JP7103125B2 - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂フィルムの製造方法、前記樹脂フィルムの製造方法により得られた樹脂フィルム、及び前記の樹脂フィルムを備える複合フィルムに関する。
結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂のフィルムにおいて、当該フィルムを加熱することにより、脂環式構造含有重合体を結晶化する技術が知られている(特許文献1を参照)。このように結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなるフィルムは、通常、耐熱性に優れる。
国際公開第2016/067893号
特許文献1には、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる原反フィルムを延伸した後、フィルムを緊張させた状態で、前記重合体のガラス転移温度以上、前記重合体の融点以下の温度で加熱して結晶化フィルムを作製し、当該結晶化フィルムの緊張状態を緩和することにより、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂フィルムを製造する方法が記載されている。
特許文献1には、原反フィルムの延伸を行う場合、延伸温度は、(重合体のガラス転移温度-30)℃以上、(重合体のガラス転移温度+60)℃以下としうることが記載されている。しかしながら、延伸温度を低くすると、最終的に得られる樹脂フィルムの面内ムラ(厚さ、配向、位相差)が大きくなることがあり、延伸温度を高くすると、延伸処理が困難になったり、最終的に得られる樹脂フィルムの内部ヘイズが高くなることがあった。
本発明は前記のような課題に鑑みて創案されたもので、全ヘイズが高く、かつ内部ヘイズが低い樹脂フィルムの製造方法、当該製造方法により製造された樹脂フィルム、及び当該樹脂フィルムを備える複合フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、延伸前に結晶性を有する脂環式構造含有重合体の結晶化が進行しうる温度で保持する工程を行った後、前記温度よりも低温(前記重合体の結晶化が進行しない温度)で延伸工程を行うことにより、全ヘイズが高くかつ内部ヘイズが低い、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる樹脂フィルムを製造することができるということを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる樹脂フィルムの製造方法であって、
結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる原反フィルムを、前記原反フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、(Tc-5)℃以上(Tc+25)℃以下の温度で、1秒~30秒間保持する工程1と、
前記工程1を行った原反フィルムを、(Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下の温度で、1秒~60秒間保持する工程2と、
前記工程2を行った原反フィルムを、前記工程2の保持温度と同じ温度で、延伸倍率1.1以上で延伸して延伸フィルムを得る工程3と、
前記延伸フィルムを、(Tc+10)℃以上(Tc+100)℃以下で、5秒~90秒間保持する工程4と、を含む、樹脂フィルムの製造方法(ただし、Tgは前記樹脂のガラス転移温度(℃)、Tcは前記樹脂の結晶化ピーク温度(℃)である)。
〔2〕 前記脂環式構造含有重合体が、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物である、〔1〕に記載の樹脂フィルムの製造方法。
〔3〕 工程1における保持温度と、工程2における保持温度との差が20℃以上50℃以下である、〔1〕または〔2〕に記載の樹脂フィルムの製造方法。
〔4〕 〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の製造方法により得られた、樹脂フィルム。
〔5〕 内部ヘイズが1%以下である、〔4〕に記載の樹脂フィルム。
〔6〕 前記樹脂フィルム同士の静摩擦係数が1.0以下である、〔4〕または〔5〕に記載の樹脂フィルム。
〔7〕 前記樹脂フィルムの全光線透過率が90%よりも大きい、〔4〕~〔6〕のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
〔8〕 〔4〕~〔7〕のいずれか一項に記載の樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの少なくとも一方の面に設けた機能層と、を備える複合フィルム。
本発明によれば、全ヘイズが高く、かつ内部ヘイズが低い樹脂フィルムの製造方法、当該製造方法により製造された樹脂フィルム、及び当該樹脂フィルムを備える複合フィルムを提供することができる。
図1は、樹脂フィルムの製造装置の例を模式的に示す平面図である。 図2は、樹脂フィルムの製造装置の例を模式的に示す平面図である。 図3は、樹脂フィルムの製造装置の例を模式的に示す正面図である。 図4は、樹脂フィルムの製造装置の例を模式的に示す平面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、MD方向(machine direction)は、製造ラインにおけるフィルムの流れ方向であり、TD方向(traverse direction)は、フィルム面に平行な方向であって、MD方向に垂直な方向である。また便宜上、長尺のフィルムの長手方向をフィルムのMD方向、幅方向をフィルムのTD方向と呼ぶ場合もある。
以下の説明において、「長尺状」のフィルムとは、フィルムの幅に対して、5倍以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。フィルムの幅に対する長さの割合の上限は、特に限定されないが、例えば100,000倍以下としうる。
以下の説明において、フィルムの面内レタデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx-ny)×dで表される値である。また、フィルムの厚み方向のレタデーションRthは、別に断らない限り、Rth=[{(nx+ny)/2}-nz]×dで表される値である。ここで、nxは、フィルムの厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。nzは厚み方向の屈折率を表す。dは、フィルムの厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
[1.樹脂フィルムの製造方法]
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる樹脂フィルムの製造方法である。本発明の樹脂フィルムの製造方法は、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる原反フィルムを、原反フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、(Tc-5)℃以上(Tc+25)℃以下の温度で、1秒~30秒間保持する工程1と、工程1を行った原反フィルムを、(Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下の温度で、1秒~60秒間保持する工程2と、工程2を行った原反フィルムを、工程2の保持温度と同じ温度で、延伸倍率1.1以上で延伸して延伸フィルムを得る工程3と、延伸フィルムを、(Tc+10)℃以上(Tc+100)℃以下で、5秒~90秒間保持する工程4と、を含む。本発明において、Tgは結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂のガラス転移温度(℃)、Tcは結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂の結晶化ピーク温度(℃)である。樹脂のガラス転移温度Tgおよび樹脂の結晶化ピーク温度Tcは、例えば、融解した樹脂を急冷して作製したサンプルを用いて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定しうる。
以下、この製造方法について説明する。
[1.1.工程1]
工程1は、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる原反フィルムを、原反フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、(Tc-5)℃以上(Tc+25)℃以下の温度で、1秒~30秒間保持する工程である。工程1を行うことにより、原反フィルムにおいては、脂環式構造含有重合体の結晶化が、わずかに進行しうる。
「結晶化がわずかに進行」とは、X線回折法によって結晶化度を測定した場合に、結晶化度が1%以下のことを言う。
[原反フィルム]
工程1で用いる原反フィルムは、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなるフィルムである。以下の説明において、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂を「結晶性樹脂」ということがある。
