JP7083145B2 - シール付印刷物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、シールブックや広告に使用されるシール付印刷物の製造方法に関する。
シールブックや広告に使用されるシール付印刷物、及びこのシール付印刷物の製造方法が知られている。
例えば、特許文献1に開示されているシール付き印刷物は、シール及び台紙となる印刷施された紙本体を折り重ねることでシール領域が形成され、このシール領域に形成されるシールを起立シールとしている。このシール付き印刷物では、起立シールを起立させた状態で台紙領域に貼り付けることで、立体的な広がりのある使い方をすることができる。
また、特許文献1のシール付き印刷物の製造方法は、紙本体のシール及び台紙となる印刷を施す工程と、紙本体の一方の面にコーティング層を形成する工程と、この一方の面のシール領域の起立シールの非粘着部以外に粘着層を形成する工程と、紙本体を折り曲げることによって、粘着層とコーティング層を貼り合わせてシール領域を形成する工程とを含む。
具体的には、紙本体へ印刷した後にリワインダー装置で巻き取る工程を行った後にオフライン加工機にセットし、シートを引き出し、シートの一方の面の所定の領域に粘着層及びコーティング層を形成し、両端を折り曲げて重ね合わせ、二層とすることでシール領域を形成する。このシール付き印刷物の製造方法は、一枚のシートから、一体的にシール領域とシールは貼るための台紙領域が形成されたシール付き印刷物を製造でき、製造されたシール付き印刷物は、シールと台紙とが一体となっているため、シールを剥がした後に残る剥離紙がゴミとなることを回避できる。
特許第5773395号公報
特許文献1のシール付き印刷物の製造方法は、例えば、紙本体の両端部が折り曲げられ、重ね合わされることによってシール領域が形成される。このように、両端部を折り曲げて重ねることでシール部を形成する場合、一枚のシートを折り曲げるため、製品であるシール付印刷物が小型になる。また、特許文献1のシール付き印刷物の製造方法のように、紙本体へ印刷した後にリワインダー装置で巻き取る工程を行った後にオフライン加工機にセットして製造すると、シール付き印刷物の製造工程数が増え、シール付印刷物を製造するまでの時間とコストがかかる。
そこで、本発明は、短時間で多量に製造できるシール付印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシール付印刷物の製造方法は、第一シートにこの第一シートとは別体の第二シートが積層され、第二シートにシール部が形成されたシール付印刷物を製造するものであって、おもて面に印刷部を有する第一シート、及びうら面に印刷部を有する第二シートを連続して供給する工程と、第一シートのうら面にコーティング層を形成し、第二シートのおもて面のシール部が形成される領域に粘着剤を塗布し、粘着層を形成する工程と、第一シートと第二シートを重ね、コーティング層と粘着層とを貼り合わせる工程と、第二シートのうら面に、所定形状の切込みを入れることで、シール部を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明のシール付印刷物の製造方法は、第一シートと第二シートとを貼り合わせる工程の前に、粘着剤を乾燥させる工程を含むことを特徴とする。
本発明のシール付印刷物の製造方法は、シール部を形成した後、第一シートと第二シートを折り畳む工程を含むことを特徴とする。
本発明のシール付印刷物の製造方法は、印刷工程から裁断工程まで連続的に行う。そのため、印刷を施したシートを、リワインダー装置を用いて一旦巻き付ける必要は生じず、シール付印刷物を容易に製造できることに加え、短時間で多量のシール付印刷物を製造できる。
本実施形態に係るシール付印刷物の製造方法では、第一シートと第二シートは、別々の印刷機で印刷し、貼り合わせることができる。別々の印刷機を使用することで、シール付印刷物のサイズを大きく設定した場合でも、大型の印刷機を準備する必要が生じない。
