粘着化する試みがなされている。そのような試み
として、 特開昭56−63432号公報には、エラストマーシ
ール材表面を有機活性ハロゲン化合物によってハロゲン
化する方法、 特開平5−271448号公報には、エラストマーシ
ール材表面にポリイミド樹脂等の塗膜を形成するコーテ
ィング方法、さらに、 特公平7−103258号公報には、エラストマー材
料と反応性を持つ化合物(エラストマ一配合に使用され
る共架橋剤等)でエラストマーシール材表面を処理し、
硬化層を形成し化学的活性度を下げる方法 が記載されている。
【0004】しかしながら、上記〜ようなエラスト
マーシール材を非粘着化する方法は液晶・半導体製造装
置に使用することを目的としていないため、上記方法で
作成されたエラストマーシール材を液晶・半導体製造装
置に使用する場合、以下のような問題点が発生するもの
であった。に記載のハロゲン化方法は、エラストマー
シール材を低摩擦化するために用いられ、さらに非粘着
表面の形成も可能である。しかし、表面処理の際に使用
した有機活性ハロゲン化合物が、エラストマ一内に残留
しており、液晶・半導体製造装置のシール材に使用した
場合、装置系内にガスとして放出されるため、液晶・半
導体製造においては好ましいものではなかった。
【0005】また、に記載のコーティング方法は、エ
ラストマーシール材が樹脂コーティングされているた
め、圧縮されると表面に微細な亀裂が発生し、ガスリー
クの原因となり、液晶・半導体製造においても好ましい
ものではなかった。さらに、に記載の化学的活性度を
下げる方法は、シール材の表面層に硬化層を形成するた
め、圧縮されると表面に微細な亀裂が発生しやすく、ガ
スリークの原因となる。また、一般的にエラストマ一と
反応性があり、表面を硬化する薬品としてはエラストマ
一の共架橋剤が挙げられるが、これらは液晶・半導体製
造装置で用いられる各種プラズマガス、プラズマ雰囲気
に侵されやすく、液晶・半導体製造の際に問題となるパ
ーティクル発生を引き起こすものであった。
【0006】本発明者は、上記の従来技術の問題点を解
決すべく鋭意研究し、含フッ素系エラストマー基材を、
数平均分子量(Mn)が200以上30,000以下であ
り、重合性二重結合を分子内に1個のみ含有するシリコ
ーンモノマー、重合開始剤および溶剤を含む溶液に接触
させ、その後、特定の減圧下で重合開始剤の分解温度以
上で熱処理することにより該モノマーを重合させ、含フ
ッ素エラストマー基材表面とその近傍を改質することに
より表面改質含フッ素系エラストマーを製造したとこ
ろ、このエラストマーにより非粘着性、耐プラズマ性、
高純粋性、低放出ガス性を備えたシール材が得られ、上
記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】なお、特開平11−172027号公報に
は、「重合性二重結合含有モノマーと重合開始剤と溶剤
とを含有する処理液と、ゴム基材とを接触させた後、得
られた接触処理ゴム基材を加熱することにより、該モノ
マーを重合させ、ゴム基材表面とその近傍を改質するこ
とを特徴とする表面改質ゴムの製造方法」が記載されて
いるが、重合性二重結合を分子内に1個のみ含有するシ
リコーンモノマーに限定されるものでなく、またその組
合せについても記載されておらず、さらに、従来から課
題であるシール材の非粘着性に改良する余地があった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術の問題
を解決するものであって、非粘着性、耐プラズマ性、高
純粋性、低放出ガス性を備えたシール材の製造方法を提
供し、さらに液晶・半導体製造装置のシール材を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る表面改質含フッ素系エラス
トマーの製造方法は、数平均分子量(Mn)が200以上
30,000以下であり、重合性二重結合を分子内に1
個のみ含有するシリコーンモノマー(a1)、重合開始
剤(a2)および溶剤(a3)を含有する処理液(A)
と、含フッ素系エラストマー基材(B)とを接触させた
後、得られた接触処理含フッ素系エラストマーを1×1
5〜1×10-6Paの減圧下において重合開始剤の分
解温度以上に熱処理することにより、該モノマーを重合
させ、含フッ素系エラストマー基材表面とその近傍を改
質することを特徴としている。
【0010】また、本発明の製造方法は、処理液(A)
に含フッ素系エラストマー基材(B)を浸漬することに
より、該処理液と該エラストマー基材とを接触させ、該
エラストマー基材中に上記モノマー(a1)および重合