原反フィルムは結晶性樹脂をフィルム状に成形することにより製造しうる。成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法、注型成形法、圧縮成形法等の樹脂成型法によって製造しうる。これらの中でも、厚みの制御が容易であることから、押出成形法によって原反フィルムを製造することが好ましい。
押出成形法によって原反フィルムを製造する場合、その押出成形法における製造条件は、好ましくは下記の通りである。シリンダー温度(溶融樹脂温度)は、好ましくは脂環式構造含有重合体の融点Tm℃以上、より好ましくは(Tm+20)℃以上であり、好ましくは(Tm+100)℃以下、より好ましくは(Tm+50)℃以下である。また、キャストロール温度は、好ましくは(Tg-50)℃以上であり、好ましくは(Tg+70)℃以下、より好ましくは(Tg+40)℃以下である。ここで、「Tg」は脂環式構造含有重合体のガラス転移温度(℃)を表す。さらに、冷却ロール温度は、好ましくは(Tg-70)℃以上、より好ましくは(Tg-50)℃以上であり、好ましくは(Tg+60)℃以下、より好ましくは(Tg+30)℃以下である。このような条件で原反フィルムを製造することにより、厚さ1μm~1mmの原反フィルムを容易に製造できる。
原反フィルムの厚みは、樹脂フィルムの厚みに応じて任意に設定しうるものであり、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは200μm以下である。
[結晶性樹脂]
結晶性樹脂は、結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む。ここで、脂環式構造含有重合体とは、分子内に脂環式構造を有する重合体であって、環状オレフィンを単量体として用いた重合反応によって得られうる重合体又はその水素添加物をいう。また、脂環式構造含有重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
脂環式構造含有重合体が有する脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が挙げられる。これらの中でも、熱安定性などの特性に優れる樹脂フィルムが得られ易いことから、シクロアルカン構造が好ましい。1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数は、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下である。1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数が上記範囲内にあることで、機械的強度、耐熱性、及び成形性が高度にバランスされる。
脂環式構造含有重合体において、全ての構造単位に対する脂環式構造を有する構造単位の割合は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。脂環式構造含有重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合を前記のように多くすることにより、耐熱性を高めることができる。
また、脂環式構造含有重合体において、脂環式構造を有する構造単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択しうる。
結晶性樹脂に含まれる脂環式構造含有重合体は、結晶性を有する。ここで、「結晶性を有する脂環式構造含有重合体」とは、融点Tmを有する〔すなわち、示差走査熱量計(DSC)で融点を観測することができる〕脂環式構造含有重合体をいう。脂環式構造含有重合体の融点Tmは、好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上であり、好ましくは290℃以下である。このような融点Tmを有する脂環式構造含有重合体を用いることによって、成形性と耐熱性とのバランスに更に優れた樹脂フィルムを得ることができる。
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上であり、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下である。このような重量平均分子量を有する脂環式構造含有重合体は、成形加工性と耐熱性とのバランスに優れる。
脂環式構造含有重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下である。ここで、Mnは数平均分子量を表す。このような分子量分布を有する脂環式構造含有重合体は、成形加工性に優れる。
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを展開溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として測定しうる。
脂環式構造含有重合体のガラス転移温度Tgは、特に限定されないが、通常は85℃以上、通常170℃以下である。
前記の脂環式構造含有重合体としては、例えば、下記の重合体(α)~重合体(δ)が挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れる樹脂フィルムが得られ易いことから、結晶性の脂環式構造含有重合体としては、重合体(β)が好ましい。
重合体(α):環状オレフィン単量体の開環重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(β):重合体(α)の水素添加物であって、結晶性を有するもの。
重合体(γ):環状オレフィン単量体の付加重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(δ):重合体(γ)の水素添加物等であって、結晶性を有するもの。
上記重合体(α)~重合体(δ)としては、WO2016/067893号に開示されている製造方法により得られる重合体を用いうる。
脂環式構造含有重合体としては、具体的にはジシクロペンタジエンの開環重合体及び、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物が好ましく、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物がより好ましい。ここで、ジシクロペンタジエンの開環重合体とは、全構造単位に対するジシクロペンタジエン由来の構造単位の割合が、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%の重合体をいう。
結晶性樹脂において、結晶性を有する脂環式構造含有重合体の割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。結晶性を有する脂環式構造含有重合体の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、本発明の樹脂フィルムの耐熱性を高めることができる。
結晶性樹脂に含まれる脂環式構造含有重合体は、本発明の樹脂フィルムを製造するよりも前においては、結晶化していなくてもよい。
結晶性樹脂は、結晶性を有する脂環式構造含有重合体に加えて、任意の成分を含みうる。任意の成分としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤;石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリアルキレンワックス等のワックス;ソルビトール系化合物、有機リン酸の金属塩、有機カルボン酸の金属塩、カオリン及びタルク等の核剤;ジアミノスチルベン誘導体、クマリン誘導体、アゾール系誘導体(例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、及びベンゾチアソール誘導体)、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ナフタル酸誘導体、及びイミダゾロン誘導体等の蛍光増白剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維等の無機充填材;着色剤;難燃剤;難燃助剤;帯電防止剤;可塑剤;近赤外線吸収剤;滑剤;フィラー、及び、軟質重合体等の、結晶性を有する脂環式構造含有重合体以外の任意の重合体;などが挙げられる。また、任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
[原反フィルムの保持]
本発明において、「原反フィルムを緊張させた状態」とは、原反フィルムに張力がかかった状態をいう。ただし、この原反フィルムを緊張させた状態には、原反フィルムが実質的に延伸される状態を含まない。また、実質的に延伸されるとは、原反フィルムのいずれかの方向への延伸倍率が通常1.1倍以上になることをいう。
原反フィルムを保持する場合、適切な保持具によって原反フィルムを保持する。保持具は、原反フィルムの辺の全長を連続的に保持しうるものでもよく、間隔を空けて間欠的に保持しうるものでもよい。例えば、所定の間隔で配列された保持具によって原反フィルムの辺を間欠的に保持してもよい。