本発明のシール付印刷物の製造方法は、第一シートと第二シートとを貼り合わせる工程の前に、粘着剤を乾燥する乾燥工程を行うことが好ましい。この乾燥工程は、例えば、赤外線照射装置を使用して行うことができる。第一シートと第二シートとを貼り合わす前に、粘着剤を乾燥することで、シール部の剥離性が向上するため、シール付印刷物のシール部を容易に剥がすことができる。
さらに、本発明のシール付印刷物の製造方法は、シール部を形成した後、折り畳み工程を行うこともできる。本発明では、第一シートと第一シートと別体の第二シートを使用し、これらを重ね合わせることでシール領域が形成するため、例えば、比較的大きなサイズのシール付印刷物を二つ折りにすることで、所望のサイズのシール付印刷物として製造できる。
本発明の実施形態に係るシール付印刷物の製造方法により製造されたシール付印刷物の断面図である。 本発明の実施形態に係るシール付印刷物の製造方法に使用するシール付印刷物の製造装置の概略図である。 本発明の実施形態に係るシール付印刷物の製造方法の貼着工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るシール付印刷物の製造方法の折り畳み工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るシーツ付印刷物の製造方法の裁断工程を説明するための図である。
本実施形態に係るシール付印刷物、及びこのシール付印刷物の製造方法を、図1~図5を参照し説明する。
シール付印刷物1は、図1に示すように、第一シート2と第二シート3とが、コーティング層4及び粘着層5を介して、重なりあうことで構成される。そして、シール付印刷物1の第二シート3部分に、複数のシール部6が形成されている。なお、図1では、便宜上、シール部6が一つ形成されている例を示している。
このシール付印刷物は、例えば、図2に示した印刷物製造装置10を使用して製造することができる。この印刷物製造装置10は、インライン方式の装置であり、第一シート2及び第二シート3が供給される側(図2左側)からシート供給部11、粘着剤供給部12、乾燥部13、貼着部14、シール型抜き部15、折り畳み部16、裁断部17を主として備えている。
次に、シール付印刷物1を製造するシール付印刷物の製造方法について、説明する。
本実施形態のシール付印刷物の製造方法は、第一シート2及び第二シート3に所定の模様や図柄を印刷する印刷工程と、第一シート2と第二シート3を供給するシート供給工程と、第二シート3に粘着剤を塗布する粘着剤塗布工程と、粘着剤を乾燥する乾燥工程と、第一シート2と第二シート3を貼り合わせ、印刷物本体7を作成する貼着工程と、第二シート3にシール部6を形成するシール部形成工程と、印刷物本体7を所定の位置で折り畳む折り畳み工程と、折り畳まれた印刷物本体7を所定のサイズに切断する裁断工程を含む。
以下、各工程について、具体的に説明する。
[印刷工程]
印刷工程では、第一シート2及び第二シート3に所望の図柄や模様を、別々の印刷機で印刷する。具体的には、第一シート2のおもて面2Aと第二シート3のうら面3Bに所望の図柄等を印刷する。第二シート3のうら面3Bには、シール部6が形成されるため、このうら面3Bの所定の領域には、シール部6として使用する図柄等が印刷される。
また、第一シート2のうら面2Bの所定の領域には、印刷と同時にコーティング剤が塗布される。そして、第一シート2のおもて面2A及びうら面2Bを熱風乾燥し、コーティング剤を乾燥させることで、コーティング層4が形成される。このコーティング剤には、例えば、剥離ニスを使用することができる。
[シート供給工程]
印刷工程後、第一シート2及び第二シート3は、印刷物製造装置10に供給される。具体的には、シート供給部11から第一シート2は上側に供給され、第二シート3は下側に供給される。後述する貼着工程まで、第一シート2は第二シート3よりも上側を走行し、第二シート3は第一シート2よりも下側を走行する(図2)。
[粘着剤塗布工程]