開始剤(a2)を含浸させた状態で該モノマー(a1)
を重合させることも好ましい。本発明に用いられる上記
シリコーンモノマー(a1)が、(a1−1)数平均分
子量(Mn)が200以上4,000以下である上記シリ
コーンモノマーと、(a1−2)数平均分子量(Mn)が
6,000以上30,000以下である上記シリコーン
モノマーとの組み合わせであることが好ましい。
【0011】また、重合開始剤(a2)が、有機過酸化
物であることも好ましい。上記方法で得られる本発明の
表面改質含フッ素系エラストマーは、液晶・半導体製造
装置用シール材であることを特徴としている。そのよう
な液晶・半導体製造装置用シール材が、プラズマ処理装
置用シール材であることが好ましい。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る表面改質含フ
ッ素系エラストマーの製造方法、表面改質含フッ素系エ
ラストマーおよびその用途ついて具体的に説明する。本
発明では、数平均分子量(Mn)が200以上30,00
0以下であり、重合性二重結合を分子内に1個のみ含有
するシリコーンモノマー(a1)(以下、単官能性シリ
コーンモノマー(a1)とも言う。)、重合開始剤(a
2)および溶剤(a3)を含有する処理液(A)と、含
フッ素系エラストマー基材(B)とを接触させた後、得
られた接触処理含フッ素系エラストマー基材を1×10
5〜1×10-6Paの減圧下において重合開始剤の分解
温度以上に熱処理することにより、該モノマーを重合さ
せ、含フッ素系エラストマー基材表面と内部(特にその
表面近傍)の改質を行なっている。
【0013】まず、本発明の製造方法に用いられる処理
液(A)について説明する。処理液(A) 本発明の製造方法に用いられる処理液(A)は、単官能
性シリコーンモノマー(a1)、重合開始剤(a2)お
よび溶剤(a3)を含有する。そのような処理液(A)
は、溶剤(a3)100重量部に対して、単官能性シリ
コーンモノマー(a1)が1〜70重量部、好ましくは
10〜40重量部、重合開始剤(a2)が1〜50重量
部、好ましくは5〜25重量部が含有されてなる。
【0014】以下、上記処理液(A)に含有される、単
官能性シリコーンモノマー(a1)、重合開始剤(a
2)、溶剤(a3)について説明する。単官能性シリコーンモノマー(a1) 本発明に用いられる単官能性シリコーンモノマー(a
1)は、上述したように、数平均分子量(Mn)が200
以上30,000以下、かつ、重合性二重結合を分子内
に1個のみ含有するシリコーンモノマーであり、好まし
くは数平均分子量(Mn)300以上15,000以下の
シリコーンモノマーが使用されることが望ましい。
【0015】本発明に係る表面改質含フッ素系エラスト
マーの製造方法において、上記の範囲内の単官能性シリ
コーンモノマー(a1)を用いることにより、シロキサ
ン骨格の持つ低表面エネルギー特性、プラズマに対する
耐性を利用して、液晶・半導体製造装置用シール材に非
粘着性、耐プラズマ性を付与することができる。本発明
において、単官能性シリコーンモノマー(a1)とは、
その該モノマー(a1)分子中に有機過酸化物により重
合反応をする「炭素−炭素間二重結合」を1箇所含有す
るシリコーンモノマーである。重合性二重結合がシリコ
ーンモノマー分子内に1箇所のみ存在することにより、
本発明の製造方法において、エラストマー表面層の処理
密度が上昇し、シリコーンモノマーの持つ非粘着効果を
顕著に発現できると考えられる。
【0016】このような単官能性シリコーンモノマー
(a1)としては特に限定されるものではないが、例え
ば下記表1および表2に示す(1)〜(7)の化合物が
挙げられ、具体的には、該化合物毎に例示されているサ
ンプルが好ましく用いられる。また、本発明の単官能性
シリコーンモノマー(a1)は、数平均分子量(Mn)が
200以上4,000以下、好ましくは300以上2,
000以下である単官能性シリコーンモノマー(a1−
1)と、数平均分子量(Mn)が6,000以上30,0
00以下、好ましくは8000以上15,000以下で
ある単官能性シリコーンモノマー(a1−2)との組み
合わせであることが望ましい。
【0017】このような数平均分子量の範囲である単官
能性シリコーンモノマー(a1−1)と(a1−2)を
組み合わせて用いることによって、非粘着性、耐プラズ
マ性がさらに優れたシール材を得ることができる。な
お、上記モノマー(a1)が数平均分子量の大きな上記
モノマー(a1−2)のみからなる場合、該モノマー
(a1)の立体障害によりエラストマー表面のシリコー