原反フィルムは、当該原反フィルムの少なくとも二辺を保持されて緊張した状態にされる。これにより、保持された辺の間の領域において原反フィルムの熱収縮による変形が妨げられる。原反フィルムの広い面積において変形を妨げるためには、対向する二辺を含む辺を保持して、その保持された辺の間の領域を緊張した状態にすることが好ましい。例えば、矩形の枚葉の原反フィルムでは、対向する二辺(例えば、長辺同士、又は、短辺同士)を保持して前記二辺の間の領域を緊張した状態にすることで、その枚葉の原反フィルムの全面において変形を妨げることができる。また、長尺の原反フィルムでは、幅方向の端部にある二辺(即ち、長辺)を保持して前記二辺の間の領域を緊張した状態にすることで、その長尺の原反フィルムの全面において変形を妨げることができる。このように変形を妨げられた原反フィルムは、熱収縮によってフィルム内に応力が生じても、シワ等の変形の発生が抑制される。
加熱による変形をより確実に抑制するためには、より多くの辺を保持することが好ましい。よって、例えば、枚葉の原反フィルムでは、その全ての辺を保持することが好ましい。具体例を挙げると、矩形の枚葉の原反フィルムでは、四辺を保持することが好ましい。
原反フィルムの辺を保持しうる保持具としては、原反フィルムの辺以外の部分では原反フィルムと接触しないものが好ましい。このような保持具を用いることにより、より平滑性に優れる樹脂フィルムを得ることができる。
また、保持具としては、保持する間において、保持具同士の相対的な位置を固定しうるものが好ましい。このような保持具は、保持具同士の位置が相対的に移動しないので、保持する間、原反フィルムの実質的な延伸を抑制しやすい。
好適な保持具としては、例えば、矩形の原反フィルム用の保持具として、型枠に所定間隔で設けられ原反フィルムの辺を把持しうるクリップ等の把持子が挙げられる。また、例えば、長尺の原反フィルムの幅方向の端部にある二辺を保持するための保持具としては、テンター延伸機に設けられ原反フィルムの辺を把持しうる把持子が挙げられる。
長尺の原反フィルムを用いる場合、その原反フィルムの長手方向の端部にある辺(即ち、短辺)を保持してもよいが、前記の辺を保持する代わりに原反フィルムの工程1を施される領域の長手方向の両側を保持してもよい。例えば、原反フィルムの工程1を施される領域の長手方向の両側に、原反フィルムを熱収縮しないように保持して緊張させた状態にしうる保持装置を設けてもよい。このような保持装置としては、例えば、2つのロールの組み合わせ、押出機と引き取りロールとの組み合わせ、などが挙げられる。これらの組み合わせによって原反フィルムに搬送張力等の張力を加えることで、結晶化処理を施される領域において当該原反フィルムの熱収縮を抑制できる。そのため、前記の組み合わせを保持装置として用いれば、原反フィルムを長手方向に搬送しながら当該原反フィルムを保持できるので、樹脂フィルムの効率的な製造ができる。
工程1では、前記のように原反フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、当該原反フィルムを、(Tc-5)℃以上(Tc+25)℃以下の温度で1秒~30秒間保持する。
工程1における、原反フィルムの保持温度は、通常Tc-5℃以上、好ましくは(Tc+0)℃以上であり、通常(Tc+25)℃以下、好ましくは(Tc+20)℃以下である。保持温度を下限値以上とすることにより、原反フィルムにおいて脂環式構造含有重合体の結晶化を進行させることができ、保持温度を上限値以下とすることにより、延伸前の脂環式構造含有重合体の結晶化の進行をごくわずかにとどめることができる。
工程1における原反フィルムの保持時間は、通常1秒以上、好ましくは3秒以上であり、通常30秒以下、好ましくは20秒以下である。保持時間を下限値以上とすることにより、原反フィルムにおいて脂環式構造含有重合体の結晶化を進行させることができ、保持時間を上限値以下とすることにより、延伸前の脂環式構造含有重合体の結晶化の進行をごくわずかにとどめることができる。
[1.2.工程2]
工程2は、工程1を行った原反フィルムを、(Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下の温度で、1秒~60秒間保持する工程である。工程2を行うことにより、延伸前に、原反フィルムの温度を延伸温度付近にすることができるので、工程3(延伸工程)を円滑に行うことができる。
工程2における、原反フィルムの保持温度は、通常(Tg+5)℃以上、好ましくは(Tg+10)℃以上であり、通常(Tg+25)℃以下、好ましくは(Tg+20)℃以下である。保持温度を下限値以上とすることにより、原反フィルムの温度を延伸温度に近づけることができ、保持温度を上限値以下とすることにより、延伸前における脂環式構造含有重合体の結晶化の進行を抑制することができる。
工程2における原反フィルムの保持時間は、通常1秒以上、好ましくは5秒以上であり、通常60秒以下、好ましくは30秒以下である。保持時間を下限値以上とすることにより、原反フィルムの温度を延伸温度に近づけることができ、保持時間を上限値以下とすることにより、延伸前における脂環式構造含有重合体の結晶化の進行を抑制することができる。
[工程1の保持温度と工程2の保持温度との関係]
工程1における保持温度と工程2における保持温度との差は、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは30℃以上であり、好ましくは50℃以下であり、より好ましくは40℃以下である。保持温度の差を下限値以上、上限値以下とすることにより本発明の製造方法により得られる樹脂フィルムの内部ヘイズを小さくすることができる。
工程2は工程1と同様に原反フィルムを緊張させた状態で行いうる。また、工程2は、工程3を行う装置内で行ってもよい。
[1.3.工程3]
工程3は、工程2を行った原反フィルムを、工程2と同じ温度で、延伸倍率1.1以上で延伸して延伸フィルムを得る工程である。工程3を行うことにより、工程4における大きな結晶粒の発生を抑制できるので、結晶粒に起因する白化を抑制でき、樹脂フィルムの透明性を高めることができる。また、工程3を行うことにより、所望の特性を有する樹脂フィルムを得ることができる。
[延伸方法]
工程2を行った原反フィルムの延伸方法に格別な制限は無く、任意の延伸方法を用いうる。例えば、原反フィルムを長手方向に一軸延伸する方法(縦一軸延伸法)、原反フィルムを幅方向に一軸延伸する方法(横一軸延伸法)等の、一軸延伸法;原反フィルムを長手方向に延伸すると同時に幅方向に延伸する同時二軸延伸法、原反フィルムを長手方向及び幅方向の一方に延伸した後で他方に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;原反フィルムを幅方向に平行でもなく垂直でもない斜め方向に延伸する方法(斜め延伸法);などが挙げられる。
前記の縦一軸延伸法としては、例えば、ロール間の周速の差を利用した延伸方法などが挙げられる。
また、前記の横一軸延伸法としては、例えば、テンター延伸機を用いた延伸方法などが挙げられる。
さらに、前記の同時二軸延伸法としては、例えば、ガイドレールに沿って移動可能に設けられ且つ原反フィルムを固定しうる複数のクリップを備えたテンター延伸機を用いて、クリップの間隔を開いて原反フィルムを長手方向に延伸すると同時に、ガイドレールの広がり角度により原反フィルムを幅方向に延伸する延伸方法などが挙げられる。
また、前記の逐次二軸延伸法としては、例えば、ロール間の周速の差を利用して、原反フィルムを長手方向に延伸した後で、当該フィルムの両端部をクリップで把持してテンター延伸機により幅方向に延伸する延伸方法などが挙げられる。
さらに、前記の斜め延伸法としては、例えば、原反フィルムに対して長手方向又は幅方向に左右異なる速度の送り力、引張り力又は引取り力を付加しうるテンター延伸機を用いて原反フィルムを斜め方向に連続的に延伸する延伸方法などが挙げられる。
原反フィルムを延伸する場合の延伸温度は、工程2の保持温度と同じ温度((Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下)である。「工程2の保持温度と同じ温度」には、工程2の保持温度に対し通常±5℃、好ましくは±2℃の範囲を含みうる。
本発明において、原反フィルムを延伸する場合の延伸倍率は、1.1以上である。延伸倍率は、所望の光学特性、厚み、強度などにより適宜選択しうるが、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。ここで、例えば二軸延伸法のように異なる複数の方向に延伸を行う場合、延伸倍率は各延伸方向における延伸倍率の積で表される総延伸倍率のことである。延伸倍率を前記範囲の上限値以下にすることにより、フィルムが破断する可能性を小さくできるので、樹脂フィルムの製造を容易に行うことができる。
[1.4.工程4]
工程4は、延伸フィルムを、(Tc+10)℃以上(Tc+100)℃以下で、5秒~90秒間保持する工程である。工程4を行うことにより延伸フィルムに含まれる脂環式構造含有重合体の結晶化が進行し、結晶化した脂環式構造含有重合体を含む樹脂フィルムが得られる。
工程4における保持温度は、(Tc+10)℃以上(Tc+100)℃以下であり、好ましくは(Tc+15)℃以上、(Tc+60)℃以下である。工程4における温度を前記範囲の上限以下にすることにより、樹脂フィルムの白濁を抑制できるので、光学フィルムとしての使用に適した樹脂フィルムが得られる。