一方、第二シート3のおもて面3Aの所定の領域には、粘着剤供給部12で粘着剤が塗布され、粘着層5が形成される。この粘着剤には、例えば、アクリル系重合体接着剤を使用することができる。粘着剤供給部12には粘着剤塗布ローラ12Aが設けられており、このローラ12Aには、樹脂パット(図示しない)が設けられている。この樹脂パットに粘着剤をしみ込ませ、第二シート3が樹脂パットに接触することで、第二シート3のおもて面3Aのシール部6が形成される領域に粘着剤が塗布され、粘着剤が乾燥することで粘着層5が形成される。
[乾燥工程]
粘着剤を塗布した後、第二シート3は乾燥部13を通過し、貼着部14に移動する。この乾燥部13には、複数の赤外線照射装置13Aが設けられている。この赤外線照射装置13Aから粘着剤に向けて赤外線を照射することによって、粘着剤を乾燥させる。
赤外線照射装置13Aは、第二シート3の進行方向に向けて、所定の間隔を空けて複数設けられている。
[貼着工程]
乾燥工程後、第一シート2及び第二シート3は、貼着部14において、うら面2Bとおもて面3Aとを重ね合わせ、ニップローラ14Aに送り込まれる。第一シート2と第二シート3は、図3に示すように、ニップローラ14Aによって上下方向から押圧されることで、一体となり、印刷物本体7が形成される。
[シール部形成工程]
次に、印刷物本体7は、シール型抜き部15において、所望の形状のシール部6が形成される。シール型抜き部15には、型抜きローラ15Aが設けられ、この型抜きローラ15Aには、所望の形状に形成された型抜き金型(図示しない)が設けられている。印刷物本体7を型抜きローラ15Aを通過させることで、第二シート3のうら面3Bに所定形状の切込みを入れることで、シール部6を形成する。型抜き金型の高さを調整することで、印刷物本体7に形成されるシール部6の深さを決定することができる。本実施形態では、第二シート3にのみシール部6が形成されるように、型抜き金型の高さが調節されている。
[折り畳み工程]
シール部形成工程後、印刷物本体7は、折り畳み部16において、所望のサイズとなるように折り畳まれる。具体的には、図4に示すように、印刷物本体7の進行方向(矢印方向)と直交する幅方向Xの中心を折り畳み箇所とし、二つ折りにする。この際、シール部6が形成されている第二シート3が内側となるように折り畳まれる。そのため、折り畳まれた印刷物本体7は、外側が第一シート2で構成され、内側が第二シート3で構成される。
さらに、印刷物本体7は、二つ折りに折り畳まれると共に、第一シート2が上下に向くように回転される。
なお、図4では、便宜上、印刷物本体7の一部を示したものであり、実際には、印刷物本体7が連続して形成されている。
[裁断工程]
二つ折りされた印刷物本体7は、裁断部17において、所定のサイズに裁断される。裁断部17には、切断ローラ17Aが設けられ、図5に示すように、この切断ローラ17Aに印刷物本体7を通過させることで、所望のサイズのシール付印刷物1が製造される。また、裁断工程では、印刷物本体7の自由端もロータリーカッタ17Bにより裁断され、シール付印刷物1の形状が整えられる。
次に、本実施形態に係るシール付印刷物の製造方法の作用効果について説明する。
従来のシール付印刷物の製造方法では、印刷を施したシートをリワインダー装置を用いて一旦巻き付けて、その後ロールからシートを供給し、シール付き印刷物を製造している。また、従来の印刷物の製造方法では、一枚のシートに印刷を施した後、シートを半分に切断し二枚のシートとし、それらのシートを重ね合わせることが行われていた。この製造方法では、シートを半分に切断するため、大きなサイズの印刷物を作成する場合、印刷機を大型化させる必要がある。
本実施形態に係るシール付印刷物の製造方法は、印刷工程から裁断工程まで連続的に行う。そのため、例えば、印刷を施したシートをリワインダー装置で一旦巻き付ける必要は生じない。したがって、リワインダー装置で一旦巻き付ける工程が省略されるため、シール付印刷物を容易に製造できる。また、印刷工程から裁断工程まで連続的に行われるため、短時間で多量のシール付印刷物を製造できる。
本実施形態に係るシール付印刷物の製造方法では、第一シート2と第二シート3は、別々の印刷機で印刷され、重ね合わされる。このように、別々の印刷機を使用することで、印刷物のサイズを大きく設定した場合でも、大型の印刷機を準備する必要はない。