ン成分が若干疎になり、また、上記モノマー(a1)が
数平均分子量の小さな上記モノマー(a1−1)のみか
らなる場合、エラストマー表面の処理層が比較的薄くな
る傾向があるのに対して、上記2種類の数平均分子量の
単官能性シリコーンモノマーを併用することによって、
分子量の小さいモノマーがさらに反応固定化されるた
め、表面シリコーン成分が密になり、さらに充分な表面
処理層が形成されるのであろうと考えられる。
【0018】本発明においては、単官能性シリコーンモ
ノマー(a1)が、該モノマー(a1−1)と(a1−
2)を組み合わせてなる場合(該モノマー(a1−1)
+該モノマー(a1−2)=100重量%)、該モノマ
ー(a1−1)は10〜90重量%、好ましくは40〜
60重量%の量で、該モノマー(a1−2)は10〜9
0重量%、好ましくは40〜60重量%の量で含まれて
いることが望ましい。このような組合せの範囲で上記モ
ノマー(a1−1)とモノマー(a1−2)を用いるこ
とによって、非粘着性、耐プラズマ性が特に優れたシー
ル材を得ることができる。
【0019】このような単官能性シリコーンモノマー
(a1−1)としては、例えば、表1に示す(1)〜
(3)の化合物(数平均分子量が200以上4,000
以下の範囲にあるもの)が挙げられ、具体的には、東芝
シリコーン(株)製;TSL9705(Mn274.
5)、チッソ(株)製;TM0701(Mn423)、
FM0711(Mn1,000)、信越化学(株)製;
X−22−2404(Mn400)が好ましく用いら
れ、単官能性シリコーンモノマー(a1−2)として
は、例えば、表1に示す(3)の化合物(数平均分子量
が6,000以上30,000以下の範囲にあるもの)
が挙げられ、具体的には、チッソ(株)製;FM−07
25(Mn10,000)が好ましく用いられる。
【0020】これらの中より選択された単官能シリコー
ンモノマー(a1−1)と(a1−2)を組み合わせて
使用することによって、シロキサン骨格の持つ低表面エ
ネルギー特性、プラズマに対する耐性を利用し、非粘着
効果、耐プラズマ性を付与したシール材を得ることがで
きる。そのような単官能性シリコーンモノマー(a1)
が1種の化合物からなる場合、下記表1、2のうちから
選ばれる1種を用いることが好ましく、また、該モノマ
ー(a1)が2種以上の化合物からなる場合、下記表
1、2のうちの単官能性シリコーンモノマー(a1−
1)と(a1−2)から、それぞれ1種または2種以上
組み合わせて用いることが好ましい。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】重合開始剤(a2) 本発明に用いられる重合開始剤(a2)としては、特に
限定されず、従来公知のラジカル重合開始剤、カチオン
重合開始剤、アニオン重合開始剤などを使用することが
できる。本発明においては、ラジカル重合開始剤が好ま
しく、その中でもクリーン度を上げるために有機過酸化
物を用いるのが望ましい。
【0024】このような有機過酸化物として、具体的に
は、ジクミルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパ
ーオキシド)ヘキシン−3,2,5・ジメチル−2,5
−ジ(ペンゾイルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロ
ピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、パラクロルベンゾイルパーオキサイド、t
−ブチルパーベンゾエート等を挙げることができる。こ
れらの有機過酸化物のうちでは、2,4−ジクロロベン
ゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンが好ましく用い
られる。これら有機過酸化物は1種また2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0025】溶剤(a3) 溶剤(a3)としては、単官能性シリコーンモノマー
(a1)および重合開始剤(a2)を溶解させることが
でき、含フッ素系エラストマー基材(B)を膨潤させる
ことが可能であれば、該エラストマーとの相溶性の乏し
い単官能性シリコーンモノマー(a1)であっても該エ
ラストマー内へ容易に浸透、拡散させることができるた
め特に限定されず、広く使用可能である。
【0026】具体的には、例えば、アセトン、へキサ
ン、ヘプタン、トルエン、キシレン、MEK(メチルエ
チルケトン)、THF(テトラヒドロフラン)等が挙げ