延伸フィルムを前記のような温度にする場合、通常、延伸フィルムの加熱を行う。この際に用いる加熱装置としては、加熱装置と延伸フィルムとの接触が不要であることから、延伸フィルムの雰囲気温度を上昇させうる加熱装置が好ましい。好適な加熱装置の具体例を挙げると、オーブン及び加熱炉が挙げられる。
工程4において、延伸フィルムを前記の温度範囲に保持する保持時間は、5秒以上90秒以下であり、好ましくは15秒以上、45秒以下である。保持時間を下限値以上とすることで、脂環式構造含有重合体の結晶化を十分に進行させ、樹脂フィルムの耐熱性を高めることができる。また、保持時間を上限値以下とすることにより、樹脂フィルムの白濁を抑制できるので、光学フィルムとしての使用に適した樹脂フィルムが得られる。
延伸フィルムを保持する際には、適切な保持具によって延伸フィルムを保持する。保持具は、延伸フィルムの辺の全長を連続的に保持しうるものでもよく、間隔を空けて間欠的に保持しうるものでもよい。例えば、所定の間隔で配列された保持具によって延伸フィルムの辺を間欠的に保持してもよい。
延伸フィルムを保持する際には、延伸フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で行ってもよい。このような態様とすると、延伸フィルムの変形を妨げながら緊張した状態にしているので、延伸フィルムの平滑性を損なうことなく、結晶化を進めることができる。
延伸フィルムを保持する際に用いる保持具としては、前述の工程1で用いる原反フィルムの保持具と同じ保持具を用いうる。延伸フィルムを緊張させた状態で保持する場合、工程1の保持方法と同じ方法で行いうる。工程4においては、変形の抑制がより確実なものとなるという観点から、延伸方向(二軸延伸の場合は延伸倍率が大きい方向)と直交する少なくとも二辺を保持することが好ましい。
[1.5.任意の工程]
本発明の樹脂フィルムの製造方法では、上述した工程1~4と組み合わせて、更に任意の工程を行ってもよい。
任意の工程としては例えば、フィルムの緊張を緩和する工程(緩和工程)及び得られた樹脂フィルムに表面処理を行う工程等が挙げられる。
[緩和工程]
本発明の製造方法は、工程4を行うことにより得られる結晶化した脂環式構造含有重合体を含む樹脂フィルム(「結晶化フィルム」ともいう)を平坦に維持しながら、所定の温度範囲で、フィルムの緊張を緩和する緩和工程を含んでいてもよい。
フィルムの緊張を緩和する、とは、保持装置等によって保持されて緊張した状態からフィルムを解放することをいう。このように緊張が緩和されると、結晶化フィルムは熱収縮を生じうる状態となる。緩和工程では、結晶化フィルムに熱収縮を生じさせることによって、樹脂フィルムに加熱時において生じうる応力を解消している。したがって、樹脂フィルムの高温環境下での熱収縮を小さくでき、高温環境下での寸法安定性に優れる樹脂フィルムが得られるという観点から、緩和工程を行うことが好ましい。
結晶化フィルムの緊張の緩和は、一時に行ってもよく、時間をかけて連続的又は段階的に行ってもよい。ただし、得られる樹脂フィルムの波打ち及びシワ等の変形の発生を抑制するためには、緊張の緩和は、連続的又は段階的に行うことが好ましい。
前記の結晶化フィルムの緊張の緩和は、結晶化フィルムを平坦に維持しながら行う。ここで結晶化フィルムを平坦に維持する、とは、結晶化フィルムに波打ち及びシワといった変形を生じないように結晶化フィルムを平面形状に保つことをいう。これにより、得られる樹脂フィルムの波打ち及びシワ等の変形の発生を抑制できる。
緩和処理の際の結晶化フィルムの処理温度は、脂環式構造含有重合体のガラス転移温度Tg以上、脂環式構造含有重合体の融点Tm以下の温度範囲において設定しうる。具体的な処理温度は、脂環式構造含有重合体の種類に応じて設定しうる。例えば、脂環式構造含有重合体としてジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物を用いる場合、好ましくは(Tg+20)℃以上、より好ましくは(Tg+30)℃以上であり、好ましくは(Tm-20)℃以下、より好ましくは(Tm-40)℃以下である。また、工程4から冷却を経ずに引き続いて緩和工程を行う場合には、緩和工程における結晶化フィルムの処理温度は、工程4での温度と同じであることが好ましい。これにより、緩和工程における結晶化フィルムの温度ムラを抑制したり、樹脂フィルムの生産性を高めることができる。
緩和工程において、結晶化フィルムを前記の温度範囲に維持する処理時間は、好ましくは1秒以上、より好ましくは5秒以上であり、好ましくは10分間以下である。処理時間を前記範囲の下限値以上にすることにより、本発明の樹脂フィルムの高温環境下での寸法安定性を効果的に高めることができる。また、上限値以下にすることにより、本発明の樹脂フィルムの高温環境下での寸法安定性を効果的に高めることができ、また、緩和工程における結晶化の進行による樹脂フィルムの白濁を抑制することができる。
前記のような緩和工程において枚葉の結晶化フィルムに緩和処理を施す場合、例えば、その結晶化フィルムの四辺を保持しながら、保持部分の間隔を連続的又は段階的に狭める方法を採用しうる。この場合、結晶化フィルムの四辺において保持部分の間隔を同時に狭めてもよい。また、一部の辺において保持部分の間隔を狭めた後で、別の一部の辺の保持部分の間隔を狭めてもよい。さらに、一部の辺の保持部分の間隔を狭めないで維持してもよい。また、一部の辺の保持部分の間隔は連続的又は段階的に狭め、別の一部の辺の保持部分の間隔を一時に狭めてもよい。
また、前記のような緩和工程において長尺の結晶化フィルムに緩和処理を施す場合、例えば、テンター延伸機を用いて、クリップを案内しうるガイドレールの間隔を結晶化フィルムの搬送方向において狭めたり、隣り合うクリップの間隔を狭めたりする方法が挙げられる。
前記のように、結晶化フィルムを保持した状態で保持部分の間隔を狭めることで結晶化フィルムの緊張の緩和を行う場合、間隔を狭める程度は、結晶化工程において得られた結晶化フィルムに残留していた応力の大きさに応じて設定しうる。
例えば、原反フィルムとして延伸処理を施された延伸フィルムを用いる場合には、結晶化工程において得られた結晶化フィルムには大きな応力が残留する傾向がある。そのため、この結晶化フィルムの緊張を緩和するために間隔を狭める程度は、大きくすることが好ましい。また、例えば、原反フィルムとして延伸処理を施されていない未延伸フィルムを用いる場合には、結晶化工程において得られた結晶化フィルムには小さい応力が残留する傾向がある。そのため、この結晶化フィルムの緊張を緩和するために間隔を狭める程度は、小さくすることが好ましい。
[1.6.本発明の製造方法において用いる装置の第一の例]
以下、本発明の製造方法において用いるフィルムの製造装置の一例について説明する。本例においては、枚葉の原反フィルムを用いて枚葉の樹脂フィルムを製造する場合に用いうる製造装置の例を示す。ただし、製造装置は、本例に限定されない。
図1及び図2は、樹脂フィルムの製造装置の例を模式的に示す平面図である。
枚葉の原反フィルムを用いる場合の製造装置としては、例えば4辺チャック型の延伸装置(例えば東洋精機製作所社製二軸延伸試験装置)を用いることができる。この製造装置には図1に示すような、原反フィルム10の各辺を把持するためのクリップ121,122,123,124を備えた保持機構100と、クリップ121,122,123,124の間隔を変化させる機構(図示せず)が備えられている。
保持機構100は、図1に示すように複数の保持具としてクリップ121、122、123及び124を備える。クリップ121、クリップ122、クリップ123及びクリップ124は、それぞれ、原反フィルム10の辺11、辺12、辺13及び辺14を把持しうるように設けられている。また保持機構は、クリップ121とクリップ123、クリップ122とクリップ124が、各々連動して、隣接するクリップ同士の間隔が常に等しくなる関係を保ちながら、対向するクリップ列同士の間隔を変化(拡大または縮小)させられる機構を備えている。
このような製造装置を用いて工程1を行う場合、保持機構100に、脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる原反フィルム10を取り付ける。具体的には、クリップ121~124で原反フィルム10を把持することで、原反フィルム10の四辺11~14を保持して緊張させた状態にする。そして、このように緊張した状態の原反フィルム10を、図示しない加熱装置により、(Tc-5)℃以上(Tc+5)℃以下で1~30秒間加熱する。
工程1を行った後は、原反フィルム10を保持機構100に取り付けたまま、引き続き工程2を行ってもよいし、保持機構100から原反フィルム1を取り外して別の装置にて工程2以降を行ってもよい。
工程1を行った後、引き続き工程2を行う場合、保持機構100に取り付けた原反フィルム10を、図示しない加熱装置により、(Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下の温度で、1秒~60秒間加熱する。
工程3は工程2に引き続き(Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下の温度で原反フィルム10を1.1倍以上の延伸倍率で延伸することにより行う。延伸の方式は固定端または自由端の一軸延伸、同時または逐次の二軸延伸など目的に応じて任意に選択すれば良い。フィルムの4辺を固定している場合、任意の1軸の延伸倍率(仮にXとする)に対して、直交する軸の延伸倍率を1/√X倍として同時二軸延伸することで、自由端の一軸延伸を模した延伸方式とすることができる。
