JP6383157B2 - 二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法及びトイレットロール - Google Patents

二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法及びトイレットロール Download PDF

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Description

本発明は、二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法及びトイレットロールに関する。
トイレットペーパーには、ダブル又は2プライとも称される原紙を2枚重ねにしたものがある。この二枚重ねのトイレットペーパーは、トイレットロールから引き出して使用する際などに、原紙同士が剥がれてしまわないように、プライエンボス、コンタクトエンボス又はプライボンディングなどと称されるエンボス(以下、プライエンボスと称する)によって原紙同士を積層一体化している。
このプライエンボスは、トイレットペーパーの柔軟性や表面性に与える影響が小さいように、トイレットペーパーの縁部位置に連続方向に沿って細幅で点線状に設けられる。
ところで、トイレットペーパーにおいては、デザイン性、嵩高さ、柔軟性及び表面性の向上のために、トイレットペーパーに全面的に、プライエンボスとは別のエンボスを付与することが行なわれる。このエンボスはデザインエンボス、マイクロエンボスなどと称されることがある。
しかし、このようなプライエンボスとは別のエンボスを付与したトイレットペーパーでは、プライエンボスが、デザイン性のためのエンボスと調和せずに目立ってしまい、デザイン性の向上の妨げとなることがあった。
また、プライエンボスは、その付与部分の厚みが他の部分と異なるため、トイレットロールのようにロール状に加工した際に、トイレットロール周面にプライエンボス付与部分が他の部分より凸条に現れることがあり、ロールの見栄えを損なう原因となることがあった。
このため、トイレットペーパーにおいては、プライエンボスを施さずに、原紙同士を一体化することが求められている。
特許第4219323号 特開2012−196476号公報 特許第5336744号
そこで、本発明の主たる課題は、ロール状にした際に凸条部が形成されることがなく、デザイン性のためのエンボスの見栄えを低下させることがなく、しかも、柔軟性や表面性に与える影響が小さい、プライエンボスによることなく積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法、及び、プライエンボスなく積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーが巻かれた、周面に凸条部がなく、デザイン性のためのエンボスの見栄えの低下がないトイレットロールを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
二枚の帯状のトイレットペーパー原紙が積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法であって、
少なくとも一方の帯状のトイレットペーパー原紙を、表面に多数のエンボス付与凸部が配されたエンボスロールと、このエンボスロールと対をなす受けロールとの間に通してトイレットペーパー原紙にエンボスを付与するとともに、トイレットペーパー原紙をエンボスロールに巻き掛けて下流に搬送するエンボス付与工程と、
エンボスロール周面に巻き掛けられて搬送されるトイレットペーパー原紙に、ラテックスを幅方向10mm以下の範囲内で搬送方向に沿って線状又は点線状に塗布してラテックス付与部分を形成するラテックス付与工程と、
ラテックス付与部分が形成されたトイレットペーパー原紙をエンボスロールに巻き掛けて下流に搬送する過程、又はエンボスロールからトイレットペーパー原紙を離して下流に搬送する過程で、トイレットペーパー原紙のラテックスが付与された面を、他方のトイレットペーパー原紙と対面させて積層する、重ね合わせ工程と、
ラテックス付与面が積層内面に位置している二枚重ねのトイレットペーパー原紙のそのラテックスを溶融させて帯状のトイレットペーパー原紙同士を接着して積層一体化する接着工程と、を有することを特徴とする二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