られる。これらの溶剤は、1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。含フッ素系エラストマー基材(B) 本発明に用いる含フッ素系エラストマー基材(B)とし
ては、材質、形状、寸法など特に限定されず、従来より
公知の種々のものを用いることができる。
【0027】そのような含フッ素系エラストマー基材
(B)の材質としては、ベースとなるゴムの加硫系の違
いにより、ポリオール加硫、パーオキサイド加硫、ポリ
アミン加硫、放射線加硫などに分けられ、さらに、ベー
スゴム組成としては「へキサフルオロプロピレン−ビニ
リデンフルオライド」が主成分である2元系フッ素ゴ
ム、「ヘキサフルオロプロビレン−ビニリデンフルオラ
イト−テトラフルオロエチレン」が主成分である3元系
フッ素ゴム、加硫剤を必要としない熱可塑性含フッ素ゴ
ムが挙げられる。
【0028】本発明において、含フッ素系エラストマー
基材(B)の材質としては、好ましくは、3元系含フッ
素系ゴムまたは加硫剤を必要としない熱可塑性含フッ素
ゴムが用いられる。3元系含フッ素系ゴムは、2元系と
比較して有機過酸化物で加硫した場合、各種薬品に対す
る耐性があり、特殊薬品を使用する半導体製造装置環境
に適したシール材が得られるため好ましい。また、加硫
剤を必要としない熱可塑性含フッ素ゴムは製造工程で加
硫剤を必要とせず、高いクリーン度を有するシール材が
得られるため好ましい。
【0029】また、上記ベースゴムには従来公知の技術
により充填剤、加硫促進剤、共架橋剤、加硫剤が配合さ
れていてもよく、これらコンパウンドを従来より公知の
技術で成型、加硫して本発明に用いる含フッ素系エラス
トマー基材(B)が調製される。具体的には、例えば、
含フッ素系ベースゴム100重量部、加硫剤1.5〜3
重量部、共架橋剤4〜10重量部、補強剤20〜60重
量部をオープンロールを用いて従来より既知の方法で配
合を行い、その後、所定のサイズのシール材用金型に本
材料を充填し、圧縮プレスにて100〜200℃で1〜
30分圧縮成型を行う。圧縮成型後、二次加硫として1
00〜200℃で1〜24時間加熱して、本発明に用い
られる含フッ素系エラストマー基材(B)が調製され
る。本発明で用いられるエラストマー基材(B)の形状
としては、例えば、シート状、板状、棒状、リング状、
各種の複雑なブロック形状等その用途に応じて任意の形
状が挙げられ、特に限定されるものではない。
【0030】表面改質含フッ素系エラストマーの製造方
本発明に係る表面改質含フッ素系エラストマーの製造方
法は、上記単官能性シリコーンモノマー(a1)を1種
または2種以上、重合開始剤(a2)および溶剤(a
3)を含有する処理液(A)と、含フッ素系エラストマ
ー基材(B)とを接触させた後、得られた接触処理含フ
ッ素系エラストマー基材を1×105〜1×10-6Pa
の減圧下において重合開始剤の分解温度以上で熱処理す
ることにより、該モノマーを重合させ、含フッ素系エラ
ストマー基材表面とその近傍を改質するものである。
【0031】まず、上記製造方法における接触処理につ
いて説明する。 [接触処理]上記処理液(A)と含フッ素系エラストマ
ー基材(B)とを接触させる方法としては、該処理液に
該エラストマー基材を浸漬してもよく、該処理液を該エ
ラストマー基材にかけてもよく、スプレー等で吹き付け
てもよく、刷毛等で塗布してもよく、従来より公知の種
々の接触方法を採用しうるが、特に該エラストマー基材
を該処理液に浸漬することが好ましい。
【0032】このように処理液(A)と含フッ素系エラ
ストマー基材(B)とを接触させると、該処理液中の溶
媒分子の該エラストマー基材中への含浸・拡散がきっか
けとなり、該モノマーおよび重合開始剤が該エラストマ
ー基材中へ含浸・拡散し、該エラストマー基材は次第に
膨潤してくる。含フッ素系エラストマー基材(B)への
処理液(A)の含浸量、該エラストマー基材の膨潤量
は、用いられる処理液中のモノマーの種類と分子量、含
フッ素系エラストマー基材の種類、含フッ素系エラスト
マー基材の架橋密度、重合開始剤の種類、溶剤の種類、
処理液の濃度、上記処理液と含フッ素系エラストマー基
材との接触時間(浸漬時間)、浸漬温度あるいは、処理
液と接触後に加熱処理するまでの保存期間等にもより異
なり、一概に決定されない。
【0033】本発明では、単官能性シリコーンモノマー
(a1)と重合開始剤(a2)と溶剤(a3)とをそれ
ぞれ上記のような量で含有する処理液(A)と、含フッ
素系エラストマー基材(B)とを、例えば、常温すなわ
ち15〜25℃の温度、および常圧(1気圧)下で接触
させる場合には、通常0.1秒以上、好ましくは1秒〜