工程3を行った後は、延伸後のフィルムを保持機構100に取り付けたまま、引き続き工程4を行ってもよいし、保持機構100から延伸後のフィルムを取り外して別の装置にて工程4以降を行ってもよい。
引き続き工程4を行う場合、延伸後のフィルムを保持機構100に取り付けたまま、図示しない加熱装置により、(Tc+10)℃以上(Tc+100)℃以下で、5秒~90秒間加熱する。
工程4を行った後の延伸フィルム20(結晶化フィルム)の緊張を緩和する工程を行う場合、図2に示すように、保持機構100のクリップ121~124の間隔I121、I122、I123及びI124を狭める。これにより、結晶化フィルムの熱収縮による寸法変化に追従するように、クリップ121~124による結晶化フィルムの保持部分の間隔は狭まる。そのため、結晶化フィルムは、平坦に維持しながら緊張を緩和されて、枚葉の樹脂フィルムが得られる。
[1.7.本発明の製造方法において用いる装置の第二の例]
以下、本発明の製造方法において用いる製造装置の第二の例について説明する。第二の例は、長尺の原反フィルムを用いて長尺の樹脂フィルムを製造する場合に用い得る製造装置の例を示す。ただし、長尺の樹脂フィルムの製造装置は、この第二の例に限定されない。
図3は、樹脂フィルムの製造装置の例を模式的に示す正面図であり、図4は、樹脂フィルムの製造装置の例を模式的に示す平面図である。
図3及び図4に示すように、製造装置200は、保持装置及び延伸装置としてのテンター延伸機300、搬送ロール410及び420、並びに、加熱装置としてのオーブン500を備える。
図4に示すように、テンター延伸機300は、原反フィルム30の幅方向の両端部31及び32を把持しうる複数の把持子311及び312を備え、把持子311及び312により原反フィルム30を引っ張って、原反フィルム30を延伸しうる装置である。
テンター延伸機300は、把持子311及び312を案内しうるガイドレール313,314を、原反フィルム30の長手方向の左右両脇に対に備える。把持子311及び312は移動可能になっていて、適切な任意の機構によって駆動されることにより、ガイドレール313及び314に沿って移動し、矢印A22に示される方向に周回しうるようになっている。
テンター延伸機300には、原反フィルム30が上流(図4における左側)から連続的に供給され、テンター延伸機300内を通過しうるようになっている。テンター延伸機300内を原反フィルム30が通過する際、把持子311及び312は、適切な任意の機構により、テンター延伸機310の入り口近傍の区間において原反フィルム30の幅方向の両端部31及び32を把持し、その把持した状態を維持したままでガイドレール313及び314に沿って移動し、テンター延伸機300の出口近傍の区間において放せるようになっている。
ガイドレール313及び314は、入り口から出口へと進むに従って、左右両脇のガイドレール313及び314間の距離が次第に大きくなるようになっている。このため、把持子311及び把持子312との幅方向の間隔は、原反フィルム30の進行方向への移動に伴い、広くなるようになっている。したがって、テンター延伸機300では、前記のように把持子311及び312が原反フィルム30の幅方向の両端部31,32を掴んだ状態でガイドレール313及び314に沿って移動することにより、把持子311及び312によって原反フィルム300を幅方向に引っ張って、原反フィルム30を延伸しうるようになっている。
また、テンター延伸機300はオーブン500を備える。このオーブン500により、把持子311及び312によって把持された原反フィルム30を加熱しうるようになっている。これにより、テンター延伸機300では、工程1の保持温度、工程2の保持温度、工程3の延伸温度、工程4の保持温度及び緩和工程の温度を調整しうるようになっている。
オーブン500は隔壁521,522,523,524によって、第1予熱室511(工程1を行う室)、第2予熱室512(工程2を行う室)、延伸室513(工程3を行う室)、結晶化室514(工程4を行う室)、緩和室515(緩和工程を行う室)に区画されている。
このような製造装置200を用いて樹脂フィルム50を製造する場合、脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる長尺の原反フィルム30を、搬送ロール410を経由してテンター延伸機300に供給する。
テンター延伸機300へ送られた原反フィルム30は、図4に示すように、オーブン500の入り口520の近傍において把持子311及び312に把持されることにより、二辺31及び32を把持子311及び312によって保持される。把持子311及び321に保持された原反フィルム30は、前記の把持子311及び312による保持、並びに、搬送ロール410及び420による保持によって、緊張した状態にされる。そして、原反フィルム30は、このように緊張した状態のままで、原反フィルム30は入り口510を通ってオーブン500内の第1予熱区間511に搬送される。
第1予熱室511において、原反フィルム30は、原反フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、(Tc-5)℃以上(Tc+25)℃以下の温度で、1秒~30秒間保持される(工程1)。これにより原反フィルム30が加熱され、該原反フィルム30に含まれる脂環式構造含有重合体の結晶化がわずかに進行しうる。この際、原反フィルム30の二辺31及び32が保持されて緊張した状態となっており、さらに搬送ロール410及び420による保持によっても緊張した状態となっているので、原反フィルム30には熱収縮による変形は生じない。
第1予熱室511において予熱された原反フィルム30は、第2予熱室512に搬送される。第2予熱室512において、原反フィルム30は、(Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下の温度で、1秒~60秒間保持される(工程2)。これにより原反フィルム30の温度が延伸温度近傍まで加熱される。
第2予熱室512において予熱された原反フィルム30は延伸室513に搬送される。
延伸室513において、原反フィルム30は、工程2の保持温度と同じ温度で、延伸倍率1.1以上で延伸される(工程3)。工程2において、原反フィルム30の温度は延伸温度近傍まで加熱されているので、工程3を円滑に行い得る。工程3を行うことにより延伸フィルム40が得られる。
延伸室513にて延伸された原反フィルム30(延伸フィルム40)は、結晶化室514に搬送される。結晶化室514において、延伸フィルム40は、(Tc+10)℃以上(Tc+100)℃以下で、5秒~90秒間保持される(工程4)。結晶化室514においては、延伸フィルム40が所定温度で加熱されることにより、延伸フィルム40に含まれる脂環式構造含有重合体の結晶化が進行し、結晶化した脂環式構造含有重合体を含む樹脂フィルム(結晶化フィルム)が得られる。本例では、延伸フィルム40の二辺が保持されて緊張した状態となっており、さらに搬送ロール410及び420による保持によっても緊張した状態となっているので、結晶化フィルムには熱収縮による変形は生じない。そのため、通常は、結晶化フィルムには、熱収縮を生じさせようとする応力が残留している。
その後、結晶化フィルムは、二辺を把持子311及び312で保持されたままで、オーブン500の緩和室515に送られる。緩和室515では、結晶化フィルムを、引き続き脂環式構造含有重合体のガラス転移温度Tg以上、前記脂環式構造含有重合体の融点Tm以下の温度範囲に加熱した状態で、フィルム搬送方向における把持子311及び312の間隔並びにフィルム幅方向における把持子311及び312の間隔を狭める。これにより、結晶化フィルムの熱収縮による寸法変化に追従するように、把持子311及び312による結晶化フィルム40の保持部分の間隔は狭まる。そのため、結晶化フィルムは、平坦に維持しながら緊張を緩和されて、長尺の樹脂フィルム50が得られる。
樹脂フィルム50は、出口525を通ってオーブン500の外へ送り出される。そして、樹脂フィルム50は、オーブン500の出口525の近傍において把持子311及び312から放され、搬送ロール420を経由して送り出され、回収される。
こうして得られた樹脂フィルム50では、樹脂フィルム50に含まれる脂環式構造含有重合体が結晶化されているので、この樹脂フィルム50は、通常、耐熱性に優れる。
また、本例の製造方法では、延伸前に結晶性を有する脂環式構造含有重合体の結晶化が進行しうる温度で原反フィルム30を保持する工程を行った後、前記温度よりも低温で延伸工程を行う。このような製造方法によれば、表面に微細な凹凸構造を有する樹脂フィルム50が得られうる。その結果、本例の製造方法によれば、全ヘイズが高くかつ内部ヘイズが低い樹脂フィルム50が得ることができる。
さらに、本例の製造方法においては、緩和工程を行っているので、高温環境下における寸法変化の原因となり得るフィルム内の応力が解消されている。そのため、得られた樹脂フィルム50において、高温環境下での寸法安定性を向上させることができる。
[2.樹脂フィルム]
本発明の樹脂フィルムは、上述した製造方法により得られる樹脂フィルムである。当該樹脂フィルムにおいては、表面に微細な凹凸が形成されうるので、全ヘイズが高くかつ内部ヘイズが低い樹脂フィルムとしうる。