エンボスロールの幅方向に間隔を空けて複数のラテックス付与部分を同時に形成する二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法。
〔請求項3記載の発明〕
ロール転写によってエンボスロール周面に巻き掛けられて搬送されるトイレットペーパー原紙におけるエンボス付与凸部位置にラテックスを付与する請求項1又は2記載の二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法。
〔請求項4記載の発明〕
二枚の帯状のトイレットペーパー原紙が積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーはロール状に巻かれたトイレットロールであって、
トイレットペーパー原紙の少なくとも一方が、紙面全体にエンボスが付与されたものであり、かつ、幅方向10mm以下の範囲内でトイレットペーパーの連続方向に沿って線状又は点線状に形成されたラテックス付与部分によって、トイレットペーパー原紙同士が積層一体化されている、ことを特徴とするトイレットロール。
〔請求項5記載の発明〕
対面するトイレットペーパー原紙に対して凸となるエンボス凸部の頂部に配されたラテックスを介して積層一体化されている請求項4記載のトイレットロール。
(作用効果)
本発明では、プライエンボスを施さずにラテックスによる接着でトイレットペーパー原紙同士を積層一体化するので、ロール状に形成してもプライエンボスに起因する周面の凸条部は形成されることがない。また、デザイン性のためのエンボスの意匠性を阻害することもない。ラテックスを、デザイン性等を付与するためのエンボスの付与と同時にトイレットペーパー原紙に対して付与するので、トイレットペーパーの生産性を低下させることがない。
さらに、ラテックスは、乾燥後に固化せずゴム柔軟性のある状態とすることができるためトイレットペーパーの柔軟性を低下させない。また、ラテックスは、トイレットペーパー原紙に浸透し難い高粘度とすることができ、原紙表面に載るように塗布することができる。このため、ラテックス付与部分を積層内面に位置することにより、トイレットペーパー表面にラテックス付与部分が露出せず、トイレットペーパーの表面性を悪化させることもない。
また、幅方向に10mm以下の範囲で線状又は点線状にラテックスを付与するようにしたため、トイレットペーパー原紙同士が過度の接着部分を有さず、トイレットペーパーに求められる水解性を発揮させることができる。
以上の本発明によれば、ロール状にした際に凸条部が形成されることがなく、デザイン性のためのエンボスの見栄えを低下させることがなく、しかも、柔軟性や表面性に与える影響が小さい、プライエンボスによることなく積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法、及び、プライエンボスなく積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーが巻かれた、周面に凸条部がなく、デザイン性のためのエンボスの見栄えの低下がないトイレットロールが提供される。
本発明の実施形態に係るトイレットロール製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るトイレットペーパーの製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る他のトイレットペーパーの製造法を説明するための図である。 本発明の実施例に係る凸エンボスロール及びラテックスの付与態様を説明するための図である。 本発明の実施例に係るトイレットペーパー原紙に対するラテックスの付与態様を説明するための断面図である。 本発明の実施例に係るトイレットロールを説明するための図である。
図1〜図6を参照しながら、本発明に係るトイレットロール10の製造方法を説明する。トイレットペーパー7の製造方法は、このトイレットロール10の製造方法を説明するなかで適宜に説明される。
本発明に係るトイレットロール10は、図1に示すように、長尺の紙管30を製造する紙管形成工程(A)と、その長尺の紙管30にトイレットペーパー7を巻いてログ75を製造するログ形成工程(B)と、ログ75を幅方向に裁断して個々のトイレットロール10にするログ裁断工程(C)を経て製造することができる。