1ヶ月間程度、さらに好ましくは1〜60分程度、特に
好ましくは2〜45分程度接触させることが望ましく、
また、好ましくはこのような条件下で該エラストマー基
材(B)を該処理液(A)に浸漬することが望ましい。
【0034】また浸漬等の接触処理後、直ちに下記の加
熱処理をしてもよいし、1ヶ月程度経過時に下記の加熱
処理をしてもよい。本発明では、含フッ素系エラストマ
ー基材(B)を処理液(A)に長時間浸漬すれば、平衡
に達する前は、時間とともに処理液は深く浸入するが、
平衡膨潤に達すると含浸・拡散は見掛け上止まる。そし
て該浸漬処理後の含フッ素系エラストマー基材(B)で
は、含フッ素系エラストマー基材(B)表面と内部に拡
散、浸透している処理液(A)中の該モノマーなどが時
間経過とともに含フッ素系エラストマー基材(B)外へ
ブリードしてくるため、拡散・浸透(含浸)されている
モノマーが少なくとも完全にブリードアウトしてしまう
以前にモノマーを反応に寄与させる必要がある。例え
ば、含フッ素系エラストマー表面から内部へのモノマー
の反応−固定化層の厚さ(深さ)を大きくしたい場合に
は、可能な限り早く下記の加熱処理を施し、ラジカル重
合反応などの重合反応を起こさせると良い。
【0035】なお、接触処理後の接触処理含フッ素系エ
ラストマー基材の保存温度を常温よりも低い温度、例え
ば10℃以下の温度にすれば、処理液(A)のブリード
(滲出)速度を抑制することが可能である。従って、そ
のような低温下では、溶剤処理含フッ素系エラストマー
基材を下記のような加熱処理を行っていない状態で保存
することも可能であるため、浸漬処理から加熱処理まで
の時間は、特に限定されないが、常温・常圧中において
は、接触処理後直ちに、または処理後2〜3日以内に、
加熱処理まで上記期間すなわち1秒〜2日(または3
日)程度保存可能である。 [熱処理]本発明では、上記処理液(A)で処理した含
フッ素系エラストマー(接触処理含フッ素系エラストマ
ー)を、減圧下において重合開始剤の分解温度以上に加
熱して熱処理を行なう。このように、重合開始剤を誘起
させ、好ましくはラジカル重合開始剤を分解させること
によるラジカル反応を誘起させることで、該モノマー同
士を重合させ、あるいは該モノマーの二重結合と含フッ
素系エラストマー表面層に存在する反応活性点とを反応
させて、含フッ素系エラストマーの表面とその内部(特
に、処理液(A)の含浸・拡散した含フッ素系エラスト
マー基材表面近傍)の改質を行っている。
【0036】上記減圧下とは、通常、大気圧以下であれ
ばよく、好ましくは1×105〜1×10-6Paであ
る。上記範囲の減圧条件下で熱処理を行なうことによ
り、高純粋性、低放出ガス性を有するシール材を得るこ
とができる。本発明では、上記条件下での熱処理は重合
開始剤の分解温度以上に加熱することを特徴とするが、
含フッ素系エラストマー基材(B)内に含浸し、浸透・
拡散している単官能性シリコーンモノマー(a1)をラ
ジカル反応などにて重合させ、含フッ素系エラストマー
表面あるいは内部に固定化しうる限り特に限定されず、
通常、50〜350℃の温度で1秒間〜72時間程度、
好ましくは50〜250℃の温度で1〜72時間程度行
われることが望ましい。
【0037】このように熱処理すると、含フッ素系エラ
ストマー基材内に含浸し、浸透・拡散している単官能性
シリコーンモノマー(a1)は、加熱分解されたラジカ
ル重合開始剤によってラジカル反応などを起こして重合
し、含フッ素系エラストマー基材(B)内および表面に
固定化される。なお、熱処理温度を上記範囲で上昇させ
てもモノマーブリード速度があまり増加せず、重合反応
速度がこれに比して著しく増加する場合には、より高温
例えば、100〜250℃の温度で含フッ素系エラスト
マー基材を熱処理して、含フッ素系エラストマー基材の
深くまで改質できる。
【0038】なお、前述したように、同一の処理液
(A)を用いても、該処理液(A)中の単官能性シリコ
ーンモノマー(a1)が反応固定化される深さ、すなわ
ち含フッ素系エラストマー基材(B)表面から内部方向
の距離は、該処理液(A)の濃度、該処理液(A)への
浸漬時間、反応速度、該モノマーのゴム基材外へのブリ
ード速度等により決定されるため、これら諸因子を適宜
コントロールすることにより、その処理の深さ、換言す
れば、該モノマー(a1)が重合反応し固定化される層
(反応固定化層)の厚みを調整できる。例えば、エラス
トマー基材の改質処理をエラストマー基材深くまで行う
ためには、含フッ素系エラストマー基材(B)を処理液
(A)に長時間浸漬し、浸漬後は、可能な限り早く熱処