また、本実施形態に係るシール付印刷物の製造方法では、貼着工程の前の乾燥工程において、粘着剤を乾燥させる。貼着工程の前に粘着剤を乾燥させることで、シール部6の剥離性が向上する。そのため、シール付印刷物1において、シール部6を容易に剥がすことができる。
本実施形態に係るシール付印刷物の製造方法は、シール部6に起立シールを備えるシール付印刷物を製造することもできる。
この場合、粘着剤塗布ローラ12Aに、シール部6の起立する箇所に対応する部分がくり抜かれた樹脂パットを設ける。この樹脂パットを使用することにより、第二シート3のおもて面3Aにおいて、シール部6の起立する箇所には、接着剤が塗布されない。
そうすると、製造されたシール付印刷物1のシール部6を剥がした場合でも、起立面に接着剤が塗布されていない起立シールとして使用できる。
以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施形態では、二つ折りのシール付印刷物を製造する方法について説明したが、本実施形態に係るシール付き印刷物の製造方法で製造されたシール付印刷物は、二つ折りにされないものも製造でき、この場合、折り畳み工程を省略する。また、乾燥工程において、赤外線照射装置13Aを設ける個数や配置は、シートのサイズや粘着剤が塗布されている範囲に応じて、適宜決定できる。
1 シール付印刷物
2 第一シート
2A おもて面
2B うら面
3 第二シート
3A おもて面
3B うら面
4 コーティング層
5 粘着層
6 シール部
7 印刷物本体
10 印刷物製造装置
11 シート供給部
12 粘着剤供給部
12A 粘着剤塗布ローラ
13 乾燥部
13A 赤外線照射装置
14 貼着部
14A ニップローラ
15 シール型抜き部
15A 型抜きローラ
16 折り畳み部
17 裁断部
17A 切断ローラ
17B ロータリーカッタ
X 幅方向

Claims (3)

  1. 第一シートにこの第一シートとは別体の第二シートが積層され、前記第二シートにシール部が形成されたシール付印刷物を製造するシール付印刷物の製造方法であって、
    前記第一シートのおもて面に所望の図柄を、前記第二シートのうら面に前記シール部の所望の図柄を、それぞれ印刷する印刷工程と、
    前記印刷工程後、前記第一シートを上側に、及び記第二シートを下側に、連続して供給するシート供給工程と、
    前記第一シートのうら面にコーティング層を形成し、前記第二シートのおもて面の前記シール部が形成される領域に粘着剤を塗布し、粘着層を形成する粘着層形成工程と、
    前記第一シートと前記第二シートを重ね、前記コーティング層と前記粘着層とを貼り合わせる貼着工程と、
    前記貼着工程後、型抜き金型が設けられた型抜きローラにより、前記第二シートのうら面に所定形状の切込みを入れることで、前記シール部を形成するシール部形成工程と
    前記シール部形成工程後、前記第一シートと前記第二シートを折り畳む折り畳み工程と、
    前記折り畳み工程後、前記第一シートと前記第二シートが重なりあった自由端を裁断し、かつ所定サイズに裁断する裁断工程と、を含み、
    前記印刷工程から前記裁断工程まで連続的に行う、
    ことを特徴とするシール付印刷物の製造方法。
  2. 前記第一シートと前記第二シートとを貼り合わせる工程の前に、前記粘着剤を乾燥させる工程を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシール付印刷物の製造方法。
  3. 前記シール部は、起立シールであり、
    前記粘着剤は、前記シール部の起立する部分に対応する部分がくり抜かれた樹脂パットが設けられた粘着剤塗布ローラによって塗布される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシール付印刷物の製造方法。
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