紙管形成工程は、図1中(A)に示すように、紙管原反ロール31A,32Aから繰出された二枚の帯状の紙管原紙31,32のうち一方の紙管原紙31の一方面に糊付けロール51によって接着糊44を付与し、一方の紙管原紙31の糊付けされた面に他方の紙管原紙32を幅方向に一部重ね、前記他方の紙管原紙32の糊付け面と接しない面をマンドレルシャフト52に対向する面にして、各紙管原紙31,32をマンドレルシャフト52に螺旋状に巻き付けて連続的に筒状部分3を形成し、その筒状部分3をトイレットロール10の複数倍幅以上の幅でカッター58によりカットして長尺のスパイラル紙管30(スパイラル式紙管とも称される)を形成する。このスパイラル紙管は、一方の紙管原紙31が紙管外面側、他方の紙管原紙32が紙管内面側となる態様の二層積層構造となる。なお、本実施形態では、二枚の紙管原紙31,32をスパイラル巻きしているが、一枚又は三枚以上の紙管原紙をスパイラル巻きして長尺の紙管を形成してもよい。また、本発明に係るトイレットロール10では、スパイラル紙管ではなく平巻き紙管を採用したものとしてもよい。
長尺紙管30を形成した後には、この長尺紙管30をコンベア55に供給して適宜の搬送経路で連続的又は断続的にログ形成工程(B)におけるワインダーX2に供給する。
ログ形成工程(図1中(B))では、紙管形成工程(A)で製造した長尺の紙管30をワインダーX2の巻き取り部85にセットし、その長尺紙管30にトイレットペーパー7を巻き付けてログを製造する。なお、ログ75とは、最終製品であるトイレットロール10の直径と同径でありかつ幅が最終製品の複数倍幅以上ある中間製品である。
本実施形態では、ワインダーX2に一対の原反ロール70A,70Bをセットして、それら原反ロール70A,70Bから各々トイレットペーパー原紙71A,71Bを繰り出し、本発明に係るトイレットペーパーの製造方法に従って、それらのトイレットペーパー原紙71A,71Bを積層一体化して二枚重ねのトイレットペーパー7を連続的に形成し、さらにこれを長尺紙管30に巻き付けてログ75を製造していく。すなわち、ログ製造工程内に本発明に係るトイレットペーパー7の製造方法が組み込まれた形態となっている。
その二枚重ねのトイレットペーパー7の形成は、エンボス付与工程を有しており、図2に示すように、まず、原反ロール70A,70Bから、トイレットペーパー原紙71A,71Bを適宜の速度で繰り出し、各トイレットペーパー原紙71A,71Bを、表面にエンボス形状及びエンボスパターンに対応する多数のエンボス付与凸部が形成された金属製のエンボスロール21A,21Bと、このエンボスロール21A,21Bを受ける表面が弾性素材の受けロール22A,22Bとの間を通して、各々のトイレットペーパー原紙71A,71Bにエンボスeを付与し、さらにそのエンボス付与後からトイレットペーパー原紙71A,71Bをエンボスロール21A,21Bの周面に巻き掛けた状態で下流へ搬送する。このとき、エンボスロール周面上のトイレットペーパー原紙71A,71Bはエンボスロール21A,21Bの表面形状に変形され、エンボスロール21A,21Bを被覆するようにして下流に搬送される。
なお、本発明において付与するエンボスeは、デザインエンボスやマイクロエンボスとも称される、デザイン性、嵩高性、柔らかさ、表面の滑らかさの向上のために紙面の広範に付与されるものであり、プライエンボスとは異なるものである。具体的なエンボス柄、エンボス深さ、エンボス密度、エンボスeを構成する個々のエンボスeの形状、エンボス付与面積は、デザイン性、嵩高性、柔らかさの向上性、表面の滑らかさを考慮して、適宜定められるものであり、本発明では、必ずしも限定されるものではない。一般には、マイクロエンボスであれば、深さ0.3〜1.0mm、単位エンボスの面積率5〜50%、エンボス密度50個/cm2以上である。また、デザインエンボスであれば、深さ1.0〜2.0mm、単位エンボスの面積率1〜15%、エンボス密度3〜20個/cm2程度である。本発明においても係る範囲で選択することができる。
他方、本実施形態に係るトイレットペーパー7の製造方法では、ラテックス付与工程を有しており、エンボスロール21A,21Bの周面上に位置して下流に搬送されるトイレットペーパー原紙71A,71Bに対して、ラテックスを幅方向10mm以下の範囲内で搬送方向に沿って線状又は点線状に塗布する。なお、点線状に配した方が、トイレットペーパー7に求められる水解性を確保しやすいため望ましい。