理を施し、ラジカル反応等の重合反応をさせると良い。
なお、熱処理温度を上昇させた場合に、温度上昇による
モノマーブリード速度の増加よりラジカル反応速度の増
加が著しい系においては、その温度を上げることでゴム
基材深部まで改質処理を進めることができる。
【0039】シール材 本発明のシール材は、種々の用途に用いることができ、
特定の用途に限られるものではないが、好ましくは液晶
・半導体製造装置用のシール材として、さらに好ましく
は半導体製造装置用のシール材として用いることが望ま
しい。そのような液晶製造装置用シール材としては、具
体的には、スパッタリング装置のシール材;CVD装置
(プラズマCVD、レーザーCVD等)のシール材;エ
ッチング装置(ドライエッチング装置、ウェットエッチ
ング装置等)のシール材;剥離装置のシール材;酸化・
拡散・イオン注入装置のシール材;蒸着装置(真空蒸着
装置、蒸着重合装置等)のシール材;洗浄装置(ドライ
洗浄方式のもの、ウェット洗浄方式のもの)のシール
材;各種検査装置(マスク検査装置、パターン検査装置
等)のシール材;露光装置(プロキシミティ方式のも
の、ステッパー方式のもの)のシール材;アニール装置
(ランプアニール装置、エキシマレーザーアニール装置
等)のシール材;各種搬送装置群;液晶注入装置のシー
ル材;等が挙げられる。
【0040】また、半導体製造装置用シール材等として
は、具体的には、コーターアンドデベロッパー、エッチ
ング装置(プラズマエッチング装置等)、プラズマアッ
シング(ashing)装置、レジスト剥離装置;酸化・拡散
炉、ランプアニール装置等の炉体のシール材;メタルC
VD装置、プラズマCVD装置、LP−CVD装置等の
CVD装置、およびスパッタリング装置等のシール材;
各種搬送装置(ウエハ搬送機器の搬送用オーリング(O-
ring)または搬送ベルト等);各種レジスト搬送装置
(レジスト搬送容器のキャップシール材等);等に好ま
しく用いられ、これらのうち、プラズマエッチング装
置、プラズマアッシング装置、プラズマCVD装置およ
びこれら装置の付属機器であるウエハ搬送機器等の耐プ
ラズマ性が要求される装置類(これらをまとめて「プラ
ズマ処理装置」とも言う)に特に好ましく用いられる。
【0041】なお、シール材の表面には上記モノマーか
ら誘導される成分単位の存在密度が高いため、モノマー
成分(シリコーン成分)単位の持つ非粘着効果がより発
揮されるようになる。また、本発明にいう耐プラズマ性
は、特定の種類のプラズマに対する耐久性に限定される
ものではないが、本発明のシール材は単官能性シリコー
ンモノマーを用いており、酸素プラズマ、および酸素を
含有するプラズマに対して耐久性が優れている。
【0042】このような本発明のシール材を用いたプラ
ズマ処理装置によれば、プラズマが化学的に高活性なこ
とを利用して、半導体を高精度にエッチングしたり、半
導体上のレジストをアッシングしたりすることができ、
さらに、装置のメンテナンス性が改善されるため、生産
効率を向上させることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、非粘着性、耐プラズマ
性、高純粋性、低放出ガス性を備えたシール材の製造方
法を提供し、さらに半導体製造装置のシール材を提供
し、さらに、該シール材を液晶・半導体製造装置に用い
ることにより装置のメンテナンス性が改善するため、液
晶・半導体の生産効率を向上させることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例、比較例において処理液に
使用した成分を以下に示す。 1)アセトン:試薬特級 2)メチルエチルケトン:試薬特級 3)重合性二重結合含有モノマーA:ジメチルシロキサ
ンモノメタクリレート(FM0711(チッソ(株)
製):数平均分子量1,000、比重0.96) 4)重合性二重結合含有モノマーB:ジメチルシロキサ
ンモノメタクリレート(FM0721(チッソ(株)
製):数平均分子量5,000、比重0.97) 5)重合性二重結合含有モノマーC:ジメチルシロキサ
ンモノメタクリレート(FM0725(チッソ(株)
製):数平均分子量10,000、比重0.97) 6)重合性二重結合含有モノマーD:ジメチルシロキサ
ンジメタクリレート(DMS−V22(チッソ(株)
製):数平均分子量10,000、比重0.97) 7)重合性二重結合含有モノマーE:ポリエチレングリ
コールジメタクリレート(EGDMA(第一工業製薬
(株)製):分子量198、比重1.10) 8)重合開始剤A:ジクミルパーオキシド(パークミル