また、本発明の樹脂フィルムにおいては、表面に微細な凹凸が形成されうるので、フィルム同士の摩擦を減らし、易滑処理や、マスキングフィルムを用いなくても、樹脂フィルムのみで、ロール巻き取りが可能である。さらに、樹脂フィルムのみで、表面に微細な凹凸構造を実現しているので、他の層により易滑処理層を形成する場合よりも樹脂フィルム同士が擦れ合った際の傷の発生や、ゴミの発生を抑制することができる。
本発明の樹脂フィルムの全ヘイズは特に限定されないが、好ましくは1%以上、より好ましくは5以上であり、好ましくは70%以下、より好ましくは30%以下である。全ヘイズを下限値以上とすることにより、樹脂フィルムの表面に微細な凹凸が形成され、これにより樹脂フィルム同士の摩擦を小さくし、易滑処理を行わない場合やマスキングフィルムレスの場合でも、ロールに巻き取ることが可能である。
樹脂フィルムの全ヘイズは、当該樹脂フィルムを選択した任意の部位で50mm×50mmの正方形の試験片に切り出し、当該試験片について、ヘイズメーターを用いて測定しうる。
本発明の樹脂フィルムは、内部ヘイズが小さいことが好ましい。具体的には、本発明の樹脂フィルムの内部ヘイズは、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.2%以下である。内部ヘイズ値を上限値以下とすることにより、透明性に優れた樹脂フィルムとしうる。
樹脂フィルムの内部ヘイズは、以下の方法により測定しうる。まず、樹脂フィルムを選択した任意の部位で50mm×50mmの正方形に切り出したフィルム片の両面に、厚み50μmの透明光学粘着フィルムを介して、シクロオレフィンフィルムをそれぞれ貼合した試験片のヘイズ値を、ヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH5000」)を用いて測定する。
このようにして測定した試験片のヘイズ値から、シクロオレフィンフィルム2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム2層分のヘイズ値との和を差し引いた値を樹脂フィルムの内部ヘイズとする。
本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルム同士の静摩擦係数が、好ましくは1.0以下であり、より好ましくは0.9以下であり、さらに好ましくは0.8以下である。樹脂フィルム同士の静摩擦係数の下限値は好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.4以上である。樹脂フィルム同士の静摩擦係数を上限値以下とすることにより、易滑処理を行わない場合やマスキングフィルムレスの場合でも、ロールに巻き取ることが可能となる。静摩擦係数は、JIS K7125に準拠して、親東科学社製の表面性測定器「Type 32」を用いて測定しうる。
本発明の樹脂フィルムは、透明性に優れることが好ましい。具体的には、本発明の樹脂フィルムの全光線透過率は、好ましくは90%より大きく、より好ましくは91%以上である。
樹脂フィルムの全光線透過率は、紫外・可視分光計を用いて、波長400nm~700nmの範囲で測定しうる。
また、本発明の製造方法により得られる樹脂フィルムは、結晶性樹脂に含まれる脂環式構造含有重合体が結晶化している。
樹脂フィルムに含まれる脂環式構造含有重合体の結晶化度は、所望の性能に応じて適宜選択しうるが、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。樹脂フィルムに含まれる脂環式構造含有重合体の結晶化度を前記範囲の下限値以上にすることにより、樹脂フィルムに高い耐熱性や耐薬品性を付与することができる。樹脂フィルムに含まれる脂環式構造含有重合体の結晶化度は、X線回折法によって測定しうる。
本発明の樹脂フィルムは、用途に応じて、レターデーションを有していてもよい。例えば、本発明の樹脂フィルムを位相差フィルム、光学補償フィルム等の光学フィルムとして用いる場合には、樹脂フィルムはレターデーションを有することが好ましい。
本発明の樹脂フィルムの厚みは所望の用途に応じて適宜選択しうるが、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。樹脂フィルムの厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、適度の強度を得ることができる。また、上限値以下にすることにより、長尺のフィルムを製造する場合の巻取りを可能にすることができる。
本発明の樹脂フィルムは、任意の用途に用いうる。中でも、本発明の樹脂フィルムは、例えば、光学等方性フィルム及び位相差フィルム等の光学フィルム、電気電子用フィルム、バリアフィルム用の基材フィルム、並びに、導電性フィルム用の基材フィルムとして好適である。前記の光学フィルムとしては、例えば、液晶表示装置用の位相差フィルム、偏光板保護フィルム、有機EL表示装置の円偏光板用の位相差フィルム、等が挙げられる。電気電子用フィルムとしては、例えば、フレキシブル配線基板、フィルムコンデンサー用絶縁材料、などが挙げられる。バリアフィルムとしては、例えば、有機EL素子用の基板、封止フィルム、太陽電池の封止フィルム、などが挙げられる。導電性フィルムとしては、例えば、有機EL素子や太陽電池のフレキシブル電極、タッチパネル部材、などが挙げられる。
本発明の樹脂フィルムは、その用途に応じて、任意の処理を行いうる。任意の処理としては、ナーリング処理等の表面処理、機能性を付与する層(機能層)の形成等が挙げられる。
[3.複合フィルム]
本発明の複合フィルムは、本発明の樹脂フィルムと、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に設けた機能層と、を備える。
機能層としては、バリア層、導電性層、帯電防止層、ハードコート層、汚染防止層、反射防止層、防眩性層および易接着性層等が挙げられる。機能層は、各層を形成するための材料、例えば、無機材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂及びこれらの混合物等によって形成しうる。機能層は、本発明の樹脂フィルムの表面に直接又は、他の層等を介して間接的に設けることができる。機能層は、所望の機能を有するフィルムを、本発明の樹脂フィルムの表面に、粘着剤等を介して貼合することにより設けてもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法]
〔重量平均分子量及び数平均分子量の測定方法〕
重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム(東ソー社製「HLC-8320」)を用いて、ポリスチレン換算値として測定した。測定の際、カラムとしてはHタイプカラム(東ソー社製)を用い、溶媒としてはテトラヒドロフランを用いた。また、測定時の温度は、40℃であった。
〔ガラス転移温度Tg、結晶化ピーク温度Tcの測定方法〕
窒素雰囲気下で300℃に加熱した樹脂を液体窒素で急冷し、示差操作熱量計(DSC)を用いて、10℃/分で昇温して試料のガラス転移温度Tgおよび結晶化ピーク温度Tcをそれぞれ求めた。
〔重合体の水素添加率の測定方法〕
重合体の水素添加率は、オルトジクロロベンゼン-dを溶媒として、145℃で、H-NMR測定により測定した。
〔重合体のラセモ・ダイアッドの割合の測定方法〕
オルトジクロロベンゼン-dを溶媒として、200℃で、inverse-gated decoupling法を適用して、重合体の13C-NMR測定を行った。この13C-NMR測定の結果から、オルトジクロロベンゼン-dの127.5ppmのピークを基準シフトとして、メソ・ダイアッド由来の43.35ppmのシグナルと、ラセモ・ダイアッド由来の43.43ppmのシグナルとの強度比に基づいて、重合体のラセモ・ダイアッドの割合を求めた。
[原反フィルムの厚みおよび樹脂フィルムの厚みの測定方法]
原反フィルム1及び2、実施例および比較例(以下「各例」ともいう)で得られた樹脂フィルムの厚みは、スナップゲージID-C112BS((株)ミツトヨ製)により測定した。
〔樹脂フィルムのRe及びRthの測定方法〕
各例で得られた樹脂フィルムの、面内方向のレタデーションRe及び厚み方向のレタデーションRthは、位相差計(AXOMETRICS社製「AXOSCAN」)を用いて、測定波長590nmで測定した。
〔樹脂フィルムの全光線透過率の測定方法〕
各例で得られた樹脂フィルムの全光線透過率は、紫外・可視分光計(JASCO社製「V-550」)を用いて、波長400nm~700nmの範囲で測定した。
〔樹脂フィルムの全ヘイズの測定方法〕
各例で得られた樹脂フィルムを、選択した任意の部位で50mm×50mmの正方形の薄膜サンプルに切り出した。その後、薄膜サンプルについて、ヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH5000」)を用いてヘイズ(全ヘイズ)を測定した。
〔樹脂フィルムの内部ヘイズの測定方法〕
各例で得られた樹脂フィルムを、50mm×50mmのサイズに切り出して試験片とした。続いて、試験片の両面に、厚み50μmの透明光学粘着フィルム(3M社製、8146-2)を介して、シクロオレフィンフィルム(日本ゼオン社製、ゼオノアフィルム「ZF14-040」、厚さ40μm)をそれぞれ貼合した。次いで、シクロオレフィンフィルムを貼り合わせた試験片のヘイズを、ヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH5000」)を用いて測定した。