ラテックスの付与は、図2に示すように、エンボスロール21A,21Bの周面に対面するように転写ロール11r,11rを配したロール転写装置や、図3に示すようなスプレー塗布装置12,12によって行なうことができる。ロール転写装置11、スプレー塗布装置12は、公知の中から適宜選択して用いることができる。ロール転写装置11は高粘度のラテックスの塗布により適し、低粘度のラテックスを塗布する場合は、スプレー塗布装置12が適する。
ロール転写装置11の具体例としては、2ロール又は3ロール式転写装置、グラビア印刷装置、フレキソ印刷装置などが挙げられる。
スプレー塗布式12の付与装置の具体例としては、一流体式又は二流体式のノズル式スプレー装置、ローターダンプニング式スプレー塗布装置が挙げられる。
ロール転写装置11によってラテックスを付与する場合には、転写ロール11r,11rとエンボスロール21A,21Bの周面との距離を調整することにより、エンボスロール21A,21Bの表面形状に変形して、当該エンボスロール21A,21Bに密着している状態のトイレットペーパー原紙71A,71Bの、エンボスロール21A,21Bの凸部頂部に位置する部分にのみラテックスを付与することができる。この場合には、トイレットペーパー原紙71A,71Bには、図5(A)に示すように、搬送方向に沿って点線状にラテックス付与部分15が形成される。また、転写ロール11rの周面素材をスポンジ等の柔軟素材として、エンボスロール21A,21Bに押しつけるようにすれば、図5(B)に示すように、搬送方向に沿って連続する線状のラテックス付与部分15を形成することができる。
スプレー塗布装置によりラテックスを付与する場合には、搬送されるエンボスロール周面上のトイレットペーパー原紙71A,71Bに対して定点からラテックスを連続的に吹き付けることで、搬送方向に沿って連続する線状のラテックス付与部分を形成することができる。また、断続的に供給すれば搬送方向に沿って点線状にラテックス付与部分が形成される。
ここで、上述のとおりログ75は、最終製品であるトイレットロール10の直径と同径でありかつ幅が最終製品の複数倍幅以上ある中間製品である。したがって、ログ製造工程において、このログ75を製造するために長尺紙管30に巻かれるトイレットペーパー7、及びこれを構成するトイレットペーパー原紙71A,71Bは、通常、ログ75と同様に最終製品の複数倍幅以上の幅広のものである。個々のトイレットロール10は、ログ75を幅方向に裁断して形成されるため、特に、ログ製造工程においてラテックスを付与する場合には、図5に示すように、予め、後段の裁断工程において個々のトイレットロール10とされた際に、各トイレットロール10、10にラテックス付与部分により形成される線又は点線が少なくとも一本は残るように、ログ75の裁断幅を考慮してトイレットペーパー7の幅方向に適当間隔で複数本、搬送方向に沿うラテックス付与部分15を形成するようにする。なお、本発明においてはラテックスは幅方向10mm以下の範囲に付与するが、その範囲は、図5において符号L5で示される範囲である。なお、図示例では、一つのエンボスの幅と範囲L1が一致しているが、必ずしも一致している必要はない。本発明は、幅方向10mm以下の範囲に線又は点線が形成されればよく、その範囲内に複数本の線又は点線が形成してもよい。
他方、ログ75を製造する過程でトイレットペーパー原紙71A,71Bにトイレットロールの幅に対応する複数本のラテックス付与部分15を形成する場合、個々のトイレットロール10に裁断した際に、分断後のトイレットペーパー10,10の一方側縁部、より好ましくは図6に示すトイレットロール10のように、両側縁部となる位置にラテックス付与部分15が形成されるようにするのが望ましい。トイレットペーパー原紙71A,71B同士の剥離は、通常は縁から開始されるため、ラテックス付与部分15を縁部に位置させることで、効果的にプライ剥離を防止することができるようになる。
また、トイレットペーパー10の幅方向に適当間隔で複数本の搬送方向に沿うラテックス付与部分を形成するためには、エンボスロール21A,21Bの幅方向に複数のロール転写装置11やスプレー塗布装置12を設ければよい。また、ロール転写装置11として、特にグラビア印刷装置やフレキソ印刷装置を採用するのであれば、幅方向に間隔を空けて転写部分を有するように形成したグラビア版やフレキソ版などを用いて、エンボスロール21A,21Bに対してラテックスをパターン転写するようにしてもよい。
ラテックス付与部分15を幅方向10mm以下の範囲とするにあたっては、転写ロール装置11を用いるのであれば転写ロール11rの幅やその転写部分の幅を適宜に設計すればよいし、スプレー塗布装置12を用いるのであれば、ノズルからの噴射角度やノズル先端とエンボスロール周面との距離を適宜に設計すればよい。