D(日本油脂(株)製):分子量270、純度97%) 9)重合開始剤B:ペンゾイルパーオキサイド(ナイパ
ーBO(日本油脂(株)製):分子量242、純度98
%) また、実施例、比較例において得られた表面改質含フッ
素系エラストマーは、以下の方法に従い物理性の測定、
評価を行った。 (1)固着力 表面改質処理後の含フッ素系エラストマーシートを直径
16mm(面積2cm 2)に打ち抜いたものに、39N
(2kg/cm2)の加重を加え、125℃で15時
間、SUS304板に接触静置し、室温に戻した後、そ
れを引き剥がすのに要する力を測定した。 (2)プラズマ照射時重量減少率 低温プラズマ照射装置にて酸素ガス、全流量200ミリ
リットル/分、3時間照射した試料の照射前後の重量よ
り減少率(%)をもとめた。 (3)シール性能評価 図1に示すように試料をフランジ間にボルト締めした後
に、ヘリウムリークディテクターで試料内径側を真空引
きし、試料外形側にヘリウムガスを流して(1〜2リッ
トル/分)試料の透過漏洩量を測定した。
【0045】
【実施例1】試験に用いたフッ素系エラストマー基材
は、フッ素ゴム(ダイエルG902:ダイキン工業社
製)が100重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが1.5重量部、ト
リアリルイソシアヌレートが4重量部、MTカーボンが
20重量部からなる配合物をオ一プンロールを用いて既
知の方法にて170℃×10分間プレス成型を行った
後、180℃×4時間二次加硫を行い150mm×19
0mm×2mmのシート状に成形した。
【0046】重合性二重結合含有モノマーAが20重量
部、重合開始剤Aが5重量部およびアセトンが100重
量部からなる処理液を調製し、シート状含フッ素系エラ
ストマー基材を処理液中に10分間浸漬後、室温で2時
間放置して接触処理を行ない、さらに、真空ポンプにて
1×10-2Paに減圧した電気炉中で170℃、16時
間加熱処理を行った。加熱処理後の試料の表面をメタノ
ール洗浄し、表面改質含フッ素系エラストマーを製造し
た。
【0047】この表面改質含フッ素系エラストマーにつ
いて、固着力、プラズマ照射時重量減少率、シール性能
を上記方法に従って評価した。結果を表3に示す。
【0048】
【実施例2】実施例1の重合性二重結合含有モノマーA
が20重量部を、重合性二重結合含有モノマーBが20
重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして表面改
質含フッ素系エラストマーを製造した。この表面改質含
フッ素系エラストマーについて、固着力、プラズマ照射
時重量減少率、シール性能を上記方法に従って評価し
た。結果を表3に示す。
【0049】
【実施例3】実施例1のアセトンが100部を、メチル
エチルケトンが100部に変更し、重合性二重結合含有
モノマーAが20重量部を、重合性二重結合含有モノマ
ーAが10重量部と重合性二重結合含有モノマーBが1
0重量部とし、重合開始剤Aが5重量部を、重合開始剤
Bが5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして
表面改質含フッ素系エラストマーを製造した。
【0050】この表面改質含フッ素系エラストマーにつ
いて、固着力、プラズマ照射時重量減少率、シール性能
を上記方法に従って評価した。結果を表3に示す。
【0051】
【比較例1】重合開始剤Aが5重量部およびアセトンが
100重量部を配合した処理液を調製し、実施例1と同
様にして調製したシート状含フッ素系エラストマー基材
を処理液中に10分間浸漬後、室温で2時間放置して接
触処理を行ない、さらに、真空ポンプにて1×10-2
aに減圧した電気炉中で170℃、16時間加熱処理を
行った。加熱処理後の試料の表面をメタノール洗浄し、
表面改質含フッ素系エラストマーを製造した。
【0052】この表面改質含フッ素系エラストマーにつ
いて、固着力、プラズマ照射時重量減少率、シール性能
を上記方法に従って評価した。結果を表3に示す。
【0053】
【比較例2】重合性二重結合含有モノマーDが20重量
部、重合開始剤Aが5重量部およびアセトンが100重
量部からなる処理液を調製し、実施例1と同様にして調
製したシート状含フッ素系エラストマー基材を処理液中
に10分間浸漬後、室温で2時間放置して接触処理を行
ない、さらに、真空ポンプにて1×10-2Paに減圧し
た電気炉中で170℃、16時間加熱処理を行った。加
熱処理後の試料の表面をメタノール洗浄し、表面改質含
フッ素系エラストマーを製造した。
【0054】この表面改質含フッ素系エラストマーにつ