測定したヘイズ値から、シクロオレフィンフィルム2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム2層分のヘイズ値との和(0.04)を差し引いた値を試験片の内部ヘイズとした。
ここで、シクロオレフィンフィルム2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム2層分のヘイズ値との和は、以下の方法により求めた。シクロオレフィンフィルム、透明光学粘着フィルム、透明光学粘着フィルム、及び、シクロオレフィンフィルムをこの順に備える積層体を形成した。当該積層体のヘイズ値を測定し、得られた測定値をシクロオレフィンフィルム2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム2層分のヘイズ値との和とした。
〔樹脂フィルム同士の静摩擦係数の測定方法〕
各例で得られた樹脂フィルムを、50mm×50mmのサイズに切り出して試験片とし、JIS K7125に準拠して、親東科学社製の表面性測定器「Type 32」を用い、静摩擦係数を測定した。
〔工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度及び樹脂フィルムの結晶化度の測定〕
各例において工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度及び各例で得られた樹脂フィルムの結晶化度は、X線回折法によって測定した。測定装置としてD8 DISCOVER(BRUKER社製)を用いた。
[製造例1.ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物の製造]
金属製の耐圧反応器を、充分に乾燥した後、窒素置換した。この金属製耐圧反応器に、シクロヘキサン154.5部、ジシクロペンタジエン(エンド体含有率99%以上)の濃度70%シクロヘキサン溶液42.8部(ジシクロペンタジエンの量として30部)、及び1-ヘキセン1.9部を加え、53℃に加温した。
テトラクロロタングステンフェニルイミド(テトラヒドロフラン)錯体0.014部を0.70部のトルエンに溶解した溶液に、濃度19%のジエチルアルミニウムエトキシド/n-ヘキサン溶液0.061部を加えて10分間攪拌して、触媒溶液を調製した。
この触媒溶液を耐圧反応器に加えて、開環重合反応を開始した。その後、53℃を保ちながら4時間反応させて、ジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液を得た。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、それぞれ、8,750および28,100であり、これらから求められる分子量分布(Mw/Mn)は3.21であった。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液200部に、停止剤として1,2-エタンジオール0.037部を加えて、60℃に加温し、1時間攪拌して重合反応を停止させた。ここに、ハイドロタルサイト様化合物(協和化学工業社製「キョーワード(登録商標)2000」)を1部加えて、60℃に加温し、1時間攪拌した。その後、濾過助剤(昭和化学工業社製「ラヂオライト(登録商標)#1500」)を0.4部加え、PPプリーツカートリッジフィルター(ADVANTEC東洋社製「TCP-HX」)を用いて吸着剤と溶液を濾別した。
濾過後のジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液200部(重合体量30部)に、シクロヘキサン100部を加え、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.0043部を添加して、水素圧6MPa、180℃で4時間水素化反応を行なった。これにより、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物を含む反応液が得られた。この反応液は、水素添加物が析出してスラリー溶液となっていた。
前記の反応液に含まれる水素添加物と溶液とを、遠心分離器を用いて分離し、60℃で24時間減圧乾燥して、結晶性を有するジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物28.5部を得た。この水素添加物の水素添加率は99%以上、ラセモ・ダイアッドの割合は89%であった。
[製造例2:樹脂ペレットの製造]
製造例1で得たジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物100部に、酸化防止剤(テトラキス〔メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン;BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」)1.1部を混合して、フィルムの材料となる樹脂を得た。当該樹脂のガラス転移温度Tgは97℃、結晶化ピーク温度(Tc)は136℃であった。
前記の樹脂を、内径3mmΦのダイ穴を4つ備えた二軸押出機(東芝機械社製「TEM-37B」)に投入した。前記の二軸押出機によって、樹脂を熱溶融押出成形によりストランド状の成形体に成形した。この成形体をストランドカッターにて細断して、樹脂のペレットを得た。前記の二軸押出機の運転条件を、以下に示す。
・バレル設定温度:270℃~280℃
・ダイ設定温度:250℃
・スクリュー回転数:145rpm
・フィーダー回転数:50rpm
[製造例3:原反フィルム1の製造]
引き続き、得られたペレットを、Tダイを備える熱溶融押出しフィルム成形機に供給した。このフィルム成形機を用いて、前記の樹脂からなる長尺の原反フィルム(厚み20μm、幅1350mm)を、15m/分の速度でロールに巻き取る方法にて製造した。前記のフィルム成形機の運転条件を、以下に示す。
・バレル温度設定:280℃~290℃
・ダイ温度:270℃
・スクリュー回転数:30rpm
[製造例4:原反フィルム2の製造]
フィルムの巻き取り速度を4.3m/分とする以外は製造例3と同様にして、前記の樹脂からなる長尺の原反フィルム2(厚み70μm、幅1350mm)を製造した。
[実施例1]
製造例3で得た原反フィルム1(厚み20μm)をMD方向200mm、TD方向200mmのサイズに切り出した。バッチ式二軸延伸装置(東洋精機製作所社製)を用いて、切り出したフィルムの四辺をクリップで固定した状態で、温度133℃で28秒間保持した(工程1)。工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度を測定したところ、測定限界以下であった。
次いで温度120℃で5秒間保持し(工程2)、その後15秒間かけてTD方向に1.3倍延伸した(工程3:延伸工程)。さらに、引き続き四辺を固定した状態で、温度200℃で30秒間保持した(工程4)後、延伸装置からフィルムを取り出した。これにより結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂フィルムを得た。
得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表1に示した。
[実施例2~5]
原反フィルム1をMD方向200mm、TD方向200mmのサイズに切り出したフィルムを用い、工程1の温度および時間、工程2の温度及び時間、工程4の温度及び時間を表1に記載した条件に変更したこと以外は実施例1と同じ操作を行い、実施例2~5の樹脂フィルムを得た。各例において、工程3の温度は、各例の工程2と同じ温度とした。実施例2~5においても、工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度は測定限界以下であった。
得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1~5]
原反フィルム1をMD方向200mm、TD方向200mmのサイズに切り出したフィルムを用い、工程1の温度および時間、工程2の温度及び時間、工程4の温度及び時間を表2に記載した条件に変更したこと以外は実施例1と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。各例において、工程3の温度は、各例の工程2と同じ温度とした。
工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度、ならびに、得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表2に示した。
比較例5で製造した樹脂フィルムの静摩擦係数の測定については、フィルム同士が貼りついてしまい、測定ができなかったため、表2において「測定不能」と記載した。
[実施例6]
製造例4で得た原反フィルム2(厚み70μm)をMD方向200mmTD方向200mmのサイズに切り出した。バッチ式二軸延伸装置(東洋精機製作所社製)を用いて、切り出したフィルムの四辺をクリップで固定した状態で、温度133℃で28秒間保持した(工程1)。工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度を測定したところ、測定限界以下であった。