他方、本実施形態に係るトイレットペーパー7の製造方法では、ラテックスを付与したトイレットペーパー原紙71A,71Bは、エンボスロール21A,21Bから剥離するとともに、そのラテックスを付与した面同士を対面させて重ね合わせる。図示の形態では、一方のエンボスロール21Bから離れたトイレットペーパー原紙71Bを他方のエンボスロール21Aに隣接して配されたマリッジロール23に導いて、そのマリッジロール23上で重ね合わせるようにしている。但し、重ね合わせについては、図示の形態に限らず、エンボスロール21A,21B同士をその周面が対面するように近接配置し、各エンボスロール21A,21Bの周面が対面する位置において各トイレットペーパー原紙71A,71Bのラテックス付与面を付き合わせて重ね合わせるようにしてもよい。
なお、図示の形態は、各エンボスロール21A,21Bで各トイレットペーパー原紙71A,71Bに対してエンボスeを付与するようにしているが、本発明では、一方のトイレットペーパー原紙71Aにのみエンボスeを付与するようにしてもよい。また、図示の形態は、各エンボスロール21A,21Bの周面上に位置して搬送される各トイレットペーパー原紙71A,71Bの双方に対してラテックスを付与するようにしているが、いずれか一方のトイレットペーパー原紙にのみラテックスを付与するようにしてもよい。
本実施形態に係るトイレットペーパー7の製造方法においては、ラテックス付与面が対となるトイレットペーパー原紙に対面する位置関係で、各トイレットペーパー原紙71A、71Bを重ね合わせた後、その二枚重ねのトイレットペーパー原紙7Aの積層内面に位置しているラテックスを溶融させてトイレットペーパー原紙同士を接着して積層一体化する。
ラテックスを溶融させてトイレットペーパー原紙同士を接着する具体的手法としては、ラテックス付与部分に対して、超音波を照射して行なう超音波溶着、マイクロ波や高周波を用いた電磁波加熱による溶着、ヒートロールによって加熱して行なう加熱溶着が例示できる。図示例は、超音波溶着装置25を設けて接着を行なっている。例示の溶着処理は、積層内面に位置するラテックスを積層外面側から迅速に溶融させることができる。なお、超音波や電磁波の照射、ヒートロールによる加熱は、ラテックス付与部分のみ行なえばよく、トイレットペーパー原紙の紙面全体に行なう必要はない。また、超音波や電磁波の照射の出力は適宜設定すればよい。ヒートロールを採用するのであれば、ロール周面の温度は、80〜120℃とするのが望ましい。トイレットペーパー原紙71A,71Bを変性させることなく、適度にラテックスを溶融させることができる。
他方、本発明に係るラテックスとしては、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスのいずれであってもよい。合成ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエンゴムラテックスが例示できる。また、ラテックスは水溶性、油溶性のいずれも使用可能である。本発明では、ラテックス付与部分が、少なくとも幅方向10mm以下の細幅の線又は点線となるため、油溶性であってもトイレットペーパー7の水解性を確保できる。但し、水溶性の方が水解性に優れるため、水溶性のほうが望ましい。
ラテックスの接着力は、水、アルコール等の適宜の溶媒によって濃度を調整することで適宜に調整すればよい。接着力が強すぎる場合には、タルクや炭酸カルシウム等の無機填料、合成微粒子充填材などの粉状固形物を含有させて接着力を低下させるようにしてもよい。具体的な接着力は特に限定されない。旧来のプライエンボスと同程度の接着力が達成できる程度に適宜に調整すればよい。
ここで、本発明においては、トイレットペーパー原紙同士をラテックスにより接着するが、ラテックスは乾燥後に完全に固化せずにゴム弾性を有することから、これによりトイレットペーパー原紙を接着しても、トイレットペーパーの柔軟性が過度に損なわれない利点がある。
また、ラテックスは、粘度調整が容易であり、速乾性に優れるため、特にトイレットペーパー原紙のような低密度の紙に塗布しても紙層へ浸透し難いものとできる。すなわち、付与時にトイレットペーパー原紙の表面に留まりやすいものとできる。本発明に係るトイレットペーパー7の製造方法では、積層内面にラテックス付与面が位置するようにして積層されるため、トイレットペーパー原紙71A,71Bに対して浸透し難いラテックスであると、トイレットペーパー7とした際にラテックスがトイレットペーパー7の表裏面に殆ど滲みださない。したがって、トイレットペーパー7の表面性に影響を与えがたく、使用時の肌触りなどを悪化させない。