いて、固着力、プラズマ照射時重量減少率、シール性能
を上記方法に従って評価した。結果を表3に示す。
【0055】
【比較例3】重合性二重結合含有モノマーEが20重量
部、重合開始剤Bが5重量部およびメチルエチルケトン
が100重量部からなる処理液を調製し、実施例1と同
様にして調製したシート状含フッ素系エラストマー基材
を処理液中に10分間浸漬後、室温で2時間放置して接
触処理を行ない、さらに、真空ポンプにて1×10-2
aに減圧した電気炉中で170℃、16時間加熱処理を
行った。加熱処理後の試料の表面をメタノール洗浄し、
表面改質含フッ素系エラストマーを製造した。
【0056】この表面改質含フッ素系エラストマーにつ
いて、固着力、プラズマ照射時重量減少率、シール性能
を上記方法に従って評価した。結果を表3に示す。
【0057】
【比較例4】実施例1と同じ条件で製造したシート状含
フッ素系エラストマー基材について、固着力、プラズマ
照射時重量減少率、シール性能を上記方法に従って評価
した。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、シール性能評価試験機である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 299/08 C08F 299/08 C08L 27:12 C08L 27:12 Fターム(参考) 4F073 AA02 AA05 AA07 BA15 FA08 4J011 CA01 CC02 CC07 4J027 AF03 AF04 AJ08 CB04 CC02 4J038 DL101 DL102 FA241 FA242 KA03 KA06 LA02 MA14 NA02 NA10 PB09 PB12 PC07 5F045 EB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量(Mn)が200以上30,0
    00以下であり、重合性二重結合を分子内に1個のみ含
    有するシリコーンモノマー(a1)、重合開始剤(a
    2)および溶剤(a3)を含有する処理液(A)と、含
    フッ素系エラストマー基材(B)とを接触させた後、 得られた接触処理含フッ素系エラストマーを1×105
    〜1×10-6Paの減圧下において重合開始剤の分解温
    度以上で熱処理することにより、該モノマーを重合さ
    せ、含フッ素系エラストマー基材表面とその近傍を改質
    することを特徴とする表面改質含フッ素系エラストマー
    の製造方法。
  2. 【請求項2】処理液(A)に含フッ素系エラストマー基
    材(B)を浸漬することにより、該処理液と該エラスト
    マー基材とを接触させ、該エラストマー基材中に上記モ
    ノマー(a1)および重合開始剤(a2)を含浸させた
    状態で該モノマー(a1)を重合させることを特徴とす
    る請求項1に記載の表面改質含フッ素系エラストマーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】上記シリコーンモノマー(a1)が、(a
    1−1)数平均分子量(Mn)が200以上4,000以
    下である上記シリコーンモノマーと、(a1−2)数平
    均分子量(Mn)が6,000以上30,000以下であ
    る上記シリコーンモノマーとの組み合わせであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の表面改質含フッ素
    系エラストマーの製造方法。
  4. 【請求項4】重合開始剤(a2)が有機過酸化物である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面
    改質含フッ素系エラストマーの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの方法で得られる
    ことを特徴とする表面改質含フッ素系エラストマー。
  6. 【請求項6】表面改質含フッ素系エラストマーが、液晶
    ・半導体製造装置用シール材に用いられることを特徴と
    する請求項5に記載の表面改質含フッ素系エラストマ
    ー。
  7. 【請求項7】液晶・半導体製造装置用シール材が、プラ
    ズマ処理装置用シール材に用いられることを特徴とする
    請求項5または6に記載の表面改質含フッ素系エラスト
    マー。
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