次いで温度120℃で5秒間保持し(工程2)、その後15秒間かけてMD方向に2倍、TD方向に0.7倍で、同時二軸延伸を行った。このプロセスはMD方向の自由端一軸延伸を模したものである。次いでそのまま温度120℃で15秒間かけてTD方向に3倍延伸した(工程3)。さらに引き続き四辺を固定した状態で、温度200℃で30秒間保持した(工程4)、その後、延伸装置からフィルムを取り出した。これにより結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂フィルムを得た。
得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表3に示した。
[実施例7~10]
原反フィルム2をMD方向200mm、TD方向200mmのサイズに切り出したフィルムを用い、工程1の温度および時間、工程2の温度及び時間、工程4の温度及び時間を表3に記載した条件に変更したこと以外は実施例6と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。各例において、工程3の温度は、各例の工程2と同じ温度とした。実施例7~10においても、工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度は測定限界以下であった。
得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表3に示した。
[比較例6~8]
原反フィルム2をMD方向200mm、TD方向200mmのサイズに切り出したフィルムを用い、工程1の温度および時間、工程2の温度及び時間、工程4の温度及び時間を表4に記載した条件に変更したこと以外は実施例6と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。各例において、工程3の温度は、各例の工程2と同じ温度とした。
工程1を行った後の原反フィルムの結晶化度、ならびに、得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表4に示した。
比較例6で製造した樹脂フィルムの静摩擦係数の測定については、フィルム同士が貼りついてしまい、測定ができなかったため、表4において「測定不能」と記載した。
[比較例9]
原反フィルム2をMD方向200mm、TD方向200mmのサイズに切り出したフィルムを用い、切り出したフィルムの四辺をクリップで固定した状態で、温度110℃で15秒間保持し(工程2)、その後15秒間かけてMD方向に2倍、TD方向に0.7倍で、同時二軸延伸を行った。このプロセスはMD方向の自由端一軸延伸を模したものである。次いでそのまま温度110℃で15秒間かけてTD方向に3倍延伸した(工程3)。さらに引き続き四辺を固定した状態で、温度170℃で30秒間保持した(工程4)、その後、延伸装置からフィルムを取り出した。これにより樹脂フィルムを得た。本例では工程1を行っていないので、工程1後の結晶化度は測定しなかった。
得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表4に示した。本例で製造した樹脂フィルムの静摩擦係数の測定については、フィルム同士が貼りついてしまい、測定ができなかったため、表4において「測定不能」と記載した。
[比較例10]
原反フィルム2をMD方向200mm、TD方向200mmのサイズに切り出したフィルムを用い、切り出したフィルムの四辺をクリップで固定した状態で、温度130℃で15秒間保持し(工程2)、その後15秒間かけてMD方向に2倍、TD方向に0.7倍で、同時二軸延伸を行った。このプロセスはMD方向の自由端一軸延伸を模したものである。次いでそのまま温度130℃で15秒間かけてTD方向に3倍延伸した(工程3)。さらに引き続き四辺を固定した状態で、温度170℃で30秒間保持した(工程4)、その後、延伸装置からフィルムを取り出した。これにより樹脂フィルムを得た。本例では工程1を行っていないので、工程1後の結晶化度は測定しなかった。
得られた樹脂フィルムの物性値(結晶化度、フィルムの厚み、Re、Rth、全光線透過率、全ヘイズ、内部ヘイズ及び静摩擦係数)を測定し、結果を表4に示した。本例で製造した樹脂フィルムの静摩擦係数の測定については、フィルム同士が貼りついてしまい、測定ができなかったため、表4において「測定不能」と記載した。
Figure 0007103125000001
Figure 0007103125000002
Figure 0007103125000003
Figure 0007103125000004
表1~表4に示す結果から、実施例の製造方法により、全ヘイズが高く、内部ヘイズが低い樹脂フィルムを得ることができるということがわかった。
[実施例11:長尺のロールフィルム]
製造例2で製造した原反フィルム1(厚さ20μm、幅1350mm)を、ロールから引き出し、長さ1.5mの加熱ゾーンを6つ有し、1番目から5番目の加熱ゾーンの温度を、各々145℃、110℃、110℃、170℃、170℃に調整したテンター延伸機にライン速度5m/分で供給した。このとき加熱ゾーン3で幅方向に1.3倍の延伸を行った。テンター延伸機から連続的に取り出されたフィルムは幅方向の両端を各々50mmずつスリットした後、中央の幅1630mmのフィルムをロール状に巻き取りロールフィルムを得た。ロールフィルムの外観を肉眼により観察したところ、シワ、凹凸、ゲージバンドなどの欠陥が認められず良好であった。
[実施例12:複合フィルム]
3官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(ジペンタエリスリトールトリアクリレートを基本骨格として含む)100部に、二酸化ケイ素分散液(日産化学工業社製、数平均粒径20nm)60部、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(積水化成品工業社製数平均粒子2.0μm)1部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物を得た。
実施例2で得られた樹脂フィルムの一方の面にコロナ放電処理を行い、当該面上にワイヤーバーを用いて、前記ハードコート層形成組成物を塗布し、70℃で2分間乾燥した後、紫外線照射(積算光量200mW/cm)を行うことにより、膜厚が2μmのハードコート層を形成した。樹脂フィルムの反対側の面にも同様に、コロナ放電処理を行った後ハードコート層を形成し、樹脂フィルムの両面にハードコート層が形成された複合フィルムを得た。
得られた複合フィルムの全光線透過率は90.1%、全ヘイズは0.19%で、光学フィルム積層体として十分な光学特性を有するものであった。
10…原反フィルム
11,12,13,14…原反フィルムの辺
20…延伸フィルム
21,22,23,24…延伸フィルムの辺
30…原反フィルム
31,32…原反フィルムの辺
40…延伸フィルム
50…樹脂フィルム
100…保持機構
121,122,123,124…クリップ
200…樹脂フィルムの製造装置
300…テンター延伸機
311,312…把持子
313,314…ガイドレール
410,420…搬送ロール
500…オーブン
511…第1予熱室
512…第2予熱室
513…延伸室
514…結晶化室
515…緩和室
520…オーブンの入口
521,522,523,524…隔壁
525…オーブンの出口

Claims (3)

  1. 結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる樹脂フィルムの製造方法であって、
    結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる原反フィルムを、前記原反フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、(Tc-5)℃以上(Tc+25)℃以下の温度で、1秒~30秒間保持する工程1と、
    前記工程1を行った原反フィルムを、(Tg+5)℃以上(Tg+25)℃以下の温度で、1秒~60秒間保持する工程2と、
    前記工程2を行った原反フィルムを、前記工程2の保持温度と同じ温度で、延伸倍率1.1以上で延伸して延伸フィルムを得る工程3と、
    前記延伸フィルムを、(Tc+10)℃以上(Tc+100)℃以下で、5秒~90秒間保持する工程4と、を含
    前記脂環式構造含有重合体が、環状オレフィン単量体の開環重合体の水素添加物または環状オレフィン単量体の付加重合体の水素添加物である、樹脂フィルムの製造方法(ただし、Tgは前記樹脂のガラス転移温度(℃)、Tcは前記樹脂の結晶化ピーク温度(℃)である)。
  2. 前記脂環式構造含有重合体が、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物である、請求項1に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  3. 工程1における保持温度と、工程2における保持温度との差が20℃以上50℃以下である、請求項1または2に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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