ラテックスの具体的な粘度としては、10〜700mPa・s、好ましくは50〜650mPa・sである。この範囲であれば、トイレットペーパーに対して好適にラテックスを付与することができる。より好ましくは400〜600mPa・sである。特にこの範囲であると、トイレットペーパー原紙71A,71Bへの浸透が効果的に防止され、トイレットペーパー原紙の表面に留まりやすいものとなる。
また、ラテックスの塗布量としては、溶液として0.1〜1.5g/m2、固形分として0.001〜1.0g/m2とすることが望ましい。この範囲であれば、トイレットペーパー原紙同士をプライ剥離を防止できる程度に接着することができ、また、トイレットペーパーの水解性の十分に確保できる。さらに、付与量が少ないため粘度の低いラテックスを用いてもトイレットペーパー表面への影響は小さい。
ここで、トイレットペーパーの水解性を確保するという点からは、ラテックスの固形分の塗布量が少なうほうが望ましく、また、トイレットペーパーの表面性を低下させないという点からは、溶液としての塗布量も少ないことが望ましい。しかし、ラテックスが一定量塗布されなければトイレットペーパー原紙の接着がされない。このため、本発明に係るトイレットペーパーの製造方法では、固形分量の多いラテックスを少量塗布するのが望ましく、この場合、必然的にラテックスが高粘度となるため、高粘度溶液の塗布に適するロール転写装置を用いるのが望ましい。また、塗布時のラテックスの飛散が少ないという点でもロール転写装置のほうが望ましい。
トイレットペーパー原紙の品質やデザインによっては、ロール転写では線状、点線状に十分な量のラテックスを付与できない場合もある。このような場合には、スプレー塗布の方が好ましい。
本実施形態に係るログ製造工程では、以上のようにトイレットペーパー原紙71A,71Bを積層一体化してトイレットペーパー7を形成した後には、ミシン目線形成装置82にてミシン目線の形成を行ない、その後に、巻き取り部85において長尺紙管30に巻き付けて2プライのログ75を形成する。但し、本発明では必ずしもミシン目線形成装置及びミシン目線の付与は必須ではない。また、本発明においては、トイレットペーパー原紙にプライエンボスを付与することは行なわない。
このようにして、積層内面に付与したラテックスにより積層一体化されて二枚重ねのトイレットペーパー7が長尺紙管30に巻かれたログ75を製造したならば、図1に示すように、このログ75を既知のログアキュームレーターX3で複数本をストックしつつ後段のログカッター設備X4へと移動させる。そして、その後に特に図1中(C)に示すように、既知のログカッター91でログ75を製品幅に裁断し、図6に示すような、個々のトイレットロール10,10…とする。
かくして製造されるトイレットロールは、トイレットペーパー原紙の少なくとも一方が、紙面の広範にエンボスeが付与されたものであり、かつ、幅方向10mm以下の範囲内でトイレットペーパー7の連続方向に沿って線状又は点線状に形成されたラテックス付与部分によって、トイレットペーパー原紙同士が積層一体化されているものとなる。特に、ラテックスを付与する際に、エンボスロールの表面形状に変形して、当該エンボスロールに密着している状態のトイレットペーパー原紙の、エンボスロールの凸部頂部に位置する部分にのみラテックスを付与した場合には、ティシュペーパーが、対面するトイレットペーパー原紙に対して凸となるエンボス凸部の頂部に配されたラテックスを介して積層一体化されたものとなる。
なお、トイレットロール10の大きさ等については、幅L1が100〜120mm、直径L2が90〜120mm、巻き長さ(トイレットペーパーの全長)が15〜100m、紙管内径L3が30〜50mmであるのが望ましい。この大きさであれば一般的なトイレットロール用のペーパーホルダーが利用でき、トイレットペーパー7の長さも十分である。
また、トイレットペーパー7の紙厚は、100〜350μm、1プライ当り米坪が11.0〜25.0g/m2であるのが望ましい。ここでの米坪とは、JIS P 8124(1998)の米坪測定方法によるものであり、紙厚とは、JIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて5回測定した平均値をいう。また、紙厚は、二枚重ねのまま測定する。
さらに、トイレットペーパー7の構成素材は、パルプ繊維を90%以上含むものであり、好ましくは98%以上、より好ましくは100%である。パルプ繊維としては、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)が最も好ましく、特にLBKPとNBKPとから構成され、LBKPの配合割合が50%以上、好適には70%以上であるのがよい。
なお、本発明のトイレットペーパー7の製造方法は、上記ログ製造工程内で行なわれなければならないということはない。ログ製造工程とは別工程において本発明に従ってトイレットペーパー7を製造した後、これを巻き取り、この巻き取った原反ロールをワインダーX2にセットしてログ75を形成するようにしてもよい。また、トイレットペーパー7は、トイレットロール10として使用するに限られない。
10…トイレットロール、7…トイレットペーパー、30…長尺の紙管、75…ログ、31A,32A…紙管原反ロール、31,32…紙管原紙、51…糊付けロール、44…接着糊、52…マンドレルシャフト、3…筒状部分、58…カッター、55…コンベア、X2…ワインダー、85…巻き取り部、71A,71B…トイレットペーパー原紙、70A,70B…原反ロール、21A,21B…エンボスロール、22A,22B…受けロール、11r…転写ロール、11…ロール転写装置、12…スプレー塗布装置、23…マリッジロール、25…超音波溶着装置、7A…二枚重ねのトイレットペーパー原紙、82…ミシン目線形成装置、91…ログカッター、X3…ログアキュームレーター、X4…ログカッター設備、L1…トイレットロールの幅、L2…トイレットロールの直径、e…エンボス。

Claims (5)

  1. 二枚の帯状のトイレットペーパー原紙が積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法であって、
    少なくとも一方の帯状のトイレットペーパー原紙を、表面に多数のエンボス付与凸部が配されたエンボスロールと、このエンボスロールと対をなす受けロールとの間に通してトイレットペーパー原紙の紙面にエンボスを付与するとともに、トイレットペーパー原紙をエンボスロールに巻き掛けて下流に搬送するエンボス付与工程と、
    エンボスロール周面に巻き掛けられて搬送されるトイレットペーパー原紙に、ラテックスを幅方向10mm以下の範囲内で搬送方向に沿って線状又は点線状に塗布してラテックス付与部分を形成するラテックス付与工程と、
    ラテックス付与部分が形成されたトイレットペーパー原紙をエンボスロールに巻き掛けて下流に搬送する過程、又はエンボスロールからトイレットペーパー原紙を離して下流に搬送する過程で、トイレットペーパー原紙のラテックスが付与された面を、他方のトイレットペーパー原紙と対面させて積層する、重ね合わせ工程と、
    ラテックス付与面が積層内面に位置している二枚重ねのトイレットペーパー原紙のそのラテックスを溶融させて帯状のトイレットペーパー原紙同士を接着して積層一体化する接着工程と、を有することを特徴とする二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法。
  2. エンボスロールの幅方向に間隔を空けて複数のラテックス付与部分を同時に形成する二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法。
  3. ロール転写によってエンボスロール周面に巻き掛けられて搬送されるトイレットペーパー原紙におけるエンボス付与凸部位置にラテックスを付与する請求項1又は2記載の二枚重ねのトイレットペーパーの製造方法。
  4. 二枚の帯状のトイレットペーパー原紙が積層一体化された二枚重ねのトイレットペーパーはロール状に巻かれたトイレットロールであって、
    トイレットペーパー原紙の少なくとも一方が、紙面全体にエンボスが付与されたものであり、かつ、幅方向10mm以下の範囲内でトイレットペーパーの連続方向に沿って線状又は点線状に形成されたラテックス付与部分によって、トイレットペーパー原紙同士が積層一体化されている、ことを特徴とするトイレットロール。
  5. 対面するトイレットペーパー原紙に対して凸となるエンボス凸部の頂部に配されたラテックスを介して積層一体化されている請求項4記載のトイレットロール。
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